吸血鬼「理解したならとっとお前らのボスをここに呼べ!我が輩は気が短いぞ!!」
天狗「あ~…ハイハイ、分かりました分かりました……確かヴァンパイアさん…でしたっけ?」
吸血鬼「ほう……我が輩の名は東洋にまで届いているのか…まあ当然だがな!」
天狗「はいはい…で、確かに貴方、知名度はズバ抜けて高いですけど……正直大したことありませんよね?」
吸血鬼「…貴様喧嘩を売っているのか?今すぐ許しを乞えば命までは……」
天狗「あー、それでそちらの気が済むなら何発でも殴ってもらって構いませんよ」
吸血鬼「…」ブチィ
吸血鬼「ウラァッ!!」ドゴォッ
天狗「はいはい、神通力神通力」グワァ
吸血鬼「グハァ!!か…体がう、動か……」ギチギチ
天狗「それじゃあ今のうちに武器になる物を没収させてもらいますねー」ガシッ
吸血鬼「な…何を……」
天狗「よいしょ」ブチッ
吸血鬼「爪がァァァアア!!!」
天狗「はーいそのまま口開けてて下さいねー」グッ
吸血鬼「ふぁ…ひゃめ……」
天狗「どっこいしょ」グショッ
吸血鬼「~~~~~!!!???」ジタバタ
天狗「さすがに鋭い牙ですねー……あれ?爪がもう生えてきたか」
吸血鬼「いふぁい…いふぁいよ……はひぃけて…」
天狗「あーそういえば再生能力持ってたっけな……仕様がないまた抜くか」
吸血鬼「謝ります!謝りますからぁ…も、もう勘弁して下さい!!」
天狗「……で、船に密航してきたと?」
吸血鬼「はい……」
天狗「駄目だよー、勝手に余所の国に来ちゃあ」
吸血鬼「ごめんなさい……」
天狗「もし気性の荒い妖怪にあんなことしてたら殺されちゃってたかも知れないんだよ?」
吸血鬼「反省してます……」
天狗「で、親御さんに連絡をとる手段は?」
吸血鬼「ありません…すみません……」
天狗「はぁ~困ったなぁ」
天狗「そもそも何で日本に?」
吸血鬼「いや…あの…私の一族の伝統で成人の儀で他のモンスターの心臓を族長に捧げるっていうのがあるんですけど……」
吸血鬼「昔から他の仲間と比べると能力の高かった私はちょっと自惚れてしまっていまして……どうせなら他の国もモンスターの心臓をとってきてやろうと…」
天狗「あ~、まあ僕も君ぐらいの年頃のときにはヤンチャしたからね、分からなくはないけど……」
吸血鬼「私、完全に井の中の蛙でした……後悔と恥ずかしさで顔から火が出そうです…」
天狗「一人称が我が輩から私に変わったのはなんで?」
吸血鬼「威圧感を出そうと思って、普段は私なんですけど……それって必要な質問ですか?」
天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!
天狗「君はこれからどうするつもりなの?」
吸血鬼「どうするって……また密航して国に帰ってゴブリンの心臓でも抉り取るつもりですけど…」
天狗「まあ帰る手段があるならいいけど……他にやるべきことがあるよね?」
吸血鬼「?」
天狗「君はさっき明確な殺意を持って僕に殴りかかったわけだが……それは謝ったぐらいで許されるものなのかな?」
吸血鬼「いやでも未遂ですし…返り討ちにあってますし……」
天狗「許されることじゃないよね?謝っても許されないってことは行動で償わなければならないわけだ」
吸血鬼「いや私無一文なんですけど……」
天狗「体で払え」ニコッ
『タダ今武者修行中、ソコソコナ強者求ム』
吸血鬼「……何なんですか?この看板?」
天狗「書いてある通りだよ、どうせ今まで生まれつきの能力に胡座をかいてろくに修行なんてしてこなかったんだろ?」
吸血鬼「…まあそうですけど……」(てっきりエッチなことさせられるかと思った…)
天狗「良い暇潰しになりそうだ、ハードルは下げといてやったから励めよ若者」
吸血鬼「そこそこ強いって自分で思ってる人なんているんですかね?」
赤鬼「おう!面白そうなことやってるじゃないか!」
天狗「あっ、鬼だ」
吸血鬼「へぇ~これが東洋の鬼ですか、見るからに野蛮ですね」
赤鬼「ガハハハッ!言ってくれるね嬢ちゃん!でもこんな野蛮なオジサンでも結構強いんだぜ?」
吸血鬼「強いんですか?」
天狗「純粋な力だけならかなり上位に入るね、その分特殊な能力とかはないけどね、多分」
吸血鬼「変な能力持ちよりは安心して戦えそうですね」
赤鬼「よし!そうと決まったら早速やろうじゃないか!!」
隈取りがある雷を出す妖怪とか出るんすかね?
何かエロいことができて、しかも強い妖怪っていたっけ?
尻から血を吸う『けうけげん』とか
河童は相撲が強くてしりこだまを抜くぜ
垢舐めさんに恥垢舐めてもらおうぜ!…え、違う?しかも弱い?
吸血鬼「ウリャァ!」ブンッ
赤鬼「ふんっ!なんだいその拳は?」ガシッ メキメキメキ
吸血鬼「ギャー!!砕ける!砕ける!拳砕けちゃう!」
天狗「真正面から馬鹿正直に攻めるから……」
赤鬼「おい天狗!この嬢ちゃん本当にあの名高い西洋の吸血鬼かよ?」メキメキ
天狗「まあまだ成人もしてない子供だからねー、手加減してやりなよ?」
赤鬼「手加減かぁ…苦手なんだよなぁ……あっ」メキメキィ… グシャァ
吸血鬼「」ブクブクッ
赤鬼「ヤベェ!掌潰しちまった!」
天狗「ああ、すぐ再生するから大丈夫だよー」
吸血鬼「…ウッ…うぅ……」ムクリッ
天狗「おはよう」
吸血鬼「……鬼は?」
天狗「君が気絶してる間に帰ってったよ」
吸血鬼「そうですか……ここは?」
天狗「僕の家、って言っても人間が造った山小屋に勝手に住んでるだけだけどね」
吸血鬼「はぁ~…結局鬼にも勝てなかったかぁ…」
天狗「あの鬼はベテランの鬼だからね、仕方ないよ」
吸血鬼「正直言ってもう国に帰りたいんですけど」
天狗「それは駄目だ、せめて僕に勝てるくらい強くなってもらわないと」
吸血鬼「一生国に帰れない気がしてきた」
天狗「今思うといきなり鬼はレベルが高すぎたね」
吸血鬼「弱者求ム」
天狗「というわけで後輩の木の葉天狗を連れてきたよ」
木の葉「その言い方じゃまるで俺が弱いみたいじゃないッスか、失礼な」
吸血鬼「強いんですか?」
天狗「いんや、神通力も使えないただの雑魚だよ」
木の葉「うわー傷つくッスわー」
吸血鬼「あのチート能力がないなら勝てる気がする」
木の葉「ほらぁ、先輩のせいで年下の女の子になめられちゃったじゃないですかー」
天狗「だったら実力で見返してやりなよ」
・
・
・
木の葉「グハァ!」ズタンッ
吸血鬼「本当に弱かったですね」
天狗「僕もここまで弱いと思わなかったよ」
木の葉「違う…違うんだ…木の葉天狗は元々集団で行動したときに本当の力を発揮する妖怪なんだ……」ブツブツ
吸血鬼「何か言ってますけど?」
天狗「噛ませ犬なんて放っておいて飯食いに行こうよ」
吸血鬼「そう言えばお腹が空いてきたような……」
木の葉「ぶつぶつ……」
吸血鬼をなめるなよっ!
ヘルシングさん、ハートアンダーブレードさんやっちゃってください
この吸血鬼はニンニクが致命傷になるかもしれない未熟者だから仕方ないね
>>19吸血鬼はヘルシングじゃなくてアーカードだろ
山の居酒屋
天狗「と、言うわけで結論から言うといくら修行しても種族の壁は超え難いと思うんだよねー」
吸血鬼「サラッと今まで言ってきたこと全否定しましたね」
天狗「まあ所詮暇潰しだったからねー本気で修行するなら何十年ってかかるものだしー」
吸血鬼「暇潰しのために私の手は潰されたんですか……」
天狗「レバーあげるから許してね」
吸血鬼「うめぇ」
天狗「とにかく今夜は飲もうよ、僕が奢るからさ」
吸血鬼「お金大丈夫なんですか?というか持ってるんですか?」
天狗「一応働いてるからねー、さあ朝まで飲もうじゃないか」
吸血鬼「朝まで飲むと私帰れなくなるんですけど……」
カァー カァー カァー カァー
吸血鬼「……もう夕方か…頭痛い…」ムクリッ
吸血鬼「…ここは天狗さんの家か……昨日の記憶が全然ないなぁ…」ボォー チラッ
天狗「…zzz」ゴロッ
吸血鬼「ふぁ~…天狗さんも寝てるし私ももう一眠り……」
吸血鬼「……」
吸血鬼(……あれ?天狗さんなんで裸だったなのかな?泳ぎにでも行ったの?アハハハハ…)
吸血鬼(アハハハ…よく見ると私も裸だ、一緒に泳いだのかな?アハハハハハハ……)
吸血鬼(……)
吸血鬼「嫌あぁぁぁあ!!」ジタバタ
天狗「うをっ!?」
・
・
・
吸血鬼「しくしく……」
天狗「いやぁ、二人して悪酔いしちゃうとはねぇ……」
吸血鬼「もうお嫁に行けない……」
天狗「だったら僕が貰うよ…ってこのセリフを真面目に使う日が来るとは……」
吸血鬼「……赤ちゃんできちゃてたらどうしましょう!?」
天狗「いや…でき…るのかな……?僕もよく分からないけど…」
吸血鬼「できちゃってますよぉ!あんなにいっぱい…」
天狗「わっー!わぁっーーー!!恥ずかしいからやめて!というか覚えてるの!?」
吸血鬼「だ、断片的には…」
吸血鬼「……」もじもじ
天狗「……」
吸血鬼「と、ととりあえずしばらくお世話にならさせていただいても構いませんですよね?」
天狗「……こちらからも是非お世話させて頂きます」
吸血鬼「わ、わ、わた…私、家事が得意なんです、だから…その……」
天狗「……これからは家事をお願いしてもらっていいですか?」
吸血鬼「は、はひぃ!頑張ります!」
急に最高のシチュエーションになった
続きマダー?
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