友「酷い振り方だな。もっと言い方あるだろうに」
男「全くだ...それに俺はワキガなんだよ。足は臭くねぇよ...」
友「いや、足も十分臭いぞ。スルメみたいな臭いがこの部屋に充満している」
男「それ俺のせい?」
友「間違いなく。夏にマスクしてる俺が言うんだからな」
男「マジか...俺、足も臭かったのか...」
友「ついでに言うと鼻毛出てるぞ」
男「....」
友「ところでお前誰に告白したの」
男「女さん...」
友「また高嶺の花を狙いに行ったな。ビックリしたよ」
男「そうかな。いけると思ってた」
友「その自信は何処から湧いてくるんだよ」
男「俺の身体から溢れ出している逞しいフェロモンに魅了されると思って...」
友「溢れ過ぎて部屋に充満してるからな。少し自重しなさい」
男「ごめん...頑張って回収するわ...」パタパタ
友「手で自分の方に扇いでも何も変わらないぞ」
男「....」
男「もう一回告白しても無理かな...」
友「さあ、もしかしたらお前の誠意が伝わるかも知れんな」
男「そうだよな。臭いなんて愛の力で乗り越えれるよな」
友「臭いなんて慣れだよ。十年友達やってる俺が言うんだ。間違いない」
男「マスクはしてるけどな」
友「おう、マスクも友達だからな」
男「そうか、納得した」
友「でもせめて鼻毛は切っていけ。それは最低限のマナーだ」
男「分かった、俺、鼻毛、切る」ジョキン !
友「後、誤魔化せるか怪しいがシーブリーズしとけ。もしかしたらもしかするかもしれん」
男「分かった、俺、臭い、消す」プシュー !
友「頑張れ。応援してるからな」
男「ありがとう」
翌日
男「泣きながら振られた....」
友「.....」
男「泣きながら振られた....」
友「二回言わなくていい。どんまい」
男「泣きたい....」
友「....」
男「"ごめんなさい、だって臭いんだもん!だって足が!"って手で顔を覆いながら泣かれた....」
友「....」
男「死にたい....」
友「....」プシュー
男「無言でシーブリーズかけてこないで....」
翌日、教室
友「....女さん」
女「....」
友「キミは悪くないからね...」ポンポン
女「....」
友「でもね、臭いは慣れるよ。今ではワキガが発動した時の男の臭いにも耐えられるようになった」
女「男くんワキガなんだ....」
友「....あ」
女「....」
友「....」
男「....」
友「ごめん...」
男「いいよ...もう諦めたから...」
友「ごめん...」
男「だからいいって」
友「でも本当はまだ諦めきれないんだろ...?」
男「うん....」
友「お前一途だもんな....ごめんよ...」
男「....」
友「責任は取るよ...」
翌日、屋上
友「女さん、頼みがあるんだ」
女「....」
友「男のこと、臭いで偏見するのはやめてあげて欲しい」
女「....」
友「あいつは本当にいい奴なんだ。だから臭いを振る理由に使うのはやめて欲しい」
女「....でも」
女「あなたは毎日、寝る時もドリアンと一緒にいなさいって言われたら無理でしょ?」
友「....」
女「それに見た目はドドリアなのよ....」
友「....」
女「....」
男「....」
友「男、否、ドドリア」
男「言い直さなくていいから」
友「この恋は諦めろ....」
男「そうだな、そうするよ」
友「次は臭いフェチを探せ。においフェチじゃないぞ。くさいフェチだ」
男「どんなフェチだよ....」
友「ワキガウェルカム!足臭アイシテル!みたいな奴だ」
男「....」
友「....」
おわり
ありがとうございました....
乙
なんかよかった
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