オッス、おら、ババア!
わしは、一年前に癌で余命半年と告知を受けた。
が、医者の告知なんぞ、当てにならんのー。
わし、皇潤飲んで、半年も生きおったぞ。
…だが、わしには分かる。
わしは、もうすぐ死ぬ。
今まで生きていたことは、奇跡だったんじゃ。でも、死ぬのはなーんも怖くない。
ただ、一つだけ気がかりなことがあっての…。
男「おはよー婆ちゃん!!」ガラガラ
おばあ「おお、おお、男かい。おはよー」
…こいつは、孫の男。優しいが、気が弱くて根性なし。おまけにコミュ障と童貞と廚ニ病までこじらせておる。
男「婆ちゃん、今日はデスノートとワンピースっていう漫画持って来たよ」
おばあ「まぁ、ありがとうねぇ。はい、先週持ってきた漫画は返すよ」
男「うはww婆ちゃん、ドラゴンボールもう読み終わったのww」
おばあ「ああ、面白かったよぉ」ニコニコ
…こんな老いぼれにサブカルチャアを教えてくれた、気立てのいい子なんじゃよ。
じゃが…。
おばあ「どうだい、男~。大学では良いお友達ができたかい?…ガアルフレンドとかは?」
男「…ははは、婆ちゃん、俺の事なんか、気にしなくていいよ」
おばあ「…」
この子を、この状態のまま、残して死ぬのは…わし、ちょっと嫌じゃ。
どうやったら、この子の人生を輝かせてあげられるんじゃろかい…?
男「あ、そうだ。婆ちゃん、俺お茶淹れてくるね」ソソクサ
おばあ(どーしたらええのか…?)
おばあ(毎日毎日アニメばっかり、友達もでけん…。このままじゃ、嫁さんも)
おばあ(あの子、まぁ、顔は……残念じゃが、性格は良いからきっとモテルはず)
おばあ(はぁ…)ウツラウツラ
男「婆ちゃん~饅頭食べよう」ガラガラ
おばあ「ふに…?ん、ああ…。でも、今は眠くて…。男が全部おあがり」
男「そう?…あ、じゃあ、ちょっと寝なよ。俺、その間に掃除でもしてるから」
おばあ「ほーい」
おばあ(こーんな、子供からも見放されたおいぼれを…。)ウツラウツラ
おばあ(本当に、優しいねぇ……)コク
おばあ(この子の、優しさを…皆に…伝えられ、たら…)コクン
おばあ(そしたら…わしは、潔く、死…)
おばあ(………)カクッ
……
…
おばあ「…んは?」パチ
おばあ「…ん?」
おばあ「ここは…どこ、じゃ?」
おーどろき桃の木。わし、何故か大きな川の前に立っておる!
何じゃ、ここはぁ!? 男め、わしが寝てる隙に運んできたのか…?
???「おーい、おーい」
む、向こう岸で誰か手招きしておる
おばあ「…って、まさかあれは、銀ちゃん…!!?」
説明しよう!銀ちゃんとは昔、旦那との関係にマンネリを感じてたときに、おっとこれはもう言えんなゲフンゲフン
おばあ「お~い、銀ちゃぁん」
おばあ(ん?ちょっと待つんじゃ。確か、銀ちゃんは三年前、イカ釣り漁船から海に落ちて…)
おばあ「…」
???「お~い、こっちにおいでぇ~♪」
おお、おお、あれはわしの五十年来の親友、梅ちゃんじゃないかい!!
……ん、まてよ
おばあ「梅ちゃんって、確か…。」
………。 ………。あいつ、去年に高尾山で遭難して、凍死体で発見されたんじゃ…。
梅「おぉぉ~~い、おいでぇ~」
銀「さぁさぁ、おいでぇ~」
おばあ「oh……」
ナンテコッタイ。 わし、三途の川に来てしもうた…!!?
おばあ「わっ、わしはまだ死ねんぞ!孫が、孫が…!!」
梅「そんなもん、放っとけ!!」
銀「コッチの方が、楽しいぞぇ~」
おばあ「だ が 断 る」バーン
婆ちゃんがjojo読んでる描写あったらもっと面白かったな
支援
まだ一度も安価出してないのに放置してんじゃねぇ
おばあ「明らかにあの世じゃろうが、そっち!」
銀「悩む事なんかな~んもないぞ~。さぁ、また青春しよう~」
梅「いつ逝くの?」
銀「今でしょ!!」
おばあ「じゃかあしぃわい!」
おばあ(しかし困ったのう。…なんか、本当に楽しそうじゃ)
…おまちなさい、お婆さん
おばあ「!?誰じゃ!?」
…私は仏。あなたの強い願いにひかれ、やってきたのです
おばあ「」
おばあ「な、なんじゃそのチート展開はぁああああ!!?」
…あなた随分香ばしいですね
おばあ「お前モナー」ビシ
…私は仏なのですよ?少しは尊敬なさい
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