和「エトペンの復讐」 (47)
全国大会2回戦終了後 清澄部屋
久「では、清澄高校麻雀部準決勝進出を祝ってー」
全員「かんぱーい!」カチャン
まこ「いやーそれにしてもウチと姫松が準決勝進出とはのー」
久「あら、まこは永水と姫松が勝ちあがると思ってたのかしら?」クスクス
まこ「ア、アホ!何を言っとるんじゃ!」
久「冗談よ」
久「私たちが準決勝進出できたのはまこ、咲、和、優希、みんなのおかげよ。……ほんとうに感謝してるわ」
和「部長……」
優希「部長、もう一人忘れてるじぇ!」
久「もう一人?」
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優希「ほら、のどちゃんのおっぱいを支えるやつ!」
咲「あ、エトペン!」
和「こら!優希!」
久「ふふ、そうね。エトペンも試合に出て和をサポートしてくれたわ」
久「ありがとう、エトペン」
エトペン「……」
まこ「それにしても……高校生にもなって全国大会にぬいぐるみを抱きながら麻雀するとはのう」
優希「のどちゃんお子ちゃまだじぇー!」ゲラゲラ
和「し、知りません!」プイッ
和「ほら、須賀君が作ってくれた料理が冷めてしまいますよ!はやくいただきましょう!」
久「そういえば、須賀君はどこにいったのかしら?」
咲「さっきトイレに行きました」
優希「もうお腹ペッコペコだじぇ、犬はほっといてはやく食べようじぇ〜!」
まこ「それもそうじゃの。いただくとするか!」
優希「いっただきまーす!」ムシャコラムシャコラ
まこ「お、これはなかなかいけるのう!」パクパク
和「……私たちもいただきましょうか」
咲「うん、そうだね」
久「あら、須賀君お料理上手なのね」モグモグ
優希「ふぅー……満腹だじぇー」ゲップ
まこ「食い過ぎじゃあ、われは」
咲「あはは……」
久「あら、もうこんな時間ね」
久「さぁ、みんな。明日に備えて寝るわよ!」
優希「部長ー、食ってすぐに寝るとのどちゃんになるじぇー」
和「?」
優希「のどちゃんの胸みたいに脂肪がつきやすくなるんだじぇー」ゲップ
和「なりません」
久「じゃあ消灯するわ。みんなおやすみー」
まこ「はいよ」
優希「じぇー……zzz」
咲「おやすみなさい」
和「おやすみなさい」
エトペン「……」
エトペン「……」
エトペン「……」
エトペン「……さぁ復讐の時間だ」
姫松高校のホテル
末原「……」
洋榎「なぁ恭子、そろそろ元気出しや」
漫「準決勝で清澄をボコボコにやり返しましょう!」
由子「明るい恭子が見たいのよー」
絹恵「末原先輩……」
ガチャッ
郁乃「あれ〜、まだ末原ちゃん落ちこんどるん〜?」
洋榎「あ、オバハン」
由子「そうなのよー、代行も何とかしてほしいのよー」
郁乃「ん〜、ショック療法とかあるけどもう深夜1時まわったからまた今度〜」
郁乃「みんなも明日に備えてしっかり寝とくんやで〜」
バタンッ
洋榎「げっ、もうこんな時間や!」
由子「今日はもう寝るのよー」
漫「末原先輩、ベッドまで歩きますよ!」
末原「……」
漫「主将ー、手伝ってください!」
洋榎「ほら、恭子しっかりせえ!」
末原「……」
絹恵(末原先輩大丈夫やろか……)
期待せざるを得ない
これは期待
ちょっと恐いけど続きが気になる
何が始まるんです…
そういや凄い勢いで蹴っ飛ばされてたよな理由もなく
洋榎「よし、恭子をベッドまで運んだことやしウチらも寝るとするか!」
漫「そうですね」
由子「眠いのよー」
絹恵「末原先輩、明日になったら元気になってるといいですけど……」
洋榎「ま、恭子はいつまでもウジウジするやつやないし大丈夫やろ」
洋榎「んじゃ、ここで解散ー。おやすみー」
漫「お疲れ様です!」
由子「おやすみなのよー」
絹恵「……」
洋榎「ん?」
洋榎「どうした、絹?」
絹恵「な、何でもない……」
洋榎「あ、わかったで。ウチと一緒に寝れんのが寂しいんやろー?」
洋榎「前回の合宿は皆で雑魚寝やったけど今回はホテルでシングル部屋やからな」
洋榎「ま、心細くなったらいつでも来いやー」
絹恵「ち、違うもん!おやすみ!」
バタンッ
絹恵(うぅ……)
絹恵(さっきは見栄張ってしもーたけど、いつもお姉ちゃんと一緒に寝とるから)
絹恵(一人で寝るのは慣れてへんねん……)
絹恵「……はぁ」
絹恵「末原先輩がナーバスになってる今、周りの人達がしっかりサポートせなあかん!」
絹恵「そのためにも、しっかり睡眠とるで」
絹恵「……おやすみなさい」
そのころ清澄部屋
優希「もうタコスは食えないじょ〜……zzz」
エトペン(……全員ぐっすり寝てるな)
和「んっ……エトペン……」ダキッ
エトペン(しかし、原村和が私を抱きかかえてるせいで身動きがとれない)
エトペン(仕方ない、原村和の体に乗り移って行動するしかないな)
エトペン「おはよう、のどっち!」
ピカッ!
和(エトペン)「……成功ですね」
和(エトペン)「さて、時間も限られてますしさっさとやっちゃいますか」
和(エトペン)「楽しみにしててね、姫松の副将さん」ニコッ
ここから和(エトペン)を和にします
中身はエトペンが乗り移ったままです
姫松高校のホテル
コンコン
絹恵「……ん」
コンコンコンコン
絹恵(こんな時間に誰や?……)
絹恵「はーい、今出ます」
ガチャッ
絹恵「って、アンタは」
和「こんばんは♪」
絹恵「清澄の副将……」
絹恵(なんで私の部屋知っとるんやろ。それに真夜中にやってくるとか非常識や……)
絹恵(しかも対局中抱えてた変なぬいぐるみまで連れてきとるし……)
絹恵「あの……」
和「?」
絹恵「何か用ですか?」
和「ええ。昨日のことで少しお話がありまして」
絹恵「はぁ……せやったら、部屋の中で話しましょうか」
絹恵「夜中に立ち話したら他の人に迷惑やし」
和「そうですね。では失礼します」
バタンッ
絹恵「で、話とは何ですか?」
和「単刀直入に言いますね」
和「死んでくれませんか?」
絹恵「……は?」
絹恵(死ねって……何いっとるんやこの人)
絹恵(こんな時間に他校の選手の部屋に乗り込んでくるし)
絹恵(頭おかしいんちゃうか……?)
絹恵「え、えーっと……よくわからんのやけど」
和「昨日の副将戦対局前のことを覚えていますか?」
絹恵「昨日……」
絹恵(確か永水の巫女と今目の前にいる清澄の副将が騒いでいて……)
絹恵(それで不気味なぬいぐるみが転がってきて私がそれを蹴っ飛ばして……)
絹恵「あっ!」
和「思い出しましたか?」
絹恵「あの時はホン…ッマにすいませんっした…!」
和「……」
絹恵(あれそんな大事な物やったんか……)
絹恵(こんな時間に来てまで謝罪を要求するとか清澄の副将さんは根に持つタイプなんやな)
和「……すごく痛かったです」
絹恵「?」
和「まるでサッカーのキーパーに蹴られているかのようでした」
絹恵「??」
和「ふふ。混乱するのもわかります」
和「申し遅れました、私はエトペンといいます」
和「今は原村和さんの体をお借りしてこうやってあなたと話をしています」
和「これで少しは話が通じますか?」
絹恵「……は?」
絹恵(ほ、ほんまに何いっとるんやこの人……)
絹恵(おかしな電波にでもやられたんちゃうか?)
和「ま、いきなりこんなこと言われても信用できませんよね……仕方ない」
和「では、これから10秒間あなたの意識をこのぬいぐるみに移しますね」
絹恵「な、何を言って——」クラッ
絹恵(?)(な、なんや……いきなり視界が真っ暗になってそれから——)
絹恵(?)(えっ……)
絹恵(?)(目の前に私がおる……)
和「これで理解できたかな?」ヒョコッ
絹恵(?)(清澄の副将の顔が目の前に……?)
和「はい、鏡で今の自分の姿を認識すれば何が起こってるかわかるでしょ」サッ
絹恵(?)(……)
絹恵(?)(な、何やこれ……私がエトペンになったんか……?)
和「そろそろ元の体に戻ってもらうね」
和「えいっ」
絹恵(?)「ぐっ……また目の前が真っ暗に——」クラッ
絹恵「……はっ」
絹恵(な、何やったんや今のは)
和「これで少しは私の話を信用してくれますか?」
絹恵「えっ?」
和「ま、いいです。話を戻しますね」
和「確かにあなたはあの時、私……つまり、あのぬいぐるみですね」
和「ぬいぐるみを蹴ったことに対して原村和さんに謝罪しました」
和「しかし……」
絹恵「……」
和「ぬいぐるみに対しての謝罪はあったでしょうか?」
和「いいえ、ありませんでした。謝罪どころか不気味やさかいとも仰ってました」
和「そこで私は決意したんです」
和「あなたを殺すってね」
和「だから……」
和「死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください
死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください
死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください
死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください
死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください
死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください
死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください
死んでください死んでください死んでください死んでください死んでください」
絹恵「ひっ」ゾクッ
絹恵(ヤ、ヤバイ……こいつ目が本気や……!)
絹恵(このままやとほんまに殺される……!)ダッ
和「……」
絹恵(とりあえずこの部屋から出てお姉ちゃんのところへ——)
ガチャガチャ
絹恵(あ、開かへん!なんでや!)
和「逃げても無駄ですよ。この部屋のあらゆる出口は私のオカルトで封鎖しておきました」
和「さぁ、諦めて大人しくしてくださいね」ニコッ
絹恵「い、いやや!死にたくない!誰か……誰か助けてええええええ!!」
和「……ふふふ。冗談ですよ」
絹恵「へ?」
和「あなたの命までは奪いませんよ。……後始末も面倒ですから」
絹恵「そ、それじゃ——」
和「だから、あなたには罰を与えることにしました」
絹恵「罰……?」
和「はい、あなたの意識をこのぬいぐるみに移し私があなたの体を乗っ取ることにしました」
和「普通に殺されるよりよっぽど残酷かもしれませんね」
和「だってあなたの大好きなお姉ちゃんと私が話してるところをずーっと眺めなきゃならないから!」
和「そうだ。他にもあなたのお姉ちゃんと手をつないだりキスしたりHするところも見せつけちゃおっかな?」
和「あっはっは、我ながらいい発想だよ」
和「ねえ、どう思う"愛宕絹恵"さん?」
絹恵「……」カタカタ
絹恵「ゴメ……サイ」カタカタ
和「?」
絹恵「何でも……何でもしますから……それだけは許して……ください」カタカタ
和「へぇ」
和「今」
和「何でもするって」
和「言ったよね?」
絹恵「は、はい……」
和「じゃあ……」
絹恵「……」ゴクリ
和「何でもするならあなたの体を乗っ取ってもいいんだよね?」ニヤッ
絹恵「い、い……」
和「?」
絹恵「い、いやああああああああ!!」
絹恵「お姉ちゃあああああん、助けてええええええ!!」ガチャガチャガチャガチャ
ガシッ
絹恵「!?」
和「つーかまえたっ」
和「さぁ、あなたの体……いただいちゃうね」
絹恵「いやだいやだいやだいやだいやだいやだああああああああ!!」
絹恵「お姉ちゃ——」
ブツッ
ここで愛宕絹恵の意識は途切れてしまいました
絹恵「ふぅ、ちゃんと愛宕さんの体に乗り移れてるね」
絹恵「エトペンのほうは——あは、ショックで気絶してるよ」
絹恵「ま、ぬいぐるみなんて私以外喋れない、動けないんだから意識があってもなくても見た目はおんなじだけど」
和「んんっ……」
絹恵「おっと、こうしちゃいられないな」
絹恵「私が彼女から乗り移っちゃったから原村和が目覚めちゃうよ」
絹恵「元の場所に返さなきゃ」
絹恵「じゃ、また会おうね……愛宕絹恵さん」
エトペン「……」
翌朝 清澄部屋
和「こら、優希!また私のエトペンを隠したんでしょう!」
優希「えぇっ、今日はそんなことしてないじぇ!」
和「嘘おっしゃい!ほら、はやく返しなさい!」
優希「うわーん!咲ちゃん、助けてほしいじょー……」
咲「あはは……」
同時刻 姫松高校のホテル
絹恵「お姉ちゃん〜♪」ダキッ
洋榎「な、なんや絹。朝からテンション高いな」
絹恵「えへへ、なんもない〜」
由子「それより、恭子がまだロビーに来ないのよー」
洋榎「まーだ引きずっとんのか!」
絹恵「じゃ、皆で末原先輩を呼びにいきましょう!」
漫「朝食バイキングへ行くためにもはやく迎えにいきましょう!」
洋榎「……あれ?」
洋榎「そういえば絹、なんか変なぬいぐるみ連れてきとるけど……」
由子「どこかで見たことがあるのよー」
漫「あっ、それ清澄の副将が対局中抱えてたやつじゃないですか?」
絹恵「これな、昨日偶然原村さんとコンビニで出会った時にもらったんや〜♪」
エトペン「……」
洋榎「ふーん……」
洋榎「あーもう、お腹減ったわ!はやく恭子連れてきて飯にしようや!」
由子「ホテルのスクランブルエッグをはやく食べたいのよー!」
漫「えっ!?ここ洋風のバイキングなんですか?鰻食べたかったわー」
洋榎「よっしゃ、恭子の部屋までかけっこ勝負や!じゃ、そういうことで」ヒューン
絹恵「あ、待ってお姉ちゃん」タッタッタ
由子「やれやれなのよー」タッタッタ
漫「あ、待ってくださいー!」タッタッタッ
エトペン(お姉ちゃん……本当の私はここにいるよ……助けて……)
カン
え?
いやいやこっからでしょうに
続きが気になりすぎる
後日でいいから書いてほしい
おい
おい
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