御坂「…匂う?」 (77)
とある科学
・御坂が匂うお話です。
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ーーファミレス
初春「白井さ~ん それものすごく匂いますよ」
白井「何をいいますの初春 レディとして当然の嗜みですわ」
佐天「いや それにしてもですね……流石に香水を付け過ぎですよ」
白井「いやですわ 佐天さん」
白井「これくらいでちょうどいいんですの」
御坂「……匂いか」
白井「お姉様? どうかいたしましたか?」
御坂「……」
ー
ーーー
ーーーーーー
, -──- 、
/:::::::::::::: ::\
/::::::::::: ::∨ト、 こいつはくせえッー!
:::::::::: :: レ'ノ
:::::::::::::: ::: レ'⌒ヽ ゲロ以下のにおいが
、` ー-===-゚---゚==‐' /
、`¨フ>;''ニニゞ,;アニニY´; ) こんな悪には出会ったことが
_、;;)¨´,ニ=゚='" ,.ヘ=゚:く {ッリ' ねえほどなァ────ッ
i1(リ r;:ドヽ K
ヾ=、 に二ニヽ `|; ) 環境で悪人になっただと?
_,ノ| i. {⌒゙'^ヽ.{ i;; ヽ ちがうねッ!!
_,ノ!i ヽ、 ヾ二ニソ ,';;; ;;冫=:、
_;(|.!. \ ‐っ /!;;; ;;/ 、''"\__ こいつは生まれついての悪だッ!
'ト、\. ,ゝ、.二..イリ\ / ー1\'ニゝヽ_
:ヽ `ニア ,. -┴‐‐' ー-:l :=ゞ=ソ」=ヽ ジョースターさん
:::::\ ニ=ト、.i___`ー-┴-、ノ . l __l| ,ニト、くヽ
l::::::::::\ー:ト __}/ト、゙ ー-‐| ,ニ|ゞ=ハ `¨´ー- 早えとこ
;ニ=ー:::::::ヾト、._  ̄ ノ|::ヽ ニ._‐-ゞ=' .ノ ::|::::::::::: 警察に渡しちまいな!
:\:::::::::::::::ヽ  ̄ ̄ !:|:::::  ̄ ̄ ::::|::::::::
上条さんにこれを言われたら美琴は自[ピーーー]るなwwwwwwwwwwww
前々から御坂はくさそうだなと思ってた
期待
常に生理の臭いしてそうだよね
臭い御坂たんをペロペロしたいお
--御坂美琴 小学5年生
先生「御坂さん 前回の能力測定の結果......」
先生「電撃使い:Lv.4になりました! おめでとうございます!」
御坂「ありがとうございます!」
「みこっちゃんすごーい」
「すげぇな!御坂」
「俺も負けねぇ」
ワイワイガヤガワ
御坂「ありがとう皆!」
御坂美琴は真面目に勉学に励んでいた
彼女なりの理論として現象へのアプローチには
認識できる領域の拡大が必要だと感じていたからだ
そして
自分の能力が高くなれば それだけ難病の治療に貢献できると考えていた
>>7 差し替え
ーー御坂美琴 小学5年生
先生「御坂さん 前回の能力測定の結果......」
先生「『Lv.4:電撃使い』になりました! おめでとうございます!」
御坂「ありがとうございます!」
「みこっちゃんすごーい」
「すげぇな!御坂」
「俺も負けねぇ」
ワイワイガヤガワ
御坂「ありがとう みんな!」
御坂美琴は真面目に勉学に励んでいた
彼女なりの理論として現象へのアプローチには
認識できる領域の拡大が必要だと感じていたからだ
そして
自分の能力が高くなれば それだけ難病の治療に貢献できると考えていた
他人には見せなかったが人一倍努力をした
その結果が出たことに彼女は喜びを隠せなかった
しかし
「おえぇう......」
「......うっぷ」
御坂「......」
何時頃からか
同級生達は御坂に近づくと吐き気を催すようになっていた
御坂「ちょっと大丈夫? 保健室に行こっか?」
「大丈夫だから......ちょっとトイレに行ってくるね」
御坂を避けるようにこの場を離れていく
御坂「(病気が流行っているのかな)」
ただ純粋に心配した
ーー御坂美琴 小学6年生
御坂「......」
Lv.4になってからおよそ1年が経過した
能力は出力・継続力ともに向上している
しかし
御坂「(......皆が私を避けている)」
御坂「(以前まで忌避感は......勘違いなんかじゃない)」
高位の能力者はその力故に避けられるようになる
学園都市の序列1位に至っては あまりにも避けられ続けたため自身の名前さえ思い出せないという
御坂の場合もそれに当てはまるのだろうか
教室の席を一番後ろの窓側に固定されたのは何故だろうか
季節に関係なく8割の人間がマスクを着けるようになったのは何故だろうか
真夏にも関わらず 空調を付けずに窓を全開にしているのは何故だろうか
御坂「(私の思い過ごし きっとそうに違いない)」フルフル
頭を振り疑念を振り払う
御坂「(原因は『あれ』なんかじゃない 絶対違う)」
「みこっちゃーん さっきの授業でここがわかんなかったんだけど」
御坂「どれどれ?」
今も変わらず関わりを持つ人はいる
御坂が教科書を覗き込むために身を乗り出すと
「おえぇ......」バタン
えづくと同時に昏倒してしまった
御坂「なっ何で?ちょっと大丈夫!?」
慌てて駆け寄る御坂だったが 近づくことは出来なかった
周りの人間が御坂を遮る
御坂「ちょっとアンタ達! 人が倒れてんのよ! どきなさいよ!」
明らかに怒気を孕んだ口調だった
目の前で人が倒れているのに何故手を差し伸べようとしないのか
真っ直ぐな性格の彼女らしい感情の吐露だった
「御坂そいつから離れろよ!」
御坂「なんでよ!?」
意味不明な命令に耳を貸すことはできない
御坂はその理由を問う
対峙している彼は悲しそうな顔を見せ
直後に決意を固めた表情に変わる
そしてゆっくりと それでいてはっきりと
「御坂 お前な」
「臭うんだよ」
御坂「......あはははは」
力なく椅子に座り 乾いた笑いを漏らす
疑惑が確信に変わった瞬間だった
御坂「それっていつから?」
「......御坂がLv.4になるちょっと前から」
御坂「そんなに前から」
「御坂 お前本当にわかってなかったのか?」
御坂「ごめんね 本当にわかんない」ポロポロ
若干11歳で大能力者になろうとも 思春期が始まったばかりの女の子である
異性からニオイを指摘された事に耐えられるはずもない
御坂「ちなみに......それってどんな臭いなの?」
「......ものすごく生臭い」
彼も彼とて悪意を持って言っているわけではない
ニオイは繊細な問題であることも知っている
道徳の授業も真面目に取り組んだし 保健の授業にも真面目に取り組んだ
他の児童も同様である
全員が『人と異なる事』に対しての理解を十分に持っていた
御坂が人とは異なっていても 何も変わらず友達であると
しかし 御坂は実害を出してしまった
彼女の能力向上に伴い高まる臭気
『嗅覚』は大脳辺縁系へ直接届く感覚 それだけに本能が告げる
「この臭いは危険である」
いつか真実を告げる日が必ずやってくる
その時は誰かが泥を被らなければならない
少年は汚れ役になる覚悟を持っていた
これは期待
御坂「......」ゴシゴシ
御坂「言いにくいこと言ってくれてありがと」
御坂「アンタのそういうとこ 嫌いじゃないわ」ニコッ
御坂「ちょっと買物してくるから先生に言っておいて」
目を擦りながら教室を去る御坂
「おい御坂!」
呪うでもなく恨むでもなく
ただ気を遣われた
あれは皆が知っている御坂そのものだった
自分の事よりも他人の事を気にかける
ただの明るい女の子だった
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー午後 臨時休校
御坂「私......皆に迷惑かけてたんだ」
独りぼっちで帰路につく
室内でこそ避けられていたが 登下校は皆と一緒だった
しかし それも今朝までの話である
御坂「もう皆とは一緒にいられないのかな」
自分に振りかけた香水を嗅ぎながら独り言を漏らす
~~~~~
御坂は昼休みの内に買い物を終えることができた
戻ってすぐに自分の机を教室の一番隅に移動させ
購入した大量の『活性炭』を自分の周りに配置した
今でも自身が放つ臭いはわからないが 原因が臭いであるならば取るべき対策も思いつく
そして香水瓶を取り出し振りかける
何度も何度も振りかける
バニラがメインであり 自分たちの年齢では一番好きな香りだと判断し購入したものだ
御坂は同級生に話しかけられない
気づかないまま1年間以上迷惑をかけ続けた負い目と
友達を1人気絶させた加害者としての負い目からであった
同級生は御坂に話しかけられない
気づいていながら1年間以上放置し続けた負い目と
御坂を加害者にさせてしまった負い目からであった
それでも同級生は気がついた
御坂の行った対策が正しかったことに
(臭いが減った......?)
(あっ! これバニラの匂いだ)
(やっぱ御坂はすげぇな もっと早くに教えてやるんだった)
先程まで張り詰めていた空気も徐々に緩んできた
御坂も周りの空気が変わったことに気がついた
御坂(対策は......正しかったのかな?)
根本的な原因がまだわかっていなかったため完全な対応こそ出来なかった
けれど現状さえ把握できれば一時的な対処はできる
皆((あとはきっかけさえあれば元通りに......))
キーンコーンカーンコーン
チャイムが響き 教室の扉が開く
先生「皆さん 午後の授業を始めますよ」
ビリビリならオゾン発生してるから消臭効果あるのでは
体臭LEVEL5
皆((......))
水を打ったかのように静まりかえる教室
彼らは担任の一言を きっかけになる一言を待った
『御坂さんを隅に追いやって あなた達何をやっているの!』
という言葉でも良かった
『御坂さん! あなたにはまだ香水は早すぎます 私くらいの歳に......こほん』
という言葉でも良かった
きっかけさえあれば元通りになる
そう思えるだけの自信が彼らにはあり
その自信を持つに至る教育を施したのは目の前にいる先生だった
先生「あなた達!」
全員が先生に注目する
先生「......こんなに追い詰めてしまってごめんなさい」ポロポロ
もうどうにもならない
この場に居る全員がそう感じ取ってしまった
今まで大人がこんなにも涙をこぼす場面に出くわしたことはなく
どのような行動を起こせば良いのか
もう誰にもわからない
先生「今から自習の時間にします」
先生「その後の指示は校内放送に従ってください」
ーーーーーー
ーーー
ー
先生「......」ツカツカ
職員室に急ぐ途中 彼女は思い返していた
この小学校ではLv.3を超える児童自体が稀であり 現在は不在である
そしてLv.4に至った児童は御坂が初めてのことであった
もちろん喜ばしいことであるがその急激な成長は問題を孕んでいた
『高位能力者は忌避される』
現在長点上機学園に在籍している生徒の話である
彼は桁違いの能力を発現させてしまったため まともに学校に通うことすら出来ず 完全に孤立してしまっている
研究員は手放しで喜んでいたが教員は違う
集団で過ごす時間を 他人と過ごす時間を 彼から奪い取ってしまった
当たり前の権利すら奪い取ってしまった
同じ過ちを繰り返さない
そのための教育方針が全力で模索されていた
幸運にもこの学校は序列1位の児童が在籍していた学校とは異なり 統括理事の1人『親船』の管轄である
他の学校よりも児童に対する対応は良い
しかし
学校の対応は御坂の急激な成長に追いつくことは出来なかった
さらに御坂の抱える物が『臭い』という繊細な問題である事と御坂自身の性格が非常に安定していたため 対応を先送りにしてしまう
『皆がそれぞれ異なる存在である事を理解する』『能力レベルに関係なく接する事に全力を尽くす』
前者は児童向けの教育方針
後者は教員向けの指導方針
これらを最も実行できていたのが御坂達の担任であった
しかし現状は
最悪の表現だが『臭い物には蓋』でしかなかった
先生は自身の無力さを責める
先生「緊急事態です 至急職員会議の招集をお願いします」
職員室は騒然とした
先生も児童も御坂自身も
他人を思いやっただけにも関わらず
皆が不幸になった
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー教室
自習時間にも関わらず
談笑もなく完全に沈黙していた
誰もが自責の念に囚われている
実際には誰も悪くないにも関わらず
先生『校内放送です』
先生『午後からは臨時休校とします 皆さんは速やかに帰宅してください』
先生『御坂美琴さんは速やかに職員室まで来てください』
先生『繰り返しますーー』
御坂(そんな......学校を巻き込むレベルだったなんて)
もはや机から顔を上げることすらできない
同級生も声をかけることすら出来ずに1人また1人と教室を去っていく
教室で独りきりになった御坂は職員室へ向かう
ーーーーーー
ーーー
ー
御坂「失礼します」コンコンコン
中にいたのは担任だけであった
先生「御坂さんお話があります」
御坂「はい......」
先生「先ほどの職員会議で......」
先生「あなたの『登校の義務』が免除されました」
御坂「......」
先生「理由を聞いていただけますか?」
御坂「はい」
先生「それはあなたの放つ『臭気』によるものです」
そう言い放つ表情は『覚悟』を決めた人間だけが持つものだった
先生「現在の学校の設備ではその臭いに対応できません」
先生「また あなたは品行方正・成績優秀 そしてすでに能力レベルが大能力者です」
先生「すでに常盤台中学への推薦も決定しています」」
先生「以上のことからあなたの登校の義務が免除されました」
先生「何か質問はありますか?」
御坂「先生......私の体臭はそんなにもひどいですか?」
先生「体臭ではありません」
御坂「!?」ビクッ
先生「その臭気の発生はあなたが大能力者になった頃からです」
先生「そしてあなた自身はそれを感知できない」
先生「これはほぼ間違いなく能力による影響です」
先生「あなたが放つ臭いですが......あなた自身の臭いではありません!」
先生が女の人でよかったと 御坂は辛いながらもそう思えた
御坂「ひとつ聞きたいんですけど......皆にこの事を話したことはありますか?」
先生「ありません けれどこんなことになる前に皆で話し合いをすべきだったかもしれません」
ひどく落ち込んだ表情を見せる担任と何故か顔を緩める御坂
御坂「わかりました 今後は自宅でお勉強しています」
御坂「卒業式には顔を出しますから......その時は少し我慢してくださいね?」ニコッ
先生「......ごめんなさい御坂さん」
御坂の優しさと強さを過小評価していた事をひどく悔いている
担任は涙を流し 御坂はそれを慰めていた
御坂「失礼しました」
~~~~~~
~~~
~
~~~~~
状況を再認識してなお独り言を続ける
御坂「けどしかたないよね」
御坂「近づくだけで倒れちゃうんだもん」
御坂「どんだけ臭いんだっつーの!」
御坂「あの子もあの子よ」
御坂「無理して話しかけてくれなくてもよかったのに」
御坂「......」ジワッ
御坂「あいつもあいつね」
御坂「わざわざ教えてくれなくたって」
御坂「私だけが知らなければ笑い話にもできたでしょうに」
御坂「ほんとお節介!」
御坂「......」ジワッ
御坂「......先生も先生だよ」
御坂「全員を退避させて自分だけ残って......」
御坂「私まだLv.4だよ? 第1位くらいの出力なんかないって」
御坂「あははは」
御坂「......」ジワッ
御坂「皆と距離を感じたのは正解だったんだなぁ」
御坂「近づくと倒れちゃうんだもん 当然だよね」
御坂「・・・・・・けど」
御坂「1回も言われなかったな」
御坂「1年以上あったのに本当に1回も言われなかった」
御坂「どんだけ優しんだっつーの」
御坂「もう会えないのかぁ」
御坂「......」ポロポロ
御坂「うわぁーーん! そんなのヤダよぉ!!」
聡明な彼女は理解してしまう
このまま能力が上がり続ければ確実に他人と触れ合うことはできなくなる
たとえ上がらなくともほぼ間違いなく他人と同じ空間を共有できなくなる
行き先もわからないまま ただ走る
自分にまとわりついた何かから逃げるように ただ走る
やがて曲がり角に差し掛かる
ーーーーーー
ーーー
ー
ーーとある曲がり角
ゴツン
御坂「わっ」
慌てていた御坂は尻餅をつく
「ぐぉっ」
「って大丈夫か?」
少年は右手を差し出す
御坂「放っといてよ 近づいたら鼻がひん曲がるわよ」
「わけのわからんことを ほらっ」グイッ
御坂「わっ あんまり近づかないで! 倒れちゃうわよ!?」
「さっきから何をいってるんだ? もしかして頭を打ったのか?」
御坂「(あれ? なんか変)」
「今度は黙りこんでしまった......もしもし? 大丈夫ですか?」
御坂「あんた......鼻つまってんの?」
「ん......なんだこの匂い!?」
御坂「(やっぱり)」ジワッ
「なんで小学生がこんなに香水つけてんだよ」
御坂「......」
「それとも何か? 調理実習か? バニラエッセンスを零したのか?」
御坂「......」
「もしもし? 聞いてますか?」
御坂「うわぁーん!!」ボロボロ
不意に鳩尾にぶつかって来た小学生
そして倒れている所を起こしてやると変な質問をされる
それに答えてやると大泣きが始まった
「あぁ 不幸だ......」
少年は途方に暮れる
臭さだけならレベル6級
だから御坂は友達がいないのか~納得
おつ
アンチってこんな設定捏造するまで御坂のことが嫌いなのか
こりゃかまちーから釘を刺されるのも当然だわ
まあ能力が原因なら上条さんが常に手を繋いどけば解決なんだろうが
ここじゃ電撃の心配もないんだろうし
自家発電し過ぎて匂いが消せなくなったのだろう
SSごときでかまちーを引き合いに出す奴も気持ち悪い
まあ確かにこんなssは影響ないだろうけど、御坂アンチの馬鹿さ加減が積もり積もったのは確かだろうな
ただこのssは臭うではなく匂う
逆にアンチの期待を裏切るんじゃないかと思ってる
能力のせいならそれこそオゾンの臭いじゃねーの?
古いパソコンから出てる臭いだろ
お前別のSSで一方厨がどうとかって荒らしまくってたやつだろ
信者もアンチも気持ち悪いのはいつもどおり
>>30
ちゃんと「臭う」とか「臭気」て書いてありますけどwww
>>34
スレタイに加え過去バナ形式なんだから、どういうオチに着地するのか分からないよって言ってるのも解せない低能か? まぬけ
ご都合主義な奴だな~
それは無理があるよ
臭いから匂う
「え~と 落ち着きましたでせうか?」
御坂「うん......」グスグス
「話したくなけりゃ話さなくてもいいけどさ」
「乗りかかった船だ 聞くくらいならできるぞ?」
少年は軽い苦悶の表情でお腹をさすりながら御坂に話し掛ける
御坂「......もう学校の皆に会えなくなるの」
「引越しでもするのか?」
御坂「ううん 私の能力が上がるにつれて周りに被害を出すようになってきたの」
御坂「とうとう今日友達が1人倒れたわ」
御坂「けどなんでかなぁ 私いまでもその原因に気づけないのよ」
「原因ってなんなんだよ?」
御坂「凄まじい『臭い』なんだって......思い返せば 私が近づくと皆つらそうだったわね」
「『匂い』か……確かにそれだけ香水を振りかけていたらキツイだろうな」
「そもそも なんで香水なんか使ってんだ?」
御坂「この匂いじゃないんだけど これは対策なの」
御坂「実際はものすごく生臭いんだって......」
「ふ~ん 全然わかんねぇよ」
御坂「アンタが特殊なのよ」
御坂「けどもしかしたら......神様が最後にくれた奇跡なのかもね」
御坂「今日の出来事を聞いてくれる?」
「俺で良ければ」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーーーー
御坂「なんかいっぱい話しちゃったわね」
御坂「話したらちょっと楽になったわ」
御坂「聞いてくれてありがとう じゃあね」
「......待てよ」
御坂「何よ いつまでも繋いでないでその右手を離してよ」
「まだ終わってないだろ」
御坂「はあ? 何が?」
「お前自身の事だよ」
「周りの心配ばっかしてお前自身の事が放ったらかしじゃねぇか」
御坂「だってしょうがないじゃない 私が近づくと皆倒れちゃうのよ」
御坂「私は加害者なの!」
御坂「だったらもう皆の輪から外れるしかないじゃない!」
「お前の友達も先生も! その輪からお前に外れて欲しくなかったから事実を伏せ続けてたんじゃないのか!?」
「一緒に居たいと思ってたから自分が倒れることも構わずに話掛けに来たんだろ!」
「お前がそれ以上離れて行って欲しくなかったから 嫌われ役になってまで真実を伝えたんだろ!」
「お前たちが反目しあわないために たった1人で命をかけてお前と対峙したんだろ!」
「そいつらの気持ちを蔑ろにして自分から外れようとするなんざ」
「それこそがお前の仲間に対する裏切りじゃないのか!!」
御坂「もしそうだとしても!」
御坂「私はもう独りになっちゃったのよ! これ以上どうしろっていうのよ!」
「まだ終わってねぇ」
「この学園都市には230万の能力者に1000を超える研究機関がある」
「諦めるのはそれを調べ尽くしてからでも遅くないだろ」
御坂「バカじゃないの!?」
御坂「独りじゃ無理よ......」
御坂は想像する
皆と一緒だから頑張れたこれまでの自分と
独りぼっちのこれからの自分を
「俺が居る」
「お前にはまだ俺が居る」
御坂「ーーーー」
眼前の少年は全く持って度し難い
ほんの少し前に会ったばかりの御坂美琴に対して
わけのわからない言葉を紡ぎながら
当然のように手を差し伸べてくれている
この1日だけで様々な出来事が御坂の心を揺さぶった
通常の精神状態を保てていなかっただけかもしれない
しかし
今この瞬間 かつてないほどの電撃が彼女の心を貫いた
「お前の犠牲で皆助かるなんて思っているのなら」
「まずはその哀しい幻想を」
「ぶち殺す!」
物騒な言葉とは裏腹に
少年の余った左手は御坂の頭をくしゃくしゃと撫で回している
御坂「......うん」
彼女の心には先程まで失せていた希望が詰まっている
そして初めて手に入れた何かも
ーーーーーー
ーーー
ー
完全に事案発生なんだよなあ
乙です
ーーーー
「よし! 早速始めるか」
御坂「えっ? どこかにアテでもあるの?」
「その前段階だ」
「そして多分これで解決する」
御坂「それって一体......」
「俺達はこれから......」
御坂「これから?」
「化学の勉強を始める!」
御坂「......はい?」
「だから化学の勉強をするんだよ」
御坂「え? うん まぁ科学の街だから勉強はするけど」
「サイエンスじゃねぇ 化け学 ケミストリーの方だ」
「物質の構造とか性質を勉強すれば」
「お前の抱えてる問題も解決できるはずだ!」
御坂「......」
「あれ? 俺おかしな事言ったか?」
御坂「あははは」
御坂「そうね 勉強は大事よね」
御坂「たしかに電気関連の勉強はしてたけど 化学には手を出してなかったわ」
御坂「どうしたのアンタ? 呆けちゃって」
「いや お前笑うと可愛んだなと思って」
御坂「なっ? なななに言ってんのよっ!」
「なんで慌ててるんだ?」
御坂「何でもない 何でもないってば!」
「そうか ならいいけど」
「はっ! もうこんな時間か」
「悪い 今から特売に出かけなければ!」
御坂「え? 何もう行っちゃうの?」
「貧乏学生には死活問題なんですよ」
御坂「そっか」
淋しげな表情は隠すことも出来なかった
「お前ちょっと携帯電話貸せよ」
ピポパポ
「それ俺の番号だから」
「困った事があったら電話しろよ じゃあな」
御坂「ちょっと アンタ! 名前は?」
「俺はーーーー」
御坂「行っちゃった」
御坂「......」
左手に残る温かさを確かめる
御坂「よし 勉強するか!」
本質的に前向きな彼女である
指針が決まってからの行動は早かった
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー1週間後
御坂「はぁ 118種類程度の組み合わせで物質は構成されてるのか」
御坂「組み合わせるとこんなにも性質が変わるものなのね」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー1週間後
御坂「へぇ 自由電子かぁ」
御坂「あれ? 私って実は『電撃使い』じゃないんじゃない?」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー1週間後御坂「…匂う?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394721816/#footer)
御坂「粒子と波動の二重性......」
目を閉じ呼吸を整える
御坂「うん こりゃ物質だしエネルギーだわ」
御坂「しかしまぁ......」
御坂「生身で感じ取れるって人間としてどうなのかしら?」
ーーーーーー
ーーー
ー
>>47 差し替え
ーー1週間後
御坂「粒子と波動の二重性......」
目を閉じ呼吸を整える
御坂「うん こりゃ物質だしエネルギーだわ」
御坂「しかしまぁ......」
御坂「生身で感じ取れるって人間としてどうなのかしら?」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー1週間後
御坂「空気からパンを作るのか」
水を用意して能力を使う
御坂「ぎゃぁー!! 鼻に! 目に滲みる!!」ジタバタ
御坂「けど 窒素肥料は大事だものね......」
御坂「あー 稲の時期に雷が喜ばれたっていうのはこれに関わるのかな」
御坂「稲に寄り添う電気が『稲妻』か」
御坂「昔の人もロマンチストね」
御坂「もし アイツに寄り添う電気なら」
御坂「『上妻』......かしらね」
ニヤケながらベッドの上を転がりまわる
ケロケロ♪ケロケロ♪
御坂「(電話だ)」
御坂「はい! 『上妻』です」
『あれぇ? すいません 番号間違えました』
ツーツー
御坂「ちょっとぉ!? 変なタイミングで掛けてこないでよ!」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー1週間後
御坂「電気分解......」
コップに水を注ぎならが考える
御坂「水酸化ナトリウムなんて持ってないわね」
御坂「まっ 食塩でいいでしょ」
教科書を片手に能力を使う
御坂「陰極は水素で 陽極は......」
御坂「しまっ
御坂「ぎゃぁー!! 鼻に! 目に滲みる!!」ジタバタ
御坂「『混ぜるな危険!』の危険はこれか......」
バタリ
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー1週間後
御坂「無声放電......」
御坂「あんまり意識していなかったけど」
御坂「私って常に放電してるっぽいのよね」
御坂「意識して強めに放電すると......」
能力を使いながら可聴域外の音を感じ取る
御坂「おぇえぇぇ」
口を抑えて慌ててトイレに駆け込む
御坂「なにこれ!? 気持ち悪い!!」
御坂「ありえないくらい生臭いんだけど」
御坂「信じられない! 何がこんなに生臭いの」
御坂「生臭い?」
御坂「......」
御坂「これかぁああ!!」
天を仰ぐほどのガッツポーズを決める
御坂「良かった......卒業までに間に合った」ホロリ
御坂「......アイツに連絡しておこう」
嬉しそうな顔で携帯電話に手をかける
ーーーーーー
ーーー
ー
御坂の勉強はえーーww
おつ
連投すまん
ここの>>1はなんでいつもsageてるの?
>>53
自己満足で書いているのでsageっぱなしです
しかしsageた状態で反応していただけた時はとても嬉しいものです
反応してくださってありがとうございます
とある化学の異臭騒動
sage進行でもずっと読んでるよ
おつおつ
ーー卒業式の少し前の日 とある小学校
御坂「おはよー」
「みこっちゃん?」
ザワザワ
御坂「皆! 聞いて」
御坂「私ついに原因を
「みこっちゃ~ん!!」
圧倒的な加速を伴った少女が御坂の胸の少し下に向かって飛んできた
御坂「ぐぉっ!?」
品行方正・容姿凛然たる彼女から想像できない程の音が発せられる
それほどの運動量を真正面から受け止めてしまった
「ごめんね! あの時私が倒れちゃったから だから」
御坂「腕上げたわね......」
御坂は軽い苦悶の表情でお腹をさすりながら話し掛ける
御坂「じゃなくて」
御坂「何言ってんの」
御坂「あんなになるまで付き合ってくれてありがと」サスサス
御坂「けど次はもっと早くに教えてよね?」ムギュ
御坂「自分で再現できたけど」
御坂「あれは地獄だったわ......」
「うんうん」ムギュ
御坂「いやぁ~いっぱい勉強したんだから 聞いてくれる?」
「もちろんだよ!」
2ヶ月近い空白を埋めるように話を重ねていく
ーーーーーー
ーーー
ー
ーーーー
御坂「いや~皆と居ると楽しいね」
「ふふっ みこっちゃんは突っ走ってるね」
「けど そろそろあいつにも話をしてあげてよ」
御坂「ん~?」
あの時 御坂に事実を突きつけた彼がそこにいた
御坂「よっ! ひさしぶり」
「御坂 あの時お前に......」
御坂「何謝ろうとしてんのよ」
御坂「あんたがいなけりゃ 多分全員倒れてたわよ」
御坂「むしろ言ってくれてありがと」ニコッ
右の拳を突き出す
「......おう」カアァ
目に見える変化が顔に現れるが
左の拳を突き出す
コツン
きっと彼らはこんな関係を楽しめるのだろう
「こいつってばねぇ」
「『くそっあの時もっと俺がしっかりしていれば』」
「『御坂! 御坂!』」
「とか言ってたんだよ?」
秘密を暴露する際の快感と共に御坂に告げる
「バカ! 言うんじゃねぇよ!!」
赤くなった顔が更に赤くなる
「いいじゃん それで能力も向上したんだしさ」
御坂「へぇ! あんたすごいじゃない」
御坂「こんな短期間でLv.2になったの?」
「......いや Lv.3」
御坂「マジ?」
「マジ」
御坂「......私も負けてられないわね」
「そういや原因って何だったんだよ?」
御坂「あぁ 私って常に発電して放電してるじゃない?」
「うん よく枯渇しないよな」
御坂「まぁ 鍛えてるからね」
御坂「つづけるよ?」
御坂「その放電のせいで大気中の酸素をオゾンに変えちゃってたんだ」
「みこっちゃん それってオゾン層のオゾン?」
「なんか逆に環境に優しそうだな」
御坂「まぁ 紫外線は弱めてくれるかな?」
御坂「ところがね 生物に対しては有害なんだって」
「......あれは有害だよね」
「あの時の御坂は本当にひどかったよな」
御坂「結構気にしてるんだから あんまり言わないでよ」
「ごめんね」
「ごめん」
御坂「ううん こっちこそごめん」
御坂「それでね 「放電」じゃなくて「帯電」できるようにならないかと思って練習してたら」
御坂「できた」
御坂「おかげで前よりもかなり自在に能力を使えるようになったわ」
周囲に球電を複数浮かべてくるくる動かしてみせる
「すごーい!」
「すげぇ!」
御坂「そうだ先生にも報告しないと」
ガラガラ
先生「はい 皆さん席に着いてください」
先生「御坂さん?」
御坂「はい」
先生「御坂さ~ん!!」
御坂「......なんかデジャビュ」
圧倒的な加速を伴った女性が御坂の顔を自身の胸にうずめるために飛んできた
先生「御坂さん! よく来てくれました」
御坂(先生! 胸が! 苦しいです!)
声が出せない状態でジタバタもがく
先生「とうとう原因がわかったんですよ!」
御坂を解放しつつ話を続ける
先生「御坂さんの能力が根本にあってですね」
先生「放電してしまう際に大気中の酸素をオゾンに変えてしまってたんですよ!」
シーン
先生「あれ? どうしたんですか?」
御坂「あはは......先生いろいろしてくださってありがとうございます!」
先生「教師が生徒のことを諦められるはずがありません!」
御坂はこの女性が担任であることを心の底から感謝した
先生「あら?」スンスン
先生「御坂さん! あなたにはまだ香水は早すぎます 私くらいの歳に......こほん」
御坂「はい!」
だいぶ時間は過ぎてしまったが 素敵なきっかけを手に入れた
「「先生いくつー?」」
皆からの質問が飛んで来る
先生「大人をからかうんじゃありません!」
あはははは
教室は笑顔で満たされた
先生も児童も御坂自身も
他人を思う心が深かったため
皆が幸せだった
ーーーーーー
ーーー
ー
ゲコ太パンツもムレムレで臭そう
そろそろ別の理由で臭くなるかな
鉄臭くなるとかかな ニヨニヨ
ーーーーーー
ーーー
ー
御坂「(結局 アイツのおかげで解決したのよね)」
白井「お姉様? 聞いていますの?」
御坂「黒子......目を瞑って」
御坂は白井の頬に両手を添える
白井「お お姉様?」ドキドキ
白井は目を瞑り ほんの少しだけ唇を意識する
御坂「はい これでおっけー」
白井「へ?」
御坂「黒子 あんまり香水をつけ過ぎると」
御坂「あんたを塗りつぶしちゃうわ」
御坂「私はいつもの黒子の方が好きよ?」
白井「お姉様! とうとう私の気持ちが届きましたの!」
初春「そんなわけないじゃないですかー」
白井「うぅいぃはぁあるぅ?」ゴン
初春「白井さん......痛いです」
佐天「あれ? 白井さんの香水がちょうどいい感じになってますよ?」
御坂「私の能力で少し分解させてもらったわ」
佐天「はぁー そんなこともできちゃうんですね」
佐天「そしていい感じになった香水は~バニラ系ですか」
白井「そうですわ お姉様が好きな香水なんですの」
初春「御坂さんってあまりお化粧しない人ですよね」
佐天「確かに」
佐天「でも香水は時々つけてますよね」
初春「なんでですか?」
御坂「あ~ これはね え~と」
御坂「ものすごく辛かった時にね」
御坂「手を差し伸べてくれた奴が居たのよ」
御坂「その時に私がつけてた香水がそれだったの」
御坂「だから その」
御坂「まぁ その時の気持ちを忘れないために時々つけてるの......かな?」
佐天「つまり! 『バニラ』はその人への気持ちなんですね!!」
御坂「え~と その......うん」
照れた表情で答える
佐天「それってもしかして......彼氏さんですか!?」
御坂「なななっ 別にアイツはそんなんじゃないわよ!」
白井「ぎゃぁあぁぁ!!」
初春「きゃぁあぁぁ!!」
1人は顔を真っ青にして叫び
もう1人は顔を真っ赤にして叫ぶ
御坂「ちょっと大丈夫なの?」
白井「お姉様が......殿方に......」ゴンゴン
ぶつぶつと言いながらテーブルに頭突きを食らわせ続ける
初春「御坂さん! 素敵です!! 男の人への気持ちを表すのにバニラを使うだなんて!」
御坂「......」カアァ
佐天「え? なんですか? なんなんですか?」
白井は常盤台のお嬢様としての教養から
初春は初春飾利(フラワーマスター)としての知識から
御坂の意図に気がついてしまう
佐天「ちなみに」
佐天「その人ってどんな人なんですか!?」
御坂「ええっ? アイツがどんな奴かって?」
御坂「......」
何かを思い出すかのように沈黙に入る御坂美琴
目は潤み 頬は桜色に染まっている
佐天「」ドキッ
初春「」ドキッ
佐天「初春! これは匂うよ!!」
初春「間違いないです佐天さん! この匂いは!!」
「「恋する乙女の匂いです!!」」
御坂「......えっ? 何?」
御坂「...匂う?」
おしまい
>>64 差し替え
ーーーーーー
ーーー
ー
御坂「(結局 アイツのおかげで解決したのよね)」
白井「お姉様? 聞いていますの?」
御坂「黒子......目を瞑って」
御坂は白井の頬に両手を添える
白井「お お姉様?」ドキドキ
白井は目を瞑り ほんの少しだけ唇を意識する
御坂「はい これでおっけー」
白井「へ?」
御坂「黒子 あんまり香水をつけ過ぎると」
御坂「あんたを塗りつぶしちゃうわ」
御坂「私はいつもの黒子の方が好きよ?」
白井「お姉様! とうとう私の気持ちが届きましたの!」
初春「そんなわけないじゃないですかー」
白井「うぅいぃはぁあるぅ?」ゴン
初春「白井さん......痛いです」
佐天「あれ? 白井さんの香水がちょうどいい感じになってますよ?」
御坂「私の能力で少し分解させてもらったわ」
佐天「はぁー そんなこともできちゃうんですね」
白井「そうですの」
白井「学園都市230万人の頂点」
白井「7人しかいないLv.5の第3位」
白井「錬金術師(アルケミスト)・御坂美琴お姉様」
白井「常盤台中学が誇る」
白井「最強・最優の『電子使い(エレクトロンマスター)』ですの」
御坂「あー 紹介ありがとね黒子」
白井「いえいえ」
佐天「そしていい感じになった白井さんの香水は~バニラ系ですか」
白井「そうですわ お姉様が好きな香水なんですの」
初春「御坂さんってあまりお化粧しない人ですよね」
佐天「確かに」
佐天「でも香水は時々つけてますよね」
初春「なんでですか?」
御坂「あ~ これはね え~と」
御坂「ものすごく辛かった時にね」
御坂「手を差し伸べてくれた奴が居たのよ」
御坂「その時に私がつけてた香水がそれだったの」
>>65 差し替え
御坂「だから その」
御坂「まぁ その時の気持ちを忘れないために時々つけてるの......かな?」
佐天「つまり! 『バニラ』はその人への気持ちなんですね!!」
御坂「え~と その......うん」
照れた表情で答える
佐天「それってもしかして......彼氏さんですか!?」
御坂「なななっ 別にアイツはそんなんじゃないわよ!」
白井「ぎゃぁあぁぁ!!」
初春「きゃぁあぁぁ!!」
1人は顔を真っ青にして叫び
もう1人は顔を真っ赤にして叫ぶ
御坂「ちょっと大丈夫なの?」
白井「お姉様が......殿方に......」ゴンゴン
ぶつぶつと言いながらテーブルに頭突きを食らわせ続ける
初春「御坂さん! 素敵です!! 男の人への気持ちを表すのにバニラを使うだなんて!」
御坂「......」カアァ
佐天「え? なんですか? なんなんですか?」
白井は常盤台のお嬢様としての教養から
初春は初春飾利(フラワーマスター)としての知識から
御坂の意図に気がついてしまう
佐天「ちなみに」
佐天「その人ってどんな人なんですか!?」
御坂「ええっ? アイツがどんな奴かって?」
御坂「......」
何かを思い出すかのように沈黙に入る御坂美琴
目は潤み 頬は桜色に染まっている
佐天「」ドキッ
初春「」ドキッ
佐天「初春! これは匂うよ!!」
初春「間違いないです佐天さん! この匂いは!!」
「「恋する乙女の匂いです!!」」
御坂「......えっ? 何?」
御坂「...匂う?」
おしまい
>>38 差し替え
「え~と 落ち着きましたでせうか?」
御坂「うん......」グスグス
「話したくなけりゃ話さなくてもいいけどさ」
「乗りかかった船だ 聞くくらいならできるぞ?」
少年は軽い苦悶の表情でお腹をさすりながら御坂に話し掛ける
御坂「......もう学校の皆に会えなくなるの」
「引越しでもするのか?」
御坂「ううん 私の能力が上がるにつれて周りに被害を出すようになってきたの」
御坂「とうとう今日友達が1人倒れたわ」
御坂「けどなんでかなぁ 私いまでもその原因に気づけないのよ」
「原因ってなんなんだよ?」
御坂「凄まじい『臭い』なんだって......思い返せば 私が近づくと皆つらそうだったわね」
「『匂い』か……確かにそれだけ香水を振りかけていたらキツイだろうな」
「そもそもなんで香水なんか使ってんだ?」
御坂「この匂いじゃないんだけど これは対策なの」
御坂「実際はものすごく生臭いんだって......」
「ふ~ん 全然わかんねぇよ」
御坂「アンタが特殊なのよ」
御坂「けどもしかしたら......神様が最後にくれた奇跡なのかもね」
御坂「今日の出来事を聞いてくれる?」
「俺で良ければ」
ーーーーーー
ーーー
ー
>>39 差し替え
ーーーー
御坂「なんかいっぱい話しちゃったわね」
御坂「話したらちょっと楽になったわ」
御坂「聞いてくれてありがとう じゃあね」
「......待てよ」
御坂「何よ いつまでも繋いでないでその右手を離してよ」
「まだ終わってないだろ」
御坂「はあ? 何が?」
「お前自身の事だよ」
「周りの心配ばっかしてお前自身の事が放ったらかしじゃねぇか」
御坂「だってしょうがないじゃない 私が近づくと皆倒れちゃうのよ」
御坂「私は加害者なの!」
御坂「だったらもう皆の輪から外れるしかないじゃない!」
「お前の友達も先生も! その輪からお前に外れて欲しくなかったから事実を伏せ続けてたんじゃないのか!?」
「一緒に居たいと思ってたから自分が倒れることも構わずに話掛けに来たんだろ!」
「お前がそれ以上離れて行って欲しくなかったから 嫌われ役になってまで真実を伝えたんだろ!」
「お前たちが同士で反目しあわないために たった1人で命をかけてお前と対峙したんだろ!」
「そいつらの気持ちを蔑ろにして自分から外れようとするなんざ」
「それこそがお前の仲間に対する裏切りじゃないのか!!」
御坂「もしそうだとしても!」
御坂「私はもう独りになっちゃったのよ! これ以上どうしろっていうのよ!」
「まだ終わってねぇ」
「この学園都市には230万の能力者に1000を超える研究機関がある」
「諦めるのはそれを調べ尽くしてからでも遅くないだろ」
御坂「バカじゃないの!?」
御坂「独りじゃ無理よ......」
御坂は想像する
皆と一緒だから頑張れたこれまでの自分と
独りぼっちのこれからの自分を
「俺が居る」
「お前にはまだ俺が居る」
>>40 差し替え
御坂「ーーーー」
眼前の少年は全く持って度し難い
ほんの少し前に会ったばかりの御坂美琴に対して
わけのわからない言葉を紡ぎながら
当然のように手を差し伸べてくれている
この1日だけで様々な出来事が御坂の心を揺さぶった
通常の精神状態を保てていなかっただけかもしれない
しかし
今この瞬間 かつてないほどの電撃が彼女の心を貫いた
「お前の犠牲で皆助かるなんて思っているのなら」
「まずはその哀しい幻想を」
「ぶち殺す!」
物騒な言葉とは裏腹に
少年の余った左手が御坂の頭をくしゃくしゃと撫で回す
御坂「......うん」
彼女の心には先程まで失せていた希望が詰まっている
そして初めて手に入れた何かも
ーーーーーー
ーーー
ー
これにて終了です
反応をくださった方々に沢山の感謝を捧げます
>>16
御坂が白井の香水を酸化分解させる時にオゾンを使いました
>>31
今回の話の核心です
パソコンやコピー機から出ているそうです
私自身はオゾン生成装置で臭いを体感し それ以降「生臭い」の基準がオゾンになりました
本当にありえないほどの生臭さです
設定
御坂が無意識に無声放電し続けていたためオゾンや窒素酸化物を発生させてしまう
その原因究明を学園都市らしく科学的に行い 科学的に解決する
書いていて科学って何だっけ? という不覚に陥りました
精進致します
以上です
オゾン臭は確かに臭いが「生臭い」と感じた事はないから違和感が拭えん
乙でした~
綺麗に纏めたなぁ面白かったよ
>>69 差し替え
ーーーー
御坂「なんかいっぱい話しちゃったわね」
御坂「話したらちょっと楽になったわ」
御坂「聞いてくれてありがとう じゃあね」
「......待てよ」
御坂「何よ いつまでも繋いでないでその右手を離してよ」
「まだ終わってないだろ」
御坂「はあ? 何が?」
「お前自身の事だよ」
「周りの心配ばっかしてお前自身の事が放ったらかしじゃねぇか」
御坂「だってしょうがないじゃない 私が近づくと皆倒れちゃうのよ」
御坂「私は加害者なの!」
御坂「だったらもう皆の輪から外れるしかないじゃない!」
「お前の友達も先生も! その輪からお前に外れて欲しくなかったから事実を伏せ続けてたんじゃないのか!?」
「一緒に居たいと思ってたから自分が倒れることも構わずに話掛けに来たんだろ!」
「お前がそれ以上離れて行って欲しくなかったから 嫌われ役になってまで真実を伝えたんだろ!」
「お前たちが反目しあわないために たった1人で命をかけてお前と対峙したんだろ!」
「そいつらの気持ちを蔑ろにして自分から外れようとするなんざ」
「それこそがお前の仲間に対する裏切りじゃないのか!!」
御坂「もしそうだとしても!」
御坂「私はもう独りになっちゃったのよ! これ以上どうしろっていうのよ!」
「まだ終わってねぇ」
「この学園都市には230万の能力者に1000を超える研究機関がある」
「諦めるのはそれを調べ尽くしてからでも遅くないだろ」
御坂「バカじゃないの!?」
御坂「独りじゃ無理よ......」
御坂は想像する
皆と一緒だから頑張れたこれまでの自分と
独りぼっちのこれからの自分を
「俺が居る」
「お前にはまだ俺が居る」
蛇足
乙 おもしろかった
>>72 俺もあの臭いを生臭いと思ったことはないけど、人によって感じ方が違うのかもな
きんもくせいに吐き気を催す人もいるし
差し替え多すぎ!
なんというクソスレ
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