男「たくげぶ」(80)

チュン……チュンチュン

ピピピッ……ピピピッ……ピピピッ…………

男(……ん…………)モゾッ

男(うるさい……)カチッ

男(もう6時か……起きて準備しなきゃ……)

男(弁当……なににしよ……)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371162390

―――
――


男(グラノーラで良いか)ザラザラ

男(……)ミルクダバァ

男(……)バリボリ

男(……)ズズッ…

男(……)ボリボリ

男(……)ズズズッ…

男(……)モソモソ

男(……)ゴクゴク

男「ふう……」

ピンポーン

男「……今日は少し早いな」

ガチャッ

幼馴染「おはよーっ。迎えに来たよ!」

男「おはよ。今日は少し早いんだな」

幼馴染「そうかな?」

男「まあ良いや。時間まだあるし、何か飲んでくか?」

幼馴染「良いの? じゃあこう――」

男「紅茶は時間掛かるから無しで」

幼馴染「ええー」

男「何が良い?」

幼馴染「むー。じゃあミロ」

男「ホットで良いか?」

幼馴染「うんっ」

男「分かった。お前の身長が伸びる事を祈りながら淹れてやろう」ポフポフ

幼馴染「わ、私そんなに身長低く無いよっ!」

ゼーロロックゴーゴー!

幼馴染「あ、始まったよー」ズズッ

男「おー」

幼馴染「今日は犬かな? 猫かな?」

男(今日は2日だから猫の日か)

幼馴染「やたっ。今日は猫の日なんだって! はふぅ……かわいーなぁ……」

幼馴染「~~♪」

男(一緒に歌ってるし……)

―――
――


男「そろそろバスの時間だし行くか」

幼馴染「もうそんな時間?」

男「おう。あとな、幼馴染」

幼馴染「なに?」

男「スカートで足崩して座る時は気を付けた方が良いと思うぞ」

幼馴染「んなっ!?」バッ

―学校―

幼馴染「……」ムスーッ

男「……なあ」

幼馴染「……」チラッ

男「そろそろ機嫌直してくれよ……」

幼馴染「……」プイッ

男「はあ……」

友「よっす。朝からケンカか?」

幼馴染「……パンツ見られた」

友「ぱっ?! まじで!?」

男「……おう」

友「お前が悪い。謝れ。そしてどんなパンツだったか教えてくれ」

友「あとどんな経緯で見たかとお互いの距離感やその時のときめきを詳しく聞かせてく……」

幼馴染「…………」ジーッ

男「謝ろうか、一緒に」

友「……うっす」

―昼休み―

幼馴染「お昼ごはん!」

男「今日はどうすんだ?」

友「今日はカレーの気分だから学食」

男「そっか。幼馴染は?」

幼馴染「お弁当っ」

男「俺も弁当だし中庭で食うか」

幼馴染「やたっ。じゃ早く行こ!」グイッ

男「ひ、引っ張らなくても良いだろ!」

幼馴染「早く行かないと良い場所無くなっちゃうよっ」

男「分かったから引っ張んなって! じゃ、また後でな!」

友「お、おう……」

友「……」

友「何であんな仲良いのに付き合ってないんだ、あいつら」

男「飲み物買うから先に場所取っておいてくれない?」

幼馴染「良いよっ」

男「ん。で、幼馴染は何飲む?」

幼馴染「紅茶華伝ロイヤルミルクティー!」

男「よく飯食いながら甘い物飲めるな……」

幼馴染「好きなんだから別にいーじゃんっ」

男「はいはい。じゃ、場所頼むな」

幼馴染「うんっ」

―――
――


ガコンッ

男「部室棟まで遠征してやっと見つかったよ、紅茶華伝。しかもラス1とは……」

男「こんな品薄なら先に言ってくれりゃ良いのに……」ブツブツ

女生徒「あ、あの……」

男「ん?」

女生徒「自販機……使っても良いですか?」オドオド

男「あ、ごめん」

女生徒「すみません……」ペコッ

女生徒「えっと……あっ……」

男(ん?)

男(指が紅茶華伝の所で止まってる)

男(……幼馴染には別の物で我慢して貰うか)

男「ちょっといいかな」

女生徒「は、はいっ」ビクッ

男「もしかして、これが買いたかった?」

女生徒「え……? あ、は、はい……」

男「実は隣のお茶と間違えてかったんだ。良かったら交換しない?」

女生徒「……良いん……ですか……?」

男「甘い物飲みながら飯が食えないタイプでさ。お願い出来ないかな」

女生徒「は、はいっ。ありがとうございますっ」

男「はい。じゃあ、これ」スッ

女生徒「……」

男「ん?」

女生徒「あ、あの……」

男「なに?」

女生徒改め後輩「私、卓ゲ部の一年で後輩って言いますっ。先輩、二年生ですよね?」

男「え、そうだけど」

男(たくげぶ? 何だそれ)

後輩「あ、あのっ!」

後輩「先輩、卓上ゲームに興味はありませんか!?」

男「……はい?」

普通の話が書きたくて衝動的に建てた
続きはまた今度


卓ゲーって幅広いが何になるのかね?

お、ドミニオンスレか?

投下開始

―――
――


―中庭―

幼馴染「おかえりー」

男「お待たせ。校内探し回っても無かったから、かわりに別のミルクティー買って来たぞ」

幼馴染「リプトン……」

男「嫌いだったか?」

幼馴染「ううん、ありがとね。はい、お金」チャリン

男「ん。さ、飯にしようぜ」ゴソゴソ

幼馴染「おっ、結構まともなお弁当だね」

男「米と冷凍食品適当に突っ込んだだけなんだけどな。料理出来ないし、俺」

幼馴染「そうなの? あ、ミートボールだ!」

男「食うか?」

幼馴染「うんっ。それなら私のアスパラの肉巻きと交換ね」ヒョイ

男「レート釣り合わないだろ」

幼馴染「私が好きなんだから良いの。それに野菜も食べないとね」

男「悪いな」

幼馴染「ほうれん草のおひたしも食べる?」

男「おう。くれくれ」

幼馴染「ふふっ、美味しいね」モグモグ

男「だな。お前んとこのお袋さんは料理上手だわ」

幼馴染「むっ。私だって練習してるんだよ?」

幼馴染「そういえばさ」

男「ん?」

幼馴染「ごめんね。私の飲み物で手間掛けさせちゃって」

男「気にすんなって」

幼馴染「うん……」

男「それに可愛い女の子と知り合いになれたしな」

幼馴染「へ?」

男「……あ」

幼馴染「……」ジトー

男「はは……」

―事情説明中―

男「――てな感じで部活に勧誘されたんだ」

男(紅茶華伝の件は俺の飲み物に話をすり替えたけどな)

幼馴染「……そうなんだ」

男「おう」

幼馴染「それで……どうするの? 部活」

男「一度見学に来て欲しいって言ってし、一回は顔出すよ」

幼馴染「うん」

男「けど、部活には入らない」

幼馴染「……なんで?」

男「部活入ったら、お前と一緒に帰れなくなるだろ?」

幼馴染「!」ドキッ

男「どした?」

幼馴染「……な、なんでもない」プイッ

幼馴染「あの……さ」

男「んー?」オチャゴクゴク

幼馴染「私も見学一緒に行って良い?」

男「良いぞ」

幼馴染「えへへ……ありがとね」

男「変な奴だな。別に感謝する事じゃ無いだろ」

幼馴染「良いの良いの」ニヘラー

幼馴染「あっ。ところでさ」

男「なんだ?」

幼馴染「たくげぶって何の部活なの?」

男「さあ? 東南アジア辺りのスポーツとかじゃないか」

幼馴染「タクゲ……うん、何かありそう」

男「さ、教室戻るぞー」

幼馴染「はーいっ」

―放課後―

友「今日はどっか寄ってくのか?」

男「悪い。今日は予定あるんだ」

友「おけー。じゃ彼女と二人で帰るわ」

男「俺が居ないからってハメ外すなよ」

友「しねーし出来ねーよ! じゃ二人とも、また明日な!」

幼馴染「うん。ばいばい」

男「じゃあな。さ、俺達も行くか」

幼馴染「うんっ」

―部室棟・卓上ゲーム研究部部室前―

幼馴染「ここ……だよね?」

男「ああ。どうやら東南アジアのスポーツじゃなさそうだな」

幼馴染「だね」

男「卓上ゲーム……そういや勧誘の時にゲーム好きか聞かれた気がする」

幼馴染「そうなの?」

男「話半分で聞いてたしな。さ、入るぞ」コンコン

?「は、はいっ」トタトタトタ

ガチャ

後輩「……せ、先輩っ!?」

男「こんにちは。見学に来たよ」

後輩「あ、ありがとうございますっ」

男「おまけも居るけど良い?」

後輩「おまけ……?」

幼馴染「ど……どうも」

男「入って良いかな?」

後輩「あっ。す、すいません。どうぞっ」

―部室―

男(本棚に長テーブルと椅子だけの部屋、か)

男(棚の本は……知らない物ばかりだ。ん? 棚にはオセロやトランプもあるんだ)キョロキョロ

後輩「あ、あのっ。椅子、あるんで、お好きな所に座って下さいっ」

男「あ、ああ。だってさ、幼馴染」

幼馴染「うん。じゃあ座ろ?」

後輩「えっと……部長が来たら部活を始めます。だから……っ」

男(凄い緊張されてる……)

幼馴染(なんか私まで緊張してきた……)

後輩「あうう……」アタフタ

ガチャッ

?「遅れてごめんなさい……ってお客様?」

後輩「あ、ぶ、部長!」

部長「後輩ちゃん、このお二人は?」

男「見学です」

後輩「は、はいっ。お昼休みに勧誘しました!」

部長「え、勧誘?」

後輩「はいっ」

部長「……」

後輩「部長……?」

部長「良かった……後輩ちゃん、私以外とちゃんと話が出来る様になったのね……」グスッ

後輩「は、はいっ。頑張りました!」

男(どうしよう……何部か聞き難い……)

幼馴染(帰りたい……)

―――
――


部長「……すみません。せっかく見学に来ていただいたのに、放置してしまって…………」

男「あ、いえ、お構い無く」

後輩「すいません……」シュン

部長「貴女は悪くないわ」ヨシヨシ

幼馴染「あの……」

部長「はい。なんでしょうか」

幼馴染「たくげぶ……って何の部活なんですか?」

部長「えっ」

男「俺達、実は良く分かって無いで見学に来たんですよ」

部長「そうなんですか……」

男「卓上ゲームがどうのって話は聞いたんですが、詳しくは聞いてなくて」

男「それと、他の部員はまだなんですか?」

後輩「う……」

部長「……」

男(あれ、俺何か不味い事聞いた?)

幼馴染(お腹すいたなあ……)

今日の分おわし
ボドゲやTRPG全般をぽつぽつと書けたら良いなー
とか思ってます


卓ゲーって言うから麻雀かと思ったわ

TRPGって言うとD&Dとかメックウォーリアーとかか

乙。

>>26
お前良い感じでゲームが古いなwwww

今のD&Dは赤箱版くらいリーズナブルならやってみたいけど、本格的に始めるにはお金が……

少ないけど投下開始

部長「あの……部員は……」

後輩「……」

部長「部員は私達しか居ないんです……」

男(あー、これは何か面倒事があるパターンだ。絶対)

男「そうですか。それなら部活始めませんか?」

部長「……はい。そうですね」ニコッ

男(取って付けた様な笑顔だな……)

幼馴染「あれ、二人じゃ部活の申請通らないんじゃない?」

男(な!? 俺が避けた話題ぶち込むかッ!?)

後輩「そ、それは……」

男「幼馴染、この話は後にしようぜ。今は部活見学させて貰おう」

幼馴染「え? う、うん」

部長「……」

後輩「えっと……それで、今日は何をしますか?」

部長「そうね、人数多いからボードゲームが良いと思うのだけど」

男「ボードゲーム? あ、卓上ゲームってそういう事ですか」

部長「はい。たぶんご想像通りだと思います」

幼馴染「どういうこと?」

男「ほら、棚にオセロとかあるだろ。ああいった類いのゲームをする部活なんだよ、きっと」

幼馴染「なるほどー」

男「ですよね?」

部長「はい。その通りです」

後輩「り、リバーシやボードゲーム以外にも、麻雀やトランプもあるんですよ」

男「へぇー」

幼馴染「ね、ねえリバーシってなに?」ヒソヒソ

男「さあ?」

部長「麻雀は私達二人とも良く分かって無いから出来ないんですけどね」

男「はあ、そうなんですか」

後輩「では部長、ボードゲームは何をやります?」

部長「そうですね……モノポリーやドミニオンみたいに競いあうゲームは、初心者の方が不利ですし……」

男「あ、モノポリーなら知ってますよ、俺」

幼馴染「わ、私も名前だけなら知ってますっ」

部長「それならモノポリーをやってみますか?」

男「ええ、それで――」

後輩「お待ち下さい!」

幼馴染「!」ビクッ

後輩「せっかく人数が多いんですから、多数で楽しめるゲームにしましょうよ、部長」

部長「え、そ、そうね」

後輩「先週私が取り寄せたクトゥルフはどうですか? パズルやダイスロールもあって面白いと思いますっ。それにクトゥルフの神々のデザインも秀逸で……」

部長「こ、後輩ちゃん……私、怖いのは苦手だから……ね?」

後輩「そ、そうでした……ならパンデミックはどうですか?」

部長「パンデミックですか……はい。良いと思います」

後輩「分かりましたっ。それじゃ準備しますね!」

男(どうしよう……何言ってるのかまったく分からない……)

幼馴染(い、いま怖いのがどうのって言ってたよね? 怖いのはやだよお……)

一旦おわし


クトゥルフと言えば昔のルールだとショトガンでダゴン倒せたけど今はどうなってんだろ

TRPGのクトゥルフは本読んで発狂した記憶しかない……

投下開始します

男「えっと……それで、何をやるんですか?」

部長「はい。パンデミックというゲームをしようと思います」

男「パンデミック?」

幼馴染「インフルエンザ流行った時にテレビでよく言ってたよね。どんなゲームなんだろ」

部長「簡単に説明すると、プレイヤーが新型ウイルス対策チームのメンバーになって、世界中に蔓延する危険な病気の特効薬を作成するゲームですね」

幼馴染「ほあー。何か洋物のドラマでありそうな感じ」

部長「そうですね。作られたのは海外ですから」

幼馴染「え……じゃあ英語出来ないとダメ?」

部長「そんな事はありません。勿論用意してるのは日本語版ですよ?」

幼馴染(良かったぁ)ホッ

後輩「部長、用意出来ました」

部長「ありがとう、後輩ちゃん。それでは皆さん、実際に遊びながらルールを説明しますね」

男(テーブルにはスゴロクみたいにマス目が付いた世界地図のボード、赤青黄黒のブロックにカードが配置されてる)

男(パッと見じゃ、どんな風に遊ぶか分からないな)

部長「ええっと、この中で最近病気になった方は居ますか?」

男「は?」

部長「あ、すいませんっ。最近病気になった人が一番手になるってルールがあるんです」

男「……はぁ」

幼馴染「ね、ね?」チョイチョイ

男「ん?」

幼馴染「虫歯は病気になるのかな?」

男「虫歯は病気とは違うだろ……部長さん、先週鼻がグズついて薬飲んだわ、俺」

部長「そうなんですか? 風邪は引き始めが肝心と言いますし、注意して下さいね?」

男「はは。さすがにもう治ってますよ」

部長「そうなんです? それは何よりです」

男(良い人だ……)

部長「えっと……他には……」

後輩「……」フルフル

幼馴染「私は男が鼻風邪してる時に看病したけど感染って無いね」

男「じゃあ最近だと俺だけか。部長さんは?」

部長「私も病気は無いですね。ではえっと……」

男「あ、俺は二年の男です。こいつは幼馴染」

幼馴染「ど、どーも」ペコ

部長「宜しくお願いしますね、男さん、幼馴染さん」

部長「先に挨拶しておくべきなのに、ついうっかりしてしまいました」エヘヘ

男(部長さんってしっかりしてそうだけど抜けてるのか?)

部長「改めて自己紹介しますね。私は三年の部長です。はい、後輩ちゃんも」

後輩「い、一年の後輩です。宜しくお願いしますっ」

部長「本日は部活動の見学にようこそおいで下さいました」ニコッ

男「!?」ドキッ

男「は、はい。こちらこそ宜しくお願いしますっ」

幼馴染「……」

部長「では皆さんの役職を決めましょう」

男「役職?」

部長「はい。ウイルス対策チームとして、プレイヤー一人一人に役職を決める必要があるんです」

部長「役職ごとに得意分野があって、プレイヤーはそれを活かしてウイルスに立ち向かうんですよ」

男「へぇ……ドラクエとかの職業みたいなものか」

部長「そうですね、そんなイメージです。ではプレイヤーカードを見ながら役職について説明しますね」ペラッ

部長「まずは通信指令員。この役職は、自分のターンに他のプレイヤーを移動させることができます」ペラッ

部長「次に作戦エキスパート。 通常カードが必要な調査基地設置でカードを使わずに設置できます。基地については後程説明しますね」ペラッ

部長「これは衛生兵ですね。 治療は通常1つずつ除去するところを、同じ色を1アクションで全て除去出来るすごい人です」ペラッ

部長「えっと……これは科学者です。 ワクチン発見について、通常はカードが5枚必要なのですが、なんと4枚で作れるんですよ」ペラッ

部長「最後は研究員ですね。 手札カードを渡す時、通常の「今いる都市のカードのみ」という制限がない」

部長「えっと……治療とか都市カードとか分からない単語があったと思いますが、漠然と『こんな事ができるよ』というイメージが掴めて頂ければ問題無いと思います」

部長「私や後輩ちゃんの手番で説明を加えながらプレイしますし、分からない事は逐一説明するので安心して下さいね」

後輩「が、頑張りますっ」

―――
――


男/衛生兵「俺は衛生兵にしようかな。ウイルスを纏めて除去出来るのはなんか便利そうだし」

衛生兵(それに部長さんがすごいって言ってたしな)

幼馴染/通信指令員「私は通信指令員が良いな」

衛生兵「はは、お前が指令だと部下が苦労しそうだな」

通信指令員「むうっ。あんまり酷い事言うとシベリアに飛ばしちゃうよ!」

衛生兵「げっ、そんな事出来るのか!?」

部長/作戦エキスパート「ええ、ルール上可能ですよ。それと私は作戦エキスパートにします。基地の事は私にお任せ下さいね」

後輩/科学者「私は科学者です。『クヒヒヒッ。ワクチンの事はボクに任せておいてくれたまえ!』」

男「えっ」

幼馴染「えっ」

後輩「…………あう……つい……」カアーッ

作戦エキスパート「は、はいっ。ではさっそく始めましょう! 男さん……じゃなかった、衛生兵さんからゲームスタートです! 皆さん、駒をアトランタに配置して下さいっ」

衛生兵「お、おう!」

通信指令員「はーい」

科学者「は、ははははいっ」

本日分おわり

乙 
後輩ちゃんかわいい
ただ幼なじみは負けフラグという風潮一理ない

パンデミック…また難易度の高いゲームから来たな。まぁ、ルールは単純か

すみません
私用で立て込んでしまったので木曜に纏めて投下します

投下開始

作戦エキスパート「えっと……アウトブレイクマーカーは0になってますね。科学者ちゃん、エピデミックカードは抜いてある?」

科学者「はいっ。抜いてますよ」

作戦「では衛生兵さん、このプレイヤーカードをカットして通信指令員さんに回して下さい。通信指令員さんも同じ様にカードをカットして、科学者ちゃんに渡して下さいね」

衛生兵「分かった。それとアウトブレイクってのは?」

作戦「同じ色のウイルスのキューブが一つの都市で4つになってしまうと発生する、爆発的感染拡大の事です」

作戦「アウトブレイクが発生すると周囲にウイルスを配置し、アウトブレイクマーカーを一つ進めなくてはなりません」

通信指令員「マーカーが最後まで進むとどうなるの?」

作戦「残念ですが、ゲームオーバーになってしまいます」

通信「うむむ……それは気をつけないと。衛生兵はまとめてウイルス取り除けるんだから頑張ってね!」ポンポン

衛生兵「いやお前も頑張れよ。そういやアウトブレイクすると周囲にウイルス置くって事は、周りにウイルスが3個あったら……」

作戦「連鎖的にアウトブレイクしますね。なるべく避けたい事態です」

衛生兵「うへぇ、厳しいな。ほいカード」

通信「どもども。ヤバめな所が遠くなら私が飛ばすから安心してね。はい、どうぞ」

科学者「あ、はい」

作戦「それぞれの役職が持つ特性を活かせばきっと大丈夫ですよ」

科学者「部長、カットしました」

作戦「ありがとうございます。ではアウトブレイク以外の敗北条件の説明もしましょうか」

作戦「ええっと……先程カットしたプレイヤーカード。これを自分のアクション終了後に二枚引くのですが、このカードの山札が無くなり引けなった状態で手番が終了すると敗北になります」

作戦「もう一つはウイルスのキューブ。このブロックが場に出せなくなった状態で行動が終了、ですね」

通信「ほあー」

科学者「あの、プレイヤーカードは勝利条件のワクチンを作る為に必要なカードなんです。これを同色五枚、私なら四枚集めワクチンを精製するのですが……」

衛生兵「枚数が限られていて、更にカードが尽きたらゲームオーバー……か」

作戦「はい。ウイルスも適宜処理する必要があるので、限られた手番をフルに活用しなくちゃいけませんよ」

通信「うう……なんか難しそう……」

作戦「やってみればそれほど難しく無いのですが……」

衛生兵「話だけ聞くとなかなかややこしいな」

通信「私、知恵熱出るかも……」
作戦「このゲームはプレイヤーが協力し合って勝利を目指すゲームですから、全部が全部を一人で対処しなくて良いので、実際の個人かかる負担は意外と少ないんですよ」

衛生兵「だってさ」

通信「が、頑張る……」

衛生兵「それで、勝利条件は?」

作戦「四種の疫病に対する四種の特効薬を全て完成させる事です」

通信「へー。そこは単純なんだね」

科学者「で、でも簡単にはいきませんよ?」

通信「うん、頑張る」

作戦「では最初カードを配りますよ。今回は四人なので二枚です」

衛生兵「リオデジャネイロと東京か……」

通信「わ、同じ色のカードだ。私ツイてるかも」

科学者「黄熱病とインフルエンザのワクチン一枚ずつか……」

衛生兵「黄熱病?」

科学者「あ、えと……色ごとに何のウイルスか決まっているんです。黄色は黄熱病、赤はインフルエンザという具合に……」

衛生兵「へえ、何か通っぽくて良いな。黒はなんなんだ?」

科学者「えと、黒はエボラです」

衛生兵「エボラ……確かに黒っぽいわ」

科学者「あの……あと、青はマールブルグ熱……です」

通信「ブロックだけだとそうでも無いのに、病名聞くとなんか生々しいね」

衛生兵「……だな」

科学者「あ、えと……部長。難度はどうします?」

作戦「初級でやろうと思います」

科学者「じゃあエピデミックカードは四枚ですね」

作戦「はい。もうカットしたので場にセットしましょう」

通信「さっきも言ってたけど、エピデミックカードってなに?」

作戦「引くと大変な事になるカードですよ」

作戦「エピデミックカードを引いたら、感染率を一段階上昇させます。そして感染カードの山札の一番下から感染カードを一枚めくり、その都市に対応する色の疾病キューブを三つ置くんです」

衛生兵「エピデミックカードを引くと、既にブロックの置かれている都市にさらにブロックが置かれる可能性が高くなるのか……」

作戦「はい。アウトブレイクする確率が上がるので、気を抜くと大変な事になってしまいますよ?」




衛生兵「などと談笑しつつゲームは始まり……」






通信「南米にエボラが大量発生してるわ。衛生兵、お願い!」

衛生兵「任せとけ!」






科学者「できた……インフルエンザの特効薬。貴女のお陰よ、通信指令員さん」

通信「えへへ……」

科学者「衛生兵さん、これでインフルエンザの根絶が可能です。あとは……任せますっ」

衛生兵「ああ。どこにだって飛んで行って、インフルエンザを根絶やしにしてやる!」






作戦「うそ……エピデミック!?」

通信「そんなっ? アウトブレイクで東京がピンチだよ!?」

科学者「ううっ……あと一つでワクチンが揃うのに……」

衛生兵「一つ、か。なら俺のカードを渡せばワクチンが作れるな」

科学者「あ、ありがとうございますっ」

衛生兵「リオデジャネイロで落ち合おう。通信指令員、飛ばしてくれ!」

通信「うん、お願いね!」






作戦「基地は作ったわ。任せたわよ、みんな」

科学者「出来ました! 黄熱病の特効薬っ!」

通信「やた! じゃあ東京に飛ばすよ、衛生兵!」

衛生兵「ああ。黄熱病は俺が一つ残らず根絶してやるッ!」






そして――――






通信「最後のワクチン、五枚揃ったよ!」



―――
――


男「……か、買った、のか……?」

部長「はい。勝利条件達成です!」

男「たはー。ギリギリだったなぁッ」

後輩「で、でも私達の勝利ですよ!」

幼馴染「や……やったぁっ! スゴい、スゴいよ! 面白い! コレすごい楽しいっ」

男「あ、ああ! 面白いな、これ……!」

部長「楽しんでいただけた様でなりよりです」ニコッ

男「あ、あはは……」

幼馴染「何かずっと集中して遊んでたら喉乾いちゃった」

後輩「そ、それなら下に飲み物買いに行きますか?」

幼馴染「うん、そうする。男は何か飲む? お昼のお詫びに奢ってあげよう!」

男「いいのか? ならお茶が欲しいな。紅茶じゃなくて普通の」

幼馴染「おけー。じゃ、行ってくるね」

後輩「あ、わ、私も行きますっ」

幼馴染「うん、良いよ。行こっ」

部長「行ってらっしゃい」

後輩「はいっ」

男「走って転ぶなよー」

幼馴染「転ばないよっ」

男「はは……」

男「……」

男(あれ? 俺、部長さんと二人きり?)

男「…………」

男(何か話さないと不味いよな……)

男「……」

男(二人きりで何話せば良いんだ? ゲームの話か? それとも部活の事?)

部長「……不思議ですよね」

男「え?」

部長「後輩ちゃん、すごい人見知りの激しい子なんです」

部長「けど、たった数時間一緒にゲームをやっただけで、あんなに打ち解けてる……」

男(そういや幼馴染も人見知り激しいのに、後輩ちゃんと飲み物買いに行ったな)

男「そう……だな」

部長「男さんも、堅苦しい言葉が抜けてますよ?」

男「そういえば……」

部長「不思議ですよね」クスッ

男「うん。不思議……だな。あ、いや、不思議ですね」

部長「はい。ゲームって不思議で、楽しいですよね。本当に……」

男「……ええ」


ガチャ

幼馴染「ただいまーっ、って、男!? なに部長さんの顔見つめてるのさ!」

男「んなっ!?」

幼馴染「部長さん、男に変な事とかされてませんよね?」

後輩「部長と……変な事……」ポッ

男「え、なにその反応」

部長「うふふっ。二人でお話してただけですよ」クスクス

後輩「二人きりで……変な事……?」

男「」

幼馴染「後輩ちゃん、男に近付いたら変な事されるよ! あっちで一緒にジュース飲も?」

後輩「は、はいっ」

男「」




男(そんなこんなで俺の卓ゲ部見学は終わった)

男(ゲームで遊んで、こんなに楽しいと感じたのは何時ぶりだろう)

男(楽しいと思えたのは何時ぶりだろう……)



投下終了


ボードゲームは人と顔を合わせてプレイするから良いときはホント面白いよな
合わない人とすると最悪だけど

とりあえず男もげろ

牡蠣食べたら胃腸がリアルアウトブレイク

投下します

部長「外が暗くなって来ましたし、今日の活動はここまでにしましょうか」

男「本当だ。なんか、あっという間だったなぁ」

幼馴染「だねー」

部長「それでは後輩ちゃん、片付けを始めましょう」

後輩「は、はいっ」

男「俺も手伝うよ」

後輩「え、そんな、いいですよっ。せっかく来てくれたお客様に手伝わせるなんて……」

男「じゃ、自分が出したゴミを片付けるついでって事で。これなら手伝いにならないだろ?」

後輩「それなら、えっと……」チラッ

部長「こうまで言っていただけるのを無下にするのは、かえって失礼ですよ。男さん、お願いして宜しいですか?」

男「構わないよ。俺は飲み終わったペットボトル纏めるから、幼馴染はお菓子の空袋纏めてくれ」

幼馴染「はーいっ」

後輩「じ、じゃあ私はゲーム片付けますっ」

部長「あ、あの……これだと私のやる事が無いのだけど……」

―――
――


ガチャ

部長「本日は色々とありがとうございました」ペコリ

後輩「わ、私っ、四人でボードゲームなんて久しぶりで、すごい楽しかったです!」

男「俺も楽しかったよ」

幼馴染「私も楽しかった!」

部長「それは何よりです。よろしければ、また遊びに来て下さいね」

男「迷惑じゃなければ、是非」

幼馴染「私もっ!」

後輩「ぶ、部長……遊びに……なんですか?」

部長「……ルールですから、仕方ありません」

幼馴染「ルール?」

部長「……」

男「あの……」

部長「なんでしょうか?」

男「俺は部に勧誘されて見学に来たんです」

部長「はい」

男「入部、勧めないんですか?」

部長「……はい」

幼馴染「え、なんで?」

後輩「それは……えと、その……」オロオロ

部長「……禁止なんです」

男「なにを……?」

部長「卓ゲ部は部内恋愛禁止なんです。ですから、お付き合いしてる男さん達を勧誘する事は出来ません」

幼馴染「あ……」

男「あ、あー、そうなんですか」

男(何故? とは聞き難い話だな。卓ゲ部員が二人しか居ない理由も、そこに有るんだろうし)

男(さておき誤解は解かないと……)

男「あの、部長さん。俺達付き合ってませんよ」

部長「え?」

男「いや、だから俺達付き合ってませんて。な?」

幼馴染「……うん。私達、ただの幼馴染みだよ」

部長「……」

後輩「……部長?」

部長「え、えと、そのっ、私ったらとんだ勘違いをっ!? す、すみません!」

後輩「ぶ、部長、冷たいお茶ですっ」サッ

部長「は、はい。冷たいお茶いただきますっ」コクコク

部長「……ふぅ」

部長「すみません、すっかり取り乱してしまって」キリッ

男「はは……よく勘違いされてるんで、別に気にしなくて良いですよ」

部長「は、はあ……」

幼馴染「私たち仲良いし、勘違いされても仕方無いよね」

男「だな」

後輩「ほ、本当に仲良いですよねっ。私もお付き合いしてるって思ってましたっ」

幼馴染「うんっ。生まれた頃からの付き合いだからね。そう見えても仕方ないかな!」フフーン

部長「ご兄弟なんですか!?」

男「あ、いや。誕生日同じなんですよ」

幼馴染「病院も一緒なんだよ」

男「感覚的には向かいの家に住んでた妹だな」

幼馴染「わ、私の方が一時間早く生まれてるんだから、男の方が弟だよっ!」プンスカ

男「はいはい。と、まあ、こんな感じなんです」

部長「ふふっ。本当に仲がよろしいのですね」

後輩「ぶ、部長……!」チョイチョイ

部長「……そうですね」

男「?」

部長「男さん、幼馴染さん」

男「なんですか」

部長「先程は失礼しました。改めて、お願いがあります」

部長「形だけでも良いので、卓上ゲーム研究部に所属していただけないでしょうか?」

部長「せめて同好会としてでも部をこの学校に残したいんです。どうかお願いします!」フカブカ
後輩「私からもお願いしますっ!」フカブカー

幼馴染「こちらこそ宜しくお願いしますっ」フカブカ

男「え?」

幼馴染「入らないの?」

男(部員は二人。以前に何か問題があったっぽいのは俺でも分かる。でも、ゲームは本当に楽しかった。後輩ちゃんも部長もすごい良い子だし、なにより……)

男「お前が入るなら俺が入らない訳にはいかないだろ?」

幼馴染「だよね!」クスッ

男「部長さん、後輩ちゃん。明日から宜しくお願いします……で、良いのかな?」

部長「……っ、は、はい、明日から宜しくお願いしますっ」

後輩「よかったぁ……」ホッ

―帰路―

幼馴染「今日は楽しかったねーっ」

男「ん。でも良かったのか? 部活入っても」

幼馴染「なんで? 楽しかったし、もっと色んなゲームで遊べるんだからサイコーだよっ」

男「ま、お前が良いならいいや」

男(こいつの人見知り改善にもなりそうだし)

幼馴染「そうだ、お母さんがたまには夕飯食べていきなさいって言ってたよ。今日寄ってく?」

男「あー、今日はパス。冷蔵庫の中の物減らしたいしな」

幼馴染「えー、遠慮しなくても良いのに」

男「遠慮じゃないって。それにお前ん家寄ると帰り遅くなるし」

幼馴染「むう……」

男「近い内に寄るから。な?」

幼馴染「ほんとに?」

男「本当に。約束する」

幼馴染「絶対だよ?」

男「おう。じゃ、俺はこっちだから」

幼馴染「うんっ、また明日ね!」タタタッ

男「ああ。またなー」フリフリ

男「……さて、スーパーで弁当買って帰るか」

投下おわり
みなさんもナマ物には気を付けて下さい

まってるよ~

生存報告です
近日投下します

乙 再開期待

まだかなー

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