曲げられた世界の集束(12)
俺はここ最近デジャブを感じる。
いや、デジャブると言った方が良いのか?
ここ最近銃を持つと、いや銃といっても電動ガンだが、まるで少し前に銃で撃ったような感覚に襲われる。
更に肉をさばこうとナイフを持つと少し前に肉をスライスしたような感覚になる。
ここ最近、そんなようなことが滅多に起きる。少し前にやったような、やらなかったような...。なんだかまどろっこしい感覚だった。
男「...てな事が起きてよ」
一人で悩んでいても仕方が無いと思った俺は友達に相談した。三人寄れば文殊の知恵。さあ意見を聞かせてくれ。
友「ただの思い過ごしじゃねーの?」
野郎パート1のクソワックスはこう言う。
男「まぁ俺もそうだとは思うんだが、なんか多すぎだと思ってな」
幼馴染「疲れているんじゃないかな?休んだ方が良いよ」
我がグループの紅一点、幼馴染はこう言う。俺とは幼馴染だが、最近思う。胸でけぇ。
男「ありがとう。家に帰ったら寝ることにするよ」
俺は幼馴染の優しさを受け止め、心から感謝をした。
オタ「リア充が......ボソッ」
たった今不穏な事を言ったのはオタ。野郎パート2であり、ガリだ。ガリでありながらもオタクである。宝の持ち腐れである。
眼鏡「そうだね...」クイッ
漫画に良くありそうなクイッを見せてくれた野郎パート3は眼鏡と言う。賢いが恋にうとい。こいつの前で何人女が泣いたことか。
以上俺含めて5人が俺らの仲間である。いっつもこの5人。何だかんだで仲が良いのだ。
眼鏡「別世界の記憶とかは?」
あぁ、こいつあの映画みたのか。
男「言っておくが、世界線もシュタインズゲートの選択もないからな?」
こいつもなんだかんだで隠れオタってことか。今度から気をつけよう。
眼鏡「違うよ。僕が言いたいのは世界線じゃなくてパラレルワールドの事だよ」
友「パラディンワード?」
オタ「パンチラワールド...」
幼馴染「パラレルワールドだよ!」
だからそれシュタインズゲートだろうが。
まぁ大方パラレルワールドの感覚や記憶がこの世界の俺に伝わってそれがデジャブに云々。
それこそ映画のシュタインズゲートだ。
男「言いたいことは分かるから良いよ」
眼鏡「君がわかっているのは、多分デジャブの部分だけだよ」
流石。人の心でも読めんのかね。是非とも女子の心を読んで俺に教えて欲しい。
男「つまり、どういうことだってばよ」
友「サスケェ...」
うるさい。
がんばれ
今年最後のチャンスを迎える楽天ファンのオレが支援
眼鏡「つまり、そのパラレルワールドのデジャブが君のこれから起こす行動の未来を予言しているかもしれないってことだよ」
男「つまり、パラレルワールドの俺がなんかヘマして、それがデジャブとして俺に警告してると」
眼鏡「簡単に言えばそういうこと。細かく言えば違うことになるけど、ひぐらしのなく頃にを見てみると良いよ」
ひぐらしか...長いしグロいから見てないんだけど、見てみようかなぁ...。
眼鏡「まぁ、今日徹夜で見ることをオススメするよ。二人でね」クイッ
うぜぇ叩き割りてぇ。って二人って。
友「やだぁ...男ぉ.../////」
オタ「すまないがホモ以外は帰ってくれないか!?」
幼馴染「男...」ジーッ
殴ろう。眼鏡と友を。10円玉を握り締めて。
男「じゃ、ひぐらし借りにいくから今日はこれでお開きな。また来週」ガラッ
友、眼鏡「(´;ω;`)ハイ」タンコブ
オタ「じゃあな」
幼馴染「じゃあ私も帰るね。」
眼鏡「ちょっと待ちなさい(´;ω;`)」タンコブ
さて、飯も食ったし風呂も入ったし、寝る準備も万端。明日は休日だし眼鏡が珍しく押してきたアニメだ。解っていうやつも全部見るか。
ジョウヘキーノソーノカナーター
なんだこんな真夜中に。...眼鏡?
男「はいもしもし」
眼鏡「今からひぐらしか」
こいつは本当に盗聴器か何か仕掛けているんじゃ無いんだろうな。
眼鏡「放課後に行った二人ってお前と友じゃないんだ」
何だって?
男「じゃあ誰なんだよ?俺は妹とは見ないぞ」
眼鏡「まぁ、じきに分かるよ。二人でゆっくり徹夜でしていってね!」
ブチ
男「...。」
ピンポーン
母「ハーイ」
一体誰なんだ...?
俺は自室の扉から聞き耳を立てる。幸い声は聞こえる。
母「あら、幼馴染ちゃん。どうしたの?」
いや...うん...。家は近いよ?幼馴染だよ?でもね?女だよ?高校二年生の胸もでけぇ女だよ?昔は良くお泊まりーとかやってたけどもうそんな年じゃねぇんだよ。
ピッピッピ
プルルルル...プルルルル...プルガチャ。
眼鏡「もしもし」
男「どういうことだよ...?」
眼鏡「ゴムはつけろよ」ガチャ。
野郎、来週とは言わず明日家に上がってぶっ潰してやろう。いや、ブスにあいつ誘ってあいつ苦しめてやる。カラオケか?カラオケでブスに囲ませて苦しませようか?
そうこうしている内にノックの音がした。
母「男ー?ちょっと良い?」
嫌な予感しかしない。それもとてつもなく。
男「...何?」
母「あんたもやるわね。妹には言っておくから、ヤっちゃいなさい」
男「だからぁ!違うからぁ!!」
母「じゃあねぇー」
ダメだこいつら、早くなんとかしないと。
部屋で慌てふためいていると、再びノックの音がした。
男「......どうぞ」
カチャっと、扉が開かれる。容易く開く。
パジャマ姿の幼馴染がそこにはいた。
男「何でだよっ!」
幼馴染「え!?」ビクッ
男「なんで来たし!なんでパジャマだし!私服でこようよぉ!」
幼馴染「い...いやだって、友がこうしろって」
何でだよ!なんであいつまでノってんだよ!ノリノリじゃねぇか!
男「幼馴染!何でお前も言われるがままにされてんの!?逆らおうよ!俺と居るのが嫌なんだろ!だったら断ろうよ!」
幼馴染「!?」
なんでこいつは嫌な奴んところ直でくるかなぁ?そんなに眼鏡の脅迫が酷かったのかよ?
男「眼鏡の脅迫なんて聞かなくて良いから!俺と居るのが嫌なら早く帰りな...ってあれ?」
幼馴染「......」フルフル
あれ...もしかして...泣いてませんか?
なんか...少し前にこんなことなかったっけ?
幼馴染「......どい...よ......」
よく聞こえない。あれ?だってこいつ俺ん所嫌いじゃなかったんだっけ?俺らのグループに入ってんのも社交辞令だからじゃないのか?
幼馴染「わた......嫌いじゃない....」グスッ
男「だって、俺のところ嫌いだって女が」
幼馴染「違うもん!」
へ?
幼馴染「わた...ひぐ...私は...嫌いじゃない......」
男「だ、だって女が」
幼馴染「そんなに...女さ、んが大事なの?」
男「いやそういうわけじゃない。ただ、情報通だとは聞いていたから本当だと思っていたんだ」
幼馴染「...ぐすっ......」
やばいヤバイやばい。いやいけない。こんなに可愛い幼馴染は見たことがない。やばいヤバイやばい。
男「じゃ、じゃあ、幼馴染は、俺のことどう思っているんだ?」
幼馴染がこんなになるまで言っているんだ。女の情報は嘘と言っていいだろう。今度からあいつの情報は信じない。だが、嘘だったのなら俺のことをどう思っているか幼馴染から聞きたい。
幼馴染「.........よ」
か細くて、よく聞こえなかった。
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