パワポケ「私立NIP高校?」(お試し版) (118)

須田「このスレを担当及び、今回相棒役の須田でやんす。以下にこのスレの説明を書いていくでやんす」

・このスレはパワポケオリジナルSSでやんす

・設定年代はパワポケ14の終了から二年後、主人公は高校三年生でやんす

・このSSの話を理解するにはパワポケをやったことあるだけじゃなくて、
 正史考察WIKIで正史をある程度把握する必要があるのと、このSSのみのぼくの考えた正史があるので注意でやんす。

・やはり今回もお試しなので一人分彼女攻略するだけでやんす。

・主人公のポジションは捕手固定でやんす

・基本書き溜めを投下するだけだから、選択肢を間違えるとバッド直行するでやんす

・12週目までに好感度が20いかなくても強制バッドでやんす

・今日は19時に終わるでやんす

・メタ発言自重しないでやんす

・パワポケは面白いでやんす

須田「前回こっちのせいでいろいろぐだって申し訳ないでやんす」

主人公の名前(デフォルトは小波)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396168959

スクルメタ


 主人公は小さいころから野球を頑張ってきた。
 そのおかげで中学生の頃にそこそこの成績をあげ、
さらにその活躍が認められ、高校は地元の野球強豪校に進学。

「ここが天下の名門、私立NIP高校か……」

「あんたも、もしかして野球部でやんすか?」

「そうだけど……どうしてわかったんだ?」

「野球のユニフォームを着てサッカーをする人はいないでやんす」

「……それもそうか。それよりあんたもって」

「そうでやんす! オイラも野球部でやんす。ちなみにポジションはピッチャーでやんす」

「そうなんだ。俺はキャッチャーなんだ。
 もしかしたら俺たちバッテリーを組むことになるかもね」

「そのときはよろしくでやんす」

「うん。一緒に甲子園目指して頑張ろう!」

 この時彼の道は光り輝いていた。少なくともこの時は……


8月4週目、NIP高校は甲子園の決勝まで駒を進めていた。

「それにしても先輩たちすごいね。甲子園に行ったと思ったら、あっという間に決勝だよ」

「今年は歴代最強とまで言われているでやんす。今まで苦戦はほとんどなしでやんす。
 まあその分オイラたちはベンチにすら入れないでやんすし、来年も熾烈な争いになりそうでやんす」

「なんの、来年こそは俺たちがあそこにいるさ」

「スクルメタ君はポジディブでやんすね。
 ……それにしても先輩たち遅いでやんす」

「たしかにそうだね。敵のチームはもういるのに」

『皆様にお知らせがあります』

「なんか放送が始まったぞ」

『今日の甲子園決勝、NIP高校対花丸高校の試合ですがNIP高校の棄権により、花丸高校が第XXの甲子園優勝校に決まりました』

「な、なんだってー!?」

 突然のNIP高校の棄権。
 それはエースの持ち物からアルコール飲料が見つかったことによるものだと後から聞かされた。


「まさか甲子園への挑戦があんな結末で終わるなんて……」

 いろいろと不良消化で終わった夏休みが終わって新学期。
 スクルメタは憂鬱な気分で登校していた。

「た、大変なことになったでやんす!」

 学校に来るとバッテリーの相方が血相を変えて近寄ってきた。
 そして彼に促されるように学校の掲示板を見ると。

「なになに、『野球部今後一年間公式非公式に問わず試合の禁止 by校長』……って、なんだよこれ!」

「しかも今後一年ってどうやら九月からまるまる一年らしいんでやんす」

「ちょっと待てよ。まるまる一年って……」

「そうでんす。来年の夏の予選も出れないでやんす……」

「そんな馬鹿な」

「さすがに二年生が可愛そうだって監督と顧問がかけあっているそうでやんすけど、望みは薄いでやんす。
 それにオイラたち一年でもどうせ一年間棒に振るんだったら何もできないここよりも練習試合はできる他の高校に行く人もいるでやんす」

「そんな……」

 ガクリと肩をおとす主人公。

「……スクルメタ君、ショックなのはわかr」

「うがーっ!」

「うわっ!? ど、どうしたでやんすか?」

「絶対に諦めない。俺は甲子園に行くぞ!」

 こうして主人公の挑戦が始まった。


スクルメタ「今日の俺の練習メニューは……よし、素振りか、頑張るぞ!」

・・・・・・・・・

 ブン、ブン!

スクルメタ「フンッ! フンッ!」

 ブン、ブン!

須田「スクルメタくーん! 部活監督がノックするって言ってたでやんす!」

スクルメタ「わかった! ……ふう、とりあえず素振りはいったん中止だな。
      部室にグラブ取りに行こ……! ……その前にトイレだな」


スクルメタ「ふう、なんとか間に合った。
      皆もうノック受けてるんだろうな。俺も早く準備しないと」

 ゴソゴソ

スクルメタ「あれ? 部室から物音がするぞ」

 ガチャ

スクルメタ「おーい、誰かいるのか?」

祥子「へ?」

スクルメタ「!? お、お前は、塩谷祥子(しおたに しょうこ)? ……何しているんだ?」

祥子「……き」

スクルメタ「き?」

祥子「キャー!!」

スクルメタ「ええっ!?」


・・・・・・・・・・・・

教師「……その話、本当なのか?」

祥子「はい……帰ろうとしていたら後ろから知らない人にいきなり野球部の部室に連れ込まれて……お、襲われそうになったんです!
   それでもうだめだ思ったときにスクルメタ君が来てくれて……
   襲ってきた人もスクルメタ君に驚いてすぐに逃げました。危機一髪です……ぐすん」

教師「……辛いことをよく話してくれたな」

祥子「いいえ、私以外に犠牲が出たらいやですから……ぐすん」

教師「そうか、塩谷は優しいな!」

スクルメタ(いやいや先生! こいつ嘘ついてますよ! 俺が来たときめっちゃ部室漁ってましたし!
      というか、思いっきりぐすんっていってるんですけど……)

教師「ん? どうしたスクルメタ、何か言いたそうだな」

A.先生、こいつ嘘ついてますよ
B.……なんでもないです

B


スクルメタ「……なんでもないです」

スクルメタ(まあ塩谷が本当に部室を荒らしてたのかはわからないし、
      もし言ってめんどくさいことになったら嫌だからここは黙っとくか)

祥子(……スクルメタ君、ありがとう)

 祥子の好感度が3上がった。
 祥子に会えるようになった。


スクルメタ「たまには学校をぶらぶらして気分転換しよう」

・・・・・・・・・・・・・

スクルメタ「あ! 塩谷だ。そういえばなんであいつ部室にいたんだろう。
      前回聞けなかったし、今聞いてみるか。おーい! 塩谷!」

祥子「! ひ、久しぶりだねスクルメタ君」

スクルメタ「久しぶりでもないだろ。ちょっと前に会ったばっかりだし。
      まあまともに話すのは久しぶりかもしれないけど」

祥子「そ、そうだよ! じゃあそういうことで……」


スクルメタ「待て、塩谷」

 ガシッ

祥子「な、何かな?」

スクルメタ「どうして逃げようとする?」

祥子「そ、そんなことないよ? ただ私はトイレに行こうとしてただけで」

スクルメタ「トイレならお前の真後ろにあるぞ?」

祥子「あっ……い、今はねトイレが満員御礼なんだよ。だから他のトイレに……」

スクルメタ「じゃあ俺はお前が出るまで待っとくぞ。それでいいのか?」

祥子「うっ……」


スクルメタ「塩谷、俺は聞きたいことがあるだけなんだ」

祥子「わ、私の誕生日は七月一週だよ?」

スクルメタ「いや、それじゃないし」

祥子「スリーサイズをここで言うのはちょっと……」

スクルメタ「だからそれでもない!」

祥子「お風呂に入って一番最初に洗うのは」

スクルメタ「なんでそっちのほうに行くの?
      もしかして塩谷って俺をそういう人だと思ってる?」

祥子「す、好きなたいい……」

スクルメタ「やめろ! いくらSSだからってCERO-Aは死守してるんだぞ!」

スクルメタ(くっそ、このままじゃらちがあかない、どうしよう……)

A.無理やりにでも聞き出す
B.今回のところは諦める

a


スクルメタ「塩谷!」

 ガシッ

祥子「き、キャー!!」

 その後教師先生にたっぷりしかられました。
 祥子の好感度が1下がった。


須田「スクルメタ君、今日は珍しく練習が午前だけですんだし、どっかに行かないでやんすか?」

スクルメタ「いいね。そうしよっか」

・・・・・・・・・・・・

 ガヤガヤ

スクルメタ「この街の商店街も少しづつ活気が戻ってきたね」

須田「ジャジメントの解体が進んでいるでやんす。
   今まで日光を奪っていた巨木が倒れれば足元の草木はまた芽吹くでやんす。
   またそのうちのどれかが巨木になるかもしれないでやんすけど」

スクルメタ「そのときはまた誰かが倒すよ。
      あれだけ大きなジャジメントだって倒れたじゃないか」


須田「そうでやんすね……あ! あの店なんてどうでやんすか?」

スクルメタ「どれ……って須田君、あれはメイドカフェじゃないか」

須田「それがどうかしたでやんすか?」

スクルメタ「やめないか? さすがに練習後にあそこに行くのは気が引けるよ。
      それに俺、ユニフォームのままだし」

須田「いつもユニフォーム着ているくせになに言ってるでやんすか。
   それにあの店、野球のユニフォームを着た人には割引されるでやんすから、
  ユニフォームを着ていっても浮く心配はないでやんすよ」

スクルメタ「ずいぶん限定的な割引なんだね」

須田「なんでもあの店の親会社からの命令だそうでやんす。
   ちなみにこの周りの店は野球のユニフォームを着ていると割増しでやんす」

スクルメタ「なんで!?」ガビーン

須田「ちなみに割増しのほうは眼鏡があると除外されるらしいから
  おいらは大丈夫でやんすけど、それでも他の店にいくでやんすか?」

スクルメタ「……その店でいいです」


・・・・・・・・・・・

 カランカラーン

祥子「お帰りくださいませ、ご主人様」

スクルメタ「須田君、いきなり入店拒否くらったぞ」

須田「野球のユニフォームを着た場合の通過儀礼でやんす」

スクルメタ(どんな通過儀礼だよ!)


祥子「お二人様ですか?」

スクルメタ「は、はい……って、お前は塩谷じゃないか!
      こんなところでバイトしていたのか?」

祥子「……ご主人様、なんのお話ですか? 私の名前はしょこりんですよ? 人間違い?」

スクルメタ「いやいや、お前それは……」

須田「スクルメタ君、いくら店員が知り合いだからって入り口で立ち往生は他の人に迷惑でやんすよ?」

スクルメタ「ぐっ……ごめんなさい。
      えっと、しょこりんさん? 案内お願いします」

店員「はーい、かしこまりました。
   九番テーブルにヒモ二名入りまーす!」

スクルメタ「須田君、これも通過儀礼なのかい?」

須田「そうでやんす」


・・・・・・・・・・・

祥子「ご主人様、メニューをお持ちしました」

須田「ありがとうでやんす」ヒョイ

スクルメタ「……あの、俺のぶんは?」

祥子「ご主人様、コーヒーとハムサンド、どちらになさいますか?」

スクルメタ「まさかの二択!? す、須田君まさかこれも……」

祥子「ど・ち・らになさいますか?」

スクルメタ「うっ……じゃ、じゃあ……」

A.コーヒー
B.ハムサンド
C.ふざけるな! メニューもってこい!

C


スクルメタ「ふざけるな! メニューもってこい!」

祥子「……かしこまりました」

 スタスタスタ

須田「スクルメタ君、失望したでやんす」

スクルメタ「え?」

 祥子の好感度が1下がった。


須田「そういえばスクルメタ君、前カフェに行ったときに声かけてたでやんすけど、
  しょこりんとお知り合いだったでやんすか?」

スクルメタ「知り合いというより、同学年なだけだよ。クラスは違うけど」

須田「ふーん……しょこりんのこと好きでやんすか?」

スクルメタ「えっ? ど、どうしてそんな話になるのさ!」

須田「答えろでやんす!」

A.好き
B.好きじゃない

A


スクルメタ「好き、かな?」

 塩谷の好感度が1上がった。

スクルメタ(まあ、塩谷に悪感情は持ってないし)

須田「良かったでやんす」

スクルメタ「はあ? なんで?」

須田「これでのりこんはおいらのものでやんすから」


スクルメタ「のりこんって、誰?」

須田「あの店の料理を担当している人でやんす!
   めったに出てこないでやんすけど、あの人のメイド姿においらはいちころでやんす」

スクルメタ「そ、そうなんだ……でも、それなら俺に言わなかった方が良かったんじゃ……」

須田「あっ! わ、忘れろでやんすー!」

 ポカ、ポカ!

スクルメタ「いたっ! だ、大丈夫、狙わないから」

須田「そんなの信用できるかでやんすー!」



祥子「……」


須田「スクルメタ君、今日もあの店に行こうでやんす」

スクルメタ「ええっ、また? 今週末、練習試合あるじゃないか」

須田「たまには気晴らしも必要でやんす」

スクルメタ(うーん、そういうものかな?)

A.いく
B.いかない

A


スクルメタ「わかったいくよ」

須田「さすがスクルメタ君! 話がわかるでやんす~♪」

・・・・・・・・・・・・

スクルメタ「そういえば須田君、どうして俺を誘ったの?」

須田「え?」

スクルメタ「いや、別に行くのが嫌なわけじゃないけどさ、
      その、のりこんさん? って人に会わせたくないなら俺がいないほうがいいんじゃない?
      俺がいると須田君ものりこんさんに会えないよ?」


須田「べ、別に、のりこんはめったに会えないから、
   のりこんと会えるためのポイント集めにスクルメタ君を利用しているわけじゃないでやんすよ?」

スクルメタ(そういうわけだったのか。たしかに前行った時も会計時に須田君が何かしてたな。
      まあ別に俺が損しているわけでもないんだしいいか……あれ?)

 ゴソゴソ

スクルメタ「……ない」

須田「ないって何がでやんすか?」

スクルメタ「財布が……部室に置いてきちゃったのかも。
      ちょっと取ってくるから先に行ってて」

須田「早くするでやんすよ」


・・・・・・・・・・・・・

 ゴソゴソ

スクルメタ「! また部室から物音がする。これはきっと……」

A.祥子だろうな
B.しょこりんだろうな

A


 ガチャ

スクルメタ「おーい、祥子?」

祥子「へ? スクルメタ君!?」

スクルメタ「やっぱりお前だったのか」

祥子「……え、えっとね。これは……」

スクルメタ「安心しろよ。別にお前をどうこうするつもりはない。
      また叫ばれて先生が来るのはこっちも嫌だし」

祥子「……いいの? 私は泥棒に入っただけかもしれないよ?」

スクルメタ「練習中ならともかく、練習後なんて誰も荷物置いてないだろ。
      まさか野球道具盗みにきたわけでもないだろうし。
      それに、お前が野球部室くるぐらいだ。よっぽどのことなんだろ?」


祥子「ありがとう、スクルメタ君。
   ……でもね、野球道具とりにきたことは間違いじゃないよ」

スクルメタ「はあ!? どうして?」

祥子「お兄ちゃんの野球道具をとりに来たんだ」

スクルメタ「お兄ちゃんって塩谷先輩? 頼まれたのか?」

祥子「う、うん。そんな感じ。この部室にあると思うんだけど……」

スクルメタ「いや、ないんじゃないかな? 基本引退した先輩たちは道具はちゃんと持ち帰ってるぞ」

祥子「でも家にはなかったし、ここ以外は考えにくいんだけど……」

スクルメタ「じゃあ捨てられたのかもな。
      ちなみに塩谷先輩が忘れたのって何なんだ? スパイク? グローブ?」

祥子「それは……秘密」


スクルメタ「はあ? どうしてだよ?」

祥子「どうしても、機密事項」

スクルメタ「……まあいいけどな。お前にもいろいろ理由があるのかもしれないし。
      それよりそろそろ出た方がいいぞ。見回りがくる」

祥子「えっ!? どうして?」

スクルメタ「お前の発言のせいで不審者対策として見回れることになったんだよ」

祥子「そんな……早く見つけないといけないのに」

スクルメタ(自業自得といえば自業自得だけど……)

A.これから一緒に探してやろうか?
B.諦めたほうがいいんじゃないか?

A


スクルメタ「これから一緒に探してやろうか?」

祥子「ええっ!? い、いいよ、そんなこと……」

スクルメタ「遠慮するなよ。それに俺の都合でもあるし」

祥子「え?」

スクルメタ「もし塩谷が他の誰かに見つかったら問題になるかもしれないだろ?
      それで練習や大会に支障が出たら困るじゃないか」

祥子「あ! ご、ごめん。私そういうこと無神経だったよ」

スクルメタ「そう思うんだったら協力させてくれよ」

祥子「でも私の兄ちゃんは……」

スクルメタ「早くしないと先生来るぞ」

祥子「……」

スクルメタ「……」

祥子「……お願いしてもいいかな?」

スクルメタ「もちろん!」

 祥子の好感度が3上がった。

今日はこれで終わりでやんす
現在の好感度は5でやんす
次もよろしくお願いするでやんす

再開するでやんす
今日も19時まで協力お願いするでやんす

スクルメタ「さて、今日は塩谷を手伝うわけだけど……
      塩谷、俺って何をすればいいんだ?」

祥子「ええ? 考えてなかったの?」

スクルメタ「ああ。塩谷を手伝うのは思いつきで言ったからな」

祥子「うーん、それじゃあ見張りのほうお願いするよ」

スクルメタ「それだけでいいのか?」

祥子「しかたないよ。探し物について黙っているのは私だし。
   あっ、重い物とかあって動かさないといけないときとかは手伝ってね」

スクルメタ「わかった。で、どこを探すんだ?」

祥子「うーん、あっ、そうだ! スクルメタ君が決めてよ」

スクルメタ「ええっ、俺が!?」

祥子「うん、私が思いつくところはだいたい探し回っちゃったし、スクルメタ君が場所を選んでよ、方針委託」

スクルメタ「えーと、それじゃあ」

A.忘れ物部屋
B.野球部室
C.体育倉庫
D.今日は探さない

B


スクルメタ「今日は部室を探してみるか」

祥子「わかったよ、合点承知」

・・・・・・・・・・・・・・

 ガサゴソ、ゴソゴソ

スクルメタ「……見つかったか?」

祥子「まだ」

スクルメタ「やっぱりここにはないんじゃないか?」

祥子「うーん、ここが一番可能性が高いはずなんだけど……」

スクルメタ「でもここって荷物がそうあるわけじゃないし、
     何かあるならすぐに見つけられると思うんだけど……」


祥子「もうちょっとだけ探させてよ、延長突入!」

スクルメタ「それはいいけど……なあ、一つ聞いてもいいか?」

祥子「何を? 探し物の正体なら言えないよ?」

スクルメタ「それは知ってるよ。そのことじゃなくてさ」

祥子「私の好み? うーん、兄ちゃんみたいな人かな?」

スクルメタ「いや、それでもない」

祥子「私の性かんた……」

スクルメタ「それ以上は言わせないぞ!」

祥子「グフフ、いやらしいですなオマエら!」

スクルメタ「いやらしいのはお前だ」

スクルメタ「それになんだよお前のその口調」

祥子「あれ? このセリフしらない?」

スクルメタ「え、何かのセリフだったのか?」

祥子「うん、最終兵器ジナイダってアニメだけど」

スクルメタ「知らないなあ、有名なのか?」

祥子「うん、最近の作品なんだけど、けっこう好きな人も多いらしいよ」

スクルメタ「へえ、雑談寮にはテレビないからなあ……どんな話なんだ?」

祥子「悪の組織にさらわれた少女が改造手術を受けてサイボーグになって」

スクルメタ「あ、わかったぞ! その悪の組織と戦うって展開だろ?」

祥子「違うよ」

スクルメタ「へ?」

祥子「悪の組織の一員として次々人を殺していくの」


スクルメタ「な、なんだって……!? そ、そんなの放送していいのか?」

祥子「さあ? 直接描写はないし、よかったんじゃないかな」

スクルメタ「そういう問題なのか?」

祥子「まあ、アニメのほうはその後主人公が次に命令されたところにいくんだけど、
  そこで家族を知って殺す対象のいる家庭の家族になろうとするんだけど」

スクルメタ「ああ、そこで悪の組織を裏切るのか」

祥子「いや、主人公はちゃんと命令通りに対象を殺したよ、任務遂行」

スクルメタ「……え!?」

祥子「葛藤はあったんだけどね。でも主人公は最後まで兵器であることを貫き通したんだよ」


スクルメタ「……なかなかダークな感じのSFだな」

祥子「SF? 違うよ、ギャグアニメだよ」

スクルメタ「ぎ、ギャグアニメ!? あきらかに設定も展開も暗すぎるじゃないか!」

祥子「なんかアニメの監督がせっかくのギャグアニメだから笑えるほど悲惨なほうがいいって言ったらしいよ」

スクルメタ「……なんてひねくれた監督だ」


祥子「ところでスクルメタ君が聞きたかったことってなにかな?」

スクルメタ「あっ、そうだそうだ、忘れてた」

祥子「もう、スクルメタ君から言い出したことなんだからしっかりしてよね! 若年健忘?」

スクルメタ「お前が脱線させるのが悪いと思うんだが……まあ、いいや。
      聞きたいことはあれだ……塩谷先輩は元気にしているか?」

 ピタッ

スクルメタ(え? 俺何か悪いこと言った?)

祥子「……どうしてそんなこと聞くの?」

スクルメタ「い、いや、別に深い意味はないんだ。
      ただお前が何を探しているのかは知らないけど、もしそれが野球道具ならまたいつか一緒に野球を……」

祥子「死んだよ」

スクルメタ「…………え?」

祥子「兄ちゃんは死んだよ。去年、夏に入る前に。首つり自殺だった」

A.嘘だろ?
B.本当なのか?
C.ごめん

B


スクルメタ「本当、なのか?」

祥子「……うん」

 祥子の好感度が1上がった。

スクルメタ「塩谷先輩はどうして……?」

祥子「罪の意識に耐えられなかったみたい。馬鹿だよね、自分がしたことなのに……」

スクルメタ「そんなこと……」

「……忘れ物をしてしまうとはな、うかつだった」……スタスタ

スクルメタ「あっ、誰か来るかも! 塩谷、急いで逃げろ!」

祥子「う、うん……ってどうしよう。ここから出るところ目撃されちゃったら意味ないよう!」

スクルメタ(あっ……そのこと考えてなかった)

 スタスタスタ

祥子「わわ……き、来ちゃう……!」

スクルメタ「くっ……塩谷、こっちだ!」

 グイッ

祥子「え?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

杏香「あれ? 鍵が開いてる……誰かいますか?」

 シーン

杏香「……鍵の閉め忘れか、不用心だな」

スクルメタ(まさか杏香ちゃんだったとは)

祥子「すすす、スクルメタ君、これは……」コソコソ、ワタワタ

スクルメタ「ごめん。きついと思うけどちょっと我慢してくれ」コソコソ

祥子「い、いや。そうじゃなくて、この体勢は…はうう……」コソコソ、モジモジ

スクルメタ(というか、俺まで隠れる必要なかったな)


・・・・・・・・・・・・・・

杏香「さて、用事はすんだし、部屋から出るとするか」

スクルメタ「……なんとかやりすごせそうだな」コソコソ

祥子「そ、そうだね、うう……」コソコソ、ドキドキ

杏香「……これはただのひとり言だが、問題が生じて試合に出れなくなるようなことを防ぎたいならもっと考えて行動するべきだと思うぞ。」

スクルメタ・祥子「!!」ビクン!

杏香「それと、鍵のほうをよろしくな」

 ガラッ、スタスタスタスタ

祥子「……ばれてたみたいだね」

スクルメタ「ああ……とりあえずここから出るか」


 キイ、ガチャン

スクルメタ「塩谷、大丈夫だったか?」

祥子「う、うん。大丈夫だよ」

スクルメタ「それならいいんだけど……あれ?
   塩谷、顔が赤いようだけど本当に大丈夫なのか? 熱があるんじゃないのか?」

祥子「そ、それはスクルメタ君が……」ゴニョゴニョ

スクルメタ「ん? 俺がなんかしたか?」

祥子「や、やっぱなんでもない! 私なら本当に大丈夫、元気溌剌だから!」

スクルメタ「そっか? それならいいんだけど……で、どうする? まだ探すか?」

祥子「うーん、ここはもういいかな。それより他探してみるよ」

スクルメタ「わかった」

今日は終わりでやんす
協力ありがとうでやんす
明日は22時ごろに投下するでやんす

再開するでやんす

祥子「今日はどこを探す?」

スクルメタ「えーと、それじゃあ」

A.忘れ物部屋
B.体育倉庫
C.今日は探さない

B


スクルメタ「今日は体育倉庫を探してみるか」

杏香「わかったよ、合点承知」

・・・・・・・・・・・

 ガサゴソ、ゴソゴソ

スクルメタ「……見つかったか?」

祥子「まだ」

 ガサゴソ、ゴソゴソ

スクルメタ「……なんとなくここに来たけどさ、ここにありそうか?」

祥子「うーん……正直に言うとね、ここにはないと思うよ」


スクルメタ「やっぱりそうか……って、そうなら早く言ってくれよ!
      可能性が低いならわざわざここを探す必要ないじゃないか」

祥子「それはそうなんだけど、今まで私が探していた場所にはなっかし……それに」

スクルメタ「それに?」

祥子「せっかくスクルメタ君が提案してくれたものだし、断りたくなかったんだよ」

スクルメタ「……それは、俺と塩谷先輩が同じ部活だったから、考えることが似ているとでも?」

祥子「違うよ。スクルメタ君の意見だから、だよ」

スクルメタ(恥ずかしいことを平気で言うなあ。せっかく逃げたのに)


祥子「それにしてもここは広いね。普段くることないからびっくりだよ」

スクルメタ「まあ授業で使うものだし、だいたいの球技は一式そろっているからな。
      気をつけろよ? 下手に積んである道具崩したらシャレにならないぞ?」

祥子「そのときは分校の弱小校にいって、甲子園優勝を目指すよ」

スクルメタ「お前はどこの野球選手だ」

祥子「えへへ、昨日テレビで特集やってたの見てたんだよ。
   すごいよね、怪我から立ち直っただけじゃなくて甲子園優勝までいくなんて、逆襲球児?」

スクルメタ「まあ、あの人はもとから才能があったからな。
      それでも努力したんだろうし、甲子園優勝なんてすごいことだけど」

祥子「……でもここの野球部も今はそんな感じだよね。
   強かったのに、どんどん人がいななくなって、落ちぶれて……お兄ちゃんのせい、だよね……?」

A.そうだ
B.そうじゃない
C.落ちぶれてなんていない

Bc


スクルメタ「そんなことはない」

祥子「でも、兄ちゃんが……」

スクルメタ「たしかに塩谷先輩のやったことは許されないことだ。
      けど、他の学校にいった人たちは自分の意志でいったんだ。塩谷先輩は関係ない」

祥子「……うん、ありがとう」

 祥子の好感度が1上がった。


 ガサゴソ、ゴソゴソ

スクルメタ「ないか?」

 グラグラ……

祥子「……うん、ここにはなさそうかも」

スクルメタ「そうか。悪かったな無駄足を踏まさせて」

祥子「ううん、ここにはないとわかっただけで収穫だよ」

スクルメタ「そういってもらえると助かる。そろそろ戻ってこいよ」

祥子「うん」チョン

スクルメタ(あ! 塩谷の体が積み上げている段ボールに当たった。これは倒れる!)

 グラッ

スクルメタ「塩谷、危ない!」

祥子「え?」

スクルメタ(間に合え!!)

 ガバッ!

 がらがらがらっ!!


スクルメタ「っ……塩谷、大丈夫か?」

祥子「う、うん。スクルメタ君は?」

スクルメタ「俺も大丈夫だ。ごめんな急に押したりして」

祥子「き、気にしてないよ。スクルメタ君は助けようとしてくれただけだし」

 急いでいた俺は塩谷を近くのマットへと押し倒し、その上に覆いかぶさるようにして塩谷を守った。
 その結果落下してきたものは全て俺にふってきたが、幸いなことにけがはない。

スクルメタ(しかし段ボールの中身は体育祭用のポンポンだったか。
      当然といえば当然か、重いものは上のほうには積まれないだろうし)


祥子「むしろ嬉しかったというか……」

スクルメタ(それにしてもはやとちりしすぎたな。おかげですりむいてしまった。
      まあ塩谷が怪我をしなくてすんだんだから結果オーライだけど、それよりも……)

 とりあえずの危機はさったが、俺が塩谷に覆いかぶさったままの今の状況は違う意味まずいだろう。
 だが俺は今の体勢上、後ろ側の様子がわからない。
 下手に動いて塩谷がまた危ない目にあったら意味がないのでまず塩谷に抜け出てもらうことにした。

祥子(はっ、今の状況って……まさか!)

スクルメタ「塩谷」

祥子「ひ、ひゃい!?」

スクルメタ「悪いけど先にどいてもらえると……」

祥子「だ、大丈夫!」

スクルメタ「へ?」

祥子「わ、私はもう心の用意はできてるよ、準備万端!」

スクルメタ「な、なにを……」

祥子「……」スッ

スクルメタ(なんで黙って目をつむるんだ……!?)


 ふんばっているが、体勢的に無理があるせいで筋肉がプルプルと震える。
 体の一部が熱くなってきた。

スクルメタ(これ、もうゴールしていいよね……?)

 ドクン、ドクン

祥子「……」ドキドキ

 ドクンドクン

スクルメタ「……」プルプル

 ドクンドクンドクン……


 ピンポンパンポーン

毒島『……三年スクルメタ』

スクルメタ・祥子「えっ?」

毒島『至急保健室に来るように以上』

 パンポンピンポーン

祥子「……呼ばれてたね」

スクルメタ「あ、ああ……行ってくる」

スクルメタ(なんとなく助かった気がする)


・・・・・・・・・・・・・・

スクルメタ「すみませーん」

毒島「……待ってた。怪我したところ見せて」

スクルメタ「あ、はい」

 塩谷には気付かれないように隠していたけど、
ふんばっていたときから熱を持ちはじめた擦り傷からはそれなりに血が流れていた。

毒島「……このぐらいなら記憶を消さなくてすむ」ボソ

スクルメタ(なんか怖いことを言われた気がする……)ドヨーン


 シュッ、シュッ、ペタッ

毒島「……これで終わり」

スクルメタ「ありがとうございます」

毒島「……場所は気を付けるべき。もしあの状況を誰かに見られたら、危なかった」

スクルメタ「いや、あれは……って、先生どうして知っているんですか?」

モブB「すみませーん。呼ばれたので来たんですけど……」

毒島「……あなたの治療は終わった。もう行って」

スクルメタ「は、はい」

祥子「今日はどこを探す?」

スクルメタ「えーと、それじゃあ」

A.忘れ物部屋
B.今日は探さない

A

a


スクルメタ「今日は職員室のほうに行ってみるか」

祥子「わかったよ。けど、どうして職員室なの?」

スクルメタ「職員室の隣に落し物置かれてる部屋があるだろ?
      あそこのものって基本捨てられずに溜められるらしいんだよ。
      一応、行ってみたほうがいいんじゃないか?」

祥子「そうだね、合点承知」


・・・・・・・・・・・・

 ガサゴソ、ゴソゴソ

スクルメタ「……見つかったか?」

祥子「……見つかったよ」

スクルメタ「そうか……って、ええ!?」

祥子「これがこんなところにあったなんてびっくりしたよ。ほら見てみて」スッ

スクルメタ「こ、これが……」ゴクリ

祥子「うん。これが…………校長先生のカツラ」

 どんがらがっしゃーん!


祥子「あれ? スクルメタ君どうしたの?」

スクルメタ「どうしたはこっちのセリフだ! 塩谷先輩のじゃないのかよ!!」

祥子「そんなわけないよ。さすがに十代でカツラをしている人は少ないよ。
   それに兄ちゃんもスクルメタ君たちと同じで坊主頭だったでしょ?」

スクルメタ「それはそうなんだけど、お前は塩谷先輩の忘れ物探してるんだろ。
      わざわざいらないものを探すなよ」

 探し物の正体を知らないから、カツラを出されたとき通りで言えないわけだと納得しかけたのは秘密だ。


祥子「いらなくなんてないよ! 髪の毛は大事だよ。
   校長先生今頃カツラがなくて泣いているかも」

スクルメタ「そういう意味じゃないんだが……」

スクルメタ「それと校長のほうはさっきもバレバレのカツラをのせて歩いているのを見たから大丈夫だ。
      おそらくそれはなくしたやつだろ。目をつぶってやれ」

祥子「校長先生の頭がまぶしいから目をつぶれなんてスクルメタ君酷いよ!」

スクルメタ「酷いのはお前だ!! ……はあ、ふざけてるなら手伝わないぞ?」

祥子「ごめんごめん。ちゃんとするよ、捜索再開」


・・・・・・・・・・・・・

 ガサゴソ、ゴソゴソ

祥子「……なんかこうしているとあのときのこと思い出すね」

スクルメタ「あの時のこと?」

祥子「ほら、一年の頃に私がなくしものをして、放課後の教室を探し回っていたときだよ」

スクルメタ「ああ、そんなこともあったけ」

祥子「あのときもスクルメタ君は私を助けてくれたよね。
   あの後スクルメタ君すぐに練習に行っちゃったから言い忘れてたけど、本当にありがとう」

スクルメタ「どういたしまして……って、別にお礼を言われることじゃないけどな。
      あのときも結局見つけたのは塩谷だったし」


祥子「ううん、お礼を言うことなんだよ。
   だってスクルメタ君の前にも野球部の人たちはいたけど皆帰っちゃったし」

スクルメタ「……」

祥子「あっ、だからって別に悪く言うつもりはないよ。なくしたのは私のものだったし」

祥子「それにあの事件の後だから、しょうがないって感じかな。むしろ何もしてくれてないってだけで感謝だよ。
   恨み言を言われたっておかしくなかったし」

スクルメタ「……塩谷が悪いことしたわけじゃないだろ」

祥子「うん、そうだね……でも、人ってそう簡単に割り切れないんだよ。割り切れる人はすごいんだよ」

祥子「だからスクルメタ君が一緒に探してくれたことが、普通に声をかけてくれたことが私には嬉しかったんだよ。
   ……ねえスクルメタ君、どうしてあの日一緒に探してくれたのかな?」

A.当然のことだから
B.同じクラスだったから
C.塩谷先輩の妹だったから
D.どうせ自主練習だったから

a

a

連投ミス

スクルメタ「困っていたら助けるのは人として当然だろ」

祥子「……やっぱりそうだよね、うん、スクルメタ君ならそう言うと思ってたよ」

 祥子の好感度が1上がった。

祥子「……私ね、当時転校しようと思ってたんだよ」

スクルメタ「それは野球部に塩谷先輩の件で罪悪感があったからか?」

祥子「うん。自己満足の罪悪感だったけどね、私は本気だったんだよ」

祥子「でもあの日にスクルメタ君に助けてもらってなんとなく転校に乗り気じゃなくなって、
  気が付いたらクラスの野球部の皆がいなくなっちゃった」

祥子「私がずるずる先延ばしにしてたせいで……ごめんね、スクルメタ君」

スクルメタ「塩谷せいじゃない。もし塩谷が転校していたとしても結果は変わらなかったよ」


祥子「うん、ありがとう……でも今はそいうことを言いたいんじゃないの」

スクルメタ「え?」

祥子「……あ、あのね、私がこの学校に残ったのはね、す、スクルメタ君が……」

スクルメタ「俺が?」

祥子「すっ、すす…す……」ボソ

 タタタタタタタタ

教師「スクルメタ! 塩谷! ここでなにをしているー!!」

スクルメタ・塩谷「「わ、わあ!?」」

 この後説教を受けました。


・・・・・・・・・・・・・・

塩谷「……あはは、説教されちゃったね」

スクルメタ「あはは、じゃねえよ。塩谷、なんで先生のこと言わなかったんだよ」

 俺たちは監督者不在で落し物部屋にいたということで説教を受けた。
 どうやらあの部屋に入るには事前に先生の許可をとるのと、勝手に持ち物を盗み出さないように先生を一人監督につかせないといけないらしい。
 俺は鍵を取りに、塩谷はあの部屋への入室許可をもらいに別れていたので、俺はそのことを知らなかった。

塩谷「一応聞いたんだよ?
   そしたらあきらかに暇そうな先生に『今日は暇のある先生がいないから別の日にしなさい』って言われて。
   スクルメタ君は野球部の練習で忙しい中手伝ってくれているのに」

スクルメタ「だからってルールはルールだ。
      気持ちはわかるけど、気にくわないからって破っていい理由にはならないんじゃないか?」

塩谷「うん……ごめんね、スクルメタ君」シュン

スクルメタ「……まあ、塩谷は俺のことを気にかけてくれたんだろ? 
      いけないことだけど、嬉しかったよ、ありがとう。次も一緒にあそこを探そうな」

塩谷「うん、次こそは校長先生のカツラを持ち帰ってみせるよ!」

スクルメタ「……目的変わってるぞ」

再開するでやんす

祥子「今日はどこを探す?」

スクルメタ「えーと、それじゃあ」

 今日は探さない


スクルメタ「今日は……」

 ピピピ、ピピピ

祥子「あっ、私の携帯……ごめん、スクルメタ君。今日は一緒に探せないや」

スクルメタ「なにかあったのか?」

祥子「たいしたことじゃないよ。バイトの呼び出しだから」

スクルメタ「バイトの日を忘れてたのか?」

祥子「ううん、そうじゃないよ。店が忙しいから来られる人は来て連絡受けたんだよ、任意出勤」

スクルメタ「そうか、頑張れよ」


祥子「うん。でもバイトまで少し暇あるし、もう少し話そう。いいかな?」

スクルメタ「ああ、もともと捜索に使う時間だったし。
      しかしいまさらだけど、塩谷バイトしてたんだな。あの店で塩谷と会ったときは驚いたよ」

祥子「私もビックリしたよ。まさかスクルメタ君にメイド趣味があったなんて」

スクルメタ「いや、あれは一緒にいた野球部のやつに連れられて……」

祥子「で、でもね、それくらいなら私は大丈夫だから……」

スクルメタ「何を言っているんだ!?
      ほら、あそこに行ったのは野球のユニフォームのほうが料金安くなるし、他の店だと高くなるんだろ?」

祥子「? たしかにうちの店は野球姿だと料金安くなるけど、他の店行くと高くなるなんてないよ?」

スクルメタ(……須田君め、嘘つきやがったな)

・・・・・・・・・・

 雑談寮の須田の部屋

須田(そういえば、スクルメタ君に嘘だと教えるの忘れてたでやんす。まあいいでやんす~♪)

・・・・・・・・・・


スクルメタ「ま、まあそれはおいといてさ、どうして塩谷はバイトしてるんだ?
      たしかにここはバイトを禁止されてるわけではないけど、一年のころはしてなかっただろ?」

 ピタッ

祥子「……」

スクルメタ(しまった、地雷だったか?)

祥子「……うん、そうだね」

スクルメタ「い、言いたくなければいわなくていいけど……」

祥子「ううん、大丈夫だよ……あそこでバイトをしているのは私が弱いから……」

スクルメタ「?」

祥子「弱いから家にあまり帰りたくないんだよ」


スクルメタ「どういう意味なんだ? 家に帰りたくないって……」

祥子「深い意味はないよ。事情がいろいろあって家に居づらいだけ」

祥子「あっ、いろいろっていっても、別に私が酷い仕打ちにあってるわけじゃないよ?
   むしろ家族は私に気をつかっていて優しいんだ。本当に、優しい……それがなんか居心地悪くて……」

スクルメタ「……」

祥子「贅沢な悩みだよね」

祥子「家族皆に優しくされていながらそれを居心地悪く思うなんて……スクルメタ君もそう思うよね?」

スクルメタ「……ああ」

祥子「やっぱり、そうだよね……」

スクルメタ「でもしかたないんじゃないか?」

祥子「……えっ?」


スクルメタ「家族なんて一番気をつかわれたくない存在なのに気をつかわれるとかえって居づらくなるよな」

スクルメタ「しかもそれが相手からの善意だとやめてくれって言い辛いし」

祥子「う、うん……」

スクルメタ「元気に振るまっていてもさ、逆に無理してるんじゃないかと心配されたりして、
    結局いつも通りにして時間が過ぎていくのを待つしかないんだよな」

祥子「スクルメタ君にも経験あるの?」

スクルメタ「まあ一応」

スクルメタ「俺の家、両親いなくてさ、育ててくれている人が授業参観来るんだけどその後いつも優しくされるんだ。
      俺はまったく両親のことなんて気にしてないのにさ」

祥子「そうだったんだ」

スクルメタ「俺の場合は口下手だから野球することで気にしてないってアピールしていたよ」


祥子「……スクルメタ君は強いね」

スクルメタ「そうでもないさ。偉そうに言ったけど、こういうものって今だから言えるだけで、
      当時はただ居心地の悪さに悶々してそのはけ口が野球しかなかっただけだし」

祥子「ううん、強いよ。そうやって弱さを引きづってでも前に進んだのは強い証拠だよ。私なんて……」

スクルメタ「塩谷も同じだろ?」

祥子「え?」

スクルメタ「親に大丈夫だって、平気だってと伝えたい。だからバイトを始めたんだろ?」

祥子「スクルメタ君は私のこと買いかぶりすぎだよ。私は……」

スクルメタ「買いかぶってなんていない。たとえ塩谷が違うって言っても、本当にそう思ったことがなかったとしても、
     心の中に俺の言ったような部分があるはずなんだ。気づいてないだけで」


祥子「どうしてそこまで言えるの?」

スクルメタ「俺の知っている塩谷はそういうやつだからな」

祥子「!」

スクルメタ「まあ一年同じクラスだっただけだった俺が塩谷のことをについて語れる立場じゃないと思うかもしれないけど……」

祥子「そ、そんなことないよ! むしろスクルメタ君が一番知ってるよ! よっ! 私博士!!」

スクルメタ「……フォローしてくれてるんだろうけど、その褒め方はどうなんだ?」

祥子「そ、それなら塩博士!」

スクルメタ「しょっぱそうな博士だな」

祥子「じゃあ女博士?」

スクルメタ「ただのスケベじゃねえか!」

祥子「……あっ、女泣かせ!」

スクルメタ「博士ですらなくなった!?」

 祥子の好感度が3上がった。


スクルメタ「さて、今日も探すか」

祥子「ねえスクルメタ君、今日は校長室探してもいいかな?」

スクルメタ「校長室!? そんなところにあるのか?」

祥子「わからない……でもありそうなところは一通り探しちゃったし……」

スクルメタ(たしかに野球道具で可能性がありそうな場所はもうなかったけど……校長室か)

祥子「駄目かな?」

A.いいぞ
B.だめだ

B


スクルメタ「だめだ。野球道具なんだろ? そんなところにはないよ」

祥子「そう、だよね。うん、別のところさがそっか」

 しかし結局塩谷は探し物を見つけることができなかったらしい。



 攻略失敗でやんす
 条件が満たせてないからアルバムもまだだめでやんす
 どうするでやんすか?

A.スレをおとす
B.やり直す(安価指定)
C.はじめからやり直す(>>8から)

選択肢ミスか
C

>>6-7

・・・・・・・・・・・・

教師「……その話、本当なのか?」

祥子「はい……帰ろうとしていたら後ろから知らない人にいきなり野球部の部室に連れ込まれて……お、襲われそうになったんです!
   それでもうだめだ思ったときにスクルメタ君が来てくれて……
   襲ってきた人もスクルメタ君に驚いてすぐに逃げました。危機一髪です……ぐすん」

教師「……辛いことをよく話してくれたな」

祥子「いいえ、私以外に犠牲が出たらいやですから……ぐすん」

教師「そうか、塩谷は優しいな……」

スクルメタ(いやいや先生! こいつ嘘ついてますよ! 俺が来たときめっちゃ部室漁ってましたし!
      というか、思いっきりぐすんっていってるんですけど……)

教師「ん? どうしたスクルメタ、何か言いたそうだな?」

A.先生、こいつ嘘ついてますよ
B.……なんでもないです

B

>>10 好感度が3上がった。

>>11-12

スクルメタ「塩谷、俺は聞きたいことがあるだけなんだ」

祥子「わ、私の誕生日は七月一週だよ?」

スクルメタ「いや、それではないな」

祥子「スリーサイズをここで言うのはちょっと……」

スクルメタ「それでもない!」

祥子「お風呂に入って一番最初に洗うのは」

スクルメタ「なんでそっちのほうに行くの? もしかして塩谷って俺をそういう人だと思ってる?」

祥子「す、好きなたいい……」

スクルメタ「やめろ! いくらSSだからってCERO-Aは死守してるんだぞ!」

スクルメタ(くっそ、このままじゃらちがあかない、どうしよう……)

A.無理やりにでも聞き出す
B.今回のところは諦める

B


スクルメタ(しかたない、今回は諦めよう)

教師「スクルメタ! 塩谷! お前ら何を廊下で騒いでいる!」

スクルメタ(げえ! 先生だ!)

祥子「先生、すみません。
   私の肩に埃がついていたのをスクルメタ君がとってくれたんですけど、前の事件がフラッシュバックしちゃって。
   つい大声を出しちゃいました」

教師「何? しかし声はスクルメタのも聞こえたが」

祥子「スクルメタ君も突然大声を出されて驚いたんだと思います。ね、スクルメタ君?」

スクルメタ「う、うん……」

教師「そうか、ならばしょうがないな」

スクルメタ(あぶねえ。もし無理矢理聞き出そうとしてたらどうなっていたことか。
      それより今の言い訳の流暢さ、あいつはじめからこれが狙いだったな……)

 祥子の好感度が1上がった。

>>16-19

・・・・・・・・・・・

祥子「ご主人様、メニューをお持ちしました」

須田「ありがとうでやんす」ヒョイ

スクルメタ「……あの、俺のぶんは?」

祥子「ご主人様、コーヒーとハムサンド、どちらになさいますか?」

スクルメタ「まさかの二択!? す、須田君まさかこれも……」

祥子「ど・ち・らになさいますか?」

スクルメタ「うっ……じゃ、じゃあ……」

A.コーヒー
B.ハムサンド
C.ふざけるな! メニューもってこい!

B


スクルメタ「ハムサンドで」

祥子「……」

須田「……」

スクルメタ(なんだこの間は?)

祥子「……ご主人様、残念でした」

 スタスタスタ

須田「スクルメタ君、ドンマイでやんす」

スクルメタ「何の話だ?」

 祥子の好感度が1上がった。


須田「そういえばスクルメタ君、前カフェに行ったときに声かけてたでやんすけど、しょこりんとお知り合いだったでやんすか?」

スクルメタ「知り合いというより、同学年なだけだよ。クラスは違うけど」

須田「ふーん……しょこりんのこと好きでやんすか?」

スクルメタ「えっ? ど、どうしてそんな話になるのさ!」

須田「答えろでやんす!」

A.好き
B.好きじゃない

B


スクルメタ「好きとまではいかないかな。別に嫌いというわけでもないけど」

 塩谷の好感度が3上がった。

須田「困ったでやんす」

スクルメタ「はあ? なんで?」

須田「スクルメタ君にのりこんをとられてしまうかもしれないでやんす」

>>26

>>27→B
(ここはAをとるとバッドしかいけない罠だったのですが、一回やり直ししたので自動的にBにします)

スクルメタ「いや、今日はいいや。もう少し自主練したいし」

須田「スクルメタ君は練習の虫でやんすねえ。
   もういいでやんす。おいら一人で行くでやんす!」

 スタスタスタスタ

スクルメタ「さて、素振りでもするか」

・・・・・・・・・・・・・

スクルメタ「ふう、そろそろ終わろうかな……ん? あれはボール?」

 スタスタスタスタ、ヒョイ

スクルメタ「やっぱりそうだ。なおし忘れ……じゃないよな、ずいぶん汚れているし。もう使えそうにないや。
      きっと以前見つけられなかったやつの一つだろうな。捨てるのももったいないし、もらっておこう」

・・・・・・・・・・・・・

 ゴソゴソ

スクルメタ「! また部室から物音がする。これはきっと……」

A.祥子だろうな
B.しょこりんだろうな

A

安価する必要がないであろうものは自動的に処理します

>>33-37 祥子の好感度が3上がった。
>>85-92 祥子の好感度が3上がった。

>>41-47

祥子「ところでスクルメタ君が聞きたかったことってなにかな?」

スクルメタ「あっ、そうだそうだ、忘れてた」

祥子「もう、スクルメタ君から言い出したことなんだからしっかりしてよね! 若年健忘?」

スクルメタ「お前が脱線させるのが悪いと思うんだが……まあ、いいや。
      聞きたいことはあれだ……塩谷先輩は元気にしているか?」

 ピタッ

スクルメタ(え? 俺何か悪いこと言った?)

祥子「……どうしてそんなこと聞くの?」

スクルメタ「い、いや、別に深い意味はないんだ。ただお前が何を探しているのかは知らないけど、それが野球道具ならまたいつか一緒に野球を……」

祥子「死んだよ」

スクルメタ「…………え?」

祥子「兄ちゃんは死んだよ。去年、夏に入る前に。首つり自殺だった」

A.嘘だろ?
B.本当なのか?
C.ごめん

C


スクルメタ「……ごめん」

祥子「ううん、しかたないよ。スクルメタ君は知らなかったわけだし」

 祥子の好感度が3上がった。

スクルメタ「塩谷先輩はどうして……?」

祥子「罪の意識に耐えられなかったみたい。馬鹿だよね、自分がしたことなのに……」

スクルメタ「そんなこと……」

「……忘れ物をしてしまうとはな、うかつだった」……スタスタ

スクルメタ「あっ、誰か来るかも! 塩谷、急いで逃げろ!」

祥子「う、うん……ってどうしよう。ここから出るところ目撃されちゃったら意味ないよう!」

スクルメタ(あっ……そのこと考えてなかった)

 スタスタスタ

祥子「わわ……き、来ちゃう……!」

スクルメタ「くっ……塩谷、こっちだ!」

 グイッ

祥子「え?」

>>51-53

>>56-59

祥子「それにしてもここは広いね。普段くることないからびっくりだよ」

スクルメタ「まあ授業で使うものだし、だいたいの球技は一式そろっているからな。
      気をつけろよ? 下手に積んである道具崩したらシャレにならないぞ?」

祥子「そのときは分校の弱小校にいって、甲子園優勝を目指すよ」

スクルメタ「お前はどこの野球選手だ」

祥子「えへへ、昨日テレビで特集やってたの見てたんだよ。
   すごいよね、怪我から立ち直っただけじゃなくて甲子園優勝までいくなんて、逆襲球児?」

スクルメタ「まあ、あの人はもとから才能があったからな。
      それでも努力したんだろうし、甲子園優勝なんてすごいことだけど」

祥子「……ここの野球部も今はそんな感じだよね。
   強かったのに、どんどん人がいななくなって、落ちぶれて……お兄ちゃんのせい、だよね……?」

A.そうだ
B.そうじゃない
C.落ちぶれてなんていない

a


スクルメタ「そうかもな」

祥子「……ごめんね」

スクルメタ「別に謝る必要はないさ。塩谷のせいじゃないんだし」

祥子「……うん」

 祥子の好感度が1上がった。

>>63-69


>>70-77

祥子「ううん、お礼を言うことなんだよ。
   だってスクルメタ君の前にも野球部の人たちはいたけど皆帰っちゃったし」

スクルメタ「……」

祥子「あっ、だからって別に悪く言うつもりはないよ。なくしたのは私のものだったし」

祥子「それにあの事件の後だから、しょうがないって感じかな。むしろ何もしてくれてないってだけで感謝だよ。
   恨み言を言われたっておかしくなかったし」

スクルメタ「……塩谷が悪いことしたわけじゃないだろ」

祥子「うん、そうだね……でも、人ってそう簡単に割り切れないんだよ。割り切れる人はすごいんだよ」

祥子「だからスクルメタ君が一緒に探してくれたことが、普通に声をかけてくれたことが私には嬉しかったんだよ。
   ……ねえスクルメタ君、どうしてあの日一緒に探してくれたのかな?」

A.当然のことだから
B.同じクラスだったから
C.塩谷先輩の妹だから
D.どうせ自主練習だったから

C

ようやく彼女分の全書き溜めが終わったからここでこのスレは終了でやんす
この続きを含めた全彼女のデータは新しくたてたスレに投下するから見てくれるとうれしいでやんす
こんな駄スレに付き合ってくれてありがとうでやんす
じゃあ、依頼を出してくるでやんす

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