旧ザク「らっしゃい」(55)
某所・居酒屋『じおんえいき』
ガラッ
旧ザク「らっしゃい」
ザク「こんばんわー」
旧ザク「おお、ザクじゃねえか」
ザク「あはは…お久し振りです」
旧ザク「隊長か。あの引っ込み思案が出世したな」
ザク「昔のことはもういいじゃないですか。それより旧ザク大佐もお元気で何よりです」
旧ザク「今はもう大佐じゃねえよ。ただの居酒屋の店長だ」
ガンダムさんのか、期待、
旧ザク「で、何にする?ビールか?」
ザク「あ、いえ。宴会を開きたいので席があるかどうか確認したいんです」
旧ザク「…宴会か。何人来るんだ?」
ザク「はっきりとはしてませんが、たくさん来ます」
旧ザク「そうか…。心配すんな、この店は何人来ようが平気だ」
ザク「ありがとうございます」
旧ザク「ヅダ!今日は忙しくなるぞ!宴会の準備だ」
ヅダ「聞いている!既に用意に取りかかった!」
ヅダ「貴様は昔からそうだ!口ばかりで私より行動が遅い!」ガチャガチャ
旧ザク「何言ってんだ店長に逆らう気か!」ガチャガチャ
ヅダ「貴様がいなければ今頃私は将官だったのだ!貴様さえ…」トントントントン
旧ザク「はっ、演習で勇みすぎてケガした向こう見ずがよくもまあ」グツグツ
ヅダ「あれは貴様の陰謀だ!仕込みが一通り終わったから私は席を用意してくる!」ガタッ
旧ザク「まだそんなこと言うか!頼んだ!」グツグツ
旧ザク「おっと。水でも飲んで待っててくれ」コトッ
ザク「ありがとうございます」
ザク「お二人は仲が良いですね」
旧ザク「士官学校時代からの腐れ縁だ」ガサゴソ
旧ザク「人一倍愛国心と責任感が強くてな。軍事演習でも自分から先頭をきって突っ込んでたよ」
ザク「いい人なんですね」
旧ザク「ああ。厳しく頭の堅いやつだが、上官、同僚、部下、全員から信頼を得ていた」
旧ザク「でもな…あれはお前が俺の隊に入る前…開戦直前の軍事演習だった」
旧ザク「国のため、民のため、仲間のため、と。みんないつもより張り切っていた」
旧ザク「そんな演習だ。当然ヅダも気合が入ってた。いつもより冷静さを欠いてな」
旧ザク「実戦と同一視してたんだろう。仲間を助けにいくためにスピードを出しすぎてな。細かいデブリに当たって大怪我だ」
やっぱりヅダは飛ばし過ぎで事故るんだな
>>7 でもまぁ空中分解しないだけマシだよね
旧ザク「ヅダはその怪我のせいで退役した」
ザク「…」
旧ザク「奴は泣いてたよ。『こんなことで、こんなところで…』ってな」
旧ザク「俺は『すまない』と言うしかなかった」
旧ザク「奴が助けにいった仲間ってのが、俺の小隊だったんだ」
旧ザク「でも『俺が悪いんだ。俺を恨め』って言ってやったらさっき見た通りだ」ハハ
旧ザク「元気になってくれて良かったよ。おかげで毎日うるさいが」
旧ザク「おっと、手が止まってたな」ガサゴソ
ザク「なぜそんな関係なのに二人で居酒屋を?」
旧ザク「俺も退役してな。いや、退役前、最初の降下作戦を終えた後は補給隊に回されててな。嫌気が差したから退役したというか」トントン
旧ザク「で、ここに来ることになってな。何しようか考えてた時にヅダに会ったんだよ」パッパッ
旧ザク「昔話で盛り上がってな。一杯やろうとしたが、まだここには居酒屋がなかったんだよ」ドバドバ
旧ザク「でよ、俺たちで居酒屋を開いて後続の連中をもてなそう、ってことになったんだ」グツグツ
ザク「なるほど」
良い雰囲気
ガラッ
旧ザク「おっ、らっしゃい」
ヒルドルブ「宴会場はここか?」
ザク「そうですよ」
ヒルドルブ「なんだ、まだ集まってないのか」
ザク「僕だけですね」
旧ザク「まぁ座ってな。先に何か飲んどくか?」
ヒルドルブ「…。いや、俺も水を頼む。それと俺は座る必要がない」
旧ザク「あいよ」コトッ
ヒルドルブ「幹事はお前か」
ザク「ええ」
ヒルドルブ「…ザクか」
ヒルドルブ「俺の撃破記録のうちmsはザクだけだ」
ザク「えっ」
ヒルドルブ「連邦に鹵獲されていてな。助けてくれと苦しんでいた」ゴクゴク
旧ザク「ああ、そいつらなら前に来たな」トントントン
ヒルドルブ「…何か言ってたか?」
旧ザク「とんでもねえ化物タンクに出会ったって言ってたな。10km離れたところから一撃で破壊してくるってな」
ヒルドルブ「目標が動かなければ容易いことだ」
旧ザク「あとはお前さんに感謝してたみたいだ。やはり鹵獲されていたとはいえ仲間を襲うのは耐えられなかったみたいだ」
ヒルドルブ「…ならいい」
凄いなあんた
ヒルドブさんの一撃は凄かったなぁ
砲弾でザク真っ二つだもんな
それもこれもソンネンさんの迅速な判断と堅実な射撃の賜物ですよ
ザク「僕からもお礼を言わせてください、少佐。仲間を助けてくださったことに感謝します」ペコッ
ヒルドルブ「…やめろ。俺は元々msが嫌いなんだ。無関係なお前から感謝されたくはない」
ザク「えっ何故ですか?」
旧ザク「おっと、踏み込んじゃいけねぇ領域だな。そのへんでやめとけ」
ザク「はぁ…」
ヒルドルブ「すまんな…」グビ
ヒルドルブ「水入れてくれ」
旧ザク「あいよ」トクトク
ガラッ
旧ザク「らっしゃい」
ガルマ専用ザク(以下ガルマザク)「いやぁ、宴会場はここかね?」フッ
ザク「!…地球方面軍司令!」ガタッ ビシッ
ガルマザビ「よしてくれ。今は退役した身だ」スッ
ザク「どうぞこちらに」ササッ
ガルマザク「ありがとう」スッ
ガルマザク「ん?君は…」
ヒルドルブ「…」
ガルマザク「ヒルドルブ!いやぁ、噂は聞いているよ。連邦の泥棒どもを退治した豪傑だと」
ヒルドルブ「そりゃどうも」ゴク
旧ザク「何か飲みますかい?」
ガルマザク「ではカルピスサワーをもらおうか」フッ
旧ザク「あいよ」ククッ
ザク「司令も宴会に参加されるのですね」
ガルマザク「これからも長い付き合いになるからな。みんなとはこれまでの上下関係とは違う関係を築き上げたいのだよ」
ガルマザク「今は階級もない。君もタメ口で構わんよ」
ザク「いえ、そういうわけにはいきませんよ」
旧ザク「おまち」コトッ
ガルマザク「ありがとう」ゴク
ガルマザク「宴会はいつから始まるのかね?」
旧ザク「おいヅダ!座敷の用意はどうだ?」
ヅダ<もう少しだ!終わったら厨房に戻る!
旧ザク「もう少しかかりますかね」
ザク「座敷の準備が終わって、あと少し人数が揃ったら始めようかと思っています」
ガルマザク「そうだな。焦っても仕方がない。仕事じゃないからな」グビグビ
ガルマザク「トイレはどこかね」ガタッ
旧ザク「あっちの角を曲がって突き当たりでさぁ」ピッ
ガルマザク「わかった」スタスタ
ザク「…」
ヒルドルブ「…坊やだな」ゴク
旧ザク「はは、違いねえ」ザクッザクッ
ザク「msはパイロットに似る傾向があるといわれますが、あれはすごい例ですね」
旧ザク「空気を読まず酒を頼む。しかもカルピスサワー。仲良くなりたいと言いつつも上から目線な口調。本当に坊ちゃんだ」クックック
ザク「いけませんよ、そんなこと言っちゃ」
ヒルドルブ「まぁ、悪気がないのはわかるな」
ザク「ですね。なんか面倒見たくなるというか」
旧ザク「ご主人もあんな感じだが人気あったからな。あいつにもうつったんだろう」
ガラッ
シャア専用ザク(以下シャアザク)「やあ。宴会に来たが」
旧ザク「らっしゃい」
ザク「!赤い彗星!」ガタッ ビシッ
シャアザク「よしてくれ。私は正確には赤い彗星ではない」
ザク「ささ、こちらにどうぞ」ススッ
シャアザク「ありがとう」スッ
ヒルドルブ「…お前腰低いな」
旧ザク「こいつは昔からこうだ。実力はあるのに自信がない。もったいねえ」
ザク「はは…」
旧ザク「何か飲むか?」
シャアザク「そうだな」チラッ
シャアザク「私も水を」
旧ザク「あいよ」コトッ
ガルマザク「シャア(専用ザク)!久しいな!」フキフキ
シャアザク「ガルマ(専用ザク)、君もいたのか」
ガルマザク「いやあ、降下作戦以来か。ここにいるということは君も退役か」
シャアザク「私の務めは終わった。時代だよ、ガルマ」
ザク「…」
ガルマザク「ああ、我々の役目は終わったのだ。思う存分飲もう」グビッ
シャアザク「ふふ…相変わらず坊やだな」
ガルマザク「何?」
シャアザク「君は周りが見えていない」
ガルマザク「…どういうことだ?」
シャアザク「宴会はまだ始まっていない。宴会前に、先に酒を飲み始めるのはマナー違反だとは思わないか?」
ガルマザク「うっ」
シャアザク「君は宴会を通じて友を増やしたいと思っていることだろうが」
シャアザク「君の階級が足枷となって、通常よりも多くの努力が必要だ」
シャアザク「とても今のままでは仲良くなどなれんよ」ゴクゴク
こういうのを書けるようになりたいなぁ…
ガルマザク「た、確かに酒を飲んだことは軽率だった…」
ガルマザク「私にも水を」
旧ザク「あいよ」コトッ
シャアザク「指摘されたからといってすぐに水を頼むか…一人前なら自分の意思を貫くものだ」
シャアザク「やっぱりまだまだ坊やだ」ニヤ
ガルマザク「シャアめ…」ギリ
ヒルドルブ(大人げねえな、両方…)
旧ザク「ハハハ、若いな」
ザク「あの、そのへんで、ね?」オロオロ
余計な事まで無遠慮に口に出すとはまだまだ若いなシャア(ザク)
シャアザク「気にしなくていい。これは我々の挨拶みたいなものだ」ハハハ
シャアザク「だろ?ガルマ」ニヤ
ガルマザク「…ああ、そうさ」ゴクゴク
ガルマザク「いつものことだ。こんなことで怒るようでは兄上たちの顔に泥を塗るようなものだ」
シャアザク「そうだ。それでこそガルマだ」ゴクゴク
ヒルドルブ(兄上って…)
ザク「ははは…」
ザク(話題を変えないと…あっ)
ザク「ラジオ着けてもよろしいですかね?」
旧ザク「ああ、いいぞ」
ザク「では…」カチッ
ラジオ<哀 ふるえる哀♪
ヒルドルブ「…暗いな」
ザク「暗いですけど、穏やかですよ」アセアセ
ガラッ
旧ザク「らっしゃい」
グフ「宴会に参加しにきた」スタスタ
ザク「あっ、こんばんわ」ガタッ
グフ「どうやらまだみたいだな」キョロキョロ
グフ「!」
グフ「司令!それに赤い彗星!」ビシッ
ガルマザク「よしてくれ。ここは居酒屋だ」
シャアザク「そうとも。それに我々はもう退役した身だ。楽にしてくれ」
シャアザク「あと、私は正確には赤い彗星ではない」
グフ「はっ」
ピリリリリ
シャアザク「ん?着信音か?」
ザク「あ、失礼します」ピッ
ザク「はい、ザクです…」
ザク「はい!…はい!…了解!ご武運を!」ピッ
ガルマザク「誰からかね?」
ザク「ビグザム司令からです」
ガルマザク「何と?」
ザク「『しばらくかかるから先に始めてくれ。あと、たくさんいくから席を多く確保してくれ』とのことです」
シャアザク「…なるほどな」ゴクゴク
旧ザク「ヅダ!まだ終わらんのか!?」
ヅダ<今終わった!!
旧ザク「ということで、座敷へどうぞ」
ガルマザク「では行こうか」ガタッ
ヅダ「少し狭いが、我慢を…!?ガ、ガルマ様!」ビクッ
ガルマザク「よしてくれ…。このやり取りも毎度だと疲れるな」
旧ザク「『無礼講』っていう札貼っておきましょうか?」
ガルマザク「それはいい。頼むよ」
ヅダ「ではこちらへどうぞ」ススッ
スタスタ
ヒルドルブ「なかなか広いな」ドッコラショイ
ザク「しかしこれでも席が足りるかどうか…」ヨイショ
グフ「そんなに来るのか?」アグラ
ザク「ソロモンの部隊のほとんどが来るそうです」
シャアザク「…となると、ア・バオア・クーの部隊も来るな」スッ
ガルマザク「…まさかそこまでとは思えんが」ドサッ
シャアザク「いつでも楽観視するべきではないのだよ」
ヒルドルブ「最悪の場合、立ち飲みか」
ヅダ「心配は要りません」
ヅダ「そのような事態になりません」
ガルマザク「はは、楽しみだ」
ヅダ「ご注文はこちらの端末に入力してください。出来上がり次第、お持ちいたします」
ガルマザク「うむ、わかった」
ヅダ「では失礼いたします」スタスタ
シャアザク「ふむ…まずは酒だが、何を頼む?」
ヒルドルブ「まずは全員生ビールだと相場は決まっている」
ザク「ですね」
ガルマザク「私はビールは苦手なのだが…」
シャアザク「ガルマ、そんなようではいつまで経っても部下には慕われんぞ」
ガルマザク「クッ…そうだな、私もビールだ」
グフ(意外と素直だな)
ヒルドルブ(ガキめ)
ヅダ「心配は要りません」
ヅダ「そのような事態になりません」
ガルマザク「はは、楽しみだ」
ヅダ「ご注文はこちらの端末に入力してください。出来上がり次第、お持ちいたします」
ガルマザク「うむ、わかった」
ヅダ「では失礼いたします」スタスタ
シャアザク「ふむ…まずは酒だが、何を頼む?」
ヒルドルブ「まずは全員生ビールだと相場は決まっている」
ザク「ですね」
ガルマザク「私はビールは苦手なのだが…」
シャアザク「ガルマ、そんなようではいつまで経っても部下には慕われんぞ」
ガルマザク「クッ…そうだな、私もビールだ」
グフ(意外と素直だな)
ヒルドルブ(ガキめ)
ヒルドブさん…
アナタの下半身では立ち呑みは物理的に無理っす…
むしろドルブさんに皆が腰掛けるだろ
シャアザク「ではビールを人数分…」ピッ
シャアザク「つまみは私が適当に選ぶが、良いかな?」
ザク「お願いします」
ガルマザク「頼む」
グフ「どうぞ」
ヒルドルブ「…」
シャアザク「では枝豆と唐揚げだな」ピッ ピッ
ガルマザク「…ところでグフ。君は連邦のmsを見たことがあるかな?」
グフ「はい。というよりも、剣を交えました」
シャアザク「ほう」
ガルマザク「どうだった?」
グフ「敵ながら天晴れ、といったところでしょうか。自慢のヒートロッドも二度目は避けられましてな」
シャアザク「奴は急成長するタイプだ、気にやむ必要はない」
ガルマザク「そういう君も、奴を仕留められなかったそうじゃないか」
シャアザク「君は直接戦ったことがないからわからないだろうな」フフ
ガルマザク「仕方ないだろ。重力下じゃ我々よりも戦闘機の方が活躍できるからな」
シャアザク「その戦闘機すら奴はバシバシ落としていたぞ。飛んでな」
シャアザク「しかもマシンガンが効かない。戦艦並のビーム兵器。機動力と装甲、そして高火力を併せ持っていた」
ザク「化け物ですね」
シャアザク「ああ、あれは化け物だった」
ガルマザク「マシンガンを無効にする装甲か…」チラッ
ヒルドルブ「…何か?」
ガルマザク「いや、君の頭のそれなら倒せるんじゃないかとね」
ヒルドルブ「…さすがに飛ぶやつには当てれんよ。マシンガンが効かないやつに対空散弾が効くとは思えないしな」
ヅダ「ビールお待ち!」ゴトッ
ザク「ありがとうございます」
ガルマザク「さあ、乾杯だ」
ヒルドルブ「幹事さん、よろしく」
ザク「はい!」ガタッ
ザク「えー、まだ人数が揃っておりませんが」
グフ「何人くるかわからないんだろ?」
ザク「いやまあ、そうですが…茶化さないでくださいよ?」
ザク「これよりビグザム司令の発案の、『第一回!イッキ飲みアリ嘔吐アリ!無礼講なジオン軍ダイ宴会!』を開催します!」
ザク「乾杯!!」
一同「乾杯!!」カチーン
ガルマザク「なんだ、札を貼らなくても無礼講なんじゃないか」ゴクゴク
ヒルドルブ「…うめえ」プハー
グフ「しかし嘔吐はだめだろ」
ザク「ははは…文句はビグザム司令にどうぞ」
シャアザク「司令らしいがな。イッキ飲みは強要してはいかんぞ」
グフ「死にませんから大丈夫ですよ」
シャアザク「いや、せっかくの宴会を酔い潰れて過ごすのはもったいないからな」
ヅダ「枝豆になります」ゴトッ
ガルマザク「ありがとう」
シャアザク「しかし左手の指がバルカンとは、扱いづらくないか?」モグモグ
グフ「慣れですよ、慣れ。意味のない装備なんてありませんからね」モグモグ
ヒルドルブ「そうとも。俺の体を見てみな。頭に砲身、下半身はこれだが、これが当たり前だ」ゴクゴク
ガルマザク「こうしてみると、我々は汎用性だけが売りだな」
ザク「お二人より特徴がない僕はどうなんでしょうか」モグモグ
ヒルドルブ「自分の価値は自分で決めるもんだ。他人の評価なんぞ気にするな」ゴク
ヒルドルブ「さっそくビールが空になっちまった」スッ
ヒルドルブ「注文するが、他に何かいるか?」ピッ
ガルマザク「私はカルピスサワーだ」
グフ「ビール追加で」
シャアザク「カシスオレンジ」
ザク「僕はまだいいです」
ヒルドルブ「ほいよ」ピッ ピッ ピッ
ヅダ「唐揚げになります」ゴトッ
シャアザク「ありがとう」
ヅダ「空のジョッキをお下げします」スッ
ヒルドルブ「どうも」
グフ「ありがとうございます」
ガラッ
旧ザク<らっしゃい、宴会は奥の座敷だ
ザク「誰か来たみたいですね」
ヒルドルブ「ビールを追加するべきか?」
シャアザク「待て、本人の意思を尊重しなくては」
ガルマザク「シャア!私の時はビールを強要したくせに!」
シャアザク「おや?君が勝手にビールにしただけではないか」ニヤ
ガルマザク「シャア!謀ったな、シャア!」ガタッ
グフ「落ち着いてください、ガルマ様」
シャアザク「まだ半分しか飲んでないじゃないか。カルピスサワーが来る前にジョッキを空けないと、店に迷惑だぞ?」ニヤニヤ
ガルマザク「…ええい!覚えていろよ!」ゴクゴクゴクゴク
ドム1「盛り上ってますなぁ」スッ
ドム2「三人分の席はあるかな?」
ドム3「今夜は無礼講だとな」
ザク「こんばんわ、そちらにどうぞ」
ヒルドルブ「何を頼む?」
ドム1「とりあえずビール三人分」
ヒルドルブ「ほいよ。つまみは?」ピッ
ドム2「とりあえず枝豆か?」
ドム1「枝豆とイカリングだな」
ドム3「あと生姜焼きな」
ヒルドルブ「ほいよ」ピッ ピッ ピッ
ザク(三人組…どっしりとした態度…通常のドムより少し黒い…あのエンブレム…三連…)ハッ
ザク「も、もしかして…黒い三連星ですか?」
ドム1「ん?ああ、そうともいうな」
ドム2「俺たちのこと知ってるとは嬉しいね」
シャアザク「いや、彼らは正確には黒い三連星ではない」
ドム3「赤い彗星!てめえはいつもいつも調子に乗りやがって!」
シャアザク「君らが勝手に絡んでくるだけじゃないか。あと、私は正確には赤い彗星ではない」ゴクゴク
ドム3「そのキザな態度が気に食わねえんだ!!」ドンッ
ガルマザク「無礼講とはいえ、暴力行為は慎みたまえ!」
ドム3「うぐっ…」
ドム1「やめろ。ガルマ様の仰る通りだ」
ドム3「チッ…」ドサッ
シャアザク「うまい」モグモグ
ザク「あの、シャアさん。黒い三連星の方々とはどういう関係で?」ヒソヒソ
シャアザク「あのドムのやつは初対面だが…何、戦争が始まる前からの長い付き合いでね。私が活躍するのが気に入らないようだ」ゴクゴク
ドム3「聞こえてるぞ!」
シャアザク「聞こえるように言ったのだが」
ドム3「」カチン
ドム3「てめえ!」グワッ
ヅダ「ビールお待ち!」ドンッ!
ヅダ「…ここは居酒屋である。楽しく食事をする場である」ゴゴゴゴ
ドム3「うっ…」ビクッ
ヅダ「恥を知れ…」スタスタ
ドム1「諦めろ。飲むぞ」
ドム2「だな。乾杯」カチーン
ドム3「…」シュン
ザク「はは…乾杯です」カチーン
ガルマザク「我々が先に頼んだのに、彼らの方が先に酒が来るのはおかしくないか?」
シャアザク「ガルマ、君の辞書には思いやりという言葉はないのかね?」
シャアザク「途中参加の三連星の諸君に、早く我々の輪に入ってもらおうとする店側の心意気」
シャアザク「おぼっちゃまの君には少し難しすぎたか?」クックック
ガルマザク「…!」カァァ
シャアザク「その様子だと、わかっていなかったようだな」ハハハハ
ガルマザク「よせ!私を馬鹿にするな!」ドンッ
グフ「ガルマ様、落ち着いて」
ザク(なんでシャアさんもガルマ様にいちいちつっかかるんだろう)
坊やだからさ
ヒルドルブ「唐揚げもなくなりそうだ…」モグモグ
ヒルドルブ「焼き肉を頼むが、他に何か?」ピッ
ガルマザク「ホタテ揚げを」
ヒルドルブ「ほい」ピッ
シャアザク「エビフライ」
ヒルドルブ「ほい」ピッ
グフ「サラダ」
ヒルドルブ「ほい」ピッ
ザク「以上ですね」
ヅダ「焼酎水割り、カルピスサワー、ビール、カシスオレンジになります」ゴトッ
ヒルドルブ「ありがとよ」
ヅダ「こちら枝豆になります」コトッ
ドム1「どうも」
ヅダ「…」ジロッ
ドム3「」ビクッ
ヅダ「…空のジョッキと皿をお下げします」カチャカチャ
ザク「ありがとうございます」
スタスタ
ドム2「はは、オルテガ(ドム3)、何固まってんだ」
オルテガ「うるせえ!!」ゴクゴクゴクゴク
ドム1(ガイア)「ははは、あまりからかってやるな、マッシュ」モグモグ
土星エンジン的にもヅダは大先輩だからな
シャアザク「しかし君たちまで来るとはな」ゴクゴク
オルテガ「どういう意味だそりゃ」ピクピク
ガイア「そういうそちらこそ、この場にいるのが不思議ではありますがな?」
シャアザク「大方君たちは連邦のmsにしてやられたのを紛らわしに来たんだろ?」フッ
オルテガ「それが悪いかよ!貴様だって奴に勝てなかったくせに!」ガタッ
ヅダ「…」ゴゴゴゴ
オルテガ「」ビクッ
ヅダ「生姜焼きとイカリングでございます」ゴゴゴゴ
オルテガ「あ、ありがとうございます…」ピク ピク
ヅダ「…ふん」スタスタ
マッシュ「あっはっはっはっは」バンバン
グフ「三連星の諸君、恥じることはない。俺も奴に負けた」モグモグ
ガイア「俺は踏み台にされたけどな」ゴクゴク
オルテガ「あの野郎、少し性能が良いからって…!」ゴクゴク
シャア「だが奴の動きは素人同然だった。ジャイアントバズを持つ君たちが仕留められん相手だとは思えん」
オルテガ「ミデアだ!あのふざけた輸送機が突っ込んでこなけりゃ!」
ワーワー
ザク「…」
ザク「…」スクッ
スタスタ
旧ザク「ヅダ!エビフライはまだか!」ジュウウ
ヅダ「貴様こそ、さっさと焼き肉ぐらい作れ!」ジュワワワ
ザク「…何かお手伝いしましょうか?」
旧ザク「あぁ!?…よし、できた!これを持ってけ!」ゴトッ
ヅダ「こっちもできた!頼む!」ゴトッ
ザク「はい!」スタスタ
ザク「焼き肉とエビフライでーす」ゴトッ
グフ「お、すまんな」
ヒルドルブ「なんであんたが」
ザク「幹事なんで」
ヒルドルブ「幹事ってそんなもんなのか?」
ガルマザク「シャア!貴様はいつもいつも坊やだとバカにして!」ガタッ
シャアザク「はは、バカにしているつもりはないが。坊やではないと言うなら、イッキ飲みしてはどうかね?」
ガルマザク「望むところだ!」グイッ
三連星「イッキ!イッキ!」パチ パチ
ガルマザク「…」ゴク ゴク ゴク ゴク
ガルマザク「…ぷはっ…ゲプッ」
シャアザク「ふむ」
ガルマザク「どうだ、シャア!」ヨロ
シャアザク「しかしカルピスサワーではな…焼酎をロックでイッキ飲みしないとな」ニヤッ
ガルマザク「いいだろう!注文だ!そこのザク!持ってきたまえ!」
ザク「は、はい!」ダッ
旧ザク「ははは、違いねえ」ガチャガチャ
ヅダ「だろ?」トントントントン
ザク「すみません!焼酎、ロックを一つ、すぐに!」
旧ザク「おお?ちょっと待て」トクトク
旧ザク「ほれ」トン
ザク「ありがとうございます」ダッ
ヅダ「イッキ飲みか?」トントントントン
旧ザク「若いな」ガチャガチャ
このSSまとめへのコメント
いっき!いっき!