女「は、はあ!? あんた何言ってんですか…?」ワナワナ
男「いや、こっちのセリフだよ…」何を藪から棒に…
女「え…盛り真っ盛りな思春期にある今や劣情の具現体とでもいうべきあんたが、乙女も恥じらう乙女の中の乙女と謳われるこの私の誘いを無下にするとはこれ如何に…。これはもう頭
が湧いてしまってると結論づけるしか…」オロオロ
男「いやいや…そっちこそここ連日の猛暑でとうとう頭がやられたんじゃ…」っていうかすごい肩書きだな…
女「私の脳みそはそれでやられちゃう程傷みやすくできてない」
男「真っ当な頭でいきなりあんなこと言い出すのならそれはそれで心配だよ…」
女「ぐ…っ!」
女「べ、別に私が性欲過多ってわけじゃないよ!」
男「はぁ…」
女「ただほら、あんたが他の女に目移りしちゃわないようにツバつけときたいという独占欲からそう至ったわけで…」キョロキョロ
男「うーん生々しい」
女「つーことでやっちゃいますか」ハハハ
男「やだよ恥ずかしい」
女「はあああああ!?」
女「しれっと断らないでよ! 恥ずかしいことだと意識しないよう軽い感じで言ったけど断られたらものっそい恥ずかしいじゃん!」
男「じゃあ言わなきゃいいじゃん」
女「もーっ!! これじゃ堂々巡りだよー!!」
男「よし、じゃあ僕がこの話を落とそう。結論、僕はやりません。はい終わり」
女「もーっ!!」
女「私にもう退路はないのっ! 恥を忍んで踏み出した以上、もう前進しかないの!」一方通行なのよっ!
男「なんでだよ」
女「だって今うやむやにしたら、あんなこと言っちゃった手前あんたとの今後の付き合いがなんか気まずい感じになっちゃうでしょ!」
男「気の持ちようだろ。僕は気にしないけど」
女「私は気にする! なに、私があんたと会話する度にふとさっきのことを思い出して突発的に赤面してヒステリックを起こすような女になってもいいの!?」
男「うーん…」
男「それはそれでかわいいかもと思ったけどやっぱりめんどくさいね」
女「でしょっ!?」
男「だから君は堅忍不抜な精神をもって内なる羞恥心に打ち勝つんだ!」君ならできる!
女「うんがぁーーッ!!」ポカポカポカ
男「うわー言語による対論を放棄しだしたぞー」めんどくせー
女「ふ…ふふ…。私は今人間性を捨て去り、下半身の赴くまま行動する淫獣へと変貌を果たした…」
男「はぁ…」
女「言葉による意思疎通は既に無用…。さあお覚悟を…。後は肉と欲のぶつかり合いで語らおうぞ…」グフフ…
男「やだよ恥ずかしい。っつーかそこまで大層な口上挙げられるんならまだ全然大丈夫でしょ」
女「うわーん! 取り付く島もないよー!!」
頑張れ!
女「やだやだー! やるったらやるのー!」ジタバタ
男「今度は幼児退行か…」
女「…ロリ思考は?」チラッ
男「ない。況して高校生にもなって年不相応にぶりっ子気取るような人って言語道断だと思う」
女「ごめんなさい立ち返ります」スッ
女「もう…どうしてこんなに意固地なの…?」
男「僕も同じことを問い質したいんだけどいいかな」
女「あ、もしかして…あすこにコンプレックスを抱えてらっしゃる…?」
男「ないよ。どこに出しても恥ずかしくない立派な息子だけど」キッパリ
女「やだ…なら早速今日これから拝見させて頂きたく」
男「やだよ恥ずかしい」
女「どっちなのよ!」
女「恥ずかしいとか恥ずかしくないとかはっきりしなさいよ! 優柔不断か!」
男「いや、恥ずかしいといっても場面によりけりでね。今の二つの恥かしいにはニュアンス的な差異があって…」
女「ええい女々しい! それでも日本男児か! 腹くくれ!」
男「やだよ。そんなにしたいなら一人でしておくれよ」
女「ひ…一人で…?」ゴクッ
女「それは…私に自らを慰める行為をして見せろと…? それともあんたが横になるから私一人で勝手に腰を振ってろと…?」ドキドキ
男「僕に干渉しない範疇で僕が関知しないことで思う存分自儘におっぱじめててください」
女「ふぁー!!?」
女「もうっ、なんなのよ! なに、あんた私のこと好きくないの!?」
男「…それ、言っちゃっていいの?」
女「え…なんなの含みのある感じは…」
男「…」
女「押し黙らないでーっ!」
女「もーいい! 聞きたくない! そんな冷たい現実なら知りたくないっ!」アワワワワ
男「なんてね」フフフ
女「え…何が…?」ピタッ
男「…」
女「沈黙止めてっ!」
男「フフフフフフ」
女「その意味深な怪しい笑いも止めて!」
男「ヌフフ…あ、そういえば今日の数学で宿題がでてたね。時に数学といえば数学史上の未解決問題であるブニャコフスキー予想のことだけどさ」
女「空々しい話題転換もダメ!!」
男「なんならいいのさ」クスクス
女「うがーっ! もーいい! この話はおしまい! もーさっさとかえろー!」スタスタ
男「そうだね」フフフ
女「…あっ、そういえばさっき言ってた数学の宿題…」クルッ
男「ああ。申し訳ないけど今夜また僕んちで勉強を見てくれないかな?」
女「やれやれ、しょうがないねー」ニンマリ
男「助かるよ。数学はどうもよく理解できないし好きになれないから」
女「ふぅん。だったらなんでさっき突然数学の未解決問題のなんちゃら予想なんて語りだしたのかね」
男「いや、実はブニャコフスキー予想がどんなものかは全く分からない。その単語を知ってるだけでなんか利発そうな感じがするからなんとなく言ってみただけだから」
女「なにその地味な虚栄心は」
男「実は馬鹿だと悟られないための努力は怠らないさ」フッ
女「いや、それより馬鹿から脱却するための努力をしなよ」
男「なっ…まさか君からそんな至極真っ当なことを言われるとは…」
女「なぜそこに驚くかな。私はそんなろくでもないアホの子一辺倒になったつもりはないんだけど」
女「そんじゃ私が訪ねるまでに室温を快適な温度に整えておくなり、私好みのお菓子と飲み物を用意しておくなりして、厚遇の限りを尽くして私をもてなす準備をしておいてよ」
男「うん。…あ、そういえばお菓子の買い置きがもうないな」
女「えー…」
男「あ、おばあちゃんのかりんとうなら残ってた気がする。それでもいいかな?」
女「か、かりんとう…? いや、おばあちゃんに悪いからいいよ…」
男「遠慮することないのに」
女「いや…老人から物をたかるなんてそんな血も涙もない冷酷非道な賊の如き所業、私にはできないよ…」
男「大げさだなぁ。まぁ流石に冗談だけど」クスクス
>>11修正
女「恥ずかしいとか恥ずかしくないとかはっきりしなさいよ! 優柔不断か!」
男「いや、恥ずかしいといっても場面によりけりでね。さっき僕が言った場合と君が言った場合には大きな差異があって、同じく愚息を曝す行為にしても」
女「ええいまだるっこしい! 女々しく言い訳を連ねてそれでも日本男児か! 腹くくれ!」
男「やだよ。そんなにしたいなら一人でしておくれよ」
女「ひ…一人で…?」ゴクッ
見てるよ
この雰囲気いいですね。
はよ
保守
支援
>>1訂正
女「は、はあ!? あんた何言ってんですか…?」ワナワナ
男「いや、こっちのセリフだよ…」何を藪から棒に…
女「え…盛り真っ盛りな思春期にある今や劣情の具現体とでもいうべきあんたが、乙女も恥じらう乙女の中の乙女と謳われるこの私の誘いを無下にするとはこれ如何に…。これはもう頭が湧いてしまってると結論づけるしか…」オロオロ
男「いやいや…そっちこそここ連日の猛暑でとうとう頭がやられたんじゃ…」っていうかすごい肩書きだな…
女「私の脳みそはそれでやられちゃう程傷みやすくできてない」
男「真っ当な頭でいきなりあんなこと言い出すのならそれはそれで心配だよ…」
女「ぐ…っ!」
>>17から
男「しょうがない、じゃあコンビニで何か買って帰ろうか」
女「おほぉ。お主、銭をお持ちでか」
男「まぁちょろっとね」
女「ふぅん。じゃああんたのお財布事情に配慮して、今はガリガリ君でいいよ」
男「何がいいんですかね」
女「いーじゃん、日頃世話になってるお礼ってことでー」エヘヘ
男「自分から催促するのかよ…。まぁ僕もガリガリ君一本に拘泥するほど狭量な男だと思われたくないし、別にいいけど」
女「うんうん、彼女に貢いで機嫌を取るのは、円滑に末永く付き合っていく為には大事なことだよー」ウムウム
男「え?」
女「…え?」
男「いつから僕達が付き合っていると錯覚していた…?」
女「なん…だと…?」
女「ふ…ふふん。なら今日から付き合ったってことで。うん、これなら無問題だ」ハハハ
男「勝手に決めんといて下さい。そういうのは両者の同意があって成り立つものでしょ」
女「でも、私は常日頃から甲斐性もないあんたに寄り添い支え付き合ってあげてるわけじゃん。となるとこれはもう既にそういう仲であるといっても相違ないよね」
男「えー…一方的な厚意の押し売りでそんなこと言われても…」
女「鬼ひどいっ!?」
女「否定するにしても他に言いようがあるでしょっ!? せめてもっと柔らかい言葉を選んでよ!」
男「断ってはいいんだ?」
女「駄目ッ!」
男「それじゃ八方塞がりじゃないか」クスクス
女「むう~…」
女「あのさ、あんた私をどうしたいわけ? なんかわざと私を困らせて楽しんでない?」
男「そうだけど?」
女「なんでそこはえらい正直なのよっ!」
男「僕は君のそのリアクション芸が好きだからね。ついつい意地悪したくなるんだよ」
女「芸じゃないしっ!! 別にリアクション芸人目指してないしっ!!」
男「喚かない騒がない。ほら、コンビニに入るよ。コンビニでもそのテンションじゃ店員さんから白い目で見られるよ」どうどう
女「ぐっ…! なんか上手く手綱を握られてる感が悔しい…!」
・・・
俺「ありがとうございますまたおこ」ウィーン
女「…んふふー」ニンマリ
男「…満足かい?」ヒクッ
女「うむ、くるしゅうない。まさかパフェまで買ってくれるとは願ってもないことじゃ」ウムウム
男「露骨に願いまくってただろ…。店内での泣き脅しは卑怯だ…」その手法が許されるのは小学生までだぞ…
女「大事なのは過程じゃない、結果だよ」勝てば官軍、よかろうなのだ!
男「僕は数学同様過程も大事にするタイプなんだよ…」
女「数学アホなくせによく言いなはるわ」ニヤリ
男「~~ッッ!!」プルプル
女「あっはっはっ。ごめんごめん、怒らないでよー。マイケルジョーダンだってばー」
男「その至極笑えない冗談で今僕の堪忍袋が許容値を超えた」
女「ワオ! ソーリーソーリー!」hahahahaha!
男「」
男「…」ギリギリ…
女「あだっ!? あだだっ、ごめんなさいーっ!!」アイアンクロー止めてーッ!!
女「ごめんなさいっ、体で償うから許して…」ウルウル
男「ああ…それを言いたいから煽ったのね」
女「フスースーッ♪」
男「吹けない口笛とか今じゃベタベタだぞ」面白味がない
女「まじでっ!?」
女「で、やるの? それともやらないとか言いつつやっちゃうのっ!?」
男「やらない」
女「とかいいつつ?」
男「やらない」
女「そんな選択肢は提示してないよ」
男「それも含めて決めるのは僕自身だ」
女「くっそーガードが固い上に台詞が無駄にカッコいい…」
女「もーいーやっ! どうせまで時期尚早ってだけでいつかはそうなるんだしっ」フンッ
男「…かもね」
女「!? 今なんてっ!?」
男「なんも?」しらっ
女「いーやっ! 今聞き捨てならないことを…」フンフンッ
男「まぁまぁ落ち着きなよ。それよりほら、アイス溶けちゃうよ」ほら
女「あっ! 忘れてた!」バリッ
女「ンまァ~~いッ! …じゃないっ! それでごまかせると思ったか!」
男「別に」
女「あっ…はい、そうでしたか…」なんかすいません…
男「…」
女「…」
女「…しょうがない。では妥協して肉体関係ではなく、まずは健全な恋愛関係ということで手打ちにしようじゃないか」ヤレヤレ
男「うん、それがいいよ」
女「む! その反応…それつまり、あんた私のことを…!」
男「どうかなー?」スットボケ
女「ぐぬぬ…この期に及んでまだじらしよるわ…」
女「じゃあ、どうやったらあんたと付き合えるわけ?」
男「そりゃ…やっぱ告白とかして?」
女「なる程…来いッ!!」さぁ!
男「僕が言うのかよ」
女「そりゃ男から言うのが世の常だろうさ」
男「やだよ恥ずかしい」
女「だーッ! くそ女々しいッ!!」
女「ちっくしょー。じゃあ私が言うよ? 言っちゃうよっ!?」
男「どうぞ」
女「…っ」
男「…」
女「…………」
男「…」
女「うわー! 怖くて緊張して言えるかーッ!!」バシッ
男「いてっ!? 僕にあたるなよ!」
女「くっそー。結局今日も進展無しかー」
男「そーだね」
女「…まぁいい。絶対いつかあんたを私のものにしてやるから。とりあえず今は現状に甘んじておいてあげるよ」
男「うん。そういう変わらない関係ってのも、いいと思うよ」
女「…変わらない関係、ね」
男「うん」
女「やれやれ、坊やだねぇ。諸行無常、常に不変であるなんて無理なんだよ」ああ、無情…
男「だからさ、僕は今を大切にしたいって思うんだ」
女「?」
男「変わらずにいられる毎日を。変わらずにある関係を。大切だって思うし、大事にしたいって思うんだ」
女「……」
女「…わかりそうでよく分からないことを言うね」それにキザい
男「うーん…つまり何て言えばいいのか。僕が口不調法ってのもあるから」ムム…
男「まぁ、思春期男子の恥ずかしくて女々しい独白として聞き流してくれて構わないよ」
女「……」
女「…まぁいいよ。んじゃ私もいつも通り、毎日のように変わらずあんたに付きまとって、あんたが折れるまでしつこく口説き続けておいてあげる」
男「いや、そういうことじゃ…」
女「毎日毎日、あんたを好きでい続けて。一途でいてあげるから」
女「だからあんたも絶対目移りしないでよ、果報者」ニッ
男「…」
男「…………」ボッ
女「あ! 顔から火を噴かんばかりに赤くなってる!!」かわいー!!
男「…う、うるさい///」カァァ
女「ふふふー。今ので私が飛び切りにいい女だと再認識したでしょー?」ニマニマ
男「……」
女「俯いちゃってかわいいでちゅねー。ほら、やっぱり抱きたくなったって物申すなら今のうちだよー?」うっふーん
男「…いや、ぜんっぜん」ニコッ
女「うがーっ!!」
おわり。
長いこと放置しててすみませんでした。
それではまたどこかで
乙
おつ
乙乙
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