進撃の訓練兵団(174)


――はじめに――

進撃の巨人ssです。

「もしもちょっとだけ歯車が狂ったなら」がサブタイトルのパラレルワールド。
アニメ未放映分のネタバレは、なるべくないようにします。

前作(キース「……礼っ!」)の続編となり、本来は前作を今作の序章に組み込む予定でしたが、雰囲気の差異があるため別作になりました。
ですが今作のみでも読めると思います。


++++++++++

二作目:キース「……礼っ!」
キース「……礼っ!」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1369131322/)

一作目:エレン「なんだこの本?」
エレン「なんだこの本?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1368937787/)

++++++++++


idがよく変わるようなので、この場を借りてトリップ付けを試させてください。

こうでしょうか。


できたようです。

今回はキリの良いところまで書き溜めたものを、少しずつ投下する形でいきます。
遅筆のため、完結まで非常に時間がかかるかもしれません。

のんびり進行で、よろしくお願いします。


――847年・第104期訓練兵団入団時――


キース「貴様は何者だ!」

ジャン「トロスト区出身!ジャン・キルシュタインです!」

キース「何のためにここに来た!?」

ジャン「憲兵団に入って、内地で暮らすためです」

キース(…臆面も無く本音を言うタイプか)


キース「そうか!貴様は内地に行きたいのか?」

ジャン「はい!」

キース(貴様のように外面を取り繕わない奴が憲兵団などに入ったら、つまはじきにされるだけだ。頭を冷やせ!)

キース「ふん!」ゴッ

ジャン「!!」

ジャン(…痛ってぇ!いきなり頭突きかよ!何しやがる)

キース「オイ!誰が座って良いと言った!!こんな所でへこたれる者が憲兵団になどなれるものか!!」

ジャン(オレが何した!…てめぇがやったんだろうが。このクソ野郎っ!)


キース「貴様は何だ!!」

マルコ「ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身!マルコ・ボットです!」

キース「何しにここに来た!」

マルコ(顔が怖い…)

マルコ「憲兵団に入り!王に、この身を捧げるためです!!」

キース「……そうか」

キース(心が純粋すぎる。この時世でよくも素直に育ったものだ。貴重な資質ではあるが…)


キース「それは結構なことだ。目指すといい…だが」

キース(鍛えあげないと使い物になどならん。心も体もな)

キース「王はきっとお前の体なんぞ欲しくない」

マルコ(そんな…)


キース「次!!貴様だ!!貴様は何者だ」

コニー「ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身!コニー・スプリンガーです!」

キース(敬礼が逆向き…こいつは簡単な事でも一度で覚えられないのか)

キース「逆だ…コニー・スプリンガー」ミシッ

コニー(痛てぇぇ!頭つかむな!!首が取れるっ。足が浮いてるっ!)


キース「最初に教えたはずだ。この敬礼の意味は”公に心臓を捧げる”決意を示すものだと…」

コニー(だからなんだって?…痛てぇぇ!捧げてるだろ。離せっ)

キース「貴様の心臓は右にあるのか、コニー?」ミシミシッ

キース(作戦を一度で覚えられないようでは…貴様は自分も仲間も殺すことになるぞっ!)

コニー(左に決まってるだろ、バカなのかこのおっさん。…だから左側を隠さないで開けてんじゃん。違うのか?)

コニー(…何怒ってんのかわからん!それより頭が潰れる!)

キース「……ん?」

待ってたぞ


キース(……え?)

サシャ「モグモグ」

キース(……芋…か?…食ってる…見間違いでは……ないな)

サシャ「ハフッ」

キース(…ハフッ?)

キース「オ…イ…貴様は何をやってる?」ドサッ

コニー(助かっ……)バタッ


サシャ「!?」

サシャ(なんですかね?教官がこっちのほう見てる気がします)

サシャ「モグモグッ」

サシャ(隣の人でも見てるんでしょうか?…あの。顔怖いんで、あっち向いててください)

サシャ「ゴクン………ムシャリッ」

キース「なっ!?」

キース(三口目…だと?)


キース「貴様だ!貴様に言っている!!貴様…何者なんだ!?」

サシャ「………!?」

サシャ(へ!?私ですかぁ!?ちょ、待ってください)

サシャ「モグモグモグッ」

サシャ(お待たせしたら失礼ですよねっ?今すぐ飲み込みますからっ!)

サシャ「モグモグモグッ……ゴックン!」

キース「……」


サシャ「ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身!!サシャ・ブラウスです!」

キース(右手に芋……貴様の心臓は芋か?)

キース「サシャ・ブラウス…貴様が右手に持っている物は何だ?」

サシャ「”蒸かした芋”です!調理場に丁度頃合いの物があったので!つい!」

キース(よく通る良い声だ。で…その良い声を使って、貴様はいったい何をのたまっているのかな?)


キース「貴様…盗んだのか。なぜだ。なぜ今…芋を食べだした?」

キース(場違いではあるが…常に小刻みな食事を取っていないと死ぬ奇病もあると聞く。その類か?)

サシャ「…冷めてしまっては元も子もないので…今、食べるべきだと判断しました」

キース「…!?」

キース(情報が得られん!まったくわからん!)


キース「イヤ…わからないな。なぜ貴様は芋を食べた?」

サシャ「…?」

サシャ(へ?なんで同じことを聞くんでしょうか。アツアツで美味しい時間は今だと伝えたはずですが)

サシャ(それとも人間が芋を食べなくてはいけない理由を聞きたいんですかね)

サシャ「それは…”なにゆえ人は芋を食べるのか?”という話でしょうか?」

キース「……」

サシャ「……」


キース(質問をすればするほどわからなくなる。いったい今なにが起きてるのだ…)

サシャ(…?なんですか?まだ違うんですか?)

キース(この手の人間には過去に出会ったことがない。貴様は本当に人類か?)

サシャ(…さっきから芋を見られてる気がします)

キース(…わからない時は出方を待つ…)


サシャ「あ!」

キース「!」

サシャ「…チッ!」

キース(チッ…?)


サシャ「……半分……どうぞ」

キース「は…半…分…?」

キース(四分の一もないように見えるが…いや、その前になぜ私はこれを受け取ったのだ…ん?)

サシャ(教官も芋が欲しいなら欲しいと、最初から素直に言えばいいんですよ。まったく仕方の無いお人ですね)フゥ

キース(……何を得意げな顔をしている?…こいつは…危険だ…)


キース「オイ…貴様」

サシャ「ハッ!」

キース「窃盗行為には罰則があるのを知っているか?」

サシャ「…罰則ですか?」

キース「そうだ、盗みの罪は軽くは無い」

サシャ「罰則というと…もう調理場の芋を持ち出してはいけないといった事でしょうか」

キース「……」

キース(当たり前ではないか…それのどこが罰なのだ…)


キース「……初犯であるから特別に軽めにしておいてやる」

サシャ「ハッ」

サシャ(違うみたいです。助かりました)

キース「今すぐ死ぬ寸前まで走ってこい!」

サシャ「ええっ!?」

キース「本来ならば独房行きだ。次は無いと思え」

サシャ「」


キース「…復唱はどうした。不満があるのか?」

サシャ「教官殿に質問があります!」

キース「なんだ」

サシャ「この芋は…残り全て食べてもよろしいでしょうか?」

キース「貴様は夕飯も抜きだ!!!」

サシャ「!!!!????」

―――

――


こんな感じです。
一度中断します。

今回はいろいろなキャラの日常訓練風景をゆるゆる書きたかったので、特に一貫して目指すストーリーは考えていません。
しばらくは原作のシーンを取り込んでの話になると思います。

つまらなかったらすみません。

面白いよー

>>1のシリーズ好きだからがんばれー

そりゃ教官も混乱するよな……

日常もの好きだからオールオッケーですぜ

少しだけ再開。
ジャン登場まで。

待ってました


――夜・食堂――


<ザワザワ>

ジャン(…アイツの周りにどんどん人が集まってきやがる。初日から目立つヤツがいたもんだな)

エレン「――そんで調査兵団に入って…この世から巨人共を駆逐してやる!そして…」

ジャン「オイオイ、正気か?」

ジャン「今お前、調査兵団に入るって言ったのか?」

エレン「あぁ…そうだが…」


エレン「!」

エレン(こいつ昼間の軟弱野郎だ…)

エレン「お前は確か…憲兵団に入って楽したいんだっけ?」

ジャン「オレは正直者なんでね…心底怯えながらも勇敢気取ってやがるヤツより、よっぽどさわやかだと思うがな」

エレン(怯えてるだと…言ってくれるじゃねぇか)

エレン「そ、そりゃオレのことか?」


ジャン「あー、すまない」

エレン(ん、謝った?)

ジャン「正直なのはオレの悪いクセだ。気ぃ悪くさせるつもりも無いんだ」

エレン(なんだ、そうか)

ジャン「あんたの考えを否定したいんじゃない。どう生きようと人の勝手だと思うからな」


エレン「もうわかったよ。オレも喧嘩腰だったな」

ジャン「あぁ。これで手打ちにしよう」

エレン「はいよ。じゃあな」スッ


ジャン(…意外と素直で気持ちの良いヤツじゃないか…)



ミカサ「……」スッ

ジャン(……)


……え!?


ジャン「な…なぁ…アンタ…!」

ジャン(今見たものは…?)


ミカサ「?」


……な…!


物憂げな瞳……美しい顔立ち……ミステリアスな黒髪……


……ものすごい…美人…じゃねぇか……


ジャン(あ…思わず呼び止めちまった。何か…何かしゃべらねぇと)

ジャン「あ…あぁ。えっと…」

ジャン「見慣れない顔立ちだと思ってな…つい…」

ミカサ「……」


ムッとした!?

そ、そうだよな。変な顔だって言ったように聞こえちまったかも。そうじゃなくて


ジャン「すまない…とても綺麗な黒髪だ…」

ミカサ「どうも」スッ


お……おぉぉ……


去りゆく後姿まで…なんて……美しいんだ……


ミカサ「…エレン」

エレン「ん?」


………あ?


ミカサ「喧嘩は良くない」
ミカサ『…手出して』スッ

エレン「いや?喧嘩になんかなってねえよ」
エレン『もうオレたち入団して大人になったし、やめようぜ?』


………あぁ?


ミカサ『……』
ミカサ「少し目を離すとすぐこうなる…」


…あの子、あのヤロウと手をつなごうとしてた?


エレン「またそれか…そんなことよりお前…」


エレン「この髪、長すぎはしねぇか?」バサッ

ミカサ「……っ!」


なっ……!!!


エレン「立体機動の訓練で事故になるかもしれんぞ」サワサワ


なにぃいぃぃいぃぃ!?


ミカサ(…エレンの手)

ミカサ「うん。わかった。切ろう」

ミカサ「でも…」

ミカサ(エレンが似合うと思う長さを教えて欲しい)

ミカサ「どのあたりまで切るべきだと思う?」


髪切れって言われて従うだと…ぉ…?


エレン「そうだなぁ……」サワサワ


向き合って…髪に触れさせて…る……


エレン「このぐらいか?」

ミカサ「わかった」

ジャンw


ジャン(……………)

コニー(なんだコイツ。入り口で呆けやがって邪魔だな)


……さっき、あのヤロウと手打ちにした手…


ジャン(…汚らわしいっ!!)ズリズリズリッ

コニー「いっ!?」


コニー「オ…オイ!!お前、なに人の服で手ぇ拭いてんだ!?」


……あ…ぁ…


コニー「何拭ったんだ、お前」

コニー(…ぃ!?)

ジャン「人との…」


……こんなにムカツクのに…


ジャン「信頼だ…」


……こんなに心が穏やかなのは初めてだぜぇ……

憤激のジャン君でした。
たいした改変はできませんでしたが、原作はたぶんこんな胸中だったんじゃないかと。

次パートはミカサの夢を予定してます。では。

しかし見れば見るほど逆恨みだな


ジャンは好きになった相手が悪すぎた

寝苦しくて寝付けなかったので少し書きました。


――女子宿舎――


ミカサ(首筋にかかるぐらいまで…)

ミカサ(鏡を見ながら慎重に…)パチン

――そうだなぁ
――このぐらいか?

ミカサ(…あと1ミリ)パチ

ミカサ(……)

ミカサ(…うん)


ミカサ(……就寝時間)

ミカサ(でも、今日からもうエレンと寝れない)

ミカサ(……)

ミカサ(……)

ミカサ(…っ!)

ミカサ(エレンのマフラーを…)

ミカサ(…枕に巻きつける)グルグル

ミカサ(……)

ミカサ(エレン……)ギュ

ミカサ(……おやすみなさい)

―――

――


――

―――

エレン「ミカサ!見ろよ、カブトムシだ」

ミカサ「……」

エレン「どこかにもう一匹いないか」

ミカサ「…二匹欲しいの?」

エレン「うん」

ミカサ「探してあげる」

エレン「おう」


ミカサ「……いた」

エレン「早いな!」

ミカサ「だいたいどこにいるかわかる。森に住んでたとき…よく見たから」

エレン「そ、そうか…悪りぃ…」

ミカサ「いい」

エレン「じゃあ、それくれ!」

ミカサ「はい……何するの?」


エレン「こうして二匹のツノを交差させるんだ」

ミカサ「うん」

エレン「そしたら喧嘩を始めて…」

ミカサ「……」

エレン「強いほうが相手を投げ飛ばす!」

エレン「カブトムシ相撲だ!いっぱい捕まえて、どれが一番になるか当てっこしようぜ」


ミカサ「やらない」

エレン「なんでだよ」

ミカサ「かわいそう」

エレン「……じゃあいいよ。オレ一人でやるから」

ミカサ「やめるべき。それより薪になる枝を集めるのが先」

エレン「ミカサが先に集めてればいいだろ。オレは後からやるからさ」

ミカサ「…エレンの分も集めとく」


エレン「おぅ、悪いな」

ミカサ「気にしないでいい。もう集まったから」

エレン「は?」ドスッ

ミカサ「……」

エレン「背中が重てぇ!なんでお前が乗ってんだよ。どけってば」

ミカサ「やめるまで、どかない」


エレン「別にいいだろ。カブトムシはこのぐらいじゃ死なないって!」

ミカサ「でも弱る」

ミカサ「弱った個体は死にやすい…自然の掟」

ミカサ「死んだら弱らせたエレンが殺したことにもなる」

エレン「……」

エレン「…悪かったよ。やめる」

ミカサ「うん」

エレン「…つまんないことしちゃったな」

ミカサ「エレンは…優しいから…ちゃんとわかってくれる」


エレン「……」

ミカサ「……」

エレン「で、なんでまだ乗ってんだ」

ミカサ「……」


―――勝者しか生きることが許されない


エレン「もう降りろよ」

ミカサ「……」


―――残酷な世界


エレン「薪を集めるんだろ?」

ミカサ「……うん」スッ


―――でも、私にはこの世界に安らぐ場所がある


エレン「ったく」ヨイショ


エレン「…手つないで欲しいんだろ?」

ミカサ「……」コク

エレン「お前のワガママはワンパターンだからな。ほら」

ミカサ「…うん」


―――ずっと守りたい、この温もり


エレン「一緒に枝を探そうな」


―――

――


――

―――

カルラ「おはよう、あなた」

グリシャ「ああ、おはよう」

カルラ「あら、ミカサったらまたエレンの布団に入り込んで寝てる」

グリシャ「昨日遊び疲れてたんだろう。放っておきなさい」

カルラ「…そうね。二人の寝顔は本当に可愛いわね」

ミカサ「……ん…」

カルラ「あら、起こしちゃったかしら」

ミカサ「…ん…朝?……エレン、起きて。朝」ユサユサ

ミカサ「……エレン」ユサユサ

―――

――


――

―――

ミカサ「エレン…」

ミカサ「……枕?」

ミカサ(昔の……夢…)

ミカサ「……」ボー

ミカサ「!……起床時間…近い」

ミカサ(今日は立体機動の姿勢制御訓練の日)

ミカサ「……起きよう」

―――

――

夢パートおわりです。

おぉおぉ………

見てるよー

本日一回目の投下いきます。


――当日夜・食堂――


エレン「」

ミカサ「……」

ジャン(朝昼晩三食ともミカサと一緒とは、いいご身分じゃねえか。エレン)

アルミン「……」

ジャン(それからアイツ…アルミンとか言ったっけ?エレンとつるんでばっかで気持ち悪いヤツ)


エレン「」

<オイ…あいつ確か昨日の晩に…巨人を皆殺しにしてやるなんて言ってたヤツだよな?>
<それがあの初歩の姿勢制御訓練で既に死にかけたんだと>
<本当かよ…あんなこともできねぇヤツがいるのか…>

エレン「」

ジャン(ケッ、偉そうに演説ぶってたクセに良い気味だぜ。あんな無様な姿をさらしてよぉ。そのままずっと放心してやがれ!)



ミカサ「エレン」ユサユサ


ジャン(!…ミカサの手がエレンの肩に!)

ミカサ「エレン」ユサユサ

ジャン(……っ!さっさと目を醒ませ!クソッタレーー!!!)

ミカサ「エレン!」ミシ

エレン「いでッ!!」

ジャン(……ミシ…?)


―――


ミカサ「――。―――」

エレン「――って?」

ミカサ「兵士を目指すべきじゃないと言っている。生産者として人類を支える選択もある」

ミカサ「何も命をなげうつことだけが戦うことじゃない」

エレン「お…お前なぁ…」

エレン「オレはあの日、あの光景を見ちまったんだぞ…?そんな理屈で納得できると思うのか?」

ミカサ「……」

エレン「……」

アルミン「……」


アルミン(普段のエレンがあんなこと言われたら、怒ってもっと反発してるのに…)

アルミン(…よっぽどこたえてるんだね)


ミカサ「…でも…その覚悟の程は関係無い」

エレン「は?何でだよ。言ってみろ」

ミカサ「兵士になれるかどうか判断するのはエレンじゃないから…」

エレン「う…」


アルミン(……うわぁ、涙目だよ。ミカサ言いすぎだって。わかるけどさ…)


エレン(このヤロー。そんなことはわかってんだよ…)

エレン(まずアレができなきゃお話にならねぇのは事実だ…正論だ…オレは今、何も言う資格がねぇ…)

ミカサ(エレンの様子…私にはわかる。ちゃんと理解してくれた。兵士を諦めた顔)

エレン(バカ言ってんじゃねぇよって感じなんだろうな…)チラ

ミカサ(……!エレンが涙目で…)

エレン(何でも簡単にこなしちまうお前にとっちゃよ!)

ミカサ(私を見つめてる!)

ミカサ(ちょっと恥ずかしい…)ウツムキ


ミカサ(……これはきっと…)


エレン「いこうぜ、アルミン」ガタッ
アルミン「う、うん」


ミカサ(そうだ。兵士を諦めるなら、ここを離れなくてはならない)

サシャ(…ん?ミカサの隣、空いてますね)

ミカサ(それはつまり…私と離ればなれになることを意味する)

サシャ(…何かずっとうつむいています。お腹でも痛いんでしょうか)

ミカサ(エレンはそれを心配している)

サシャ(じゃあ、そこの食べかけのパァンは残り物ですね?そうなんですね?)


ミカサ「私は…エレンだけ開拓地に戻れと言ってるんじゃない…」

サシャ(そぉ~っと手を伸ばせば取れそうです)

ミカサ「その時は私も一緒に行くので…」

サシャ(何かブツブツ言ってます。やっぱりまだ食べるんですか?勝手に貰ったら悪いですかね?)

ミカサ「だから…」

サシャ(あぁ、でも手は伸びていきます。そぉっと…そぉっと…)

サシャ(ハッ!いけません。勝手に貰うなんて悪いことです)

ミカサ「そんなことは心配しなくていい」クル


ミカサ「……」

サシャ「……」

ミカサ「……」

サシャ「…ん?…えーと?つまり?」

サシャ(今、そんなことは心配しなくていいって言いましたよね?)

サシャ「それ、もらってもいいってことですか?」


ミカサ「……」

サシャ「……」

ミカサ「……」

ミカサ(…それって、このパン?)

サシャ(ああっ、パァンがこっちに近づいてきます!くれるんですね!?)キラキラ

サシャ(神はここにもいました!もうちょっと、もうちょっと…)

ミカサ「……」

サシャ(…あれ?パァンが逃げていきます??)

ミカサ(…あげない)パク

サシャ「」


ユミル「オイ何やってんだサシャ!」

サシャ「ハ、ハイ!」ガタ

ユミル「私とクリスタ分の水汲みやるって言ったよな?」

サシャ「ハ、ハイ。今すぐやります。恩人様、神様…へへへ」ヘコヘコ

ユミル「お前の救われた命は軽くないはずだよな」

クリスタ「ユミル。だ、駄目だって。そんなことしちゃ…」


ミカサ「……」

―――

――

以上です。

はたから見てると「なんでそうなるw」と思ったこのシーン。
二人の妄想ワールドでは、こんなやりとりが行われていたのかもしれません。

今初めて、サシャの『つまり』の意味が分かりました。ちょっと感動しました。
乙です。

本当にゆっくり進行ですみません。

いただいている支援一つひとつに感謝しております。

ミカサがかわゆい

ここで終わりませんよね?

>>81

終わらないです。終わるときはその旨を記入します。
自分のペースを考えると、終了まで何日もかかるんじゃないかと思います。

次のパートはユミルとクリスタとサシャの、この後を予定してます。

再投下。

待ってました


――女子宿舎――


クリスタ「ねぇ、ユミル。かわいそうだから、もうやめてあげようよ」

ユミル「はっ。まだあいつに貸した恩を返してもらってないだろ」

クリスタ「…じゃあ、今回までだよ。私はもういいからね?」

クリスタ(ほんとは今の水汲みも私の分は自分でやるって言ってあげたいけど…)

クリスタ(…そしたらユミルだけが悪者っぽくなっちゃうよね)


ユミル「ほんと、良い子ちゃんだな。お前は」

クリスタ「そんなんじゃない…けど。私はそこまでしてもらうほどの事をしてないし…」

ユミル「お前さぁ…なんでそんなに自分を安くするんだ?」

クリスタ「……え?」

ユミル「お前がしてるのって要するに自分の安売りだろ?お前は労力に見合った物を得ようとしてないな?」

クリスタ「私はただ…したいと思ったことをしてるだけだから…」

ユミル「ふん」

クリスタ「……」


クリスタ「ユミル。サシャに何か…お礼できないかな」

ユミル「…はぁ?」

クリスタ「やっぱり、恩を返してもらうことを強要するのっておかしいよ」

ユミル「オイ…それはつまり私がおかしいって言ってるのか?…」

クリスタ「…ッ!そうだよ。そんなのイジメじゃない。怖い顔したってダメだからね!」ジワ

ユミル「……」

ユミル「…チッ、調子狂うね。わかったよ。で、お礼って何すんだ?」

クリスタ「えっとね。耳貸して……」ゴニョゴニョ


――

サシャ「ハァハァ……水汲み…終わりました。これでよろしいですか…」

ユミル「よし」

サシャ「ど、どうも…うへへ」

サシャ(ミカサのパァンを食べれると思ってたからショックで力が…ミカサは鬼です。悪魔です!)

クリスタ「どうもありがとう、サシャ」

サシャ「いえいえ、神様」


サシャ「……?」クン

サシャ「……」ヒクヒク

サシャ「何か…いい匂いがします」

ユミル「ほんと野生児だな、お前」

クリスタ「サシャにね、お礼があるの……はい」

サシャ「…小鉢?」


サシャ「……なんですか、これ?白くて丸いものが入ってます」

クリスタ「調理場に空になった小麦粉の袋がいっぱいあったの」

クリスタ「でもちょこっとずつは粉が残ってるから、それをユミルと集めて…」

クリスタ「ジャガイモの皮に残ってた実も集めて潰してね」

クリスタ「…水と一緒に練ってお団子にしたの。1個しか作れなかったけど…」

クリスタ「それを茹でて夕食の残りのスープをからめたもの…かな」

サシャ「ええええ!?」


サシャ「こ、今度は…た、食べてもいいんですか!?これ!食べてもいいんですね!?」

クリスタ(今度?)

クリスタ「そのために作ったから。はい、スプーン」

サシャ「か、神様!神ぃぃぃぃ!!!」ガツガツ

クリスタ「……」ニコ


サシャ「うま~ぁ~い!ご馳走様でした!」

クリスタ「どういたしまして。あと神様はやめてよ」

サシャ「へ?」

クリスタ「…友達、でしょ?」

ユミル「…ふん」

サシャ「!」


サシャ(お父さん…私…)

サシャ「…へ……えへへ……ありがとう…ございます」

ユミル「いちいちペコペコすんな」

クリスタ「そうだよ」

サシャ「…はい!」

サシャ(友達ができました!)

―――

――

以上、サシャ最初のお友達編でした。

本編まだまだ続きます。

すばらしい…


――翌日・姿勢制御適性判断追試――


キース「ワグナー」

ワグナー「ハッ」

キース「イェーガーとベルトの装備を交換をしろ」

エレン(…交換?)

――

エレン(な…何で!?)

エレン(できたぞ…急に…)


エレン「これは…一体…」

キース「装備の欠陥だ」

エレン「え?」

エレン「で、では…適性判断は…」

キース「……問題無い…修練に励め」


エレン(やった!やったぞ!)

エレン(どうだミカサ!)

ミカサ(……!)

エレン(オレはやれる!巨人とも戦える!!

ミカサ(エレンがずっと私を見てる…)

エレン(もう、お前に世話焼かれることもねぇな!!)

ミカサ(…昨日、エレンは私と離ればなれになることを心配していた)

ミカサ(よかった。私もエレンと同じ気持ち)


ライナー「何とかなったようだな…」

アルミン「目で”どうだ!”って言ってるよ」

ミカサ「いや違う」

ミカサ「これで私と離れずにすんだと思って安心してる…」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

アルミン「……」


―――

――

原作の丸コピーに近いので、やりとりを大幅にはしょりましたが、昨夜のシメ部分として必要だと思ったので掲載しました。


――訓練所外壁――


ミカサ「!」

ミカサ(…これは…エレンが教えてくれた花)

ミカサ(山や森には咲かない…草原のどこかにひっそり咲いてるはずの花)

ミカサ(外壁に寄りかかるように咲いてる…)

ミカサ「……」


ミカサ(エレンは、この花のことをおばさんから教えてもらったって言ってた)

ミカサ(でも私に教えてくれたのはエレン)

ミカサ(この花で大切なこと…教えてくれた)

ミカサ「……」


サシャ(……あれ?)

サシャ(あそこでうずくまっているのはミカサですね)

サシャ(何をしているんでしょうか)

サシャ「…ミカサ?」ヒョイ

ミカサ「……!」

サシャ「へぇ。低い樹なのにピンクの可愛いお花がいっぱいついてますね。初めて見ました」

ミカサ「……」チラ

サシャ「!!?」


サシャ(ミカサが口に花をくわえてます……)

サシャ(悪魔が花を……お花をつけた悪魔さん……ブフォ!)

ミカサ「……」

サシャ「ひっ…。あ…あの…何をしていたんですか?」

ミカサ「思い出を…吸ってた」

サシャ「思い出?なんでしょうか…それは。美味しいんですか?」


ミカサ「…これ」スッ

サシャ「お花を摘んで…後ろ側?芯のところを噛むんですか」

ミカサ「そう」

サシャ「……」

サシャ「!……うぅ~い!」

サシャ(甘~~~い!)

サシャ「こ、これはっ…良いものですね!…もうひとつ」

ミカサ「待って」

サシャ「?」

ミカサ「これを摘むのはルールがある」

サシャ「ルールですか?」


ミカサ「…この花は山や森には咲かない。普通は草原に少しだけ生えてるもの」

サシャ「だから見たことなかったんですね」

ミカサ「この花には虫が必要。虫が花々を飛び回って受粉を助ける。この蜜はそのためのご褒美」

サシャ「…ご褒美」

ミカサ「だから私たちが蜜を貰うなら、対価を支払わなければならない」

サシャ「何をするんですか?」


ミカサ「摘んだ花を持って…他の花に触れさせる…」チョン

サシャ「こうですか」チョイ

ミカサ「そう…それをできるだけ多くの花に」

サシャ「蜜を貰うのも大変ですね」チョイチョイ

ミカサ「あと花をあまり摘みすぎない。これは貴重な花だから…」

サシャ「……」


ミカサ「それがわかれば、この花を採ってもいい。それができなかったら、いずれ私たちはこの花に出会えなくなる」

ミカサ「あとこの花のことは他の人には教えないで。みんなで摘んだら枯れてしまう」

サシャ「…わかりました」

サシャ(…私はちょっとミカサを誤解していたようですね)

サシャ「……」

サシャ「…ふふ」

ミカサ「…?」

サシャ「なんでもありません」


――食堂――


アルミン「あれ?ミカサとサシャが一緒に来た」

ミカサ「エレンは?」

アルミン「まだ来てないよ。そっちは二人で何かしてたのかい?」

サシャ「はい!ミカサと二人で甘い思い出を吸ってました!!」

アルミン「!?」


ライナー「!?」

ベルトルト「!?」

ジャン「!?」ガタッ

コニー「…?」ナニソレ


アルミン(周りみんな反応してる…)


アルミン「あ…あの…それってどういうこと?」

サシャ「うへへ…それは二人の秘密なんです!」

アルミン「」


ライナー「……」

ベルトルト「……」

ジャン「」ガタガタ


アルミン(たぶん意味が違うんだろうけど、みんなは確実に誤解したよね…)


ミカサ「……」

アルミン(本人は…凄くどうでもよさそう)

サシャ「あれ?二人はまだ食べないんですか?」

アルミン「あ…うん。ボクたちはエレンを待ってるから」

サシャ「そうですか。じゃあお先に」

サシャ「いっただっきまーす!」

―――

――

本日ここまで。

ミカサにからかわれた日の後日、例の放屁事件が起きた時にはまたサシャはミカサの隣に座っていました。
何かミカサと仲が良くなるようなエピソードがあったのかもしれませんね。

サシャは皆と仲が良くてほほえましいな

推測がすごい 納得してしまうくらい


――ある日・食料庫付近――


アルミン(…これ…巣だよね)

アルミン(放置がまずいのはわかるけど、でもうーん…)


ライナー「ん、あそこにいるのはアルミンか?」

ベルトルト「そうみたいだね」

ライナー「何をしてるんだ」

ベルトルト「…さぁ」

ライナー「行ってみるか」

ベルトルト「……」


ライナー「…よぉ、アルミン。何してるんだ?」

アルミン「あ、ライナーに…ベルトルト」

ライナー「地面なんか見て何を……穴?」

アルミン「うん。野ネズミの巣…だろうね。ここ食料庫の脇だから、見過ごすのもまずいかなって思って」

ライナー「…ああ、そういうことか」

アルミン「でも退治するのも…かわいそうだからさ」

ライナー「うーん…しかし、見つけたからには放置もまずいだろう」

アルミン「やっぱりそうだよね」


ライナー「かわいそうだが巣を壊して別の場所に行ってもらうしかないな。それがちょうどいい落としどころじゃないか」

アルミン「ああ、そうか。そうだね」

ライナー「よし、用具庫からスコップ持ってくる。ちょっと待ってろ」

アルミン「ありがとう」

ベルトルト「……」

ベルトルト(…お人好しなところは変わらないか)


クリスタ「あれ?アルミンとベル…」

アルミン「あ、クリスタ」

ベルトルト「ベルトルトです」

クリスタ「ご、ごめんなさい。ベルトルト」

ベルトルト「いいよ」

クリスタ「何をしてるの?」

ライナー「…持ってきたぞ。ん、クリスタか」


――

アニ「……」スタスタ

アニ(…?人だかり…ライナー達かい?)

アニ(ま、関係ないね)

アニ「……」スタスタ

クリスタ「へー、ネズミの巣なんだ。…掘っちゃうの?」

アニ「……」ピタ

ライナー「ああ。悪いがここに巣があるのはまずい」

クリスタ「…そっか。しょうがないよね」

アニ「……」ソー


勝手な想像ですが、アニは動物好きな気がします。


ベルトルト「…ん。アニ?」

ライナー「よお」

アニ「……」

ライナー「よし、掘るぞ」

アルミン「うん」

ライナー「お、結構土が柔らかいな」ザク

ライナー「……」ザクザク


ライナー「…うぉ!?」

ベルトルト「……!」

アニ「!」

アルミン「うわっ」

クリスタ「キャー!?」


アルミン「…びっくりした。急に何かいっぱい出てきたから」

ライナー「一匹まだそこにいる」

ベルトルト「子ネズミだ」

クリスタ「え!」

アニ「…!」


クリスター「っ!?…いやぁぁん…かわいぃぃぃぃーーっ♪」

アルミン「!?」

ライナー「!?」

ベルトルト「…!」

アルミン(い、いまの…)

ライナー(…声は)

アニ「……」


クリスタ「ちっちゃ~い!こっち見てる!かわいい…」

アルミン(ああ…可愛いのはキミだよ、クリスタ)ドキドキ

ライナー(可愛い…)ドキドキ

ベルトルト(…可憐だ)カァ

アニ「……」


アニ「小さくてかわい…」ボソ

クリスタ「巣壊しちゃってごめんねー!!」

アニ「…い……」

アルミン(天使…)

ライナー(天使だ…)

ベルトルト(天使…)

アニ「……」

アニ「…フン」

アニ(私には関係なかったね)スタスタ


アルミン「…あれ?アニは?」

ライナー「ああ、あいついつもすぐいっちまうんだ。放っとけ」

アルミン「…そ、そう」

ベルトルト「ライナー。ボクたちもそろそろ…」

ライナー「そうだな。じゃあな、アルミン、クリスタ」

アルミン「うん、ありがとう」

クリスタ「私もいくね。またねー」フリフリ

アルミン「またね」

アルミン(癒された…)

ライナー(…結婚したい)



アニ(……いいのさ、別に)

―――

――

アニかわいいよフヒィヒヒィ

アニキなら俺の隣で寝てるけど

実験用のハツカネズミの子供は確かに可愛かった。
まあその後は……

迷惑に感じてる方もいらっしゃるようなので、sage進行でひっそりいきます。


――食堂――


マルコ「やぁ、ジャン」

ジャン「お、マルコか」

マルコ「ここ座ってもいい?」

ジャン「おう、遠慮すんなよ。座れ、座れ。憲兵団を目指す者同士、仲良くしようぜ」

マルコ「あはは。そうだね」


マルコ「そういえば…ジャンは内地で暮らすために憲兵団に行きたいって言ってたけど、なんで内地で暮らしたいの?」

ジャン「あー…別に深い意味はねぇかな。単に快適な暮らしがしたいだけだ」

マルコ「そうなんだ」

ジャン「正義感なんてオレには無いしな。巨人だって見たことねぇし、実際はどんなもんだかわからねぇ。ただ、内地は一番安全だからさ」

マルコ「なるほどね」

ジャン「すまないな、おまえみたいに立派な理由がなくてよ」

マルコ「そうかな…ボクにはジャンって凄い人に思えるよ」

ジャン「おいおい、それはどういう訳だ?」


マルコ「普通の人はさ…本音ではそうであったとしても、何か耳障りの良い理由をつけたがるものだからさ」

マルコ「なかなかジャンみたいに言える人っていないんじゃないかな」

ジャン「オレは正直すぎるのが悪いクセなんだ」

マルコ「でも、そうだからボクにはジャンのことがよくわかるし、悪い人じゃないっていうのもわかる」

ジャン「どうかな。オレはこう見えて臆病だぜ」

マルコ「誰でも心に弱い部分ってあるのが当然だと思うよ」

マルコ「でも、それをあけっぴろげに見せてくれるジャンはさ…なんか一緒にいると安心するというか…」

マルコ「とにかく、ボクはジャンのそんなところが素敵だと思うし好きだよ」

ジャン「ははっ…そうかよ。そんなこというヤツに会ったのは初めてだな。これからもよろしくな!マルコ」

マルコ「ああ、よろしくね。ジャン」


ジャン「まぁ、もう一人バカ正直なやつはあっちにいるけどな」

マルコ「ん?」



エレン「――だからそこでオレはさ―」

ミカサ「…エレン」

エレン「―して、こう投げて――」

ミカサ「エレン」

エレン「なんだよ?」

ミカサ「しゃべってばかりいないで、食べないと時間なくなる」

エレン「わかってるよ…たく、おまえはオレの母さんかよ」



ジャン「……」イラ

マルコ「……」


ミカサ「ちゃんと食べないと持たないから。私はエレンの体が心配なだけ」

エレン「わかってるって」



ジャン「おい、エレン!さっきからうるせぇ!さっさと食って行っちまえ!」

エレン「…!なんだって?」ガタ

マルコ「…ジャン。ダメだって…」

アルミン「エレン、やめなよ」

ミカサ「……」ハァ


ジャン「ミカサの言うとおりだろうが!食いモン残すんじゃねぇぞ」

マルコ「ジャン、落ち着いて」

エレン「残さねぇよ。なんだってんだ、いきなり」

アルミン「エレンもとりあえず座ろう」

マルコ「アルミン…」チラ

アルミン「マルコ…」チラ


ミカサ「…二人とも、それ以上は教官がくる」ギロ

ジャン「は…はい」ゾク

エレン「…そうだな」


マルコ「はは…」

アルミン「やれやれだね…」

―――

――

こうしてジャンはマルコと親友になるのでした。

アルミンとマルコの接点は、エレンとジャンの仲裁を通じてだったりするんじゃないかとも想像しました。


――対人格闘術訓練――


ライナー「よし、エレン。オレと組もう」

エレン「望むところだ」


アニ(……)スタスタ


ジャン「対人格闘かよ…かったりぃ。適当に流すか…」

マルコ「憲兵団に入ったら人を相手にしなきゃならないこともあるだろうから、一応ちゃんとやるとするよ」


ジャン「おーおー、真面目なこった。だが、力を抜くところは抜いといたほうがいいぜ。続かなくなるぞ…はぁ…ねむ…」

マルコ「ありがとう。まぁ、このぐらい大丈夫さ」


アニ(……昔から)スタスタ


サシャ「よーし、コニー。私と組みましょう。今日こそ狩人対決に決着をつける時です」

コニー「…いいだろう。この天才にかなうと思うな…」フッ


コニー「東洋秘伝の蟷螂拳(とうろうけん)!」

サシャ「そんなカマキリなんか鷹の前ではタダのエサです!荒ぶる鷹の構え!」

コニー「甘く見るなよ…ハチョー!」

サシャ「かかってきやがれです。ふぉ~ふぅ~!」


アニ(……私にかまうヤツなんてそういないのさ)スタスタ


ライナー『オイ…アイツ…』

エレン『ん?…ああ…アニか…』


ライナー『また教官にバレないように、うまいことサボってるな』

ライナー(…そのまま三年間も孤独を決め込む気か?アニ)

ライナー『よーし、エレン。アニにも短刀の対処を教えてやるぞ』


アニ(……)スタスタ

アニ「……」ピタ

ライナー「……」

ライナー(ま…普通に誘っても乗ってこないだろうがな)


ライナー「教官の頭突きは嫌か?」ニヤ

ライナー「それ以上、身長を縮めたくなかったら、ここに来た時を思い出して真面目にやるんだな」

アニ「……」

――

エレン「お前の倍近くあるライナーが宙を舞ったぞ…」

エレン「…すげぇ技術だな」

アニ「…!」

アニ(…こいつ)


エレン「誰からか教わったんだろ?」

アニ「……」

アニ(…気安く話しかけてくるね)

アニ「……お父さんが…」

エレン「親父さんが、この技術の体現者なのか?」

アニ(私をあまり怖がらない…)

アニ「…どうでもいい」


キース(…アニ・レオンハート。孤立気味であるが、真っ直ぐな者とは合うのかもしれん)


コニー「――!」

サシャ「――」

キース(…で、あの組は何をやっているのか?)スタスタ


キース「…コニー・スプリンガー…」ガシ

コニー「!……あ…が…」

キース「…サシャ・ブラウス…」ギロ

サシャ「…ひっ……こ、降参しますから、命とご飯ばかりは…」ガクガク

キース「貴様の命は飯並なのか…?」ガシ

サシャ「痛ぃぃ」

キース「二人とも立てなくなるまで走ってこい!」

―――

――


仲間たちから高い信頼を得るライナー。
憎まれ口の裏にも優しさがあったのかもしれません。


――当日夜・食堂――


サシャ(……また…死ぬ寸前まで走らされました…)

サシャ(…でも…今回はご飯を守ることができた…)

サシャ(…どこか…つける席は…)

サシャ(ミカサの隣…空いてますね…)


――

ジャン「―――ちまうからな」

エレン「ジャン…」

ジャン「何だエレン?」

ジャン(いきり立ちやがって…ケンカなら受けて立つぜ?)


サシャ「……」ガツガツ


エレン「お前…おかしいと思わねぇのか?」

エレン「巨人から遠ざかりたいがために、巨人殺しの技術を磨くって仕組みをよ…」

ジャン「…まぁ…そうかもしれんが」

ジャン(ちげぇのか…言ってることはわかるがな…)


ジャン「けどそれが現実なんだから甘んじる他にねぇな。オレのためにも、この愚策は維持されるべきだ」

エレン(こいつ……ッ!)

ジャン(だからてめぇはガキなんだよ!現実を受け入れろ…オラッ、かかってこいよ?)


サシャ「……」ガツガツ


エレン「このクズ野郎が!!」ガタ

ジャン「才能ねぇからって、ひがむんじゃねぇよ!」ガタ


サシャ(…何かやかましいですね。でもやっと胃が落ち着いてきました)ムシャムシャ


ジャン「…つーか」


ミカサ「……」


ジャン(どんなときでもミカサはずっと)


ミカサ(…エレン)ハァ


ジャン(エレンしか見てねぇ…)


エレン「……」


ジャン(ミカサの気持ちを独占しておいて)


エレン「……?」


ジャン(こいつは、それが当たり前のように流してやがる…)

ジャン(……ッ!)


ジャン「ふ…ざけんなよ、てめぇ…!!」ジワ

エレン「ハァ!??」

エレン「…この野郎…そんなに強く引っ張ったら、服が破けちゃうだろうが!!」

ジャン「服なんかどうでもいいだろうが!」

ジャン(オレの心はとっくに破けてんだよ!)


ジャン「ちっきしょおおおおお!うらやましい!!」


エレン「何言ってんだ?お前、いい加減にしねぇと…」


サシャ(パンもスープもからっぽになりました…でも)ジー


エレン「……ッ!」グイ!

ジャン「なっ…?」

エレン「技術を行使して…この場を収める!」


サシャ(お皿にまだスープの味が残っています)


―――ドカン!


ジャン「!??」

サシャ「!?」

サシャ(はわっ!はわっ…はわ…お皿が!)

ジャン「いってぇな…!」


サシャ(セーフ…スプーンじゃお皿の中のスープを一滴残らず取れませんから…)

サシャ(バレないようにこっそり舐めるのです)ペロペロ

アルミン(…サシャ……見えてるよ……)


<ギィィィィ…>


ジャン「!!」

エレン「!?」

キース「今しがた大きな音が聞こえたが…」

ジャン(やべぇ!)

エレン(げ!)

キース「誰か説明してもらおうか…」

サシャ(…ひ…教官です)


キース「……」スタスタ

ミカサ「……」スッ

キース「ん?」


ミカサ「サシャが放屁した音です」

サシャ「えっ!?」


サシャ(ミカサ…何を言って…)


キース「また貴様か…」

キース(…こいつに関わると訳がわからなくなる)

サシャ(ええぇっ!?)

キース(……去るか)

キース「少しは慎みを覚えろ」


<ギィィィィ……バタン>


サシャ(信じ…られてる……)

アルミン(うわぁ……)

ミカサ(……)

エレン(……サシャ…悪りぃ)

ジャン(…サシャ…すまん)


サシャ「…ちょ!ミカサ酷いじゃないですか!」

サシャ「私あんなオナラなんか出ません!私のお尻は立体機動装置ですかぁ!」

サシャ「うあぁぁぁぁん。ミカサはやっぱり鬼です!悪魔です!信じてたのにー!!」

ミカサ「……」

アルミン(さすがに可愛そうだよ…サシャも女の子なのに…)

ミカサ(…サシャじゃなければ教官は帰らなかったはず。私は正しい)


エレン「危なかったな、ジャン。つまんねぇケンカで、憲兵団を逃す所だった」

ジャン(…っ!こいつ、オレを心配してんのか)

ジャン「しかし…困ったな…」プルプル

ジャン(その気持ちはわかったけどよ…)

ジャン「このままじゃ収まりがつかねぇ」


ミカサ「!」

ミカサ(…収まり)


―――技術を行使して


―――このパンを収める


サシャ(もがっ!?)


サシャ(……口の中に広がる芳醇な香り!)

サシャ(こ、これは?……パァン!)

ミカサ「……」グイグイ

サシャ(…んもう…しょうがないですね!今回だけですよっ。許します、ミカサ!)

アルミン(サシャ…いいんだ…それで)タラ


ジャン(エレン…てめぇのことは気に食わねぇが…悪いヤツじゃないのだけは認めてやるよ)


―――

――


サシャがなぜ犯人に仕立てられて、教官がなぜすぐに引き返したのかを考えてみました。

原作からの引用が非常に多くて申し訳ありません。

漫画やアニメではあっという間だったけれど3年間も共にいたんだからこんなエピソードがあっても全然おかしくない

シチューの話がしたいようなので貼っておきますね

「彼氏の実家に行ったらご飯にシチューをかけて食べてた。正直、将来うまくやっていけるかどうか不安になった。
一瞬、結婚できないとも思った」と語るのは、都内の商社勤務のol智子さん(26歳)。
彼女は当編集部の記者の知人女性で、同僚の男性と今年のクリスマスに挙式の予定。
 
・ご飯にシチューをかけて食べはじめた
そんな彼女が先日、彼氏の実家に3度目の訪問をしたという。今回は、はじめて彼氏の実家に宿泊。
夕食を彼氏の母親が作ったらしいのだが、そこでとんでもない出来事があったとのこと。
彼氏、その父親と母親、そして彼氏の弟全員が、ご飯にシチューをかけて食べはじめたというのだ。


――後日・対人格闘術訓練――


エレン「しかし、どうだった?オレの蹴り技は」

エレン「アニの見よう見まねだが、うまく決まったよな」

アニ「は…付け焼刃だね…全然ダメ。まったくなってない」

エレン「何だよ…どこが悪いって言うんだ?」

アニ「……」

アニ(ほんと、こいつは…)


アニ「そんなにこの技が気に入ったんなら…」


アニ(…ま、こういうのも悪くないかもね…)


アニ「教えてやってもいいけど?」

エレン「え?やだよ。足蹴られんの痛いし」


アニ「……」


アニ「遠慮なんかしなくていいって」バシ


―――ドガン!


エレン「」


ライナー「…お、アニか。訓練相手が見つかって良かったじゃねぇか」ニヤ

アニ「……」

アニ「アンタも…」ガシ


―――ドガン!


ライナー「」


アニ「一言多いんだよ」

―――

――


――おわりに――

原作引用が多い段階もここで終了になります。

本編は過去作品の続編として書いており、設定を引き継ぎつつ、一作目の本の話のところまでは書く予定でした。

ですが、スレが長くなってきたこともあり、一度ここで〆とさせていただきます。

核になるストーリーのない日常風景の垂れ流しでしたが、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

多数の支援に感謝いたします。

――――



シチューの話がしたいようなので貼っておきますね

「彼氏の実家に行ったらご飯にシチューをかけて食べてた。正直、将来うまくやっていけるかどうか不安になった。
一瞬、結婚できないとも思った」と語るのは、都内の商社勤務のol智子さん(26歳)。
彼女は当編集部の記者の知人女性で、同僚の男性と今年のクリスマスに挙式の予定。
 
・ご飯にシチューをかけて食べはじめた
そんな彼女が先日、彼氏の実家に3度目の訪問をしたという。今回は、はじめて彼氏の実家に宿泊。
夕食を彼氏の母親が作ったらしいのだが、そこでとんでもない出来事があったとのこと。
彼氏、その父親と母親、そして彼氏の弟全員が、ご飯にシチューをかけて食べはじめたというのだ。

よかったよー

良かった
また書いて欲しい






このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom