しえな「ボクは負けない!」 (82)
トリップってこう付けるのかな?
悪魔のリドルネタです
短めです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399727324
「めずらしく仕事にやる気を見せたかと思えば……」
香子「……」
「暗殺に失敗しておめおめ戻ってくるとは」
香子「申しわけありません……」
「ふぅ……あの時イレーナではなく、おまえが……」
香子「っ!」
「もういい……それと、おまえに来客です」
香子「……私に?」
香子(先輩……やっぱり、私には……)
香子(……しかし、私に来客だと?)
香子(……首藤は……いや、ないな。一瞬でも平和な時を過ごしたからって、夢を見すぎるな)
香子「おまたせしました」
しえな「神長ああぁぁぁ!!」
香子「剣持!? なんでおまえが!? どうしてここに?」
しえな「オマエがっ! もっとしっかりしないから! ボクがこんな目に!」
香子「いや、わけがわからん! いきなり掴みかかるな! 一体何がどうしたんだ」
<<-- 6話鑑賞 -->>
香子「そうか、あの二人が……」
しえな「あっちで、一緒になれたのかな? もっとも、ボクたちみたいな人間は地獄行きだろうけどね」
香子「どうかな。どちらにしろ、傍らに『エンゼル』がいるんだ。迷うことはないだろう」
しえな「……」
香子「私にとって黒組は終わったことだ。でも、一時は机を並べた仲。知らせてくれたことを感謝する」
しえな「まぁ、一応ね」
香子「ありがとう。じゃあ。こう言うのも何だが、元気でやれよ、剣持」
しえな「うん。じゃあね」
しえな「……って、違ーう!!」
香子「うおっ! なんだ一体!?」
しえな「あの二人のことはいい! ボクのこと! ボクのことなんだよ!!」
香子「いや、だからなんなんだ、さっきから」
しえな「よく観て! 6話! しっかり!」
香子「わかったから、騒ぐな。えっと……あれ? え? 剣持? いやいやまさかそんな……マジか? え? これ、退場?」
しえな「おわかりいただけた?」
香子「……私が言うのもなんだが……おまえ、私よりも扱いが」
しえな「それ以上言うなぁ! せっかくのボクの退場が、あんなアッサリついでみたいに!
その上、話題自体も上位互換のぼくっ娘に全部かっさらわれて!」
香子「自分で上位互換って言うなよ」
しえな「観てる人もどう反応すればいいのか判断できないまま、ぎりぎり同情するということで落ち着きそうなんだぞ!!」
香子「観てる人って誰だよ」
しえな「道行く人の、ボクを見る目も、みんなやさしい気がする」
香子「気のせいだろ」
しえな「だいたいボクの暗殺方法すら披露せずじまいじゃないか!」
『しえなちゃんの武器ってなんだったんだろうね』
『えーと、あれかな? 台本?』
『台本で人殺せるの?』
『こう丸めて、スパーンって』
『あー』
しえな「台本で人殺せるかよ!」スパーン!
香子「ツッコミはできそうだな」
しえな「どれもこれも、全部神長が悪い!」
香子「なんでそこに私が出てくるんだ!」
メガネコンビ可愛い
しえなちゃん出番なくてかわいい!
しえな「いいか、神長香子! オマエがもっとポンコツっぷりを発揮していたら!
『しえなちゃんは残念だったけど、まぁ、こーこちゃんのポンコツっぷりよりマシだったんじゃない?』
ってことになって、相対的にボクの評価が上がるじゃないかぁ!!」
香子「おまえ私を何だと思ってる」
しえな「そもそもまだポンコツってハッキリ言われている方が、愛称ぽくていいじゃないか!」
香子「ポンコツって愛称か?」
しえな「『暗殺者ってポンコツばっかじゃねぇ?
なんだかんだ兎角も甘いし、こーこちゃんなんて誤爆だし、千足は人の話聞かないで暴走するし。
しえなちゃん……も、えーと、そ、そうだし……』って、それ絶対同列に思ってないだろ!」
香子「だから、それ誰の評価だよ」
しえな「おい、今笑ったろ!? イジメかな? イジメだろ! あー!? イジメの伏線も!」
香子「うるさい、落ち着け! だいたいアニメだってまだ続きがあるし、後半にひょっこり復帰する可能性もあるだろ?
原作だって、また別の展開になるかもしれないし」
しえな「よし、神長、ボクと付き合え! 恋人になろう」
香子「なんでそう話がぶっ飛ぶんだよ! 頭は大丈夫か!?」
しえな「カップリングなんだよ、カップリング!」
香子「なんなんだ? カップリングって」
しえな「いいか? 一ノ瀬と東、桐ヶ谷と生田目は言わずもがな、犬飼と寒河江、英と番場、鳰と鳩!」
香子「おい、最後なんか変だぞ」
しえな「それぞれ二人っきりでいるところを想像してみろ!」
香子(私は今、公園のベンチに座ってハトにエサをやっている走りを想像している……)
しえな「はかどるだろう? 色々と」
香子「何がだよ!」
しえな「それぞれ個々でも魅力あるキャラクター達だ」
香子「キャラクターって言うな」
しえな「それがこう、カップリングすることによる、相乗効果! お互いを磨きあい、意外な一面を見れるかも!? 出番と人気も万倍だ!」
香子「出番てなんだよ」
香子「それにさっきあげたペア、同室の組み合わせだろ?
それで行くなら剣持は武智、私は、その、首藤、と、いうことになるだろう」
しえな「武智は目下行方不明。どこでなにをしてるんだか……。それにボクは武智よりも神長の方が」
香子「お、おい、ちょっと」
しえな「言葉が通じると思う」
香子「あー、うん。それは同感だ」
しえな「だから組もうよーカップリングしようよー! ピンではネタ組のボクたちだってペアなら何とかなるから!」
香子「ネタ組っていうな! それとひっつくな!」
しえな「眼鏡フェチの需要も二人で2倍だ!」
香子「眼鏡フェチ以外の需要はガン無視か! って寄るな! 抱きつくな!」
『せっかくのボクの退場が』で笑う
香子「ふぅ……まぁ、話はだいたいわかった。だが、やはり私は剣持の助けにはなれないな」
しえな「なんでだよ」
香子「私は……ここから離れられないのだから」
しえな「……ここに居場所なんてないクセに。やっぱり、まだ『先輩』のことに縛られているのか?」
香子「!?」
香子「おまえ! どうしてそれを!?」
しえな「ボクじゃない。首藤にきいたんだ」
香子「そうか、首藤に……いや、アイツにも話してないぞ?」
しえな「神長の情報を集めるくらいワケないだろ。アイツK4に所属してるんだから」
香子「首藤の組織? K4? 聞いたことないが、そんな強力な組織なのか?」
しえな「『(K)かっこいい、(K)こーこちゃんを、(K)鑑賞する、(K)会』で、Kよっつ」
香子「知りたくなかったわ!」
しえな「この前も『こーこちゃんのかっこいいシャワーシーンのDVD鑑賞会』を開いてたぞ」
香子「あいつ、鳰との会話を偶然聞いたんじゃなくて、普通に覗いてたのかよ!」
しえな「その首藤から預かってきたものがある」
香子「首藤から? ん、なんだこれは」
しえな「首藤が演劇で使用したタイツとガーターベルトだ」
香子「」
しえな「ちなみに『まだ洗っとらんぞ』だ、そうだ」
香子「あ、あいつ、こんなもの寄こしてなんのつもりだ!」
しえな「あ、でもちゃんと受け取るんだ」
しえな「とにかく! ボクと付き合え! 神長香子!」
香子「がー! ひっつくな!」
しえな「ボクとカップリングすれば! 絶対人気出るから!」
香子「そんなものいらん!」
涼「……」
しえな「ボクの脚本通りにすれば間違いないから!」
香子「アテになるか! とにかく離れろ!」
涼「……」
香子「って、うわあっ!!」
涼「こーこちゃんの顔を見に寄ってみたんだがの」
香子「しゅ、首藤!?」
涼「いつの間にやら二人は仲良しさんじゃのう……」
香子「い、いや、これは違うんだ!」
しえな「そうだ! 香子とボクは仲良しさんでカップリングで人気者なんだ! 出番もすごいよ!?」
香子「おまえは黙っててくれよ!」
しえな「なんと一緒に眼鏡買いに行った仲だし!」
香子「そんな事実などない! 捏造するな!」
涼「ほう……よもや、こんなところで黒組再開<再会>することになるとはのう」
香子「首藤! 当て字とか出して本気っぽい雰囲気だすのやめてくれ!」
しえな「欲しいものは殺して奪い取れ、ってね」
香子「剣持もいちいち煽るな!」
涼「わしはこーこちゃんが欲しい」
香子「首藤……」
しえな「ボクは出番が欲しい!」
香子「おまえはブッチャケすぎだ!」
涼「死してその糧、ワシに譲れ! 剣持しえな!」
しえな「ボクは負けない! くらえっ! 台本アターック!!」
香子「結局台本かよ!?」
おしまい
ありがとうございました
追加の短めのネタ考え中です
思いつかなかったらHTML化依頼します
しえなちゃんがんばれ
あと涼こーこが好きです
おつおつ 涼香はもっと増えていい
来週再来週には涼ちゃんもそっち側に・・・
ぼくも涼たその使用済みタイツほしいです
あの剣に塗られてた方の毒はしえなちゃんのじゃないかなと思った
台本アタックワロタ
涼香素晴らしい
面白かったからまた書いてくれッス
小編予定ですが、まだまとめきれていません
首藤さん退場でテンション下がる前に始めてしまおうと
見切り発車ですが、ちょっとだけ投下します
タイトル → しえな「最強の暗殺者」
おお覗いてたらはじまた
<<-- 大浴場にて -->>
春紀「いやーまさか武智がシリアルキラーだったとはねぇ」
しえな「ボクのルームメイトがサイコだった件について」ブツブツ
涼「それにしても主ら、少し気い抜きすぎではないか?」
涼「これだけクセのある者が一堂に会しておる。少しは情報を集めていても損はないだろうに」
香子「報酬も報酬だし、ルールもあるんだから、そう逸脱したことは起こらないんじゃないか?」
涼「甘いのう。東や武智のように、ワシはここにきて驚きの連続じゃ」
春紀「東はともかくとして、他にも武智みたいな人間いるってのか?」
しえな「うえっ、まだ他にもなんてカンベンしてよ!」
涼「その様子じゃ、誰もわからんようじゃの」
伊介「誰のことよー」
涼「こーこちゃんのことじゃ」
香子「私のこと?」
伊介「なあに? コイツにも変な性癖があるの?」ササッ
しえな「……」ササッ
春紀「……」ササッ
香子「そんな警戒しなくても……私の性癖はいたって普通のはずだが……って何言わせる!」
春紀「……まぁそれはそれとして、そーゆーの、本人の前で言うか? フツー」
しえな「イジメか? イジメは許さないぞ……でも変態ならいじめられるのはボクたちか!?」
香子「わ、私は変態じゃない! 首藤! いったい何のことだ!?」
香子(私のことって何だ? ……思いつくのは『先輩』のことだが、それをなぜ首藤が知ってる?)
香子(いや、調べれば出てくるのか。しかしそれをこいつらに伝えてどうする? 私の動揺を誘う? 牽制か?)
香子(「あの事」は事実だし、隠し通すようなものではない……。
だけど、それを赤の他人がみんなに伝えるのを黙ってみているのは……)
涼「よいか、こーこちゃんはのう……」
香子「おい首藤!」
涼「カッコいいんじゃ」
香子「やめ……は?」
春紀「……今なんて?」
涼「こーこちゃんはかっこいいのじゃ」
香子「」
しえな「……へー」
涼「かっこいいこーこちゃん。それでは今から説明するかのう」
伊介「いらないわよ、そんな情報」
涼「まず凛とした立ち姿。一目見でビビッときたのじゃ」
伊介「人の話ききなさいよ」
春紀「……そういや、最初からハートマーク出してたな」
涼「長い黒髪を左右に分けて、現れるうなじも……実にたまらん」
香子「か、髪型変えるべきか?」
伊介「知らないわよー。まきこまないで」
涼「そして開口一番『すべての長をやる』。これにはしびれたのう」
涼「普通転校初日のあいさつ、どういう環境か、どういう人間がおるかわからない状況で、
集団をまとめる長を、有無を言わせず自薦→決定するなんて、なかなかできることではない」
香子「いや、うん。首藤。わかったから。やめよう。な、もうやめよう」
すみません、ここまで
この話が完成するまでは、7話を観ないようにします
素晴らしい
やっぱり香子ちゃんカッコいいのう
7話の内容におびえつつも
少しだけ投下します
涼「そんなこーこちゃんにワシはどうしても聞きたいことがあって、部屋にいる時たずねたのじゃ」
香子「お、おい! その話は」
涼『自己紹介で全ての長になるといったが、あれは神長の名字とかけたダジャレだったのかの』
香子『え、長? 名字? 神、長……? え、え、わっ、違っ』
涼「そう言って何のことか気づいた香子ちゃんの慌てっぷり」
も、もしかして、皆そう思ってた? そう思った上でのあの反応は、
『なんかダジャレっぽいこと言ってるけど、正直すべってね?』
『ちょっと痛々しい娘がきちゃったわぁ』
なんて思われたのか!? 私は!
違うっ! シャレとかじゃなくて私は本当に! ああ違くて!!
涼「感情の動きが手に取るようじゃった」
香子「」
涼「その後、顔真っ赤にしながら恥ずかしそうに」
香子『首藤……そういうこと言わないで』
涼「 萌 え た の じゃ ! 」
春紀「……これって、公開処刑じゃね?」
香子「」
伊介「だ、大丈夫よう。みんなシャレだなんて思ってないから」
春紀「ん? そういや、そんなに神長のこと良いと思うなら、教室でなんで前に座ったんだ?
後ろに座れば、授業中でもカッコいいこーこちゃん眺め放題だろ?」
香子「寒河江……余計なコト言わないでくれ」
涼「やれやれ、甘いのう。
よいか? こーこちゃんの前にワシが座るじゃろ?
そうするとこーこちゃんはワシのことずっと見ることになる。
そう、授業中にカッコいいこーこちゃんにずっと見つめられてると思うとな、
涼のいろいろがのう……」
涼「 す ご い の じゃ ! 」
香子「おいいい! 私はこれからどういう顔して授業受ければいいんだ!?」
伊介「こんな話きいて、私たちだって授業中気まずいわよ!」
涼「そういうわけでカッコいいこーこちゃんなのじゃ」
春紀「そ、そうか。まぁ、よかったな、神長」
香子「」
涼「あ、そうそう」
涼「おまけに性癖もいたって普通じゃ!」←New!!
伊介「あ、さっきの情報」
香子「剣持いぃ! これってイジメだろ!? イジメじゃないか!? 止めなくていいのか!?」
しえな「さ、さぁ……ボクにはなんとも」
涼(……ここにいるようで、過去を見ている、終わることのない自責の念をたたえた目。
触れれば壊れてしまう程にもろいのに、それでも立ち続けようとする、
そういうところもカッコいいのじゃが、これは言ったら本当に怒りそうじゃからのう)
涼「まったくこーこちゃんは……」
涼「こんな道にいるべき娘ではないのう」
香子「!」
しえな「!」
春紀「……」
伊介「……」
香子「……それは、違うだろ、首藤」
涼「こーこちゃん?」
香子「ここに、こんな道に入って当然だ、なんて人間がいるか?」
伊介「……」
春紀「……」
涼「……こーこちゃんはやっぱり良いのう」
香子「だから、首藤、そういうことは」
しえな「武智は?」ボソ
香子「」
春紀「あー」
香子「ご、ごくまれに、そーゆー人間も、いるには、いる」
伊介「だいなしー」
涼「そうじゃ、ここにおらん連中にもこーこちゃんのカッコよさを伝えなければ」ダッ!
香子「おい! 首藤! もういいから! ちょ、待って!」ダッ!
春紀「……神長はともかく、首藤はやっかいだな」
伊介「言葉が武器なのかしら」
しえな「でも首藤には神長をあてがっておけば」
伊介「こっちに累が及ぶことはなさそうね」
春紀「……がんばれ……神長」
ここまで
おつおつ
しえなちゃんスレのはずなのに影薄いのはしえなちゃんの宿命なのか
続きを・・・頼みます(瀕死)
7話ネタバレでなんとなくの流れを見てしまって色々とアレなんですが
あと少しで終わるSSなので自由にやります
溝呂木「突然だが、神長が転校した……」
晴「……」
兎角「……」
春紀「なぁ、伊介サマ」
伊介「なに?」
春紀「あいつ、首藤のアプローチが恥ずかしくて転校したんじゃ」
伊介「さすがにそんなワケないわよ。……たぶん」
黒組からひとり、またひとりと生徒が去っていく
それと比例するように、ゲームはより苛烈になっていき
涼「まさかワシも『転校』するハメになるとはの」
涼「……曲者の寄り集まりだったが、それなりに楽しかったかのう」
涼「考えてみたら、晴ちゃんを狙えば、東がいる。二人を相手にするようなものじゃった」
涼「……こーこちゃん。たまたま同じ時期、同じ黒組になったルームメイト」
涼「ひとりで耐えて、ひとりで立ち尽くしている、それだけで生きているような娘だったのう」
涼「いや、あれは生きているというよりは……」
涼「こーこちゃんや。ひとりだけでは、どうしても出来ない事もあるのじゃ」
涼「……任務に失敗した者の、その先はどこに向かっているのかのう」
涼「元気でやっているかの」
涼「もう一度会ってみたいのう」
香子「で、来ちゃったわけか、ここ >>18 まで」
涼「来ちゃったのじゃ」
香子「……ずいぶん軽いノリだな」
涼「重い女が好きかの?」
香子「そういう意味じゃ……」
涼「ノリってこわいのう」
香子「いや、とにかく来てくれてありがとう。首藤の顔を見ることができてよかった」
涼「ワシもじゃ。こーこちゃんは相変わらず眉間にシワ寄ってるようじゃがの」
香子「なんだそれは? ……まぁいいか。じゃあ、そろそろ」
涼「一緒に来ぬか?」
香子「!?」
香子「な、何を言ってるんだ?」
涼「一緒に来ないか? と言っている」
香子「そ、そんなこと、いや、誘いはありがたい……んだよね、きっと。でも、そんなのムリ」
涼「組織を抜けるいろいろなら、なんとかできんでもないぞ」
香子「そうじゃなくて、私の帰る場所はここ、だから……」
涼「居場所もないのに、か?」
香子「くっ、首藤!」
涼「帰る場所ならワシが用意してやる、と言ってるんじゃ」
香子「! そんなこと、言ったって……」
涼「やれやれ、居場所がないとわかっている場所なら、そこから一歩踏み出せばよい。
もう少し世界を見てみたらどうじゃ。
自責の念といっても、自分しか見えてないようでは反省にもならん。
せっかく生きているのに、こーこちゃんはまるで誰かではない、自分の喪に服しているようだぞ」
涼(すこし、しゃべりすぎたかの)
香子「だって、先輩は……、私は、あの時からずっと……私は、死に続けているの?」
香子(……黒組で成功して、逃げおおせたとして、私は、逃げ切ったと思えたのだろうか)
香子「逃げられないんだもの、逃げられるわけない、じゃない……」
香子(逃げてはいけないものから逃げようとしていて、本当に逃げるべきものはもっと別の、何か?)
香子(わからないよ……でも)
イレーナ『「死は人生の終末ではない。生涯の完成である。」意味分かるかい?』
香子(私が今、ずっと死んでいるのだとしたら)
香子「……首藤からみて、私の生涯は完成しているように、思うか?」
涼「? どん詰まりと言った顔してるのう。でも、とても完成品には見えんがの」
香子「そう思ってくれるのか、おまえは……」
涼「意味がわからんのじゃが?」
香子(……イレーナ先輩。すこし、出かけてきます)
香子「わかった、首藤についていく。……よろしく、お願いします」
涼「おお、そうか、来るか!」
香子「……」
涼「わかれは、すんだ?」
香子「……あぁ。もっとも、離れられるものではないけどね」
涼「それは……わかる……」
涼「ところで、こーこちゃん。不安はないかの?」
香子「不安?」
涼「もともとは商売敵のようなもんじゃろ、私たちは。なんでホイホイ信用するかな」
香子「短い間だけど、黒組での交流は信用に値すると思ったけど、私は」
涼「そう思ってくれるとうれしいのう」
香子「それに、首藤が用意してくれる居場所なら、安心だろ」
涼「何を言っておる。ワシが用意するのは帰る場所までじゃ。
居場所になってほしくば、もっとずっとワシにアピールせい」
香子「首藤は厳しいな」
涼「当然じゃ」
香子「黒組ではカッコいいカッコいい言ってたのにな」
涼「乙女心にはいろいろあるのじゃ」
涼「あ、そういえば、アイツはどうするんじゃ」
香子「あいつ? ああ」
>>20 の後
しえな「……きゅう」ピクピク
香子「剣持か……。そうだな、ここに寝かしておくのは忍びない。連れてってもいいか?」
涼「ん、まぁ、よいじゃろ」
涼「しかし、これからどうするかのう」
香子「何のことだ? 所属が変わっただけで、今まで通りの暗殺業じゃないのか?」
涼「そのことだがの、前にも言ったとおり、こーこちゃんにこういう道は」
香子「私も前に言ったが、首藤もこういう道にいるべきではないだろ」
涼「かといって、他の道を今すぐ見つけよというのも」
香子「それはまぁ、そうだが……」
涼「そうじゃ! こいつに頑張ってもらうというのはどうかの?」
香子「剣持か?」
しえな「」←気絶中
涼「ワシとこーこちゃんの技術を剣持に教えるのじゃ。そして、私たちのかわりに仕事をやって貰おうと思う」
しえな「」←気絶中
香子「それはいいな。そうすれば、剣持も出番があるし、私たちの利益は一致する」
しえな「」←気絶中
涼「うん。弟子を取るというのもなんだかワクワクするの」
しえな「」←気絶中
香子「……でも、私が教えて大丈夫なのか?」
しえな「」←気絶中
涼「大丈夫! それに、ワシとこーこちゃんが教えるんじゃ。最強の暗殺者ができてしまうぞ!」
しえな「」←気絶中
香子「最強か、それはすごいな」
しえな「」←気絶中
涼「楽しみだのう」
香子「楽しみだな」
涼香「「 Ha Ha Ha Ha Ha 」」
しえな「」←気絶中
しえな「」←気絶中
しえな「」←気絶中
その後
「くっそ! 1階の状況はどうなってる!?」
「ダメです! 連絡つきません」ドカーン!! ウワー!!
「なんだ!? 今の衝撃は! なに!? 3階がフロアまるまる爆風でふっとんだ、だと!?」
「なんで、この本部がわかった!? 相手は何人だ!?」
「それが、ひとり、のようです!」
「そんなわけあるか!」
「あ、あいつなら……ありえるかも」
「あいつ? って、まさか!?」
「コードネーム『S.K』!?」
「そ、そんなのは、ただの噂だ! ちくしょう、一旦退け! 最上階で迎え撃て!」
「うわ、なんだこのフロア……粉が舞っている?」
「ん……この香りは……登別温泉!? まさかこれは!」
「いたぞそっちだ! 撃てー!」
「ば、馬鹿! 今撃つ」
ドカーン!!!!!
「ぐ……ごほごほ……温泉の素を使った粉塵爆発……」
??「気絶からさめたら、いつの間にか変な契約結ばれてて」
「くく……あの都市伝説は、本当だったのか……」
??「オマケに本来計略家であるボクに最前線で戦えってどういうことだよ!」
「『S.K』……SHUTOとKAMINAGAが生んだ最強の暗殺者!」
??「ま、まぁ、目立てるから、それはそれでいいけどさ」
「 SHI E NA KE N MO CHI ! ! 」
しえな「くらえっ! 台本アターック!!」
最強の暗殺者が生まれる
おしまい
乙でござんす
ちょっとおまけ
しえな「香子おおおぉぉぉ!! なんだよ、あの爆弾の威力は!?」
涼「おぉ、しえなちゃん。どうじゃった? 仕事は」
しえな「仕事の方はバッチリだよ。でも、香子の爆弾の威力が聞いていたのと全然違う!」
香子「なんだ、仕事が無事終わったのならいいじゃないか」
しえな「よかないよ! フロアの一角を退路阻むため崩す程度のもののハズだろ!?
なんだよ、フロア丸ごと吹っ飛ばすって!? あやうく巻き込まれるところだったぞ!」
香子「あれ? おかしいな。そんなハズはないのだが」
涼「こーこちゃんの爆弾の設計図はとても優れているのに不思議じゃのう」
香子「やれやれ、涼、いいか? 設計図通り、つまりマニュアル通りに組み立てたって、それは普通のものしかできない。
そこで私は、いつもちょっとした遊び心を足したり、火薬の量をあいまいにしてみたり、色々と工夫を」
しえな「それが余計なんだよ! こっちは遊びじゃないんだよ! あいまいにするなよ!
なんだよ!? その、もとの料理もつくれないのにいきなり隠し味にこり出そうとする自称実験料理家みたいな発想!?」
香子「ははは。しえなは真面目だなぁ」
しえな「香子がゆるすぎるんだよ!?」
涼「まぁまぁ、それくらいにして。ほら、次の依頼じゃぞ」
しえな「涼はいつも香子に甘い」
涼「依頼内容はの、『とある暗殺者を傷つけることなく捕らえて欲しい』」
神長「相手も曲者だからな。かなりハードな仕事だが、できるか? しえな」
しえな「いつもなぜか死線をくぐり抜けてきたおかげで、過大評価しない程度に自分の実力は知ってるつもりだよ」
涼「つまり?」
しえな「できる」
神長「頼りにしているぞ。なにせ、この依頼は私たちとっても大切なものだからな」
しえな「ふーん? で誰を捕まえればいいの?」
涼「まず、依頼主は『生田目 千足』」
しえな「!」
香子「そしてターゲットは『エンゼルトランペット』こと『桐ヶ谷 柩』」
しえな「!?」
しえな「あ、ああ、あの2人、生きてたのか!? 本物なの!?」
涼「裏は取ってる。なんと、本物じゃ。長いこと生きてると、不思議なこともあるのう」
香子「どうだ? しえなにとっては、やりづらい相手かもしれないが……」
しえな「いや……ボク以外じゃできない。ううん、ボクがやらなくちゃいけないと思う」
涼「あの2人が、どういった経緯で追い・逃げる関係になったのかは知らんが」
香子「依頼が終わったら、集まってお茶会でもしようと思う」
しえな「……ふふふ、紅茶が冷める前にカタをつけてくるぜ!」ビッ!
香子「涼。ちょっとそこのミカン取って」
涼「ほい」
しえな「なんで無視すんだよ!」
香子「で、今回はどの台本使うんだ?」
しえな「それはもちろん『ロミオとジュリエット』」
涼「ほー、『剣持台本最強諳器』のひとつを使うか」
しえな「じゃぁ、行ってくる!」
香子「油断するなよ」
しえな「わかってる!」
しえな「ボクは負けない!」ダッ!
香子「しかし、あれだな……」
涼「ん?」
香子「しえなの武器っていつまでたっても台本なのな」
涼「不思議じゃのう」
おしまい
ありがとうございました
なんかところどころ変な半角スペース入ってしまってすみません
7話観て、まだなにか妄想が思いつくようだったら、また書いてみます
ムリだったら、HTML依頼します
乙
面白かった。最後お互いの名前呼び合ってるのも素晴らしい
また書いて欲しいのう
おつです
もっと涼香増えてほしいけど7話ががが
もはやオリジナル設定はなはだしいですが
>>65 の話の設定からのおまけです
しえな「そういえば2人ともそれぞれ元カレ、元カノ……いや、ごめん。
心の大半を占める人がいるわけだけど」
しえな「黒組のあの短い期間で互いを意識するようになったのは、なんで?」
涼「ワシがこーこちゃんを意識するキッカケか?」
香子「涼を意識……えーと、うーん」
涼「まず背筋がピッとしてたのがいいのう。姿勢がしゃんとしているは好きじゃ」
しえな「第一印象か」
香子「うーん」
涼「そしてあの自己紹介。律儀さと責任感の強さ。最近の若者にしてはめずらしいでの、興味を持ったのじゃ」
しえな「今思うと凄い自己紹介だよね」
香子「うーん」
涼「……同室になってからの、こーこちゃんの言動の端々に真面目さが見て取れてのう。それも点数高いの」
しえな「たしかに頑固にマジメって感じだよね」
香子「うーん」
涼「じゃが、いきすぎた生真面目は自分を傷つける。
そう思うとこーこちゃんが、ふれると壊れてしまう、儚く危ういものに見えての」
香子「うーん」
涼「まぁ、ほうっておけない孫娘を見守る心境、じゃな」
しえな「……まぁ、それも愛情だよね。ってうるさいな香子は。さっきから唸って!」
香子「いや、よく考えてみたんだが、私は黒組のころ、涼のこと、特になんとも思ってなかったな」
涼「」
しえな「はあ? ちょっ、オマエなに言ってるの!?
もっとよく思い出してみてよ!」
涼「」
香子「いやーこれがまた、ないんだわ」ハハハ
涼「」
しえな「言うに事欠いて! 待ってろ! この、ボクたちの活躍を描いた記録書
『悪魔のリドル(1)(2)』(カドカワコミックス・エース)絶賛発売中(ス○マ)
を読めば、すぐわかるから!」
涼「」
しえな「すぐわか……!」
涼「」
しえな「すぐ……」
涼「」
しえな「どーゆーことだ、オイ……。涼→香はあるけど香→涼がないじゃないか」
香子「な? いや、まったくってわけではないんだ。
同室さんだなーとは思ってたし、長をまかせるくらいには信用してたしな」
涼「……ちょっと、外行って風に当たってくるのじゃ……」フラフラ ガチャッ
香子「あ」
しえな「あ」
香子「……」
しえな「……」
香子「おいいぃぃぃ! どうしよう!? 涼怒っちゃったよ!」
しえな「あれは怒ったんじゃなくて!
ったく、おまえ、長をやる! とか言ったクセに、なんで他の人に気を配らないの!?」
香子「だって! 私みんなと違って余裕なかったし! 自分のことだけでイッパイイッパイで!」
しえな「それをなんでバカ正直に言うんだよ! 空気っての読めよ!」
香子「だって、今はちゃんと涼のこと考えてるし!
それに、うそついたら、絶対バレるだろ!? 私は失敗できない!」
しえな「目下大失敗中だろ! とにかく早く追いかけて、今の気持ち! 今の気持ちをぶつけてこい!」
香子「しえな……」
しえな「なんだよ」
香子「私たちには、それぞれ大切な過去、忘れられない、忘れてはいけない過去がある」
しえな「……」
香子「でも、今もそれと同じくらい掛け替えのないものになるよう、生きて行かなくてはいけない」
しえな「……」
香子「今も大切に」キリッ
しえな「いいから、早くいけええぇぇぇ!」
ワー! スズー! ゴメンナサイ!
モウイイノジャ! コーコチャンナンテ、ワシノコトナントモオモッテナインジャ!
ソンナコトナイカラ! タイセツダカラ! ダイスキダカラ!
ドーセワシノコトナンテ、トシウエダー、トカ、ナントカダー、トカシカオモッテナイノジャロ!
トシウエ!? ウェルカムデス!
イマダレノカオ、オモイウカベター!?
イタイッ!
しえな「……はぁ」
しえな「みんな、元気でやってるかな?」
おしまい
7話観ました
涼香好きには……ですが
首藤さんの恋話、かなしいですな
頑張れ首藤さん
妄想たくましくすれば、可能性無限だし
他のリドルSSでも涼香セットのものが比較的多いので
まだ涼香好きには楽しめるのではないかな、なんて思います
では
乙。妄想は自由なんだぜ
乙
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