猪「男さん…」(17)

猪だって恋したい!

なぜに猪?

「あー暇だ」

そう言いながら一人の男がコンビニ前でタバコを吹かしていた。

「何か楽しい事が起こらないか…ん?」

何やら前方から来る予感。

ダッダッタ…

その音がだんだん近づいてきた

そう判断した男は

おもむろに

下半身だけを

生まれたままの姿にし

立ち尽くした。

「今の俺は下半身が無防備だが…さて、吉と出るか凶と出るか…」

ニヤリと口元を歪ませた男。

この男、どうやらただものではないようだ。

「…ほぅ」

男は見えた。

前方から来るものが何であるか。

それは

それは、そう

野生の猪だったのだ。

擬人化…いや、獣人化さえすればアリだな

男「こいつァ…たまげたなぁ」

と、口では言いつつも

男は胸の奥から沸き上がる高揚を押さえる事が出来なかった。

出来るはずが、無かった。

「猪…ふん、獣畜生の分際で俺に向かってくるか…雑種が!」

男は

いや、男のシンボルは

いきり立った。

bgm:シンボルソング

ちょっと…いや全くわかんない

「例えば…例えば、だ。猪が時速600㌔㍍で走ってくるとしたら…俺は衝突の衝撃で粉みじんになってしまうだろう」

何故か楽しげに話す男。

「だが、こちらから時速60㌔㍍で迎えに行けば…フフッ、野暮な話は無しにしようか、なッ!」

そして男は風になった。

間違えた。時速60㌔㍍の間違いだ。

「雷(いかずち)より速く、強く!」

男は自己暗示のように呟く。彼の周りには何もなく、また、周りには彼以外の者はいなかった。

「猪…猪猪猪!これで俺は時速60㌔㍍!対等だな!」

そう、男は猪と並んだ。

これこそが、狙い。

男の狙いだったのだ。

「丁度、風のない海のように退屈な日々だった…思えば、花も色褪せていたよ…」

男の目にはうっすらと涙が。

何か込み上げてくるものがあったのだろう。

「お前に会うまでは、な!猪よォ!」

男の速度がピークに達した時

その瞬間は、来た。

猪と人間の

いや、肉と肉との

ぶつかり合い、だ。

間違ってても間違って無くてもどうでもいいと思える
そんな感じ

音が、鳴った。

ぐちゃり、という

低い音が。

鈍い音が。

吐き気のするような、禍々しく、不快な音が。

そして間髪入れずに

弾けた、肉が。

そう、肉が、だ。

局所的なビッグバン

そう表現するしかない。

ないのだ。

猪は?

男は?

そしてコンビニは?

気になる方もいるだろう。

だがしかし、だ

それらを知ったとして

知る事が出来たとして

果たして意味があるのだろうか?

いや、無い。

彼らの結末は、彼らだけのもの。

他者が好き勝手に哀れんだり憤慨して良いものでは、無い。

断じて

断じて、断じて、断じて

断じて、だ。

故にこの結末を

誰にも告げず

何にも記さず

私は、去るとしよう。

ん?

私?

そうだな、私は―――――

【完】

訳わからんwww

最後書きたかっただけだろ

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