坊っちゃんとメイド (77)
――朝 坊っちゃんの部屋
メイド「おい、起きろ」
坊っちゃん「まだ眠い……」
メイド「眠いのは私も同じだ、さっさと起きろ」
坊っちゃん「……」
メイド「……なるほど、起きる気は無いと言う事か」ギュッ
坊っちゃん「んっ……」
メイド「……」
坊っちゃん「ん~っ、んん~っ」バタバタ
メイド「……」パッ
坊っちゃん「お前ふざけんなよ!!鼻と口をふさいだら死んじゃうだろ!!」
メイド「永遠に眠りたいのかと思ってな」ニヤッ
坊っちゃん「……」
メイド「朝食は出来てるから早く来い」
坊っちゃん(クソッ、なんて奴なんだ……)
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――食堂
坊っちゃん「……何だコレ?」
メイド「何に見える?」
坊っちゃん「カツ丼に見える」
メイド「お前の目は正常だ、良かったな」
坊っちゃん「何でカツ丼なんだ?」
メイド「今日は体育があるだろ?坊っちゃんが勝てるように験を担いだんだ」
坊っちゃん「体育に勝ち負けなんかねーよ!!」
メイド「お前はバカか?やるからには一番になれと言ってるんだ」
坊っちゃん「バカはお前だ!!」
――
坊っちゃん「行ってきます」
メイド「ちょっと待て」
坊っちゃん「ん?」
メイド「寝癖がついてるぞ、直してやるからこっちに来い」
坊っちゃん「ちゃんと直せよ?」
メイド「任せておけ……よしっ、直ったぞ」
坊っちゃん「ご苦労」
メイド「ありがとうだ」ゴンッ
坊っちゃん「痛っ……ありがとう」
メイド「それで良い、今日も元気に学校へ行ってこい」
坊っちゃん「行ってきます」
メイド「行ってらっしゃい」
――夕方
坊っちゃん「メイドォォォォォ!!」
メイド「ただいまはどうした?」
坊っちゃん「そんな事よりお前…」
メイド「ただいまはどうした?」
坊っちゃん「……ただいま」
メイド「お帰りなさい」
坊っちゃん「コレはお前の仕業か?」ピラッ
メイド「ん?何だ?」
坊っちゃん「……その紙がボクの背中に貼ってあったんだ」
メイド「ボクの尻を蹴って下さい……か、なかなかマニアックな趣味だな」
坊っちゃん「お前が貼ったんだろ!!バンバン蹴られたんだぞ!!」
メイド「……朝、寝癖を直しただろ?その時に貼ったんだ」
坊っちゃん「何でだ?」
メイド「コレで友達が増えると思ってな」
坊っちゃん「増えねーよ!!むしろイジメられるよ!!」
メイド「何だと?イジメられてるのか?」
坊っちゃん「イジメられてねーよ!!友達いっぱいいるよ!!」
メイド「私のおかげだな」
坊っちゃん「……」
――夜 食堂
坊っちゃん「ごちそうさま」
メイド「待てコラ」
坊っちゃん「何だ?」
メイド「ニンジンが残ってるだろ?」
坊っちゃん「嫌いなものは食べない主義なんだ」
メイド「ふざけるな、今日こそ食べてもらうぞ」
坊っちゃん「絶対に食べない」
メイド「やれやれ……仕方ないな」モグモグ
坊っちゃん「お前が食べるのかよ……」
メイド「……」ガシッ
坊っちゃん「何だよ、離せよ」
メイド「……」ブチュ
坊っちゃん「んん~っ!?」
メイド「……口移しだ、嬉しいだろ?」
坊っちゃん「……ふ、ふざけんなババァ!!」
メイド「ババァとはなんだ、私はまだ22歳だぞ」
坊っちゃん「はっ、ボクより一回りも上ならババァだろ」
メイド「お前死にたいのか?」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「死にたいのか?……私をババァ呼ばわりするとは……殺すぞ?」
坊っちゃん「……死にたくないです……」
メイド「二度と私をババァと呼ぶなよ?」
坊っちゃん「は……はい!!」
メイド「分かれば良いんだ」
坊っちゃん(怖っ!!……ババァと呼ぶのは封印しよう)
――坊っちゃんの部屋
坊っちゃん(……悔しい)
坊っちゃん(アイツを何とかギャフンと言わせたい)
坊っちゃん(……そうだ、部屋の入り口にロープを仕掛けたら転ばないかな?)
坊っちゃん(……やるだけやってみよう)
――
坊っちゃん(こんな感じかな?)
坊っちゃん(次は携帯でアイツを呼んで……)ピッ
プルル プルル
メイド「何だ?」
坊っちゃん「すぐに来てくれ」
メイド「分かった」ガチャ
坊っちゃん(あとは待つだけだな)
タッタッタッ
坊っちゃん(来たな……)
メイド「入るぞ」ガチャ
坊っちゃん(今だ!!)グイッ
メイド「……何やってんだ?」
坊っちゃん「……アレ?」
――
メイド「なるほど、私を転ばそうとしたのか」
坊っちゃん「……」
メイド「お前はバカだな、いくら廊下を走ってたとしてもドアの前で止まるだろ?」
坊っちゃん「……」
メイド「そこにロープを仕掛けたって転ぶはずないだろ?」
坊っちゃん「……」
メイド「……つまらんイタズラをした子にはお仕置きが必要だな」
坊っちゃん「な…何をする気だ?」
メイド「……楽しい事さ」
――
メイド「こんなもんか……ロープで縛られた気分はどうだ?」
坊っちゃん「……変態め」
メイド「ほぅ……ずいぶん威勢が良いな、最後までその調子で頑張れよ?」
坊っちゃん(くっ……コイツ何するつもり何だ?)
メイド「まずはお前をうつ伏せにしてズボンとパンツを脱がします」ズリッ
坊っちゃん「ちょっ…ふざけんな!!何してんだよ!!」
メイド「ふふふっ、お前の尻は丸出しだぞ?恥ずかしいか?」
坊っちゃん「当たり前だ!!早く戻せ!!」
メイド「そう慌てるな、写真を撮ってからだ」カシャ カシャ
坊っちゃん「なっ!?……やめろ…撮るなぁぁぁぁぁぁ!!」
メイド「……」カシャ カシャ
坊っちゃん(うぅっ……屈辱だ……)
メイド「ふぅ……良い画が撮れたな」
坊っちゃん「お前は悪魔だ……」
メイド「何とでも言え、本番はこれからだ」
坊っちゃん「何だと?」
メイド「覚悟は良いか?」ガシッ
坊っちゃん「やめろ…やめろぉぉぉぉぉ!!」
メイド「……」コチョコチョ
坊っちゃん「あはははははっ…やめっ…あははっ…」
メイド「……」コチョコチョ
坊っちゃん「あははははははっ…分かった…謝る…あはははっ…ごめんなさい…あはははははっ……」
メイド「分かれば良いんだ、ちゃんと反省しろよ?」
坊っちゃん「……はい」
続きは夜に書く
いいね
うちにもこんなババァメイド欲しい
――朝 坊っちゃんの部屋
メイド「坊っちゃん、起きろ」
坊っちゃん「…あと5年だけ寝かせろ……」
メイド「長すぎだ、ふざけてないで早く起きろ」
坊っちゃん「……」
メイド「そうかそうか、なら目覚めのキスをしてやろう」
坊っちゃん「分かった、起きるよ」
メイド「遠慮するなよ」
坊っちゃん「してねーよ!!」
メイド「素直じゃないな」チュッ
坊っちゃん「!?」
メイド「目が覚めたか?」
坊っちゃん「ふ…ふ…」
メイド「……夫婦はちょっと気が早いぞ?」
坊っちゃん「ふざけんな!!」
――
坊っちゃん「行ってきます」
メイド「待て、忘れ物だ」
坊っちゃん「ん?」
メイド「お弁当を忘れてる」スッ
坊っちゃん「あぁ、うっかりしてた」
メイド「優秀なメイドがいて良かったな?」
坊っちゃん「……」
メイド「良かったな?」
坊っちゃん「……ありがとう」
メイド「うむ」
坊っちゃん「行ってきます」
メイド「行ってらっしゃい」
――夕方
坊っちゃん「メイドォォォォォ!!」
メイド「帰ってきたら何て言うんだっけ?」
坊っちゃん「ただいまぁ!!」
メイド「お帰りなさい」
坊っちゃん「お前今日のお弁当は何のつもりだ!!」
メイド「どうかしたか?」
坊っちゃん「弁当箱にぎっしりゼリーが入ってるって何だよ!!」
メイド「急にゼリーが作りたくなったんだ」
坊っちゃん「だったら自分で食え!!」
メイド「ゼリーはそんなに好きじゃないんだ」
坊っちゃん「ボクだって別に大好物じゃねーよ!!」
メイド「お前まさか残したのか?」
坊っちゃん「全部食べたよ」
メイド「美味しかったか?」
坊っちゃん「……うん」
メイド「そうか、坊っちゃんの好きなイチゴ味にした甲斐があったな」
坊っちゃん「だからってお前……うっ」
メイド「どうした?」
坊っちゃん「……お腹空いた」
メイド「ふむ、やはりゼリーだけでは足りなかったか」
坊っちゃん「お前分かってたなら……」
メイド「コレをやろう」スッ
坊っちゃん「いや、うまい棒渡されても」
メイド「もう少しで夕食だ、とりあえずそれで我慢しろ……私の一番好きなメンタイ味だぞ?」
坊っちゃん「お菓子で我慢できるかぁ!!」
メイド「我慢しろ」
坊っちゃん「……はい」
――深夜 坊っちゃんの部屋
坊っちゃん(……復讐の時間だ)
坊っちゃん(毎日イタズラばっかしやがって、今こそ復讐してやる)
坊っちゃん(眠いのを我慢して起きてるんだ必ず成功してみせる!!)
――メイドの部屋
メイド「……」スヤスヤ
坊っちゃん(よしっ、寝てるな)
坊っちゃん(このポテチをメイドの口に…)グイッ
メイド「んっ…」モグモグ
坊っちゃん(マジで食べた!!)
坊っちゃん(も、もう一枚)スッ
メイド「……」モグモグ
坊っちゃん(良いぞ、マンガで見た通りだ……)
坊っちゃん(このまま1袋食べさせてやるからな、太ってしまえ)グイッ
メイド「……」
坊っちゃん(…アレ?もう食べないの?)
坊っちゃん(ほら、食べろよ)グイグイ
メイド「……コラ」ガシッ
坊っちゃん「キャアァァァァァァァァ!!」
メイド「変な悲鳴をあげるな……まったく、夜這いにでも来たかと思ったら……」
坊っちゃん「お、お、起きてたのか?」
メイド「寝ながらお菓子を食べれるワケないだろ、バカやってないでさっさと寝ろ」
坊っちゃん「だったら離せよ!!」
メイド「ダメだお前はここで寝るんだ」ガシッ
坊っちゃん「何でだよ!!」
メイド「うるさいな……おっぱいぐらいなら触って良いから大人しく寝ろ」
坊っちゃん「ふざけるな!!離せ!!」
メイド「……」ギュ-ッ
坊っちゃん(はぁ…また失敗だったか……)
――朝 メイドの部屋
メイド「坊っちゃん、起きろ」
坊っちゃん「うるさいぞ……」
メイド「お前パイルドライバーって知ってるか?」
坊っちゃん「分かった分かった、起きるよ」
メイド「最初から素直に起きろ」ヌギッ
坊っちゃん「おい」
メイド「ん?」
坊っちゃん「何でパジャマを脱ごうとしてるんだ?」
メイド「私の部屋で私が着替える……何が問題なんだ?」
坊っちゃん「ボクがいるだろ!!」
メイド「気にするな、存分に見るが良い」
坊っちゃん「誰が見るか!!」
メイド「ふふふっ、好きにしろ」
坊っちゃん「……」
メイド「……」
坊っちゃん「……」チラッ
メイド「……」
坊っちゃん(おぉ…アイツ結構おっぱい大きいな///)
――
メイド「……さて、着替え終わったワケだが……どうだった?」
坊っちゃん「何がだ?」
メイド「チラチラ見てたじゃないか」
坊っちゃん「み、見てねーよ!!」
メイド「……坊っちゃんのエッチ///」
坊っちゃん「……ぐぬぅ」
メイド「さぁ、早く着替えて食堂に来い……エロガキ」
坊っちゃん「誰がエロガキだ!!」
――夕方
坊っちゃん「ただいまぁ」
メイド「お帰りなさい」
坊っちゃん「うむ」
メイド「今日は宿題が出たみたいだな」
坊っちゃん「なんで知ってんだ?」
メイド「お前に関する事で私が知らない事などこの世に存在しない」
坊っちゃん「お、おぅ…そうか」
メイド「さっさと宿題をやれよ?」
坊っちゃん「えぇ~っ」
メイド「えぇ~っ…じゃない」
坊っちゃん「代わりにお前がやれよ」
メイド「甘えるな、後でちゃんと宿題してるか見に行くからな」
坊っちゃん(めんどくさいなぁ……)
―― 坊っちゃんの部屋
坊っちゃん(……とりあえず宿題してるフリをして誤魔化そう)
坊っちゃん(明日は日曜だし明日の夜やれば良いだろう……)
コンコン
坊っちゃん「ん?メイドか?」
メイド「入るぞ」ガチャ
坊っちゃん「……」
メイド「ちゃんとやってるか?」
坊っちゃん「見て分からないのか?」
メイド「宿題してるフリだろ?」
坊っちゃん「!?」
メイド「バレバレだ」
坊っちゃん「……」
メイド「そんなにやりたくないのか?」
坊っちゃん「……めんどくさい」
メイド「なら私と勝負しよう、坊っちゃんが勝ったら私が代わりに宿題をしてやる」
坊っちゃん「ホントか?」
メイド「ホントだ、ただしお前が負けたら真面目に宿題をやれよ?」
坊っちゃん「良いだろう」
坊っちゃん「で、なにで勝負するんだ?」
メイド「簡単なゲームだ、私が言った言葉を坊っちゃんが繰り返すんだ」
メイド「私がリンゴと言ったら坊っちゃんもリンゴと言う、これを10回達成できたらお前の勝ちだ……簡単だろ?」
坊っちゃん(コイツ何考えてんだ?そんなルールでボクが負けるはず無いのに……そうか!)
坊っちゃん「英語とかは無しだぞ」
メイド「日本語だけだ」
坊っちゃん「む、難しい言葉も無しだからな」
メイド「お前の知ってる言葉しか言わない」
坊っちゃん(アレェ?てっきり英語か難しい言葉を使うと思ったんだけどなぁ……)
メイド「どうするんだ?」
坊っちゃん(どう考えても絶対に負けないよな……)
メイド「やるのか?やらないのか?」
坊っちゃん「よしっ、勝負だ!!」
メイド「では始めるぞ……おっぱい」
坊っちゃん「は?」
メイド「聞こえ無かったか?『おっぱい』と言ったんだ」
坊っちゃん(コイツ……ハメやがったな!!)
メイド「どうした?お前の負けになるぞ?」
坊っちゃん「……っぱい」ボソッ
メイド「聞こえんな」
坊っちゃん「……おっぱい!!」
メイド「ふふふっ、あまり大声を出すなよ」
坊っちゃん(クソッ、楽しそうな顔しやがって……)
メイド「次行くぞ…メイド、好きだ」
坊っちゃん「そんな事言えるか!!」
メイド「ならお前の負けだな」
坊っちゃん「うぅ……メイド、好きだ…///」
メイド「次…メイド、愛してる」
坊っちゃん「メイド…あ、愛してる///」
メイド「次…メイド、結婚してくれ」
坊っちゃん「メイド…けけけ、結婚してくれ///」
メイド「次…」
坊っちゃん「もういい、ボクの負けだ……宿題やるよ」
メイド「最初から真面目にやっておけば良かったのにな?」
坊っちゃん「うるさい」
メイド「ところでコレ何だと思う?」スッ
坊っちゃん「?…ボールペンか?」
メイド「そう見えるだろ?ところがな」カチッ
『メイド…けけけ、結婚してくれ』
坊っちゃん「!?」
メイド「ボイスレコーダーなんだ」
坊っちゃん「お前ぇぇぇぇぇぇ!!」
メイド「また私に弱味を握られたな?」
坊っちゃん「すぐに消せ!!」
メイド「それはできない、今日から目覚ましに使うつもりだからな」
坊っちゃん「ふざけんな!!」
メイド「私は真面目だ、毎朝坊っちゃんに『けけけ、結婚してくれ』なんて言われるかと思うと胸が熱くなるな」
坊っちゃん「お前性格悪すぎだぞ…」
メイド「それが私のチャームポイントだ」
坊っちゃん「……」
今日は終わり
乙
おねショタは正義
――朝 坊っちゃんの部屋
メイド「起きろ、もう朝だぞ」
坊っちゃん「……バカが、今日は休みだ」
メイド「私に休みは無い、早く起きろ」
坊っちゃん「お前も休みで良いぞ」
メイド「本当か?」
坊っちゃん「本当だ」
メイド「じゃあ遠慮無く」モゾモゾ
坊っちゃん「なんでベッドに入ってくるんだ?」
メイド「二度寝するんだ」
坊っちゃん「自分の部屋で寝ろ」
メイド「一秒でも早く寝たいんだ」
坊っちゃん「……分かったよ、起きれば良いんだろ」
メイド「……」
坊っちゃん「おい、早く出ていけよ」
メイド「……美女が隣で寝てるのに何もしないのか?」
坊っちゃん「美女じゃないし起きてるだろ……」
メイド「何だと?」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「お前は私が美女じゃないと思ってるのか?」
坊っちゃん「いや…そんな事は…」
メイド「私は可愛くないのか?」
坊っちゃん「……」
メイド「どうなんだ?」
坊っちゃん「……可愛いよ」ボソッ
メイド「私の目を見て言ってくれ」
坊っちゃん「……か、可愛いよ///」
メイド「お前の方が可愛いよ」キリッ
坊っちゃん「は?」
メイド「ドキッとしたか?」
坊っちゃん「するワケねーだろ……」
――昼
坊っちゃん(良い天気だな…外に遊びに行くか)
メイド「入るぞ」ガチャ
坊っちゃん「どうした?」
メイド「今日は天気が良いからお前の服を全て洗濯する」
坊っちゃん「そうか」
メイド「早く脱げ」
坊っちゃん「は?」
メイド「全て洗濯すると言っただろ?」
坊っちゃん「今着てるのは洗わなくて良いだろ?」
メイド「脱げ、それとも剥かれたいのか?」
坊っちゃん「……分かったよ」ヌギッ
メイド「パンツもだ」
坊っちゃん「ふざけんな!!裸でいろって言うのか!!」
メイド「パンイチも全裸も変わらんだろ?」
坊っちゃん「変わるわ!!」
メイド「冗談だ、ちゃんと代わりの服は用意してある」
坊っちゃん「……後ろ向いてろ」
メイド「はいはい」クルッ
坊っちゃん(……うぅ…何でこんな目に…)ヌギッ
メイド「まだか?」
坊っちゃん「……脱いだよ」
メイド「うむ」クルッ
坊っちゃん「こ、こっち見るなよ…///」
メイド「ほぅ……」
坊っちゃん「見るなってば……///」
メイド「なぜチンチンを隠してるんだ?」
坊っちゃん「いいから早く出ていけ」
メイド「ではパンツも持って行くぞ」クンクン
坊っちゃん「何嗅いでんだ!!」
メイド「ふふふっ」ニヤニヤ
坊っちゃん「…ド変態め」
――
坊っちゃん(遅い…何やってんだ?早く着替え持って来いよ…)
メイド「入るぞ」ガチャ
坊っちゃん「…遅いぞ」
メイド「すまんな、コレが着替えだ」バサッ
坊っちゃん「なん…だと…?」
メイド「不満か?」
坊っちゃん「当たり前だ!!コレ女物じゃねーか!!」
メイド「私が昔着ていた服だ」
坊っちゃん「こんな物が着れるか!!」
メイド「なら全裸でいるんだな」
坊っちゃん「くっ……」
メイド「パンツはコレだ」ピラッ
坊っちゃん「!?」
メイド「クマちゃんパンツだ可愛いだろ?」
坊っちゃん「ふざけんな!!」
メイド「こっちの縞パンにするか?」ピラッ
坊っちゃん「普通のを持ってこい!!」
メイド「やれやれ…良く考えろ、服が可愛い女物なのに下着が男物じゃおかしいだろ?」
坊っちゃん「……」
メイド「3択だ」
坊っちゃん「3択?」
メイド「1:ノーパン 2:クマパン 3:縞パン どれにする?」
坊っちゃん「……3だ」
メイド「坊っちゃんは縞パンが好きなのか」
坊っちゃん「消去法だよ!!」
メイド「うんうん、そう言う事にしといてやろう」
坊っちゃん「……」
――
メイド「さすがは坊っちゃんだな、可愛いぞ」
坊っちゃん「さっさと出ていけ」
メイド「ちょっと待て、写真を…」
坊っちゃん「出てけ!!」
メイド「はいはい」
坊っちゃん(……この屈辱は絶対に忘れないぞ…)
――夕方
坊っちゃん「……」ゴロン
坊っちゃん「……」ゴロン
坊っちゃん(暇だ…この服じゃ外にでれないし、こうやってゴロゴロする事しかできない…)
坊っちゃん(しかしスカートって落ち着かないなぁ……)
メイド「入るぞ」ガチャ
坊っちゃん「…こんどは何だ」
メイド「……ふむ」
坊っちゃん「ん?」
メイド「なかなか良いものだな」
坊っちゃん「何がだ?」
メイド「パンチラだ」
坊っちゃん「!?」ガバッ
メイド「お?サービスは終わりか?」
坊っちゃん「みみみ、見てんじゃねーよ!!///」
メイド「ほぅ…なるほどなるほど」
坊っちゃん「何だよ!!」
メイド「男達がパンチラを見たがる気持ちが分かったぞ?」
坊っちゃん「変態!!何しに来たんだよ!!」
メイド「ちょっと買い物に付き合ってくれないか?」
坊っちゃん「この格好で外に出ろって言うのか?」
メイド「うむ、ちゃんとウィッグも用意したから安心しろ」
坊っちゃん「1人で行け」
メイド「荷物が多くなりそうなんだ」
坊っちゃん「知るか」
メイド「お前の服全部燃やすぞ?」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「一緒に来ないなら明日から男の娘になってもらうぞ?」
坊っちゃん「そんな事できないだろ?」
メイド「今まで私がやると言ってできなかった事があったか?」
坊っちゃん「……」
――薬局
坊っちゃん「ここか?」
メイド「ここだ」
坊っちゃん「さっさと買い物を終わらせるぞ」
メイド「そんなに慌てるな」
坊っちゃん「ボクは早く帰りたいんだ!!」
メイド「何で?」
坊っちゃん「こんなとこ誰かに見られたらどうすんだ!!」
メイド「騒ぐと余計目立つぞ?」
坊っちゃん「……」
――
メイド「必要な物は買ったし帰るか」
坊っちゃん「おい、荷物多くなるとか言ってなかったか?」
メイド「言ったな」
坊っちゃん「袋1個じゃねーか!!」
メイド「意外と少なかったな」
坊っちゃん「……もういい、早く帰るぞ」
メイド「少し遠回りして帰ろう」
坊っちゃん「断わる」
メイド「良いから来い」ズルズル
坊っちゃん「離せ!!引き摺るな!!」
――近所の高台
メイド「どうだ、良い景色だろ?」
坊っちゃん「……まぁな」
メイド「私のお気に入りの場所なんだ」
坊っちゃん「……」
メイド「どうしても坊っちゃんとこの景色を見たくて…だから買い物に付き合ってもらったんです……///」
坊っちゃん「……メイド」
メイド「……坊っちゃん」
坊っちゃん「……だったら別に今日じゃなくても良かったよな?」
メイド「チッ…気付いたか」
坊っちゃん「ボクを女装させて連れ出した理由は何だ?」
メイド「そっちに…お前がそっちに目覚めたら面白いな……と思って」
坊っちゃん「お前…そんな理由で……」
メイド「そろそろ帰るか」
坊っちゃん「……」
続きは明日
乙
おねショタは至高
素晴らしい
おねショタは良いものだ
――朝 坊っちゃんの部屋
バァン
坊っちゃん「んぁ!?」
メイド「すまん、寝坊した!!」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「学校の準備は私がしておく、急いで顔を洗ってこい」
坊っちゃん「わ、分かった」
――
メイド「急げ、今なら走れば間に合う」
坊っちゃん「行ってきます」ダダダッ
メイド「行ってらっしゃい」
――夕方
坊っちゃん「おいコラァァァァァァ!!」
メイド「……」
坊っちゃん「寝坊だなんて嘘じゃねーか!!」
メイド「……」
坊っちゃん「何とか言えよ!!」
メイド「何か言い忘れて無いか?」
坊っちゃん「…ただいま」
メイド「お帰りなさい」
坊っちゃん「何で嘘ついたんだ?」
メイド「時間を見間違えたんだ」
坊っちゃん「じゃあコレは何だ?」スッ
メイド「ウサギのぬいぐるみ……可愛いじゃないか」
坊っちゃん「いつの間にかカバンに入ってたんだ」
メイド「寂しかったんじゃないか?」
坊っちゃん「自分で入ったって言うのか?」
メイド「メルヘンだな」
坊っちゃん「お前が入れたんだろ!!」
メイド「そのウサギはお前の為に買っておいた物だ、部屋に飾ると良いぞ」
坊っちゃん「誰が飾るか!!」
――夜 坊っちゃんの部屋
坊っちゃん(調子に乗りやがって)
坊っちゃん(今日こそ痛い目見せてやる)
坊っちゃん(ロープは失敗したから今回は油だ)
坊っちゃん(油なら踏めば滑るはず……やるぞ!!)
――
坊っちゃん(ちょっと撒きすぎたかな?)
坊っちゃん(…まぁ良いやメイドを呼ぼう)
プルル プルル
メイド「なんだ?」
坊っちゃん「ボクの部屋まですぐに来い」
メイド「分かった」ガチャ
坊っちゃん(かかったな……無様に転んでもらうぞ!!)
――
タッタッタッ
坊っちゃん(来たな……クククッ、実に楽しみだ)
メイド「入るぞ」ガチャ
坊っちゃん「ちょっとこっちに来い」
メイド「何の用…うわっ!?」ツルッ
バタ-ン
坊っちゃん「ヒャッハー!!やったやった、ついに転ばせてやったぞ!!」
メイド「……」グタッ
坊っちゃん「おい、いつまで倒れてんだ?そんなに悔しいのか?」
メイド「……」
坊っちゃん「…おい、どうした?」
メイド「……」
坊っちゃん「……おい、嘘だろ?」
メイド「……」
坊っちゃん「メイド、大丈夫か?しっかりしろ!!」ユサユサ
メイド「……」ガシッ
坊っちゃん「えっ?」
メイド「……やってくれたな?」
坊っちゃん「は、離せ!!」
メイド「もう離さないぞ?」ガシッ
坊っちゃん「やめろ!!離せ!!」バタバタ
メイド「さぁ、一緒に油まみれになろうか」ゴロゴロ
坊っちゃん「ギャアァァァァァ!!」
――
坊っちゃん「……ふざけんな!!全身ベトベトになっちゃったじゃねーか!!」
メイド「お前の下らないイタズラのせいだ」
坊っちゃん「お前のせいだよ!!」
メイド「とりあえずお風呂に入るぞ」
坊っちゃん「ん?」
メイド「ベトベトじゃ寝られんだろ?着替えを用意してやるからお風呂に入ってこい」
坊っちゃん「分かった」
――お風呂
坊っちゃん(メイドめ…余計な事しやがって)ゴシゴシ
坊っちゃん(何でこんな時間に風呂に入らなきゃならないんだ)
メイド「入るぞ」バタン
坊っちゃん「えっ!?」クルッ
メイド「ん?」
坊っちゃん「おおお、お前…お前…///」クルッ
メイド「なんだ?」
坊っちゃん「何で入ってくるんだ!!」
メイド「私にベトベトのままで寝ろと言うのか?」
坊っちゃん「ななな、何で裸なんだ!!」
メイド「服を着て風呂には入らんだろ?」
坊っちゃん「出ていけ!!」
メイド「断わる……背中を洗ってやろう」
坊っちゃん「いらん!!」
メイド「スポンジを渡せ」
坊っちゃん「……」
メイド「……分かった、スポンジの代わりにおっぱいで洗えと言う事だな?……変態め」
坊っちゃん「違うよ!!」
メイド「だったらさっさと渡せ」
坊っちゃん「……絶対に変な事するなよ?」スッ
メイド「任せておけ」
メイド「……」ゴシゴシ
坊っちゃん「……」
メイド「……よしっ、次は前を洗うぞ」
坊っちゃん「ふざけんな」
メイド「ふざけてない、こっちを向け」
坊っちゃん「イヤだ」
メイド「何でだ?」
坊っちゃん「だって…お前…裸だし…」
メイド「……ほぅ、そうかそうか」
坊っちゃん「?」
メイド「まだまだ子供だと思っていたが……ポークビッツがシャウエッセンになってると言うワケか」
坊っちゃん「なってねーよ!!」
メイド「いやいや、コレは私が悪かった……では私は自分の体を洗ってるからその間にお前は頭を洗っておけ」
坊っちゃん「分かった」
メイド「……」ゴシゴシ
坊っちゃん(……コイツには恥ずかしさを感じる心が無いのか?)ワシャワシャ
坊っちゃん(……無いんだろうなぁ…)シャ-
坊っちゃん(……?…泡が…無くならない…?)
坊っちゃん「おい」
メイド「なんだ?」
坊っちゃん「お前シャンプーかけてないか?」
メイド「意外と早く気付いたな?」
坊っちゃん「イタズラしてないで体洗ってろ!!」
メイド「そんなに怒るなよ」
坊っちゃん「ぶっ飛ばすぞ!!」
――
メイド「せっかく一緒に湯船に入ってるんだからもっと近くに来たらどうだ?」
坊っちゃん「うるさい」
メイド「抱っこしてやるぞ?」
坊っちゃん「黙れ、ボクはもう出るぞ」
メイド「待て待て、私が先に出る」
坊っちゃん「何でだ?」
メイド「お前の部屋の掃除をしないとな」
坊っちゃん「じゃあボクが目を閉じてる間に出ろ」ギュッ
メイド「分かった」バシャ-
坊っちゃん「……」
メイド「……」
坊っちゃん「……どうした?」
メイド「……見なくて良いのか?」
坊っちゃん「早く行け!!」
メイド「はいはい」
――
坊っちゃん(お風呂に入るだけで疲れるとは……)
坊っちゃん(まぁ良いや、着替えは……コレか?)ピラッ
坊っちゃん「何だ…コレは……」
――坊っちゃんの部屋
坊っちゃん「メイドォォォォォォ!!」バァン
メイド「ん?」
坊っちゃん「……何のつもりだ?」
メイド「何がだ?」
坊っちゃん「このパジャマの事だ!!」
メイド「ペンギン型のパジャマか……似合ってるぞ?」
坊っちゃん「ふ・ざ・け・る・な!!」
メイド「ふ・ざ・け・て・な・い」
坊っちゃん「普通の持って来いよ」
メイド「無い」
坊っちゃん「無いってなんだよ」
メイド「他のはまだ洗濯してないんだ」
坊っちゃん「……」
メイド「……終わったぞ、ペンギンは早く寝ろ」
坊っちゃん「ペンギンじゃねーよ!!」
メイド「今のお前はどこに出しても恥ずかしくない立派なペンギンだよ」
坊っちゃん「……」
続きは夜に
――朝 坊っちゃんの部屋
メイド「……」ポトッ
坊っちゃん「冷てぇ!!」
メイド「起きたか?」
坊っちゃん「何だコレ……氷?」
メイド「ペンギンにはたまらんプレゼントだろ?」
坊っちゃん「だからペンギンじゃねーよ!!」
メイド「なんと!?……まったく分からなかったぞ?」
坊っちゃん「ぶっ飛ばすぞこのヤロウ!!」
メイド「やってみろ」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「私の右腕に封印された暗黒龍の力に勝てるつもりか?」
坊っちゃん「……」
メイド「どうした?」
坊っちゃん「お前恥ずかしく無いのか?」
メイド「何がだ?」
坊っちゃん「暗黒龍とか言っちゃってさ」
メイド「信じて無いのか?」
坊っちゃん「だって……」
メイド「仕方ない…力の片鱗を見せてやろう」ガシッ
坊っちゃん「えっ?」
メイド「行くぞ……【龍の咢《アイアンクロー》】」ギュゥゥゥ
坊っちゃん「ギャアァァァァァ!!」
メイド「……」ギュゥゥゥ
坊っちゃん「痛い痛い!!頭が割れる!!」
メイド「思い知ったか?」パッ
坊っちゃん「おぉぉ……超痛い……」
メイド「私が本気を出せば地球が滅ぶぞ?」
坊っちゃん「完全に本気だったじゃねーか!!」
メイド「ごちゃごちゃ言ってないで早くご飯を食べろ」
坊っちゃん「……」
――昼 坊っちゃんの学校
坊っちゃん(クソッ、まだ痛い……)
坊っちゃん(何かやり返さないと気がすまん!!)
坊っちゃん(……何か無いか?)
坊っちゃん(……はっ!)
坊っちゃん(ふっ、凄い事を思い付いたぞ……覚悟しておけメイド!!)
――夕方
メイド(……遅いな、いつもならもう帰ってくる時間なんだが……)
プルル プルル
メイド(ん?坊っちゃんか?)
メイド「はい」
?「息子は預かった、返して…」
メイド「私に息子はいない」ガチャ
プルル プルル
メイド「はい」
?「いきなり切るんじゃねーよ!!息子は預かったって言ってんだろ!!」
メイド「私は未婚なんだが?」
?「お前の子供じゃねーよ!!」
メイド「……坊っちゃんの事か?」
?「そうだ坊っちゃんの事だ」
メイド「坊っちゃんは無事なんだろうな?」
?「クククッ返して欲しかったら100万円用意しろ」
メイド「ふざけるな、坊っちゃんの価値はそんな物じゃない」
?「じゃあ200万だ」
メイド「まだまだ」
?「……500万にする」
メイド「倍プッシュだ」
?「……1000万?」
メイド「うむ、まぁ良いだろう……どこに持って行けば良い?」
?「え~っと……」
メイド「早くしろよ」
坊っちゃん「が、学校に持って来い」
メイド「分かった、ところでだな」
?「なんだ?」
メイド「今日の夕食はカレーとコロッケどっちが良い?」
?「コロッケが良いな……あっ!」
メイド「早く帰って来いよ?」ガチャ
坊っちゃん「……」
――食堂
坊っちゃん「……」モグモグ
メイド「コロッケは美味しいか?」
坊っちゃん「うむ」
メイド「沢山食べろよ1000万ボーイ」
坊っちゃん「……最初から分かってたのか?」
メイド「当たり前だ」
坊っちゃん「何でだ?非通知でかけたし声も変えたつもりだったんだけど」
メイド「あまり私を侮るな……お前が産まれて10年、そのほとんどを一緒に過ごしてきたんだぞ?」
坊っちゃん「……」
メイド「お前がどれだけ声色を変えようと私にはすぐ分かる……まさに愛の力だな」
坊っちゃん「そ、そうか……」
メイド「私以上にお前を愛してる人間はこの世に2人だけだ」
坊っちゃん「2人?」
メイド「旦那様と奥様に決まってるだろ」
坊っちゃん「なるほど」
メイド「したがって血の繋がらない人間の中では私が1番お前を愛してると言う事だ」
坊っちゃん「ん……」
メイド「お前は私を愛してるか?」
坊っちゃん「は?」
メイド「……坊っちゃんは私を愛してくれていますか?」
坊っちゃん「そ、それは……何て言うか……」
メイド「坊っちゃん……///」
坊っちゃん「……まさかまたハメようとしてるのか?」
メイド「……ふむ、少しは学習したみたいだな」
坊っちゃん「お前ってヤツは……」
――夜 坊っちゃんの部屋
坊っちゃん(……眠れん)
坊っちゃん(ちょっと外に出るか)
――庭
坊っちゃん(……)
坊っちゃん(……ボクが産まれて10年か)
坊っちゃん(そう言えばアイツはいつも一緒にいたな……)
坊っちゃん(いつものイタズラもアイツなりの愛情表現なのかな?)
坊っちゃん(……)
坊っちゃん(……暑い、部屋に戻ろう)
――坊っちゃんの部屋
坊っちゃん(クーラー入れよう)ピッ
坊っちゃん(涼し~い!!)
坊っちゃん(……)
坊っちゃん(……愛情表現か……)
坊っちゃん(やり過ぎ感もあるけど…それなら少しは許せるかな?)
坊っちゃん(……)
坊っちゃん(……んっ…眠くなって…きた…)
坊っちゃん(……)
坊っちゃん(……)
――朝
バァン
メイド「朝だぞ、起き……寒っ!!」
坊っちゃん「……」
メイド「お前またクーラーつけっぱなしで…」
坊っちゃん「うぅっ…」
メイド「坊っちゃん?」
坊っちゃん「頭…痛い…」
メイド「なんだと?ちょっとおでこを出せ」スッ
坊っちゃん「……」
メイド「熱があるな、少し待ってろ」
坊っちゃん「分か…った…」
メイド「すぐに戻ってくるからな」
――
メイド「38℃か……結構あるな」
坊っちゃん「うぅっ……」
メイド「クーラーを使うならタイマーをかけろと言ってあっただろ」
坊っちゃん「……眠かったんだ……」
メイド「バカが……もうすぐ医者がくる、大人しく寝ていろ」
坊っちゃん「……はい」
――昼
メイド「坊っちゃん、お粥と薬を持って来たぞ」
坊っちゃん「う……」
メイド「医者が言うには1週間くらい安静にすれば大丈夫だそうだ」
坊っちゃん「……うん」
メイド「……食べられるか?」
坊っちゃん「……うん」
メイド「……」
坊っちゃん「なぁ…お前仕事は?」
メイド「私の最優先はお前だ、だから看病する事が今の仕事だな」
坊っちゃん「……そうか」
メイド「食べ終わったなら薬を飲んで寝ろ、また後で来てやる」
坊っちゃん「うん…分かった」
――夜
坊っちゃん(んっ……いつの間にか寝てたのか……)
坊っちゃん(うぅっ…苦しい…)
坊っちゃん「メイド……」
メイド「なんだ?」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「苦しいのか?」
坊っちゃん「お前…居たのか?」
メイド「当たり前だ」
坊っちゃん「そうか……」
メイド「起きたなら少し食べて薬を飲め、今持って来てやる」
坊っちゃん「……ん、分かった」
今日は終わり
乙
おねショタは芸術
――数日後 朝
メイド「だいぶ良くなったな」
坊っちゃん「もう元気だ、外に行って良いか?」
メイド「ダメに決まってるだろ」
坊っちゃん「大丈夫だよ」
メイド「ダメだ、明後日…月曜まで大人しくしろ」
坊っちゃん「暇なんだよ」
メイド「なら私がお話しをしてやろう」
坊っちゃん「なんだソレ?」
メイド「お前が小さい頃によくお話ししてやっただろ……忘れたのか?」
坊っちゃん「……?」
メイド「お前が3歳くらいの頃だ」
坊っちゃん「覚えてるワケねーだろ!!」
メイド「それでは始めるぞ『桃太郎』だ」
坊っちゃん「好きにしろ」
メイド「昔々あるところに桃太郎がいました…」
坊っちゃん「早ぇよ!!何で最初から出てくるんだよ!!」
メイド「……そんなに怒鳴ると声が枯れるぞ?」
坊っちゃん「お前がやらせてんだよ!!」
メイド「分かった分かった……じゃあ浦島太郎にするか?」
坊っちゃん「お話しはもういい、それより聞きたい事がある」
メイド「上から90、58、92だ」
坊っちゃん「何が?」
メイド「私の3サイズだろ?」
坊っちゃん「聞いてねーよ!!」
メイド「じゃあ何が聞きたいんだ?」
坊っちゃん「……お前昔からウチで働いてるよな?」
メイド「うむ」
坊っちゃん「何でだ?どうしてウチで働いてるんだ?」
メイド「話せば長くなるんだが……」
坊っちゃん「長くても良いぞ」
メイド「……」
坊っちゃん「……いや、話したく無いなら別に……」
メイド「借金のカタに売られたんだ」
坊っちゃん「えっ…」
メイド「父が騙されてな…多額の借金を背負ってしまったんだ……その借金のカタとしてこのお屋敷に売られたんだ」
坊っちゃん「そんな…嘘だろ…」
メイド「もちろん嘘だ」
坊っちゃん「お前!!ボクは真面目に……」
メイド「悪かった、真面目に話す」
坊っちゃん「……」
メイド「私の父は若い頃に旦那様の家庭教師をしていたそうだ、父の方が少し年上でな本当の兄弟のように仲良くしていただいたらしい」
メイド「旦那様が事業を引き継いでからは秘書としてお仕えしていてな、このお屋敷でメイドとして働いていた母と出会ったんだ」
メイド「そして父と母は結婚して私が産まれた……まだ子供がいなかった旦那様と奥様にも私は可愛がっていただいた」
メイド「だが今から10年前……丁度お前が産まれた頃だな…………両親が事故で亡くなった」
坊っちゃん「えっ……」
メイド「両親を亡くした私を旦那様と奥様が引き取ってくれてな、中学校はココから通っていた」
メイド「そして卒業後に高校には行かずメイドとしてこのお屋敷で働き始めて今に至る……と言うワケだ」
坊っちゃん「……ごめん」
メイド「ん?」
坊っちゃん「思い出したくなかっただろ?」
メイド「子供が気を使うな」
坊っちゃん「でも……」
メイド「……両親が死んだのは悲しい事だ、だが私には旦那様と奥様……そしてなによりお前がいた」
坊っちゃん「ボクが?」
メイド「うむ…15歳の小娘にできる事などたかが知れてるからな、お前が産まれた頃から遊んでやっていた私は自然とお前の世話役になったんだ」
坊っちゃん「そうだったのか……」
メイド「私にとってお前は弟のような息子のような…そんな感じだ」
坊っちゃん「……」
メイド「小さい頃のお前は甘えん坊でなぁ…私の姿が見えなくなると大泣きしたんだぞ?」
坊っちゃん「ホントか?」
メイド「私にくっついて離れなかったんだ、寝る時はもちろんトイレやお風呂も一緒だった」
坊っちゃん「……」
メイド「私はお前をおんぶしながらメイドの仕事を覚えたんだ……先輩や近所の人達からは子連れメイドと呼ばれていた」
坊っちゃん「……」
メイド「……安心しろ」
坊っちゃん「何がだ?」
メイド「私とお前に戸籍上の繋がりは無い、だから結婚できるぞ?」
坊っちゃん「そんな心配してねーよ!!」
メイド「そうか」
坊っちゃん「ボクはもう寝る」
メイド「まだ朝だぞ?」
坊っちゃん「うるさい、寝るから出ていけ」
メイド「はいはい」
坊っちゃん「……」
――夜 坊っちゃんの部屋
坊っちゃん「おい」
メイド「なんだ?」
坊っちゃん「なんで部屋にいるんだ?」
メイド「お前の看病だ」
坊っちゃん「マンガ読んでるだけじゃねーか!!」
メイド「コレ面白いな」
坊っちゃん「……」
メイド「……」
坊っちゃん「……あのさ」
メイド「ん?」
坊っちゃん「朝の話なんだけど……」
メイド「うむ」
坊っちゃん「なんでパパとママはお前を引き取ったんだ?」
メイド「ん……もちろん最初は私の親戚が引き取る予定だった、だが旦那様が親戚中に頭を下げて回ったんだ……自分に引き取らせて欲しい……とな」
坊っちゃん「パパが?」
メイド「……恩返しだと仰っていた」
メイド「自分を長年支えてくれた父に代わり私を育てる事で少しでも恩返ししたい……そう仰っていた」
坊っちゃん「……」
メイド「しかし逆に私が恩を感じてしまってなぁ……高校には行かず自立すると旦那様達に言ったんだ、3年も育ててもらった…それで十分だと」
メイド「旦那様達は猛反対されてな、話し合いは1週間続いた」
メイド「そしてお互いの妥協点として私はこのお屋敷にお世話になる、その代わりにメイドとして働くと言う事になったんだ」
坊っちゃん「何て言うか……お前凄いな」
メイド「当たり前だ」
坊っちゃん「お前はボクに敬語を使わないしイタズラばっかするとんでもないヤツだと思ってたけど……見直したよ」
メイド「お前に敬語を使わないのには理由がある」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「私はお忙しい旦那様と奥様に代わりお前を育てる事にしたんだ…時にはお前を叱らねばならん、そんな時に敬語では効果が薄いだろ?」
坊っちゃん「……イタズラにも理由があるのか?」
メイド「無論だ」
坊っちゃん「どんな理由だ?」
メイド「……聞きたいか?」
坊っちゃん「聞きたい」
メイド「どうしても?」
坊っちゃん「どうしても」
メイド「……楽しいからだ」
坊っちゃん「……は?」
メイド「お前をからかうのが楽しいんだ」
坊っちゃん「……お前……ついに言い切ったな……」
メイド「愛とは時に残酷な物だ」
坊っちゃん「何言ってんだ?」
メイド「愛深き故にお前にイタズラしてしまう」
坊っちゃん「意味分かんねーよ……酔ってるのか?」
メイド「あぁ、私はお前への愛に酔っている」
坊っちゃん「……分かった、誤魔化そうとしてるな?」
メイド「チッ……バレたか」
坊っちゃん「……」
今日は終わり
乙
おねショタは神話
坊っちゃんは毎日ツッコミで大変だな
楽しそうだけど
――朝 坊っちゃんの部屋
メイド「起きろ」
坊っちゃん「うっ…頭が痛い」
メイド「そうだな、お前は痛い頭をしているな」
坊っちゃん「なんだとコラ!!」
メイド「お?やるか?」
坊っちゃん「……」
メイド「早く顔を洗ってご飯を食べろ」
――昼
坊っちゃん「暇だ……」
メイド「昔々あるところに……」
坊っちゃん「それはもういいよ」
メイド「ふむ……そんなに暇なのか?」
坊っちゃん「暇だ」
メイド「ならば私の仕事を手伝うか?」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「1日メイドをやるか?」
坊っちゃん「何でだよ」
メイド「暇なんだろ?」
坊っちゃん「うん」
メイド「メイドやらないか?」
坊っちゃん「面倒くさい」
メイド「ふむ……今からクイズを3問出す、全て正解すれば遊びに行って良い」
坊っちゃん「正解できなかったら?」
メイド「1日メイドだ」
坊っちゃん「ボクが解けるクイズなんだろうな?」
メイド「当たり前だ」
坊っちゃん(クイズか……3問だしなんとかなるか?)
坊っちゃん(負けてもせいぜい掃除やらされるくらいだろうし……)
坊っちゃん「良いだろう、受けて立つ」
メイド「では始めようか」
メイド「第1問…………今何問目?」
坊っちゃん「1問目だ!!ふざけてんのか!!」
メイド「やるじゃん」
坊っちゃん「やるじゃん……じゃねーよ!!お前自分で第1問とか言ってんじゃん!!」
メイド「そう怒るなよ、今のはサービス問題だ」
坊っちゃん「ちゃんとやれよ」
メイド「次に行くぞ……家の中にいる鳥はなんだ?」
坊っちゃん「……ニワトリ?」
メイド「違う」
坊っちゃん「ヒントは?」
メイド「ひらがなで考えろ『い』『え』の中だ」
坊っちゃん「…………鵜!!」
メイド「正解だ」
坊っちゃん「よしっ!!」
メイド「最後の問題だ……とても綺麗なのに見えない色は何色だ?」
坊っちゃん「……透明」
メイド「違う」
坊っちゃん「ヒント」
メイド「ヒントは無しだ」
坊っちゃん「……」
メイド「……降参か?」
坊っちゃん「ちょっと待って」
メイド「うむ」
坊っちゃん「……」
メイド「……」
坊っちゃん(ヤバイ……全然分からない……見えない色ってなんだよ……)
メイド「あと10秒だ……10、9、8……」
坊っちゃん「ちょっと待て」
メイド「ちょっと待たない……3、2、1、0」
坊っちゃん「……」
メイド「私の勝ちだな、準備してくるから待ってろ」
――
メイド「この服に着替えろ」バサッ
坊っちゃん「……嫌だ」
メイド「ほぅ、約束を破るのか?そんな風に育てたつもりは無いのに……悲しいな……」
坊っちゃん「だからってメイド服を着るのは……」
メイド「1日メイドとは言えちゃんとメイド服を着て貰わねば困る」
坊っちゃん「何でだよ!!」
メイド「我々メイドにとってメイド服は制服だ、1日警察署長だってちゃんと制服を着てるだろ?」
坊っちゃん「……」
メイド「私が何か間違った事を言ってるか?」
坊っちゃん「確かに……その通りだ」
メイド「着てくれるな?」
坊っちゃん「……分かった」
メイド「ちなみに今回はイチゴパンツを穿いてもらうぞ」
坊っちゃん「ふざけんな!!」
メイド「縞パニストの坊っちゃんとしては不本意かもしれないが我慢して欲しい」
坊っちゃん「縞パニスト?」
メイド「縞パン大好きな人……縞パニストだ」
坊っちゃん「大好きじゃねーよ!!」
メイド「えぇっ!?」
坊っちゃん「何で驚いてんだよ!!」
メイド「ふざけてないで早く着替えろ」
坊っちゃん「お前……分かった着替えるよ……」
――
坊っちゃん「き、着替えたぞ///」
メイド「……ブラボー」
坊っちゃん「でもコレ小さくないか?……ちょっと動いたら見えちゃいそうなんだけど……」
メイド「何がだ?」
坊っちゃん「パ……パンツが///」
メイド「大丈夫だ、ちゃんと計算して縫ってある」
坊っちゃん「……何でお前はボクに女装をさせたがるんだ?」
メイド「お前が可愛いからだ」
坊っちゃん「は?」
メイド「……実はお前は我々メイド達の間ではマスコット的な存在なんだ」
坊っちゃん「マスコット?」
メイド「うむ……お前はとても愛らしいからな、大人気なんだ」
坊っちゃん「初めて聞いたな」
メイド「初めて言ったからな」
坊っちゃん「まぁいい、とりあえず何からすれば良いんだ?」
メイド「まずは床を拭いてもらおう」
坊っちゃん「モップは?」
メイド「最初から楽をしようとするな、雑巾で拭くんだ」
坊っちゃん「!?……お前……それが狙いだったのか?」
メイド「何の事だ?」
坊っちゃん「とぼけるな!!雑巾がけしてる隙にまた写真とか撮るつもりだろ!!」
メイド「今はカメラなんて持ってないぞ?」
坊っちゃん「ホントか?」
メイド「私を裸にして調べてみるか?」
坊っちゃん「……信じてやるよ」
坊っちゃん「……」ゴシゴシ
メイド「……」
坊っちゃん「おい」
メイド「ん?」
坊っちゃん「何でボクの後ろにいるんだ?」
メイド「お前を監督してるんだ」
坊っちゃん「お前も掃除しろよ」
メイド「今は忙しいんだ」
坊っちゃん「立ってるだけじゃねーか」
メイド「イチゴが何個あるか数えるのに忙しい」
坊っちゃん「お前!!」サッ
メイド「あっ!……何個か分からなくなったじゃないか……」
坊っちゃん「やっぱり見えてるじゃないか!!」
メイド「あれだけ尻を突き出せば見えるに決まってる」
坊っちゃん「変態!!痴漢!!」
メイド「ふむ、床はもういいから次は窓を拭いてくれ」
坊っちゃん(このヤロウ……)
――
坊っちゃん「……」フキフキ
メイド「……」
坊っちゃん「おい、上の方は届かないぞ」
メイド「肩車してやろう」
坊っちゃん「ふざけんな、脚立を持ってこい」
メイド「脚立は食べてしまったんだ」
坊っちゃん「食べた?」
メイド「小腹が空いたんでな、したがって肩車するしかない」
坊っちゃん「お前バカじゃねーの?」
メイド「私はバカじゃない、早く肩に乗れ」
坊っちゃん「……」
坊っちゃん「……」フキフキ
メイド「……肩車した状態で私が頭をグリグリ動かしたらお前はどうなるのかな?」
坊っちゃん「やるなよ?絶対にやるなよ?」
メイド「やるなやるなと言われると……」
坊っちゃん「だったら……やれ」
メイド「ラジャー」グリグリ
坊っちゃん「ちょっ……危なっ……んっ……危ない……ってば……」
メイド「……」グリグリ
坊っちゃん「ふざけ……んな……うっ……落ちる……あっ……」
メイド「ん?」ピタッ
坊っちゃん「お前……危ないだろ!!」
メイド「悪かった」
坊っちゃん「早く降ろせ」
メイド「うむ」スッ
坊っちゃん「……」
メイド「……お前……敏感だな」
坊っちゃん「うるさい!!」
メイド「気を取り直して次の部屋に行くぞ」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「お前の部屋だけで終わるワケないだろ?」
坊っちゃん「この格好で家の中を移動するのか?」
メイド「大丈夫だ、皆自分の仕事をしてるから鉢合わせなど滅多に起こらない」
坊っちゃん「ホントかよ……」
メイド「行くぞ?」ガチャ
後輩メイド「あら?」
メイド「おや?」
坊っちゃん「ドア開けたら居たじゃねーか!!」
後輩メイド「まさか……坊っちゃんですか?」
メイド「可愛いだろ?」
後輩メイド「可愛い!!……これは皆を呼ばないと」ピッ
坊っちゃん「おい!!止めろ!!」
――
坊っちゃん「……ヒドイ目にあった……」
メイド「まさか撮影会が始まるとはな」
坊っちゃん「その上メイド長に見つかって説教されるなんて……」
メイド「ついてなかったな」
坊っちゃん「全部お前のせいだよ!!」
今日は終わり
乙
おねショタは伝説
素晴らしいSSを見つけてしまった。
――2週間後
メイド「朝だぞ、起きろ」
坊っちゃん「……今日から夏休みだ」
メイド「で?」
坊っちゃん「昼まで寝たい……」
メイド「……実は最近ブレーンバスターを覚えたんだ」
坊っちゃん「はいはい、起きるよ」
メイド「無駄な時間を使わせるな」
坊っちゃん「せっかくの夏休みなのに……」
メイド「私に夏休みは無い」
坊っちゃん「嘘つくな、家で働いてる人には夏休みがあるはずだ」
メイド「うむ、私以外の人は順番に夏休みを満喫してるだろう」
坊っちゃん「……お前は?」
メイド「夏休みをもらっても行くところが無いからな、私には必要ない」
坊っちゃん「そんなこと無いだろ?」
メイド「私の実家はこのお屋敷だ、他に帰る場所は無い」
坊っちゃん「あっ……ゴメン……またやっちゃったな……」
メイド「気にするなと言っただろう?」
坊っちゃん「……」
メイド「早く顔を洗って食堂に来い」
坊っちゃん「……うん」
――昼 坊っちゃんの部屋
坊っちゃん「……」
坊っちゃん「……」
坊っちゃん「……やるか」ピッ
プルル プルル
メイド「どうした?」
坊っちゃん「暇になったら部屋に来い」
メイド「分かった」
坊っちゃん「……」
――
メイド「入るぞ」ガチャ
坊っちゃん「……」
メイド「要件はなんだ?」
坊っちゃん「ん……その……なんて言うか……」
メイド「なにをモジモジしてるんだ?」
坊っちゃん「お、お前にも夏休みをやる……から……その……」
メイド「?」
坊っちゃん「い、行きたい所とかないのか?ボクが連れて行ってやるぞ」
メイド「……」
坊っちゃん「……」
メイド「坊っちゃん……」
坊っちゃん「かかか、勘違いするなよ!!ボクが遊びに行きたいだけだからな!!」
メイド「……ツンデレか?」
坊っちゃん「ツンデレじゃねーよ!!」
メイド「……そうか、なら私の両親の墓参りに行かないか?」
坊っちゃん「墓参り?」
メイド「うむ、いつもはお前が学校に行ってる間に半日だけ休みをもらって日帰りで行ってたんだ」
坊っちゃん「近いのか?」
メイド「そんなに遠くないが日帰りだと少し大変だな」
坊っちゃん「……そうか、だったら2人で墓参りに行くぞ」
メイド「……」
坊っちゃん「……なんだ?」
メイド「何でもない……旦那様に許可をもらわないといけないな、後で私から頼んでおこう」
坊っちゃん「任せた」
――深夜 旦那様の部屋
コンコン
旦那様「入りなさい」
メイド「失礼します」ガチャ
旦那様「お前か、珍しいな」
メイド「少しお時間をいただけますか?」
旦那様「お前の頼みは断わらんよ」
メイド「ありがとうございます」
旦那様「それで、要件は?」
メイド「坊っちゃんが私に夏休みをくださると……それで私の両親の墓参りに行く事になりました」
旦那様「……」
メイド「私がここで働いてる理由、休みを取らない理由……全て話しました」
メイド「それなら自分がどこにでも連れて行ってやる……そう仰いました」
旦那様「……そうか、あの子も成長してるんだな」
メイド「はい、とても優しい……真っ直ぐな子だと思います」
旦那様「……お前のおかげだな」
メイド「いえ、私などは……」
旦那様「謙遜するな、私達の代わりにあの子を育てたのはお前だ」
メイド「……」
旦那様「お前には感謝している」
メイド「……」
旦那様「私達はあの子の相手をあまりしてやれなかったからな……あの子が健やかに成長しているのはお前がいたからだろう」
メイド「……」
旦那様「話は分かった、好きな時に行きなさい」
メイド「ありがとうございます」
旦那様「ついでに子作りでもしてきたらどうだ?」
メイド「だ、旦那様!?」
旦那様「冗談だよ……半分だけな」
メイド「……」
――朝 坊っちゃんの部屋
メイド「……嘘だ……」
坊っちゃん「何がだ?」
メイド「起きてる……だと……?」
坊っちゃん「そんなに意外かよ」
メイド「今日で世界が滅ぶのか……」
坊っちゃん「たまに早起きしたらその態度か……」
メイド「冗談だ、早起きするのは良い事だぞ?」
坊っちゃん「……どうだった?」
メイド「何が?」
坊っちゃん「パパにお願いしたんだろ?」
メイド「うむ、好きな時に行けとの事だ」
坊っちゃん「そうか」
メイド「それでな、坊っちゃんが良ければ明日行こうと思うんだ」
坊っちゃん「良いんじゃないか?」
メイド「着替え等は私が準備しておく」
坊っちゃん「着替えが必要なのか?」
メイド「お前……2日も同じ服を着るつもりか?」
坊っちゃん「えっ?」
メイド「えっ?」
坊っちゃん「泊まりなの?」
メイド「嫌か?」
坊っちゃん「嫌ではないけど……」
メイド「日帰りではいつもと同じだからな、それに……」
坊っちゃん「それに?」
メイド「私とお泊まりできるなんて嬉しいだろ?」
坊っちゃん「不安の方が大きいよ……」
続きは夜に投下、それで終わり
メイドさんマジ可愛い
突然ですがここで宣伝!!
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クリリン「安価でサイヤ人と戦う」
クリリン「安価でサイヤ人と戦う」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407567115/)
――翌日 昼
メイド「そろそろ行くぞ」
坊っちゃん「……」
メイド「どうした?」
坊っちゃん「いや……メイド服以外を着てるのを初めて見たな……と思って」
メイド「うむ、可愛いだろ?」
坊っちゃん「……うん」
メイド「お?」
坊っちゃん「あっ……ち、違うぞ!!今のは……」
メイド「はいはい、今から車を回してくるから少し待ってろ」
坊っちゃん「……」
――車内
メイド「……」
坊っちゃん「……お前免許持ってたんだな」
メイド「持ってないぞ?」
坊っちゃん「は?」
メイド「無免許だ」
坊っちゃん「……嘘だろ?」
メイド「ふふふっ、ちゃんと持ってるよ」
坊っちゃん「びっくりさせんなよ」
メイド「偽造免許だがな」
坊っちゃん「お前の冗談は本気に聞こえるんだよ……」
――霊園
坊っちゃん「ここか」
メイド「坊っちゃん」
坊っちゃん「なんだ?」
メイド「迷子になったら困るから手を繋ごう」
坊っちゃん「ならねーよ」
メイド「良いじゃないか、誰も見てないんだし……な?」
坊っちゃん「……今だけだぞ?」ギュッ
メイド「よしっ、行こう」
――
メイド「まずは掃除からだな」
坊っちゃん「手伝ってやるよ」
メイド「それじゃ向こうに水道があるから水を持ってきてくれるか?」
坊っちゃん「分かった」タッタッタッ
メイド「……」
――
メイド「よしっ、綺麗になったな」
坊っちゃん「けっこう疲れたな」
メイド「今日はいつもより丁寧にやったからな、父と母も喜んでいるだろう」
坊っちゃん「そうか」
メイド「後は報告をして終わりだ」
坊っちゃん「報告?」
メイド「元気に暮らしてるとか、こんな事があったとか……近況報告だな」
坊っちゃん「ボクは何すれば良いんだ?」
メイド「自己紹介と挨拶で良いだろ……ちゃんと娘さんをボクにくださいって言うんだぞ?」
坊っちゃん「言わねーよ!!」
メイド「冗談だ、手を合わせてくれるだけで良い」
坊っちゃん「分かった……」
メイド「……」
――車内
坊っちゃん「これから何するんだ?」
メイド「とりあえずホテルに荷物を置きに行く」
坊っちゃん「その後は?」
メイド「夕食には少し早いから散歩でもするか?」
坊っちゃん「そうだな」
メイド「初めてのデートだな?」
坊っちゃん「散歩だからな?」
――ホテル
坊っちゃん「デカッ!!」
メイド「旦那様が手配してくださったんだ」
坊っちゃん「パパが?」
メイド「このホテルは系列の子会社なんだ」
坊っちゃん「?」
メイド「……簡単に言うと旦那様のホテルって事だ」
坊っちゃん「パパってスゲーな!!」
メイド「当たり前だ、旦那様は優れた経営手腕を持っておられるんだぞ?」
坊っちゃん「へー、さすがパパだな」
メイド「へー、って……お前も将来やるんだぞ?」
坊っちゃん「えぇっ!?」
メイド「心配するな、私がついてる」
坊っちゃん「お……おぅ」
――室内
坊っちゃん「デカッ!!」
メイド「お前の感想は薄っぺらいな」
坊っちゃん「……この部屋高いんじゃないのか?」
メイド「……1泊するのに私の給料なら3ヶ月分くらいだな」
坊っちゃん「おおお、お前……どどど、どうするんだよ」
メイド「慌てるなチビ助」
坊っちゃん「誰がチビ助だ!!」
メイド「私は小金持ちだ、給料をほとんど使わないからな」
坊っちゃん「へ?」
メイド「だからお金の心配はするな」
坊っちゃん「ホントか?」
メイド「本当だ……さぁ、デートに行こうか」
坊っちゃん「散歩な?」
――
メイド「さて、どこに行こうか?」
坊っちゃん「どこでも良いよ?」
メイド「あまり遠くまで行く時間は無いな……近くのショッピングモールで良いか?」
坊っちゃん「良いぞ」
――ショッピングモール
坊っちゃん「思ったより大きいな」
メイド「お前が小さいからじゃないか?」
坊っちゃん「小さくねーよ!!」
メイド「坊っちゃん、あそこに良い店があるぞ」
坊っちゃん「……どこだ?」
メイド「ほら、カラフルな布がいっぱいある店だ」
坊っちゃん「……下着屋じゃねーか!!」
メイド「ランジェリーショップと言ってくれないか?」
坊っちゃん「どっちでも良いだろ!!」
メイド「せっかくだから入ってみよう」ズルズル
坊っちゃん「ちょっ……引っ張るなよ……」
――店内
メイド「坊っちゃんはどんなのが好みなんだ?」
坊っちゃん「……」
メイド「コレなんかどうだ?」
坊っちゃん「……良いんじゃないか?」
メイド「床を見てたら分からないだろ?」
坊っちゃん「……」
メイド「今晩つける下着なんだからちゃんと選んでくれ」
坊っちゃん「何でも良いよ」
メイド「それは……何もつけなくて良いと言う事か?」
坊っちゃん「……そろそろ勘弁してもらえないか?ボクの心が持ちそうにないんだ……」
メイド「仕方ないな、違う店に行くか」
坊っちゃん「そうしてくれ……」
――ホテル
坊っちゃん「けっこう買ったな」
メイド「ふむ、私も少し浮かれていたようだ」
坊っちゃん「……たまには良いんじゃないか?」
メイド「……優しいな」
坊っちゃん「……たまには……だよ」
メイド「そんな優しい坊っちゃんにプレゼントがある」
坊っちゃん「マジで!?」
メイド「さっき買っといた私とお揃いの猫耳カチューシャだ」
坊っちゃん「いらない」
メイド「私とお揃いは嫌か?」
坊っちゃん「問題はソコじゃねーよ!!カチューシャなんていつ使うんだよ!!」
メイド「学校に行くときにでも使え」
坊っちゃん「使えねーよ!!」
メイド「まぁ、本当のプレゼントはこっちだ」スッ
坊っちゃん「何だコレ?」
メイド「ロケットペンダントだ」
坊っちゃん「?」
メイド「ココを押すとチャームが開くんだ」
坊っちゃん「で?」
メイド「中に好きな人の写真を入れたりする」
坊っちゃん「……」
メイド「私はお前の写真を入れるが……お前は誰の写真にする?」
坊っちゃん「……好きな人……」
メイド「教えてくれ」
坊っちゃん「と、とりあえず……お前に…しておいてやるよ///」
メイド「……嬉しいぞ」ギュッ
――夜
坊っちゃん「おい」
メイド「ん?」
坊っちゃん「何で同じベッドで寝るんだ?」
メイド「別に良いじゃないか」
坊っちゃん「もう1つあるんだから向こうで寝ろよ」
メイド「Zzz……」
坊っちゃん「寝たふりすんな!!」
メイド「あまり騒ぐならその口を塞ぐぞ?」
坊っちゃん「は?」
メイド「んっ……」チュッ
坊っちゃん「!?」
メイド「……静かにしてろ」
坊っちゃん「お前……」
メイド「……坊っちゃん?」
坊っちゃん「なんだ?」
メイド「私の事……好きか?」
坊っちゃん「……」
メイド「……私はお前を愛している」
坊っちゃん「……また何か企んでんのか?」
メイド「今日は真面目だ」
坊っちゃん「……好き……だと思う……」
メイド「……」
坊っちゃん「自分でもよく分からない、お前はボクをすぐにからかうし……」
メイド「お前は怒った顔も可愛いからな……でもお前とそうやって遊べるのもあと2年くらいだ」
坊っちゃん「えぇっ!?」
メイド「坊っちゃんが中学生になれば家庭教師がつく、そうなれば今より触れあう時間は無くなるだろう」
坊っちゃん「……」
メイド「だから今のうちにお前と遊んでおきたくてな……」
坊っちゃん「そうだったのか……」
メイド「……」
坊っちゃん「……」
メイド「少しだけ……2人の時間が減るだけだ、私がお前のメイドなのは変わらない」
坊っちゃん「…………8年待て」
メイド「8年?」
坊っちゃん「ボクが18歳になれば結婚できるんだろ?だから8年待て」
メイド「……急に何を…」
坊っちゃん「結婚したら2人の時間だって作れるんだろ?パパとママみたいに」
メイド「……8年後の私は30歳だぞ?」
坊っちゃん「……お前が好きだ!!」
メイド「坊っ……ちゃん……」
坊っちゃん「メイド……結婚しよう」
メイド「普通プロポーズは指輪を渡してからなんだが……」
坊っちゃん「10歳で指輪なんか買えるか!!」
メイド「まぁ……それは8年後に期待しよう」
坊っちゃん「それじゃあ……」
メイド「もちろんOKだ、私が嫁になってやる」
坊っちゃん「何か偉そうだな……」
メイド「分かった分かった……坊っちゃん、私をお嫁さんにしてくれますか?」
坊っちゃん「うむ、ボクがもらってやるぞ」
メイド「ありがとうございます」
坊っちゃん「よしっ、寝るか」
メイド「そうだな……手を繋いで寝ないか?」
坊っちゃん「良いぞ」ギュッ
メイド「おやすみなさい、坊っちゃん」
坊っちゃん「おやすみ」
――朝
坊っちゃん「おい、起きろ」
メイド「……キスをしてくれないと目が開かない」
坊っちゃん「早く起きろ」
メイド「やれやれ、お前はシャイボーイだな」
坊っちゃん「うるさい……しかしお前がボクより遅く起きるなんて珍しいな」
メイド「いつもはお前を遅刻させないために私も頑張って早起きしてるんだ」
坊っちゃん「そうなのか?」
メイド「あぁ、こんなに熟睡したのは昨日以来だ」
坊っちゃん「お前は1回ふざけないと死んじゃう病気なの?」
メイド「そんな病気あるわけ無いだろ?」
坊っちゃん「知ってるよ!!」
――お屋敷
メイド「荷物は私が片付けておく、お前は寝るなり宿題するなり好きにしろ」
坊っちゃん「お前もう働くのか?」
メイド「本当は坊っちゃんとイチャイチャしたいんだがな……」
坊っちゃん「……」
メイド「……エロい事を考えたな?」
坊っちゃん「か、考えてねーよ!!」
メイド「お前がどうしてもエロい事したいって言うなら……」
坊っちゃん「したくねーよ!!」
メイド「……そうだな、もう少し大人になってからだな?」
坊っちゃん「うるさい!!」
――翌日 朝
メイド「起きろ」
坊っちゃん「んっ……」
メイド「早く起きないと後悔するぞ?」
坊っちゃん「……何でだ?」
メイド「とりあえず目を開けて見ろ」
坊っちゃん「ん?」
メイド「何が見える?」
坊っちゃん「ボーリングの玉?」
メイド「正解だ」ポイッ
坊っちゃん「ちょっ!!危なっ……」ポヨン
坊っちゃん「……?」
メイド「風船だよ……チビったか?」
坊っちゃん「チビってねーよ!!」
メイド「ちょっ!!危なっ……実に傑作だったな?」
坊っちゃん「お前……ボクの事を愛してるって言わなかったか?」
メイド「言ったな」
坊っちゃん「じゃあ何でこんな起こし方をするんだ?」
メイド「怒った顔も可愛いしお前と触れあいたい……そうも言ったはずだが?」
坊っちゃん「普通に起こせよ……」
メイド「そうだ、お前にロケットペンダントを渡しておく」
坊っちゃん「……」
メイド「ちゃんと私の写真を入れておいたぞ?」
坊っちゃん「……ありがとう」
メイド「私のには坊っちゃんのメイドコスプレ写真が入ってる」
坊っちゃん「ふざけんな!!」
メイド「冗談だよ…………あと8年か……」
坊っちゃん「……」
メイド「お前はどんな風に成長してるのかな?」
坊っちゃん「……お前を……守れるように強くなる!!」
メイド「それは頼もしいな……期待して良いのか?」
坊っちゃん「大丈夫だ」
メイド「うむ、頼りにしてるぞ……私のご主人様♪」
これで終わり
8年後...
乙
やはりメイドさんは素晴らしい。
乙
素晴らしい
このSSまとめへのコメント
良いね!