友「死のノート」(9)
女「デスノート?古くない?」
友「違う違う。そもそも、デスノートって死のノートじゃないじゃん。ノートオブデスにしないと」
女「その英語もどうかと思うけどね」
友「死のノートって聞いたら、どういうの思い浮かべる?」
女「んー…死を呼ぶノート」
友「私は、死を書き留めるノートのことじゃないかなと思ってさ」
女「あんた最初からそれ言いたかっただけでしょ」
友「うん」
女「で?死を書き留めるって、どゆこと?」
友「死ぬ時の気持ち、みたいのをさ、書き留めたノート」
女「そんなの、書き留めとく余裕ないでしょ」
友「じゃぁ、自殺する人が、その前の気持ちを書き留めたノート」
女「へぇ…自殺者の日記、みたいなものか」
友「そんなのあるんだ」
女「あるんじゃない?日記書いてた人も居るでしょ」
友「そういうのってさ、移るって言うよね」
女「そういうのって何さ?」
友「鬱とか、そういう人と話してると、引っぱられて相手もおかしくなっちゃうんだって」
女「へぇ。よく知ってんね」
友「そういうの好きだから」
女「っつーか、さっきから気になってたんだけどさ。そのノート何?」
友「普通のノートだよ。白紙」
女「ならいいけど」
友「これから特別なノートにするの」
女「…うわー」
友「ここにさ、頭のおかしい人の日記みたいの書いてさ、道に落としとこうよ。死のノート!」
女「あんた、変な奴だとは思ってたけどさ、これは冗談きついって…」
友「…変かな?」
女「……あ、あたし帰るわ。またね」
友「……じゃぁね、さよなら」
女「……何か相談したかったのかな、もしかして」
男「…プロでも、気付くのは難しいって言うから。お前が気に病む必要はないよ」
女「でも、変なこと言ってたし…あの時気づいてあげられてたら」
男「言われなきゃわかんないって。…それに、その話聞いてると、もし止めてたら、お前に…」
女「…なぁに?」
男「いや。…ただ、あんまり自分を責めるなよ。いつでも、話したくなったら呼んでいいから」
女「……ねぇ、それ」
男「ん?ああ、このノート?さっき道で拾ってさ、新品みたいだったから、もらおうと思って」
女「…死のノート…」
男「ど、どした?大丈夫か?」
女「貸して!」
男「うおっ!?」
女「………あの日の日付…あの子、ホントに…ホントに作るなんて…」ペラッペラッペラッ
男「作るって…ただの、白紙のノートだろ!?」
女「…ごめんね。ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね…」ペラッ・・・
男「…お、おい!」
女「……このノートは、死のノートです……」
男「何を言ってるんだ!?」
女「だって、だってここに書いてある!あの子の字で!ほら。…ほら!」
男「落ち着け――」
女「……帰って」
男「え?」
女「帰ってよ!あんたが二股かけてたんでしょ!?…帰ってよ!」
男「…!何で知って――」
女「書いてあったのよ!出てって!」ぐいっ
男「ま、待て、ここ窓――」
悲鳴が二つ、聞こえた。
終わり。
ギャグ書きたかったのにどうしてこうなったのか
おつ。
あっさりしてて良かったよ。
おつん
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません