雪女「化け猫拾ったー」化け猫「ニャーン!!」 (58)

第1話
天使の施し

雪女(ある寒い日の出来事)

雪女(私が散歩をしているとき、偶然にもソレはふてぶてしくそこに君臨していたのだ)

化け猫「ニャーン!!」

雪女「……なにか?」

化け猫「ニャーン!!」

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※妖怪話短編集、他のと比べて非常に非常に非常に緩いです

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雪女(何かをこちらに伝えたいのだろうか、仲間になりたそうな目でこちらを見ている)

化け猫「……」カキカキ

雪女(すると突然、油性マジックとスケッチブックを取り出し何かを書き始めた)

化け猫「ニャーン!!」パッ

雪女「……食べ物を恵んでください……?」

化け猫「ニャーン!!」

雪女(乞食だった)

――――――
―――


雪女「っつーワケで連れて来た」

化け猫「ニャーン!!」

吸血鬼「どういうワケですか」

座敷童「……」ズズー

雪女「いーじゃん、ウチで動物飼っちゃいけないなんて決まり無いんだしー」

吸血鬼「ダメですよー、そんな馬鹿デカイ猫邪魔なだけです」

雪女「私の部屋に押し込めておくから!」

化け猫「ニャーン!!」

吸血鬼「じゃあ今晩のご飯の焼き魚、あなたの分もこの子に全部上げちゃいますよ?」

雪女「あ、捨ててくる」

化け猫「ニャッ!?」

第2話
今明かされる衝撃の真実ゥ!

雪女(ここは私の義理の兄が営む妖怪達が住むアパート)

雪女(妖怪達が生きるに困らない環境を提供してくれているナイスな場所だ)

雪女「ごめんなー、私もご飯を天秤にかけられたら抗えないのぜー」ナデナデ

化け猫「ゴロゴロニャーン」

雪女「あ、にーちゃんに直接掛け合ってみればいい話じゃん」

吸血鬼「先輩なら大学のお友達と飲み会ですから今日は遅いですよ」

雪女「えー」

吸血鬼「その間に住人が増えたとか言われたら先輩困っちゃいますし」

雪女「ねーちゃんも住人管理してるしいいでしょ?」

雪女(座敷童の麗華ねーちゃん。滅多に喋らない中々の曲者)

雪女(この妖怪アパートの管理人代理でもある)

座敷童「……」キョヒ

雪女「なんで!!こんなにも愛らしいのに!!」

化け猫「ニャーン!!」

座敷童「……」チョイチョイ

雪女「え?この子化け猫?知ってるの?」

座敷童「……」コクン

化け猫「ニャーン!!」ギクッ

吸血鬼「どういった知り合いなんですか?」

座敷童「……知り合いというより」

雪女(キエァァァァァァァァァ)

吸血鬼(シャベッタアァァァァァァァァ)

座敷童「化け猫ヒトシ(33)♂、他の地域から流れ着いてきた猫が妖怪化したもの」

座敷童「3年前の暮れに奥さんの友人に手を出し家から追い出され離婚騒動。翌年離婚」

座敷童「慰謝料を請求されるも、定職に付いておらず貯金もなく払えるはずもなく」

座敷童「挙句本人はこっそり家からくすねたお金でパチンコや競馬などのギャンブルで遊びほうけ」

座敷童「それどころか多額の借金まで抱え込んでいた始末」

座敷童「どうにかお金を稼ごうと、自分の名前を商標登録して似ていると言う暴論で猫ひ○しにあらぬ裁判を吹っかけるも」

座敷童「そんなもの勝てるわけもなく借金は増え、路頭に迷い他のメス猫を見つけては手を出すを繰り返す悪名高い猫」

座敷童「そんな彼の最盛期に残した名言は『浮気は文化』」

化け猫「もうやめて」

雪女「あ、喋れたんだ」

第3話
苦渋の選択

吸血鬼「女の敵じゃないですか」

雪女「それに加えてクズときた」

化け猫「申し訳ありません、二度と妙なマネはいたしません、真面目に働きます、ですからここに置いてください」ドゲザ

座敷童「……」プイッ

吸血鬼「他のメス猫さんに手を出している以上信用出来ないですね」

雪女「元あった場所に帰してくるよ、こういう奴は凍死でもなんでもすればいいんだ」

化け猫「寒いんです!お腹も空いたんです!お金は無いけど家の手伝いもします!何でもしますから!!」

吸血鬼「ん?」

雪女「今なんでもするって言ったよね?」

化け猫「あッ、それはちょっと……」

座敷童「……」コソコソ

吸血鬼「え?なになに……」

吸血鬼「あ、化け猫さん、条件付きで家に住んでもいいって言ってますよ」

化け猫「本当ですか!?ありがとうございます姉御!!」

化け猫「……で、その条件てのは」

化け猫「あ、家事ですか?割と何でもできますよ!」

雪女「それは当番制だから必要ないよ」

吸血鬼「粉雪ちゃん、ちょっと準備するんで手伝ってください」

雪女「準備?なにすんのー」

座敷童「……」イソイソ

首輪

化け猫「……」

吸血鬼「あ、可愛い可愛い!」

雪女「えっと、ここの柱に繋いで……っと」

化け猫「あの……ここ外なんですけど」

座敷童「……」ドヤァ

雪女「貴様に人権は無い、今さら真っ当に生きられると思うな。だってさ」

吸血鬼「敷地内なだけありがたいと思ってくださいね。はい、キャットフード」

化け猫「……」

第4話
死す!デュエルスタンバイ!

吸血鬼「さっきまで暴れていたみたいですけど静かになりましたね」

雪女「声聞こえなくなったねー」

座敷童「……」ズズー

雪女「私たちはこうして炬燵を囲んでるけどさ、猫って寒さに弱いんだっけ?」

吸血鬼「猫はこたつで丸くなるって言うくらいですしそうなんじゃないですか?」


雪女「んー、ちょっと心配かも」

吸血鬼「凍死しろってさっき言ってませんでした?」

座敷童「……」ウツラウツラ

雪女「あ、でもさ。暑がりともよく聞くよ?」

吸血鬼「どっちかっていうと人工的な寒さとかが苦手なんでしょうか?」

雪女「冬場でも平気で外で歩いてるの見るしね」

吸血鬼「体動かしてたら案外暖かいですからね」

雪女「あとさ、水入れたペットボトルあるじゃん?」

吸血鬼「最近まったく見かけませんけど、あれって猫避けでしたっけ?」

雪女「うん、誰が広めたかは知らないけど迷信だってさ」

吸血鬼「やっぱり。近所の猫さんが普通にボトルにすり寄ってるの見たことありますし」

雪女「アレで逆に風よけにしたりしてそうだよね、夏は冷やしておいておくと更に寄ってくるかも」

吸血鬼「あは!冬場はお湯でも入れておきますか?私たちも温まれそうですね!」

雪女「ま、私は雪女だから寒さは平気なんだけどね」

吸血鬼「羨ましいですねー」

雪女「へへーん」

座敷童「……」スースー








化け猫「……」
短いリードで動けない・気温2度

第5話
心変わり

吸血鬼「それでねー」

雪女「ふむふむ」

ピリリリ!

雪女「あ、ちょっとゴメン。電話ー」

雪女「はい、もしもし?」

吸血鬼(誰からだろう?)

雪女「あいあい、分かった採用。それじゃあ頼むねー」ピッ

吸血鬼「お友達ですか?」

雪女「いんや。私って前に株で大儲けしてるって話したよね?」

吸血鬼「あー、そうですね。詳しくは分からないですけど」

雪女「それでさ、せっかくお金と時間があるんだから会社でも設立しようと思ってさ。作っちゃった」

吸血鬼「会社!?」

座敷童「……」スヤァ

雪女「うん、妖怪同士のコネクションで色々とね」

吸血鬼「そりゃまた大きな話を……」

雪女「大ヒット商品も出してるし軌道に乗ってるよ」

雪女「おねえちゃんもウチに就職してみる?今フリーターなんだし」

吸血鬼「え、えっと……自分より年下の社長って複雑ですね。プライドという壁が……」

雪女「肩身が狭い妖怪同士助け合わなきゃ生きていけないんだし、遠慮しなくていいよ」

吸血鬼「あはは……一応考えておきます」

雪女「ま、でも正直このご時世今後上手く就活できるかわかんないんだし」

雪女「そういや職場恋愛なんのもあるよね。寿退社ってなんか憧れるねー」

雪女「若い時期なんてあっという間、気が付いたら婚期も逃して女として腐っていって」

雪女「取り返しのつかなくなった頃に慌てて相手を探しても、賞味期限が切れた干物なんて誰も相手しちゃくれない……」

吸血鬼「今からでも間に合いますか!?就職!!?」ガッ!!

雪女「お、おう……」

第6話
ワクワクを思い出すんだ!

吸血鬼「それで、会社と言っても何をしているんですか?」

雪女「玩具会社!私は子供たちに夢を与えたいからね!」

吸血鬼「あなた10歳ですよね……?」

雪女「玩具の内容については老若男女向けどれでも作ってるから、出たアイデアはかなり拾えるよ」

吸血鬼「ふむ、男の子だったらヒーローグッズ。女の子だったらお人形さんとかですか」

雪女「考え古いねぇ。今の女の子はアニメのヒロインのなりきりグッズを欲しがるものだよ!」

吸血鬼「私だってセー○ームーンのグッズとか買ってもらってましたよ」

雪女(アレ?おねえちゃん確か18歳じゃ……)

吸血鬼「それじゃあお人形さんとかは無いんですか?」

雪女「あるよー。どっちかってとジオラマ遊び。シリーズ展開もしているよ」

吸血鬼「大きなおうちとかですか?憧れますよねぇアレって。なかなか買ってもらえませんでしたよ」

雪女「値段が値段だからねぇ。私の会社のは安いよ」

吸血鬼「価格で勝負するタイプですか」

雪女「うん、まぁ。そうでなくても購入層が広いってのも強みかなー」

吸血鬼「高齢の方も買うんですねー」

雪女「みんな心は少年少女のまま、たまには初心に帰りたいんだよ」

吸血鬼「で、幅広く売れているのがそのお人形シリーズなんですよね」

雪女「うん、これがまた大盛況でさ」

雪女「その名も、ゴルバニアファミリー」

吸血鬼「堂々パクリ!?」

雪女「数々のシリアスとドラマを生み出す感動の超大作」

吸血鬼「無駄に壮大!!」

雪女「新作は『ゴルバニアファミリー・笑顔の無いおうち』」

吸血鬼「ハウスじゃなくてホーム!?」

第7話
悪夢の蜃気楼

吸血鬼「笑顔のない家ってなんですか!?誰がそんな家庭事情を楽しむんですか!?」

雪女「購入層は主に夫との間に溝が出来た奥様方や浮気経験のある人たちー」

吸血鬼「やたらピンポイントですね!?」

雪女「時代はサスペンスを求めているのぜー」

雪女「初めはちゃんとした女児向けで販売していたんだよ?」

吸血鬼「なんでその路線でいかなかったんですか」

雪女「コレ作ってる部署の山中さんがさー数年前に友達の旦那と寝ちゃったみたいでさ」

吸血鬼「生々しいですね!?」

雪女「それで精神的に病んじゃってて次第にこういう雰囲気の玩具になったんだって」

吸血鬼「なんでそんな人雇ったんですか」

雪女「仕方ないじゃん、慰謝料やら何やらでかわいそうだったし」

吸血鬼「自業自得じゃないですか、だったら私を今すぐ雇え」

雪女(必死だなぁ)

雪女「まぁそういった経験がウチの商品に生かされるんだよ」

雪女「どこからアイデアが出てくるかわからないねー」

吸血鬼「その山中さんってひょっとして妖怪だったりします?」

雪女「いぐざくとりぃー!さっきも言ったように妖怪同士の助け合いだからね!」

雪女「ちなみに猫又さんだよ、めっちゃ美人!」

吸血鬼「へぇ、猫なんですかー」

雪女「猫なのだー」










化け猫「クチュンッ」

第8話
伝説って?ああ!それって

座敷童「……!」パッ

吸血鬼「あ、もうこんな時間ですか。お夕飯作らなくちゃ」

雪女「焼き魚焼き魚ー」

ガラガラ

垢舐め「お、嬢ちゃんたち今から飯作るのかい?ヘッヘッヘ」

吸血鬼「つまみ食いに来たんですか?残念ながらまだ何も出来てないですよー」

雪女(言うまでもないが、このアパートに住んでいるのは私たちだけじゃない。にーちゃんハーレム計画ここに潰える)

地獄鳥「ふむ、魚を選ぶとは殊勝な心がけである。我が褒めて遣わすぞ!」

吸血鬼「いつ見ても偉そうな鶏ですねぇ。ところでコレいつ食べます?」

垢舐め「卵もうまねぇ雄鶏だしなぁ、そろそろいいんじゃねぇか?」

吸血鬼「あ、そうだ。お仲間が出来ましたよ?一緒に外に繋がっておきましょうか」グイッ

地獄鳥「ヤメロォ!!」

雪女「騒がしいねぇ」

蜘蛛男「……」

雪女「あ、全身タイツのおっちゃん」

蜘蛛男「……」

蜘蛛男「キノコ狩り世界チャンピオン!!」ガタッ

雪女「!?」ビクッ

吸血鬼「キノコ食べたいんですか?ないですよー。あー忙しい忙しい」クイッ

地獄鳥「ゴフッ!?」ゴキャッ

座敷童「……」テトテト

垢舐め「フヘッ、みんないい体してるねぇ……くひひっ」

地獄鳥「」

蜘蛛男「飯の為に腹を空かせる男!!」

雪女(なんだかなぁこの人たち)

第9話
大寒波

――――――
―――


雪女「食った食ったー」プフー

座敷童「……」ズズー

吸血鬼「沢山食べましたね」

雪女「育ちざかりだからねー」

ガラガラ

小鬼「ただいまー、今帰ったヨ」

吸血鬼「あ、おかえりなさーい」

雪女「おー、子鬼のおっちゃんお帰りー」

雪女(子鬼のおっちゃん。にーちゃんとおねえちゃんのバイト先の店長。言うまでもなく妖怪だ)

雪女(そんでここの住人でもある。麗華ねーちゃんとは旧知の仲らしい)

小鬼「いや、年は明けたってのにやっぱり寒いネェ」

吸血鬼「まだまだ冬は続きますねー」

小鬼「たまったもんじゃないネ」

吸血鬼「ご飯は温めればすぐに食べられますよ」

小鬼「いつも悪いね、面倒だったら作らなくてもいいヨ?」

雪女「その他大勢も一緒に食べるから遠慮しなくてもいいよー」

吸血鬼「今日の当番は私と麗華さんですけどね」

座敷童「……」ズズー

小鬼「あ、そういえばさ。庭先に地獄鳥がいたけど、また何かやらかしたの?」

吸血鬼「あ、外に出しっぱなしでした。いい加減戻しておかないと」

雪女「ご飯も食べてないだろうしねー。死んだんじゃないの?」

小鬼「酷い扱いだネ」

小鬼「あ、そうそう。それとさ」









――隣に猫の死骸が落ちていたヨ――

地獄鳥「」

化け猫「」

第10話
すごいよにーちゃん!流石はチームサティスファクションのリーダーだ!

地獄鳥「殺す気かぁーーーーーッ!!」

化け猫「酷い……犬畜生以下のこの扱い……!!」

吸血鬼「犬の妖怪が聞いたら起こりそうなセリフですね」

雪女「本気で忘れてたよ、メンゴメンゴ」



――

商人「クチュンッ!?」

剣士「どうした?」

商人「何か狼を馬鹿にした発言が……」

――

小鬼「地獄鳥はいつもの扱いだからともかく、君は?見ない顔だけど」

地獄鳥「ひでぇ」

化け猫「今日から住まわせてもらうことになった化け猫ヒトシです、どうかよろしく」

雪女「あ、ペットだから挨拶なんていらないよ」

吸血鬼「家の中で飼うと毛とか落ちるんで嫌なんですよねぇ」

化け猫「……」

小鬼「人権なんてなさそうだネ」

ガラガラ

男「ただいまー」

座敷童「!」タッタッタ

雪女「あ!にーちゃん帰ってきたー。化け猫の事話さなきゃー」タッタッタ

化け猫「丁度いいじゃないですか!交渉してくださいね!さっきお願いしたしいいですよね!」

吸血鬼「えー、先輩何でも首を縦に振っちゃいそうだしなぁ」

雪女「それでねそれでね!化け猫がね!」ベッタリ

座敷童「……」ベッタリ

男「わかったわかったしがみつくなって……で、これが噂の化け猫か」

化け猫「ニャーン!!」パァァ

雪女「どうかな?私はそれでいいと思うんだけど……」

男「うん、まぁそうだな」

化け猫「やったー!居てもいいんですねー!!」







男「出ていけ」

化け猫「」

第11話
レスキューキャット

化け猫「あの……住めるように取り計らってくれたんじゃ」

雪女「連れてきた私が言うのもアレだけど、正直な話するとあそこまで酷いとねぇ」

吸血鬼「一緒に居たくはないですね」

座敷童「……」コクコク

化け猫「そんな殺生な!心を入れ替えて一生懸命役に立ちますから!!」

男「……あのな?」

男「未婚の俺が言うのもなんだけどさ。娘さんもいるのに家庭をほっぽり出して愛人作って」

男「挙句の果てにギャンブルで借金作って文無し、慰謝料っていう責任も果たさずに逃げ回ってさ」

男「それでタダで住まわせろだ?甘ったれるなこのクズが!!」

化け猫「ヒィ!!」

男「出て行かないって言うなら……」チャキン

化け猫「包丁!?刃物はダメですって!!」

男「うだらああああ!!」

化け猫「ギニャーーーー!!!」ダダダダ

男「……出て行ったか」

男「これでよかったんだよな?」

座敷童「……」コクン

地獄鳥「うむ、迫真の演技であったぞ青年」

雪女「え?演技って……」

――――――
―――


化け猫「ニャー……」

化け猫(そんな世の中甘くは無いのは知ってる、でも心を改めたって言うのは本気なんだ……)

化け猫「……いや!そうそう落ち込んでもいられない!彼の言うとおりだ!」

化け猫「働こう、どんなところだっていい!最悪臓器をうっぱらって慰謝料の足しにする!」

化け猫「笑顔の無くなってしまった家庭を作った責任だ!彼女たちにはそうやって償わなければ!」


ガタン


化け猫「ニャ?」


「あなた……」


化け猫「お、お前は!!」

第12話
おいおいこれじゃ… MEの勝ちじゃないか!

――――――
―――


化け猫「いやぁ、ホントご迷惑をおかけしました」フカブカ

男「いいよ、俺なんてほとんど何もしてないし」

座敷童「……」ウンウン

雪女「ま、大団円でいい感じじゃん」

吸血鬼「ただいま帰りましたー……あれ?クズ猫さん?」

化け猫「ニャ!?クズって呼び方止めてほしいな……」

吸血鬼「どうしてここに?しかもスーツなんて着ちゃって」

地獄鳥「この者はアパートを飛び出したその後、すぐに妻に再会してな」

男「そんで、和解したんだと……地獄鳥が奥さん見つけて呼んで来たんだよな?」

地獄鳥「ふん、麗華嬢の入れ知恵だ」

座敷童「……」シランプリ

雪女「ともかく、今じゃ立派な社会人ってワケなのさ」

吸血鬼「ほえー、変われるものなんですねぇ」

化け猫「粉雪社長が協力してくれましたからねぇ」

吸血鬼「粉雪ちゃんが?」

雪女「言ったでしょ?妖怪同士助け合いだって」

吸血鬼「やだ……かっこいい……」

化け猫「部署の雰囲気もいいし、とてもやりがいのある仕事ですよ」

雪女「うんうん、それじゃあそろそろ他の部に移ってもらおうかな?」

化け猫「ギニャ!?何か不備がありましたでしょうか……」

雪女「違う違う、業績がいいから他の部署に行ってもらうの!」

雪女「今より忙しくはなるけど……ほら、奥さんと娘さんの為に頑張りなよ!」

化け猫「は、はい!ありがとうございます!」

男「雨降って地固まる。いいんじゃないかな、こういうのって」

地獄鳥「柄にもないことをしてしまったな。ま、悪くは無い」

座敷童「……」ニコッ

吸血鬼「それで、どういう部署に移るんですかー?」

雪女「あ、うん。やっぱり娘さんがいるって事で……」

最終話
早すぎた埋葬

――――――
―――


雪女「じゃあ今日からここに配属される化け猫ヒトシさんです!」

「よろしくたのむよ!」

「いやぁ、期待の新人か!頼もしいね!」

「人数が増えると助かるよ」

「……」

化け猫「お願いします!」

雪女「みんな仲良くね!」

雪女「あれ?山中さん、様子がおかしいけどどうしたの」

「……」

化け猫「ッ!?」

雪女「山中さん?」

「……」ギリギリギリギリ

化け猫「ア……あわわわ、何故君がここに!」

「許さない……私の人生滅茶苦茶にした男が!!」

化け猫「ま!まってくれ!君とはもう終わった仲じゃないか!!」

雪女「んー?……あっ(察し」

「殺してやる!!自分だけ幸せになんてなろうとして!!」

雪女「ま、痴情のもつれについてはよく分からないから当人たちで解決してね」

雪女「私まだ子供だし。んじゃ、頑張ってねー」

化け猫「まってくれーッ!!今からでも部署を変えてくれェーーーッ!!」

「キシャーーーーーーーッ!!」

化け猫「うぎゃああああああああ!!」







雪女(……しーらねっと)

雪女「化け猫拾ったー」化け猫「ニャーン!!」
おわりー!

終わった
何か前回シリーズ終わると宣言したがスマン、ありゃあ嘘だった
妖怪話は次回で最後(切望)

もしお付き合いしていただいた方がいましたら、どうもありがとうございました

過去作
http://blog.livedoor.jp/innocentmuseum/

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年11月05日 (日) 14:29:47   ID: LifDbqw6

今更気づいたが蜘蛛男東映スパイダーマンじゃねえかぁぁ!!

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