P「姫野かのんは出て来ない」(25)




 オカシイ。

 橘 志狼(たちばな しろう)はそう思っていた。


 視聴覚室で、部屋を薄暗くしての映画鑑賞。

 そこの一番後ろ、一番窓側の二人掛けの席で、すぐ隣に座る友人、岡村 直央(おかむら なお)の様子が変だと気付いたのだ。


「お、おいナオ……具合でも悪りぃのか?」


 直央は椅子には座っているのだが、内股で少し前傾になって両手を太ももで挟み、目をギュッとつむって何かに堪えているよう。



 そして、僅かに、微かに。こんなに近くへ居て、耳を澄ませて、初めて聞こえる、小さな、小さな、機械音。


 ヴヴヴヴヴッ……


「んっ……しろぉ、くっ……何でも、ないからっ、こっち見ないでぇっ」


 暗闇の中でも栄える潤んだ瞳に、熱の籠った甘ったるい声に、時おりビクッビクッと震える幼い身体。

 知識は無くとも、様子が変だと言う事ぐらいは難なく見て取れる。


「だってよぉ……本当に大丈夫かよお前?」


 だから純粋に、志狼は直央の体調を心配して、背中を撫でようと手を伸ばしたとしても、それは当然で自然な行為だった。


志狼。直央。
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 だが、志狼にとって自然の行為でも、直央に取っては思いもよらぬ不意討ち。


「ひうっ!? ぃあ、ぁぁ……」


 触れられた瞬間に短く声を上げると、反射的に背筋をピンと伸ばし、目尻から一粒の涙を零した。

 理由は明らかで、黒いスパッツの中、下着の中で、幼いペニスがびゅくん、びゅくん、と脈打って射精してしまったのだ。


「へっ? ナオっ?」


 志狼はそんな友人の姿に戸惑いながらも、心配して背中を擦り続ける。

 顔を覗き込んで、本当に心配そうに、ただただ、背中を優しく擦る。



「うぅっ……目、つむっててね?」


 その思いは掛け値無しに直央の心に届いて、一つの大きな決断をさせた。


「えっ? なにがだよ?」


 直央は後ろのポケットからティッシュを取り出して机に置くと、志狼に『見るな』と警告して自らのスパッツに手を掛ける。

 視聴覚室の一番後方。隣の席とは距離が離れてて、更についたても在るから気付かれない……

 そう腹をくくって、直央は志狼の返事も待たず、スパッツを下着ごと膝の位置までズリ降ろした。


「んっ……」


 現れたのは、キラキラと糸を引く粘液を纏い、その先端を上へ向けて主張する生殖器。



「いっぱい、出ちゃった……」


 直央はティッシュを数枚ほど抜き取ると、それを重ねて自身の汚れを拭って行く。
 瞳を潤ませて、ペニスをヒク付かせて、熱い吐息を漏らして。

 そして、その熱は感染する。隣でゴクリと喉を鳴らす友人にも……


「拭いてやるよナオ」


 橘志狼は欲情していた。どうしてなのかは理解してない。

 ただただ、男性器は激しく勃起してショートジーンズを持ち上げ、気付けば素手で直央のペニスを握っている。


「あのっ、えっ……しろう、くん?」


 驚く友人の表情も可愛いと思うだけで、むしろもっと見たいとさえ感じて、ああそうなんだと理解した。

 自分は、直央の事を好きなのだと。



 夜に初めて両親のセックスを見た時、ドキドキした。
 親戚の姉と初めて一緒にお風呂に入った時、大きな胸にドキドキした。お願いして触らせて貰ったりもした。

 でも今、直央の下半身に触れている今は、それ以上にドキドキしてる。

 自分も父親のように好きな人へ、直央へ……挿れたいと思ってしまったのだ。


「はぁっ、はぁぁっ……スキだ」


 もう止まれない。


 くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅり……

 握っていたペニスをゆっくりと上下に動かして見る。皮が剥けたり、覆ったり。ピンク色の先端部分が見えたり、隠れたり。

 未だネトネトと濡れている直央の性器を、荒い呼吸を繰り返しながら擦り続ける。



「ぁん、ダメ、だょ……ボク、プロデューサーさんに、汚されちゃったから……ほらっ、見て?」


 直央は拙い手淫に声を殺して喘ぐと、右の太ももに視線を誘導する。

 するとそこには、薄暗い室内でも目を凝らせば見えるのは、足の付け根ギリギリに装着されたゴムバンド。
 それでズリ落ちないように固定されているのは、携帯電話よりツーサイズも小さなピンク色のリモコン。

 リモコンからは同じくピンク色のコードが伸び、そのままお尻の中へと繋がっていた。


「それでも、スキだ。プロデューサーには、オレからヤメるように言ってやる!!」



 志狼は見せられたのが何だかは知らなかったが、直感的に『良くない物』だと悟り、直央の体を引き寄せて優しく包容する。

 セリフだって本心。本気で、プロデューサーから直央を救い出すつもりだった。


「ううん。無理だよ……でも、嬉しかったから……エッチ、しよっ?」


 しかし直央は志狼の腕の中、静かに首を横に振り、腕を背中に回して力弱く抱き締め返した。










 男子トイレ、その個室の中、入っているのは二人の少年。

 視聴覚室からソッと脱け出し、どちらも下半身だけ裸になって、どちらも幼いペニスを興奮させていた。


 狭い密室で、熱い吐息、熱い呼吸、熱い身体。

 例え同性だったとしても、男同士だったとしても、この二人と姿を見れば、誰しもがこれから性行為に及ぶと想像するだろう。


「ねぇ、しろう……後は、わかるよね?」


 直央は和式便器を跨いで片手を壁に付くと、お尻を後ろへ突き出すポーズを取った。




 くちぃっ……

 そして、もう片方の手で自分のアナルを挿れ易いように拡げると、後ろに顔を向け、潤んだ瞳で志狼を見つめる。


「うん、うんっ!!」


 限界だった。

 志狼の性器は痛いぐらいに激しく勃起し、先端は先走りでテラテラと濡れて……

 むしゅぶり付くように直央の腰を掴むと、慌てながらぺニスの先端を挿入口に押し当てる。


「んっ……おもちゃ、入ってるけど、そのまま挿れていいから……しろうのおちんちん、挿れてぃぃからぁっ!!」



 初めての性行為を迎え、志狼の鼓動と興奮は最高潮。こうして押し付けてるだけで、びゅくっ、びゅくっ、と時おり精液を漏らしていた。


「ナオぉ……ナオぉぉっ!!」


 そして友人の名前を呼びながら、友人と同じく瞳を潤ませて頬を赤く染めながら、ゆっくりと腰を突き進める。

 ぬちゅっ、にゅちゅっ、と水気が混じった摩擦音を個室に響かせ、粘膜の壁を掻き分けて、志狼は硬くなったペニスを挿入して行く。


「ふあっ、ぁ、あっ……ボクの中にっ、おちんちん、入ってきてるっ!!」


 志狼が奥へ奥へと進入する度にピンクローターも奥へと押し込まれ、より敏感な部分で震えて直央の正常な意識を飛ばし始めた。



 口も閉じれない程の甘ったるい声で喘ぎ、反射的にペニスをキツくキツく締め上げてしまう。


「うあぁっ!!? そんなっ、しめつけんなぁっ!!」


 ただ、志狼の方は堪ったものでは無い。

 温かくて、柔らかくて、気持ちいい……そんな感想を述べる瞬間に、まるでペニスだけが蛇に巻き付かれたような、凄まじい刺激に襲われたのだから。

 だが、奥底から何かが沸き上がる感覚。それが勢い良く噴き出そうとする感覚。その未知の感覚に、志狼は一瞬で虜になった。


「ねぇ……動いて? そしたら、しろうも、もっと気持ち良くなれるよ?」



「はぁっ、はぁっ、ナオのお尻、あつくて、きもちっ……ちんこ、んんっ、とけちゃいそぅだ!!」


 ぱちゅん!! ぱちゅん!! ぱちゅん!! ぱちゅん!!

 直央の言葉に反応するように、拙い腰使いながらも、志狼はできうる限り力強くぺニスを出し入れさせる。
 初めての刺激に歯を喰い縛り、足をガクガクと震わせ、しかしそれでも早く射精をしたくて、一生懸命に中を掻き回す。

 自然と右手は直央のペニスを掴み、腰の動きと共にクチュクチュと上下に扱き出していた。


「ふあぁっ!? しろっ……んっ、ふんん、りょうほう、いっしょにはぁ、感じすぎちゃうからっ、ダメぇっ!!」


 扱かれる度に思わず体内で暴れるペニスを締め付け、締め付けられた志狼はそれから逃げ出すように、より一層、腰の動きを早めて行く。

 パンッ、パンッ、と男子トイレに音を響かせ、大人顔負けのセックスで初めての絶頂へと昇り詰める。



 二人は幼い身体と性器を絡ませ、途切れ途切れの声で喘ぎ合い、そしてついに……


「うあぁぁぁっ!! ナオぉぉぉぉおお!!!」

「ひっ、ぎぃっ……ん~~~~~っ!!?」


 びゅくびゅくびゅくっ!! びゅるるっ!! ドクンドクンドクン……

 大粒の汗を浮かび上がらせる、小学生同士の性交は終わった。

 志狼は直央のアナルへこれでもかと精液を注ぎ込み、直央はトイレの壁へ断続的にピュッピュと射精している。


「んっ……」

「んちゅ、しろう……」


 最後に、どちらかとも無く唇を重ね、繋がったまま長い長いキスをするのだった。








「はぁっ、はぁぁっ……何、やってるんだろボク」


 そんな、長い長い妄想は、直央の射精によって終わりを告げた。

 冷静になった頭で自己嫌悪を繰り返しながら、それでも自室のベッドから起き上がってティッシュで後処理をする。


「ははっ、しろう……だって? そんなふうに呼べた事、一回も無いのにっ」


 橘志狼が自分に好意を持っているのは分かるが、それは友人や同じグループの仲間としてで、岡村直央が抱く恋愛感情ではない。



 そんな事は薄々と気付いていたが、信じたくはなかった。だが、今日、確定した。


「わっはーっ♪ すげぇ、やっぱ大人だよなぁ!!」


 事務所の休憩室で、志狼がプロデューサーの毛むくじゃらな股ぐらに顔を埋め、その野太い陰茎にむしゃぶりついていたのだから。

 当のプロデューサーはヤメるように説得しているようだったが、志狼がスマホを取り出すと言葉を止めた。


「なんだよ、オレとのかんけーがバレてもいいのか?」


 恐らく、この関係は志狼から持ち掛けたのだろう。そして、普通の方法では想いが遂げられないと悟り、何か罠を張った。

 プロデューサーは、それに引っ掛かったのだ。だから抵抗できない。なすがままに男性器を勃起させられ、声を殺した吐息を漏らす。



 そうまでして、プロデューサーを繋ぎ止めたい……もはや、叶う筈も無かった。


 岡村直央と橘志狼は、恋人同士にはなれない。


 しかし、恋人同士ではないのなら? ただ、性行為を共有する関係なら?

 それなら、成る。人の隙を突くウルトラCで。ましてや相手は、子供に脅されてる隙だらけの大人なのだ。


「ボクも、交ぜてくれますか? 交ぜて、くれますよね? バラされたくないなら……ボクも、交ぜてください」


 行動は早い。二人の関係を知ってから、たったの三日後。

 仕事終わりにプロデューサーを休憩室へ呼び出し、何故か着いて来た志狼にも聞こえるように、直央は拒否の不可能な問を投げ掛けた。



 最初こそ志狼に非難されるだろうが、そんなのはすぐに馴れるし、気にならなくなる。

 それに、これからは三人で一緒。もふもふえんとはメンバーを変えた三人組。



 これからは、ずっと……


「しろう君と、一緒だねっ♪」





おわり(ホ嘘)



P「ほー」ジィーッ

P「休憩中に、ノートへ何を書いてるのかと思ったが……」ニヤニヤ


直央「うわあああああああああ!!」

直央「返してくださーい!!」ピョンピョン



志狼「うっせぇーなーっ、なに騒いでんだよっ?」ヒョコッ

直央「しっ、ろ……うわああああああ!! こっち来ちゃダメえええ!!!」ワタワタ


P「あー、はいはい。休憩おわりー!! かのんを連れて来てくれ。パン食い競争の練習するぞ」

P「スポーツ大会は近いんだから、気合い入れろよっ!!」グッ



   次回予告


 遂に始まった、ゴールデンタイム生放送のスポーツ大会。

 765プロ、CGプロ、315プロ、それぞれのアイドルが事務所の看板を掛けて激突し合う!!


 しかし最後の競技は、アイドルでは無くプロデューサーが戦う、『目隠しでの利きオナホ対決』であった。


 真のオナホマイスターは、どのプロデューサーなのかッ!? アイドル達の声援が加速する!!



 次回 アイドルマスターsideM

 「オナホマイスターは俺だっ!!」



おわり

確かに出てこなかった

直央きゅんかわいいよ直央きゅん



P「765対CG対315。スポーツ大会」【sideM】
P「765対CG対315。スポーツ大会」【sideM】 - SSまとめ速報
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