穂乃果「絵里ちゃんの……」 (38)

穂乃果「え~りちゃん♪」

絵里「なあに穂乃果?」

穂乃果「ねえねえ、今日は穂乃果の誕生日なんだよ?」

絵里「ええ知ってるわよ、だからこうやってお泊りにきてるんでしょ?」

穂乃果「そうなんだけどさ……、穂乃果プレゼントが欲しいなーって思ってみたり」

絵里「プレゼント?それならさっきみんなと一緒に渡したじゃない」

絵里(ももも、もしかして私のプレゼントが気に入ってくれなかったのかしら!?)

穂乃果「そうじゃなくてさぁ、恋人同士がするようなことをしてほしいなって……」チラッ

絵里「ええーっと……、ハグかしら?」ギュッ

穂乃果「もう!それも嬉しいけどさ、特別な夜に二人きりだよ!」ギュッ

絵里(こ、これって完全にあの流れよね……)ゴクリッ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411316995

穂乃果「ねえ絵里ちゃん、キスしてほしいな……///」

絵里「キキキキ、キス!?」

穂乃果「うん……///」

絵里(ほ、穂乃果とキス!?誰が?私が?え?え?)

絵里「ま、まだ私達には早いんじゃないかしら!?」

穂乃果「……もう付き合ってから二カ月だよ?」

絵里「まだ二カ月よ!」

穂乃果「ドラマとか漫画だったら、もうとっくにキスなんてしてるよ?」

絵里「それはドラマとか漫画の話よ!」

穂乃果「そうだけどさ、でも穂乃果は絵里ちゃんとキスしたいな///」

絵里(ま、まだ心の準備が……)

穂乃果「ねえ絵里ちゃんはしたくないの?」

絵里「え、えーっと、私もしてみたいわよ?」

穂乃果「それならいいじゃんっ、……しよ?」

絵里「えっ、あっ、そそそうね!」

穂乃果「絵里ちゃんっ……///」ンーッ

絵里(か、顔を赤らめて目をつぶってる!これってあれよね!
キス待ちなのよね!?)

絵里「ほ、穂乃果っ」ドキドキ

絵里(こ、この流れならいける!いけるのよ!行くのよ!)

穂乃果「……」ンーッ

絵里(勇気を出して!行くのよ絵里!)

絵里「……」ドキドキ

絵里(あぁ、顔を真っ赤にしちゃって!可愛いわ!
今からこの穂乃果にキスするのよね……)

穂乃果「ねぇ……まだ?///」

絵里(あの赤くてぷるぷるした唇にキスを……)

絵里「い、いくわよ……」チュッ

穂乃果「あっ……えっ?」

絵里(……できるわけないじゃないっ!)

穂乃果「ねえ……」

絵里「な、なにかしら?」

ヘタレーチカ好き

穂乃果「今の流れでおでこにキスってどうなの?」ムスーッ

絵里「えっ、あー。ロシアではおでこにキスが最上級の愛情表現なのよ!」

穂乃果「絶対に嘘だ!……そんなに穂乃果って魅力ないの?」

絵里「そんなわけないじゃない!私にとっては何よりも魅力的よ!」

穂乃果「じゃあなんでキスしてくれないのさ……」

絵里「えーっと、あのその……」

穂乃果「ねえ!誕生日だよ?穂乃果にプレゼント頂戴よ!」

絵里「だ、ダメなものは駄目なのよ!もう寝るわよっ!」

穂乃果「……へたれ」

~~~~~
数日後

絵里「ってことがあったのよ」

希「完全にヘタレやん……」

にこ「そうね……、あそこまで誘われておいてのヘタレ、穂乃果には同情するわ」

絵里「私がヘタレかどうかはどうでもいいのよ!」

絵里「問題はこの後に穂乃果が口を聞いてくれなくなっちゃって……」

にこ「当然ね」

希「せやねえ……、別れられなかっただけいいんちゃう?」

絵里「でももう三日よ!このままじゃあ死んじゃうわよ!」

にこ「それでどう仲直りしようかと私たちに相談しにきたと……」

絵里「ええ、もう一人ではどうにもならなくって……」

希「今から穂乃果ちゃんのとこ行って有無を言わさずキスすれば解決するんやない?」

絵里「それができたらこんなことにならないわよ!」

にこ「まぁそれもそうね、口を聞いてくれない以外はどんな様子なの?」

絵里「電話もメールも全部シカトよ……、一応帰りは一緒に帰ってるんだけど……」

希「ならまだ愛想つかされたわけじゃあなさそうやね」

絵里「一緒に居るのに話しても無視されるのがまたつらいんだけどね……」

絵里「お願いっ!お礼はするから何か仲直りできるいいアイディアを頂戴っ!」

希「アイディアと言われてもなぁ……」

にこ「完全にあんたのヘタレが原因だしそこを治すしかないんじゃない?」

絵里「ヘタレを治す……?」

希「確かにそれが一番やろうね」

絵里「でもどうやって?」

にこ「んー、あんたはどうして穂乃果にキスできなかったの?」

絵里「恥ずかしいじゃない///」

にこ「それだけ?」

絵里「あとは……、やっぱり私なんかが穂乃果と付き合っていていいのか
まだ自信が持てなくて……」

にこ「そこよ!」

絵里「へっ」ビクッ

にこ「あんたが穂乃果に手を出さない理由!はそこにあるのよ!」

希「なるほどなぁ」

にこ「要するに『私みたいなポンコツなんかが穂乃果に触れていいのかしら……』
という自信のなさからそのヘタレが発生してるのよ!」

絵里「ぽ、ぽんこつって……」

希「つまりエリチが自信を付ければええってことやね?」

にこ「そうよっ!つまり絵里、貴方はナルシストになるべきなのよっ」

絵里「はっ?ナルシスト……?」

にこ「そうよっ!今のあなたは『穂乃果と付き合える私って幸せ!』って感じなのよ」

絵里「いや、だってそうじゃない?」

にこ「それを『私と付き合える穂乃果って幸せものね』って思えるようになりなさい」

絵里「そんなこと言われても無理じゃないかしら……」

にこ「大丈夫よ!私が協力してあげるから」

絵里「で、でもナルシストになったら穂乃果から嫌われない?」

希「確か穂乃果ちゃんってちょっと強引な人が好みとか言ってたなぁ~」

にこ「らしいわよ?穂乃果にもっと好かれたいんでしょ?
このままじゃあそのうち捨てられるわよ!いいの?」

絵里「そ、それは嫌よ!」

にこ「ならやるしかないわね……、穂乃果に好かれるためにもね!」

絵里「穂乃果に好かれる……」

希「せやね、エリチがヘタレじゃなくなったらもっとメロメロやろな~」

絵里「もっとメロメロ……」

にこ「で、どうするの?やる?やらない?」

絵里「……やる、やるわ!穂乃果に好かれるために!メロメロにさせるためにね!」

希(面白そうだから乗ってみたけどチョロイなぁ)

にこ「ふふっ、さすが絵里ね!じゃあ今からメニューを言うから毎日実行するのよ?」

絵里「わかったわ!」

にこ「あとしばらくは穂乃果に会うの禁止ね?夏休み中だしいけるでしょ?」

絵里「えっ、でもそれは……」

にこ「今は我慢の時なのよ!ここで耐えればあとで大きな見返りがあるはずよ!」

絵里「そ、そうね……頑張ってみるわ!」

希(すっかりにこっちのペースやね、どうなるんやろ)

~~~~~

絵里「早速実践ね、えーっと何々」

にこ『まずは鏡に向かって一日30分キメ顔を作りながらじっくり自分の顔を見るニコ!』

絵里「なるほどね……、早速やってみましょう」

絵里「キメ顔……、こんな感じかしら?」ドヤァ

絵里「んー、こんな感じのがいいのかしら」キリッ

絵里(……こうやって自分の顔を見てると思うけど、私の顔って結構整ってるわね)

絵里(むしろかなり綺麗な分類なんじゃないかしら?青い目も日本人離れして綺麗だし)

絵里(かっこいいわね……)ボーッ



絵里「なんだか変な気分になっちゃったわね……
えっと次の工程は」

にこ『自分のいいところを紙に書きだして音読するニコ!
毎日やるニコよ!』

絵里「私のいいところ?んー……」

絵里(勉強はできる方ね……、運動もできる、生徒会長という立場から周りからの信頼も厚い)

絵里(μ'sの中でもよくまとめ役をしているしリーダーシップも抜群ね
歌もダンスも結構イケる方だし……)

絵里(プロポーションもだいぶいい方よね、それにさっき思ったけど
顔も相当いいんじゃないかしら?)

絵里(あれ……まさか私って……)

絵里「相当スペックが高い!?」

絵里(このままいけば穂乃果をメロメロにできるはず……)

絵里「こ、この調子ね!ファイトよ私!」

~~~~~
数日後

穂乃果「まったく絵里ちゃんったら、ちょっと怒ったぐらいでほったらかしにして!」

穂乃果「拗ねちゃったのかな?
さすがに寂しくなって会いにきちゃったよ」

穂乃果「絵里ちゃん驚くかな~?もしかして部屋で泣いてたりして!」

穂乃果「『ほのかぁ……会いたかったわよぉ!』って言って
抱きしめられてそのまま……///」

穂乃果「はぁ……、ヘタレな絵里ちゃんに限ってそんなことないよね」

ピーンポーン

亜里沙「はーい、あ!穂乃果さんいらっしゃいっ」

穂乃果「えへへ、久しぶりだね!絵里ちゃん今いるかな?」

亜里沙「お久しぶりです。お姉ちゃんですか?いるにはいるんですが……」

穂乃果「どうしたの?用事とか?」

亜里沙「そういうわけじゃないんですが……、最近おかしいというか……」

穂乃果「絵里ちゃんがおかしい?どうしたの?」

亜里沙「えーっとですね……「あら、私の穂乃果じゃない」

穂乃果「あ!絵里ちゃん!」

絵里「ふふっ、どうしたの?私に会えなくて寂しくなって遊びに来たのかしら?」

穂乃果「えっ……?」ポカーン

絵里「そんなところもとってもキュートよ♪
私の部屋で待ってるから早く来なさいね」タッタッタ

穂乃果「……アレ絵里ちゃんだよね?」

亜里沙「一応は……。数日前からあんな感じなんです……」

穂乃果「……何があったの?」

亜里沙「私が聞きたいくらいです……」

穂乃果「とりあえず穂乃果は夏休みの宿題あるから帰ろうかな~っと」

亜里沙「待ってください!」ガシッ

穂乃果「ひぃっ!?」

亜里沙「多分もうお姉ちゃんを元に戻せるのは穂乃果さんしかいなんです!」グイッ

穂乃果「あ、亜里沙ちゃん!?痛いよ!その小さい体のどこにそんな力が……」

亜里沙「お願いします!どうか!どうか!お姉ちゃんを元に戻してください」グググッ

穂乃果「わかったから!元に戻すから!許してくださいっ!」

亜里沙「本当ですか?それでは頼みますね」ケロッ

穂乃果「は、はい……」

~~~~~

穂乃果「うぅ……、亜里沙ちゃんも結構強引なところあるよね……」

穂乃果「将来一緒に住むこととかになったら苦労しそうだよ……」

穂乃果「で、ここが絵里ちゃんの部屋の前か……」

穂乃果「あまり入りたくないけど……、帰ると後が怖いもんね……」

コンコン

絵里「入っていいわよ、それともお姫様抱っこで運んであげましょうか?」

穂乃果「……自分で入るから大丈夫だよ。失礼します」

ガチャッ

穂乃果「!?」

穂乃果(な、何この部屋……!絵里ちゃんのポスターがいっぱい張ってある!?)

絵里「あら、どうかしたの?早く入っていいのよ」

穂乃果「あっ……うん」

絵里「ふふっ、どうかしらこのお部屋、少し模様替えしたの」

穂乃果「な、なんというかすごく独特なお部屋だね……」

絵里「ええ、私の魅力が壁一面に詰まってるでしょ?」

穂乃果「そういう見方もあるかもね……」

絵里「それよりいつまで立ってるのかしら?一緒にベットの上に座って語り合いましょうよ」ポンポン

穂乃果「う、うん……」

穂乃果(どうしよう……本当、どうしたの絵里ちゃん!)



絵里「こうやってベットの上で語り合ってると、あの時のこと思い出すわね」ナデナデ

穂乃果「えっと、あの時って……?」

絵里「穂乃果の誕生日の日のことよ」ナデナデ

穂乃果「あの時の……、ねえそれよりもなんで穂乃果の頭を撫でてるの?」

絵里「ふふっ、穂乃果は撫でられるのは嫌いなのかしら?」ナデナデ

穂乃果「き、嫌いじゃないけど、ちょっと恥ずかしいなって……///」

絵里「ならいいじゃない。私に撫でられてるのよ?穂乃果も幸せ者ね」

穂乃果(な、なんなのこの絵里ちゃん!絶対、絶対におかしい!///)

絵里「ねえ、この前あげれなかったプレゼントを渡したいのだけどいいかしら?」

穂乃果「えっ……ぷれぜんと?」

絵里「もう、忘れちゃったの?私は結構気にしてたのにな……」

穂乃果「ご、ごめんね。でもなんのことかな……」

絵里「忘れちゃダメじゃない、これのことよ」ちゅっ

穂乃果(ほほほ頬っぺたに!絵里ちゃんの唇が!?)

絵里「思い出してくれたかしら?次は唇にしてもいいわよね」

穂乃果「あ、あわわわ……///」

絵里「もう、真っ赤になって本当にかわいい子ね」ナデナデ

絵里「行くわよ、穂乃果……」

穂乃果「ま、待って!ストーップ!」ドキドキ

絵里「何かしら」ムッ

穂乃果「今日の絵里ちゃんちょっと変だよ!だって……前はあんなにキスすることをためらってたのに……」

絵里「ああ、あの時はごめんね。そのせいで穂乃果を傷つけてしまって……」

絵里「だから私は特訓したのよ、穂乃果をもう傷つけないように……
穂乃果をきちんとリードできるようになるためにね」

穂乃果「だから今日はいつもと違うんだ……」

絵里「ええ、穂乃果にもっと好かれるために、嫌われないためにね」

絵里「じゃあお望み通りのプレゼントあげるわね?目をつぶって頂戴」

穂乃果「……バカ」

絵里「えっ?」

穂乃果「絵里ちゃんはバカだよ!大馬鹿!」

絵里「な、何を急に……」

穂乃果「私は確かに絵里ちゃんにキスしてほしいとも思ったし
リードして欲しいとも思ってた!」

絵里「だ、だから私は……」

穂乃果「だけどこんな無理して強気に振舞ってまでしてほしいなんて思ってないよ!」

絵里「別に無理なんてしてないわよ……」

穂乃果「嘘だよっ!だって今日は一度も穂乃果の目を見て話してないもん!」

絵里「そんなこと……」

穂乃果「なら穂乃果の目をきちんと見つめてキスしてよ!」

絵里「いいわよそのくらい……私は変わったんだから……」ドキドキ

絵里「わ、私は……変わったんだ……」ブルブル

絵里「あっ……うっ……」

穂乃果「ほら……やっぱりできないじゃん」

絵里「あ……あぁ……」

穂乃果「無理しなくてもいいんだよ、大丈夫だから」

絵里「私は……穂乃果に嫌われたくなかったの……」

絵里「だから自分に自信をつけようと、自分を好きになろうとした……けど
……無理だった……」

穂乃果「そんなの当たり前だよ、自分を変えることなんてそう簡単にできるわけないもん」

絵里「でもそれだと穂乃果を満足させれないから……嫌われちゃうから……」

穂乃果「ごめんね、あの時は穂乃果が急ぎすぎたんだ」

穂乃果「嫌いになんてならないよ」ギュッ

絵里「穂乃果……」

穂乃果「だって私はね、そんなちょっとヘタレでとっても優しい絵里ちゃんことが大好きなんだもんっ」

絵里「穂乃果……ぐっす……穂乃果……穂乃果っ!」ポロポロ

穂乃果「ごめんね絵里ちゃん、これからは二人のペースでゆっくり進めていこうね」ギューッ

絵里「ええ、私頑張るから……、だからその時まで待ってて……」

穂乃果「うん、大丈夫。いつまでも待ってるからね」ナデナデ

穂乃果(ごめんね、でもはじめては絵里ちゃんからしてほしいんだ)

穂乃果(穂乃果だって女の子だもん、それくらいはいいよね……?)

~~~~~

絵里「ってことがあって穂乃果と仲直りできたのよ!」

にこ「あんたそれ何の解決にもなってなくない……?」

絵里「いいのよ!これからゆっくり二人で歩いていくんだから」

希「ま、まあエリチが幸せそうならええんやない?」

にこ「はぁ、せっかくアドバイスしてあげたのに……」

絵里「別に無駄だったわけじゃないわよ?あれがきっかけで仲直りできたんだしね」

希「でもナルシストなエリチか、見たかったなぁ」

にこ「確かにそれはあるわね」

絵里「ふんっ、見せるとしても穂乃果にだけよ!」

希「そういうセリフを穂乃果ちゃんの前でも自然に言ってあげれればなぁ」

絵里「む、無理よそんなの!は、恥ずかしいし……」

希「大喜びすると思うんやけどなぁ」

にこ「何にせよキスはまだまだ先みたいね、まあ頑張りなさいよ」

絵里「ええ、当然じゃない。目標は来年の穂乃果の誕生日にキスすることよ!」

希「……ほぼ一年後やん」

にこ「……こりゃ駄目かもね」

絵里(待っていてね、穂乃果!いつか絶対キスしてあげるから!)

おわり

穂乃果ちゃん誕生日おめでとう!・・・・・・まだセーフだよね!?
ありがとうございました

おっつー


またほのえり書いてくれ

遅いわ!

乙だけど全然セーフじゃねえから!

超乙、でも遅すぎるwww

絵里ちゃん誕生日は当日に投下してくれるんですよね(プレッシャー)

おつかれさまでした。
ナイスほのえり

おつおつ
ヘタレ絵里も乙女穂乃果もかわいい

セーフになる要素が欠片も見当たらなくてワロタ

穂乃果(穂乃果だって女の子だもん、それくらいはいいよね……?)

絵里ちゃんも女の子なんですがそれは大丈夫なんですかね…?

乙 のろけてんじゃねーぞ!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom