アニ「戦場の外で」 (14)
進撃のssです。
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私は逃げ出した。何もかもから。
解散式のその後。逃げ出した。
理由なんて・・・面倒になったからと言わせてくれ。
その後何ヶ月たっただろう?
巨人は順調に侵攻を進め人類は確実に追い込まれていた。
そう思うたびに同期のことを少し思い出す。
みんながんばっているんだなと。
私はなにもかもどうでもいい。
逃げ出した私にはそう思う権利なんてないし
ああそういえば逃げ出す日にユミルに見つかった。
大して仲良くはなかったが
あいつはきっと私のことを感づいていたのだろう
去り際にこう言われた
「誰かれが救ってくれることなくとっとと死ね」
そのとき言われたことよりもユミルも顔のほうが
印象的だった。悲しい顔をしていたから。
どうしてそんな顔をするのって今も考える。
そして今日も外には巨人が見える。
私の住んでいる所はそんなところだ。
壁に少し穴が空いているらしい
5M級までの巨人が入ってくる。
だから家賃はすごく安い。というか最近は払ってない。
大家さんは死んだのか?きたら払ってやるのに。
金はなんとかなっているんだ。巨人のおかげで
理由は二つ
周りの家から盗めばいい。簡単だ。誰もいない。
もう一つは
巨人を殺す。
そうすればこの地域の人達(大していないが)報酬を貰える。
相手は5M級油断しなければいい。簡単だ。殺せる。
立体機動装置で跳ぶ、風があたる、刃があたる、抉れる。
飛び散った血が私に返る。そのときは熱いと感じ、なぜか多少の怒りを覚える。
けどそれは日常の中の
特になんでもないのに感じる怒りのようなもの
大したことはないさ。
街は静かで昼は私だけのものって思える。バカな話だが
夜はとても静かだ。この近くには人はいないし、巨人だって夜は活動時間外だ
そのとき私は想像することがある。世界中の人類が死滅してしまったのではと
それを思うと私は窓から外を見上げる。流れ星が消える。願い事を。
いや願うことなんてないって思う。やっぱバカな話だ。
お父さん。あなたが私にさせたかったことは何一つできていません。
ただ外は戦場のまま。終わりに向かっているだけです。
誰も救うことはないでしょう。もうそれでいいですか?
今日は盗むか、殺すか、休むかどれにしよう。
んっ?人がきたみたいだ。大家さんかな?生きてたのか
違う!立体機動装置を付けている。兵団の人間だ。
「アニ!アニじゃないですか!?」
サシャ?サシャなの?
「やっぱアニじゃないですか?どうしてこんなところにいるんです?」
それはこっちのセリフだよ
「・・・」
「なんか言ってくださいよう」
「えっ?」
喋れてなかった?そういえば暫く話す機会なんてなかったな
「ああ・・・あんたこそどうしてここに?」
「それは・・・そう兵団から調査を依頼されたんです」
「なんの?」
「その・・・ここで兵団から離れて巨人を狩っているものがいるらしいってことでその調査を」
「なぜ?」
「なぜって・・・もうアニって昔から変わりませんねえ。その詰問の仕方とか」
変わらないかなあ?
「いいって質問に答えな」
「うっ・・・」
「どうしたの?お腹を押さえて?」
「お腹が減りました・・・」
変わらないのはあんたのほうだ
期待
「アニはここら辺に住んでるのですか?」
「まあね」
・・・よく見るとサシャ。ボロボロだな。
ブレードはもう一対しかないし、服装も埃まみれだ。
ガスももう無さそうだし。よく生き残ってこれたものだ。
「アニの家ってここから近いのですか?」
「だから?」
こいつ・・・まさか
私の正体を知ってそれを調べに来たのか?
「いやーご存知の通りお腹が減ってまして・・・ご飯食べさしてもらえませんか」
そんな訳ないか
めんどくさいな
「あっいま面倒だって顔しましたね」
よくわかったね
「折角遥々尋ねてきたんですよ。もっとほらこう・・・」
「もっと?」
「ご飯を」
「それしかないの?」
「はい!」
はぁー・・・
「溜息つかないでくださいよ」
「ったく仕方ないね」
「じゃ行きましょう」
勝手に決めないでほしいんだけど・・・
「あれがアニの家ですか」
そうだけど
「立派なお家です。2階建てなんですね。一人で住んでいるのですか?」
悪いか?
「そう」
「寂しくないですか?」
そんなのには慣れてしまった・・・いや違うそんなの始めからなかったんだ
「・・・」
「あっごめんなさい。そんな訳ないですよね・・・」
違うんだ・・・私は
「どうしたんです?早く入りませんか?」
あ・・・いま家が汚い。来客なんて想定外だ
「3分・・・いや5分だ」
私は扉を(中が見られないよう)瞬時に開けそして閉めた
「何が5分なんですかー!?」
サシャが何か言ってるが無視しよう。今は1秒が惜しい
まずはゴミをゴミ箱へ。うん。すっきりした
「ひょっとしてご飯作ってくれてますかー!?」
そんな訳ないだろ。次は洗ってない服を洗って・・・無理だ
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