雪歩「ミッドナイトレディオショー」 (26)
雪歩とモバマスの二宮飛鳥ちゃんのお話です
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こんばんは、萩原雪歩です。
アイドルデビューして約一年、プロデューサーや周りの人の協力のおかげでいまや有名なAランクアイドルです。
そんな私と二宮飛鳥ちゃんのお話をしたいと思います。
ゴールデンタイムの番組などにもたくさん出演させてもらってる私ですが、一番気に入ってるのは私がまだまだ新人だったころに初めてレギュラーとして受け持つことになった深夜のラジオ番組なんです。リスナーさんからの質問に答えられなかったら穴掘って埋まるだけの番組がなんでこんなに続いてるのか我ながら謎ですぅ
そんな私に久しぶりの一日オフがもらえました。
次の日がお休みということでちょっと夜更かしています。この時間帯の番組にはあんまり人気じゃないアイドルの子たちがいっぱい出演しています。この中からトップアイドルがでたら私みたいにこの番組が印象強く残るのかな ふふっ
お肌のために夜更かしはあまりよくないし、番組はそこまで面白くもないのでそろそろ寝ようかと思っていたころ一人の美少女に私は目を奪われました。
期待
中性的な顔つきに薄茶のハネの髪、目を引く明るい黄色のエクステ その外見以上に私の関心を引いたのは彼女の言動の数々でした。2,3年前、私も似たようなことを言ってました あぅぅ…思い出すだけで顔が熱くなるのがわかります// なんとなく斜に構えてみたり、飲めもしないブラックコーヒーを飲もうとしたり、あのときに書いた詩はたとえプロデューサーにも仲良しの真ちゃんにも見せられません
『二宮飛鳥』 私は画面にでたテロップで名前を確認し飛鳥ちゃんから発せられる言葉に恥ずかしさとよくわからない感情で終始顔がほころんでいました。番組が終わり、寝る前にちょっとのお茶を飲み、ベッドに入り目を瞑ると2,3年前の記憶が私の頭の中にどんどんどんどん蘇ってきました。このなんとも言えない気持ちをバタバタとベッドにぶつけていると、目が冴えてきてしまいました。
どうにも眠れなくなってしまった私はスマホで飛鳥ちゃんのことを調べることにしました。そういえば一昨日くらいにスマホを事務所のテーブルに置いたままお茶を煎れていたら
千早「あら真、携帯、忘れてるわよ」
真「え?ああこれはボクのじゃなくて雪歩のスマホだよ」
千早「えっ、フフフフフフあっそっそうフッフフッフ」
真「大丈夫!? なにかボクおかしいこと言った?」
千早「ゆ、」
真「ゆ?」
千早「ゆき【ほ】のスマ【ホ】ってフフフフッフフフ」
真「えー…そんなこと…」
ってことがありました。相変わらず千早ちゃんのツボがわかりません。 千早ちゃんも初めのころの無愛想なときの話をすると恥ずかしがります。やっぱり誰しも過去のことを触れられたくないものですよね。そんなことを思いつつCGさんのホームページを開き、飛鳥ちゃんのページを開きました。総選挙の結果は中間発表まではランク内だったけど最終結果発表ではランク外だったみたいです。競争率高いなぁ 新人でこの結果は中々の快挙だけど途中まで入ってたのに最後にだめだったのってすごく悔しいだろうなぁ ページを下にスクロールするとそこには見逃せない事実がそこには書かれていました。
お茶が苦手
この文字を見たとき思わずスマホを自分の顔に落としてしまいました。あぅ… 痛みが引き、冷静に考えてみるとこれもこの時期特有のアレの影響かな、とも思いましたがどちらにしろ私にとっては重大なことです。それともう一つ趣味の欄にいいことが書いてありました。
ラジオを聴くこと
こ、これを利用しない手はありません。飛鳥ちゃんを私のラジオのゲストに招待して…ふふっ
次の次の日
雪歩「プロデューサー、ちょっとお願いがあるんですけどいいですか?」
P「おう、雪歩がそんなこと言うなんて珍しいな。なんだ?」
雪歩「実は今度のラジオにゲスト出演してほしいアイドルがいるんですぅ」
P「なんだそんなことか、誰だ?流石に他のアイドルの予定をずらさせたりはできないぞ あくまでも収録日に予定が空いてる子で、な?」
雪歩「はい、それなら大丈夫ですぅ まだあまり有名じゃないアイドルですから」
P「ほう、それなのに雪歩が呼びたいなんてよっぽど趣味が合うんだな お茶好きかなにかか?」
雪歩「いいえ、全く逆ですよ お茶が苦手なんです CGの二宮飛鳥ちゃんって子なんですけど知ってますか?」
P「ん…ちょっと待ってくれ今思い出すから あー エクステつけてる子だっけ?」
雪歩「そうですぅ 」
P「了解了解、14歳、154cm、42kg、75-55-78、2月3日生まれの水瓶座、B型、右利きで静岡出身の二宮飛鳥ちゃんな よし、話しつけておくよ」
雪歩「は、はい よろしくお願いしますぅ」
P「はいよー」
お世辞にも有名とはいえないアイドルのプロフィールを丸暗記してるプロデューサーに若干引いたものの順調に私の計画は進みました。
ラジオの日
雪歩「雪歩の穴掘りラジオ~」
雪歩「はい、今週も始まりました[雪歩の穴掘りラジオ]ですが、今日はゲストを呼んでみましたぁ CGプロの二宮飛鳥ちゃんでーす」
飛鳥「ど、どうも」
雪歩「はい、こんばんは~ あ、ちょっと飛鳥ちゃん緊張してるね ふふっ」
飛鳥「そりゃあ緊張するさ、なんてったってAランクアイドルの萩原雪歩さんのラジオに呼ばれているわけだからね しかもボクはこのラジオを毎週聞かせてもらってるから。」
雪歩「うんうん 知ってるよ 飛鳥ちゃんの趣味を調べて《ラジオを聴くこと》って書いてあったからもしかして、と思って呼んだんだ」
飛鳥「へぇ それはまたどうしてボクのことを調べたんだい?」
雪歩「たまたま遅くにやってたテレビでね、飛鳥ちゃんを見かけたんだ。そこで……髪が、エクステが素敵だなぁと思ったの」
飛鳥「ふふっ そう素直にほめられると照れるな」
雪歩「えへへ なんだかこっちも恥ずかしくなってきちゃった 飛鳥ちゃんはその素敵なエクステ、学校でもつけてるの?」
飛鳥「いや、学校では外しているよ 禁止されているからね そういった社会への《ささやかな抵抗》としてこのエクステをしているんだ」
雪歩「へぇー 私には抵抗なんてできないから羨ましいよ じゃあ私が一個質問したから次は飛鳥ちゃんが私に質問してもらってもいいかな?」
飛鳥「うん、かまわないよ それなら……」
雪歩(こんな感じで簡単な馴れ合いからはじめて緊張が解けてきた頃、スタッフの方から残り十分のコールがされました)
雪歩「さて、楽しい時間も残り十分となりました」
飛鳥「あれ?いつもは残り五分でその台詞がでるのに、なにかあるのかい?」
雪歩「よくわかってるね うん 実はね はい♪」つお茶
飛鳥「うぇ!? ゆ、雪歩さん、ボクの趣味とか知ってるって…… はっ まさか敢えて?」
雪歩「正解っ ちなみにこのお茶は【玉露】っていうお茶で1835年からある高級なお茶の中でも歴史あるお茶なんだ しかも60℃くらいのお湯でじっくり浸出することで苦味を抑えて甘みを感じられるお茶なんだよ さぁ、時間は十分あるよ 十分だけど あ、千早ちゃんみたいになっちゃった ふふふ 私が直々に淹れたお茶…飲んでくれるよね?」
飛鳥「っ……普通なら大先輩雪歩さんからの頼みだからと無理をしても飲むべきなんだけど生憎ボクはそんな《空気の読めるようなオトナにはなりたくないもの》だから。悪いけどそのお茶は飲めない」
雪歩「飛鳥ちゃん……」
飛鳥「厚意を無駄にし 雪歩「うっ…そうだよねこんな私の淹れたお茶なんて飲めないよね グスン いいんだ……」
飛鳥「いや、空気を読むことがボクの方針に引っ掛かるんだって言っただろう?」
雪歩「いや、い、いいんだよぅ Aランクアイドルだからって調子に乗って嫌なことさせようとした私が 飛鳥「わかった」
雪歩「え?」
飛鳥「やっぱり戴くことにするよ、そのお茶」
雪歩「それはうれしいけど…大丈夫?私が言うのもあれだけどさ」
飛鳥「うん実は《キミのことを初めてみた時から思っていたんだけど、もしかして、キミも{痛いヤツ}だったり》したことがあるんじゃないかと思っていたんだ。すでにその過去とは決別しているのかもしれないけど、かつては雪歩さんも”こっち側”だったんじゃないかい?」
雪歩「ひゃっ 飛鳥ちゃん、どうしてそれを」
飛鳥「アイドルは《未知の存在》だからね」
雪歩「そ、そっか とにかく飲む気になったんだね はい 至高の温度でこの魔法瓶に入れてあるからさっきと同じだよ どうぞ」つお茶
飛鳥「ああ。ありがとう。では、戴きます。」ズズッ
雪歩「どうかな?」
飛鳥「おお、苦味がない」ズズズッ
雪歩「そう説明したよ…」
飛鳥「そして、甘味がある」ズズズズッ
雪歩「それも言ったよぅ」
飛鳥「ごちそうさまでした おいしかったよ ボクは専ら地元の静岡茶ばかり飲まされてどうしても苦いイメージが拭えなかったんだ でも、そんなイメージを取り払ってくれるよな飲みやすいお茶だった」
雪歩「それはよかったよ 私、飛鳥ちゃんにもっといろんなお茶を教えてあげたいな」
飛鳥「それはありがたい 是非とも今度のオフにでもお願いするよ」
雪歩「うーん、オフかー 私の次のオフはいつだっけなぁ あ!そうだ飛鳥ちゃん!」
飛鳥「?」
雪歩「この飛鳥ちゃんがお茶苦手を少しづつ克服していくコーナーをこのラジオに作っちゃおう!」
飛鳥「流石Aランクアイドル、すごいことをいう」
雪歩「えへへ どうかな飛鳥ちゃんは 深夜だけど大丈夫?」
飛鳥「ああ ボクは大丈夫 よろしく頼むよ」
雪歩「うんっ」
雪歩「はい、ということで来週から[二宮飛鳥のお茶克服]のコーナーがスタートしますぅ 楽しみにしていてくださいね」
飛鳥「お手柔らかにね」
雪歩「それはまた当日のお楽しみということで ではみなさんまた来週この時間にお会いしましょう さようなら~」
雪歩「お疲れ様、飛鳥ちゃん。」
飛鳥「ああ、お疲れ様、雪歩さん」
雪歩「さっきはごめんね、いきなりいやなことやらせちゃって」
飛鳥「気にすることはないよ ボクのお茶の考え方を一新させてくれたからこっちから礼を言いたいくらいだ」
雪歩「そんなお礼なんていいよぅ」
飛鳥「そういう謙虚な姿勢をトップアイドルになっても持ち続けられるってすばらしいね 参考になるよ」
雪歩「そ、そんな私なんて// あっもうこんな時間だ このラジオの後はおしゃべりが全然できないのがちょっと残念だね プロデューサーが待ってるしじゃあ私はこれで ばいばい」
飛鳥「うん、また来週」
そこから毎週いろんな種類のお茶を飛鳥ちゃんに飲ませていきました
飛鳥ちゃんのお茶苦手が克服されていくに連れてますます私と飛鳥ちゃんは仲良くなるとことができました
とびきり苦いお茶や事務所の麦茶を飲ませたときのとってもかわいい飛鳥ちゃんのお話はまた別の機会にでもお話します。
>>1乙! これは面白い!!続き期待してます!
飛鳥ちゃんの情報が少なすぎて目上の人への言葉遣いはどんな感じだろう、とか、なんとかゲーム中の飛鳥ちゃんの台詞を引用して進めようとか、そういうことばっかり考えてたら非常に内容の薄いものになってしまって申し訳ないです
直したほうがいいところとかあったら遠慮なくお願いします
面白いよ
改行してくれると読み易くなる
この前からちょくちょく飛鳥ss書いてる人と同じかな?
>>23 いえ、今回がはじめてです
それは失礼
文字の改行してない感じが似てたから、セリフに名前つけるようにしたのか!と早とちり
ともあれ乙!
続けるとしたらまた別に建てます
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