京太郎「石戸さん家の霞さんと幼馴染になった話」(157)



※京太郎くんは小学生
※霞さんも小学生
※大体8年前からのスタート
※設定改変多数のため、そういうのが嫌な人はお戻りください

期待

腹筋…じゃない?

期待


小学校1年から2年に上がる間の春とも冬とも言えない日

俺は鹿児島の霧島市というところに引っ越すことになった

半分くらいは両親の転勤のような理由

もう半分は……自然が豊かで気持ちいんじゃないか。と

なんとも大雑把な理由だった

「霧がないよー?」

「ふふっ、霧に包まれているってわけじゃないからね」

車の中から窓を見て感想を漏らした俺に

お母さんは笑いながらそう答えた

真っ白な吹雪の中みたいなのを想像していた俺にとっては

少し救われた気分で、少し残念な気分で

なんとも言えない気分で外を眺め続けていた


車が止まって直ぐにドアを開け放って外に飛び出す

長野のあの中も同じようなものだったけど

こっちにはそこにはない海の匂いを感じる

長野の自然vs鹿児島の自然

鹿児島が勝ったのはそういう理由である

「ちょっと遊んでくる!」

「い、いいけどあまり遠くに言っちゃダメよ!?」

「解ってるー!」

お母さんに手を振って走り出す

踏んだことのない土、見たことのない人たちと建物

……って

「海どこだよーッ!」

周りにあるのは木、木、木、木、木、木、木、木、木、木!

来る途中に見えた青は空にしかない


「……どこだよ」

長野と同じく森っていうか山の中じゃないか!

すぐ近くにあるって言ったのに

5分くらいで行けるって言ってたのに!

「……どうかしたのですか?」

「えっ?」

「?」

困っているところに声をかけてきたのは

俺も一度悪戯で着させられたことのある巫女服を着た女の子

黒くて長い髪

良く解らないけど……なんかすごく、何も言えなかった


思わずじっと見つめていた俺を見た女の子は

ん? と首をかしげて俺を見つめる

それがなんか凄く恥ずかしく感じて目を逸らす

「な、なんでもねぇよ!」

「それならいいのですが……」

強い言葉で言っちゃったにも関わらず

女の子は怒ったりしないでそう言って歩いていく

「ま、待てよ!」

「はい?」

なんでもないって言ったのに

俺はそのまま行かれるのはなんか嫌で呼び止めた


「あ、あのさ」

「はい」

「う……海って……どうやって行けばいいんだ?」

「海は……歩いていくのなら遠いと思いますけど」

俺のことを見た女の子は困ったようにそう答える

なのにお父さんの嘘つき! なんて思ったのは一瞬で

そっか。と、女の子を見ずに言う

「と、遠いのか」

「はい」

「じ、じゃぁいいや」


「あの……もうよろしいでしょうか? 私、用事があるので」

「用事?」

「はいっ、これから舞のお稽古などがあるんです」

舞の稽古ってへんな着物みたいなの着たり、変な扇子みたいなのを使うやつ……だっけ?

そう思う俺の頭の中ではお母さんの舞があって

その姿がこの女の子にすり替わって……

「け、見学とかしていいか?」

「見学……ですか? 聞いてみないと解らないですけど……多分、ダメだと思います」


「な、なら行くだけ良いだろ?」

「それは……はい」

「な、なら行こうぜ! 早く!」

変に必死だった

自分でも良く分かんないけど

もう少し話したいとか、一緒にいたいとか、舞を見てみたいとか

なんでか知らないけどそう思った俺は勝手に女の子の隣を歩く

「そういえば、ぼ……俺、須賀京太郎な。よろしく」

いつもみたいに”僕”なんていうのは嫌で強がりな口調のままに俺は挨拶をして

それを気にしない女の子は俺を見ながら答える

「私は石戸霞です。よろしくお願いします。須賀京太郎さん」

それが石戸さん家の霞さんとの出会いだった


出会いが終わったので一旦終わり



小学生の時って変に気になる女子には必ず強がる気がします

頑張れ、期待してる

意外!腹筋スレじゃないとは

書き方がまんま穢れた体に~の人だな
そうでなくても期待できそうだ


「……………………」

正直言って女の子のそれは下手だった

お母さんの舞で見慣れていて

あそこがダメだな、ここがダメだなっていうのが解っていたから

余計にそう思えたのかもしれないけど……下手だった

でも、俺は……僕は、凄いと思った

「……………っ」

「………………」

まだ全然涼しいのに汗をかき

何度も何度も同じことを繰り返して

たった数秒くらいの動きに凄く時間をかけていた

その必死さに、その努力に、その姿に

僕は……瞬きも忘れて見入っていた


ゆったりとした体の動きの連続

見ているだけでは全然疲れそうもないのに

霞ちゃんは走ったあとみたいな呼吸をしながら俺の方へと向かってくる

「私の未完成の舞なんて見ても面白くないでしょう?」

「そうだな。下手だし」

「あら……それは少し傷つくのだけど」

「自分で面白くないって言っただろ」

ちょっと残念そうな霞ちゃんの顔から目をそらしながら

ほら。って投げやりにタオルを渡す

「疲れてんだろ? 座れよ」

「……私の事、嫌いですか?」

受け取った霞ちゃんは少し離れて座ると

そんなことを聞いてきた


「な、何言ってんだよ」

「少し言葉が乱暴なのでもしかしたらと……」

「俺がどう話したって良いだろ別に」

「須賀京太郎さんがそういう方という認識で良いのですか?」

君だって変な話し方じゃないか

なのにそういう方でいいのかとか言われても困る

でもお母さんたちと話すみたいに話すのはなんか嫌だ

そんな迷いの先で目に入った女の子の顔

整った顔に光の当たる汗が変に合わさる

「っ!」

「?」

「か、勝手にしろよ!」

慌てて目をそらしながら怒鳴ってしまった


「っ、そんな怒鳴らないでください……」

「なん……」

また大声を出しそうになって

霞ちゃんがビクッとしたのを見て止める

怖かった……のかな? 怖がらせちゃってたのかな?

「……ごめん」

霞ちゃんは見ずに謝る

「べ、別に怒ったりしてるわけじゃないから……さ」

「………………」

「そんな怖がるなよ」

言いながらそっと様子を見ると

霞ちゃんはタオルで隠してた顔をちらっと見せる

「ふふっ、嘘泣きですよ」

「っ!」

……こんなやつ嫌いだって、思った


人が心配したのに

悪いことしちゃったかなって不安になったのに

「お前なんか嫌いだ」

「え?」

「僕は怖がらせたかなって……ちょっと悪かったって思ったんだぞ!」

わけもなく泣きそうだった

女の子と見つめ合って恥ずかしいとも思わなかった

ただ喚き散らしたくなっていた

そんな僕の頭に触れようとした霞ちゃんの手を弾く


「触るなよ嘘つき!」

「ご、ごめんなさい、冗談だったの」

霞ちゃんが悲しそうだなって解って

でも、そうなんだ。なんて言えなくて

僕はそこから逃げるように走った

「ま、待って!」

霞ちゃんがそう叫んだのが聞こえても

追ってくる足音が聞こえたらもっと頑張って走って逃げた

巫女で意地悪な女の子

それが僕……俺が石戸さん家の霞さんに最初に思った印象

もう会いたくないと思った俺は

それから神社――霧島神宮というところには近づかないようにして

学校までの4日間を適当に過ごした


別れまで来たので一旦終了


今は小学生設定なので俺と僕を併用中
しばらくしたら片方に統一されます

otu

ゴミ

乙です

なんやこれ

速報雑談から来てみたが
ヒロインは霞ちゃんなのか?
そうじゃないなら潰す、全力で潰す!
霞ちゃんこそ至高
本家の姫様なんざ神司にレイプされてろ
>>29
んなこと見て解るだろ
霞ちゃんと京太郎の馴れ初めだよ
SSでは基本「幼馴染みの霞さん」とか適当な部分から
丁寧に始めてくれてるんだよ
霞ちゃんマジ聖女!

>>30
きもちわりい奴だな

>>30
うわあ

>>30
はよ死ね

更新楽しみにしてるよー


「二年生からこっちの学校に転校になった須賀京太郎です」

そんな自己紹介をしたせいで

前はどこに住んでたのかって聞かれたり、それはどんなところだったのかとか

なんでこっちに引っ越してきたのか……なんて

沢山聞かれた俺が机に突っ伏していると

すぐ後ろの女の子に背中をつつかれた

「……?」

「食べる?」

「食べるって……」

差し出された袋に書いてるのはくろ……く……

「こくとう。これでこくとうって読む」

「黒糖……? 美味しいの?」

そんな俺の質問に女の子は「うん」と頷く

それならと一つもらった俺は準備してなかった舌を攻撃した甘さに思わず顔を顰めた


「な、なんだこれ! 甘っ!」

「甘いの嫌い?」

「嫌いじゃないけどこんなの……」

そのまま食べるようなものじゃないだろって思ったけど

目の前の子……自己紹介では確か滝見春って言ってたっけ

その滝見さんはそのまま食べているからそうなのかもしれない

「僕には合わないみたい」

「そう。残念……美味しいのに」

そう言った滝見さんは先生の気配がした途端机の中にそれを隠す

一見真面目っぽいのに悪い子なのかな……この人

「おーい。席に付けー。それじゃぁ――」

帰りの会は先生の短い挨拶と

明日からの連絡とかで簡単に終わって放課後

俺はあの人と出会ってしまった……

意地悪な巫女の霞ちゃんと

待ってた


「げっ」

「あっ……」

玄関のところでばったりと

帰るのは諦めて教室に戻ろうとしたところで

嘘つき巫女は俺の腕を「待って!」と大声を出しながら掴んだ

変に目立つから正直……うざいと思った

「なんだよ」

「この前のは本当に冗談だったの……ごめんなさい」

嘘つき巫女は俺に対してごめんなさいって言ったけど

お母さんがダメだって言う「見た目だけのごめんなさい」っていうのに見えて

俺はさらにムカついていた


「放せよ」

「っ……ごめんなさい」

嘘つき巫女はそれでもごめんなさいって言った

俺が怒ってるって解ったのか手を離して……また謝る

俺より少し背の高い嘘つき巫女は顔を隠してなかった

「……ごめんなさい」

「……………………」

嘘つき巫女は本当に泣きそうな顔をしてた

俺が悪者みたいに見える……

見えるんじゃなくて悪者なんじゃないか

そう思うと俺までなんだか泣きそうだった

そんな俺たちの間に瞬間移動してきたみたいな手は

見覚えのある袋を持っていた


「なに?」

首をかしげる巫女はその袋を見ながらそんな風に言う

だから俺は「わからないのかよ」って言ってから

「黒糖だよ。黒糖! 甘いんだ!」

って勝ち誇る

泣きそうだったのが無くなって、自然と笑えた俺に向かって

巫女はちょっと黙って笑う

黒糖を持ってる滝見さんも嬉しそうに笑って「流れが変わったね」と呟く

「……ありがとう」

「へへっ、俺は巫女より先に知ってたんだぜ」

「私が教えたのに偉そう」

滝見さんのそんな言葉でみんなが笑う

この前の話は勝手に消えてなくなった

でも、今なら言えるような気がして巫女の髪を引っ張る


「……俺もごめんな。巫女」

巫女は俺がそういうとは思ってなかったのか

驚いたまま見つめてきて、すぐに俺の髪を掴む

「いたっ」

「髪を引っ張られると痛いんです。解りました?」

「このっ!」

謝ったのに!

この前みたいにムカっとした……でも、全然嫌な感じはしなかった

むしろ遊んでいるみたいに楽しくて、巫女も笑っていた

「その巫女って呼ぶのを止めて頂けませんか?」

そんな遊びの最中に

巫女――霞ちゃんはそんなことを言い出す

「じゃぁそっちも名前全部とかその喋り方止めろよ」

だから俺はそう返した。今の話し方は他人みたいで嫌だったから


「私……あまり砕けた話し方は……」

「なら普通でいいよ」

「……それが今なんですが。そうですね。須賀さんとは出来る限り普通にします」

そう言った霞ちゃんは俺を見る

巫女以外の呼び方を期待してるんだって解った

でも、霞ちゃんなんて呼ぶのはまだ勇気がなかった

だからクラスメイトの滝見さんみたいに、石戸さんって呼ぶことにした

「じゃぁよろしく、石戸さん」

「ええ、こちらこそ」

そんな俺たちのことを見る滝見さんは黒糖を齧るだけで暇そうだったけど

これでようやく、石戸さん家の霞さんと仲直りができたと思う

「……須賀くん。上級生だよ」

「えっ?」

驚いて霞ちゃ……霞さ……石戸さんの名札を見ると

確かに二つ上の4年生だった


今日は以上


滝見さん登場と仲直り……あっさりしすぎているけれど
親密になるほど描写と解決までの長さは増えていくと思う

幼馴染が霞さんとか羨ましすぎる


これ春も幼馴染になってると思うけど

早く来て!!

はよ

ホントこの手のスレは投げるよなぁ


「そんな風には見えないけど」

「見えなくても4年生です。けど」

石戸さんは「ん~」って言いながら俺を見て

何を思ったのか変な顔をしながら続けた

「別に気にしなくて良いですよ。気にされると逆に不安になりますから」

「気にするつもりなんてないし」

「それはそれで困りますけど……」

「どっちだよ」

良いって言ったくせに

解らないなぁ……ほんと

「……もしかしてこの前から元気がなかったのはそういうこと?」

「え?」

「……悪いことをしてしまったのに謝ることもできませんでしたから。会おうと思っていろいろと歩いても会えませんでしたし」


「俺は石戸さんを後ろから見ることはたまにあったぞ」

「なら声をかけてくだされば」

「なんでだよ。嘘つき巫女になんで近づくんだ?」

「うっ……」

石戸さんが立ち止まって

ちょっとだけ俯いたのを見て不味いと思った

「お、おいっ四年生なんだろ!?」

「だからって嫌なこと言われたら悲しいと思う」

「っ……」

また嘘泣きかもしれない

でも、もしそれで何もなくて本当に泣いたらどうしよう


迷って悩んで考えているうちに

石戸さんの目が水の中みたいにゆらゆらと揺れ始めたのに気づいて

頭を掻きながら目を逸らす

見ながらなんて……言えるわけない

「避けてたのは悪かったよ……」

「……………………」

「あーもー泣くなよ! 悪かったって!」

「………………グスッ」

「てりゃっ」

「いたっ!」


今度こそ本当に泣きそうな石戸さんのおでこにびしっとデコピン

お母さんが俺によくやるやつで

やられると痛くて泣きそうだけど何するんだよ! って気持ちが出るから

いつの間にか泣けなくなってるんだよな

「痛い……」

「泣くなよ。俺が悪いことしたみたいじゃないか」

「してたと思う」

「滝見さんは黙っててよ……お願いだから」

それに応えるようにポリッと黒糖をかじった滝見さんは

「それなら先に帰る」

「あ、ちょっと!」

まっすぐ帰っていってしまった


「……こんな状況で置いていくなよ」

「……痛かった」

「泣くのが悪いんだ……年上のくせに」

そっけなく言いつつも

ちょっとだけ赤くなったオデコを抑える石戸さんが横に見えて

自分も悪いことをした気がした。いや、実際にしたんだと思う

巫女って言われるのも嫌がってたのに

嘘つき巫女って言われたらな……

「………………あのさ」

「……………………」

「その……」


上級生であるということを考えなくても

謝るときはやっぱりちゃんと謝るべきだと思った

だから……強がろうとする自分を押さえ込んで

お母さん達に言うようにごめんなさいと言う

「俺……いや、僕も悪かったと思う。嘘つきなんて、ごめん」

「ううん、私こそ……上級生なのにしっかりしてなくて……ごめんなさい」

二人で謝って微妙な空気

だから滝見さんには帰らないで欲しかったんだけどな

………………

……………………

………………………………。

「帰ろう……よ。石戸さん。また、舞が見たいから」


それが僕にとっての精一杯の言葉だった

恥ずかしくなってきそうなほど

微妙な空気のままでいるのも

このまま「先に帰るからな」って放っておくのもなんか嫌で

イヤイヤだらけの僕の頭で考えた気を引く言葉

「……今日は、お稽古はありません」

「……………………え」

「その、曜日が決まっているといいますか、毎週やるにはやるんです。でも他のお稽古もあるので」

「べ、別に絶対見たかったってわけじゃないし! 暇だから見てやろっかなーってだけだったし!」

また謝ってきそうな石戸さんの空気に耐えられなくて

僕はまた強がる自分を引っ張り出す


嘘だよ

本当は見たいと思ったよ

でも、稽古がないなら仕方がない

諦めて一歩先に歩こうとした僕の手を

石戸さんはつかみながら「でも」と呟く

「……自主的なお稽古は、しようかと思ってます」

「じしゅてき?」

「一人だと客観的な意見が貰えないので……出来たら」

よくわからない言葉が何個か出てきたけど

お稽古する

一人だと意見が貰えないから、見て欲しいってことかな?


「………………」

「嫌なら、別に……」

石戸さんの手が離れた瞬間、今度は僕からその手を握って

驚いた表情の石戸さんを一回だけ見る

何してんだろ。なんて考える時間もなくすぐに手を離す

「か、風が……冷たかったから」

「?」

「っ……別に、石戸さんがどうしてもって言うなら、見ても」

「……………………」

石戸さんはちょっとだけ黙って

それなら……って言いながら歩く

「どうしてもです。下手だって言われたの忘れてませんからね」


振り返りながら笑ったその姿を見た僕は

石戸さんに目の目で「須賀さん」と言われるまでの間の記憶がなくなっていた

「……どうかしました?」

「いや、別に」

「そうですか? では……帰りましょうか。遅くなってしまいましたし」

「石戸さんのせいなんだけどな……」

「お詫びにお菓子とお茶もご用意しますよ」

「甘すぎるのは止めてくれよ……」

適当な会話をしながら

さっきのはなんだったんだろうと頭を使う

でもどれだけ考えても解らなかった


色々と考え直しているので時間がかかりそうです
どこまでを描写するか……調整が難しい

乙です

乙、すばらです


「……っ、ふっ……」

見よう見まねで石戸さんの舞の動きを実演する

一つ一つの動きもそうだけど

集中すればするほど呼吸が上手く出来なくなって息苦しくなる

指先一つの動きを間違えただけで練習用に持ってる鈴が余計な音を立てちゃうし

そうならないようにって気を張るとどうしても呼吸を忘れちゃうんだよな……

「……結構大変なんだな」

お母さんがものすごく簡単そうにやってるし

ただ踊ってるだけだって思ってたけどそんなことはなかった

「今は動きやすい服だけど巫女服なんて着てたらもっと……」

なんであんなに疲れるのかが分かって

余計に石戸さんがすごいなと思えた


もともと座ってた場所に戻る

気持ちとか疲れとか難しさとかちゃんと分かるために

こっそりやってたなんて知られたくないし

「……とはいえ」

休憩すると言って早くも20分くらい経つけど戻ってこない

「何やってるんだろ」

変に出て行くと知らない家のくせに広いから迷いそうだし

僕は石戸さんの帰りを待つしかないのにな……っていうか動いたせいで汗が気持ち悪いな

いつもなら適当に脱いでほっぽり出してたけど

人様の家でそれは厳禁だとお父さん達から言われてるし……


「借りていいかな」

石戸さんがいなくなる前に使ってたタオル

あれだけ汗をかいていてる人が使っていたから変な臭いがするかと思えばそんなことはなく

むしろふわっと甘い匂いがした

「けど湿ってる……当然だけど」

しかも汗が冷えてちょっと冷たく感じる

今の汗かいた状態でいるか

それとも我慢してこのタオルを使うか

どっちかしかないのか……ないんだよな

「……練習したのバレたくないし」

意地が勝ってひんやりとした感覚に変な顔しながらも

なんとか汗を吹く

それが終わってタオルを戻したのと同時に石戸さんが戻ってきた


「遅い」

「ごめんなさい、色々と用意してて」

「なんの?」

「お菓子とかですよ。お部屋に行きましょう。ここでは原則禁止なんです」

石戸さんのあとに続いて移動したのは大きな和室

途中の部屋も結構広かったし、神社の中で一番偉い人の家なのかな

「……初めから案内してくれてもよかったんじゃ」

「それじゃダメだったんです。色々と」

良く分からないこだわりがあるらしい

特に気にすることなく座布団の上に座りながら

机に置かれたお皿の上のクッキーを手に取る


ほんのりと感じる暖かさでこれが出来立てだと知って

これのためだったのか。なんて思いつつ食べようとしたけど

目の前から感じる視線が気になって手が止まる

「なんだよ」

「えっと……その、今日はどうでしたか?」

今日の舞のことなんだとすぐに気づいて

舞うことができるだけ凄いと言おうとして止めて

「あんま変わってない」

そんな意地悪なことを言う。

正直言って僕が最後に見た舞とはあまり変わりがなかったんだから仕方がない

たった四日ですごい上手くなってるなんて思ったのが間違いかもしれないけど


「な、泣き真似とかしないでくれよ?」

先を潰すためにそういうと

石戸さんは少し考えてから招き猫みたいなポーズで僕を見る

「……にゃ~」

「似てないし」

ちょっと可愛いと思って目を逸らす

上級生のくせして同級生みたいな女の子だよなぁ。ほんと

いや、全然落ち着いててたしかに上級生だって感じることもあるけどさ

「……あのさ」

「なにか?」

「もう少し上級生らしくしろよな」

泣き真似したり本当に泣きそうになったり

猫の真似したりするとか

「正直子供っぽいんだよ」


わりと本気で言ったんだけど

石戸さんはクスクスと僕の知ってる子供というものよりは

お母さん達のような笑い声を漏らして僕を見る

「私も須賀さんも子供ですよ?」

「それはわかってるけど!」

「?」

「けどさ……なんか僕と同年代に見えるんだよ」

それの何が悪いんだろう

何も悪くないよな。別に

きょとんとした表情の石戸さんを横に見ながら

同年代だったら同じクラスにでもなれてたかもしれないのに

なんて意味不明な考えが浮かんで頭を振ってクッキーを一口

そのじんわりと染み渡るような甘さに思わず目を見開いた


「……美味しい」

「本当ですか!」

「ほ、本当だけど……なんだよ。自分が嫌いなやつとか言うなよ?」

あまりの勢いにビクッとしつつも聞くと

石戸さんは別にそういうわけじゃないですけど。と大人しくなる

「わざわざ作ってくれるなんて優しいな」

「そ――」

「石戸さんのお母さん」

なんの悪気もなくむしろ普通のことを言った瞬間

石戸さんはションボリとしてあたりまえです。と不満そうに言った


それから暫く今までいた長野での話や

鹿児島のことについて石戸さんと話し、いつの間にか5時を過ぎていた

「そろそろ帰るよ」

「あ、もうこんな時間だったんですね」

もうすぐ6時になるし

お母さんからうるさく言われるのも嫌だし

舞をきゃ、きゃっかんてき? に見るってだけの話だったし

「あら、お帰り?」

「はい、お母様」

本来の稽古ではなく

自主的なものだったために場所は石戸さんの家から伸びた道場みたいなやつで

当然のように石戸さんのお母さんと出会う

そうじゃなくても会うつもりだったんだけど

「おばさん、クッキー美味しかったです」


「あら、それは……」

「?」

「………………」

お母さんは石戸さんのことを一瞥すると

困ったようにため息をついて微笑む

「喜んでもらえて嬉しいわ。一人で大丈夫? 送っていくわよ?」

「大丈夫です。ここからそんなに遠くはないですし」

実際、石戸さんの家と僕の家はそんなに距離はなく

100m走の距離よりも短いような気がする

「それじゃぁ、今日はありがとうございました」

「……私は、少しばかりありがたくはありませんでしたけど」


「なんで?」

「それはいつか、また。後悔させてあげますっ」

沈んだような声から意気込んで僕に言う

僕が後悔すると言うんだから

気にはなるものの

僕には何が悪かったのかなんて分かりっこない

なんでって聞いてのこれなわけで

僕がもう一度聞いたとしても

きっと。石戸さんは答えてはくれないんだろうなぁ

「わかったよ。僕は後悔しない」

「……してもらいますっ」


ムッとした石戸さんは舞の時とはかけ離れているし

普段の仕草からも少しだけ離れていたけれど

でも

「なら、させてくれよな」

不似合いだとは思わなかった

漫画みたいに格好よく片手を振りながら歩き出す

少しだけ、僕は期待していたのかもしれない

これからの鹿児島での生活というものが

石戸さんとの交流で楽しいものになってくれることを

でも多分――

「そうだ貴女達。明日から一緒に登校したら? どうせ近いんだし」

――期待する必要はないんだろうなぁ。と、思った

ここまでです
こんな感じでやりつつ余計な部分は排除して行きたいと思います

乙です


微笑ましい2人だね

保守

保守

保守

保守

保守


石戸さんと出会って……というか

僕がこっちに引っ越してきてから早くも一ヶ月

分からないことだらけだった霧島という土地のことも

ちょっとは分かる事ができた

一ヶ月でちょっとかよ。なんて思いもするけど

「今日も一緒だったね」

「ん……まぁ、もう習慣みたいなものだし」

席に着くなり後ろの席の滝見さんが声をかけてきた

「待っててくれてるの?」

「学校行く途中に必ず正面通るんだけど……その時には必ずいるんだよ」

僕を見るまでは俯いてて

少し寒そうに手をこすり合わせたりしてるんだけど

声をかけたとたん一転して元気になるんだよな

「あの笑顔を見ると恥ずかしいとかどうとかで断れない」

「……そうなんだ」

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どことなく興味なさそうに滝見さんは呟く

自分から話を振っておいてそれはないだろうに

「もしかして石戸さんとはあまり仲良くない?」

「そんなことはないけど、そういう話をされてもどんな顔したら良いか分からないし」

「そんな話って……僕と石戸さんのだろ? 滝見さんが聞いてきたんじゃないか」

「あの笑顔を見ると恥ずかしいとかどうとかで断れない。そう言われた私はあっそう。とか、へぇーとかしか無理」

変化のない単調な声で言う滝見さんは

ポリッと黒糖をかじると

僕からさっと目を逸らしてしまう

「他にも言えることはあるとは思う。でも、それを言うべきなのかどうか」

「例えば?」


そこまで言われて流す

なんてことは僕にはできなくて

面倒くさそうな顔をする滝見さんに聞いてしまった

「……霞さんのこと、好きなの? とか」

「別に嫌いじゃないかな……色々と面倒くさいところもあるけどいい人だし」

特に考えることもなく

現時点での石戸さんの感想を言っただけなのに

滝見さんはちょっとつまらなそうに顔を顰める

結構しゃべるんだけど

滝見さんは石戸さんよりも良く解らない

あまり笑ったりもしないし

せいとかいちょーとかいうのがよく似合いそうな感じだ


「って、思ったんだけどどうかな」

「どうか。と聞かれても」

昼休み

石戸さんと並びながら聞いてみる

「滝見さんって真面目だろ? だから合うんじゃないのかって」

「真面目ではあるけれど……どうかしら。他人に指示するような性格ではないと思う」

「そうかなぁ……いや、そっかなぁ」

きっとそうですよ。なんて楽しげに笑う石戸さん

僕よりも滝見さんに詳しそうだし

石戸さんがそういうのならそうなのかもしれない


「ところでさ」

「はい?」

「今日はないのか? 舞の稽古」

「いつも通りありますよ? 完全習得するためには普通ですから」

「そっか」

僕自身が思っているよりも

それが残念そうなものに聞こえたのか

石戸さんは困ったように首を傾げる

「夜までっていうことでもないですし……少しなら時間は」

「いや、良いよ。舞の稽古のあと付き合わせるのはなんか悪いしさ」

それに長野でもそうだったけど

まだ春になったばかりの空は夕方でも意外と暗いし

そんな時間に出かけるのは許可してくれないだろうし

「そんな顔すんなよ。別に困ってるわけでもないんだから」


石戸さんは真面目というよりかは

過保護……というか

母さんみたいな存在というか

ん~……言葉にしにくい変なやつなんだよな

悪い意味じゃなくてさ

「……ごめんなさい、力になれなくて」

「暇だったら遊ぼっかなー程度だったし、今日は他の奴と遊ぶよ」

笑いながら石戸さんにそう言って

お弁当の最後の一口を口の中へと放り込む

大好物は最後まで残す

それが僕の食べ方ではあるけど

今回ばかりは最初に食べておけばよかったかなーなんて

ちょっとだけ後悔した

放置気味になってすみません
出来る限り素早く長くできるよう努力します


そういえば春とも幼馴染になるのか

乙です

保守

保守

保守

ほしゅ

まだか…


その日の放課後、僕は一人で家に帰った

石戸さんに言った手前、誰かと帰ろうかな、遊ぼうかなとも思ったけど

あんまりそういう気分に離れなかった

暇なら石戸さんの舞の稽古に付き合えばいい

なんてそう簡単に言えるものでもない

別に石戸さん家のお父さんとか、お母さんが嫌な人なわけじゃない

むしろ優しくていい人だと思う

でも、遠慮という言葉を知った

頑張ってる石戸さんの邪魔に、僕はなっているんじゃないか。と

この一ヶ月の中で思わずにはいられなかった

いつも早く起きさせちゃってるんじゃないか。とか

舞の稽古を見学している時、集中できなくさせちゃってるんじゃないか。とか


「……はぁ」

「お悩みですか?」

「わぁっ!?」

すぐ真横からの声に思わずジャンプする

ドキドキする胸を押さえながら、声のした方向を見ると

石戸さんに少し似てるけれど、どこか違う女の子がいた

「ごめんなさい、おどろかせてしまいましたね」

「べ、別に驚いてなんか……」

そっと名札を確認

名前はじんだいこまきと書かれている。漢字だと、神の代わりの小さな……まきとかいうやつらしい

石戸さんの名前はかけらもないけど

言葉にし難いけど、石戸さんみたいに思えた


「なぁ、じんだい……さん。で、良いよな?」

「え? ぁ、はい」

「石戸さんって知ってるか? 石戸霞」

「はいっ、もちろんです」

じんだいさんは笑顔で答える

結構深い知り合いらしい

でも、舞の稽古の時は見たことないんだよなぁ……

なんだっけ、神社の

そう、あれ。だんか? の人かな

「やっぱり? ちょっと似てたから」

「似てますか?」

「見た目が、ちょっとな。でも、雰囲気はあんたの方が落ち着いてる……かも」


「そうでしょうか?」

「そーだよ。あの人、良くからかったりしてくるんだ。俺の事」

「……わたしはあまり、からかわれたりしませんけど」

からかわれる方が嫌なはずなのに

なぜかじんだいさんはしょんぼりとする

良く判らない人だ

というか、他人である僕に普通に声をかけてくるあたり

色々とダメな人なんじゃないかなと。思った

でも、思えば

石戸さんも僕に声をかけてきたんだっけ

でも、あの時は僕は迷って……は、ないけど

困ってたわけだし、あれは親切。

これは、なんだろう?


「からかわれたいの?」

「そういうわけじゃないですよ。でも、いつもと違う霞ちゃんを見てみたいとは思いませんか?」

「いつもと違う、ね」

「見たくないですか?」

「んなこと言われたって……」

いつも違う石戸さんと言えば

僕をからかったりすることのない真面目な感じ?

僕に優しいの反対だから、意地悪な感じ?

いつもニコニコしてる反対だから、いつも怒ってる感じ?

それか、笑ったりしない無表情な感じ?


「……真面目な感じなのは見たいかな」

でも、それは舞の稽古の時に見てる

稽古している時の石戸さんは

本気で、真面目で

だから僕は

「……邪魔になっちゃうんじゃないかって、心配なんだ」

「はい?」

「ううん、なんでもない」

じんだいさんに対してはちょっと無理して笑う

「じゃぁ、僕は行くよ」

「は、はい」


はいって言って頷いたのに

じんだいさんはハッとして

ちょっと待ってくださいと僕の袖をつかんだ

「あの、お名前教えて頂けませんか?」

「ん? あ、そうだった。京太郎。須賀、京太郎」

自分の名札をとって、じんだいさんに見せる

「ありがとうございます、須賀さん」

「いや、こっちだけ勝手に名札見たわけだし……じゃぁ」

今度こそと手を振った僕にじんだいさんは笑顔で手を振って

途中で首を傾けながら唇に指を当てる

何か思い出そうとしたみたいだったけど

それを思い出すまではいけなかったらしく

それ以上はじんだいさんと話すことはなかった


このときはまだ、僕は知らなかった

じんだいさんは石戸さん家のだんかっていうやつなんかじゃなくて

石戸さんよりもずっと偉くて

どちらかと言えば、僕寄りの巫女さんだってことに

石戸さん家の霞さんと1ヶ月前に出逢って

神代さん家の小蒔さんと、その1ヶ月後に出逢った

小学生の僕

小学生の2人

それぞれの学年はバラバラ

石戸さんは3年生で、神代さんは2年生で、僕は1年生


このとき、僕はまだ知らなかった

僕が、石戸さんの事を本当はどう思っているのか、なんて

石戸さんが僕のことをどう思っているのか、なんて

神代さんと言う小さな存在が

僕と、石戸さんに取ってはとっても大きい存在になる。なんて

そう。僕は、僕たちは。

まだ何も知らなかった。解っていなかった

僕たちが出会ったとき

僕たちはまだ子供で、まだ、小学生だったんだ

保守ばかりさせてしまって申し訳ないです
最悪、最初から全部書き溜めて終わりまで一気に出せるようにするかもしれません
その時は一報を入れます


自分のペースでかまわないと思う


定期的に投下してくれるなら大丈夫

乙です

乙です

おー
完結させてくれさえすれば大満足なのよー
おつでしたー

来てた!乙

>>121

語り口がファフナーみたいで不安にな.る

保守

ほす

ほしゅ

保守

やらないか

保守

>>145
http://imgur.com/InPEI3B.jpg

>>149
京太郎のスレまとめてあげてるけどもう乗っとって書いたら?

保守

だいぶ時間が経ってしまってますが
再開は難しそうなので終わりまで書き溜めてから出すことになるかと思います
なので、このスレはこのまま落としていただけると助かります

長らく連絡なく失礼しました

>>155
ありゃ、また書いていただけるならそれにまさる喜びはない
スレが立つの、待ってます

 ''"^~               _,,.. -─''"^~ ̄     , ィ'1
    _,,. -‐- .,,_-─''"^~ ̄             ∧___/ イ. l! -‐- 、
.ェァ'"  r‐、   `ヽ      , -‐-  _,, -= 7∧∨ 仏 l!   `ヽ、
竏 ┃ .l! しァ U  ノ  _,,∠ -─- <._   /ムy' タ キ_ヒ.`=-ラ \
戟_ `ー'   ' _,,. イ   i' ィェ7r '´ ̄  ィ//夕,.イ  i´  r'个ぐヽ、ェ舛
ヤ循圍 ̄\l、    _,,l 厂 l! l!    ィタ/イ / _,,..、-┤ │   \、ヾミ
 徽黯   `ヽ , '" フl /  l!弋__,,ダシ´ ,ィァ'" _ヽl! └zュ. ̄|_   ヽ ィ
 鮫閙     | ィ介キ   l!、_ _ィ" ,ィ袴'代‘ー’il!  厂L_ ̄7.  , '/キ
_ィ徳閃     | リ 孔、,,_   `´ ,ィ律紗 ヽミ=-ダ‐' ィ'" ̄l! `゙Y´∧鋏

漁紗rl!   r '´| l!    ̄ ̄`ヽ、.,ィ循弾  _,,.   _ ,,ィ殄=ャ、戈ェェ久ヽl、ミ
榊サ「l!  _ | 乢、_,,. -‐-、   凌剽  偽ミヽ ン'´貮. こ) ゙粥タ   .>-
瞑リ  l!'´ ``‐ 7´     朴、三ニ外  \  ヾ   弑、__,,殄イ ./,ィ-─
闇i   l!  /  i{      汁ミ狎凡礼.   `、_ノ, ィ  ゙紗イ  /,ィ仏 ∨
圃l  l!、/   八       厶抄タ 込汽、_,,ィ盒多彳イ'  .//,ィニニ \
閨l  l!∥     外、   クムⅥ ./ />三三三≡イ'  / イ 彼魚リ ̄
閇l  l! ||    シ ヌ ノムクムⅣ ̄衫イニ=-ハ   ∨ イ  ハ区夕ハ
.閃  l! ll!   リ 仏Vクムク卜ダ´  ィ好珱彷ハ  キ 机秒イ ヒ__ィリ゙,

l嫻  l! ゙l!    l! 弘シクムイ´    侃沙イ罘匀} 厶____4 l  ノ.ノ
t帰  l! l!   l! 掬オ´       徘タ   , イリ    ̄ ̄フノノ_,, イ'´
 キ.  l! ll!、.  ! ァ´    , ィ==二アイ __,, チ千礼_,, -<千ヾ,ソリ
  キ   l! 以   レ殀亥蓄夕彳´ ̄ ̄            ___`_∨タノ

.  キi  l! 武.   キ漁鹿鮫く              , 抗琲ラ杁`゙、

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