【悪魔のリドル】 香子「暗殺者たちのクリスマス」 (97)

幼い少女がベッドの上で窓の外を眺めていた。

香子「今日はクリスマス♪」

香子「サンタさん来るかな」ワクワク

香子「でも私、人を殺すための勉強なんかしてる悪い子だから、サンタさん来ないよね…」


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コンコン

香子「え?誰かが窓を叩いてる?」

コンコン

香子「こんな夜中にいったい誰だろ」ドキドキ

「開けてくれんかー」

香子「は、はい!」

香子「わっ!」

「すまぬの」

香子「も、も、もしかして…」

「赤い服に白い髭とくれば…」

香子「サンタさん!!」

サンタ「正解じゃよ!」

香子「私にも来てくれたんだー!」

サンタ「香子ちゃんが良い子にしておるからじゃ」

サンタ「はい!香子ちゃんへのクリスマス・プレゼントじゃぞ」

香子「わー!綺麗な箱!リボンも可愛い!」

その箱には紫色のリボンがくくり付けられていた。

香子「開けてもいい?」

サタン「どうぞ」

香子「うわあ♪チョコレートがいっぱい入ってる!!」

香子「ありがとうサンタさん!!」






「…ちゃん」

香子「…大切にするから」ムニャムニャ

「こうこちゃん!」

香子「…香子、すごく嬉しい!」

「香子ちゃん!」

香子「え!?サンタさん!」

涼「ワシがサンタか…髭を生やさんといかんのう」

香子「首藤!?」

香子(夢だったのか?)

香子(いや、あれは昔ホームにいた時の記憶…昔の事をそのまま夢で見る事なんてあるんだな…)

涼「まさか、香子ちゃんがサンタを信じておったなんて…まだまだ幼子のようじゃな…ハッ!すまぬ香子ちゃん!夢を壊すような事を言ってしまって!」

香子「心配するな…サンタがいない事はもうすでに知っている」

涼「いつぐらいまで?」

香子「…8歳ぐらい」

涼「ふ~ん…」

香子(本当は13歳ぐらいまで信じてたけど…)

香子(黒組を退学した後、私はホームを脱走した)

香子(追跡者から終われる戦いに明け暮れる日々を過ごすだろうという事を私は覚悟していた)

香子(そういった日々を送る事こそ罪人たる私にふさわしいと思っていのだが…)

香子(よもや、死にかけていた時に首藤に助けられ、そのままなし崩し的に二人で生きていく事になるなんて…)

香子(これでいいのかと思いつつも数カ月が経ち、もう12月…)

香子(今日は12月24日、クリスマスか…)

涼「寝坊するなんて香子ちゃんにしては珍しいのぅ。やっぱりサンタさんが来るのが待ち遠しくて寝付けなかったか?」

香子「今日はクリスマスイブでサンタが来るなら明日だろ?」

涼「そうじゃったかな。歳をとると忘れっぽくなるみたいじゃ」

香子「はいはい」

香子(ホームの追手から姿を隠しながら、私と首藤は何でも屋的な仕事をやっている)

香子(首藤は人を殺す事に抵抗が無いのだが、私がもう人殺しをやりたくないと言ったために基本的にはそれ以外の仕事だ)

香子(…本当に私は首藤に迷惑かけてばかりだな)

香子(今日は仕事の説明を受けるために早起きをするはずだったんだが、不覚にも寝坊してしまった)

香子(今までこんな事なかったんだが…)

香子(それにしても首藤は朝が早く寝坊をした事がない。老人は朝が早いというのは本当のようだ)

香子「遅くなった」

涼「待ったか?」

「ううん、今来たところ♡…なわけないっスよ!」

鳰「ほんと遅すぎるっすよ!!!何分待たせてつもりッスか?」

香子「本当にすまない」

涼「いやあ、珍しく香子ちゃんが寝坊しおってのぅ」

鳰「首藤さんは何で嬉しそうなんスか」

香子(私達に仕事を回してくれる人間となると限られてくる…こういう時頼りになるのは、やっぱり昔馴染みというわけだ。母校に仕事の斡旋を頼るなんてよくある話だ)

香子(しかも、私の事はホームに一切知らせない事も了承してくれる)

香子(ホームよりミョウジョウ学園を管理する組織の方が格が上だからこそできる事なのだろう)

香子(仕事は走りを通して、紹介してもらう事になっている。重要書類の奪取、要人警護、脱走の手引き、破壊工作、そういった裏稼業は元より、掃除、お菓子作り、学校の行事の準備、アニメの原画を書くなどの一般の仕事までやる事があった)

香子(別に私たちじゃなくて良いだろって事までやらされたなあ…)

香子(割と首藤は何でもノリノリでやっていたが)

香子(今回は願わくはまともな仕事であってほしいものだ)

香子・涼「サンタ!!??」

鳰「そう!サンタクロースッスよ」

香子「どういう事なのか話が見えてこないんだが」

鳰「つまりクリスマスプレゼントを届けて欲しいんスよ」

涼「なるほど、それでサンタか」

鳰「届け先は黒組卒業生、しかもあの一ノ瀬晴がターゲットだった時のクラスッスよ!」

香子「つまり、私達を除く10人の黒組卒業生にというわけだな」

涼「あやつらと会うのも久しぶりじゃな。懐かしいのぅ」

香子「何でクリスマスプレゼントなんかあげるんだ?」

鳰「我が愛すべき黒組の卒業生にクリスマスプレゼントを贈る。なんか凄く貴婦人っぽくて素敵じゃない…って理事長が言ってたッス。まあ、単なる思い付きッスよ。あの人らしい」

涼「それだったら理事長自身が贈ればいいのに」

鳰「あの人は基本忙しいッスからね」

香子「じゃ、走りは?」

鳰「え?ウチ?ウチが誰かにプレゼントを贈るなんて柄にもないっしょ。不幸なら届けてもいいッスけど」

香子「相変わらず嫌な奴だな、お前」

鳰「ここの袋に、みんなの欲しいものが書いてある紙が入ってるッス」

涼「何故、“欲しいものを書いた紙”なんじゃ?“欲しいもの”そのものを袋に入れない?」

鳰「“欲しいものを書いた紙”を見て、何をプレゼントするかはお二人の自由ッス。紙を見て、考えてプレゼントして欲しいッス。もちろんお金はこちらが用意するッスよ!」

香子「何故、そんな面倒な事を」

鳰「それは…」

鳰「そっちの方が面白いからに決まってるからじゃないっスか!」

鳰「それじゃあ、頼んだッスよ!あっ、それとカメラとマイクも持って行って欲しいッス。理事長と二人で視聴させてもらうッスから!」

香子「ほんっと嫌な奴だよな、お前」

香子「やっぱり、まともな仕事じゃなかったか」

涼「まあまあ、給料も良いんじゃから仕方なかろう。せっかくのサンタの仕事なんじゃから楽しまねばな」

香子「まったく。お前はどんな仕事でも楽しそうにするな」

涼「おおっ!袋にサンタコスが入っておった!」

香子「着ないぞ」

涼「トナカイコスまである!香子ちゃんはどっちが良い?」

香子「だから着ないって言ってるだろ!!」

香子「さて、誰からプレゼントして行こうか?あんまり手間のかからなさそうな奴からやっていこうか」

涼「さあて、最初は誰じゃろうな♪」

涼は袋の中をゴソゴソかき混ぜた。

香子「人の話を聞いてないな首藤」

涼「最初のターゲットは…寒河江春紀じゃ!」

香子「寒河江か…確か家が貧乏だとか言ってたな」

涼「だとしたら欲しいものは庶民的なものか、それともだからこそ豪勢なものか…」

春紀『実はあたし12月24日が誕生日なんだよね!誕生日プレゼントを貰うから、クリスマスプレゼントは貰わなくてもいいや!』

涼「…しょっぱなから予想外すぎる内容が出てきたぞ」

香子「…遠慮しなくてもいいのに」

涼「つつましく、あやつらしいとも思うな」

香子「どうする?本当にいらないと思うか?」

イマダッテー♪ コノヨノ ドコカデー♪

涼「はい!なんじゃ走りか」

香子(着信音か…)

鳰『言い忘れてたッスけど、プレゼントしないってのは絶対無しッスよー!何が何でも一つは一人にあげて欲しいッス!』

涼「だ、そうじゃ」

香子「うーむ。となると何を寒河江にプレゼントすればいいか…」

涼「とりあえず、寒河江は保留でいいんじゃなかろ」

香子「そうだな」

涼「というわけで次のにしよう。次は…こいつじゃ!」

涼が袋から取り出した紙に書かれていた名前は…

『犬飼伊介』バーン!

香子「犬飼か」

涼「あっ!香子ちゃん、ちょっとめんどくさそうとか思わんかったか?」

香子「…まあ、な」

涼「ワガママ娘じゃったからのぅ」

香子「とりあえず内容を読んでみようか」

涼「えーと…」

ピンポーン!

ガチャッ

伊介「お邪魔するわよ」

「わー!」「伊介ねえちゃんだ!」

伊介「様をつけなさい。殺すわよ」

春紀「おお!入って入って!伊介様!!」

春紀「急にお肉が大量に宅配便で送ってきてな。しかも今日まで食べないといけないとか、こりゃ参ったよ。いやあ、ほんと伊介様が来てくれて助かったよ!」

伊介「別にー、伊介は来たくなかったんだけどー、春紀がどうしてもって言うからー」

春紀「ほんと、ありがとな。あたしも伊介様と一緒に飯が食えて嬉しいよ!」

伊介「な、な///ああ、そうなの!あたしは別に嬉しくないけど!!!」

「わー顔真っ赤ー!」「イスケ様リンゴみたい」

伊介「うっさいわよ!ガキども!!」

冬香「本当にいつも、姉がお世話になってます」

伊介「えーと、春紀…た、誕生日おめでと…」

春紀「うわっ!プレゼントまであるのか!ありがとな!」

春紀「このバッグ、高いんじゃないの?!」

伊介「別に、こんなの安物よ」

春紀「本当にありがとな。大切にするよ!」

伊介「…あたりまえよ。あたしがあげたものなんだから!」



香子「まさか犬飼の欲しいものが『春紀と一緒にクリスマスをすごしたい』だったとはな」

涼「確かに言われてみれば、犬飼は寒河江が気になっておったかもしれんなぁ」

香子「一緒にクリスマスをすごしたいなら、声をかけたらいいのに」

涼「それができないから、わざわざ欲しいものにあんな事を書くんじゃろ?まったく犬飼は可愛い奴じゃわ。本人の前だとツンツンしてしまうとかベタじゃのぅ」

涼「犬飼から寒河江に誘いをかける事ができない。となると、寒河江から誘わせないといけない」

涼「しかし、寒河江は家族と一緒に自分の家で自身の誕生日パーティーとクリスマスパーティーをしなければいけない」

涼「そうなると寒河江は犬飼を自分の家に招待すればいいわけじゃが、貧乏だから余分な食事を出す事ができない」

香子「だから、大量の食料を寒河江の家に贈ればいいというわけだな。家族全員では食べ切れないし今日一日で食べないといけないとなると…」

涼「自然と犬飼に誘いがやってくるというわけじゃ」

涼「寒河江もどうやら本当は犬飼と一緒にクリスマスをすごしたいと思っておったみたいだら一石一鳥だったのぅ」

↑すいません誤字しました
一石一鳥じゃなくて一石二鳥でした

香子「さて、二人も一変に片付けたし次に行こうか」

涼「次は誰じゃろな」ゴソゴソ

涼「次は…」

『生田目千足』

香子「生田目か」

涼「生田目の欲しいものは…」

千足『桐ヶ谷が欲しいもの』

涼「…う~ん、まあ、あやつらしいかのぅ」

香子「じゃあ、桐ヶ谷が欲しいものを見てみるか」

柩『千足さんが欲しいもの』


涼「…」

香子「…」

涼「これは難問じゃのぅ…」

香子「何だこれは!?何かのパラドックスなのか!?」

次回に続くッス!
できるだけ12月中に終わらせたいです。

涼「適当にお菓子でもあげるか?」

香子「いや、それは駄目だ。できたらちゃんと二人が欲しいものをあげたい」

涼「ふっ…(最初は乗り気じゃなかったのに、真面目じゃのぅ。そういうとこが香子ちゃんらしい)」

香子「生田目の欲しいものは、桐ヶ谷が欲しいもの。桐ヶ谷が欲しいものは、生田目の欲しいもの…難しい」

涼「妥協して考えよう香子ちゃん。二人が紙に書いたもの以外で欲しいものはなんじゃろう?」

香子「う~んー生田目の欲しいもの…桐ヶ谷」

涼「そうじゃ」

香子「そして、桐ヶ谷の欲しいものは生田目」

涼「そのとおりじゃよ」

香子「しかし、あの二人は一緒に暮らしてると聞いているぞ。となると欲しいものも手に入っているという事になる」

涼「確かにそのとおりじゃな」

香子「となると、紙に書いたもの以外で欲しいものも無くなってしまうぞ」

涼「確かにそうじゃが、手に入ったものに+アルファを付け足す事ができる?例えば、その日限定のものとかな」

香子「??」

涼「ふふっ。紙に書かれた欲しいものも満たす事のできるものをやっと思いつく事ができたぞ」

柩「クリスマスケーキも買ったし、買い物はこれで十分かな。さて、千足さんの待つぼくらの家に帰るとしますか♪」

「ちょっとそこの小学生のお嬢さん?」

柩「しょ、小学生!?ち、違いますぼくは高校生です///(元だけど)」

「こりゃあ失言じゃった、すまんのぅ。ところで福引をやってみんか?」

柩「福引ですか?でも、ぼく福引券持ってませんよ」

「無くてもいいんじゃよ。ワシの前を通ったものはみな一回福引をしていいという事になっておるんじゃ」

柩「…どういう利益を得るためにやってる事なんですか?とても怪しいですね。っていうか会った事ありません?そのしゃべり方も聞き覚えありますし」

「べ、別に怪しいものじゃないぞ!(さすが元ダチュラのエース、勘が鋭い)」

「商店街のサービスじゃ」

柩「ふ~ん…まあ福引をしたからといってあまりデメリットも無さそうですし一度やらせてもらいます」

「さあ、どうぞ」

柩「よいっしょと」ガラガラ

柩「あっ!金色!」

「大当たり!!」

柩「何が当たるんですか!」ワクワク

「ちょっと待っててな(最初は怪しんでた割に、当たると知ると嬉しそうじゃな)」

「はい!どうぞ」

柩「これは!!」

千足「遅い…桐ヶ谷がケーキを買いに行ってから20分経ってるぞ…」

千足「駅前のケーキ屋までこのマンションから5分程度。買い物には5分と考えると、それに帰りの時間を足すと全部で15分でこの部屋まで帰ってこれるはず!なのに5分も過ぎているなんて!」

千足「いや、思ったより買い物に時間がかかった事も考えられる。どのケーキを買うのか迷っているのか、それとも客が多くて並ぶ事になってしまったのか…」

千足「ああ、やっぱり心配だ!何で桐ヶ谷一人に買い物なんてさせたんだ!あんなに小さくて可愛い桐ヶ谷だぞ!誘拐でもされたりしたら…」

千足「…よく考えたら桐ヶ谷は暗殺者集団ダチュラの元エースだった。彼女を誘拐できる凄腕の人間なんてそうそういないな…ふっ、心配しすぎだな私も」

ピンポーン!

ガチャッ

千足「桐ヶ谷ッ!!!」

「宅配便でーす」

千足「何だ、宅配便か」

(滅茶苦茶がっかりしてる!)

千足「今、忙しいとこなんだが」

「サインお願いします」

千足「わかった」

「ありがとうございました!」

千足(どっかで見た事のあるツインテールだな)

千足「この荷物は!」

ピンポーン!

ガチャッ

柩「ただいま帰りました!」

千足「おかえり。でもちょっと遅かった…え!?桐ヶ谷!!その格好は!?」

柩「ち、千足さん!?その服は!?」

千足(サンタの帽子が桐ヶ谷の小さな頭に乗っていて凄く可愛い!赤いドレスの胸元にはクリスマス用のベル!桐ヶ谷のぺったんこな胸によく似合っている!そして何より白いモコモコのついたスカートが良く似合っていて愛らしい…)

柩(男性が着るような普通のサンタクロースの衣装…だけどカッコイイ千足さんが着ればそれは極上のスーツとなる!赤い髪に赤い服が似合ってます!そして千足さんの女性らしさの象徴の大きな胸!ぴっちりした上着がそれを引き立てる…見てるだけでエクスタシーです!)

柩「千足さん、どうしたんですかその服?」

千足「宅配便で送って来たんだ…クリスマスだから着てみようかなと思って」

柩「ぼくは福引で当たったんです…着たら千足さんが喜ぶかなと思って」

千足「う、うん。嬉しいよ///凄く可愛い」

柩「ありがとうございます///千足さんも凄くカッコイイです」

千足「ありがとう桐ヶ谷…さあ、料理もできたしケーキも桐ヶ谷が買ってきた。クリスマスパーティーを始めよう」

柩「はい!」

香子「なるほど、サンタコスの服がその日限定の+アルファというわけだな」

涼「そうじゃよ。生田目はサンタコスの桐ヶ谷を喜ぶだろうし、もちろん桐ヶ谷もサンタ衣装の生田目を喜ぶはずじゃ」

香子「二人にサンタの衣装を渡し、二人はそれを着る。そうする事で二人は“桐ヶ谷が欲しいもの”“千足さんが欲しいもの”を手に入れたわけだな」

香子「寒河江と犬飼の時といい、良いアイディアがよくも思い浮ぶものだな」

涼「伊達に歳はとってないというわけじゃよ」

香子「それにしても、変装は完璧だがしゃべり方は一緒なのはどうかと思うぞ…首藤を知ってる人にはばれるかもしれないだろ」

涼「香子ちゃんなんか、ただ宅配便の服を着て帽子を深く被って顔を隠してるだけじゃろ!ツインテールで普通ばれる」

涼「さて、次は誰がくるかのぅ」ゴソゴソ

『英純恋子』ジャーン!

香子「英か」

香子「何々、欲しいものは…」

『私、今、番場さんと暮らしおりますの!番場さんがいれば今は欲しいものなんてありませんわ!』

香子「こんなのばっかりだな!!」

涼「キレそうになる気持ちはわかるが紙を投げるな香子ちゃん。うん?紙に続きが書いてある…」

『…私自身が欲しいものはありませんが、番場さんに美味しいものを食べさせてあげたいと思っておりますの。私自身の手で作ったものを!しかし料理を始めたものの上手くいかないのです?どうすればいいのでしょうか?』

香子「欲しいものというより、まるで相談のお便りみたいだな」

涼「さっきの四人と比べたら簡単じゃな。料理の本やレシピが英へのプレゼントじゃ」

香子「本当に簡単だな。そんなもので英が納得できるのか?」

涼「英はプライドが高いから多分、誰かに教えてもらって料理なんてしてないんじゃろうな。もしかしたら料理の本やレシピを見るという事まで思いついてないかもしれない」

香子「なるほど。財閥のお嬢さまである事を考えれば少し世間ずれした事があってもおかしくないな」

香子「番場も一緒に住んでるみたいだから一緒に見ておこうか」

涼「そうじゃな」

『英さんのためにマフラーを編みたいので、編み方を知りたい…ます』

涼「ふふっ。こやつらもお互いの事を思っておる」

香子「ああ、微笑ましいな」

涼「番場は編み物の本で良いな」

香子「そうだな」

香子「…今回はこれまでのケースと違って、簡単にプレゼントを届ける事ができそうだな」

香子「寒河江に肉を届けた時間は5時…」

香子「桐ヶ谷と生田目にサンタ服を届けた時間が7時…」

香子「で、現在、英と番場の本を買った時間が8時」

涼「英の屋敷はこっから1時間というところじゃから、9時に着きそうじゃな」

純恋子「サンタクロースという者はいつに来られるんでしょうか?」

真夜「だいたい12時ぐらいじゃねえか?」

純恋子「サンタクロースという者を招待するために煙突を屋敷に取り付けましたわ」

真夜「流石、純恋子だぜ!サンタがどっから来るかちゃんと調べたとはな!」

純恋子「えっへん!」

真夜「だが、それだけじゃ駄目だぜ。サンタは家の人間がちゃんと寝てないと来ないんだ」

純恋子「それじゃあ、どうやってサンタクロースを捕まえますの?」

真夜「そこは俺に秘策がある。寝たふりをすればいいんだ!」

純恋子「流石、番場さんですわ!策士ですわ!」

真夜「えっへん!」

香子「あの~本当に宅配便なんです」

「駄目だ!今夜は誰も通すなという事になっている」


香子「何でこんなに警備が厳重なんだ?」

涼「このままだとポストに本を入れる事さえできなさそうじゃな」

香子「仕方がない。屋敷に忍び込むしかないな」

純恋子「楽しみですわ…サンタクロース。番場さん、サンタクロースの事教えて下さってありがとうございます」

真夜「オレも一度も本物を見た事がねえからな!いつかあいつの面をおがみたいと思っていたんだ」

純恋子「今夜はサンタクロース以外の人間は誰も屋敷に入れるなとみなに通告しております。警備も万全ですわ」

真夜「ぬかりねえな!」

ウー!ウー!ウー!

純恋子「これは屋敷に何者かが侵入してきた時になるサイレン!」

「侵入者だ!」

「捕まえろ!」

涼「何で、香子ちゃんあんなとこでスッ転んでレーザーセンターに引っかかるんじゃ!?」

香子「めんぼくない…」

純恋子「まさか9時という予想外の時間に来るなんて、怖ろしい男ですわサンタクロース!」

真夜「サンタクロースを捕まえるのが真昼の夢なんだよ!!!俺たちに捕まえられろ!!」

香子「うわあ!?あいつら向かってきたぞ!」

涼「後ろは警備の人間、前はあやつら。厄介な事になってきたおったな」

真夜「うらっ!!」

ブン!!真夜が香子に向けてハンマーを振り回した。

香子「危ないっ!」

香子、なんとか避ける。

純恋子「ふんっ!!」

純恋子が涼へ向けて拳を振り回した!

涼「よっと!」

涼、難なく避ける。

ドッゴーン!

涼(地面に大きな穴が!?なんつう威力じゃ!?)

香子「どうする首藤?滅茶苦茶ピンチだぞ!」

涼「とりあえずプレゼントを渡して、退散じゃ!」

真夜「待てこらー!」

純恋子「待てこらですわー!」

香子・涼「ていっ!」

香子と涼は本を投げた。

真夜・純恋子「ぐえー」

本の角が真夜と純恋子の額に刺さった。

「大丈夫ですか、お嬢さま!!」

「くそー!逃げられた!」

純恋子「心配いりませんわ…軽傷です。番場さんは?」

真夜「いててて…まあ、大丈夫だ。いったい何が頭に当たったんだ?」

真夜「これは真昼が欲しがっていた編み物の本じゃねえか!」

純恋子「こっちはお料理の本!」

真夜「俺たちの欲しいものをプレゼントしておいて、まんまと逃げだすなんて…」

純恋子「怖ろしい男ですわ、サンタクロース…」

真夜「ああ…だが、それだからこそやる気が増すってもんだぜ!」

純恋子「来年こそサンタクロースに勝ちましょう!」

次回に続きます。
次でラストの予定ッス!

香子「誰だ!今回は簡単そうとか言った奴は?」

涼「香子ちゃんじゃろ・・・」

香子「正直、今回が一番困難だった気がする…」

涼「次は簡単じゃと良いんだが」

香子「それにしても、あの二人、まだサンタクロースを信じてるとは驚きだったな」

涼「最近まで信じておった香子ちゃんには言われとうないだろうな」

香子「最近じゃない!大昔にはサンタがいない事を知っていた!」

涼「本当かな?」

香子「…」

香子(今日見た夢のようにサンタが来る事がなければ、本当に大昔にサンタがいないと思えただろうな…)

香子(あの事件のせいで、長らくサンタがいる事を信じる事になってしまった…)

香子(そういえば、あの時のサンタはいったい誰だったんだろう?やっぱりイレーナ先輩か、それともホームのシスターか…)

涼「香子ちゃん?」

香子「ああ、すまない。少しぼーっとしてた。仕事を再開しよう」

涼「次は誰かな~?」ゴソゴソ

『武智乙哉』

香子「えーと、武智が今いる場所ってどこだっけ?」

涼「確か、刑務所で服役中らしい」

香子「次も難しそうじゃないか…」

涼「愚痴を言ってもせんない事じゃよ…」

涼「何々、欲しいものは…」

『かわいい女の子♡』

涼「あやつらしいな…手に入れたら殺してしまいそうでちと怖いが」

香子「これまた難しいものを…」

涼「武智は保留して次に行こうか」

涼「お次はと…」ゴソゴソ

『剣持しえな』

香子「剣持か…なんとなく難しくなそうだな」

涼「それって剣持が平凡って意味か?酷いの香子ちゃん。わしも同じ事思ったが」

香子「えーと欲しいものは…」

『友達』

香子「…」

涼「何故、黙る?」

香子「いや、色々切実だなと思って」

涼「さて、どうやって剣持の欲しいものを解決しようか?」

香子「私のメールアドレスと電話番号を剣持に教えよう」

涼「真面目かっ!」

涼「武智と剣持の欲しいもの両方を解決する方法を思いついたんじゃが、どうだろうかの?」

香子「…私も思いついた。だけどまた困難な仕事になるな」

涼「ふふっ。困難であれば困難であるほど仕事のしがいがあるというもんじゃろ?」

香子「…まったく、お前はいつでも楽しそうだな」

涼「何でも楽しまんと、人生は損じゃよ香子ちゃん」




しえな(…暗い。いつの間にか寝ちゃってお母さんが電気消したのかな?)

しえな(そういえば、友達や恋人とクリスマスパーティーをする事もなく、一人ぼっちでクリスマスを終えるなんて寂しいって泣いて寝ちゃったんだったかな…)

しえな(黒組にいた時は楽しかったな…そりゃあ、怖い事もあったけど)

しえな(例えば、武智とか…)

しえな「えっ!武智!?」

しえな「武智が何でぼくの目の前にいるんだ!?」

乙哉「むにゃむにゃ…えっ?何でしえなちゃんが?」

しえな「それはこっちの台詞だよ!お前は刑務所にいるはずだろ?」

乙哉「そうだよ、しえなちゃんがこんなとこにいるはずない。これは夢か」

しえな「なんだ、夢か」

しえな「夢なら、もっとマシな夢が見たかったよ…」

乙哉「あたしはしえなちゃんが夢に出てきて嬉しいけどね」

しえな「えっ///」

乙哉「ちょっと、寂しいと思ってたところだから」

しえな「…うん。本当はぼくも寂しかったし、武智に会えて嬉しい」

乙哉「抱きしめてもいい?」

しえな「はっ///急に何言い出すんだよ!?」

乙哉「だって寒いし、温め合おうよ」

しえな「駄目だ駄目だ!」

乙哉「夢だし、いいじゃん」

しえな「…そうだな、夢だしいいか」

乙哉「それじゃあ、しえなちゃんこっちきて」

しえな「…うん」

ギュッ

乙哉「しえなちゃんの体、割と冷たい…」

しえな「冷え性なんだよ…武智は暖かいな///」

乙哉「何だか気持ち良くなってきた…おさげ切っていい?」

しえな「それは駄目だ」

乙哉「夢なんだからいいじゃん!」

しえな「夢でも何となく怖いんだよ!」

乙哉「このまま寝ちゃおっか?」

しえな「…うん」

乙哉「目が覚めたら、あたし達さよならだね」

しえな「夢だからな」

乙哉「ちょっと切ないね…」

しえな「…今度、刑務所へ会いに行ってやるよ」

乙哉「本当!ありがとう、しえなちゃん!!」

しえな(夢だけど、悪くないクリスマスだったかもな…)

涼「ふぅー。流石に、刑務所に侵入して武智のとこまで剣持を連れていくのは骨が折れたわ」

香子「この後が一番大変だぞ。どうやって、剣持を刑務所から連れ出そうか?」

涼「別にこのままで良くないかの?」

香子「えっ」

涼「朝になって刑務所に関係の無い人間がいるとわかったら、後は刑務所の人間が剣持を家に戻すじゃろう。時間が無いし、仕方がない事じゃ」

香子「剣持は毎回、貧乏くじ引かされるな…」

涼「さて、次は誰かの?」

香子「後は東と一ノ瀬の二人だろう?確か、二人で一緒に住んでるから一緒に見たらいいんじゃないか?」

涼「それもそうじゃな」

涼「にしても、結局二人一緒にプレゼントを渡してばっかりじゃったな」

香子「それだけ黒組の時に一緒の部屋にいた奴らの縁が深いという事なんだろう」

涼「わしと香子ちゃんもか?」

香子「…さあ、どうだろうな」

涼「さて、東と一ノ瀬の欲しいものは何じゃろう?」

香子「東はカレーじゃないか?」

涼「あはははっ!それはありうるのぅ!」

香子「一ノ瀬は何が欲しいか予想しづらいな」

涼「さて、お二人の欲しいものは…」ガサゴソ

香子・涼「これは…」

「この家に一ノ瀬晴がいるというのは本当か?」

「ああ、確かな情報だ」

「やれやれ、見つけるのに苦労させられたな」

「さて、さっさと仕事にとりかかろうじゃないか…」



涼「そこまでじゃよ」

香子「一ノ瀬は殺させない」

「!」

男のうち一人が香子と涼に気づくと、すぐさま拳銃を取り出した。

パーン!

「うっ!」

香子の撃った銃弾が拳銃を持つ男の右足を貫いた。

香子は崩れ落ちる男にのしかかり、男の身体を押さえ込んだ。

「ちっ」

涼「逃げても無駄じゃよ」

「ギャアアア」

逃げようとした男の身体に電流が流れ込む。

涼「罠を仕掛けておいたんじゃ」

涼「二人ともたいした腕じゃない暗殺者だったの」

香子「後は、走りにこいつらを引き渡せばいいか」

涼「腕を上げたのぅ香子ちゃん。見事にあやつの足を撃ち抜いた」

香子「…本当はあいつの腕を狙ったんだ」

涼「えっ」

香子「一ノ瀬も大変だな。黒組を卒業しても命を狙われているなんて」

涼「そういう運命を背負っておるんじゃろう…」

晴「今の音は何?銃声?」

涼「噂をすれば出てきよったな」

晴「何で神長さんと首藤さんがこの家の前に!?」

香子「欲しいものを書いただろ一ノ瀬?」

涼「わしらはおぬしの欲しかったもの、『ボディーガード』じゃよ」

香子「今夜限定だけだがな」

家の中

兎角「コホン…コホン…」

涼「だいぶしんどそうじゃな、東」

香子「それで東の欲しいものは『風邪薬』だったわけだな」

晴「うん。なのに、兎角さん私を守るために休もうとしないから…」

涼「それで一ノ瀬の欲しいものは『ボディーガード』か」

香子「安心しろ。もう仕事はこれで終わりだし朝までお前らのボディーガードをしてやる」

晴「わー!ありがとうございます!神長さん!首藤さん!」

香子「風邪薬はこの家に置いていなかったのか?」

涼「わかった!風邪薬などカレーがあればいらん!とか言ったんじゃろう!」

香子「流石の東でもそこまでは…」

晴「『カレーは完全食だ!これさえ食べれば、薬などいらん!』って最初は言ったんだけど…」

香子・涼(本当に言ったんだ!!)

晴「そんなの駄目です!って無理やり晴が風薬を飲ませました。だけど、すぐには治らないから兎角さん『風邪薬が足らないんだ!もっとくれ!』って言って」

涼「あはははっ!東らしいの!」

香子「ぷっ!笑ったら酷いぞ首藤、東は真剣だったんだから」

晴「しーっ」

香子・涼「あっ」

兎角「…うぅ」

兎角「…晴、起きていたのか?」

晴「うん。追加の風邪薬だよ」

兎角「そうか、すまないな晴…コホン」

兎角「これで晴を守れるな…」

晴「ありがとう、兎角さん。でもいいんだよ、今日は休んで」

兎角「しかし…ゴホッ」

晴「大丈夫だよ、ボディーガードをしてくれる人が現れたから」

兎角「ボディーガード?誰だ?」

晴「サンタさん!」

兎角「えっ!?」

香子「私達がサンタか」

涼「実際そうじゃろう。サンタをやるというのがわしらの今回の仕事なんじゃから」

香子「それにしてはいつもどおりの服装で、サンタっぽくないなと思ってな」

涼「なら、着てみるか?サンタの服」

香子「示し合わせたように準備万端だな…まあいいかな、今夜かぎりだ」

涼「そうこなくっちゃの!」

香子「スカートが短い!何でこんなに寒いのに足が出るのを着るんだ!」

涼「だって、その方が見る人間も喜ぶじゃろ」

香子「誰が見るんだ、誰が」

涼「わしじゃよ」

香子「…お前のも短いな。寒くないのか?」

涼「なら、暖めてくれるか?」

香子「い、嫌だ///」

涼「可愛い反応じゃなー」ニヤニヤ

香子「うー!やっぱり寒いな。こんな事ならサンタの服を着るなんて言わなきゃ良かった」

涼「髭もつかるか?」

香子「そっちは遠慮しとく」

涼「暖かいぞ」

香子「髭って暖かいからつけるものなのか?」

涼「わしはつけるとするか」

涼「どうじゃ?似合うかの?」

香子「え!?」

香子「あの時のサンタさん!!?」

(サンタ「はい!香子ちゃんへのクリスマス・プレゼントじゃ」)


香子「あの幼少の頃に会った白髭のサンタさん!いや、見間違いだ!そうに決まってる」

涼「見間違いじゃないぞ。わしが香子ちゃんがちっちゃい頃に会ったサンタじゃ」

香子「そんな馬鹿な!身長はもっと大きかったぞ!」

涼「簡単な事じゃ。ブーツじゃよ」

香子「スカートじゃなくあの時はズボンだった!」

涼「あの時はさすがに寒過ぎてな、スカートは止めたんじゃ」

香子「年齢が…ああ、そうだ首藤はハイランダー症候群だった」

香子「そもそも、何故、幼少時の私へホームまで来てクリスマスプレゼントを渡したんだ?面識は無かっただろうに」

涼「イレーナに頼まれたんじゃよ。『首藤に頼みがある。このクリスマスプレゼントを私の後輩に渡して欲しい。仕事のせいで当分ホームに帰れないんだ』とな…」

香子「イレーナ先輩と知り合いだったのか?」

涼「ああ。昔の黒組で同室だったんじゃよ。あの時の黒組も色々と面白かったのぅ…あの時は誰が生き残ったんじゃったかな」

香子「ああもう!衝撃の事実!が次々と明かされて頭が痛くなってきた!」

香子「何で、その事を今まで教えてくれなかったんだ?」

涼「クリスマスに教えようかと思っての。ちょうどあの時のようにこうしてクリスマス・プレゼントを渡したかったんじゃよ」

香子「クリスマス・プレゼント?」

涼「はい!香子ちゃんへのクリスマス・プレゼントじゃ」

香子「綺麗に包装された箱に、紫色の可愛いリボン…」

香子「あの時と一緒じゃないか…」

香子「開けていいか?」

涼「どうぞ」

香子「中身も一緒のチョコレート…ぱくっ。やっぱりあの時のように美味しい…」

チョコレートを口にした香子の目には、涙がにじんでいた。

香子「ありがとう、首藤…」

涼「ああ、どういたしましてじゃ」

香子「実は私もクリスマスプレゼントを用意してある」

涼「香子ちゃんもか?珍しい!」

香子「珍しいとは何だ。私だって色々と首藤に色々と恩を感じてるからお礼をしたい気持ちがあるんだ」

涼「そうか、そうか。何かの?楽しみじゃな」

香子「どうぞ」

涼「わしが渡したプレゼントの包装紙によく似ておるな。開けてもいいか?」

香子「ああ」

涼「これは手袋!まさか、香子ちゃんが?」

香子「うん、編んだ…」

涼「嬉しいな…着けてもいいか?」

香子「うん…」

涼「暖かい…」

香子「良かった…」

香子「首藤が今まで、私にしてくれた事を思えば全然足らないかもしれない」

涼「そんな事ないぞ香子ちゃん…プレゼントを貰って嬉しいと思えた事なんて何年ぶりじゃろうな」

涼(クリスマスを一緒にすごす相手も何年もいなかったし、誕生日プレゼントをもらっても病のせいで嬉しいと思えなくなっておったからな…)

涼「凄く暖かい…ありがとう香子ちゃん」

そう言った涼の顔は満面の笑みを浮かべていた。

こんな彼女を見るのは香子にとって初めての事だった。

涼「縁とは不思議なもんじゃな…。あの時プレゼントをあげた幼子と一緒の学校で学び一緒の部屋ですごすようになり、学校を退学した後も一緒に生きていく事になるとは…。まったく予想できなかった」

香子「まったくだな」

涼「香子ちゃんと会えて良かった…」

香子「…私も首藤に会えて良かった」

涼「あの時、プレゼントを貰ったのは香子ちゃんだけじゃなかったんじゃな」

香子「えっ!」

涼「わしも『出会い』というクリスマス・プレゼントを貰ったんじゃよ」

香子「…なら、私は二つもクリスマス・プレゼントを貰ってた事になるな」

涼「サンタさんは香子ちゃんを贔屓しすぎじゃの」

香子「良い子にしてたって事だろう」

涼「ふふっ、そうじゃの。あの時の香子ちゃんは可愛いかったからなぁ。もちろん今も可愛いが」

香子「来年もこうやって二人でクリスマスをすごしたいな」

涼「ああ、もちろんじゃとも」

ミョウジョウ学園のとある部屋

百合「ふふっ。みんな喜んでくれているようね。おかげで良いものが何組も見れたわ…」

鳰「あの…お楽しみのとこ悪いんですが理事長?」

百合「何かしら鳰さん?」

鳰「黒組卒業生へのクリスマス・プレゼントもいいっスけど、ウチのクリスマス・プレゼントは?」

百合「あっ!忘れてたわ!」

終わり

思ったより長く時間がかかってしまい、
クリスマスどころか12月までに終わらせる事ができなくてすいませんでした。

行事ものはこういうのがあるから難しいんだろうなあ。

悪魔のリドルで行事ものといえば
兎角「星に願うは□□」
兎角「トリック オア カレー!」
というSSを昔に書いたので読んでくれたら嬉しいッス!

最後まで読んでくれてありがとうございました。応援レスにも感謝です。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月30日 (火) 23:52:46   ID: 9hbNHp9J

面白いです!
頑張って下さい!

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