男「え?なんか言ったか?」 (25)
女(77)「だーかーらーね!私はね!あんたのことがね!」
男(77)「うんうん、聞いとるわい」
女(77)「好き…なの…」ボソッ
男(77)「ふぇ?すいませんが、もう一度お願いできますかのぉ」
女(77)「あああもぉおおおおおおおおおお!!!」
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女「一体いつまで聞こえないふりするつもりよ!結局告白しないままおばあちゃんになっちゃったじゃない!」
男「そうですかそうですか…それで、なんの話じゃったっけのう?」
女「だからね!私がアンタをね!……好き……だってね!言ったのよ!」
男「わしもじゃよ」
女「えっ…///」ポッ
男「わしもトカゲじゃと思いますわ、はい」
女「あんたは何を聞いてたのよぉおおおお!!!」
おもしろい
支援
女「もういい!紙に書くわよ!それでいいでしょ!?」サラサラ
男「そうですかそうですか…確かにお茶には大福じゃのう」
女「はい!さっさと読みなさいよね!」
男「えー、どれどれ…『私はずっと前から…』」
女「黙って読みなさいよ!」
男「えー…」
女「」ドキドキ
男「文字が小さくて、読めんわ」
女「」
このまま二人同時にぽっくり行けたら幸せなんだろうな
女「じゃあもっと大きな字で書くわよ!紙貸して!」
男「やれやれ…最近鼻水が出るのう…」チーン
紙だったもの「」クシャッ
男「ふぇ?紙じゃって?」クルッ
女「あ…やっぱいいわ…」
女「そういえば男、何か飲む?お茶入れるわよ」
男「昆布茶を頼むぞえ」
女「はいはい」
コポポ…
女「はい、どうぞ。また火傷しないでよ?」コトッ
男「わかっとる、わかっとる」フー、フー
男「……」グビグビ
女「……」ドキドキ
男「……うん。うまい」プハーッ
女「どうも」ホッ
男「やっぱり、お前の入れるお茶が一番じゃな。毎日でも飲みたいぞ」
女「え、それって……」ドキドキ
男「……女、」
女「な、何?」ドキドキ
男「ちょっと便所に行ってくるぞい。近頃尿が近くての」
女「……」
ゴポポ...ジャー...
男「おまたせ、最近キレが悪くて困っとるんだが、女、いい方法知らんか」
女「なんであたしに聞くのよ!」
男「おっと、すまんすまん」
女「……なんであたし、こんな奴のこと好きなんだろ……」
男「女、こっちを見ろ」
女「?」クルッ
フワッ
女「……!これ……」カンザシー
男「この前、通院の際に見かけてな。思ったとおり、よく似合うとる」ニコッ
女「あ、ありがとう……」///
女(そうだ、私はこいつのこういうところが……)
男「……あ、」
女「? どうしたの?」
男「さっき、手ぇ洗うの忘れとった」サラッ
女「きゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!」ガシガシガシ
男「しかし、わしとお前も随分長い付き合いになるのう…」
女「…そうね、もう60年になるわ」
男「そうかそうか…馴れ初めはなんじゃったかのう…」
女「確か、あんたが転校初日に曲がり角でぶつかって、ケンカしたのよね」
男「そういえば、そんなこともあったかのう…」
女「それからもずっと事あるごとにケンカして…でも、気が付いたらいつの間にか仲良くなってた」
女「ケンカするほど仲がいい、じゃないけど、その内あんたの他の面が見えてきた」
女「口は悪いけどお節介焼きで、へらへらしてるけどいざという時は頼りになって」
女「きっと私は、そのときから既に…///」クルッ
男「」スピー
女「起きなさいよもぉぉおおおおおおお!!!!!」ガクガク
男「…おい、なんで泣いているんじゃ?」
女「うっさいわね、ほっといてよ!」キッ
男「女…」
女「……いつまでつづくんだろう、こんなこと……」ボソッ
男「……なぁ、女」キリッ
女「な、なによ」ドキッ
男「晩御飯はまだかのぅ?」
女「もういやぁぁあああああ!!!」
おわり
ん
短いけど終わるよ
見てくれた人ありがとう
正直、書いてる途中で男が難聴じゃなくて痴呆に見えてきたよ
最近レストランでめっちゃ口悪いお祖母さんがいて、でも
旦那さんらしき人が来た途端にでれてたのにときめいたんだ
それ書きたかったのにどうしてこうなったんだろ
乙
何か、うん、新しかった
実は子供いたとかだったらもっと幸せなんだけど、この調子だといないんだろうな……。
これはいい作品だおつ。
おまけ
ギャーギャー
主婦「男さんたち、相変わらず仲いいわね―」
新妻「ほんと。あたしん家なんてもう冷めかけてるのにー」
老婆「アンタたち、知らんのかい? あそこはもう60年も痴話げんか続けてるんだよ」
新妻「60年!?」
主婦「喧嘩するほど仲がいいって、本当ねー」
新妻「ところで……老婆さんは何でそんなこと知ってるんですか?」
老婆「ふぇっふぇっふぇっ、ずっと見守ってきたからかねぇ……」
主婦「知り合いなんですか?」
老婆「あたしゃ、あの子たちの担任だよ。女ちゃんが転校してきてからずっと、公認カップルさね」
新妻「へぇー……」ソンケイ
老婆「毎日毎日顔合わせるたびギャーギャーワーワー。やかましいけど、退屈はしなかったね」
新妻「いいなぁ……あたしも今夜、もう一度誘ってみよっかなぁ……」
老婆「そうするといいさね。ただ、あんまりやかましくしないでおくれよ」
主婦「あらやだ、お下品」オホホ
男「おや、老婆先生じゃないか……おーい老婆せんせーい!一緒に茶でも飲みませんかー」
女「ちょ、男……!」
主婦「おや、お呼ばれですね」
老婆「やれやれ……極力お邪魔虫にはなりたくないんだがのう……。まああの鈍感にそれを求めるのも酷じゃろうて」ヨッコラショ
新妻「お疲れ様でーす」
男「女が昆布茶を入れたんですよ。めちゃくちゃうまいですよ」
女「お久しぶりです、老婆先生」
老婆「……君達は相変わらずじゃのう。どれ、ちょっくらいただくか」ズズ...
男「煎餅もありますぞ」
老婆「じゃあそれも貰おうか。……して君達は、いつになったら結婚するのだね?」
女「!?」ブーッ
女「な、な、な……!!」ゲホゴホ
老婆「確かにもう年も年だし、諦めている面もあると思うのだが、籍ぐらい入れたらどうだ?」
女「何を言って……」ゲホゴホ
老婆「まああのやり取りもはたから見てて面白いがの。墓は一緒が良いだろう?」
女「う、う……」///
女「やっぱり……分かります?」
老婆「むしろ気づかない方がおかしいがな。男君のあの鈍感さはもはや罪だな」
女「……ですよねー」
老婆「腹も立つだろうに、よく一緒に居られるな。私ならとっくに、熱湯でもひっかけてるさ」
女「まあ、慣れと言うかなんというか……」
老婆「こんなに愛されて気づかないなんて、本当に君は……」
男「」スピー
老婆・女「「寝るなぁあああああああ!!!!!」」
おわりのおわり
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