白菊ほたる「いいことなんて……ありません」 (20)


あやめ「…」パチパチ
http://i.imgur.com/25ANdTR.jpg

聖「…」パチパチ
http://i.imgur.com/nbJGGFJ.jpg

P「…」

P「おーい。いつまで拍手してんだ」

あやめ「あ、プロデューサー殿!」パチパチ

あやめ「だってほたるちゃんの演技が素晴らしくてですね!」パチパチ!

聖「……」コクコク、パチパチ

P「聖は頷くか拍手をするかどっちかにしなさい」

聖「……」パチパチ…

P(あ、俺を無視して拍手するんだ…)

あやめ「楽しかったですねー」ニコ

聖「……はい……すごく……」ニコニコ

P(…まあいいか)

P「ほたるも楽屋に戻ってるだろうし、様子を見に行ってみようか」

あやめ「はーい」パチパチ

聖「…はい…」パチパチ

P「……まあ気の済むまでしてくれ」


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・・・・・


ほたる「…ふぅ…」
http://i.imgur.com/uxqIyzv.jpg
http://i.imgur.com/x1r4i8k.jpg

あやめ「ほたるちゃーん」

聖「……ほたるちゃーん」トテトテ

ほたる「?…あ、二人とも…」

あやめ「わー」パチパチ

聖「わー」パチパチ

ほたる「??…え、えっと…わ、わー」パチパチ

P「ほたるまで一緒に手を叩かなくていいから」

ほたる「あ、プロデューサーさん…お、お疲れさまです」ペコ

P「こちらこそ」ペコ


P「お疲れさま。よく頑張ったな」

ほたる「……あっ、ありがとう…ございます」

ほたる「わ、わざわざ見に来てくださったんですか…?」

P「いや、一緒に仕事をしてる子のお仕事はそりゃ見に来るだろ」

ほたる「……あ、そ、そうですか…」エヘヘ…

あやめ「すごくよかったですよ!格好よかったです!」

聖「…うん。ほたる……キラキラしてた…」

ほたる「あ、ありがとう…」エヘ…


あやめ「…?」

あやめ「あれ。でもほたるちゃん、またホタル・シュバルツの衣裳を着ていますね。どうしたのです?」

あやめ「せっかく姫と行く白き女騎士になれたというのに」

ほたる「あ、えっと…それは…」

P「詳しいな」

あやめ「ふふーん。あやめは公演のあいだは足繁く通っておりましたゆえ。ふぁんたじーなる劇もよいものですねー」ナデナデ

ほたる「…………」エヘヘ

P「仕事しろよ。って俺がいうのはおかしいのか」

聖「……私は…前半だけ、参加しました……」フフーン…

あやめ「むぅ。それは本当に羨ましい……ねぇプロデューサーどのー、わたくし殺陣の心得などもありますゆえ、つぎがあればぜひ!」

P「…次があればな」

ほたる「あ、そ、それは…私なんかが出演してしまったので、この公演こそが呪われてしまったという…?」コトデスカ…?グス

P「ち、違う違う」

あやめ「ぷろでゅーさーどのー」ユサユサ

P「お、落ち着け。ここ楽屋だから。そんなにのんびりしてる暇ないから」

聖「……今度は…一緒に……歌おうね…」

ほたる「…う、うん。そうだね……」ニコ


ほたる「…あぅ。あの、す、すいません」

ほたる「時間もないのに、この衣裳を着てたりして…す、すぐ着替えなおします…」

P「?」

ほたる「も、もう一度でも…着てみたくて…。その、落ち着くので…」

P「おちついちゃうか…」

あやめ「格好いいですよ!闇に紛れる忍びの装束に通ずるものを感じます」

聖「……でも…ほたるは、やっぱり白い衣裳の方が……似合うと思う……私みたいな」

あやめ「むむっ。聖殿にほたるちゃんは渡しませんよっ」

聖「…あやめさんでも…手は抜かない……」ゴゴゴ…

P「なんの争いだ」

ほたる「あ、あのー…二人とも……落ち着いてー…」

ほたる「……」ニヘ…

P「?」


P「…」ポン

ほたる「?」

P「二人の言い合いが面白かったか?」ナデナデ

ほたる「…あ…いえ、その…」

ほたる「……昔は私って押しつけ合いの対象……でした。渡さないよって…その、冗談でも……嬉しいなぁ…って」

P「…」

ほたる「…うぅ、こうやって浮かれているとまた不幸なことが…あわわ。ぷ、プロデューサーさん、一応机の下に…」ガタガタ

P「地震か。いいから着替えなさい」

ほたる「あっ…は、はいっ。…いえでもそれは、その…」

P「?」

ほたる「…ぷ、プロデューサーさんが、いるから着替えられない…んです」

P「あぁ!そ、それはそうだ。すまん、すぐ出て行くよ」

あやめ「全くプロデューサー殿はダメダメですな」

聖「……ですなー」

P「あやめにいわれるのは釈然としない。またあとでな」ポイ

あやめ「なぜわたくしだけ!?」スコーン

ほたる「…はい。…ふふ」クス



・・・・・


P「どこかで飯食って帰るか」

あやめ「いいですね」

聖「…………」

聖「……今日は…ほたるが……行きたいところに…」

ほたる「わ、私がですか…?」

P「お、聖が我慢した。えらいな」ナデナデ

聖「……表現がよくできるようになるのと、わがままは…違うから……ふふ」フンス

あやめ(聖殿は可愛いですね…)ナデナデ

聖「…ん……えへへ…」ニコ

ほたる「……」ウーン

ほたる「…え、えっと…じゃあ…」


ほたる「…」

ほたる「あの、事務所で食べられるものを…なにか買って帰るとか…」

P「……それでいいのか?」

ほたる「は、はい。外食だとお店に迷惑を…あ、いや、たぶんかけたりは……そうやって思い込むのがよくないんですよね…いやでも…」

P(葛藤しとる)

あやめ(ファイトですほたるちゃん!)

P(…そういえばあやめはほたるちゃんって呼ぶんだな)

あやめ(あ、はい。だってその方が可愛いでしょう?)

P(……なるほど)

あやめ(はい)ニコ

あやめ(ちなみに聖殿は聖殿です。その方がかっこい――)

聖「……」ツンツン

あやめ「ひあっ。ひ、聖どのぉ、わ、脇腹を小突くのはやめていただきたく…!」プルプル…

聖「……知らない…です」プクー

P「……仲良くしろよ」

ほたる「」ピーン

ほたる「じ、事務所で食べましょう!はい!」

P(すごくいい閃き顔だがなにか最大級の不幸でも思いついたのか…?)


ほたる「え、えへへ」

ほたる「不幸が、どうとかじゃ、なくて…その方がプロデューサーさんと、みんなと、仲良く食べられる…と、お、思います」

P「…」

P「そうだな」

P「じゃあ、そうしようか。なにかおいしいもの買って帰ろう」

ほたる「は、はい」コクコク

あやめ「わーい。ではなにを食べましょうなー♪」

聖「食べましょうなー……♪」

ほたる「た、食べましょうなー」

P「だからべつにまねしなくていいから」


聖「……ピザとか……」アッチ…

あやめ「お寿司とか!」コッチ!

聖・あやめ「「むー」」

P「仲がいいのか、あれは」

ほたる「…あ、あはは…」


ほたる「……」エヘヘ

ほたる(…お仕事もうまく行ったし、みんな優しいし……いまはいいことばかり…)

ほたる(…いや…)フルフル

P「?どうかしたか」

ほたる「…あ、その…」

ほたる「…今回のお仕事で、私…いいことなんて、ないんだって、思ったんです」

P「……?」


ほたる「あるんじゃ、ないんですよね…きっと…なんだって、いいことはだれかのおかげで…」

ほたる「そんな偶然みたいにいうのは、よくないことで…」

ほたる「だから私、もっと自分の力で、自分やみんなにいいことを……届けられるように…」

P「…うん。そうだな」ポンポン

ほたる「ふわ…ぷ、プロデューサーさん?」

P「……」ナデナデ


P「…ほたるはえらいなぁ」

ほたる「…え、え。そんなこと…」

P「大丈夫だよ」

P「いいことがあった、でもいいんだ。そんなほたるのことをみて、俺みたいにただ応援したくて仕方ない、ってやつだっているんだ」

P「だからほたるは気にするな。精一杯幸せになれ。それで、いつか横をみる余裕ができたなら、その気持ちをだれかにあげるといい」ナデナデ

ほたる「…………」

ほたる「……は…い。うー…わ、分かりました。あ、でもその――」

P「どうせ事務所に戻ったら、早速一ついいこと、あるだろうしな」

ほたる「――…?」

あやめ「あるでしょうなー」ニヤニヤ

聖「……でしょうなー……」ニヤニヤ

ほたる「…??」

P「…」クス


あやめ「では善急げと申しますので!急ぎお寿司を買ってケーキを…げふんげふん。事務所に戻りましょう!」

聖「……だから、ピザです……今日はピザ……ケーキはそのあ…げふんげふん♪」

P(ずさんだな…そしてなぜ咳払いをちょっと素敵な音程で)ハハ…

ほたる「??」ナンダロウ…

ほたる「……」コ、コホン


ほたる「分かりました…プロデューサーさん。あの、でも…」

P「ん?」

ほたる「……」

ほたる「こ、こうしてだれかのとなりを歩けるだけで…私はもう、た、たくさん幸せ……ですよ?」

P「……」

ほたる「そ、それだけは忘れないでください…!」

ほたる「あの、二人となにか、選んで来ますね!」タタ…

P「…おー」


P「……」


ほたる「り、両方買うとか!」

あやめ「おおっ」

聖「なるほど…」


P「…」クス

P「そっか。よかった」



・・・・おしまい

短いけどおしまい
ほたるちゃん誕生日おめー

おっつおっつ
みんな可愛かった

ほたる!ほたるぅぅぅぅぁぁぁぁあ!!

おお

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