唯「人の可能性を見せてやる!」(180)
?「──」
?「──!」
>誰かの声で目が覚めた
唯「ここ何処だろ…」
>辺りは霧で覆われていて何も見えない
床には血のような真っ赤なタイルが敷き詰められている
>不気味な所だ
悪い夢でも見ているのだろうか…
?「──」
>先ほどの声だ
霧の奥から聞こえてくる
唯「私を呼ぶのは誰?」
?「────」
唯「こっちに来てって言ってるのかな…」
?「───!」
唯「今そっちに行くからねー!」
>声が聞こえてきた方角に進んで行くと人影が見えた
霧のせいでその姿はよく見えない
唯「私を呼んだのはあなただよね」
?「……」
>僅かに影が動いた
頷いているようだ
唯「どうして私を呼んだの?ここは何処なの?」
?「…真実を」
>聞き覚えのある声だ
しかし頭がぼんやりして思い出すことが出来ない
?「……見つけて」
唯「え?」
?「……」
>意識が遠くなるのを感じる……
?「………私を…た…す……」
──桜が丘高校(教室) 9/12(月) 午前 雨
唯「滑り込みセーフッ!」
律「よー、唯。今日は遅かったな」
澪「寝坊でもしたのか?」
唯「そうなんだぁ。朝から変な夢見ちゃって、たぶんあれが原因」
紬「どんな夢だったのかしら?」
唯「それは…」
律「それは?」
唯「…忘れちゃった」
律「だと思ったよ」
>教室に和の姿がない
まだ来ていないのだろうか…
唯「和ちゃんまだ来てないのかな?まさか遅刻!?」
澪「律じゃないんだから」
律「どーゆー意味だよー」
澪「言葉通りだ」
律「なんだとー!」
澪「だいたい律は…」クドクド
紬「和ちゃんなら生徒会室よ。ほら、今忙しいから」
唯「そっか、生徒会の人が死んじゃったんだよね……」
>先日の雨が上がった霧の朝
鉄塔に吊るされた生徒会役員の死体が見つかった
>警察は殺人事件とみて捜査を進めているが
犯人の有力な手がかりはいまだ見つかっていない
紬「副会長さんも数日前から行方不明って話よ」
やっぱり唯ちゃんにはワイルドが似合うね
唯「和ちゃん生徒会長さんだもんね…大変だよね…」
>役員が減った負担が和に降りかかっているのだろう
紬「こんなときでも生徒会の仕事をきちんとこなす和ちゃんはすごいと思う」
唯「私たちで和ちゃんのお手伝いが出来ないかな?」
紬「それいいアイディアかも~♪」
唯「和ちゃんには日頃からお世話になってるもんね」
紬「そうね。せっかくだから私もお手伝いするわ!」
唯「ほんと!?さっすがムギちゃん!!」
紬「困ったときはお互い様だもの~」
唯「りっちゃんと澪ちゃんも……」
コナイダナンテ律ガ寝坊スルカラ私マデ遅刻シタンダゾ!
ショウガナイダロ!目覚マシ鳴ラナカッタンダカラ!
>…まだ喧嘩している
さわ子「あなたたち!何騒いでるの!?」
>二人をなだめ、朝のshrが始まった
──桜が丘高校(教室) 9/12(月) 昼休み 雨
律「待ちにまったランチタイムだー」
唯「だー!」
和「あなたたち、元気なのはいいけどふざけ過ぎて怪我しないでよ?」
律「大丈夫だって。和も一緒に飯食べようぜ」
唯「食べよ食べよ~」
和「ごめんなさい。まだ生徒会の仕事が残ってるから」
澪「お昼休みも仕事なのか?大変だな…」
紬「私たちで何かお手伝いできないかしら?」
唯「和ちゃんすごーく大変そうだから、力になりたいんだ!」
律「良い事言うじゃん唯、ムギ!私も手伝うよ。和には部活関係で色々迷惑かけてるし」
澪「とくに律がな」
律「澪も手伝ってくれるってさ!」
澪「勝手に決めるな!ま、まぁ和にお世話になってるのは本当だからいいけど…」
和「ありがとう。気持ちだけ受け取っておくわ」
紬「でも人が少なくて大変じゃない?」
和「他の役員の子たちにも頑張ってもらってるから平気よ」
和「それじゃあ私生徒会室に行くね」
>和は教室から出て行ってしまった…
律「大丈夫かな、和」
澪「ちょっと顔色悪かったな」
紬「やっぱり仕事が忙しいんだと思う」
唯「(和ちゃん…)」
律「…私たちだけで飯にするか」
澪「ああ」
──通学路(下校中) 9/12(月) 放課後 雨
梓「…和さんのお手伝いを?」
>梓にお昼休みの出来事を話した
唯「断られちゃったんだけどね」
梓「和さんて何でも一人でやっちゃうイメージがありますよね」
唯「うんうん!私もそう思う!」
梓「誰かさんとは正反対です」
唯「誰かさん?」
梓「…ええと、和さんが大変なのは間違いないと思います」
梓「でも和さんは生徒会長ですから、弱音を吐いちゃ駄目なんですよ」
唯「……うん」
梓「だから今度生徒会室にみんなで押し掛けて、無理矢理お手伝いしちゃいましょう」
唯「グッドアイディアだよ、あずにゃん!」ダキッ
梓「ちょっ!抱きつかないでください!人が見てます!」
唯「よいではないか、よいではないか~♪」
アルバイトの女の子
「よろしくお願いしまーす」
>大学生ぐらいの女の子が、傘を差しながらチラシを配っている
アルバイトの女の子
「お願いします」
唯「これはご丁寧に」ペコペコ
梓「唯先輩は丁寧過ぎです」
アルバイトの女の子
「あはは」
>『近日ケーキショップオープン!』と書かれている
色とりどりのケーキの写真が掲載されていて、どれもおいしそうだ
唯「ケーキ屋さんだってあずにゃん!すっごくおいしそーだよ!」
梓「分かりましたから、はしゃがないでください。私が恥ずかしいじゃないですか」
アルバイトの女の子
「あなたたち面白いね。ケーキは好き?」
唯「はい!大好きです!よく部活で食べます!」
アルバイトの女の子
「そ、そう。私もケーキが大好きなの。だからここでバイトしてるんだ」
唯「ケーキ屋さんでアルバイトかー。考えただけでワクワクしちゃうね、あずにゃん」
梓「(唯先輩のことだから、ケーキを食べる仕事だと思ってそう)」
アルバイトの女の子
「まだ募集してるからよかったらウチにきてね」スッ
>女の子が手を差し出した
…握手を求めているのだろう
唯「はい!そのときはよろしくお願いしますです!」ギュッ
>手を握り返した
アルバイトの女の子
「こちらこそ。私はまだここでチラシ配らないといけないから」
唯「頑張ってください!」
アルバイトの女の子
「ふふ、ありがとう。最近物騒だから、帰りは気をつけてね」
梓「殺人事件なんていまだに信じられませんよね」
アルバイトの女の子
「それに変な噂話のこともあるし」
唯「噂話?」
アルバイトの女の子
「マヨナカテレビって知ってる?」
唯「マヨナカ……テレビ……」
梓「……」
アルバイトの女の子
「最近流行ってる都市伝説なんだけどね」
>以前何処で聞いたことがあるような気がする
アルバイトの女の子
「雨の日の午前0時に、消えたテレビ画面を見つめていると…ってあなた大丈夫?」
唯「へ?」
梓「つらそうな顔してますよ」
>言われてみれば、どうも体調がすぐれない
雨で身体を冷やしてしまったせいだろうか…
アルバイトの女の子
「今日は早く帰って、ゆっくり休んだほうがいいわね」
>話を切り上げ、アルバイトの女の子と別れた
──平沢宅(リビング) 9/12(月) 夜 雨
唯「ご馳走様でしたー!」
憂「お粗末様です」
唯「う~い~、アイス~」
憂「今度ね。それよりお姉ちゃん平気なの?帰ってきたときすごくつらそうだったけど」
唯「大丈夫だよ~」
>いつの間にか具合はよくなっている
単なる立ちくらみだったのかもしれない
憂「それならいいんだけど。念のために、今日は夜更かししないで早く寝るんだよ?」
唯「早く寝るからアイス!」
憂「もぉ、しょうがないなぁ」
唯「やった~♪」
>大事をとって早めに寝ることにした
──通学路(登校中) 9/13(火) 朝 雨
紬「お早う、唯ちゃん」
>登校中、紬と出会った
唯「雨止まないねー」
紬「明後日には止むって天気予報で言ってたわ」
唯「明後日かぁ」
紬「最近雨が数日降り続いたあとに霧が出るじゃない?」
唯「そーなの?」
紬「真夜中ぐらいから濃い霧が出て、私たちが登校する前には晴れちゃうの」
唯「ほー…」
紬「事件があったのも、霧が出た日だったわ」
唯「……」
紬「朝からする話じゃなかったわね、ごめんなさい。そうえいば唯ちゃん数学の宿題やった?」
唯「あ~!忘れてたぁ…」
>紬と楽しくおしゃべりしながら学校へ向かった
──桜が丘高校(教室) 9/13(火) 昼休み 雨
和「ごめんなさいね、唯。また誘って」
唯「うん、お仕事頑張ってね」
>和は教室から出て行った
律「また断られちったか」
澪「相当疲れが溜まっているみたいだったな」
紬「ええ…」
唯「副会長さん、何処行っちゃったんだろうね」
律「んー、家出とか?」
澪「話したことあるけど、そんないい加減な人には見えなかったぞ」
紬「もしかして、殺人事件の犯人に誘拐されて…」
澪「む、ムギ!怖いこと言わないでくれ!」
紬「ご、ごめんなさい」
>どことなく気まずい雰囲気だ…
律「あ、そうそう、みんなこの話知ってるか?今が旬の都市伝説!」
澪「こ、怖い話じゃないだろうな…」
紬「わぁ、面白そう♪教えてりっちゃん!」
律「ふふ、いいだろう!その名もマヨナカテレビだ!」
澪「私は知らないな…」
紬「聞いたことがあるような…ないような…?」
律「唯は知ってるか?」
唯「前に何処かで聞いたことがあるんだけど、忘れちゃった」
紬「私も…」
澪「そのマヨナカテレビってどんな話なんだ?」
律「雨の降る午前0時に、消えたテレビ画面を見つめていると…」
澪「!」バッ
>澪はとっさに耳を塞いだ
…どうやら怖い話だと思ったようだ
律「…運命の人が映るらしいぜ?」
澪「…お、終わった?」
>澪は涙目になりながら、様子を窺っている
紬「怖い話じゃないから大丈夫よ、澪ちゃん」
唯「運命の人がテレビに映るんだって」
澪「…運命の人」
律「お、澪しゃんがえっちぃこと考えてるぞー」
唯「やだ、澪ちゃん昼間から大胆…」
澪「考えてない!」
紬「…澪ちゃん…ポッ」
澪「む、ムギまでっ!」
紬「でも面白そうなお話ね♪今夜も丁度雨だし、みんなでやってみない?」
律「いいな!エッチな澪しゃんも当然やるだろ?」
澪「エッチ言うなっ!」ポカッ
律「あいたっ!」
紬「私の運命の人は誰かしら~」
唯「私はギー太かなぁ…」
澪「唯、せめて生き物をあげてくれ」
律「あぁ、言い忘れてたんだけどさ」
唯「?」
律「テレビに映るのは、実は死んじゃう人だって噂もあるんだよ」
澪「えぇ!?」
律「殺された生徒会役員が映ったのを見たって話もあるんだ」
澪「ひぃっ!?」
唯「マヨナカテレビに?」
律「はっきりとじゃないけど、似てたらしい」
澪「聞こえない!聞こえないー!」
>澪は耳を塞ぎながら震えている
唯「ほんとかなー?」
律「今夜みんなで噂の真相を確かめようぜ」
紬「怖いけど、気になるから見てみるわね」
唯「なら私も!」
律「決まりだな!」
>今夜、みんなでマヨナカテレビを見る約束をした
>忘れないように覚えておこう
──平沢宅(リビング) 9/14(水) 深夜 雨
>そろそろ午前0時だ
律に言われた通りテレビを覗き込んだ
唯「……」
>しかしテレビには何も映らない
やはり単なる噂話に過ぎないのだろうか…
唯「…あれ?」
>砂嵐と共にテレビに何か映りだした
砂嵐がひどくて分かりづらいが、映っているのは女の子のようだ
>よく見ると女の子は桜が丘高校の制服を着ている
唯「うちの生徒?だ、誰なんだろ」
>食い入るようにテレビに顔を近づけると…
なんと!顔がテレビの中に入ってしまった!
唯「うわわ!どど、どうなってるのー!?」
>慌ててテレビから顔を引き離した
唯「はあ…はあ…び、びっくりした~。でもなんで…」
唯「ハッ!もしや私エスパー!?」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「う、憂!?」
憂「すごい声がしたけど、大丈夫!?」
唯「だ、大丈夫!少し寝ぼけてたみたい、でへへ…」
憂「そ、そう…」
>…すごい体験をしてしまった
明日みんなにこのことを話してみよう
──桜が丘高校(教室) 9/14(水) 午前 雨
唯「おっはよー」
律「遅いぞ、唯!」
澪「唯は昨日テレビ見た!?」
唯「うん!見たよ!」
>昨日テレビで見たものをみんなに話した
律「やっぱり唯も同じものを見てたのか」
澪「あの子、うちの高校の制服着てたよな」
紬「間違いないと思うわ。それに映ってた女の子だけど…」
唯「知ってるの?」
紬「行方不明の副会長さんに似てた気がするの」
律「…マジかよ」
澪「副会長が私たちの運命の人ってことはないよな…」
律「あってたまるかっての」
紬「じゃあ、副会長さんは……」
唯「テレビの中に吸い込まれちゃったんだよ!」
律「……はい?」
>昨日の出来事をみんなに話した
律「それ、唯が寝ぼけてただけだろ…」
>律は呆れている…
澪「テレビの中に入ったなんて話、信じられないよ」
唯「ほ、ほんとなんだってば!ほんとにテレビの中に、頭からずぼーっと!」
律「で、テレビの中はどうなってた?」
唯「案外広かった!」
律「…こりゃ、決まりだな」
澪「やっぱり夢だよ、唯」
唯「ほんとなのに~」
さわ子「もぉ、また騒いでる!さっさと席着きなさい!」
>テレビの中に入ったことは信じてもらえなかった
釈然としないまま朝のshrが始まった
──通学路(下校中) 9/14(水) 放課後 雨
律「…最近ケーキ食べてないなぁ」
>言われてみれば、最近紬のケーキを食べていない
なんだか急にケーキが恋しくなってきた…
澪「仕方ないだろ、事件のせいで放課後の部活動は禁止になってるんだから」
唯「私もケーキが恋しーよー」
澪「我慢しろ」
律「ケーキぃ…」
唯「ケ~キ~…」
澪「私にたかってもケーキは出ないぞ!」
律「あっ!」
澪「こ、今度はなんだ!?」
律「先月オープンしたショッピングセンターあるだろ?」
唯「ジュネスだっけ?色んなお店が入ってて便利だよね!」
律「そこの喫茶店のケーキがめちゃくちゃうまいって評判なんだ!今から食いに行こーぜー!」
唯「さんせー!」
律「澪も行くだろ?」
澪「行きたいけど、今日は家の用事があるんだ」
唯「えー澪ちゃんもー?」
律「ムギも用事があるって先帰っちゃうし、つれねーなー」
唯「いいですよー、りっちゃんとラブラブケーキしちゃうから!」
律「しちゃうから!」
唯「りっちゃん!」ダキッ
律「唯ちゃん!」ガシッ
>律と熱い抱擁を交わした
澪「悪いな、また今度誘ってくれ」
>しかし澪は帰ってしまった
律「…澪のやつ、マジで帰りやがった。どうする?今度にするか?」
唯「行きましょう、律さん!」
律「おぉ、いやに乗り気だなー。そんなに食べたかったのか?」
唯「ケーキって聞いて、私の口完全にケーキの口になったからね!」
律「なんだよ、ケーキの口って…」
唯「れっつケーキ!」
律「わ、分かったから引っ張るなって!」
>律と一緒にジュネスへ向かった
──ジュネス桜が丘店(喫茶店) 9/14(水) 放課後 雨
唯「……はぁ」
律「……ふぅ」
唯「…すっごくおいしかったね」
律「やばかったな。やばうまだったな」
唯「激やばだったね」
律「今度は絶対みんなも連れてこよーぜ!」
唯「うん!」
律「さてと、せっかくジュネスまで来たんだから、ぶらっと見て帰るか」
唯「らじゃー」
律「唯、どっか見たいとこあるか?」
唯「んー、とくにないかぁ」
律「なら家電コーナー行こーぜ!うちのテレビ調子悪いから買い替えようと思ってるんだ」
唯「りょーかーい」
──ジュネス桜が丘店(家電コーナー) 9/14(水) 放課後 雨
唯「お客さん、このテレビなんか当店の一押しですぞぉ」
律「あら、でもお高いんでしょ?」
唯「奥さん美人だからね、このくらいにオマケしちゃう!」
律「ううん、もう一声ぇ~」
唯「洗剤もつけちゃうよ、奥さん!」
律「サイコーよぉ!!」
唯「……」
律「……」
>……
>ツッコミの大切さを痛感した
律「やっぱこういうとこのテレビは高いなぁ。買うなら家電量販店のがいいか…」ブツブツ
>律は値段とにらめっこしている
>目の前にとても大きなテレビがある
この大きさなら人も楽に入れるだろう…
唯「……よしっ」
>意を決してテレビ画面に腕を伸ばした
唯「わわっ!」
>伸ばした腕は、そのままテレビ画面に飲み込まれてしまった!
律「どしたー、唯?まるでテレビに入り込んじゃったような声出して」
唯「見て見てりっちゃん!ほんとに入っちゃったでしょ!?」
律「……は?」
>律は固まっている
律「はは~ん、さては手品だな!やるじゃん唯!朝の話は複線だったのかよ!」
唯「違うよぉ!ほんとにほんとに入っちゃってるんだってば!」
律「あ、あれか!?最近のテレビは画面に入れる機能がついてるのかー!?」
唯「なわけないでしょ!」
律「じゃあなんで腕がテレビん中入ってんだよ!」
唯「分からないよ~!」
>二人は混乱している!
唯「わわっ!な、なんか引っ張られるぅ~!」
律「おい!大丈夫なのかよ、唯!」
唯「りっちゃん押さないで!!」
律「おわぁ!!」
──テレビの中(???)
律「唯、起きろ唯!」
唯「でへへ、ケーキはもう入らないってば、りっちゃ~ん…」
律「寝ぼけてる場合か!」ペチン
唯「あうちっ!…あ、あれ?ケーキは?」
律「ケーキの夢はもういいっつの!それよりどーすんだよ!」
唯「どうするって…何が…?」
律「私たちテレビの中に入っちゃったんだぞ!?」
>だんだんと記憶が蘇ってきた
信じたくはないが、ここはテレビの中らしい…
>いつか見た夢のように、あたりは深い霧で覆われている
律「あーもう!どうすりゃいいってんだ!」
>律は取り乱している
唯「りっちゃんりっちゃん、とりあえず落ち着こう」
律「落ち着いてられっか!二度と出られないかもしれないんだぞ!?」
唯「入ってこられたんだから、きっと出口も何処かにあるよ」
律「絶対とは言い切れないじゃないか!」
唯「たぶん?えへへ、でもきっとなんとかなるって!」フンス!
律「……」
唯「りっちゃん?」
律「…唯って、意外と度胸があるんだな」
唯「へ?そかな?」
律「この状況にも全然動じねーじゃん」
唯「うーん、なんでだろね?」
律「私に聞くなよなー。まぁ、慌てても仕方ないか」
>律は冷静さを取り戻したようだ
律「しっかし出口を探そうにもすごい霧だな。1m先も見えないぞ」
唯「これじゃ迷子になっちゃうね」
律「……っ」
唯「りっちゃん?」
律「は、はぐれないように手を繋ごうぜ」
唯「うふふ」
律「…なんだよ」
唯「りっちゃん可愛い」
律「う、うるせい!」
唯「ん~?」
>よく目を凝らすと前方に人影が見える
近づいてみると、それは大きなクマのヌイグルミだった
律「…なんだこりゃ?」
唯「あ、手に看板持ってるよ」
律「何々…」
>『ご自由にお持ちくださいクマ』
唯「クマさんゲットだぜ!」
律「ピカチュウ!」
唯「……」
律「……」
唯「このクマさんお持ち帰りしていいってことかな?」
律「これをかぁ?仮にokだったとしてもいらないだろ。いまいち可愛くないし」
唯「そーかなー?とっても可愛いと思うけど」
律「なら唯にやるよ」
唯「やたー!」
>クマを持ち上げようとすると、頭が取れてしまった
唯「取れたー!」
律「…これは元から取れるようになってたみたいだな」
唯「ほんと!?てっきり壊しちゃったのかと思ったよ」
律「ん?中に何か入ってるぞ…」
>クマの中にはたくさんの眼鏡が入っていた
律「ご自由にってのは眼鏡のことじゃないか?つっても眼鏡なんかいらないけどなー」
唯「えー、せっかくだからもらっていこーよー」
律「何に使うんだよ。私も唯も視力は悪くないだろ」
唯「セブンごっこ出来るじゃん!」
律「ジュワッ!」スチャ
唯「ジュワワッ!」スチャ
>唯と律は眼鏡を装備した
律「…すげぇ」
唯「何これ!?」
律「霧で何も見えなかったのに、眼鏡をかけた途端霧が晴れて見えるようになったぞ!」
唯「びっくり眼鏡だね!」
律「これで出口の捜索が出来るぜ~!」
唯「いよっしゃー!」
>唯と律は不思議な眼鏡を手に入れた!
>改めて周囲を見回してみる
…どうやらここはステージのようだ
唯「スポットライトもあるねー」
律「ライブ出来そうだな」
唯「はっ!?」
律「どうした、唯」
唯「テレビの中でライブしたら、全国のお茶の間に私たちの放送が流れんじゃ!?」
律「なんだってー!?」
唯「いえーい!澪ちゃん見てるー!?」
律「ムギぃ!!私テレビに出てるよー!!」
唯「……」
律「……」
唯「…出口探そ」
律「…はい」
>ステージの隅に古風なテレビを見つけた
これが出口だろうか…
律「テレビが入り口だったから、出口もテレビってか?」
唯「ちょっと覗いてみます!」
>古風なテレビに頭を突っ込んだ
遠くでジュネスの店内bgmがかすかに聞こえてくる…
>どうやらこれが出口で間違いなさそうだ
唯「ジュネスの音楽が聞こえてきたから、出口で間違いないと思う!」
律「随分あっけなく見つかったなぁ…」
唯「では帰りましょー!」
律「ちょい待ち!」ガシッ
唯「むぎゅ!?」
>律に襟首を掴まれた
唯「けほっけほっ!もぉ、りっちゃん何ー?」
律「悪い悪い。このまま帰っちゃうのは勿体ないと思ってさ」
唯「ライブしてから!?」
律「ライブから離れろ。出口も見つかったことだし、ちょっと探検していかないか?」
唯「テレビの中?」
律「おうよ!眼鏡もあるんだし、遠くまで行かなきゃ迷うこともないだろ」
唯「危なくないかなぁ」
律「大丈夫だって!いざとなったらダッシュでここまで戻ってくればいいんだ」
唯「うーん、せっかくだから行っちゃいますかー」
律「そうと決まれば早速出発だー!」
唯「ま、待ってよー、りっちゃーん!」
──テレビの中(通学路?)
唯「ねぇ、ここ…」
律「私たちが普段使ってる通学路そっくりだな。つか、そのまんまなんじゃないか」
>空が真っ赤なことを除けば、普段通い慣れた通学路だ
唯「…静かだね」
律「生き物は私たち以外いないって感じだな」
>辺りには不気味な静けさが漂っている…
唯「このまま真っ直ぐ行けば学校?」
律「かもなぁ」
唯「あれ?あそこに何か落ちてる」
>道端に何か白い物が落ちている
…上履きだ
律「片方しかないな。お、名前が書いてあるぞ…」
唯「誰さんの?」
律「……これって」
>律の顔つきが変わった
知り合いのものだったのだろうか?
唯「り、りっちゃん後ろ!!」
律「な、なんだよ!急にでかい声出すなよぅ」
>律の背後には不気味にうごめく二つの影が迫っていた
律「ってなんじゃこりゃー!?」
唯「なんだか嫌な予感がするよ!戻ろう!?」
律「あ、ああ!」
>こちらの動きに気付いた影は、突如としてその姿を変えた!
i:::::::::::.', i:::::::::', ',::::::::::',_ ヽ::::':, ,イ/ ,ィ.:.i´/ /:::/ ./:::/ r'::::r'ィ 、
i::::::::::::', i::::::::::! ',:::::イ `ヽ、 .ヽ::::! //イ' /::/ /:::/ /:::/ /:イ/ /ヽ
i::::::::::::', / ̄`ー---'" \:::! ,イ,.'::/ /::/ /:::/ !::::! /::イ__/::'" .i
i::::::::::;i,ィ __ >! /r'/,イ::/ ./:::/ !::::! /::/ ̄!:::/ i
!::_,イ _ ,イ ! `t .tイノ!:!r'__,イ-'"^ヽ::/_,,=、/::::! !:::i /::/ .. /
'" ̄ ,, ィ" |  ̄` t !_,l--'"7 i:!ヽ、___ ヽ、! !:::! i::::! ./ハ'
_, -t'" ! i、___ノヽ--':::::::::::::_::::i l:! i! !:::::`ヽ_ヽ--,_ \:!_ .!::::! i::i/
i_i、_ハ__ノヽ-'`ー‐'::::::::::::::::::::::´: ̄ ̄ ̄`ヽ;! ! y:::::`ヽ::_-':ヽ.'`ー---_/ !:::i ゝ'
!、:::::::,r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ:::. : : : : : : : : ヽ/: : : : :/: : ::::::::::::::,rf"ニ'/ !:::!/
! \ |`ヽ、::::::::::::::::::. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !: : : :!: : : : : :::::!-'::::! _,/
ヽ 丶、 yヽ、::::::::::::.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :!: : : :!: : : : : ::::!-- '"
::::::::\ `ヽ,,_!ヽ::::::::::.: : : : : : : : : : : : : : : : : :!: : : :!: : : : : : ::ヽ
:::::::::::/ヽ  ̄ヽ::::::::::. : : : : : : : : : : : : : : : :!`ヽ,: : : : : : : : : ':,
シャドウ名:失言のアブルリー×2
唯「唇お化けになった!?」
律「ひぃっ!?」
>律は腰を抜かしてしまった
アブルリーa
「ギィイイイ!」
アブルリーb
「ギィイイイ!」
>アブルリーたちは恐ろしい雄たけびを上げている
唯「りっちゃん早く逃げよう!」
律「待ってくれ!こ、腰が…!」
>律は立ち上がることが出来ない!
アブルリーa
「ギー!!」
>アブルリーaは律目掛けて襲い掛かった!
律「も、もー駄目だぁ!!」
唯「りっちゃーん!!」
唯「……っ!?」
──我は汝──汝は我
>頭の中で声が響く……
──双眸見開きて汝──今こそ発せよ!
唯「…ペ…ル…ソ…ナ」
唯「ペルソナッ!」カッ!
/\
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'-‐ '
アルカナ:愚者 ペルソナ名:イザナギ
唯「お願い、イザナギ!」
>イザナギの大剣がアルブリーaを串刺しにする!
アブルリーa
「アバ…ババ……!」
>アブルリーaは霧散した
律「あ、あれ?私生きてる?」
唯「りっちゃん怪我はない?」
律「うわ!なんか変なの増えてるし!」
唯「大丈夫、この子は味方だから!」
律「こいつが…味方…?ゆ、唯!後ろ!!」
>アブルリーbの体当たり!
イザナギはよろめいた
唯「っつ!やったなぁー!!」
>イザナギの大剣がアブルリーbを襲う!
アブルリーb
「ギョエエエエエ!」
>アブルリーbを一刀両断!
アブルリーbは断末魔とともに霧散した
唯「はぁ…はぁ…!」
律「やっつけた、のか?」
唯「えへへ、ブイ!」
律「は、はは、やった、やったぞ唯~!」
>アブルリーたちを倒した!
to be continued...
乙乙
やっぱり唯ちゃんハーレムなのだろうか
──ジュネス桜が丘店(家電コーナー) 9/14(水) 夜 雨
律「なんとか帰ってこれた~」
唯「どっと疲れたぁ」
律「実際死にそうになったぐらいだからな、はは」
唯「笑い事じゃないよ~」
律「まぁ生きて帰ってこれたんだからさ、そのうち笑い話にもなるって」
唯「生きて帰れたのは誰のお陰ー?」
律「唯様ー!」
唯「……ぷっ」
律「はははは!」
唯「あぁ!」
律「な、なんだ!?またアイツか!?」
>律は驚いている
唯「もう晩ご飯の時間過ぎてるぅ…」
律「マジかよ~!」
>携帯には何通ものメールが来ている
差出人は全て憂だ…
唯「急いで帰らなくちゃ!」
律「だな!話したいことは山ほどあるけど、また明日だ!」
唯「あい!またね、りっちゃん!」
律「気をつけて帰れよー!」
>律と別れ、急いで帰宅した
──平沢宅(玄関) 9/14(水) 夜 雨
憂「お姉ちゃ~ん!」
唯「う、憂!?」
>帰宅するなり憂に抱きつかれた
憂「事件に巻き込まれたんじゃないかって、すっごく心配したんだから!」
唯「ごめんね、憂。よーしよしよし」ナデナデ
憂「うぅ~…お姉ちゃ~ん…」
>憂の真っ直ぐな愛情を感じる…
>これからは心配をかけないよう、気をつけなくては…
──桜が丘高校(教室) 9/15(木) 午前 晴
澪「唯、ちょっといいか?」
>教室へ来るなり、澪に呼び出された
何の用だろう?
澪「律のことなんだけど、昨日何かあったのか?」
唯「…へ?」
澪「話しかけても上の空だし、態度も素っ気無いんだ」
>テレビの世界のことを考え込んでいるのかもしれない
澪には黙っていたほうがいいだろう…
唯「さ、さぁー?あれかな、澪ちゃんが昨日帰っちゃったの怒ってるとか…」
澪「私もそう思って謝ったのに、違うって言うんだよ」
唯「…うーん」
澪「…律の馬鹿」
>澪は少し涙ぐんでいる
本当のことを言えないのが気の毒だ…
律「二人とも何話してんだー?」
澪「!」
>そこへ律がやってきた
澪「別に…何でもいいだろ…」
律「澪しゃんは冷たいなー」
唯「と、ところでりっちゃん、何か用事があったんじゃない!?」
律「ん?あー、そだった。実は昨日のことなんだけどな…」
澪「……」
>澪がいる手前、律は話すのを躊躇っているようだ
澪「私が邪魔なんだろ。いいよ、何処か行くから」
>澪は去って行った
このままでは関係が悪化しそうな気がする…
律「なんだあいつ?変なのー」
律「ま、いいや。それよりあっちで上履き見つけたの覚えてるか?」
>律が興味深そうに見ていたのが印象的だった
誰の物か分かったのだろうか?
律「聞いて驚くなよ?実はな……」
さわ子「おはようございま~す」
律「げっ!」
さわ子「田井中さん!げ、とはなんですか!げとは!」
>いいところでさわ子先生が来てしまった
律「続きまた後で!」
>律は自分の席に戻っていった
さわ子「それでは出席をとります」
>……
>…朝のshrが始まる
さわ子「…点呼おしまいっと。うんうん、うちのクラスは今日もみんな元気ね」
さわ子「連絡事項だけど…」
ピンポンパンポーン
『先生方にご連絡します。緊急職員会議を行いますので、至急職員室にお集まりください』
『繰り返します。緊急職員会議を行いますので、先生方は至急職員室にお集まりください』
さわ子「何かしら?ちょっと行って来るから、指示があるまで教室で自習ね」
>さわ子先生は駆け足で出て行ってしまった
律「緊急会議だってさ。なんだろうな?」
紬「また事件かしら…」
律「……」
>律は何やら考え込んでいる
和「自習中に出歩いちゃだめじゃない」
律「和だって出歩いてるだろー」
和「私は生徒会長だからいいのよ」
律「職権乱用だー!」
唯「訴えてやるー!」
和「ふふ、冗談。それにしてもさっきの放送、気になるわね」
紬「事件じゃないといいのだけど」
和「残念だけど、何かあったのかもしれないわ」
唯「えぇ!?」
和「パトカーのサイレンがしたの聞こえなかった?」
紬「ならやっぱり…」
和「おそらくね」
>30分後、生徒は急遽下校することになった
さわ子先生が言うには、この近くでまた殺人事件があったそうだ…
──通学路(下校中) 9/15(木) 午前 晴
律「……」
澪「……」
>学校を出てから、みんな口数が少ない
…重苦しい雰囲気だ
唯「…副会長さんが殺されたってみんな噂してたね」
律「…ああ」
澪「いい人だったのに…」
>澪は静かに泣いている…
紬「この分だと、学園祭も中止になっちゃうわね」
澪「当たり前だろ!…お祭って気分には、とてもなれないよ」
紬「…そうよね、ごめんなさい」
律「唯、この後ジュネスにこられるか?」ヒソヒソ
唯「う、うん、大丈夫だけど…」
律「じゃあみんなと別れた後、こっそり……」ヒソヒソ
澪「…何の話をしてるんだ」
律「べっつにー。大したことじゃねーですよ?」
澪「殺人事件があったってのに、唯と仲良く遊ぶ約束か?」
律「んだよ、今日はやけにつっかかってくるな」
澪「…だって…律が」
律「なんだって?」
澪「うるさい!ばーか!」
>澪は帰ってしまった
紬「澪ちゃん、なんだか変だったわね。何かあったのかしら?」
律「いつものヒステリーだろ?ほっとけほっとけ」
唯「……」
>本当に放っておいていいのだろうか…
澪とよく話し合ったほうがいいのかもしれない
紬「私こっちだから、また明日ね」
唯「ばいばい、ムギちゃん」
律「まったなー」
>紬と別れた
>律と二人だけになってしまった
唯「…これからジュネスに行くんだよね?」
律「ジュネスというより、テレビの中だな」
唯「えぇ!?」
律「また探検したいとか、遊びにってわけじゃないぞ?」
>律には思うところがあるようだ…
唯「じゃあ、なんで?」
律「あの上履き…」
唯「上履き?」
律「…副会長のだったんだよ」
律「一向に手がかりの掴めない犯人、テレビの中で見つけた上履き」
唯「……」
律「それで思ったんだ。この事件、テレビの世界が関係してるんじゃないかってな」
律「それなら、警察がお手上げなのも納得だろ?」
唯「な、なら警察に事情を話してお願いしようよ!」
律「テレビの世界の化物が犯人ですって?誰が信じるんだよ」
唯「…だけど」
律「頼むよ、唯。私はどうしても事件の真相が知りたいんだ」
>どうしてそこまでこだわるのだろう…
律「あのとき逃げなきゃ、副会長を救えたかもしれないから」
唯「…え?」
律「上履きを見つけたとき、逃げちゃいけなかったんだ。もしかしたら側にいたのかもしれない」
唯「で、でもあんな怖いお化けが出た後じゃしょうがないよ!律ちゃんは悪くない!」
律「名前を見てすぐ気付いたんだ。副会長の物だって」
唯「…私なんて、それすら気付けずにいたよ?」
律「私があのとき、そのことを唯にちゃんと言ってれば副会長は…」
唯「もしとか、ればって話はもうやめよう…」
律「お願いだ、唯!テレビの世界に行くにはお前の力が必要なんだ!」
唯「……」
律「このまんまなかったことにするなんて、出来ないんだよ…」
唯「危なくなったら、すぐ帰るからね」
律「…唯?」
唯「私たちまで被害者になっちゃったら元も子もないもんね」
律「それじゃあ…」
唯「行こう、テレビの世界へ」
律「唯!ありがとう!」
>律と一緒にテレビの世界へ行くことになった
>ペルソナがあるとはいえ、用心しなければ…
──テレビの中(通学路)
>ジュネスのテレビを通り抜け、テレビの世界へやってきた
>相変らず不気味な所だ…
律「たしかこの辺りで上履きを見つけたんだよな」
唯「そうだね」
律「あの化物にあったのも…」
唯「…うん」
>昨日の出来事が思い返される…
律「これが通学路なら、この先に学校があると思うんだ」
唯「調べに行くの?」
律「何かありそうだろ?行ってみようぜ」
>この先何があるか分からない
注意して進もう…
──テレビの中(禍津桜が丘高校)
>正門には禍津桜が丘高校と書いてある
律「マガツって読むのか、これ?」
唯「たぶん?」
律「まぁ見た感じはまんま桜が丘高校だよなぁ」
>通学路同様、気味の悪そうな所だ…
唯「ほ、ほんとに入るの?」
>校舎からは、いかにも出そうな空気が漂っている
律「あったりまえだろー?さ、行こうぜ、唯」
唯「…うひぃ」
>恐る恐る校舎の中へ足を踏み入れた…
──禍津桜が丘高校(生徒会室)
>生徒会室の中には何十枚もの紙が散乱している
律「何かあるならここだって思ってきたけど、ひでーなこりゃ」
唯「字が書いてあるね…」
>血のような赤い文字で何か書かれているが、読み取ることは出来ない
律「……っ」
唯「帰る?」
律「ば、ばっか!まだきたばかりだろ!?」
律「事件の手がかりがあるかもしれないし、手分けして探そうぜ」
唯「探すって、何探せばいいの?」
律「事件の手がかりっぽいものだよ!」
>……
>事件の手がかりっぽいものを探すことになった
律「唯ー、何か見つかったかー?」
唯「何もー」
>あれから20分近く捜索しているが
手がかりらしいものは何も見つからない…
律「絶対何かあると思ったんだけどなぁ」
唯「りっちゃん、そろそろ戻ろうよ」
律「……」
唯「長居するのは危ないよ。今日は引き返そう、ね?」
律「待て!」
>律は突然走り出した
唯「り、りっちゃん!?」
>慌てて律の後を追いかけた
律「……」
>階段の踊り場にいる律を見つけた
唯「急に走って出て行っちゃうからびっくりしたよー」
律「……」
>律は上の階を睨みつけている
一体何があったのだろうか?
唯「りっちゃん?」
律「さっきの生徒会室のドアの窓に、人影が横切ったんだ」
唯「…え?」
律「もしかしたら犯人かもしれない」
唯「えー!?」
律「チラッと後姿が見えたけど、うちの高校の制服着てたぜ」
>犯人は桜が丘高校の生徒の誰かなのだろうか…
律「この上に逃げて行った」
唯「この先は…」
>けいおん部の部室がある場所だ
律「行くぞ、唯!」
唯「う、うん!」
──禍津桜が丘高校(けいおん部・部室)
>部室のドアを勢いよく開け放した
>誰かがイスに座りながらお茶を飲んでいる…
律「そこにいるのは誰だ!?」
>室内は暗く、その顔ははっきりと見ることが出来ない
?「やっときたか~。さぁて、ここで問題!私は誰でしょーか!?」
>陽気で明るい声だ
普段、よく聞く声でもある…
唯「その声…りっちゃん!?」
?「はい、唯ちゃん見事正解!おめでとー!」
>スポットライトが謎の人物を照らし出す
律「…嘘…だろ?」
もう一人の律
「……」
もう一人の律
「さすがに簡単過ぎたかな、くひひ…」
>もう一人の律は静かに笑っている…
律「お、お前、誰だよ…」
もう一人の律
「言ったろ?私は律、田井中律だよ」
律「ざけんな!律は…律は私だ!」
もう一人の律
「なーに焦ってんだよ、私?くひひ…」
律「何がどーなってんだよ、ちくしょう」
>律は混乱している
もう一人の律
「にしてもさぁ、ここ最高だよなぁ。すっげー面白れーよ」
唯「…面白い?」
律「っ!」
もう一人の律
「だってそうだろ?最近部活も出来なかったし、こーんな面白れー世界放っておけっかよ!」
律「…や、やめろ」
もう一人の律
「副会長を救えなかったっていう、らしい口実もあるし」
律「ち、違う…!」
もう一人の律
「あわよくば、事件を解決してヒーローに…なんてな、くひひ!」
律「違う!私はそんなこと、思ってない!」
もう一人の律
「私にはなーんでもお見通しなんだよ!私はお前、お前の影だからなぁ!」
律「…違う」
もう一人の律
「…あ?」
律「お前なんか…私じゃない…」
もう一人の律
「……」
律「お前なんか私じゃない!!」
もう一人の律
「ああ、そうさ。私は私だ!もうお前なんかじゃない!」
>自身に否定されたことにより、律の影が暴走する!
_ ,.ィ´ ̄`ー-、
,.ィ´: : : :`ヽ, ,.イ: : : : : : : : : :.}!
,ィ´: : : : : : : :./ゝ、 __,,.ィ〈ヾ!: : : : : : : : : :/j! ,.ィ'´
、 {ゝ、: : : : : : : :ヾ'´::/ /ー='''': ̄: ̄: : : : : : `ヾ!: : : : : : : : ,ィリ:| ,.ィ/
\:.、 |`ヾヽ、: : : : : : :./`゙: : : : : : : : : : : : : : : : : :_;__\ : : : :;ィ少゙ : | ,.ィ彡'
\゙>。. }: : : `゙iフェ_‐-::<: : : : : : : : : : : : : : : : : : ;イ'゙´ _゙ヽ-'<r!: : : : :|,.ィ少/
゙'< > 、 j,:.:.:.ィ/´ `ヾヽ、: : : : : : : : : : : : : : : i l' _,.ィ彡' .!: :` ゙̄xイ //
`:..、 `'寸ミミi「ミ=--、| ! \: : : : : : : : : : : : ,j !<_,少'´ ,'へ,,ィ´ /,.:へ
ri「`゙ー'''゙´: :ヽ、 `゙ミ、  ̄ ̄ j/=、 ` ー------‐ '゙ィヾ、___,ィ少'゙´゙ヾ'゙ /: : : : `t!=ヽ
. }ミ?? : : : : : : : \ ` ー―≦=...,,_,\____i´ ̄ ̄ ̄ヽ ,>'゙´ //.: : : : : : : :|:!: : : :!
ヽ:.`゙ー=rァzzュ、__,,ゝ‐ .、____ __/ ` ゙̄ヽ // : :_;_;,;.。ュ=t!j : : : |つ
|: : : :.゙(三三三!゙v//////////////>''´ y_∠彡'´!=三三三:ハ: : : : :!
_ r、 ト---‐^>;三三j ??//,|ヾ''‐-=ミ/ /|ニ三三ニト、 \´ ヾニ三三ツ !: : : :.',
(__ミ、_゙ミ:、fv'7777'/∧ ??/,j \ ゙i 、-' |:三三三j ゙ァ,へ. \ |: : : : :!
ー--≧=-x/,リ///////! | ̄ ! \! y ,>:三:≦、 i ヾ'/> ゙iー-、_ !: : : :_ハ
`゙゙'''''''ヾ/////////ノ ! ', 弋 !/三三三三:v ,ィ⌒ヽ ,ノ////! j ̄´__ノ\ ,っ
c少-―‐'''´ ̄__ノ`ー-- '´ ヽ `7 ヾニ三三シ ノ ノ ,イ////// /t!´||::ヘヾミ三≦-っ
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r'゙/ ̄ _,,ノ ,- ) / /´ ̄ `y !:||'///,ヾ'\ ̄ ̄`¨´
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 ̄ ̄ ̄`ヽ _,..=-―-、 `ラ'゙フ /⌒! /i |\ \
`ヽ.._.ノ´ ` ー' i f / ,/ ! ! \ )
| i | | ヘ \ `´
律の影
「我は影…真なる我…」
律「お前なんか…お前なん…か…」
>律は気を失ってしまった
律の影
「私が私になれた記念に、まずはてめーをぶっ殺してやんよぉ!!」
>律の影が律に襲い掛かる!
唯「させないよ!イザナギ!」カッ!
>律を守った!
律の影
「唯ぃい!邪魔すんならお前もただじゃおかねぇええええ!!」
>荒れ狂う疾風が唯を襲う!
唯「わわっ!」
>weak!
唯はダウンしてしまった
律の影
「次いくぞいくぞぉ?」
>律の影は力を溜めている…
唯「あ、危ない危ない!」
>唯は体制を立て直した
律の影
「まずは軽~く…死ねやオラァ!!」
>律の影の魔手が唯を襲う!
唯「の、前にもっかい私のターン!」
>イザナギの放つ雷の刃が、律の影に直撃!
律の影
「ぎぃやああああ!!」
>weak!
律の影はダウンした
律の影
「ぐぎぃぃ…唯ぃ…唯ぃ…!」
>律の影は立ち上がろうともがいている
追撃のチャンス!
唯「イザナギー!!」
>律の影を一刀両断!
律の影
「ちく…しょう…」
>律の影を倒した!
律「ん…私は…」
>律が目を覚ました
唯「りっちゃん!大丈夫?怪我はない?」
律「一体何がどーなってんだ?……っ!?」
律の影
「……」
>元の姿に戻った律の影が、静かに佇んでいる…
律「あれは…私じゃない…」
唯「…あの子は、りっちゃんの中から出てきたもう一人のりっちゃんじゃないのかな」
律「…っ!」
唯「認めたくないもう一人の自分自身」
律「……」
唯「また自分に否定されちゃったら、さっきみたいに暴走するしかないよ」
律「…分かってたよ、お前が私だってことぐらい」
律の影
「……」
律「いきなり自分の汚いとこ見せられて、お前が私だって言われて…」
律「自分の中にこんな感情があるんだって、認めたくなかった。目を、耳を塞いで逃げ出したかった」
律「…でも、お前は私…なんだよな」
律の影
「……」
律「自分と向き合うことがこんなにきちーなんて、知らなかったよ」
唯「りっちゃん…」
>律は力なく笑っている…
律「お前は私だな…」
律の影
「……」コクン
>自分と向き合える強さが力へ変わる…
>困難に立ち向かうための人格の鎧
律はジライヤのペルソナを手に入れた!
to be continued...
乙
ただ、シャドウとの対決がちょっとあっさりし過ぎな気もする
律「超疲れたー!」
>律は倒れこんだ
精神的にも相当まいっているようだ…
律「……」
唯「立てる?」
律「あったりまえだろ!…ととっ」
唯「りっちゃん!?」
律「上手く身体に力が入らねーや…はは…」
>このまま探索を続けるのは危険だ
一度引き返したほうがいいだろう…
律「…帰るか」
唯「え?」
律「このままじゃ唯の足を引っ張るだけだろー?ならとっとの帰るのが一番じゃん」
唯「いいの?」
律「また変なのに絡まれたら、たまったもんじゃないしな!」
唯「りっちゃんは一人でお腹いっぱいだもんね!」
律「絶対褒めてないだろそれ」
>後日、また調べる約束をしてテレビの世界を後にした…
──桜が丘高校(教室) 9/16(金) 午前 晴
紬「ニュースでやってたけど、事件の被害者はやっぱり副会長さんだったわね…」
律「今回は電信柱に逆さ吊りだろ?むごいよな」
>学校中この話で持ちきりだ
あちこちで似たような話が聞こえてくる…
紬「また霧の日に事件が起こるなんて…怖いわ…」
律「霧は関係ないんじゃないか?」
紬「上手く言えないけど、私は何かある気がするの…」
>そういえばテレビの世界も霧で覆われている
紬の言う通り、何か関係があるのかもしれない…
>気がつくと周りにいたクラスメイトたちの姿が見えない
律「あり?他のみんなは?てか澪もいないじゃん」
紬「あ!次移動教室!」
唯「なんと!?」
律「ち、遅刻だ~!」
>律は慌てて教室から出て行ってしまった
唯「…りっちゃん教科書忘れてる」
紬「私たちで持っていってあげましょう」
唯「そだね。私たちも急ごー」
紬「待って!」
>紬に呼び止められた
唯「どったの?」
紬「あ、あのね、今日のお昼だけど一緒に食べない?」
唯「いつも一緒に食べてるよー?」
紬「唯ちゃんと二人だけで食べたいのっ!」
>紬はいつになく真剣な表情だ
紬「大きな声出してごめんなさい。その、お話があって…」
唯「んー、大事なお話なのかなぁ?」
紬「…うん」
唯「分かった!お昼一緒に食べよ!」
紬「ありがとう唯ちゃん♪」
>紬と一緒にお昼を食べる約束をした
──桜が丘高校(部室) 9/16(金) お昼休み 晴
>紬とお昼を食べに部室までやってきた
唯「ムギちゃんのお誘いって珍しいよね」モグモグ
紬「たまにはいいかなって」
唯「二人だけで食べるの初めてかも~」
紬「そうね……」
>紬はうつむいて考え事をしている…
唯「そういえば大事なお話ってなーに?」
紬「あ、あのね、こないだ唯ちゃんがテレビの中に入ったって話してたじゃない?」
紬「ほんとにに唯ちゃんはテレビの中に入れたの?」
>最初にマヨナカテレビを見たときのことだ
ここは誤魔化したほうがいいだろう…
唯「えっとね、あれは夢だったみたい!私よく寝ぼけるから!」
紬「…寝ぼけて?」
唯「テレビの中になんて入れるわけないもん!」
紬「…そう…よね」
>紬はどこか納得していない様子だ
今は話題を逸らさなくては…
唯「こないだムギちゃんが帰った後、りっちゃんとジュネス行ってきたんだよ!」
紬「最近出来たばかりのショッピングセンター!」
唯「お店がいーっぱいあって、ケーキもすっごくおいしくてすっごく良かったの!」
紬「いいな~。私まだ行ったことないの~」
唯「じゃあ今度みんなで一緒に行こー」
紬「ほんと?楽しみだわ~♪」
>紬と楽しく話しながらお弁当を食べた
──桜が丘高校(部室) 9/16(金) 放課後 晴
>あっという間に放課後だ
とくに予定はない…
律「唯~」
>律に声をかけられた
律「今から帰りか?」
唯「そだよー。もしかして今日もアッチに行くの?」
律「んー、今日はやめとこーぜ。まだ昨日の疲れが取れてないしさ」
>たしかに体調はあまりよくない
捜索はまたにしたほうがいいだろう…
律「ところで澪知らないか?」
唯「帰りのshrが終わってすぐ帰っちゃったよ」
律「帰りもか。朝も一人でさっさといっちゃうし、何怒ってんだあいつ…」
>澪の機嫌はまだ悪いようだ…
唯「テレビの世界に夢中になってて、最近澪ちゃんに冷たく接してたのかも」
律「……かもしんないな」
唯「だからね、明日のお休み澪ちゃんとムギちゃんを誘ってジュネス行こうよ、ジュネス!」
律「気分転換ってわけだな!その話のった!」
>明日の土曜日、澪と紬を誘ってジュネスへ行くことになった
これを機に澪と仲直り出来ればいいのだが…
──ジュネス桜が丘店(屋上・フードコート) 9/17(土) 午前 晴
律「……」
唯「……」
律「ムギは?」
唯「お家の都合で断られちった…」
律「……」
唯「澪ちゃんは?」
律「メールしたけどシカトされちった…」
唯「……」
律「駄目じゃん!駄目じゃーん!!」
>律の声が空しくこだまする…
>周囲の視線が痛い
律「唯ちゃんもご一緒に!駄目じゃーん!!」
唯「のーさんくす」
律「なんで英語!?」
唯「とりあえず落ち着こう、ね?」
律「…あい」
律「今日はみんなでケーキ食べて、ブラブラする予定だったのになー」
唯「いや、ケーキは二人だけでも食べましょう」
律「……唯」
唯「……はい?」
律「…お前ほんとあそこのケーキ好きな」
唯「はいっ!」
律「…ハァ」
?「……」ジー
律「ん?」
唯「どったの?」
律「今誰かに見られてたような…」
唯「ケーキに見られてた!?」
律「絶対違う」
唯「なら何だってのさっ!」
律「怒るなよ~。この二人ならテレビん中行こうぜ。ジライヤの力も試してみたいし」
唯「け、ケーキは……」
律「帰ってきたら行くって」
唯「じゃあ早く行こう!やれ行こー!」
律「……ハァ」
──ジュネス桜が丘店(家電コーナー) 9/17(土) 午前 晴
>休日のせいかいつもより人が多い
中々テレビに入るタイミングが掴めない…
律「ここも休みになると意外と人が来るんだな」
唯「ケーキ…ケーキ…」
律「頭切り替えろー」ポカッ
唯「あいてっ!」
律「お、人の波が途切れたぞ」
>テレビに入るなら今がチャンスだ
澪「ここで何してるんだ!」
唯「澪ちゃん!?」
律「後をつけてきたのか!?」
>律が感じた視線は澪のものだったようだ…
澪「さっきからテレビの前でキョロキョロ辺りを窺って…」
澪「ま、まさかこのテレビを万引きをするつもりなのか!?」
律「こんなでかいテレビは無理だろ」
唯「ざっつらいと」
澪「う、うるさい!何かやましいこと考えてたのはほんとだろ!」
唯「りっちゃん、このままじゃ人きちゃうよ~!」
律「だー!細かい説明は中でする!」
澪「中?どういう……う、うわぁああ~!」
>澪を無理矢理テレビの中へ押し込んだ!
──テレビの世界(ステージ)
律「よっと!」
唯「お~ナイスな着地」
律「テレビに入るの見られなかったよな?」
唯「ギリセーフ!」
律「澪が出てきたときはマジ焦ったぜ。…で、当の澪しゃんは?」
唯「あちら」
律「あー…」
>いつかの学園祭ライブのように、見事な縞々が顔を覗かせている…
律「ギャラリーがいないのがせめてもの救いだな」
唯「澪ちゃんは縞々が好きなんだねぇ」
律「起きろ澪~。かわいい縞々おぱんちゅがこんにちわしてるぞ~」
澪「うぅ…」
>澪は目を覚ました
澪「ここは…?」
唯「うぇるかむとぅざてれびじょんわーるど…」ヌッ
澪「ひっ!」
律「脅かすなっ!」ポカッ
唯「っめんなさい!」
澪「り、律ぅ~」
律「おーよしよし、怖かったでちゅねー」
澪「ここは何処で、何なんだよぉ~」
>澪にこれまでの詳しい経緯を話した…
澪「テレビの世界が殺人事件に?」
>澪は信じられないといった様子だ
無理もないだろう…
澪「そもそもここがテレビの中だってことも実感が湧かない…」
律「だけどそれが事実なんだ」
澪「…もしかして、よく唯と律がこそこそ話してたのも」
唯「こっちの世界のことだよ」
律「すまん、澪。巻き込むわけにはいかなかったからさ」
澪「……ん」
唯「じゃ、帰ろっか」
澪「え?」
律「そだな。澪もきたことだし、探索はやめてケーキでも食べよーぜー」
澪「……」
澪「二人はまた後でこの世界に来るんだろ…」
律「ん?まぁそーかな…」
澪「…私も行く」
唯「澪ちゃん?」
澪「わ、私だって真実が知りたい!副会長とは顔見知りだったし…それに…」チラッ
律「…?」
澪「これからは私も連れていってくれ!」
>普段怖がりの澪とは思えない言葉だ
何か思うところがあるのだろうか…
律「ここは遊園地のお化け屋敷じゃないんだぞ?下手したら死んじゃうかもしれないんだ」
澪「それは律だって一緒だろ!」
律「そりゃそーだけど…」
澪「私は無理矢理にでもついていくからな!」
律「唯~。お前もなんとか言ってやってくれよ~」
唯「りっちゃんも最初同じこと言ってたよね」
律「ゆ、唯しゃん?そーゆーことじゃなくてさ…」
唯「ピンチのとき助けたのは誰だっけー?」
律「…唯様です」
唯「いざとなったらりっちゃんが守ってあげればいいんだよ!」
律「…ハァ…分かったよ」
>澪を連れてテレビの世界を捜索することになった
──禍津桜が丘高校(校庭)
律「前も来たけど、相変らず不気味なとこだよなぁ」
唯「だねぇ」
澪「……」
>澪は震えている…
律「大丈夫か、澪?」
澪「へ、へへへ平気だ!」
>…だいぶ無理をしているようだ
唯「今回はちょろっと回ったら帰ろっか!」
律「そだな!こないだ十分調べたしな!」
澪「わ、わた、私に気を使わなくてい、いいんだぞ!」
>……
>早めに帰ろう
澪の声
「いや~ん!怖いよ~律~!」
律「…はい?」
澪「ち、違う!私の声だったけど、私じゃない!!」
澪の声
「律ぅ~!お願いだから離れないで!その腕で私を抱きしめて!」
唯「澪ちゃん積極的…」
澪「だから私じゃないんだって!」
律「前にも似たことがあったよーな…」
唯「澪ちゃんの影が!」
澪「うわぁ!」
>澪の影からもう一人の澪が姿を現した
もう一人の澪
「クスクス…」
澪「わ、私…?」
もう一人の澪
「そう、私はあなた…あなたの影…」
澪「そんな…」
もう一人の澪
「少しは強くなれた気がしたけど、やっぱり気のせいだったね…」
澪「!」
もう一人の澪
「律が素っ気無いと悲しくなる。律が他の子と仲良くすると胸がモヤモヤする」
もう一人の澪
「律がそばにいないと私は駄目なの」
澪「わ、私はそんなこと思ってない…ほ、ほんとだぞ、律!」
もう一人の澪
「律のことがが、女の子として好きなんじゃないかって悩んだりもしたよねぇ…」
澪「やっ、やめろぉ!!」
もう一人の澪
「クスクス…全部ほんとのことでしょ…?」
澪「違う違う違う!」
唯「りっちゃん…このままだとこないだみたいに暴走しちゃうよ…」
律「全部吐き出させてやろーぜ」
唯「…え?」
律「誰しも認めたくない自分ってあると思うんだよ」
唯「……」
律「実際私もそーだったし?暴走したら暴走したで私たちが受けとめてやりゃいいじゃん」
律「澪は大切な親友だからな」
唯「うん!!」
もう一人の澪
「必死に否定すると逆に怪しいよ?クスクス…」
澪「違う…私はこんな…」
もう一人の澪
「こんなにも弱いの!だから助けて律~、よね」
澪「……」
もう一人の澪
「図星でしょ?わ・た・し♪」
澪「…私じゃない」
もう一人の澪
「はい?」
澪「お前なんか!私じゃない!!」
もう一人の澪
「あははは!その言葉を待ってたのぉおおおおお!!」
>自身に否定されたことで、澪の影が暴走する!
ニ二` ヽ. γ:::::`::.、 / /
_`二ヽ v i::o、゚ i:::', / ,ィ´
`> へ !::ゝ'´ィ'.!::i / <__
`ー――ァ v _,.ィ':::::::::| |:::':、 / - = 二_
/´,.-‐ァ ,.. --‐ァ ヘ ,.:-彡ァ:::;:'::::::::/ _!::i!::::\.____, ,:' _ ヽニ_´
 ̄ ´ー'´ / \ // /::,イ;::::::;:'y´,.l:::|:;'ヾ::::::::、--'/ -=ニ_ー -`- ̄ ̄
/,..ィ ,.ィ ' |' ,'::y//|::/゙v´ ,!:::i' ヽ!´ / ラ ̄´
 ̄  ̄ノ / \ i::::| !;| i∧ /nヾ ,.ィ´ -=ァ
└='´y´ `丈__ノ v ,.ゝ<゙´,.= __,.=-' ̄
レi ,.=‐ァ >'゙´ヾ./ }´ ゙ー-、
´<_ { ; {ヽ ヾ`
レフノ! ヘ.__ ー- ィ \)` ̄`
´ ノ / i、 / iー`=-
/イ .∧\ / ∧ \
レ'i /ヽ / ∧ y´ ;' ヽi\}、 ヽ、i`
|/ ` ヘ ∧ \!`
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ハ. l ヽ
/:::::ヽ | i
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{:::::/ .! |
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j::; i l
澪の影
「我は影…真なる我…」
澪「うっ……」
>澪は気絶してしまった
澪の影
「律以外みんなみんな消し炭にしてあげる!」
>灼熱の炎が唯と澪へ襲い掛かる!
律「ジライヤァ!!」カッ!
>ジライヤの疾風が炎を消し飛ばした
澪の影
「律ぅ!邪魔しないでぇえええええ!」
>辺り一面に炎が降り注ぐ!
唯「あっちあっち!」
律「これじゃ消しも消してもキリがないぞ!」
澪の影
「まずはお前だ!」
>炎弾が唯を襲う!
唯「きゃうっ!」
律「唯ー!」
>炎弾が直撃!
唯は大きく吹き飛ばされた
唯「……」
>唯はピクリとも動かない…
律「ゆ、唯……!」
澪の影
「はい一人ぃ!次は元私ぃ!」
>炎弾が澪を襲う!
律「させるかよ!」
>ジライヤの疾風で炎弾の軌道を逸らした!
澪の影
「……」
律「あ、あり?」
>澪の影は沈黙している…
律「もしかして分かってくれたのかなー?なんて…」
澪の影
「私分かっちゃった♪この律は本物の律じゃないってこと♪」
律(何も分かってない!)
澪の影
「だって本物の律なら私の邪魔するわけないもの…クスクス…」
律「と、言うことは…」
澪の影
「偽物も仲良く灰になれぇ!!」
>律と澪に炎風が襲い掛かる!
律「結局これだよ!頼むぜ、ジライヤ!」
澪の影
「ほらほらぁ!その程度の風じゃ、あっと言う間に消し炭よぉ!」
律「くっ…!」
>ジリジリと炎風が迫ってきている
このままではまずい…
澪「うぅ…」
>澪が目を覚ました
律「遅いお目覚めだな、お姫様」
澪「律?私は……!」
律「詳しく説明したいけど、見ての通り取り込み中なんだ」
澪「に、逃げようよ!律!」
律「それが出来たらいーんだけどなー」
澪「律がこの炎を止めてるのか!?」
澪の影
「あらぁ?元私がお目覚めのようねぇ…なら私も頑張らなくっちゃ!」
>炎の勢いがさらに強まる!
律「っつ!」
澪「律!?」
律「ヘーキヘーキ!これくらいでヘコたれる私じゃないぜ!」
澪「わ、私は…どうしたら…」
律「後は任せて逃げろ」
澪「そんな!」
澪の影
「あはは!そうね、弱虫で臆病な私は友達を置いて逃げるのがお似合いよ!!」
澪「……っ」
律「行け、澪!!」
澪「が、頑張れ…」
律「…?」
澪「律…頑張れ…頑張れ!」
律「逃げろって言ってるだろ!」
澪「い、嫌だ!絶対に逃げないぞ!」
律「澪!!」
澪「必死に頑張ってる親友を!見捨てることなんて出来ない!」
律「!」
澪の影
「……逃げなさいよ」
澪の影
「いつもみたいに助けを求めて泣き叫びなさいよぉおおお!!」
澪の影
「ぎっ!?」
>澪の影に背後から大剣が突き刺さる!
澪の影
「な、なによこれ…こんなものがどうして…!」
律「後ろからこっそり近づいてくる影に気付かなかったみたいだな」
唯「……」
澪の影
「お前…!まだ生きて…!」
唯「イザナギでギリギリガードしたからね!」
澪の影
「ゆ、唯ぃいいいい!」
律「決めろ、唯!!」
唯「イザナギー!!」カッ!
澪の影
「きゃあああああ!!」
>澪の影を倒した!
唯「はひー…疲れたぁ…」
律「唯が吹っ飛んだの見てもう駄目かと思ったぜ~」
唯「私のあいむおーけー!サイン伝わらなかった!?」
律「伝わったよ。微妙過ぎてすげー分かりづらかったけど」
唯「分かりやすかったらバレちゃうでしょ!」
律「…そうですね」
澪「律…頑張れ律ぅ…」
>澪は律に抱きつきながら震えている
唯「澪ちゃんてば終わったの気付いてないみたい」
律「澪しゃーん、全部終わったぞー」
澪「…ふぇ?」
唯「りっちゃんりっちゃん、もう一仕事」
律「ああ、そだな。最後は澪の仕事だ」
澪「全部終わったんじゃないのか…?」
律「あいつに何か言うことがあるだろ」
澪「…あいつ?…あ」
澪の影
「……」
>元の姿に戻った澪の影が、静かに佇んでいる…
澪「……」
澪の影
「……」
澪「…っ」
>澪は受け入れるのを躊躇っているようだ…
律「勇気を出せよ、澪」
澪「…律」
律「実を言うと、私も澪と一緒だったんだ」
澪「え?」
律「さっきみたいに私の影が現れて、思ってたことぜーんぶペラペラしゃべってくれちゃってさー」
律「否定して…暴走して…唯に助けてもらったんだよ…」
澪「そうだったのか…」
律「誰だって認めたくない自分がいる。否定するんじゃなくて、そいつを認めて向き合うことが大切なんじゃないか」
澪「……」
澪「……っ」
>澪は中々踏ん切りがつかないようだ…
唯「澪ちゃん…」
澪「わ、分かってはいるんだ!これも自分なんだって!」
澪「頭では分かっているんだ…だけど…」
唯「目の前に炎が迫ってるのに、澪ちゃんは逃げずにりっちゃんを応援してた」
澪「……」
唯「あのときの気持ちを思い出して」
澪「……」
澪の影
「……」
澪「…こうして客観的に見ると、私ってひどいやつだよな」
澪「でも、お前は私なんだろ……なんだろって言い方はおかしいか、はは…」
澪「心の中をグルグルと駆け巡ってた気持ち…」
澪「…そうだ、たしかにお前が私の中にいた」
澪の影
「……」
澪「否定して悪かったな。お前は間違いなく……私だよ……」ギュッ
澪の影
「……」コクン
>自分と向き合える強さが力へ変わる…
>澪はコノハナサクヤのペルソナを手に入れた!
澪「これが私のペルソナ…」
律「へへ、やったな澪」
唯「澪ちゃんなら大丈夫って信じてたよー!」ガバッ
澪「お、おい!抱きつくなよ~!」
唯「だって心配だったんだも~ん!」
澪「…もぉ」
唯「ハッ!?」
澪「…唯?」
唯「澪ちゃんはりっちゃんラブなんだよね…」
澪「なっ!?」
唯「私に抱きつかれるより、りっちゃんにハグされたほうが嬉しいはず!」
律「カマ~ン…カマ~ンミオ…」
>律は両手を広げ怪しげな素振りを繰り返している…
澪「ち、違う!ごごご、誤解だ!」
澪「あいつが言ったあれは友達を取られる嫉妬心と恋心を勘違いして!」
唯「じゃありっちゃんラブじゃない?」
澪「あ、当たり前だろ!」
律「しょーなの?」
>律は悩ましげな目で澪を見つめている…
澪「わ、私はっ…!うぅ~!」
唯「照れてる澪ちゃん超ラブリー」
律「これだから澪いじりはやめられません」
澪「お、お前たち!そこに直れぇ~!!」
to be continued...
乙
──通学路(登校中) 9/20(火) 午前 晴
唯「(もう一人の澪ちゃんをやっつけてから3日…)」
>副会長の一件以来事件らしい事件は起きていない
唯「(このまま何もなければいいんだけどな)」
憂「お姉ちゃん?話聞いてる?」
唯「は、はい!?」
憂「もぉ、また聞いてなかったの?」
唯「ごめんよ、憂~。ちょーっと考え事してて」
憂「最近多いよね…」
唯「…へ?」
憂「お姉ちゃんが難しい顔して考え事してるの」
唯「ら、来年受験だし!」
憂「ほんとに受験のことなの?」
唯「勿論だよ~」
憂「……危ないことだけはしないでね」
唯「憂?」
憂「なんでもない!お姉ちゃんは何処の大学受けるか決まった?」
唯「まだー」
憂「ほんとに受験のこと考えてるの!?」
>憂と楽しくおしゃべりしながら、学校へ向かった
──桜が丘高校(教室) 9/20(火) 午前 晴
律「よ、唯」
澪「お早う」
>教室に入るなり律と澪に声をかけられた
唯「今日行っちゃう系?」
律「こないだはごたごたあってよく調べられなかったからな」
澪「今日からは私も参加するぞ」
唯「おぉ!ついに澪ちゃんが仲間に!」
律「お漏らししてもしらないぞー」
澪「するか!」ポカッ
律「あいたっ!」
──桜が丘高校(教室) 9/20(火) お昼休み 晴
>あっという間にお昼休みだ
そういえば最近梓と話をしていない…
唯「(たまには一緒にお弁当食べよーかな)」
唯「そうと決まれば善は急げ~」
和「あら?今日はみんなと一緒に食べないの、唯」
唯「久しぶりにあずにゃんと食べようと思って!」
和「そう。いってらっしゃい」
唯「いってきます!」
>梓たちの教室までやってきた
窓から梓、憂、純がお弁当を食べながら話をしているのが見える
純「電柱に逆さ釣りって怖いよねー。犯人ってどんなやつなのかな?」
梓「純、ご飯を食べるときにする話じゃないよ」
純「だけどさ、なんか気になるじゃん」
憂「犯人はまだ捕まってないんだよね?」
純「うん。実はこの高校に通ってる生徒だったりしてね」
梓「やめてよ、純」
>何やら気になる話をしている…
純「事件て言えば、私見ちゃったんだ~」
梓「まだ話すのー?」
純「さわ子先生が見知らぬお兄さんと話してるところ」
憂「さわ子先生が?」
純「私の勘じゃあれは刑事だね!これは何かあると思わない?」
梓「そうやって疑うのよくないと思う」
憂「うーん…単に知り合いだったんじゃないかな…?」
純「実は彼氏とか!?」
梓「どうだろう。ところで純最近太った?」
純「ギクッ!」
梓「どうせお菓子でも食べ過ぎたんでしょ」
純「梓はエスパーか!」
憂「あはは」
>楽しそうだ…
邪魔するのも悪いので、教室に戻って食べることにした
──桜が丘高校(教室) 9/20(火) 放課後 晴
>この後は律たちとテレビの世界へ行く約束をしている…
>そういえば梓たちが気になる話をしていた
さわ子先生に話を聞きにいくのもいいかもしれない…
律「唯~、早くジュネス行こーぜー」
唯「その前にさわちゃんのところに行こうと思うんだ」
律「お、唯もついに呼び出しかー?」
澪「なら私たちは先に行ってるぞ」
唯「うん!フードコートに集合ね!」
律「早くこいよな~」
>律たちと別れ、職員室へ向かった
──桜が丘高校(職員室) 9/20(火) 放課後 晴
唯「こんにちは、さわちゃん」
さわ子「唯ちゃんじゃない。なにか用?」
唯「暇してるんじゃないかなーと思って遊びにきました」
さわ子「あのね、これでも教師なのよ?私だって忙しいんだから」モグモグ
唯「おまんじゅう食べながら言われても説得力ないよ」
さわ子「こ、これは以前体育の先生にお土産で貰って、食べ忘れたのが机の中に入ってたから…」
唯「ふーん」
さわ子「と、とにかく用があるなら早くしてちょうだい!」
>お昼休みに聞いた話をさわ子先生に尋ねた
さわ子「ああ、そのこと?高校の同級生に刑事になったのがいるの」
唯「じゃあその人と話してたのかな?」
さわ子「そっ。昔っから気の弱いやつで、上司にもいびられてるみたい」
唯「刑事さんも大変なんだねぇ」
さわ子「被害者たちの足取りが放課後に校内で目撃されて以降、全く掴めないって愚痴ってたわ」
さわ子「二人は制服姿で上履きを履いた状態で発見されたから、校内で誘拐された可能性が高いって」
唯「学校の中で誘拐!?」
さわ子「こ、声が大きいわよ!」
さわ子「それで近々学校関係者に話を聞きにいくって言ってたわ」
さわ子「上履きも片方見つからないからその捜索?もするって」
唯「……」
さわ子「まぁ、私はやってないって釘を刺しておいたけど」
唯「胸倉を掴みながら?」
さわ子「そうそう、ドスをきかせて…って唯ちゃん!」
唯「あはは、まったねーさわちゃーん」
さわ子「全くもう…そーいえばこのことは他言しないでくれって言われてたんだっけ…」
さわ子「てへ☆」
>職員室を後にした…
──ジュネス桜が丘店(屋上・フードコート) 9/20(火) 放課後 晴
>テレビの世界の探索を終え、みんなでフードコートにやってきた
律「今回も収穫なしかー。あそこには絶対何かあると思うんだけどな…」
澪「副会長の上履きが向こうにあったんだ。律の言う通り何かあるのは間違いない」
律「つってもこうも手がかりがないとな~」
唯「あのね、放課後職員室に行ってさわちゃんに聞いたんだけど…」
>先ほどさわ子先生に聞いた話をした
律「学校内で誘拐ってマジかよ」
澪「人目の多い学校で一体どうやって…」
唯「考えたんだけど一つだけ誰にも見られず、誘拐出来る方法があるんだよ」
澪「テレビ!」
律「たしかにテレビを使えば楽勝だな…」
澪「これからはテレビの世界だけじゃなく、学校のほうも調べたほうがいいな」
律「聞き込みか。学校関係者が犯人だとすると、アリだな」
澪「あくまで噂話や気になる話を集める程度にしよう」
唯「積極的に話を聞いて回ったほうがいーんじゃない?」
澪「生徒や犯人の中に犯人がいるかもしれないのにか?」
律「そっか、あんまし目立った行動してると私たちが目をつけられるかもしんないもんな」
唯「むむ…たしかに…」
澪「何か気になる話を聞いたら忘れずにメモして、またここで話し合おう」
律「ん、りょーかい」
唯「えへへ…」
律「ん?どしたんだ、唯」
唯「こんなこと言うと怒られちゃうかもだけど、探偵みたいでちょっと楽しいなって」
澪「探偵か。さしずめフードコートは私たちの事務所だな」
律「放課後ティータイムならぬ、放課後探偵団か!いいじゃんいいじゃん!」
澪「り、律!遊びじゃないんだぞ?」
律「分かってるって!なにかしら名前があったほーがいいじゃん?澪だって悪くないと思うだろー?」
澪「そりゃ…まぁ…」
律「うっし!これからテレビの世界へ行くとき、何かあったときは捜査本部に集合だ!」
澪「ジュネスのフードコートだけど」
唯「気分だよ、澪ちゃん!」
澪「ハァ…りょーかい…」
──ジュネス桜が丘店(屋上・フードコート) 9/30(金) 放課後 曇
律「あれから一週間以上経ったわけだが…」
唯「……」
澪「……」
律「有力な情報は無しかぁ」
澪「ここまで情報が集まらないのは計算外だ」
唯「やっぱりグイグイ情報収集するべきなのでは!?」
律「うーむ…」
唯「今だって十分危険なことしてるんだし、犯人が近づいてくるなら好都合なんじゃないかな!?」
律「おー、それは一理あるかもだな」
唯「でしょでしょ!」
澪「…私は反対だ」
律「怖いから?」
澪「ち、違う!私たちが危険な目に合うのはしょうがないにしても…」
澪「もし犯人が私たちの家族を狙ってきたらどうするんだ?」
唯「!」
律「間接的にってわけか…きついな…」
澪「だろ?たしかに今は歯痒い状況だけど、焦って選択を誤れば大変なことになるぞ」
唯「…そう、だね。そこまで考えてなかったよ」
澪「まだ一週間とちょっとだ。焦らず、じっくり取り組もう」
唯「うん!」
律「んじゃま、今日はこのまま解散にすっか。この後雨も降るみたいだし」
澪「ならマヨナカテレビが映るかもしれないな」
唯「そーいえばしばらく見てなかったね」
律「もしかしたら、また何か映るかもしれないぞ」
澪「…今夜は忘れずにマヨナカテレビを見よう」
>みんなとマヨナカテレビを見る約束をした
何か映るだろうか…
──平沢宅(リビング) 10/30(土) 深夜 雨
>かすかに雨音が聞こえる…
唯「(外は雨だから、これならマヨナカテレビ映るかも)」
唯「…でも映るのは殺されちゃう人だから、出来れば映らないで欲しいような」
唯「だけどそれだと手がかりが全然なくて困っちゃう…」
唯「うぅ…」
>…頭が痛くなってきた
唯「……あ」
>テレビに何かが映り始めた
ノイズがひどいが映っているのは女の子のようだ
>見覚えのあるシルエットだ…
唯「もしかして…憂…?」
to be continued...
otu
>>143の日付は10/1(土)の間違いです
──平沢宅(自室) 10/1(土) 昼 曇
律「これより第一回htd会議を始めます」
唯「htd?」
律「放課後探偵団、略してhtd」
唯「なるほどなー」
律「いえーい!盛り上げて行こーぜー!!」
澪「盛り上げるな!」ポカッ
律「すみません!」
澪「本題に入ろう。昨日のマヨナカテレビに映ったのは女の子。これは間違いない」
律「あのシルエットはどー見ても女の子だったぜ」
澪「服装もうちの高校の制服だった」
律「ぽかったな」
唯「……うん」
澪「肝心の映った人物なんだが…」
唯「たぶん、憂だと思う」
律「私と澪も似てるなって話をしてたんだ」
澪「唯が言うなら、やっぱり憂ちゃんだろうな」
唯「次は憂が…そんなのやだよ…」
澪「律と私も同じ気持ちだよ。重要なのはこれからどうするかだ」
律「憂ちゃんをおとりにして犯人を捕まえるわけにはいかないしな…」
澪「遠くの親戚の家に一時避難してもらうのは?」
律「学校もあるんだぜ?さすがにそういうわけにはいかないだろ」
唯「…避難場所なんだけど」
澪「いい所があるのか?」
唯「実はね……」
澪「夜にムギから電話が?」
唯「マヨナカテレビが終わった後に、りっちゃんから今日集まろうって電話があって…」
唯「そのすぐ後にムギちゃんが電話してきたの」
律「ムギはなんて?」
唯「次は憂ちゃんが狙われるかもしれない。だから私の家で保護するって」
澪「たしかにムギの家なら警備も万全だろうし、今考えられる中で一番安全な場所かもしれない」
唯「誰も手が出せない、絶対安全な場所があるって言ってた」
律「そりゃ頼もしいな。地下に核シェルターでもあんのか?」
唯「たぶん?」
律「肝心のムギは来ないのかよ?」
唯「お昼過ぎには来るって言ってたよ。もう来るじゃないかなぁ?」
憂「お姉ちゃーん!紬さん来たよー!」
唯「はーい!では迎えに行ってきます!」
>紬を迎えに玄関へ向かった
紬「お邪魔しま~す」
唯「どうぞどうぞ~」
律「よ、ムギ」
紬「りっちゃん、澪ちゃん」
澪「こうして4人で集まるのは久しぶりだな」
紬「そうね…」
>事件やテレビの世界などでごたごたしていたせいだろう…
>放課後、みんなでお茶を飲んでいた頃が
遠い過去のようだ…
律「なーんか辛気臭くなっちまったな、はは…」
澪「思い出に耽るのは後回しだ。今は憂ちゃんのことだろ?」
紬「澪ちゃんの言う通りだわ」
澪「唯からムギの家で保護してもいいって聞いたけど、ほんとにいいのか?」
紬「任せて!私の家なら絶対安全だから!」
律「学校行くときは車で送り迎えもしてくれたり?」
紬「勿論!」
澪「学校にいるときも安心出来ないぞ。なんせ被害者二人は校内で誘拐された可能性が高いんだからな」
律「そいや、そーだったな。憂ちゃんは学年が違うから四六時中見張ってるわけにはいかないし…」
唯「教室にいるときはあずにゃんに頼むのはどーかな?」
澪「それがいいかもしれないな」
律「梓に連絡は?」
唯「電話したけど出なかったから、明後日の朝一番に事情を話してお願いするよ」
律「これからのことはだいたい決まったな!」
澪「後は憂ちゃんになんて説明するかだ」
紬「いっそほんとのことを言ったほうがいいのかしら」
唯「憂には怖い思いしてほしくないよ…」
律「ひらめいた!」
紬「何々?」
律「来年は私たちも受験だろー?だから唯が──……」
憂「──私が紬さんの家に?」
律「私らも来年受験だろー?」
澪「受かった大学によっては一人暮らしするかもしれない」
憂「お姉ちゃんうちから出て行っちゃうの!?」
紬「う、憂ちゃん、あくまで仮定の話だから」
憂「…はい」
唯「でもでも、いきなり一人暮らしだと何かと大変だよね?」
律「だから今のうちに練習しておこうって話になったんだ」
憂「練習ですか…」
澪「日頃憂ちゃんに甘えきってるみたいだから、ここらでしっかりさせておかないとな」
憂「お姉ちゃんはそれでいいの?」
唯「勿論だよ!」
憂「お掃除もお洗濯もお料理も、全部自分でしないといけないんだよ?」
唯「うぐっ!」
律「(早くも挫折しかけてる!?)」
紬「(唯ちゃんファイトよ!)」
唯「だ、大丈夫!一人で出来るもん!」
憂「すごい心配なんだけど…」
澪「唯のためなんだ、憂ちゃん。ここは心を鬼にして見守ってやってくれ」
憂「澪さんがそこまで言うのなら…」
律「じゃあ早速お泊りの用意だ!」
憂「きょ、今日からなんですか!?」
律「善は急げってね。ほら、急いだ急いだ!」
憂「は、はい!お姉ちゃん、もし何かあったらすぐ電話してね!」
>そう言い残すと憂は部屋から出て行った
律「憂ちゃんの準備が終わったら、このままムギの家に連れていっちまおう」
澪「ああ」
唯「ムギちゃんの家で保護してもらうのはいいけど、いつまで保護してもらえばいいのかな?」
律「んー、ずっとってわけには行かないしなぁ…」
紬「次の霧の日を乗り越えられれば大丈夫なんじゃないかしら」
律「こないだも同じようなこと言ってたな。霧の日に事件が起きるってやつ」
澪「実際事件があった日は両方とも霧が出た日だった。案外偶然じゃないのかもしれないぞ」
紬「霧は雨が数日降り続いたあとに発生するの。天気予報だと来週の金、土に雨が降るみたい」
澪「なら来週の土曜日をとりあえずのリミットにしよう」
唯「らじゃー!」
──平沢宅前 10/1(土) 昼 曇
憂「それじゃ行ってくるね、お姉ちゃん」
唯「寝る前にちゃんと歯磨きするんだよ!」
憂「お姉ちゃんこそ歯磨き忘れちゃだめだよ?お洗濯も忘れないでね」
唯「…う、憂」
>唯の目には涙が溢れている…
憂「…あの、やっぱり私」
紬「憂ちゃんのことは私にど~んとこいよ!運転手さん、出してください!」
運転手「はいお嬢様」
憂「お、お姉ちゃ~ん!!」
唯「憂~!!」
>紬と憂は去って行った
唯「……」
律「唯のやつだいぶ落ち込んでんな」
澪「唯?これは憂ちゃんのためなんだ、お前も納得したろ?」
唯「ふんす!」
澪「ひっ!」ビクッ
唯「憂と離ればなれになるのは悲しいけど、ずっとってわけじゃないもんね!」
唯「テレビのこともあるし、いつまでもくよくよしていられません!」
律「なんだったら、唯は紬の家で憂ちゃんとイチャコラしててもいーんだぞ?」
唯「!」
律「憂ちゃんと別れるのはつらいだろー?今回唯はお休みしてもいいぞー?」
唯「妹が危ないのに、のんびりしてるなんてとんでもない!」
唯「このままじっとしてるなんて勿体ないよ!私たちも何か、何かしよう!」
律「へへ、そうこなくっちゃな!」
澪「唯の言う通り、このまま時が過ぎるのを待つのもなんだな。私たちも行動を起こすべきだ」
律「いっちょテレビの世界に行くか!もしかしたら何か変化があるかもしれない」
唯「むぉおお!なんだか燃えてきたよ、りっちゃん隊員!」
律「その意気だ唯隊員!俺たちの明日はこれからだぁ!!」
澪「ま、待て二人とも!ジュネスはそっちじゃないだろ!?」
──ジュネス桜が丘店(屋上・フードコート) 10/1(土) 午後 曇
>テレビの世界の探索を終え、フードコートにやってきた
唯「……」
澪「……」
律「で、収穫なしと。前にも同じことがあったような気がするのは気のせいだよな、はは…」
澪「今日はいつも以上に疲れた」
律「みんなあの勢いで突っ走ったからなぁ。そりゃ疲れるさ」
唯「りっちゃんジュ~ス~」
律「とくにお前は張り切り過ぎだ。ほれ、ジュース」
唯「ほんとにりっちゃんがジュースくれた!?あ、明日は雪!?」
律「いらねーなら飲んじまうぞ」
唯「いただきます!」
律「……ハァ」
澪「ひとまず今日は解散にしようか」
律「だな。なんだかんだで私もくたびれた」
唯「私はまだまだいけるぜ!?」
律「震えながら言っても説得力ねーっての」
澪「夜は雨が降るらしいから、マヨナカテレビは忘れずにチェックしよう」
律「見たらすぐ寝て、しっかり身体を休めよーぜ」
唯「ま、まだまだ…」
律「ゆ~い~」
唯「…は、はひ」
>話を終え、帰路へとついた
>…身体がだるい
律の言う通り、マヨナカテレビを見たらすぐに寝てしまおう
──平沢宅(リビング) 10/02(日) 深夜 雨
>かすかに雨音が聞こえる…
>眠いのを堪え、じっとテレビを見つめた
唯「じ~…」
>…しかしテレビには何も映らない
昼間の対策が功を奏したのだろうか?
唯「(映らないってことは、憂はもう大丈夫ってこと…?)」
唯「でも安心するのはまだ早いよね!」
唯「(とにかく、今日は疲れたからもー寝よーっと……うん?)」
>一瞬テレビに何かが映ったような…
唯「気のせい?」
>ノイズが走ると、テレビに何かが映りだした!
憂『おいでませ、お姉ちゃんワンダーランド!!』
>憂はバニーガールの姿をしている
胸元の大きく開いた服がとても大胆だ
唯「せ、セクシー…」
>食い入るように画面を見つめた
憂『お姉ちゃん好きのお姉ちゃん好きによるお姉ちゃん好きのための遊園地…』
憂『それがお姉ちゃんワンダーランドなのです!』
>…お姉ちゃんワンダーランドの説明が続く
オープン記念で今なら入園料が無料なのだそうだ
憂『さらに!お姉ちゃんサイン入りギー太キーホルダーを先着100名様にプレゼント!』
憂『行くっきゃないない!お姉ちゃんワンダーランド!皆様のご来場を心よりお待ちしております!』
>そこでテレビは終わってしまった…
pipipipi!
>律から電話がかかってきた
唯「行くっきゃないない!」
律『お姉ちゃんワンダーランド!って違うだろ!なんで憂ちゃんがマヨナカテレビ映ってんだよ!』
律『あんな鮮明に映ったのは初めてじゃないか!?』
唯「憂はもうテレビの中ってこと!?」
律『たぶんな。でもなんで。憂ちゃんはムギが安全な場所にかくまってるはずだろ』
唯「……」
>紬の言葉が蘇る
誰も手が出せない…安全な場所…
唯「ムギちゃんが憂をテレビの中に入れたのかもしれない…」
律『ムギが犯人だってのか!?』
唯「分かんないよ!でも憂が今テレビの中にいるのは間違いないと思う!」
律『だな。今日はもう休んで明日の朝一にムギん所に行こう』
唯「今行かなきゃ!憂がテレビの中にいるんだよ!?」
律『こんな時間に押し掛けても取り合ってくれねーよ』
唯「で、でも!!」
律『次の霧の日ってムギは言ってただろ?それまで憂ちゃんはきっと大丈夫だと思う』
律『それに昼間の探索で私も澪も唯もヘトヘトだ』
唯「……」
律『無理してテレビの中に行って私たちが負けたら、それで終わりなんだぞ?』
律『今私たちがしなきゃいけないことは、明日に備えて全力で休むことだ』
>律の言う通りかもしれない…
唯「分かったよ…りっちゃん…」
律『ん、ならいーんだ。そのやる気を明日までとっとけ』
唯「うん!明日起きたらすぐムギちゃんちに行こう!」
律「おう!」
>憂のことが心配だが今は休むことに専念しよう…
──琴吹宅(リビング) 10/02(日) 朝 曇
紬「三人ともいらっしゃ~い。緊急の用事ってメールで言ってたけど、何かあったの?」
澪「ムギ、昨日マヨナカテレビは見たのか?」
紬「見てないわ」
律「また憂ちゃんがマヨナカテレビに映ったんだ。それもハッキリとな」
紬「…うそ」
唯「ムギちゃん…誰も手が出せない、絶対安全な場所って何処なの…?」
紬「…そ、それは」
澪「ひょっとしてテレビの中のことなんじゃないか?」
紬「どうしてそれを!?……ぁ」
律「やっぱりそうか…ムギが憂ちゃんをテレビの中に入れたんだな…」
紬「ごめんなさい…実はみんなに隠してることがあって…」
紬「…私テレビの中に入ることが出来るの」
律「生徒会長、副会長をテレビの中に入れたのもムギなのか?」
紬「それは違うわりっちゃん!私がテレビの中に入れたのは憂ちゃんだけ…」
紬「黙っていてごめんなさい。信じてもらえないと思ったから…」
唯「りっちゃん!」
律「ああ、急いで助けに行こう!」
紬「え?」
澪「詳しいことは移動しながら話す。憂ちゃんを入れたのはそのテレビか?」
紬「リビングのテレビは壊れてて入れられないと思ったから、私の部屋のテレビから…」
唯「今すぐムギちゃんのお部屋に案内して!」
紬「あの、どういうことなの?」
律「憂ちゃんが危ないんだ!」
>紬に詳しい事情を説明した
紬「じゃあ…私がしたことは…」
律「憂ちゃんのためを思ってしたんだろうけど、テレビの中は危険なんだよ!」
紬「あぁ、私なんてことを…!」
紬「ごめんなさい唯ちゃん!私…私…!」
唯「ムギちゃんは憂のためを思ってしてくれたんでしょ?」
唯「今回は間違えちゃったけど、昨日の一生懸命なムギちゃんの顔を見れば悪気はないって分かるもん」
紬「…唯ちゃん」
唯「それに、間違えちゃったなら直せばいんだよ!」
澪「きっと憂ちゃんはまだ無事なはずだ。今からでも遅くない」
紬「…ありがとう、唯ちゃん、澪ちゃん」
──琴吹宅(紬の部屋) 10/02(日) 朝 曇
律「こっから入れたのか…」
紬「…ええ」
>目の前にはジュネスのテレビと引けをとらないくらい
巨大なテレビが置かれている
>このサイズなら問題なく入れるだろう…
律「私たちは今から憂ちゃんを助けに行く」
唯「ムギちゃんは…どうする…?」
紬「私も行くわ!」
澪「中は危険な場所だ。それでも行くのか?」
紬「当然よ!だって憂ちゃんは私のせいで危険な目にあってるんだもの!」
律「よし、行こう!」
>ムギの部屋からテレビの中へ入った
──お姉ちゃんワンダーランド(入園ゲート前)
>入園ゲートには長蛇の列が出来ていた…
ポリバケツを被った少年
「まずはお姉ちゃんジェットコースター乗ろうぜ!」
女装した少年
「いや、お姉ちゃんお化け屋敷にしよう」
ポリバケツを被った少年
「おいyou!ぜってージェットコースターのがいいって!」
フンドシ姿の少年
「最初はメルヘンお姉ちゃんの国に突☆入!に決まってんじゃないっスか!」
>お姉ちゃんワンダーランドは大盛況のようだ
澪「仮装パーティみたいだ。でも、なんだか不気味…」
唯「私たちもあの行列に並ばないといけないのかな?」
律「かまうもんか!このまま強行突破といこーぜ!」
係員「入園ゲート前にて怪しい三人組を発見、オーバー」
???
『ただちに排除せよ、オーバー』
係員「了解。…あいつらを排除しろ」
影a「イーッ!」
影b「イーッ!」
ポリバケツを被った少年
「ちょっ!俺なんもしてねーんですけどぉ!?」
女装した少年
「落ち着け!」
フンドシ姿の少年
「触るんじゃねぇ!ぶっとばすぞコラァ!…ファッ!?そ、そこ、イイ~!」
>怪しい三人組は何処かへ連れていかれてしまった
大人しく並んだほうがよさそうだ…
紬「並びましょうか…」
律「おしゃべりもやめような」
律「…ふぅ、なんとか潜り込めたな」
澪「このまま何もないといいけど…」
紬「急いで憂ちゃんを探しましょう!」
唯「うん!」
係員「やや!その声はお姉ちゃん様では!?」
唯「…へ?」
係員「間違いない!支配人がお待ちですよ。お連れしろ!」
影a「ュイー!」
影b「ゥイー!」
唯「わっ、ちょっ!?あ~れ~…!」
>…唯は連れていかれてしまった
紬「唯ちゃーん!」
律「追うぞ!」
係員「そうはいきません!邪魔者はここで死んでもらいます!やれ!」
>影c、d、e、fが襲いかかってきた!
律「やっぱすんなりいかないか~」
澪「り、律!さすがに数が多すぎやしないか、これ…」
律「澪、弱音を吐いてる暇があったら」
澪「一匹でも倒せって言うんだろ!ムギは私たちの後ろに隠れていてくれ!」
紬「う、うん!」
澪「お願い、コノハナサクヤ!」
律「気張れ、ジライヤー!」
>コノハナクヤとジライヤの合体攻撃!
炎の竜巻が影たちを襲う!
影c「イー?」
影d「イー!」
>効果はいまひとつのようだ…
律「…うそーん」
律「なら直接ぶっ叩いてやんよ!」
澪「よせ律!」
影e「イー」ササッ
律「ありゃ?わわ…!」ドシン!
>攻撃をかわされた
律はバランスを崩してダウン!
影e「ギー!」
>影eの反撃!
律「つっ!!」
>律は気絶してしまった…
澪「律!?律ぅ!!」
紬「…大丈夫、気を失ってるだけみたい」
澪「よかった」
紬「そうも言ってられないみたいよ…」
澪「!」
>影たちは周りを囲み、じわりじわりと距離を詰めている
>このままでは全滅も時間の問題だ…
紬「これじゃ逃げようにも逃げられないわ」
澪「ムギ、私に考えがある。律をおぶって走れるか?」
紬「走れると思うけど…」
澪「私がなんとかして注意を逸らすから、その隙にムギは律を…」
紬「絶対に嫌!!」
澪「む、ムギ?」
紬「そんなの嫌よ!澪ちゃんを置いていくなんて嫌!」
澪「で、でもこのままじゃ全滅しちゃうかもしれないんだぞ!?」
澪「連れ去られた唯は!?憂ちゃんは誰が助けに行くんだよ!」
紬「……っ!!」
澪「頼むよ、ムギ。律を連れて一緒に……ムギ?」
紬「……」
>紬の様子がおかしい
俯いてブツブツ何やら呟いてる…
澪「おい、ムギ!どうしたんだよ!」
影f「ギー!!」
>影が澪たちに一斉に襲い掛かる!
澪「!」
紬「……来て」
澪「え?」
紬「来て!タケミカヅチ!!」カッ!
>心の強さが力に変わる
紬のペルソナが覚醒した!
澪「ペルソナ!?」
>轟音とともに凄まじい落雷が影たちを直撃!
影f「ギェー!!」
澪「一撃…!?す、すごい…!」
>影たちは霧散した…
紬「や、やっつけたぁ…」ヘナヘナ
澪「やった、やったぞムギ!」
紬「…うぅ」
澪「ムギ?」
紬「うぇ~ん!」
紬「こうなったのは、ひっく、私の責任だから…」
紬「すっごく怖かったけど、絶対りっちゃんと澪ちゃんを守るんだって!」
澪「…ムギ」
紬「ごめんね澪ちゃん!ごめんねりっちゃん!」
澪「まだ全部終わったわけじゃないだろ?唯と憂ちゃんを助けなきゃ」
紬「…う、うん」
澪「なんにしても、ありがとう。ムギのお陰で助かった」
紬「澪ちゃ~ん!」
澪「泣くのは後だ。さ、律を起こして唯たちを助けに行こう!」
紬「うん!」
to be continued...
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