とりつけミスった

最悪

北上「ねねっ！大井っち！」


大井「どうしました？」


北上「さっき、もっちーが雲になりたいって言ってたんだけど」


大井「もっちーって望月？」


北上「うん、そうだよ？」

大井「駆逐艦うざいんじゃないのですか？」ニヤニヤ


北上「う、うざかったなー」


大井「今さらですか……それで望月がどうしました？」


北上「だから雲になりたいって言ってたんだけど」


大井「くも？って虫の方か、空にある方？」


北上「空のほう！虫なんてありえないよ！」

大井「雲になりたいなんて…」


北上「なんか、プカプカ浮いていたいんだって」


大井「望月らしいわね」ふふっ


北上「それで大井っちは何になりたい？」


大井「それはもちろん、北上さんと同じよ？」


北上「またまた～。じゃぁ虫でもいいの？」

大井「北上さんは虫になりたいんですか？」


北上「それは嫌だよ～」


大井「なりたいって生まれ変わったらって事ですか？」


北上「そうそう！」


大井「急に言われてもね…」


北上「えー」

大井「じゃぁ、また艦娘になって
北上さんと共に戦いたいかな」


北上「じゃぁ私も艦娘にならなきゃだね～。ねっ？」


大井「ふふっ、北上さん…」


北上「じゃぁやっぱまた雷巡？」


大井「んーそうね、やっぱ魚雷は外せないわね。あと艦載機も憧れるし大きな主砲もいいわね～」


北上「それレ級じゃん！」

北上「やめてよね、そんな事言ってレ級に生まれ変わるとか」


大井「レ級になりたいわけじゃないですよ～！まず北上さんがいるのに沈みませんよ」


北上「まぁね～。なんたってハイパーズだからね！」


大井「2人だけの雷巡ですからね」


北上「ちょっとー、木曾もいるじゃん～」


大井「いえ、知らない子ですね」


北上「私達の妹じゃん！あとそれ赤城さんのだし～」

大井「じゃぁ北上さんこそなりたいものっあるんですか？」


北上「ん～まぁ私も艦娘のままでいいかな～。他の生き方なんて知らないしね」


大井「他の生き方？」


北上「うん。だって私達民間人の生活とか知ってる？」


大井「……考えた事も無いですね」


北上「でしょ？私達は生まれた時からここにいるしね」

大井「……」


北上「まぁ私達は深海の奴らを倒すだけだよ。んーしいて言うならもっと強くなりたいな～」


大井「私も強くなって北上さんを守りたいです」


北上「えー、私が大井っちを守るんだよ？」


大井「北上さん…」


北上「だから私がなりたいのはね～っあ！もうすぐ出撃じゃん！」

大井「あとどのくらいですか？」


北上「30分」


大井「ギリギリじゃないですか！」


北上「じゃ行ってくるわ！あっ！
話の続きは帰ったらね？」


大井「もう！遅れますよ？」

ーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
ー

北上「ふぃ～、ただいま～」


大井「ちょっ！北上さん？ボロボロじゃないですか！入渠は？」


北上「今使われてるみたい」


大井「……提督！」


北上「まぁまぁ、しょうがないよ～ 提督のせいじゃないよ」


大井「でも！」

北上「今、駆逐艦が入ってるからすぐ変われるからさ？」


大井「……分かりました」


北上「…最近さぁ」


大井「はい」


北上「あいつら強くなってるよね？」


大井「…深海棲艦ですか」

北上「砲撃の威力もだしやっぱ怖いのは命中率だよね～」


大井「私も思ってました。前までは楽に回避出来ていたのに」


北上「今日も私と駆逐艦が被弾したせいで撤退なんだよ？」


大井「そんな危ない海域に…」


北上「危ない海域だからこそ私達
雷巡が先制で魚雷打つんだよ」


大井「…でも北上さんが沈んだら」

北上「あれー？大井っちが守ってくれるんでしょ？」


大井「……もぅ、北上さんったら」


北上「ほらほろ楽しい話にしよーよ？ね？」


大井「……はい！」


北上「あっそうだ大井っち！今日行く途中でねぇ、鯨でたよ！」


大井「珍しいですね？生き残りですかね？」

北上「結構大きな群れだったし生き残りかね～」


大井「いいなー！私も見たかったですよ！」


北上「私も大井っちと見たかったな～」


大井「私もです！」


北上「そういえば、内地のほうには大きな水槽に魚がいっぱいいてそれを見れる施設があるらしいよ？」


大井「それってもう海で見れない魚も？」

北上「そうそう！なんとあのイルカも見れるらしい！」


大井「本当ですか！？」


北上「もち！行きたいね～？」


大井「……じゃぁ戦争終わったら
行きましょうよ！」


北上「何それ死亡フラグ見たいじゃん～」


大井「もう北上さん！本気ですよ！」

北上「もちろんだよ？」


北上「あっもうそろそろ入渠終わるかな？行ってくるよ」


大井「分かりました。待ってますからね」


北上「ほーい」


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ーーーーー
ーーー
ー

北上「たっだいまー！」


北上「大井っち！上がったよー！」


北上「どう？綺麗になったでしょ？」


北上「まぁ北上様は元々綺麗だけどね～？」


北上「………あれ？」


北上「大井っち？」

ーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー

北上「あれ？海の上？」


大井「北上さん？どうしました？
ぼーっとして」


北上「……今日の任務何だっけ？」


大井「またまた～、Eスポットの残りの殲滅じゃないですか？もうすぐ着くんで冗談は後にしましょうよ」


北上「あーうん、そうだね～」


北上（あぁ、やっぱり任務中だったか…）

北上（それにしてもEスポット？聞いたことないね。殲滅ってことは残存部隊でいいのかな）


「敵艦隊補足！攻撃機発艦して！
みなさん来ますよ！」


「装弾完了だ！」


「敵艦隊編成、戦艦3軽巡1駆逐2！
陣形は単縦陣！」


「こちらも単縦陣だ迎え打つぞ！」

大井「北上さん！」


北上「20射線の酸素魚雷、2回いきますよー」


大井「はい！酸素魚雷20発、発射です！」


「目標、戦艦1、軽巡1命中！どちらも轟沈！」


「さすがやるじゃないか！」


「私達も負けていられないわね？
前門斉射！」

北上「おぉーさすが戦艦！迫力があるね～」


大井「北上さん！右舷から駆逐艦が一隻！」


北上「分かってるよー。連装砲の威力くらえ！」


「駆逐1轟沈確認！」


北上「よっしゃー！」


大井「さすが北上さん！」

北上「あっ！大井っち！！」


大井「え？」


ドガーン


北上「大井っち！！」


大井「くぅ……大破です」


「大井！大丈夫か？」

大井「大丈夫です。戦艦だったので大破しました」


「北上は大井を併航して！一時撤退します！」


北上「分かりました」


大井「……北上さん、すいません」


北上「大丈夫大丈夫」


大井「…北上さん？あの泡って…」

北上「……潜水艦？」


大井「嘘、この海域での出現しないはず…」


北上「せ、潜水艦です！」


「何！？」


「この海域じゃ出ないんじゃなかったの！？」


「数は！？」

北上「……結構な数みたい」


大井「なんで……」


「対潜装備は！？」


大井「今日は必要ないって……」


北上「………」


「左舷！魚雷！回避！」

「潜水艦は遅い！上手く撤退するぞ！」


北上「はい！」


大井「ごめんなさい、北上さん」


北上「何さ」


大井「………」


北上「大丈夫だってもうすぐ逃げ切れーーー」

大井「っ！」


ドガーン


「北上！」


「当たったのか！」


北上「あれ？当たったの？……っ大井っち！？」


大井「北、上さん、あ、危なかったです、ね？」

北上「え？」

北上「大井っち！大井っち！」


大井「約束……守れましたね？」


北上「大井…っち？」


大井「北上さんは……私が……守るって…」


北上「そんなの！！」

大井「まぁ約束…も、守れたし…北上さんと……同じ…」


北上「いや…だよ！？」


大井「 重雷装艦として、沈むのも悪くないか･･･」


北上「大井っち！！ねぇ大井っち！！」


北上「待ってよ！！大井っち！！」

北上「なんで！？なんで！？」


「おい！大丈夫か！？」


「魚雷が多すぎでそっちに……」


「北上ーー！！」

北上「うるさい！！」


北上「大井っちの声が聞こえない！！」


北上「大井っち！！」


北上「あれ？どこ？どこ！？大井っち！？」


北上「ねぇ！？大井っち！？」

不安な予感が当たった……？

ーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー


ーーさん

ーーーみさん

ーーーー…上さん！

ーーーーー北上さん！


北上「…大井っち……大井っち」


大井「北上さん！」


北上「ん、ぅう、あれ？寝ちゃってた？」

大井「大丈夫ですか？」


北上「どうしたの？」


大井「いえ、酷くうなされてたので」


北上「本当？あーそういえば、何か夢見てた気がするような」


大井「するような？」


北上「うん、内容は忘れちゃった～」

大井「そうですか。よかった」


北上「あっ！そういえば大井っち！どこ行ってたの！？」


大井「あっ！北上さんごめんなさい」


北上「いいけど、どこ行ってたの？」


大井「提督のとこです。明日の出撃について急に作戦会議って」


北上「急にってなんかあったの？」

大井「いえ、大丈夫ですよ。一人が体調崩したので変更になった云々ですから」


北上「なーんだ。何か急に強い敵が出たのかと思ったよ」


大井「これ以上強い敵とかやめて下さいよー」


北上「ほら、それなら私達の魚雷の見せどころってやつじゃん！」


大井「慢心はダメですよ？」


北上「赤城さんじゃないんだしー」

大井「そういえば悪い夢といえば、私も昨日見た気がしますね」


北上「そうなの？じゃぁ私達一緒じゃん！」


大井「でも内容は覚えて無いんですよ。ただ悲しかった気がします」


北上「んー、なんか夢って怖いなぁーー」


大井「怖い、ですか？」


北上「だって、夢の中でも私は私じゃん？」

大井「えぇ」


北上「夢の中で私達は怖い目にあったり悲しい目にあったりする」


北上「でも目が覚めるとそのことは忘れちゃう……」


大井「どんな目にあっても忘れてしまう……確かに怖い、ですね」


北上「……なんてね？」


大井「え？」


北上「ちょっと、私の柄じゃぁなかったねー」


大井「北上さん……」

北上「うぉ！！妖精さんいたんだ！」


妖精さん「？」


大井「本当ね。今の今まで気づかったわね」


北上「妖精さん、いつからいたの？」


妖精さん「？」


大井「北上さん、意味ないですよ。妖精さんとは会話できないんですし」

北上「妖精さんは何を考えてるんかなー？」


大井「まぁ仕事はやってくれるからいいじゃないですか」


北上「それもそうだね～、あっ私ちょっともっちーと約束あるんだった！」


大井「望月ですか？最近仲良いですね」


北上「そぉ？じゃ行ってくるねー
バイバイ、妖精さん」


妖精さん「」手を振る

大井「……夢、ねぇ」


大井「そもそも何で私達、艦娘に夢を見る機能なんてあるのかしら？」


大井「んー、どうしても思い出せないわね」


妖精さん「ネーネー」


大井「え？妖精さん？」


妖精さん「」ニヤッ


大井「妖、精さ、ん？」ビクッ

ーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーー


大井「……んぅ、ん？あれ？」


大井「……海の上？」


北上「大井っち？どしたの？」


大井「……どこへ向かってるんでしたっけ？」


北上「何言ってるのさ、Eスポットでしょ？」


大井「あぁそうでしたね」

大井（Eスポット……何処かで聞いたことあるような）


大井「そこって行ったことありましたっけ？」


北上「そんなわけ無いじゃん、最近見つかったとこだよ？」


大井「……ですよね」


北上「もーー、どしたの？あっ、分かった！そうやって緊張ほぐしてくれてるの？」


大井「…あ、そうです！そうです！どうですか？緊張してます？」

北上「大丈夫だよー、大井っちのおかげかな？」


大井（緊張？……それだけの大きな作戦なのかしら、それより私どうしたのかしら）


北上「あっ、もうすぐ着くっぽいよ？」


大井「あの辺りですか。……え？」


北上「どしたの？」


大井「……いえ」

大井（……見たことある。確実に。見たことというより行ったことがある！……なんだろう、何かが思い出せない）


北上「大井っち？」


大井「北上さん？どうしたの」


北上「いやぁ、なんか難しい顔してたから」


大井「……大丈夫、大丈夫ですよ」


ズキン

大井「うっ、……」


北上「大井っち！？」


大井「……頭が、頭が」


北上「大丈夫！？ねえ？」


ーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーー


大井「……んぅ」

大井「………っ、あれ？私、寝ちゃってた？」


ズキン


大井「うっ……頭痛いわね。少し寝過ぎたのかしら？」


大井「あれ？私、何してたんだっけ……」

北上「ただいまーー」


大井「あっ、おかえりなさい。どこ行ってたの？」


北上「もっちーのとこ。ってか行く時行った気がする」


大井「そうでしたっけ？」


北上「あっ、大井っち寝てたでしょ？」


大井「え？」

北上「頬っぺた！」


大井「頬っぺた？」


北上「跡ついてるよ！」


大井「あぁ、なるほど。気付いたら寝てたんですよ。今いま起きたとこですね」


北上「妖精さんもう行っちゃった？」


大井「妖精さん？」

北上「それも覚えてないの？」


大井「……北上さんと夢の話をしているとこまでしか」


北上「……大丈夫、大丈夫！きっと寝ぼけてるだよ」


大井「……」


大井（妖精さん……か。また、ですか）

大井「……そういえば、北上さんが夢を見た後って見る前の記憶あります？」


北上「え？何言ってるの？そりゃぁあると思うよ？」


大井「思う？」


北上「だってそんな事、意識しないしねぇ？」


大井「……まぁそれもそうね」


北上「まさか悪い夢見たの？」

大井「分からないの」


北上「え？」


大井「思い出せそうで出ない、とかじゃなくて、すっぽり抜けている感じがするの」


北上「記憶が？」


大井「………」


北上「……多分、見てたのかもね？」

大井「………」


北上「………ね、ねぇ、大井っち？」


大井「はい」


北上「もうそろそろ、夕ご飯の時間だよ？食堂行こない？」


大井「……はい！行きましょう。北上さん」


北上「うん！」

ほ

北上「………眠い」


大井「最近眠そうですよね？」


北上「なんか寝ても疲れるんだよね」


大井「そうですか」


北上「ふぁぁ」


大井「もう今日は寝ます？」


北上「うーん。そうだねー」

ーー
ーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー

北上「ん、眩し！！」


北上「って海の上！？」


北上「……………」


北上（なんだろ、前にも……）


大井「北上さん？どうしました？
ぼーっとして」


北上「っ！！い、いや、大丈夫だよー？」


大井「そうですか？もうすぐEスポットですから注意して下さいよ」

北上「………Eスポットか。あー、あーー、あーーー！前、夢で見た景色と同じじゃん！！」


大井「？」


北上「あ、気にしないでー」


大井「本当に気をつけて下さいね」


北上（確か………この後、敵艦隊と遭遇。そして開戦と。結果は………）


北上「…………一隻の轟沈」ボソッ


北上「そしてその一隻は………」

北上「大井っち？」


大井「もーー！！本当にぼーっとしないで下さいよ」


北上「……………」


北上（じゃぁここもまた夢の中？
どいだろう。現実として行動するべきかな？）


大井「どうしました？」


北上「………大井っち、気をつけるのは大井っちもだよ？」

大井「どうしたんですか？急に」


北上「え、いや、別に。あれだよ。ほら、この北上様の感ってやつだよーー？」


大井「ふふふっ、そうですね。気をちけますね？」


大井「あっ、もうすぐ着きますね？」


北上「分かったよ」


北上「………今度は私が」

ーーーーーーーーーーーー


大井「………ん」


大井「………海の中？」


大井「あ、北上さん？」


大井「………そっか沈んじゃったのか」


大井「北上さん泣かないで……」


大井「私は大丈夫………ですから」


ーーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー

大井「……………」


大井「………ふぁぁ」


大井「あ、北上さんおはようございます」


北上「んー、おはよー。あれ、どうしたのさ？泣いてるの？」


大井「え？……あ、本当。……欠伸じゃない？」


北上「あ、そっかー」