モバP「ミルクの王冠」 (65)

モバマスSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406638991

古典シリーズかな

こんばんは。
最近本当に副業が忙しく、動画やその他SSが書けずにすみません。

待って下さる方がいらっしゃるのに申し訳ない限りです。

>>2
古典シリーズです。

事務所


未央「むむっ!」

P「どうかしたのか?」

未央「いや、なんでもないけど」

P「なんでもないってことはないと思うけど」

未央「まぁ、強いて言えばそろそろ私達の撮影した番組がやる時間じゃないかなって」

P「お、そうだな」ポチ

未央「やー、なんか恥ずかしいねー」

P「って言っても見るのな」

未央「そりゃね。だって私以外にも出てるんだし」

P「そんなもんか」

未央「そんなもんだよ」

ちなみに外伝です。

外伝と本編の差は深く考えないで下さい。

あくまで自分の中の決まりみたいな感じなんで。

杏「いや、杏的には違うね」

P「それは、ほら杏だから」

小梅「わ、私も…恥ずかしくて…見たくは…」

杏「ほら」ドヤ

P「そこまでドヤ顔することか…」

まゆ「まゆはPさんと一緒に観たいですね」

志希「うんうん。隣で一緒の毛布とか入ってたいよね」

まゆ「ですねぇ」

P「なんだかんだで仲良さそうだな…」

まゆ「仲いいですよ。きっと」

事務所

志希「そう言えば、小梅ちゃーん」

小梅「は、はい…なんですか?」

志希「小梅ちゃんって幽霊が見えるんだっけ?誰かから聞いたけど」

小梅「見える…のかな?」

P「見えるんじゃないか?俺は分からないけど」

小梅「それじゃ、多分、見えます…」

志希「ふーむ。まぁ、確かに小梅ちゃんが見ている景色を他の人も見れないと幽霊が見えてるかなんてわからなそうだね」

P「ちょっと哲学的だな」

志希「そう?アタシってばそっちもいけるかな?」

P「志希ならなんでも出来そうじゃないか?」

志希「そんな~、キミはアタシを褒めてどうしたいの?」

P「事実を言ったまでだけど」

志希「またまた~」

志希「今度惚れ薬でも作ってあげるよ」

P「俺を実験台にするのは勘弁してくれよ…」

小梅(仲良さそうだな…)ジー

古典シリーズの人…だと…?

猛烈に支援

志希「あ、そうそう。キミにも話があったんだけど」

P「ん?俺か?」

志希「なんでも女の子が輝く姿が見えるらしいじゃん」

P「輝く姿…?」

志希「えっと、ステージで活躍してる姿かな」

志希「あ、別にピカーンって輝いてる姿じゃないからね」

P「あぁ、そういうことか。俺がスカウトする時によく使う言葉だな」

志希「実際どうなのさ?」

志希「もしかして適当に言ってるの?」

P「どうだろうな?直感的に感じる雰囲気みたいなもんだからな」

志希「そっちも判別しづらいねぇ…」

P「だなぁ…」

志希「でも、アタシらアイドルが頑張ったら、本当であり続けるんだよね」

P「そうだな」

志希「頑張らないとね小梅ちゃん」

小梅「…う、うん」


事務所

凛「うーん…」

P「どうした?」

凛「あ、おはよ」

P「おはよう」

凛「ちょっとね。次のライブバトルの振付を見てたんだ」

P「気になる点でもあるのか?」

凛「いや、ちょっと難しいなって。大丈夫。心配しないで」

P「そうか。分かった」

凛「うん」

文香「…もし」チョンチョン

P「どうした文香」

文香「こんにちは」

P「こんにちは」

文香「近々、ライブでもあるのですか?」

P「あぁ、凛達がな。雪辱戦みたいな感じかな」

文香「なるほど。だからあれほどまでに熱心に」

P「恐らくな。まぁ、闘うユニットは違うんだけど」

文香「あ、そうなんですね」

P「あぁ」

文香「そう言えば…」

P「ん?」

文香「…聖書の中に『負けは蒔け』『勝ては糧』という言葉があります」

P「いきなりどうした?」

文香「まぁ、ちょっと思うことがありまして…意味はご存じですか?」

P「いや、知らないな」

文香「稲穂に残った種がいつまでも落ちなければ一つのままですが、落ちてそこから芽を出せばいくつにもなるという意味ですね」

P「負けたことは無駄にならないってことか?」

文香「えぇ。少なくとも凛さんを見てそう思いました」

P「人生常に全勝なんていかないからな」

文香「えぇ、落とし穴が事前に見えていない限り常に隆盛を極めることは難しいと思います」

P「それは無理な話だな。それこそ超能力だな」

文香「予知能力ですね」

P「そう言えば少し前の話になるんだけどな」

文香「はい」

P「俺がスカウトしてる子は輝く姿が見えているみたいな類の話をしたよな?」

文香「…はい。プロメテウスですね」

P「そんな話したっけか…?」

文香「あ、いえ、これは違いましたね。でも先見性という意味では同じだと思います」

P「そうなのか。まぁ、いい。その先見性は今の話の言葉を借りると超能力かなんかになるのか?」

文香「…恐らく違うのではないでしょうか?」

P「そうなのか?」

文香「…はい。恐らくは経験則なのでしょう」

P「経験か」

文香「えぇ、職人が機械よりも正確に指先の感覚でモノを削ることが出来るように」

P「なるほどな」

文香「まぁ…私としては…これほどまでスカウトを成功させて尚且つ回すことが出来ることの方が超能力だと思いますけど…」

P「いや、意外に失敗してるけどな」

文香「そうなのですか?」

P「スカウトの方は特にな。まぁ、当然なんだけどな」

文香「そうでしたか…」

P「あぁ」

文香「まぁ、その失敗したという経験があるおかげで今の私達があるのですから…」

P「そうなるのかな」

文香「…はい。まさに負けは蒔けです」

P「なるほどな。言いえて妙だ」

文香「きっと、渋谷さんは強い人ですから、前回の負けを活かして活躍してくれると思います…」

P「なるほどな」

事務所

P「杏いるかー」

杏「いないー」

P「ちょっと来てくれ」

杏「いや、いないって言ってるんじゃんね。ちひろさん」

ちひろ「えーっとそうですね」

杏「ほら、ちひろさんもいないって言ってるからいないよ」

P「二人共ちょっと来てくれ」

ちひろ「えっとごめんなさい…?」

P「いや、ちょっと聞きたいことがあるだけだよ」

杏「聞きたいこと?」

ちひろ「私達にですか?」

P「一応ですけどね」

杏「飴くれるなら」

P「この間あげた飴はどうした?」

杏「食べた」

P「糖尿病には気を付けてな」

杏「塩飴も舐めてるから」

P「別に中和されるわけじゃないけどな…」

ちひろ「健康には気を付けて下さいね」

杏「へーきへーき」

P「それじゃ、ちょっとこっちに来てくれ」

杏「へーい」

応接室

杏「わざわざこっちに呼んでまでどうしたの?」

ちひろ「ビデオですか?」

P「この間のライブバトルの映像なんだけどな」

杏「杏は今回は出ないよ」

P「今回は凛達だけだよ」

杏「尚更、今呼ばれた意味が分からないけど」

ちひろ「私もです…」

P「うーん、ちょっと聞きたいんですけど」

杏「うん」

P「なんで、杏のユニットは勝って、凛のユニットは負けたんだろうなって」

杏「杏以外が頑張ったから。それと運」

ちひろ「またまた…」

杏「てか、そんなん分かんないよー。興味ないし」

P「だよな」

ちひろ「でも…確か凛ちゃんが自分のせいで言ってたじゃないですか」

P「ですよね。でも、何か力になれることないかなって思うんですよ…」

杏「何か聞きたかったの?」

P「いや、ちょっと勝ったユニットの意見を聞いてみようかなって」

杏「幸子に聞けばよかったじゃん」

P「幸子も分からないって言ってたからさ」

杏「尚更杏に聞く意味がないよね」

P「そうだったか悪い悪い」

ちひろ「うーん…私も分からないですね」

P「分かりました。ありがとうございます」

数日後
事務所

P「うーん…」

まゆ「どうかしたんですか?」

P「ん?ちょっとな」

まゆ「悩み事はまゆが聞きますよ?」

P「うーん…」

まゆ「次のライブのことですか?」

P「まぁ、そんな感じかな」

まゆ「振付なんかはトレーナーさんがやってくれるんじゃないですか?」

P「まぁ、そうだけどな」

まゆ「何を悩んでるんですかぁ?」

P「まゆは目に見えないものを信じるか?」

まゆ「なぞなぞですかぁ…?」

P「なぞなぞじゃないな。ちょっとした質問だ」

まゆ「…まゆは信じてますよぉ」

P「お、そうなのか」

まゆ「はい。だって…」

P「だって?」

まゆ「やっぱり秘密です」

まゆ(貴方とは赤い糸で繋がっていますから。他の人には見えませんけど)ニコニコ

昔TOKIOの国分が牛乳に水滴が落ちた瞬間に凍らせて王冠作ってたなぁ

P「もしかしたら、同じランク同士での争いで勝敗を分けるのはそこかもな」

まゆ「はい?」

P「見えないモノを見る力が勝敗を分けるってことだ」

まゆ「まゆにはよく分からないです」

P「俺も自分で言っててオカルトチック過ぎて分からない」アハハ

まゆ「なんですかもう…」ハァ

まゆ「あれ…?」

まゆ「うーん…」

まゆ「あ、分かりました」

P「分かったのか?」

まゆ「まゆだけの秘密ですけどね」

P「そうか…」

まゆ「まぁ、どうしても聞きたいなら教えてもいいですよぉ?」

志希「なに二人して神妙な顔してんの~?」

P「ん?大した話じゃないんだけどな」

志希「うん?」

志希「にゃるほどね~」

P「そう言えば、志希はこういうのにも詳しいんだっけか」

志希「人よりは詳しいと思うにゃ」

志希「えーとね、まず、目から入った情報は脳で処理されるじゃん。人の脳味噌って一つじゃないんだよね~」

P「そりゃそうだろうよ」

志希「うーんとね、大脳新皮質って言う皆がイメージする脳味噌があるんだけど」サラサラ

P「手馴れてるな」

まゆ(流石ですねぇ…)

志希「実はもう何個か脳味噌あるんだよね」

P「ん?」

志希「この新しい脳味噌の下にね、こういう古い脳が…」

P「そうなのか」

志希「そうなんだよね」

P「それで、その脳味噌がどうしたんだ?」

志希「昔の本能が備わってるんだよね~。鳥とか動物はまだ使ってるみたいだけど。人間のは退化しちゃった。使わないから」

P「それが見えないモノを見る力なのか?」

志希「かもしれないねーって思ったんだにゃ」

まゆ「ファジイなモノを理論的に解説されると何か変な感じですね」

志希「夢が無くてごめんね~」

まゆ「いいですけど」

P「少し勉強になったよ。ありがとな」

志希「いえいえ~」

レッスン室

未央「はい。頑張っていこー!」

凛「踊りだと元気だよね」

卯月「だねー」

未央「でしょでしょ」

凛「そうだね」

未央「次は勝とうね」

凛「当たり前じゃん」

卯月「うん」

凛「もう負けられないしね」

未央「もう気張りすぎだよー」グニー

凛「…痛いんだけど」

未央「あー、ごめんごめん」

凛「まぁ…いいけど」

未央「優しいねーしぶりん」

凛「そんなことないと思うけど…」

卯月「二人共そろそろ練習再開しよっか」

凛「そうだね」

卯月「そう言えば風の噂で聞いたんだけどね」

凛「なに?」

卯月「私達が負けた日の話なんだけど…」

凛「…うん」

卯月「あの後Pさんに泣きついたって聞いたんだけど…ホント?」

凛「…誰が?」

未央「しぶりん」

凛「誰―」

卯月「凛ちゃん」

凛「だ―」

卯月「凛ちゃんだよ!」

凛「……う」カァァ

未央「あ、図星だ」

卯月「あ、図星だったんだ」

凛「だ、だから…なにか」

未央「羨ましいってしまむーが」

卯月「えぇっ!?そんなこと言ってないよ!」

凛「言ってないの?」

卯月「言ってないけど…」

未央「思ってます?」

卯月「思って…なんでもないです」ブツブツ

未央「えー、なになに?」

卯月「な、なんでもないってば!」アセアセ

凛「……練習しよっか」

卯月「そうだね」

夕方
事務所

頼子「あの…よろしいですか?」

P「はい」

頼子「ちょっとこれなんですけど…」ペラ

P「どうした?」

頼子「えっと…美術館にでも行きませんか?」

P「今からか?」

頼子「お忙しくなければ…って忙しくないわけないですよね…」

頼子「すみません」

P「ん?まぁいいぞ」

頼子「え?あっはい」

P「ちょっと気晴らしがしたくてな」

頼子「気晴らしになるように頑張ります…」

P「そこまで気張らなくてはいいかな」

P「とりあえず、ちひろさんにお願いしとくな」

頼子「すみません…」

P「気にしなくていいよ。少し待っててくれ」

P「お待たせ」

頼子「あ、いえ、今来たとこです…」

P「いや、さっきからいただろ」

頼子「あっ、言ってみたかっただけですから…」カァァ

P「そうか。それじゃ行くか」

頼子「…はい」

美術館

頼子「この時間だと…空いてますね」

P「そうだな」

頼子「やはり空いている時に来るのがいいですね」

P「だな」

頼子「今回はこの絵を見に来たんです…」

P「おぉ、凄いな」

頼子「富嶽三十六景ですね」

P「壮大だな」

頼子「えぇ…名画ですね」

P「圧倒されるな」

頼子「…はい」

頼子「…そう言えば、ミルクの王冠って知ってますか?」

P「ミルクの王冠?」

頼子「ハイスピードカメラで撮った写真です」

P「あぁ、あれか。見たことあるよ」

頼子「綺麗ですよね…」

P「そうだな」

頼子「あっ、話が逸れましたね。えっと…あの写真を思い浮かべながらこの絵を見て下さい…」

P「ん?」

頼子「波頭の方です」

P「波頭…ん?」

頼子「何か…見えましたか?」

P「波頭が王冠の形か…?」

頼子「はい。そうです」

P「凄いな。江戸時代の人は見えてたのかな」

頼子「いや…全員が全員見えていたとは考え辛いですけれど…」

P「流石にそれは冗談だけどな」

頼子「画狂人だから到達しえた境地かもしれないですね」

P「だな」

頼子「もしかしたら一つの道を極める過程で自然と身に着いたものかもしれませんね」

P「そうかもな」

頼子「あなたが女の子が輝く姿が見えるのも似たようなものかもしれませんね」

P「それは言い過ぎだろう…」

頼子「いえ…そんなことはないと思いますよ。それだけあなたは真剣だと…思います」

頼子「あなたの目はただ、物を捉えるだけじゃ終わりませんよきっと」

P「そうなんだろうか?」

頼子「はい。…それにその方が浪漫がありませんか?」

P「そろそろ戻らないといけない時間だな…」

頼子「もうそんな時間ですか」

P「それじゃ帰るか」

頼子「分かりました。ありがとうございました」

P「いや、いい気分転換になったよ」


頼子「そう言えば…今度ユニットでどなたか出られるとか…」

P「あぁ、凛達が出るよ」

頼子「そうでしたか」

頼子「今度は…勝てそうですか?」

P「どうだろうな」

頼子「確信はないんですね」

P「ほら、相手もいることだし」

頼子「相手さんも強いんですか?」

P「弱くはないさ。相手も最近ちらほら名前を見るユニットだし」

頼子「激戦が予想されますね…」

P「あぁ…」

P「頑張ってくれとしか言えないよ。俺もアドバイスらしいアドバイスが思いつかないし」

レッスン室
凛「さぁ、頑張ろっか」

卯月「そうだね」

未央「うーん…」

凛「どうかしたの?」

未央「もうちょっとしぶりんがここの振付をこうした方がいんじゃないかなって」

凛「そうかな?」

未央「うんうん。何かその方がユニットとしての動きが良い感じになる気がするんだよねー」

卯月「未央ちゃんどうかしたの?」

未央「うーん?なんとなくそんな感じがしただけだよ」

凛「私達が輝いてる姿でも見えた?」

未央「うーん…もうちょっとかな」

凛「もうちょっと?」

未央「うん。ちょっと時間あったから色んなアイドルのライブ見て見たんだよね。そのせいかな?」

凛「へぇ」

卯月「凄いね」

未央「まぁ、未央ちゃんもやる時はやるんだよ!」

未央「…あんな思いはもうしたくないし、足手まといにはなりたくないからさ」アハハ

卯月「未央ちゃん…」

未央「と、とにかく、頑張ろっか」

凛「そうだね。私も足手まといにはもうなりたくないから」

未央「でも、ミスったらプロデューサーさんに慰めて貰うんでしょ?」

凛「そんなことしないってば…多分」

未央「あ、多分ですって。聞きました?」

卯月「はい!バッチリ聞きました」

凛「二人共っ、怒るよ…」

P「……」チラッ

頼子「どうですか…?」

P「ようやく完全にハマったみたいだよ」

頼子「何がです?」

P「欄外のピースがさ、しっかりと」

頼子「ユニットとして成長してきているということですか?」

P「あぁ。俺があんまり指導出来てないのが少しはがゆいくらいだ」

頼子「なんでしたら…」

P「ん?」

頼子「私と…鷺沢さんでユニットを組んで一から指導されますか?」

P「悪くないな」

頼子「考えておいてくださいね」ニコ

P「あぁ」

三十分後

ガチャ

P「そろそろ終わりにしないか?時間も時間だし」

凛「そうだね」

未央「あ、ねぇねぇ聞いてしぶりんが…」

凛「未央、静かに」

P「仲良いなお前ら」アハハ

車内
卯月「あれ?頼子ちゃんは?」

P「歩いて帰るそうだ。まだそこまで遅くないし、文香のとこに行くんだと」

卯月「そうなんですねー」

P「それより…出来はどうだ?」


未央「んー、もう少しでこう皆が輝ける気がするんだよねー」

P「ふむ…」

卯月「あ、知ってました?未央ちゃんってこう見えても勉強熱心なんですよ?」

未央「学校の勉強はあんまりだけどね」

P「例えばアイドルのライブのビデオ見て勉強したりとかか?」

未央「げ。知ってるの?」

P「まぁな。蓮実とかに借りてたろ」

未央「うわー、なんか恥ずかしいなぁ…」ポリポリ

P「まぁ、そういう努力は見えないところでしたいよな」

未央「話が分かるねー」

卯月「私も頑張ります!」

未央「それじゃ、お疲れ様ー」

卯月「ありがとうございました」

P「おつかれ」

車内
P「どうだ?」

凛「何が?」

P「何がって出来とかだな」

凛「まぁ、平気なんじゃないかな」

P「凛がそう言うなら平気か」

凛「未央がさ」

P「うん」

凛「ちょっとPさんと似たようなこと言ってたのが驚いたよ」

P「確かにな」

凛「もしかしたらそういう才能もあるのかもね」

P「かもしれないな」

凛「…勝てるかな」ボソッ

P「ん?平気なんだろ?」

凛「うん。そうだけどさ…」

P「やっぱり不安か?」

凛「まぁ…ちょっとはね」

P「頑張れよ」

凛「応援してくれたら頑張れるかも…」ボソ

P「頑張れ。凛達ならイケる」

P「新しい時代を作れ」

凛「…ありがと。元気出た」

P「出来ると思った奴ができるんだ」

P「ここまでだと思ったらそこで終わりだ」

凛「…うん」

凛「あ、そうだ」クルッ

P「ん?」

凛「もし勝ったらごはん連れていってよ」

P「あぁ、いいぞ」

凛「ちゃんと三人でね」

P「もちろん」

凛「それじゃね」

数日後

蓮実「どうですかね」

P「お、蓮実か」

蓮実「はい。蓮実です」

ちひろ「勝てるといいですねぇ…」

P「ちひろさんも来たんですか?」

ちひろ「えぇ、楓さんに電話番をお願いしました」

P「まぁ、それなら平気ですかね…」

ちひろ「あ、あと菜々さんもいるから安心してください!」

P「まぁ…平気ですかね」

加蓮「でも、事務所の人の応援がこれだけだと少し寂しいね」

P「そうか?」

加蓮「そうじゃない?まぁ、ファンが来てくれてるからいいかな」

「あ、す、すみません」

加蓮「は、はい…?」

「あ、あの…北条さんですか?」

加蓮「い、一応そうだけど…」

「えっと、私この間テレビで見て…その、ファ、ファンになりました…これからも頑張ってください」ペコリ

加蓮「あ、どうも…」ペコリ

P「加蓮のファンも見に来てたらしいな」

加蓮「……」

P「どうした?」

加蓮「え?あ、ごめん。聞いてなかった」

P「そうか」

加蓮「…ちょっとだけ、本当にちょっとだけ夢が叶ったかな」

P「これからも頑張ろうな」

加蓮「うん。サンタさんにも報告しなきゃね」ニコ

頼子「お、遅れました…」

P「お、お疲れ様」

頼子「は、はい…」

ちひろ「こんにちはー」

P「そろそろかな」

頼子「…間に合って良かったです」ホッ

控室

卯月「そ、そろそろだね」

凛「…うん」

未央「どうしたのー?」

凛「べ、別に…」

凛「大丈夫、私は大丈夫。練習してきたんだから…」ブツブツ

凛(ここでミスしたらまた…)カタカタ

卯月(凛ちゃん震えて…?)

未央「ほらほらー」グニグニ

凛「……なに?」

未央「そんな怖い顔しなさんなってー。何のためにアイドルになったの?」

凛「え…?」

未央「蓮実ちゃんと話してたけど、アイドルってやっぱり人を笑顔にするものだと思ったんだ。しぶりんも誰かを笑顔にしたいんじゃないの?」

凛「……」

未央「その当人が怖い顔してちゃダメでしょ!そんな顔していいことなんてないんだからっ☆」

卯月「未央ちゃん…」

凛「…そうだね」

未央「こういう時は嬉しいこととか楽しいことを考えるべきだよっ!」

凛「嬉しいこと……」

凛「私は…」

未央「うん」

凛「今ここに三人でまた立っていられることが一番嬉しい…かな」ポリポリ

卯月「凛ちゃーん!」ギュ

凛「ちょ、ちょっと…!」

卯月「絶対勝とうね」

未央「プロデューサーに見せつけてあげようよ!」

凛「…そうだね」ニコ

ワアアアアアアア

P「お、始まったな」

ちひろ「頑張って下さい」

加蓮「相手も上手だねぇ」

P「レベルは高いよな」

加蓮「そうだね」



加蓮「前回さ、ここら辺で凛が――」

P「今回は大丈夫だろ」

加蓮「なんかあるの?」

P「二度同じミスはしないだろ」

加蓮「まぁ、確かに。でも、踊りが違うし…」

P「確かにそうだな」

ワァァァァ

ちひろ「…なんだか踊りの完成度が上がりましたね」

頼子「そうですね」

加蓮「ねぇねぇ」

P「どうした?」

加蓮「ユニットのリーダーは凛だよね?」

P「一応な」

加蓮「未央の方が引っ張ってるように見えるけど」

P「そう見えるな」

頼子「踊りの方は本田さんの方が才能があるのでしょうか…?」

P「未央は自分が見た自分達の輝く姿を演じてるのかもな」

加蓮「うん?」

P「いや、ちょっと思うことがあってな」

加蓮「そうなんだ。そういうこと言うと、なんかPさんが二人いるみたいだね」

P「そうか?」

加蓮「うんうん」

ちひろ「あ、終わりました」

P「いい踊りでしたね」

加蓮「ミスらなくて良かったねー」

頼子「素晴らしい演技でした」パチパチ

蓮実「私もいつかは…!」グッ


「それでは結果発表です」

「優勝は―――」

ワアアアアアア

P「よしっ!」グッ

ちひろ「やっ、やりましたね!」

加蓮「よっし!」グッ

頼子「おめでとう…ございます」

蓮実「おめでとうございます」ウルウル

P「さぁ、凛達のところ行こうか」

ちひろ「はい!」

控室

ガチャ

P「おめでとう!」

凛「ありがと」

卯月「や、やりました!」

未央「へへーんどうよ」ドヤ

蓮実「やりましたねっ!」

未央「おっ!蓮実ちゃん来てくれたんだ!」

蓮実「はいっ!」

未央「ありがとね!」

蓮実「とっても良かったです」

凛「どうだった?」

加蓮「ふーん。まぁまぁかな」

凛「…う」カァァ

P「お疲れさん」

凛「ありがと」

車内

P「お疲れ様」

未央「おつかれー!」

卯月「……ん」スゥ

凛「…」スゥ

P「未央だけしか起きてないか…」

未央「まぁ、皆疲れてるだろうししょうがないよね」

P「未央は平気なのか?」

未央「何だか心臓がドキドキして寝れないんだよね」

未央「心臓の音が大きく聞こえるんだよ」

P「勝ったからかもな」

未央「うん!そうかもね!」

P「今回は間違いなく、未央のおかげだ」

未央「…そうかな」

P「おめでとう」

未央「…ありがと」

P「そう言えば、自分達が輝く姿がどうのこうのってのを聞いたんだけど、どういうことなんだ?」

未央「あ、あれはよくわからないんだけどさ」

未央「こうしたらもっと良くなるのが見えてきてるというか…。しぶりんとしまむーと私のバランスが…あー、分かんない」

P「そうか」

未央「なんだか説明しづらいんだよねー」

P「…今回の相手は正直実力均衡だったと思う」

未央「あ、やっぱりそう?名前呼ばれた時、勝った気がしなかったもん」

P「俺は、勝ちと負けを分けたのは未央が、他の人には見えないよく分からない何かが見えたからだと思う」

未央「そうかなぁ?」

P「小梅が幽霊見えるのと同じかもな」

未央「え。それと同じなの…?」

P「そうじゃないか?これからも頑張ってくれ」

未央「オッケーオッケー。これからも未央ちゃんに任せなさい!」

未央「あのさ…ありがとね」

P「何が?」

未央「リベンジする機会をくれて」

P「たまたまだよ」

未央「これでプロデューサーさんの目は間違ってないって証明出来たよね」

P「凛みたいなこと言うんだな」

未央「まぁ、悪くないかな」

P「…真似か?」

未央「…似てない?」

P「未央だったな」

未央「い、いえーい…」

未央「それじゃ、ここらへんで。おーい、しまむー起きてー」

卯月「ん?あぁ…おはよ。帰ろっか」

未央「あ、今日もうづきんの家に行っていいかな?」

卯月「え?うーん…いいよ」

未央「ありがとーっ」

凛「…ばいばい」

P「お疲れ様」

卯月「いきなり泊まりたいなんてどうしたの?」

未央「うーん?なんか帰っちゃうのが勿体なくてさ」

卯月「ちょっとわかるかなー」

クルッ

未央「ん?どうしたの」

卯月「えっとね…」

卯月「ありがとねっ!未央ちゃん!」

未央「え…?」

卯月「未央ちゃんのアドバイス通りにしたら勝てたんだよ?」ニコ

未央「あ…」

卯月「どうしたの?」

未央「な、なんでもないよっ」ジワ

未央「――っ!」ゴシゴシ

未央「こ、これからもよろしくねっ!」

卯月「うんっ!」

車内

凛「見てた?」

P「あぁ」

凛「ふふふ」

P「どうしたんだよ一体」

凛「今度は証明できたよ」

凛「間違ってないって」

P「あぁ、ありがとな」

凛「…うん。ふふ」

P(やけに機嫌がいいな…)

凛「正直、未央のおかげで勝てたよ」

P「そうかもしれないな」

凛「そうかもじゃなくて、そうだよ」

凛「私と卯月だけじゃあのステージに上がることも出来なかったかもしれない」

凛「未央を連れてきてくれてありがと」

P「未央が勝手に来たんだよ」

凛「それを入れたのはPさんでしょ?」

P「まぁな…」

凛「そういえば、このトロフィーはどこに飾ろっか」

P「凛の家か?」

凛「それは一人でトップになった時にするよ」

P「それじゃ、事務所かな」

凛「そうしよっか」

凛「でもさ」

P「ん?」

凛「私達が勝った証は何か欲しいな」

P「確かにな…あ、ご飯行くよな」

凛「それはそうだけど…領収書でも取っておくの?」

P「…いや、それはやめよう」

凛「えっと……」グイ

P「り、凛、顔が近いって」

凛「これが欲しい…かな」

P「ネクタイピンか?」

凛「うん。記念に」

P「まぁ、これならいいよ」

凛「ありがと。制服のネクタイに付けるね」

P「勝手にしてくれ」

ライブバトルの勝敗って言うのが本当にピンと来ない
バンドなんかだとそういう番組があったんだっけ?

ゲーム本体のライブバトル?アレは数字が競ってるだけで
アイドルが何かしてるというイメージは全くない

P「そろそろ着くな」

凛「そうだね」

P「お疲れ様」

凛「お疲れ様」

凛「さっきさ、キスされると思った?」

P「え?」

凛「ま。考えてないか」

P「あはは…」

凛「……したかった?」

P「さぁな」

凛「…意気地なし」ムッ

終わりです。
見て下さった方ありがとうございました。

>>57
まぁ、ゲームの方は確かにアイドルが何かするというイメージはないかもしれませんね。

個人的には、どのユニットが一番人気だったのか。みたいなイメージでライブバトルは考えてます。

簡単な解説です。

・最初の方(>>13)に出ていた聖書の原文は以下のようになります。
 『はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、[ピーーー]ば、多くの実を結ぶ』


・志希が解説した大脳以外の脳味噌とはここでは中脳の上丘を指しています。
 文中でもある通り鳥類などは視覚において重要な役割をしているそうです。

・ミルクの王冠と葛飾北斎について。
 ミルククラウンの画像と、北斎の神奈川沖波裏の画像を見てみると波頭の部分が王冠と同じ形に見えるかもしれません。
 この絵が描かれたのが1831年ですから驚きですね。

最近副業が忙しい関係で何かとご迷惑を掛けるかもしれませんがご了承ください。

何かあればどうぞ。

乙です。
今来たとこって言っちゃう頼子さん可愛い

乙。
「弓は的に当たってから矢を放てば外れることはない」という格言っぽいのは聞いたことがある
スポーツ選手が言うところのヴィジョンだとかゾーンというのも同じものだろうか

メインのはずのちゃんみおよりインパクトの残る頼子さんよwww いつかよりふみユニット結成した場合の話も見てみたいですね。

ミルクと見た時に雫しか浮かばなかった、この発想の貧困さよ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom