朋「占いって、アテにならないモンだね」【モバマス】 (21)

・モバマス、藤居朋のSSです

藤居朋(19)
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・不幸体質(自分でそう思い込んでるだけっぽい)
・占い依存の気あり

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朋「はぁ……」

朋「(最近全然Pと一緒に居られる時間が無い……)」

朋「(あたしも売れてきてるし、Pも担当アイドル多いから仕方がないんだけど)」



朋「寂しい……」



朋「(って、寂しいってなによ! 子供じゃないんだから! もう!)」

朋「(けど……もう少し……一緒にいられたらな……)」

朋「はぁ……」


瑞樹「あら、朋ちゃんてばため息なんて吐いて、幸せが逃げちゃうわよ?」

朋「あ……瑞樹さん」

瑞樹「何か悩みがあるなら、お姉さんに相談して…………んー?」ティン!

朋「な、何か?」

瑞樹「ははーん さては、朋ちゃんのそれ、恋煩いね!」

朋「ええっ!? こ、恋って……そんな!」アセッ

朋「というか、どうしてそんなの分かるんですか!?」

瑞樹「その顔を見ればね……朋ちゃんも、もう少しオトナになれば分かるようになるわ♪」フフン

朋「大人に……?」

瑞樹「下手に口出しするのは野暮かしらね? "どこのどなた"がお相手か分からないけど、頑張ってね? 応援してるわ」ウフフ

朋「……っ!」カアアッ

朋「あ、あたし今日はもう帰りますね!」ダッ


  ガチャッ  バタン!


瑞樹「なにもそんなに、逃げるように居なくなることないじゃない……」ショボン

瑞樹「それにしても、P君も罪作りな男ねー……まあ朋ちゃんとは付き合い長いみたいだし、しょうがないかな?」






朋「瑞樹さんは恋だって言ってたけど……これって恋なの?」

朋「(でも、確かに最近四六時中Pの事考えてる気がする……)」

朋「(事務所に行って、Pと会えると、すごく嬉しかったり……)」

朋「やっぱり……恋してるのかしら……Pに」


朋「P……」ポワポワポワワ


朋「うぅ/////」

朋「(急に、恋してるだなんて言われたって、どうしたらいいかわからないわよ!///)」



朋「(そうだ……)」

朋「(最近はあまり頼ることはなかったけど、久しぶりに占いを見てみようかしら)」

朋「そうと決まれば早速買いにいかないと!」

──占い雑誌を買ってきました──


朋「今までは、恋愛運のコーナーとか、面白半分で見てたけど……」ドキドキ

朋「いざ、自分がそういう立場になると、結果を見るのは緊張するわね……」ドキドキドキ

朋「えーっと……蟹座、蟹座……あった」ペラッ

朋「どれどれ?」



朋「えっ……これって……」

朋「…………っ!」





朋「…………ふぅ」

朋「まあ、そうよね……なんたって、あたしだもんね……こういう結果になるわよね」





朋「……はぁ………もう寝よう」


──翌日──


P「(最近全然朋と一緒に居られる時間が無い……)」カタカタカタ

P「(彼女も売れてきているし、忙しいのは嬉しい悲鳴というヤツだけど……)」カタカタッ...ターン!



P「寂しい……」ハァ

ちひろ「? プロデューサーさん、何か言いました?」

P「ああ、いえ、なんでもありません」


  ガチャッ


朋「(結局寝られなかった……)おはよーございまーす……」ドヨーン


P「おう、朋、おはよう!」

ちひろ「おはようございます」

朋「っ!(どうしよう……Pの顔、見られない)」

P「ん? 朋、どうしたんだ? 顔色が悪いけど」

朋「えっ!? あ……」

P「あれか、また占いの結果が悪かったってヤツか?」ニヤニヤ

朋「っ!!」

P「前から言ってるだろ? 結果ばかり気にし過ぎても──「あたし、レッスン行ってくるから!!」」


  ガチャ バタン!!


Pちひろ「……」ポカーン

ちひろ「プロデューサーさん、地雷踏みました?」

P「自覚は無いんですけど……そうみたいですね」

ちひろ「朋ちゃんに何があったのかはわかりませんけど、ちゃんと、フォローしてあげて下さいね?」

P「心得ています……」



P「(実際、朋に何があったのかは分からないけど、十中八九占い関係だろう……)」カタ...カタ

P「(でも、今まであんなに……それこそ、目元にクマができるほど悩んでた事なんて無かったはず)」カタ.......カタ

P「(大丈夫かなあ……心配だなあ……思いつめるようなタイプじゃないのになあ……)」ウーン


ちひろ「あのー、Pさん? さっきからソワソワしっぱなしですよ? お仕事が手についてないじゃないですか」

P「えっ! あ……いや、すみません……」

P「気分転換に……ちょっと、コンビニ行ってきます」ガタッ

ちひろ「はーい、行ってらっしゃいませー」


──コンビニ──


  ヘイラッシャーイ!

P「(さて、朋がいつも読んでる雑誌は……これだな)」

P「(後は適当に菓子類でも買っていくか)」オネガイシマース

  ゴーケーデニセンサンビャクニジュウハチエンニナリヤース

P「○な子カードで」ピッ

  アリャアーシター



P「ただいま戻りましたー、これ、お土産です」

ちひろ「あら、ありがとうございます♪ あ、レシート下さいね」

P「ああ、私物も一緒に買っちゃったんで、気にしてもらわなくて大丈夫です」

ちひろ「そうですか……その雑誌ですか?」

P「ええ、プロデューサーたるもの、いたるところにアンテナを張っていないと」

ちひろ「なるほど……じゃあ、ちょっと休憩しますかね、お茶淹れてきますね」

P「お願いします」



P「(さて、蟹座の運勢は……どれどれ?)」ペラッ


・マドモアゼル☆ゆみこの星座占い

飼ってるウズラが重課金兵でつらい! きょんばんわ、マドです。
密かに懸想している相手に想いを伝えるべきか悩んでいる蟹座のあなた…

 す っ ぱ り あ き ら め ろ ! !

人生なんてララーラーララララ・ロングカラバイン!!


P「……」ペラッ


・解説

 あなたと、あなたの想い人との関係は、現在とても安定した状況にあると言えます。
 しかし、あなたが秘めた想いを打ち明ける事で、その関係が崩れてしまう可能性が非常に高いです。
 仮に、想いが通じて付き合うことになったとしても、周囲の環境などに起因する障害に悩まされる事になるでしょう。
 結論として、今現在の想い人は諦め、新しい恋に生きることをお勧めします。


P「……なるほどな」

ちひろ「プロデューサーさん、お茶が入りましたよ」コトッ

P「ありがとうございます、いただきます」ズズッ



P「(今朝、朋の様子がおかしかったのは、やっぱりこの占いの結果が原因なんだろうな)」

P「(……プロデューサーを始めて、朋をスカウトして、二人三脚でやってきて……)」

P「(ずっと一緒だったから、お互い、意識しあってるような感じになっていたけど)」ウーン

P「(向こうは俺の気持ちには気づいてないみたいだが……これって俺の自意識過剰とかじゃないよな)」ムムム

ちひろ「(プロデューサーさん、さっきから百面相してる……)」

P「(今まではプロデューサーとしての立場もあるから考えないようにしてたけど、覚悟を決めるか……)」


P「……ちょっと朋の迎えに行ってきますね」

ちひろ「行ってらっしゃいませ、頑張ってくださいね?」

P「はい、行ってきます」


──レッスン場──

朋「(結局、体を動かしても、思いっきり歌っても……気分は晴れなかった)」

朋「(Pに出会って、アイドルになって、今までになかったくらい良い事続きで……)」

朋「(そりゃ、辛いことは多少はあったけど、楽しい事嬉しい事の方が多くて……)」

朋「(だから……そう……これ以上望む事なんて無いんだ)」

朋「(わかってる……今までの事は全部占いの通りだから……)」

朋「(Pにスカウトされたのだって、転機が訪れるって占いに出てたからだし)」

朋「(アイドルになろうって決めたのも、人前に出る仕事が向いてるって出てたからだし)」

朋「(だから……占いでPと特別な関係になることを諦めろって出たなら……それが正解なのよね)」



朋「ん、Pからメール? 迎えに来てくれるのね」

朋「朝の事、心配してくれたからだったりして……なーんて、ね」

朋「(せめて今まで通りに振舞えるように頑張ろう……要らない心配かけられないしね)」


  ブロロン....キキッ


P「お待たせ、乗ってくれ」

朋「うん」ガチャッ

P「……えっと、朋とさ、ちょっと話がしたくて……少し寄り道していいか?」

朋「うん……」

P「ありがとう、それじゃ出るぞ」ブロロロ.....


───────────────

────────

───


──海の見える公園的な場所──

P朋「(車内ではお互い無言だったけど……どうしよう、緊張する)」

P「あのな、今朝の事だけど、様子が気になったからさ……何かあったのか?」

朋「えっと、Pが言った通りよ……占いの結果が良くなかっただけだから、あんまり気にしないで」


P「……なあ朋、占いって、結果がすべてなのか?」

朋「え……?」

P「悪い結果が出たら、全部諦めて泣き寝入りするのか? そうじゃないだろ?」

朋「……」

P「悪い結果が出たら、そうならないように気を付けよう」

P「良い結果が出たら、それが実現するように頑張ろうって」

P「俺は、占いっていうのはそういうものだと思ってる」


朋「何か行動を起こしても、ろくな結果にならない……私、昔っからそうだったの」

朋「なにかと酷い目にばかり遭っていたから……占いに頼るようになった」

朋「事前に悪いことが起こるって言われていれば、いざそうなっても割り切れるから」

朋「もし占いで悪い結果が出たとしても、それはしょうがないことなのよ、あたしにとってはね」

P「……そうか…………わかったよ」



P「ところで、話は変わるけどな、俺も占い雑誌買ってみたんだ、朋がいつも読んでるやつ」スッ

朋「あ……それ」

P「俺、実は好きな人がいてさ、自分の恋愛運がどうなのかなーって思ってな」

朋「っ……そう、なんだ」

P「それで、俺蟹座だからさ、蟹座の占い結果見てみたんだけど……好きな人は諦めろってさ」

朋「……」

P「けど、俺は諦めが悪いからな、これからその人に告白しようかと思ってな、こんな占い結果がなんだ!って」

朋「それで……なんであたしにそんなこと話すのよ」

P「もし上手くいったら、この占いはアテにならないってことだからな、それを証明するんだ」

朋「そう、好きにしたら? あんたが誰に告白しようとあたしには関係ないわ!」

P「それが、大有りなんだな……朋、こっちを向いてくれ」グイッ

朋「!? ちょっと、なにすんのよ」

P「あー、ゴホン! 朋……」ゴクリ




P「俺は……お前の事が、好きだ……ずっと前から、それこそ一緒にアイドル活動を始めた頃から、好きだった」



朋「えっ……………えっ?」




朋「ウソ……なんで……そんな素振り、みせなかったじゃない」

P「今までは、社会的な立場があるから、表には出さないようにしていた」

P「でも、今朝の思いつめた様子の朋を見てたら、放っておけなかった……」

朋「じゃあ……本当に? あたしのこと、好きだって」

P「本当だよ、冗談でこんな事言わない……それで、朋はどうなんだ? 俺への返事は」

朋「えっ……と、あたしも……Pのこと……そう、好き……好きよ」

P「そうか……じゃあ、お互いの気持ちも確かめたことだし、晴れて俺達は恋人同士ってわけだな」

朋「恋人……あたしとPが……」

P「そうだよ、もしかして恋人になるのは嫌だったか?」

朋「ううん……グスッ……嫌なわけない! すっごく……嬉しいわよっ!」ダキッ

P「朋……」ヨシヨシ


──数分後──

P「落ち着いたか?」

朋「っ! 悪かったわね、泣きじゃくったりして!」

P「俺でよければいくらでも胸を貸すよ」ハハハ

朋「もう、調子良い事言って///」


朋「ところでPはさ、あたしがあの雑誌を読んだって事、知ってたでしょ」

P「ん? ああ、朝、朋の様子がおかしかったのは占いのせいだって思ったから」

P「いつも朋が読んでる雑誌を調べてみたら案の定って感じかな」

朋「じゃあ、あたしが落ち込んでた理由も知ってたんじゃない!」

朋「それなのにあんな……あたしの事煽るようなことして、意地悪」

P「悪かったよ……けど、朋があんな風に落ち込んでなかったら、俺も告白までしてたかどうかわからない」

朋「……そっか」



朋「ねえ、P?」

P「ん?」

朋「占いって、アテにならないモンだね」

P「え? 宗旨替え?」

朋「Pが教えてくれたんじゃない、悪い結果なら変えちゃえばいいんだって」

P「そうだな……要は、結果を受け取る側の気の持ちようだよ」

P「俺と朋の関係……プロデューサーとアイドルだけど、それを考えると、例の占いの通り障害は多いと思う」

朋「うん」

P「けど、お前と一緒になら、そんな障害も簡単に乗り越えていけるって」

P「俺はそう思ってる」

朋「うんっ! あたしも、Pと一緒なら何があっても平気よ!」ダキッ

P「おっと……はは、ありがとな」

朋「あたしね、Pのこと、占いよりずっとアテにしてるから」






朋「あたしのこと……幸せにしてよね!」

おわり

藤居さんがぜんっぜんデレる気配が無いのでカッとなって書き殴りました
モノローグ多すぎて地の分でやった方が良かったかもしれない

それでは依頼を出してきます、お付き合いいただきありがとうございました

乙。

乙乙乙

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