男「また学校サボったのか?」妹「うん」 (5)

~妹の部屋~

男「学校、辞めたいのか?」

妹「う~ん、どうだろ」

男「虐められてるとかじゃないよな?」

妹「まさか。友達だって少なからず居るし」

男「………今日はどうするんだ?」

妹「そうだねぇ、昼までゲームやって適当にお昼済ませて夕方までブラブラかな」

男「つまり暇なんだな」

妹「へへへ、その通りでござんす」

男「だったらさ、俺と一緒にどこかいこうか」

妹「よっしゃ!その言葉を待ってたよお兄ちゃん、ちょいと時間ちょうだいね」

男「おう、リビングで待ってるからな」

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~リビング~

妹「ごめんねぇ、ちょいとメイクに時間が……って、お兄ちゃん?」

男「ん~?」ガサガサ

妹「なにしてんの」

男「えーっと、確かこの辺に……おっ!有った有った」

妹「封筒?」

男「うん。父さんのヘソクリ」

妹「うっわぁ、やっちまったなぁ」

男「良いんだよ。どうせパチンコで勝った金なんだろうし1枚位抜いてもバレねぇよ」

妹「あははは、お兄ちゃんのそういうとこ好きだよ」

男「それに、そろそろガソリン入れないと車動かせないしな」

妹「いやぁ、笑えますなぁ」

男「ん?」

妹「高校卒業して2年間は社会の歯車として働いてたのにクビになった途端にニート生活エンジョイしてるんだもん」

男「ははは、まだニート歴は半年だから大丈夫大丈夫。さっ、行くぞ」

妹「あ~い」

~車内~

妹「でさ、何処行くの?一応お金は持ってきてるよ」

男「因みにお幾ら万円?」

妹「680円」

男「………」

妹「な、何そのゴミムシを見る様な目はさ!私だって頑張ってお小遣い貯めてるんだよ?」

男「き、期待はしてなかったが金欠なんてレベルじゃないんだな…」

妹「今月はゲーム2本も買ってしまったからね」

男「へ?お前小遣い幾らだったっけ?」

妹「5000だよ」

男「じゃあゲーム2本も…いや、1本も買えないだろ」

妹「あははは、私が買ったのはスーファミのゲームだよ。ほら、近くに潰れかけのゲーム屋有るじゃん」

男「す、スーファミて」

妹「バカにしてんの?今のとりあえず綺麗にしましたよ~的なゲームなんかよりずっと楽しいんだよ?」

男「………何買ったんだ」

妹「ドカポンとドンキー2」

男「………」

妹「あっ、信号赤だよ」

男「赤は気を付けて進めば良いんだよ」

ガシャァアアァン

妹「お兄ちゃんお兄ちゃん、子供跳ねたよ」

男「そっか、で?どっか行きたい場所とかあるのか?」

妹「う~~~ん」

妹「あっ、だったらさっき言ったゲーム屋行きたい」

男「ゲーム屋ね、了解……って、買えないのに行ってどうするんだよ」

妹「分かってないねぇ、ゲームってのはパッケージを見るだけで楽しめるんだよ」

男「………お前、何歳だ」

妹「17だけど?」

男「現代っ子がゲームのパッケージ見て楽しめるって…」

妹「また馬鹿にした!」

男「いや、幸せなんだなって思っただけだよ」

妹「ふ~ん。あっ、信号赤だよ」

男「無視無視」


ガシャァアアァン

~ゲーム屋~

妹「いやぁ、やっぱりここの雰囲気好きだなぁ」

男「……(スーファミやネオジオ、あっ、サターンも有る)」キョロキョロ

妹「私の最近の一押しはコレだよ」

男「うわっ、なつけぇ。ワンダースワンじゃん」

妹「電池一本で済むからね!あの起動音のシュイーンが最高」

男「確か起動時は音がMAXだから素早く下げないとうるさいんだっけな」

妹「そうそう!修学旅行の時に持ってってたんだけど寝る前にやったら友達にうるさいって言われたの思い出した」

男「しゅ、修学旅行にワンダースワン持ってったのか」

妹「うん、友達はゲーム持ってきて無かったかな」

男「そりゃあ今じゃスマホに幾らでも有るならな。俺もパズドラやってるし」

妹「私もやってるけどさ、なんか違うんだよね。やっぱりゲームはゲーム機でやるのが一番なんだよ」

男「ふ~ん、よくわかんないなその考え」

妹「おっ!チョコボの不思議なダンジョンが有るー!この前来た時は無かったのに!!」

男「……(こいつ本当に高校生なのかね)」

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