死神「どうも~死神で~す」 男「」 (10)

男「は?」

死神「だから~、死神ですって~」

男「いや、アンタ何言ってんの?」

死神「あれ?もしかして信じてない?」

男「信じるも何も、これ以上妙なこと言うなら通報しますよ?」

死神「ちょっとちょっと!人を不審者みたいに扱わないでくれます?」

男「だってアンタ、普通の服着てんじゃん。マントも何も着てないじゃん。それで死神とか言われても、中二病にしか思えないんだが……」

死神「そんなこと言うと、今すぐ命刈り取っちゃうぞ☆」

男「……プルルルル……あ、もしもし警察ですか?今目の前に頭がオカシイ女がいまして……」

警察「こら!死人が電話かけるな」

リュークがこんなんいってるとおもったら笑けてきた

男「――はい……はい……分かりました。すぐお願いします ガチャリ」

死神「え?え??もしかして本当に通報した?」

男「あ、話しかけないでもらいます?俺まで同類に思われるんで」

死神「ちょっとちょっと!酷くない!?初めて会った人をいきなり不審者扱いとか、ホント酷くない!?」

男「初めて会った人に死神名乗るアンタに言われたくないから」

死神「でもさぁ、知らないよ~?たぶん、後悔すると思うよ~?」

男「……後悔って……どういうことだ?」

死神「べっつに~……あ、ホラ、パトカー来たみたいだよ」

男「???」

警察「お待たせしました!通報した方ですか!?」

男「はい、そうです」

警察「――それで、頭のオカシイ女というのはどこに!?」

男「あ、はい。この女です。ビシイッ」

死神「やっはろ~☆ピース」

警察「……」

男「早く連れてってください」

警察「……ええと、本気で言ってるんですか?」

男「当たり前じゃないですか。ホラ、早く連れてってください」

警察「……」

男「何してるんですか。目の前でピースサインしてバカにしてますよ?」

警察「……いや、誰もいないじゃないですか……」

男「………は?」

男「い、いやいやいやいや、何言ってるんですか?目の前にいるでしょ!?」

警察「いやだから、誰もいないですよ……」

男「もしかして俺をからかってませんか!?そういうのいらないから、さっさと連れてってくださいよ!!」

警察「……あなた……もしかして……」

男「はい?」

警察「いやいや、何でもありません。そうですね。確かにいますね。――ですが、不審者というわけではないでしょう。だってピースサインしてるんでしょ?普通そんなことする奴が凶悪なわけがないでしょう」

男「で、でも、死神とか言ってるんですよ!?」

警察「……重症だな、こりゃ……ボソリ」

男「はい?」

警察「いえいえ、それであれば、何かしてきた時にまた通報してください!私達は、近くをパトロールしてますので!では!!」

男「え?ちょ、ちょっと……!」

警察「お気をつけてー!!」

ブーン……

男「………」

死神「……行っちゃったね~。あなた、頭がオカシイ人に思われてたね☆」

男「やかましい!!」




死神女かよ

男「マジかよ……何で見えないんだよ……」

死神「だから言ったじゃないですか~。私、死神だって。普通の人には見えないんですよ~」

男「俺、オカルト系は苦手なんだよ……」

死神「オカルトなんて安っぽい言葉は止めてくんない?私、一応死を司る神様なんだけど」

男「神様?……嘘くさ……」

死神「あ~またバカにした~!本当に命刈り取っちゃうぞ☆」

男「いや、そういうのいいから。……ってちょっと待て。仮にお前がホントに、その死を司る神様だとしたら、何で俺のとこに来たんだ?」

死神「――ああ、そうだった。本題忘れてた。あなた、近々死になさい」

男「………はい?」

男「いやいや、死になさいってどういうこと?」

死神「言い方悪かったかもね。あなたの死に方を、自分で選ばせてあげるってことよ。特別措置よ?良かったじゃない」

男「死ぬことのどこか特別措置だよ。意味が分からないんだが。神様なら説明しろ説明」

死神「……あ~、ホントは機密事項なんだけどね~……まいっか☆」

男(いちいちノリが軽いんだよなぁ……)

死神「えとね、本来、人が死ぬ時ってのは、生まれる前にだいたい決まってるのよ。あとはその人の生き方とか、積み重ねた善行とかで前後したりするんだけど、だいたい決まってるの」

男「へえ……生まれる前に死ぬ時期を決められるって、なんか不条理だよな……」

死神「そうでもないよ。その代わり、早く死んだ人は来世で幸せになるように帳尻合わせてるし。もっとも、自殺とか何かしらの悪事によって死んだ人は例外だったりするけどね。まあこれ以上は、あんまし深く言えないんだけど」

男「ふ~ん……で?なんで俺だけ死に様を選べるんだ?」

死神「それがさ~、実はあなた、リストに載っていながら、死ぬのをあぶれちゃった人なのよ」

男「……どゆこと?」

死神「時々いるんだよね~。本当なら死ぬ予定だったのに、ちょっとした手違いで死なない人って。つまりあなたは、あの世の帳面上では、既に死んでる人なのよ~」

男「既に死んでるって……俺、生きてんだけど……」

死神「だから帳面上はって言ったでしょ?簡単に言えば、予約していた旅行ツアーに、こっちの連絡ミスで来れなかった人ってとこかな」

男「死ぬのがツアーかよ……」

死神「どうでもいいでしょ?ホラ、さっさと死に方選んでよ。こう見えて、私も忙しいんだよね~」

男「……俺、本当に死ぬのか?」

死神「そう言ったでしょ?あ、別に自殺でもいいけど、ろくな来世にならないわよ?」

男「……そっか……」

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