緋弾のアリア 紅の夜叉 (30)
ー永遠に続く幸せなど存在しないー
ーどんな幸せだろうといつかはヒビがはいり、脆く、くずれてしまうだろうー
東京武偵高校。そこは武力を行使する探偵ー通称『武偵』を育成する特殊な学校。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395694515
東京武偵高等学校。
そこは「武偵」を育成する特殊な学校。
武偵とは凶悪化する犯罪に対抗して新設された国際資格で、武偵免許を持つ物は武装を許可され逮捕権を有するなど、警察に準ずる活動ができる。
警察と違うのは金で動く事で、金さえ貰えば武偵法の許す範囲ならどんな荒っぽい仕事でも下さい仕事でも汚い仕事でもこなす。曰る、『便利屋』だ。
東西500メートルの長方形の|人工浮島《メガフロート》、「学園島」とあだ名される島の上にある総合教育機関には通常の一般科目に加え、14の専門科目が存在する。
アリアのss
初めて見た
楽しみにしてる
久々に見るなアリアwかなり期待
超期待
ちなみにこれ、真選組やゾロリの別世界バージョンでますよww
主に戦闘を主体とする科目は、近接戦による強襲逮捕を行う|強襲科《アサルト》、狙撃による遠隔からの戦闘支援を行う|狙撃科《スナイプ》。
主に戦闘支援を担当する裏方役は、犯罪組織に対する諜報・工作・破壊活動を行う|諜報科《レザド》、そして犯罪容疑者への尋問を行う|尋問科《ダギュラ》。
証拠や犯罪者を追い詰める役目は、探偵術と推理学による調査・分析行う|探偵科《インケスタ》と、犯罪現場や証拠の科学的検査を行う|鑑識科《レピア》だ。
武偵の装備品や大切な移動手段を賄うのは、装備品の調達・カスタマイズとメンテナンスを行う|装備科《アムド》と、車輌・船舶・航空機の運転操縦及び整備・改造を行う|車輌科《ロジ》の仕事だ。
情報収集やその連絡は通信機器を用いたバックアップを行う|通信科《コネクト》と情報処理機器を用いた情報収集と整理を行う|情報科《インフォルマ》が。
そして超能力や特殊条件下での犯罪捜査を行う|超能力捜査研究科《SSR》と|特殊捜査研究科《CVR》。
それらの、武偵に必要な特殊技能の習得を目指す半面、武偵校の偏差値は一般校に比べて低い事で有名である。勿論、中には例外的に全国でもトップクラスの成績を誇っている学生も存在するが、それは例外中の例外であると言える。彼等武偵に必要なのは、あくまで戦闘力や捜査能力、それらを補助する能力であって、一般教養など社会に出て恥ずかしくない程度に身に着けていれば良い、と言う訳である。又、学園内には、既に武偵として犯罪捜査の一線に立っている学生も存在する。
エドガー・エルリックと緋村心斗は|強襲科《アサルト》に通う武偵校2年生だ。
先程も説明したように|強襲科《アサルト》は拳銃・刀剣その他を用いた近接戦による強襲逮捕を行う学科で、斬った撃ったは日常茶飯事。「明日無き学科」とか、エドや心斗と仲の良い友人なんかは、昔のアニメから「[ピーーー][ピーーー]団」とか呼んでいる。
その理由は学科の卒業時生存率が97,1%ーすなわち100人に3人は生きてこの学科を卒業出来ない。任務の遂行中、もしくは訓練中に死亡する生徒がいるのだ。
そんな非常識な武偵校も今日が四月の始業式となる。臙脂色の防弾制服に身を包み自らの名前が書かれた名札を付けた生徒達は、1年生は新しい学び舎に期待と緊張感を募らせ、2、3年生は新たな気持ち、新たな学友と共にこれからの一年に思いを馳せる。そんな光景は武偵校も一般校も変わりがない。
まあ、まだ朝早いので準備をしている生徒はいないだろうが。
主に戦闘を主体とする科目は、近接戦による強襲逮捕を行う|強襲科《アサルト》、狙撃による遠隔からの戦闘支援を行う|狙撃科《スナイプ》。
主に戦闘支援を担当する裏方役は、犯罪組織に対する諜報・工作・破壊活動を行う|諜報科《レザド》、そして犯罪容疑者への尋問を行う|尋問科《ダギュラ》。
証拠や犯罪者を追い詰める役目は、探偵術と推理学による調査・分析行う|探偵科《インケスタ》と、犯罪現場や証拠の科学的検査を行う|鑑識科《レピア》だ。
武偵の装備品や大切な移動手段を賄うのは、装備品の調達・カスタマイズとメンテナンスを行う|装備科《アムド》と、車輌・船舶・航空機の運転操縦及び整備・改造を行う|車輌科《ロジ》の仕事だ。
情報収集やその連絡は通信機器を用いたバックアップを行う|通信科《コネクト》と情報処理機器を用いた情報収集と整理を行う|情報科《インフォルマ》が。
そして超能力や特殊条件下での犯罪捜査を行う|超能力捜査研究科《SSR》と|特殊捜査研究科《CVR》。
それらの、武偵に必要な特殊技能の習得を目指す半面、武偵校の偏差値は一般校に比べて低い事で有名である。勿論、中には例外的に全国でもトップクラスの成績を誇っている学生も存在するが、それは例外中の例外であると言える。彼等武偵に必要なのは、あくまで戦闘力や捜査能力、それらを補助する能力であって、一般教養など社会に出て恥ずかしくない程度に身に着けていれば良い、と言う訳である。又、学園内には、既に武偵として犯罪捜査の一線に立っている学生も存在する。
エドガー・エルリックと緋村心斗は|強襲科《アサルト》に通う武偵校2年生だ。
主に戦闘を主体とする科目は、近接戦による強襲逮捕を行う|強襲科《アサルト》、狙撃による遠隔からの戦闘支援を行う|狙撃科《スナイプ》。
主に戦闘支援を担当する裏方役は、犯罪組織に対する諜報・工作・破壊活動を行う|諜報科《レザド》、そして犯罪容疑者への尋問を行う|尋問科《ダギュラ》。
証拠や犯罪者を追い詰める役目は、探偵術と推理学による調査・分析行う|探偵科《インケスタ》と、犯罪現場や証拠の科学的検査を行う|鑑識科《レピア》だ。
武偵の装備品や大切な移動手段を賄うのは、装備品の調達・カスタマイズとメンテナンスを行う|装備科《アムド》と、車輌・船舶・航空機の運転操縦及び整備・改造を行う|車輌科《ロジ》の仕事だ。
情報収集やその連絡は通信機器を用いたバックアップを行う|通信科《コネクト》と情報処理機器を用いた情報収集と整理を行う|情報科《インフォルマ》が。
そして超能力や特殊条件下での犯罪捜査を行う|超能力捜査研究科《SSR》と|特殊捜査研究科《CVR》。
それらの、武偵に必要な特殊技能の習得を目指す半面、武偵校の偏差値は一般校に比べて低い事で有名である。勿論、中には例外的に全国でもトップクラスの成績を誇っている学生も存在するが、それは例外中の例外であると言える。彼等武偵に必要なのは、あくまで戦闘力や捜査能力、それらを補助する能力であって、一般教養など社会に出て恥ずかしくない程度に身に着けていれば良い、と言う訳である。又、学園内には、既に武偵として犯罪捜査の一線に立っている学生も存在する。
エドガー・エルリックと緋村心斗は|強襲科《アサルト》に通う武偵校2年生だ。
先程も説明したように|強襲科《アサルト》は拳銃・刀剣その他を用いた近接戦による強襲逮捕を行う学科で、斬った撃ったは日常茶飯事。「明日無き学科」とか、エドや心斗と仲の良い友人なんかは、昔のアニメから「[ピーーー][ピーーー]団」とか呼んでいる。
その理由は学科の卒業時生存率が97,1%ーすなわち100人に3人は生きてこの学科を卒業出来ない。任務の遂行中、もしくは訓練中に死亡する生徒がいるのだ。
そんな非常識な武偵校も今日が四月の始業式となる。臙脂色の防弾制服に身を包み自らの名前が書かれた名札を付けた生徒達は、1年生は新しい学び舎に期待と緊張感を募らせ、2、3年生は新たな気持ち、新たな学友と共にこれからの一年に思いを馳せる。そんな光景は武偵校も一般校も変わりがない。
まあ、まだ朝早いので準備をしている生徒はいないだろうが。
主に戦闘を主体とする科目は、近接戦による強襲逮捕を行う|強襲科《アサルト》、狙撃による遠隔からの戦闘支援を行う|狙撃科《スナイプ》。
主に戦闘支援を担当する裏方役は、犯罪組織に対する諜報・工作・破壊活動を行う|諜報科《レザド》、そして犯罪容疑者への尋問を行う|尋問科《ダギュラ》。
証拠や犯罪者を追い詰める役目は、探偵術と推理学による調査・分析行う|探偵科《インケスタ》と、犯罪現場や証拠の科学的検査を行う|鑑識科《レピア》だ。
武偵の装備品や大切な移動手段を賄うのは、装備品の調達・カスタマイズとメンテナンスを行う|装備科《アムド》と、車輌・船舶・航空機の運転操縦及び整備・改造を行う|車輌科《ロジ》の仕事だ。
情報収集やその連絡は通信機器を用いたバックアップを行う|通信科《コネクト》と情報処理機器を用いた情報収集と整理を行う|情報科《インフォルマ》が。
そして超能力や特殊条件下での犯罪捜査を行う|超能力捜査研究科《SSR》と|特殊捜査研究科《CVR》。
それらの、武偵に必要な特殊技能の習得を目指す半面、武偵校の偏差値は一般校に比べて低い事で有名である。勿論、中には例外的に全国でもトップクラスの成績を誇っている学生も存在するが、それは例外中の例外であると言える。彼等武偵に必要なのは、あくまで戦闘力や捜査能力、それらを補助する能力であって、一般教養など社会に出て恥ずかしくない程度に身に着けていれば良い、と言う訳である。又、学園内には、既に武偵として犯罪捜査の一線に立っている学生も存在する。
エドガー・エルリックと緋村心斗は|強襲科《アサルト》に通う武偵校2年生だ。
先程も説明したように|強襲科《アサルト》は拳銃・刀剣その他を用いた近接戦による強襲逮捕を行う学科で、斬った撃ったは日常茶飯事。「明日無き学科」とか、エドや心斗と仲の良い友人なんかは、昔のアニメから「[ピーーー][ピーーー]団」とか呼んでいる。
その理由は学科の卒業時生存率が97,1%ーすなわち100人に3人は生きてこの学科を卒業出来ない。任務の遂行中、もしくは訓練中に死亡する生徒がいるのだ。
そんな非常識な武偵校も今日が四月の始業式となる。臙脂色の防弾制服に身を包み自らの名前が書かれた名札を付けた生徒達は、1年生は新しい学び舎に期待と緊張感を募らせ、2、3年生は新たな気持ち、新たな学友と共にこれからの一年に思いを馳せる。そんな光景は武偵校も一般校も変わりがない。
まあ、まだ朝早いので準備をしている生徒はいないだろうが。
多重投稿してしまったww
メル欄にsaga(さが)でピーが消えるで
後、エラーは信じずに更新すれば出てくる事が多いよ
ご指摘ありがとうございます
「お、おろぉ!?」
「な、なんだ!?」
突然、寮である事御構い無しの大音量で鳴り出した音楽に叩き起こされ、エドと心斗は辺りを見渡す。
エドは小柄な身体に長い栗色混じりの金髪をみつ編みにした少年だ。頭頂には、髪が一房飛び出ており、皆に「アンテナ」と呼ばれるトレードマークのアホ毛が、窓から入ってくる春の暖かい風に揺れていた。
対する心斗は一本に纏めた赤茶髪に端正で中性的な顔立ちを持つ少年だ。エド以上に小柄な上に細身という短身痩躯な体を持つ為、少年よりも少女といったほうがしっくりするだろう。
どちらもまだキンキンする耳と寝ぼけぎみの頭をフル回転させ、何が起こったか確認する。
すると、
「ようやく起きたか。お寝坊さん共。ニヒヒヒヒヒ」
そこには二つの二段ベットの狭い間に置かれた、大型のコンポに肘を掛けてニヤニヤ笑う2人の同居人、諜報科の稲荷《いなり》智樹《ともき》がいた。
黄がかかった茶髪に金色の瞳を持つ、自称プレイボーイだ。イタズラ好きな上、おっちょこちょいで惚れっぽく顔は良い癖に女子にはモテないが、諜報科でも1、2を争う諜報能力を持つ男だ。
どうやら先程の曲は智樹が持っているこのコンポで流れたらしい。どうりで大音量になるわけだ。
「え?と……智樹……」
「……どういうつもりだテメェ?」
唖然とする心斗の顔と、既に腹をたてて睨みつけているエドの顔を、「ニヒヒヒ」と独特の笑いを浮かべながら交互に見ると智樹は口を開く。
「だって今日は始業式だぜ?早めに起きて学校に……」
「ふざけんな!」
バキッ
「ぶけらっ!」
「ちょ、エド!」
智樹のふざけた言動にキレたエドが智樹の顎にアッパーカットを入れる。
宙を舞う智樹に更に追撃を掛けようと身構えるエドを、慌てて心斗は羽交い締めにして抑えこむ。
エドは超がつく短気な上、喧嘩っ早い。前に強襲科の3年生が身長の事でバカにしたという理由でフルボッコにした過去を持つ。
心斗が始めて友人を紹介したときなんか友人は「強襲科1の暴れん坊」と呼んでいた位だ。
心斗とエドは幼い頃からの付き合いだが、大抵心斗がむっとすることがあっても先に手を出すのは必ずエドだ。すると心斗は怒る気になれず、今のように自然とフォローに回ってしまうのだ。
「いったぁ!うう……酷い」
「嘘臭い演技すんじゃねぇ!今日こそはそのふざけた性根を叩き直してやる!!」
「落ち着いてって!」
エドは智樹をまだ殴り足りないと心斗の腕の中で暴れる。
智樹が彼のそんな反応を見て面白がっているのは目にも見えるのにも限らず。
幼少期から全く変わらない相棒とイタズラの困った友人を見て、心斗は溜息混じりの息を吐いた。
「やーいやーい。エドの短気?チビ?」
「て、てんめぇ……!ぶっ殺す!!」
「も?2人とも辞めてよ?」
その時だった。
「クラァ!朝っぱらからうるせェんだよボケ!」
ドウッ!!
「「あ……」」
「ら、蘭豹先生……」
突然、ドアを世界最大最強の拳銃ーM500を発砲しながら破り、強襲科教員である蘭豹が3人の部屋に乱入してきたのであった。
蘭豹は年齢は19歳と心斗達と同年代だが香港では無敵の武偵と恐れられた女傑だ。
その、「象殺し」の異名をとるM500を軽々と使いこなす怪力と凶暴さが合間って、各地の、ただでさえ普通じゃない武偵校を、次々にクビになっている教員だ。
恐らくはコンポの大音量を聞いたこの寮に住む誰かが通報をしたのだろう。
そしてこの蘭豹が参上してしまったのだ。
「オラァ!智樹ィ!又お前かぁ!!」
「う、うわあああ!ご勘弁!!」
流石の智樹も教務科《マスターズ》の鬼には敵わなく、呆気なく首根っこを掴まれて連行されていった。
「ギャアアァァァァァァ……」
寮の廊下に響く智樹の哀れな叫び声が聴こえなくなると心斗とエドは顔を見合わせ、M500によって無残な姿になった玄関を見て、同時に溜息を吐いたのだった。
オリ主ものかな
ごめんなさいまちがえた
キンジとアリア、心斗とエド、そしてもう一人主人公がいます
?.
寮の前から武偵校まではお台場を経由したバスが通っている。
まだ朝早かったせいので混んでいないバスに乗れた2人は、苦笑いしながらこれだけは智樹に感謝した。
その後新しいクラス分けを確認し、始業式に参加したのだった。
2人のクラスは2年A組。
去年2人は別々のクラスだったが、今年は一緒のクラスになることが出来た。
始業式を終えた後は教室へ移動し、ホームルームが始まるまで待機することになっており、それまでは始めて同じクラスになった者同士や去年からの知り合いとの雑談と時間となっていた。
流石に2年生になれば見知った人間も多く、教室内を見渡せば、見知った仲同士で早速雑談をしているグループも多い。
「よう、エド。心斗 」
「今年もよろしくね」
「おお武藤《むとう》、不知火《しらぬい》」
「君達とも一緒のクラスだったね」
後ろを向き話をしていた心斗と、エドに話しかけてきたツンツン頭の身長190近い男と甘いマスクのモデルの様な男は、武藤 剛気《ごうき》と不知火 亮《りょう》だ。
武藤は乗り物と名の付く物なら何でも乗りこなす特技を持つ車輌科の生徒で、エドとは1年の時に同じクラスだった。本人はモテたいらしいがガサツな性格が災いして3枚目は脱却できそうにない。
一方の不知火は強襲科の生徒で格闘・ナイフ・拳銃どれも信用できるバランスの良いスキルの持ち主だ。強襲科では何度もエド、心斗と手合わせを兼ねた実践練習をしている。
どちらも2人の顔見知りで、様々な場面でよく世話になっている人物でもある。
「聞いたぞ。この間も大活躍だったみたいだな」
「この前?」
「何のこった?」
「学校中の噂だよ。強襲科の緋村とエドガーが又々大活躍したって」
「あーあれか」
武藤と不知火が言っているのはこの前の麻薬密輸グループの大量検挙の件だろう。
都内にて世界的な犯罪組織の、イタリア系マフィアと麻薬取引していた麻薬密輸の一味を2人で一網打尽したというものだ。
今はここにいない智樹による入念な諜報と、心斗とエドの迅速な行動があったからこその大手柄だ。他の者だったらこうはいくまい。
とは言っても完全に清々しい気分で終われた案件でも無い。
というものの、麻薬密輸の一味が取引をしていたマフィアを取り逃がしてしまったのだ。
相手はICPOがマークしているような国際犯罪組織だ。仕方が無いことかもしれないが、2人にとって気分が良いものでは無かった。
「そんな煽てられるような事じゃないよ」
「いやいや?しんくん。ご謙遜を?」
心斗が謙遜するような態度を取ると、エドの後席より明るい声が聴こえてくる。
背後を振り向くとそこには、長い金髪をツーサイドアップにした小柄な少女が椅子に肘掛け、こちら側を向いていた。着ている武偵校の防弾制服は彼女独自の改造が施され、ロリータ風のフリルがふんだんにあしらわれ、ほぼ原形を見失っている。
「……何だよ、|峰《みね》|理子《りこ》かよ」
「あー!何だよ、はないよ!チビッチ!」
峰理子は探偵科に所属しており、エドとは1年の時からクラスメイトである。
明るくクラスのムードメーカーのような位置づけの理子だが、時々ら様々な人物に少し過激なイタズラを仕掛けてくる人物でも有名だ、ら。
その為、同じイタズラ仲間である智樹とはとても仲が良くイタズラ連盟なる物を組んでいる。
逆にイタズラの類が大嫌いなエドは嫌っている人物であった。
「てめぇ…その呼び方辞めろッて言っただろうが!!」
「えーなんでー?私がチビッチの事なんて呼ぼうと勝手じゃん」
「その呼び方嫌って言っだろ!?」
あと、エドの事をチビって呼んでいることもエドが彼女を嫌っている理由の内だ。
理子も身長は150cmなく、エドよりも遥かに低身長だが、エドにとっては自分より高かろうが低かろうが誰にチビと言われようが同じ事でムカつく事に変わりない。
心斗が始めて理子を紹介された時も、エドは理子に「チビ」と言われ激怒していた。心斗がいなければ殴りかかっていただろう。
まあ、エドや心斗がいくら言おうと決して「チビ」と呼ぶことを辞めない理子も理子なのだが。
因みに心斗はしんくんと理子に呼ばれている。
そんな事を考えている内に眉間に青筋を立て始めたエドを見て、慌てて心斗は話題を変える事にした。
「えっと……そういえばキンジは?」
何に話題を変えようかと思い教室内を見渡してみたら、ふと、顔馴染みの男子生徒がいなかったことに気付いた。
遠山キンジは心斗が1年の時のクラスメイトだ。昨年まではエドや心斗、不知火と同じく強襲科に通っていたが今は探偵科に所属している男子だ。始業式前の発表では同じA組であることだったが。
「キンジ?そういや見てないな」
「始業式にも出てなかったみたいだし」
キンジの数少ない友人である武藤と不知火も今日はキンジのことを見てないようだ。
「キーくんかー。どこ行ったんだろうね?」
理子も見ていないようで首を振っている。バスが遅れてるという連絡は来てないし始業式から来ないとは。何かあったのだろうか。
「こりゃ一緒に来た方が良かったな」
「うん」
エドと心斗の寮の部屋はキンジの部屋の近くである。
本来ならいつも通りキンジと共に7時58分のバスに乗るはずだったが朝の智樹の騒ぎで早く起きてしまった上、智樹が言った通り始業式だから早めに行った方が良いかもしれないと考えたのでまだ寝ていたキンジは誘わず、2人だけで学校へ登校したのだ。
「ま、キンジのことだ。どうせろくでもない理由……」
「俺がどうしたって?」
そんな話をしているとある男子生徒が会話に参加してきた。
何処か影のある少年。背はエドや心斗よりも高く、目つきもエド程では無いがやや鋭い感じがする。
この男子生徒が会話に出て来た遠山キンジだ。去年まで同じ強襲科にいて、心斗とは結構気が合う友人関係だった。エドにもまだ強襲科にいる頃に紹介しており、よく実戦練習をしたものだ。
昨年2学期のテストをボイコットしたため、現在でこそ探偵科のEランクであるキンジだが、強襲科を受験した際の実技では他の受験生だけではなく、抜き打ちで隠れていた教官5名を倒した事で、強襲科では半ば伝説化していた。心斗とエドも受験時の実技ではやられている。
どうやらついさっきクラスに到着したらしくまだカバンを持っている。
「いや?、キーくんが遅いかったからね?」
「始業式にも出てなかったようだけど、どうかしたの?」
「……いや」
不知火がキンジに始業式に遅れた理由を聴くと、キンジは少し苦虫を噛み潰した様な顔をし理子の右隣、武藤の左隣の自分の席についた。
「何もなかったとは言わせないよ?キーくん」
「おうおう。何があったか根掘り葉掘り…」
キンジの表情や汚れている武偵校制服を見てその場にいた全員がキンジの身に何かあったことを感じ、(主に武藤、理子が)何があったか追求しようとキンジに詰め寄った時だった。
「はーい、席についてください」
2年A組の担任である|高天原《たかまがはら》ゆとりが席の着席を指示しながら入ってきた。
探偵科の教論も勤めており武偵校の教師には本当に珍しい、気が弱く穏やかな教師らしい教師だ。エドも心斗も、そしてキンジもこの場にいる全員が何故この人が武偵校の教師になれたかが今だに分からない人物であった。
取り敢えず全員が各々の席に着席する。武藤や不知火も慌てて自分の席に着いた。
そんな時だった。|彼《・》|女《・》が現れたのは。
「うふふ。じゃあまずは去年の3学期に転入してきたカーワイイ子から自己紹介してもらっちゃいますよー」
ゆとりがそう前置きするとちょうど心斗やキンジの席からは死角となる、廊下側の席から誰が立ち教壇に向かったのが見えた。
ピンク色の長いツインテールを携えた小柄な少女だ。エドの後ろにいる理子もとても小柄だが彼女はそれよりも小さい。中学生どころか小学生と言われても納得してしまうだろう。
教壇に上がった少女の隣でゆかりが黄色のチョークで黒板に少女の名前を書く。
なんか背中がムズムズする
何で?
俺もその昔色んな漫画の主人公からパクってきた設定の主人公無双ものをルーズリーフに書いて学校の机に入れっぱにしていたのをクラスの不良に………
グワアアアァ!!
ああ。成る程。分かります。
オリ主とは8年の付き合いですしwww
『神崎・H・アリア』
黒板に書かれたその名前が少女の名前だろう。
ガタッ
とそこで心斗とエドはキンジが驚愕に目を見開きながら口をポカーンと開けているのを目撃した。どうしたのだろうか。
「おいキンジどうした…」
エドがキンジにどうしたのかと聞こうとした時だった。
「先生、あたしはアイツの隣に座りたい」
鼻にかかった、可愛い幼い声ーアニメ声と言うべきだろうかーが教室に響き、静まり返った。
彼女の指した指の先はキンジに向けられていた。
アリア以外の、教室にいた全員が一瞬目を見開き絶句する。
そしてゆっくりとキンジの方を向いて、大きな歓声を上げた。
エドはずりっとキンジがイスから転げ落ちるのを横目で確認し、
「おめぇぇぇ!!どういうこったこりゃぁぁぁ!?」
「ちょ、エド!落ち着いて!」
キンジに掴みかかろうとした。
幸い心斗が今日2度目となる羽交い締めで止めたが。
「キンジィィィお前のようなネクラに一体何が!?」
「な、なんでだよ……!」
許容範囲を超えたエドがキンジの不名誉な仇名を叫びながら心斗の腕の中で又暴れる。
一方の、明らかに朝に登校中に何かあった事が露見したキンジも何がなんだか分からず、ようやく出た声で呟く。その顔は青ざめていた。
「よ……良かったなキンジ!なんか知らんがお前にも春が来たみたいだぞ!先生!オレ、転入生さんと席代わりますよ!」
明らかに事情を知らないで何か間違った解釈をした武藤が満面の笑みでキンジの手を握りしめ、思いっきりブンブンと振る。
そしてアリアに席を譲るように席を立った。
面白さも混じっているかもしれないが恐らく純粋な驚きの方が多いだろう。
「あらあら。最近の女子高生は積極的ねぇー。じゃあ武藤くん、席を代わってあげて」
ゆとりは嬉しそうに笑いながらアリアとキンジを交互に見てから、武藤の提案を即承諾した。
教室では何故か拍手喝采が起こる始末だ。
そんな雰囲気でもアリアはまったく表情を変えずにキンジに何か放り投げた。
「キンジ。これ。さっきのベルト」
投げられたベルトをキンジはキャッチする。
「理子分かった!分かっちゃった!ーこれ、フラグばっきばきに立ってるよ!」
するとキンジの左隣に座っていた理子が閃いた!という感じで突然席を立った。
まだエドも心斗もポカーンとしている。展開について行けない。
「キーくん、ベルトしてない!そしてそのベルトをツインテールさんが持ってた!これ、謎でしょ謎でしょ!?でも理子には推理できた!できちゃった!」
理子が顎をさすりながらキンジの周りをぐるぐると回る。見てくれだけなら推理シーンの探偵に見えなくはない。理子も一応は探偵科だ。
「キーくんは彼女の前でベルトを取るような何らかの行為をした!そして彼女の部屋にベルトを忘れたきた!つまり2人はー熱い熱い、恋愛の真っ最中なんだよ!」
ゆるい天然パーマのツーサイドアップに結った髪をぴょんぴょんとさせながら理子はキンジにとってめちゃくちゃ推理をぶち上げる。
「は、はぁ?」
「理子、流石にそれは無理が」
他者から見ても馬鹿馬鹿しい推理に呆れたエドと心斗が理子に物申そうとしたが、「キ、キンジがこんなカワイイ子といつの間に!?」「影が薄いヤツだと思ってたのに!」「フケツ!」とクラスの生徒達は大盛り上がりしている。
結束力が強い武偵校の生徒はこういうことになると息が合いすぎる。最早取集がつかない。
「お、お前らなぁ……」
自分の事で盛り上がっているクラスメイトを見てキンジが頭を抱えながら机を突っ伏したときだった。
ズギュンー!ズギュンー!
突然の轟音。
2連発の銃声があれ程うるさかったクラスの生徒も、ゆとりも硬直させた。
強襲科のエドや心斗にとっては聴き慣れ過ぎた音である。しかし流石に突然鳴り響くと驚いてしまう。
武偵校での、射撃場以外での発砲は「必要以上はできれば禁止」であって完全禁止ではない。別にしても処罰対象になる訳ではないのだ。
しかしー新学期の自己紹介で発砲など、この武偵校でも彼女が始めてだろう。
エドと心斗はそっと首を前を向ける。
すると頬どころか顔を真っ赤に染めたアリアが銀と黒の大型拳銃を2丁構えていた。
両腕の先の壁には1発ずつ穴が空いていた。
チンチンチチーン…
拳銃から空薬莢が床に落ちると両手を上げて「ホールドアップ」の体制をとっていた理子が体をよじらせながらずるずると自分の席についた。
「全員覚えておきなさい!そういうバカなことを言うヤツには…」
最初の自己紹介の時よりも甲高い声で、真っ赤なアリアは宣言した。
「………風穴開けるわよ!」
「はぁ……そんな事がねぇ」
一通りのカリキュラムが終わると多くの生徒が個々の帰宅の途につく。
武偵校には都内から通っている生徒もいるが、首都圏外や他の地方、はたまた外国などの遠方から通っている生徒も少なくない。
又、武偵という特殊な仕事柄家族と離れて暮らさねばならない者もいる。
そういう者達が寝泊まりや飲食をするために武偵校には幾つかの寮が存在した。
エドや心斗、キンジに智樹が住む第3男子寮もその内の一つだ。
「災難だったなぁ!キンジ」
「喜ぶな!………初日からヒデェ目にあった。まったく」
帰宅途中、所々包帯を巻いた智樹に朝起きたことを帰りのバスの中で説明しながらエド、心斗、キンジは帰宅の途についていたのだ。
智樹が登校してきたのはあの怒涛のホームルームが終わったすぐ後だった。あちこちに包帯を巻いていたので一瞬誰か分からなかったくらいだ。おそらく、蘭豹にこってり絞られたのだろう。
まだ陽が昇っておらず薄暗い街。
静かな街を1台のオートバイが轟音を轟かせながら走り抜ける。
この一見サイドカーバイクに見えるバイクはトライクと言い、3つの車輪が車両中心線に対して左右対称な二等辺三角形に配置されたオートバイである。
このトライクZEUSはバイク部分の後輪とサイドカー部分の車輪が同一の軸で駆動して、エンジンもバイク部分には無くバイクとサイドカーの間にある。そのため一度に4人が乗ることができるのだ。
更には武藤ら車輌科と装備科の連中がエンジンを重点的に改造したおかげで最高時速200kmを超える化物トライクとなっている。
まあそんな速度を国道で出せば、事故る以前にすぐに警察が飛んで来てお縄にかかるだろう。いくら急いでいてもそれはごめんだ。
車輌科自慢の車体を借りてまで2人が急ぐのには理由があった。
まだ陽が昇っておらず薄暗い街。
静かな街を1台のオートバイが轟音を轟かせながら走り抜ける。
この一見サイドカーバイクに見えるバイクはトライクと言い、3つの車輪が車両中心線に対して左右対称な二等辺三角形に配置されたオートバイである。
このトライクZEUSはバイク部分の後輪とサイドカー部分の車輪が同一の軸で駆動して、エンジンもバイク部分には無くバイクとサイドカーの間にある。そのため一度に4人が乗ることができるのだ。
更には武藤ら車輌科と装備科の連中がエンジンを重点的に改造したおかげで最高時速200kmを超える化物トライクとなっている。
まあそんな速度を国道で出せば、事故る以前にすぐに警察が飛んで来てお縄にかかるだろう。いくら急いでいてもそれはごめんだ。
車輌科自慢の車体を借りてまで2人が急ぐのには理由があった。
乙ー
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