真姫「花陽が風邪をひいた?」 (49)



凛「うん……」

真姫「そう……」



真姫「って、なんですって!?」ガタッ

凛「反応が遅い上に大きすぎにゃ!」

真姫「ちょっと!詳しく聞かせなさいよ!」ユサユサ

凛「ま、真姫ちゃんやめて?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413727510

※はじめに

・まきりんぱな

・if設定あり

・不定期&亀更新

・シリアスなしのほのぼの一直線

・短め

では、本編をどうぞ

真姫「ついつい取り乱してしまったわ……」

真姫「詳しく聞かせてくれる?」

凛「まったく……」

凛「あのね、今日の朝いつも通りかよちんの家に迎えに行ったら、かよちんのお母さんが出てきて教えてくれたんだ」

凛「37度8分くらいだから大して症状は重くはないけど、念のために学校はお休みするんだって」

真姫「そ、そう。重症じゃなくて良かったわ」

凛「もしそうだったら凛だって落ち着いてないよ」

真姫「ま、それもそうね」



先生「よーしHR始めるぞー」

生徒A「きりーつ」

生徒A「れーい」

生徒たち「「お願いしまーす」」


先生「今日は小泉が風邪で欠席だそうだ」

先生「なので、アルパカの世話の仕事を代わりに誰かにやってもらいたい」

真姫(そういえば花陽ってアルパカの世話係だったわね。物好きなことに)

凛「はーい!凛と真姫ちゃんでやりまーす!」

真姫「う゛ぇえ!?ちょ、ちょっと待っ--」・・

先生「お、そうか。なら星空と西木野、頼むぞー。昼休みに餌を上げて水を替えてくれればいいからな」

真姫「」



真姫「ちょっと凛!どういうことよ!」ドンッ・

凛「にゃはは~、ごめんごめん、つい言っちゃった」

真姫「マッタクー」

凛「まあまあ、たまにはいいじゃん。凛と真姫ちゃんの共同作業にゃ!」

真姫「きょ、共同作業って……!?」カァァ

凛「?」

休み時間--


キーンコーンカーンコーン

凛「ふあぁ……」ウーン

凛(よく寝たぁ。かよちんがいないから起こしてくれる人がいなくて全部寝ちゃったよ)

凛「いや、あれは不可抗力にゃ。先生の言葉には催眠術が含まれているに違いない!」

凛「次の授業は国語か~……もう一眠りしようか--」

生徒B「Cちゃん宿題やったー?」

生徒C「あーあれ難しかったよね」

凛「あ」


凛(し、しまった……今日は宿題のある日!)

凛(しかも今日の宿題は提出ではなく発表するタイプ。そして今日の日付は……)チラッ

凛(○日ってことは、出席番号的に当たるの凛じゃん!まったく手をつけてないよ!?)


凛「か、かよちーん……」

凛「って、かよちんは今日休みだったし」ガーン

凛「となると……」



凛「ま、真姫ちゃーん……?」

真姫「見せないわよ」

凛「まだ何も言ってないよ!?」

真姫「どうせあなたの事だから、『宿題見せて欲しいにゃ~』とでも言うつもりでしょ」・・・・

凛「その通りな上に微妙に似ているのが腹立たしいにゃ……」イラッ

真姫「もう聞き飽きるくらい言われたから」

凛「次はやってくるから見せてよぉ~」

真姫「それ毎回言ってるわね」

凛「今生のお願い!」

真姫「その言葉も何度聞いたかしら」・

凛「うぅ……かよちーん、真姫ちゃんが~」

真姫「花陽は居ないわよ」

凛「そうだった……」



真姫「いつも花陽に頼ってばかりだからこうなるのよ」

真姫「たまには痛い目にあってみなさい」ツーン

凛「真姫ちゃんのいじわる!」

真姫「私は凛のことを思って言っているの」


真姫(花陽は普段から凛を甘やかしすぎだから、たまには私が厳しくしてあげないと……)



凛「ううう……」ショボーン

真姫「……」

凛「確かに凛が悪いもんね……」

真姫「……」

凛「いつもかよちんや真姫ちゃんに甘えてばっかりだし……」

真姫「……」ウズ

凛「きっとバチが当たったんだよね」

真姫「……」ウズウズ

凛「嫌だけど、今日は素直に怒られるにゃ--」

真姫「はいこれ」・スッ

凛「……ま、真姫ちゃん?」

真姫「もう写す時間もないから授業が終わるまで持ってなさい。どうせ私は当たらないだろうから」

真姫「今回だけよ?本当の本当に今回だけなんだからね?」

凛「真姫ちゃん……」パァァ


凛「ありがとう真姫ちゃーん!」ギュウッ

真姫「ちょ、いきなり抱きついてこないでよ!」カァァ

凛「えっへへ~、やっぱり真姫ちゃんはなんだかんだで優しいにゃ~」

真姫「……まったく」


真姫(結局流されてしまったわ……)

真姫(でも、花陽が凛に優しくしてしまう気持ちが分かった気がするわね)


~~~~~


昼休み--


真姫「ごちそうさまでした」

凛「でしたー」

凛「さあ、アルパカさんの世話に行こうよ!」・・

真姫「そういえばそうだったわね。はぁ……めんどくさい」・・・・

凛「そんなこと言わないで、早く行くよー」グイグイ

真姫「ちょ、引っ張らないでよー!」



アルパカ小屋--


アルパカ白「ンメェエエエ~」モシャモシャ

凛「ごめんね、いつもはかよちんだから早くご飯を用意できたんだけど、よく分からないから遅れちゃった」

アルパカ白「ンメェエエエ~♪」

凛「おーよしよし♪」ナデナデ

真姫「んしょっと……水持ってきたわよ~」

真姫「しかしまあ、あなたも大概物好きね」・

凛「えー?アルパカさん可愛いじゃん」ナデナデ

真姫「私にはよく分からないけど……」

アルパカ茶「ン゛メ゛ェエエエ!!」グワッ

真姫「う゛ぇえ!?な、なによ!?」ビクッ

凛「真姫ちゃんが失礼な事を言ったから怒ったんだよ」

凛「ねー?」

アルパカ茶「ンメェエエエ」プンスカ

真姫「イミワカンナイ……」


~~~~~



放課後--


キーンコーンカーンコーン


凛「やっと終わった~」グデー

真姫「ちょっと、今から練習があるのよ」

凛「うーん。なんか締まらないにゃー……」
・・
真姫「確かにね……。なんだか今日は落ち着かない気持ちで、何かが足りない感じがしていたわ」

真姫「花陽がいないとこんな風になるのね……」

凛「むむ、凛だけなのは不満だったの?」

真姫「そ、そういうワケじゃないけど」アセアセ


真姫「やっぱり私たちは花陽があってこそ私たちなんだな、って」

真姫「もちろん仮に凛がいなかったとしても同じ。私たちは3人揃ってないとね」

凛「真姫ちゃん良いこと言うにゃ~」


凛「あ、凛思ったんだけど、なら今日はかよちんのお見舞いに行かない?」

真姫「え、お見舞い?」

凛「そうそう。かよちんに会いに行くの」

真姫「練習はどうするつもり?」

凛「正直かよちんがいない状態で練習しようにもモチベーションが上がらないし……」

真姫「まあ、それはそうかもだけど」

凛「なにより心配だしね、たとえ軽い熱だとしても!真姫ちゃんは心配じゃないの?」・・

真姫「……愚問ね、心配していないワケないでしょ?」

凛「じゃあ皆に言いに行こうよ、きっと分かってくれるよ!」・・

キリが悪いですが今回はここまで

まきりんっぽくなっていますが花陽もちゃんと出ます

続きまってるよー

いいね

おつ

待っとるでー

先日は投下できずに申し訳ないです

再開します

真姫「あ、ちょっと待って」

凛「へ?」

真姫「悪いけど、皆には凛から言っておいてくれる?私は少しやりたいことがあるから」

凛「なにをするの?」

真姫「……まあ、その、曲を作ろうと思って。花陽に聴いてもらうための」

凛「曲……?あっ、前に穂乃果ちゃんが倒れた時に渡したやつ?」

真姫「そんな感じ。もちろん新しい曲を作るけどね」

真姫「授業中に大筋は考えていたから、3、40分あれば作れるはずよ」

凛「真姫ちゃ~ん、授業中に関係のないことを考えちゃダメだよー?」

真姫「授業中に寝ている人に言われたくないんだけど……」ハァ


真姫「そういうわけで、私は一旦家に帰るわね。花陽の家に行く前に一度私の家に寄ってくれる?」

凛「りょーかいにゃ。じゃあ皆に伝えてくるね」


~~~~~
・・

部室--


海未「そうですか、花陽は風邪を……」

凛「うん。だから凛と真姫ちゃんでお見舞いに行こうと思って」

海未「それは仕方がないですね。二人は練習お休みしてください」

海未「ところで真姫は……?」

凛「あ、真姫ちゃんはね、かよちんのために曲を作るんだって!だから先に家に戻ったんだ」

海未「なるほど……真姫らしいですね」クスッ


穂乃果「真姫ちゃんの作ってくれた曲ね、とってもリラックスできるんだよ!私もあれを聴いてすっかり治っちゃったもん」


絵里「あ、なら皆で行くのはどうかしら。穂乃果の時みたいに」

海未「そうしたいのは山々ですが……ラブライブに向けての練習も怠るわけにはいきません。真姫と凛はともかく、全体を休みにするのはどうかと」

絵里「それもそうね……なら、練習が終わってから私たち6人がお見舞いに行くのはどう?」・

海未「そうですね、それなら大丈夫でしょう。迷惑がかかるといけませんから長居はできませんが」・

凛「かよちんもきっと喜ぶにゃー」・・


絵里「今は大切な時期なんだから、凛……それに真姫も体調には気を付けなさいよ?」

絵里「どこかの誰かさんみたいに無理をしないように、ね」チラッ

穂乃果「もう絵里ちゃん、それは言わないでよー……」アハハ…

凛「だいじょーぶだいじょーぶ!」


~~~~~


西木野宅前--


凛「真姫ちゃんの家にとうちゃーく」

凛(遊びに来たことはあったけど、基本的にかよちんと一緒だったから、実は一人で来るのは初めてだったんだよね)

凛(おかげで少し迷っちゃったし……)


凛「でもまあ、時間的には丁度曲も出来ている頃かな?」

ピンポーン

凛「……」


ガチャ

真姫「来たわね、凛」

真姫「あと少しで作業が終わるから中で待っててくれる?」

凛「分かった。おじゃましまーす」


リビング--


凛「……」

凛(リビングに一人……なんか落ち着かないよぉ)

凛「ふぇ……やっぱり広いお家だにゃあ……」キョロキョロ

真姫母「あら星空さん、いらっしゃい」

凛「あ、お、お邪魔してます」ペコッ

真姫母「いつも真姫がありがとう。あの子素直じゃないから迷惑かけることもあるだろうけど、仲良くしてあげてね?」

凛「い、いえ!こちらこそ、真姫ちゃ……西木野さんには、その、いつもお世話になっておりまして……」タジタジ

真姫「ちょっとママ!出てこないでって言ったでしょ!」バタバタ

真姫母「いいじゃないの、いつもあなたがお世話になっているお友達でしょ?挨拶くらいしておかないと」

真姫「も、もう!いいからあっちいってよね!」カァァ

真姫母「はいはい」クスクス

凛(おお、真姫ちゃんがこんなにも慌てふためいている……これはレアシーンだよ)



真姫「まったく……」ハァ

凛「真姫ちゃんのお母さん、真姫ちゃんとは結構違うんだね」

真姫「悪かったわね、ママみたいに社交的じゃなくて」フンッ

凛「誰もそんなこと言ってないにゃ……」


真姫「ところで、凛に一つお願いがあるの」

凛「どうしたの?」

真姫「花陽への曲、完成してCDにも焼いたんだけ……聴いてみてくれる?」スッ

凛「これは……真姫ちゃんのミュージックプレイヤー?」

真姫「花陽と付き合いの長いあなたなら、この曲が花陽に気に入ってもらえるか分かると思って」

凛「うーん、別いいけど、真姫ちゃんが作ってくれた曲ならきっと全部喜んでくれると思うよ」

真姫「まああの子は礼儀正しいからそうかもしれないけど、折角なら少しでもあの子の好みに合わせてあげたいじゃない」

凛「そういうことならおっけーにゃ」スチャ

真姫「じゃあ流すわよ」




凛「……」

真姫「……」

真姫「どう?」

凛「うん……すっごく落ち着くにゃあ~……」

凛「なんか優しい感じがして……包み込まれるみたい」

凛「これならかよちんも喜んでくれるはずだよ!」

真姫「そう。だったら嬉しいんだけど……」

凛「さっすが真姫ちゃんだにゃー」

真姫「ほ、褒めてもなにも出ないわよ」カミノケクルクル



真姫「それじゃあ花陽の家に行きましょうか」ガサッ・

凛「あれ、その袋なに?」

真姫「これ?果物よ。ベタだけどリンゴとバナナね」

真姫「なんの手荷物もなしにお見舞いっていうのもあれだし」

凛「なるほど!」

凛「あ、だったらさ、真姫ちゃんの病院のお薬も持っていってあげようよ!かよちんもすぐに元気になるに違いないにゃ!」

真姫「バカね。お薬っていうのは数種類を併用すると副作用が起こる可能性があるの、例えば鎮痛剤と風邪薬みたいにね」

真姫「たぶん花陽も薬は飲んでいるでしょうから、私が持っていく必要はないと思うわ」・

凛「な、なるほどー、全然知らなかったよ……」

真姫「というわけで、早く出発するわよ」

凛「おー!」


~~~~~

小泉家前--


ピンポーン

花陽母「はーい」ガチャ

花陽母「って、あら?」

凛「えへへ~、おばさんこんにちは!」

真姫「こ、こんにちは。突然失礼します」

花陽母「凛ちゃんに真姫ちゃんじゃない。二人ともどうしたの?」

真姫「あ、あの、私たち花陽…さんが風邪をひいたと聞いたので、お見舞いにきたんです」

花陽母「え、でもスクールアイドルの練習があるんじゃない?」

凛「休んできたんだ。いくら重くはないにしても、かよちんが心配だったし」

花陽母「そう、そこまでして……ありがとうね二人とも。こんなにも優しいお友だちがいてくれておばさん嬉しいわぁ」ニコニコ

真姫(花陽のお母さん……あの子と違ってハキハキしているのよね。感情表現が豊かなのは親子共通だけど)


花陽母「今はあの子もそれなりに具合がよくなったから大丈夫だと思うわ、どうぞいらっしゃい」

凛「うん!おじゃましまーす」

真姫「お邪魔します」


花陽母「……あ、そういえば」

花陽母「花陽に会う前に、一つあなたたちに謝らないといけないことがあるの……」

まきりん「「?」」

短いですが今回はここまで

あまり時間がとれないので亀更新となっております。申し訳ないてます


エリチカ誕生日おめでとう(今更)

乙!

乙です、週刊漫画みたいな引きだね、気になる

またもや日にちを空けてしまいました

投下します

花陽の部屋--


花陽「……」

花陽(うーん……1日中眠ってばかりだからもう眠たくないよぉ)

花陽(凛ちゃん、真姫ちゃん、みんな……今頃練習頑張っているんだろうなぁ)

花陽「はぁ……コホッコホッ!」


ガチャ


凛「かーよちーん!」

花陽「ぴゃあっ!り、凛ちゃん!?」

凛「お見舞いに来たにゃー♪」

真姫「ちょっと凛、花陽は病人なのよ?静かにしなさい」

花陽「真姫ちゃんも……」

真姫「他の皆も練習が終えたら来るそうよ。私たちは休みを貰って早めに来たんだけど」

花陽「そう、なんだ……二人ともありが--」

凛「かよちん、ストップ」

花陽「と……?」ピタッ

真姫「花陽。何か一つ、私たちに謝らないといけないことがあるんじゃない?」

凛「うんうん」

花陽「あう……」



花陽「ご、ごめんなさい……」ペコリ

真姫「まったく。実は39度近くあったなんて、お母さんから聞いたときは驚いたわよ」

凛「学校を休むのも無理ないよね」

花陽「うう……」

真姫「まあ、あなたの事だから凛や私たちにあまり心配をかけないように嘘をついたんでしょうけど」

凛「そんな優しいかよちんも好きだけど、やっぱり本当のことを言ってほしかったかな」

花陽「……ごめんね、二人とも」


真姫「……ま、私たちも責めに来たワケじゃないし、この件はこれくらいにしておきましょう」

真姫「今は体調は大丈夫なの?」

花陽「あ、うん。さっき測ったら38度ジャストだったよ」

凛「うわ、まだ結構あるね……やっぱり凛たち来ないほうが良かったのかなぁ」

花陽「そんなことないよ!正直寝飽きていたところだったから二人が来てくれて嬉しいよ?」

凛「えっへへ~、かーよちーん♪」スリスリ

花陽「り、凛ちゃん…… そんなに引っ付くと風邪が移っちゃうよ?」カァァ

真姫「大丈夫でしょ、バカは風邪をひかないっていうし」

凛「……真姫ちゃん、自虐ネタ?」

真姫「あなたのことよ!!」


~~~~~



真姫「……で、アルパカが威嚇するように鳴いてきたわけ。びっくりしたわ」

花陽「あ、あはは……大変だったんだね」

凛「あれは真姫ちゃんが『アルパカが可愛いなんてイミワカンナイ!』とか言うからだよ」

真姫「勝手に話を作らないでくれる?」

花陽「うーん、アルパカさん可愛いと思うけどなぁ」

真姫「花陽まで……」


ガチャ

花陽母「おじゃましまーす」

花陽「あ、お母さん」

花陽母「あら、さっきよりも顔色が良くなったかな?お友だちが来てくれたおかげね」

花陽「えへへ、そうかも……」

花陽母「真姫ちゃん、果物ありがとうね。これ結構高いやつなのに」

真姫「い、いえ!娘さんにはいつもお世話になっていますので……」

凛「真姫ちゃん緊張しすぎだにゃー。もう初対面ってワケでもないのに」

真姫「あなたが自然体すぎるのよ!」

花陽母「ふふっ、私のことを親と思って甘えてもいいのよ?」ニコニコ

真姫「うっ……は、花陽ぉ」

花陽「お、お母さん……あまり真姫ちゃんを困らせないでよぉ」アセアセ

花陽母「あらあら、花陽ちゃんが怒っちゃった。ごめんなさいね」 クスクス

花陽「も、もう!」

花陽母「ふふっ、冗談よ。……ところで花陽ちゃん、お腹すいていない?」

花陽「えっ?」

真姫「普通病人は食欲はないはずだけど……」

花陽「じ、実は少しだけ……」

真姫「」

凛「まあかよちんだからね」

花陽「うぅ……」カァァ

花陽母「いいじゃないの。いっぱい食べる子は大きくなるわよ?」

花陽「別に大きくならなくてもいいんだけど……」

凛「なのにあっちの部分は大きく……世の中不公平だにゃ」ボソッ

真姫「凛、やめなさい」


花陽母「じゃあお粥でも作ろうかしら」

花陽「ホント!?食べる!」パァァ

花陽母「じゃあちょっと待っててね~」


花陽母「あ、そうだ」

花陽母「真姫ちゃん、凛ちゃん。私の代わりに花陽ちゃんにお粥を作ってみない?」

まきりん「「!?」」

凛「お、おばさん、いきなりどうしたの?」

花陽母「んー、おばさんが作るよりもお友だちが作ってくれた方が友情パワーで風邪が吹き飛んじゃうかなー、って思ってね」

花陽母「現に二人が来てくれたおかげで花陽ちゃんの症状も良くなったみたいだし」

真姫「はぁ……」

凛「うーん、凛はちょっと」


真姫「……じゃあ私が作るわ」

凛「ま、真姫ちゃん!?大丈夫なの!?」

真姫「……任せなさい」

凛「その微妙な間が怖いにゃ……」

花陽母「じゃあ真姫ちゃんお願いね♪材料は好きに使っていいし、ちゃんと私も手伝うから心配しないで」

花陽「真姫ちゃん、楽しみにしてるね?」

真姫「うっ……善処するわ」

凛「じゃあ凛はかよちんとおしゃべりして待ってるね」


~~~~~



台所--


真姫「……」ポチポチ

真姫「えーと、こぶ茶を入れて、と。あとは蓋を閉めて30分煮るだけね」

真姫「そして適当に塩を入れて終わり、と。インターネットってホントに便利ね」

花陽母「花陽ちゃんはお米の味をそのまま楽しむタイプだから塩は少なめでいいわよ~」

真姫「あ、はい」


グツグツ


真姫「……」

花陽母「真姫ちゃん」

真姫「は、はい!」ビクッ

花陽母「相変わらずカタいなぁ」クスクス

真姫「す、すいません……」

花陽母「いいのよ。花陽から聞いた話だとなんでも完璧にこなす超人みたいな印象だったから、そういう可愛い一面もあってなんだか安心したわぁ」

真姫「ちょっ……花陽はいつも私の事をどんな風に言っているんですか?」

花陽母「えっとね、可愛くて、スタイルが良くて、声が綺麗で歌が上手で、ダンスも出来て、ピアノがとっても上手で、頭も良くて、優しくて--」

真姫「も、もういいです!」カァァ


真姫「まったくあの子は……私はそんなに凄い人間じゃないっていうのに」

花陽母「ふふっ、それくらいあの子が真姫ちゃんの事が大好きだってことよ」

真姫「っ!?か、からかわないでください!」

花陽母「あら、本当のことよ?」

花陽母「あの子、家では凛ちゃんやあなたのことばかり話すんだから」

花陽母「特に真姫ちゃん、あなたに関してはとっても感謝しているんだって」

真姫「感謝……?花陽が、私に?どうして……」

花陽母「知っていると思うけど……ほら、花陽ちゃんってアイドルが大好きじゃない?」

真姫「ええ」

花陽母「小さな頃は『花陽いつかアイドルになるんだ!』ってよく言っていたけど、あの子変に自分を卑下しちゃう悪い癖があるから」

花陽母「中学生になるころにはそんなことを全く言わなくなってね、代わりに『どうせ私なんかー』っていう言葉が口癖になっちゃっていたのよ」

花陽母「自分に自信が持てないみたいで、声もか細くて、滅多に外にも遊びに行かなくて……正直心配していたわ」

真姫(確かに、知り合ったばかりの花陽は異常なほどオドオドしていたわね)


花陽母「でも、真姫ちゃん。あなたに出会えてから、あの子は変われたの」

真姫「?」


花陽母「落とし物がきっかけで知り合ったんですって?きっかけは些細なことだったかもしれないけれど、それによってあなたたち二人に繋がりが生まれて、その繋がりが花陽ちゃんをμ'sへと導いた」

花陽母「凛ちゃんも手伝ってくれたみたいだけれど、花陽ちゃん曰く、それでも最初に背中を押してくれたのは真姫ちゃん、あなたなんだって」

真姫「……」

花陽母「そのおかげで、花陽ちゃんは憧れだったアイドルへの道を歩むことができた」

花陽母「それからのあの子は以前とは見違えるほどに変わったわ。声もはっきり出すようになったし、前まで自分からは殆ど口に出さなかった学校での出来事もよく話してくれるようになった」

花陽母「そしてなにより、表情が明るくなったの。自分に自信が持てているからでしょうね」

花陽母「そのきっかけを作ってくれた真姫ちゃんには、私もすっごく感謝しているわ」


花陽母「あの子を変えてくれてありがとう。これからも、花陽ちゃんを支えてあげてね?」ニコッ


真姫「……」

真姫「私は、そんな大した人間じゃないんです」

真姫「花陽の背中を押したのも、アイドルへの憧れがあった私の気持ちを託すという思いがあったからで……まぁ結果的に私もμ'sに入ったんだけど」

真姫「私、あまり性格が良くないから……花陽にも、凛にも、いつも助けてもらってばかりで……」

真姫「とにかく、あの二人は私にとって、かけがえのない親友なんです」

真姫「だから……こちらこそ、今後とも花陽とは仲良くしていきたいと思っています」

花陽母「ふふっ、お願いね」

真姫「はい」



真姫(……私、いままで、花陽には助けられてばかりだと思っていた)

真姫(花陽のお母さんはああ言っていたけど、実際には花陽が私とμ'sとの繋がりを作ってくれたんだし)

真姫(……でも、こんな私でも……花陽のためになっていたんだ。花陽に感謝されるようなことが出来ていたんだ……)


~~~~~



ガチャ

真姫「おまたせ」

凛「おお、いい匂いがするにゃ~」

真姫「当たり前でしょ、私が作ったんだから」

凛「この前は失敗して涙ぐんでいたくせに……」ボソッ

真姫「ちょ、それには触れないで!!」

花陽「ふふっ……ありがとう、真姫ちゃん♪」

真姫「……ええ」


花陽「じゃあいただきま--」

真姫「まって、花陽」


真姫「まだ熱いと思うから、冷まして食べさせてあげるわ」

真姫「ふーっ、ふーっ……はい、あーん」

花陽「ま、真姫ちゃん……」カァァ

真姫「し、仕方ないでしょ!花陽が火傷したら大変じゃないの!!」カァァ

真姫「さあ!」

花陽「あう…………んむ」ゴクリ

花陽「ん……おいしい」

真姫「当然ね」フフン

凛「あーっ、真姫ちゃんずるーい!凛もあーんしてあげたい!」

真姫「もう、子どもじゃないんだから……はい」

凛「えっへへー、はいかよちん、あーん」

花陽「あ、あーん……」パク

凛「おいしい?」

花陽「うん、とってもおいしいよ」ニコッ

凛「かよちんの笑顔が見れるだけで幸せだにゃ~」デレデレ

真姫「ったく……凛、頬が緩みすぎよ」

花陽「真姫ちゃん……もう一口食べさせて……?」(上目遣い)

真姫「うっ……は、はいあーん」

花陽「んむ……やっぱりおいしい」

花陽「ありがとう真姫ちゃん。私のためにお粥まで作ってくれて……嬉しいよ」

真姫「お礼を言われるほどのことなんてしてないわよ」


真姫「それに、こちらこそ……ありがとね」

花陽「へ?なにが?」キョトン

真姫「……ふふっ、内緒」

花陽「えぇー?教えてよぉ……」

真姫「だーめ。ふふっ……」



花陽「ふあ……」

凛「かよちん眠いの?」

真姫「眠り飽きたっていっても病人だからね、寝て養生しないと」

花陽「うん……ごめんね二人とも、せっかく来てくれたのに」

真姫「いいのよ。むしろ私たちは長居しすぎたわ。他の皆にも後で今日は来ないように行っておくから」

花陽「うん……じゃあ、私寝るね……」

凛「じゃあ凛はかよちんが眠るまで手を握っていてあげるね」ギュッ

花陽「り、凛ちゃん……?」

真姫「まるで妊婦と夫みたいね」

花陽「私赤ちゃん産んじゃうのぉ……!?」

凛「かよちんママ、ファイトだよ!」

花陽「ん……頑張る。えへへ」


凛「ほら真姫ちゃんも!早く来てかよちんの手を一緒に握ってあげるにゃ!」

真姫「わ、私も!?」

凛「もちろんだよ!さあ早く!」

真姫「しょうがないわね……」ギュッ


花陽「二人の手、温かい……」

真姫「……ん」

凛「凛たちが見守っててあげるからね」

花陽「うん……」


花陽「……すぅ…すぅ……」

凛「……眠っちゃったね」

真姫「ええ」



真姫「……おやすみなさい、花陽」



~~~~~


一時間後--


ピンポーン


花陽母「はーい」ガチャ

花陽母「あら……」

穂乃果「こんにちは!」

海未「初めまして。花陽さんの所属しているμ'sの者です。花陽さんのお見舞いに来ました」

花陽母「ご丁寧にどうも。さあ、どうぞ入ってね」

6人「「お邪魔します」」



絵里「大人数で押し掛けてごめんなさい。少し顔を見たらすぐ帰りますので……」

花陽母「いえいえ、花陽ちゃんも喜ぶわ」


ガチャ

花陽母「あ………ふふっ」

海未「どうしました--あっ」

絵里「あらあら」クスッ

穂乃果「………ねぇ、帰ろ?」

海未「ええ、そうですね」

海未「こんな光景を見たら--」チラッ


花陽「すぅ……」

凛「むにゃ……」

真姫「くぅ………」



海未「帰らざるを得ませんね」クスッ

絵里「仲良く手まで繋いじゃって………」

穂乃果「真姫ちゃんと凛ちゃんは肩を預けあって寝ているね」

海未「さあ、帰りましょう。起こしてしまっては悪いですから」

花陽母「ごめんなさいね、皆さんに来てもらったというのに」

海未「いえ、顔を見れただけでも良かったです。治れば明日また会えますしね」

絵里「では、私たちはこれで………」

花陽母「ええ」




花陽母「……」チラッ


まきりんぱな「「…………」」スヤスヤ


花陽母「……ふふっ」





花陽母「おやすみなさい、三人とも……」



おわり

おまけ


翌日--


花陽「こ、こんにちは!」

絵里「来たわね花陽」

穂乃果「具合は大丈夫?」

花陽「はい!迷惑かけてごめんね?」

海未「いえ、大丈夫ですよ。今日からしっかり頑張ればいいのですから」


海未「………ところで花陽。真姫と凛は?」

花陽「うっ……そ、それは……」

絵里「まさか………」

花陽「そのまさかで……二人とも、その……風邪を……」

うみえり「」

穂乃果「あ、あはは……」





まきりん「「はっくしゅん!………ズズッ」」




ほんとうにおわり

以上となります。最後までお付き合いいただきまことにありがとうございました


最後に
まきりんぱなは健全


よかった

まきりんぱな最高やな 乙

※以下、過去のまきりんぱな作品
お口に合えばついでにどうぞ


真姫「りんぱなは正義なのよ」
真姫「りんぱなは正義なのよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412095767/)

真姫「花陽と凛が家に遊びに来る」
真姫「花陽と凛が家に遊びに来る」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413135558/)

まきりんぱなは心が浄化される

これはよいまきりんぱな
乙!


やっぱり一年生組大好きだ

乙!


やっぱまきりんぱなはいいな


花陽可愛い

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月25日 (土) 02:27:24   ID: rwYX6-9h

ほのぼのいいね

2 :  SS好きの774さん   2014年10月25日 (土) 14:43:47   ID: l1QMVJCK

まきりんぱなは健全

3 :  SS好きの774さん   2014年10月27日 (月) 13:36:56   ID: OEU3Dvep

1年組はほのぼのしててすごくいい

4 :  SS好きの774さん   2014年12月04日 (木) 21:58:26   ID: Ukn17EFG

この人のまきりんぱなSSほんと好きだわ

5 :  SS好きの774さん   2016年04月12日 (火) 21:07:35   ID: pbO0MzBJ

ほのぼのしたオチ。

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