ルーク「朝起きたら横で魔弾のリグレットが寝てた」(349)

ルーク「どういうことなの……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1352643587

ルーク「いやいやいやありえないだろ!?」

リグレット「zzz」

ルーク「ね、寝顔すげえきれ……じゃなくて!!」

リグレット「ん……」モゾ

ルーク「てか……」

ルーク「は、はだかぁぁ!?!?」

リグレット「んー、朝からうるさいぞルーク……」モゾ

ルーク「お、い、あ、そ、あの……」

リグレット「どうしたそんなにドギマギして……」

ルーク「い、いやこの状況が、てかなんなのこの部屋!?」

リグレット「なんだ寝ぼけているのか?」

ルーク「極めて極限まで覚醒してますとも!?」

リグレット「おかしな奴め」クスクス

ルーク「」キュン

ルーク「じゃなくて!」

素晴らしい……

リグレット「まぁそんなに騒ぐこともないだろう?」ダキ

ルーク「ほへぇ……」(や、柔らかい……)

リグレット「ん、今日は久しぶりの休日なんだ、2人でゆっくりしよう」ギュ

ルーク「あ、う……」ドキドキドキドキ

リグレット「ん……」スリスリ

ルーク(ヤバイヤバイヤバイヤバイ理性がもたな……じゃなくてこの状況が全然分からないというか)

リグレット「ん?」モゾ

ルーク「あ」

リグレット「……ルーク?」ジト

ルーク(お、終わった……)

リグレット「き、昨日アレほどやったのに、き、貴様というやつは……」カァァ

ルーク「き、昨日!?」

ルーク(昨日そんな誤ちを俺はしてったのか!?いや待てよ、昨日までの記憶をたどれば……)

リグレット「しょ、しょうがない奴め」スリスリ

ルーク「はふぅ!?」

リグレット「……なんか、今日のルークはなんかかわいいぞ」ギュ

ルーク「あ、う、やめ……」

リグレット「ふふ、どうしようかなー?」シコシコ

ルーク「あ、だめだ……あ……」

リグレット「ルーク、可愛い」チュ

ルーク「ん、ん~~」

リグレット「ん、ふ……ん、はぁ……」

ルーク「はぁ、はぁ……んぅ!?」

リグレット「んちゅ、ん……ちゅ、ちゅぅ……」シコシコ

ルーク「んーー!!」ビクビクッ

リグレット「ぷは……ふふっ……」

なにが……何が起こっているんだふう

俺は悪くねえ!俺は悪くねえ!リグレットが中に出せって言ったんだ!孕んだのは俺のせいじゃねえ!

てか>>1がsageたら駄目だろう
せめてsagaしようぜ

ルクリグこそTOAで至高

ルーク「」ズーン

リグレット「昨日もやったというのに、まだこんなに出るのか」

ルーク「り、リグレット、なんで……」ハァハァ

リグレット「私から言わすのか?いつもはルークから言ってるじゃないか」ニコ

ルーク「へ……?」

リグレット「でも今日のルークなら私から言ったほうがいいか、ふふ」ギュ

リグレット「ルーク、愛してる」チュ

ルーク「ん、んん……」

リグレット「ん……」

ルーク(何が何だか……わけわかんねえ……)

ルーク(でもなんだろう、彼女が、心の底から愛しくてたまらなくなってくる……)

リグレット「顔をそんなに蕩けさせて……」

ルーク「ふぁ……」

リグレット「そんな表情されたら、私も、もう抑えられないぞ?」ガバ

ルーク「ふぇ!?」

一番かわいいな

数十分後

ルーク「」

リグレット「シャワー浴びた後に朝食を作ってくる。少し休んでいろ」ツヤツヤ

ガチャ、バタン

ルーク「俺……訳の分からねえ状態で童貞捨てちまった……」

ルーク「てか、ここはどこだっつぅの」

ルーク(見たことのない部屋……)

ルーク「見た感じ新築だな……」

ルーク(てか、さっきのリグレットの態度といい、この状態といい……)

ルーク「俺……リグレットと結婚してる、とか……」

ルーク「そ、そんな訳ねぇよなぁーあははは、は……ん?」

カチャ

ルーク「写真……?」

ルーク「ウェディングドレス姿のリグレットらしき姿と……お、俺のような人が……」

ルーク「」

ルーク(何がなんだか……わからねえ……)

ルーク「そうだ!昨日までの記憶……」

リグレット「ルーク、何時まで寝ているつもりだ」

ルーク「あ、リグレット……」

リグレット「なんだ、結婚式の時の写真を見ていたのか」ニコ

リグレット「ふふ、懐かしむ時期でもまだないだろう」

ルーク「あ、いや、そのな……」

リグレット「もう少しで朝食ができるから、シャワーを浴びてこい」

ルーク「あ、ああ……」

ルーク「……」

あぁそうか、分史世界か(棒

シャワー室

ジャー

ルーク「結構浴槽広いんだな……」

ルーク「……」

ルーク「本当に、何が起きてるんだ?」

ルーク「まさか、ローレライの意識か何かか……」



リグレット『あぁ、ルーク!もっとぉ!!』



ルーク「」ブシュー

ルーク「ないないないない」ブンブン

ルーク「ここは、何時で、何処なんだ……」ワシャワシャ

ルーク「さっぱりした」

リグレット「ん、出たな。朝食ができたぞ」

ルーク「あぁ、ありがとう」

リグレット「おかわりはあるからな、しっかり食べなさい」

ルーク「なんだよそれ、母様みたいだな」

リグレット「な、な、まだ早いだろう!」

ルーク「?はや……い……」

ルーク「……」ブシュー

ルーク「め、メシ食おうぜ!」

リグレット「そ、そうだな!」

ルーク(あれ、なんか自然に会話してる)

妊娠か……

ルーク「い、いただきます……」

リグレット「ん、いただきます」

ルーク「ん、うめえ!」ムシャムシャ

リグレット「ならよかった」ニコ

ルーク「これならいくらでも食えるぜ」ガツガツ

リグレット「たくさんあるからそんなに急いで食べるな」

ルーク「んぅ!」

リグレット「ほれみろ、喉つまらせた……」コポコポ

リグレット「ほら、ミルクだ」

ルーク「ん!」ゴクゴク

ルーク「あ、ありがとう……」

リグレット「何時になってもそそっかしい奴め」クスクス

ルーク「」キュン

素晴らしい

素晴らしい

素晴らしい

ルクリグは超マイナーだが……良いよな

朝食後

ルーク「」

リグレット「~♪」

ルーク(俺の膝の上でくつろぐリグレットの図。なにこれ辛抱たまらん)

ルーク(い、いい匂いして……)ムラムラ

ルーク(お、落ち着くんだ……素数を数えて……1、2、3、4、5……)

リグレット「んー」コテン

ルーク(12、13、14……ってこれ素数じゃない!!)

リグレット「……ルーク?」

ルーク(あれ、そもそも素数ってなんだっけ……)

リグレット「ルーーク」ジト

ルーク(あ、あれ?俺って思った以上にバカ?)

リグレット「ルーク!」

ルーク「は、はい!?」ビクッ

リグレット「」ジトー

ルーク「あ、なんだっけ?」アセアセ

リグレット「なーにを1人で考えているんだ」ジト

ルーク「た、大したことないんだ」

リグレット「ふん、どうせ素数がなんだったかわからなくなったんだろ」

ルーク「え、なんでわかっ……あ」

リグレット「っぷ……」クスクス

ルーク「むぅ……」カァァ

リグレット「ところでルーク」

ルーク「ん?」

リグレット「お前の愛する嫁がお前に背を預けているんだが?」

ルーク「え、えーと……」タジタジ

リグレット「」ジトー

ルーク「んー」ギュ

リグレット「ん、よろしい♪」

ルーク(何この可愛い生き物)

グハッ! 
なんか死にたい

リグレット「なぁルーク、午後は買い物に行かないか?」

ルーク(外の状況が知れる!)

ルーク「あぁ、いいよ」

リグレット「じゃあ少し遠くまで行こう」ニコ

ルーク「お、おう」

ルーク(こ……この笑顔は反則だろ~~)カァァァ

リグレット「頭も撫でろルーク」

ルーク(な、なにがどうなってるんだよ……)ナデナデ

リグレット「~♪」

予想以上に需要があるようでワロス

今日はオワリ

エロシーンはたぶんもうないよ


死にたくなったぜ



とあるサイトでルクリグのSSがあったが、素晴らしいモノだった
期待してる

素晴らしい。乙

これは良いスレだ 素晴らしい! 乙

よし、お気に入りに追加決定だ。

期待してます。

おれ静岡県民はまえからよく分かってるって知ってた
おつー

おつ

午後

ルーク「リグレットー、準備できたかー?」

リグレット「もう少し待て、そう急かすな」

ルーク「う、ご、ごめん……」

リグレット「怒ったわけではない、そう謝るな。私たちの仲だろう?」

ルーク「そ、そうだな……」(全然思い出せないけどな)

リグレット「~~♪」

ルーク(機嫌いいなぁ)

リグレット「待たせたな」

ルーク「お、おう」

リグレット「ルーク」ギュ

ルーク「ぃ……」(う、腕に抱きつかれて……)

リグレット「さぁ行こう」

ルーク「」ドキドキ





ルーク(まるで見たことのない街並み……)

ルーク「……で、何処に行くんだ?」

リグレット「……そうだな、ちょっと前に知ったところに行こう」

ルーク「何処だよそれ」

リグレット「連れてってやる。ふふ」

ルーク(本当に見たことのない所だ)

ルーク(バチカルでも、マルクトでも無さそうだな)

ルーク(……まさか、あの世界はアレよりも広かったのかな)

ルーク(でも、一応世界中回った……回った?)

ルーク(……?)

リグレット「どうした、そんなに難しい顔をして」

ルーク「い、いや、ちょっと考え事を」

リグレット「……まったく、なってないな」

ルーク「え?」

リグレット「……今日くらい、私のことだけを考えろ」プイ

ルーク「」ズキューン

ルーク「そうだな、じゃあ行こうリグレット!」

リグレット「あ、ルーク!ちょっと待て!もう……」

ルーク「まだかぁー?」

リグレット「だから少し遠くと言っただろう?」

ルーク「少しはもう超えたぜ?」

リグレット「お前の少しは私の少しとだいぶ差があるようだな」フフ

ルーク「なんだよー、ちょっと疲れたから休憩しようぜ」

リグレット「もう少しだ、我慢しろ」

ルーク「へいへい」

リグレット「……」

数分後

リグレット「さぁ、ついた」

ルーク「でかいショッピングモールだな」

リグレット「この街で一番の大きさだからな」

ルーク「へぇ~」

リグレット「さ、行こう」ニコ

ルーク「おう!」

ルーク(……ん?)


それは、古くに彫られたであろう文字だった
ショッピングモールの前にある大きな柱
この街を主張するかのように天まで続く柱

その柱に似合わないほど小さな字で、この街の名前が彫られていた

掠れて、読みにくい字で、確実に彫ってあった

ルーク(トワイライト……タウン……)

ルーク(……ん!?)

柱の前に、小さな、それでいて透明で、光る結晶をルークは見つけた

ルーク「……なんだ、これ」

ルーク「なんか、光っている……」

ルーク「……」

パリン!

ルーク「あ、割れ……ぐぅぅ!?」

ルーク(ず、頭痛が……!!)




『私は貴方を送り届ける義務があるわ』

『優しいのね、それとも甘いのかしら?』

『ルークは、やさしいですね』

『チーグルは始祖ユリアと共にローレライ教団の礎…彼らの不始末は僕が責任を負わなくてはと…』

『おやおや、痴話喧嘩ですか?』

『あいにくと、この程度のことで腹を立てるような安っぽいプライドは持ち合わせていないものですから』




ルーク「なん……だ……これ……」フラ

リグレット「ルーク!」ガシ

ルーク「……リグレット?」

リグレット「大丈夫か、そんなにフラフラして……」

ルーク「だ、大丈夫だって、ちょっと頭痛がして……」

リグレット「……」

ルーク「そ、そんなに絶望的な顔をするなって」

リグレット「す、すまなかった……私ばっかり舞い上がって、ルークの事をしっかりと見てなかった」

ルーク「だ、大丈夫だって」

リグレット「いや、少し休もう。飲み物を買ってくるから、少しそこのベンチで待っていろ」

ルーク「あ、リグ……行っちまった」

ルーク「何だったんだ今の……」

ルーク「すごい懐かしい感じがしたけど……」

ルーク「……」

ルーク「……?」

ルーク「あれ?」

ルーク(あそこに居るの、リグレットだよな……)



「よー姉ちゃん、1人なら一緒にデートしない?」

リグレット「あいにく、1人でない」

「それじゃ1人にさせられてんのー?っかー、俺ならぜってー1人にさせないのに」

リグレット「失せろ、私は急いでいる」

「まーまー、いいじゃん行こうぜ」ガシ

リグレット「……」カチャ

ルーク「悪いけど、それ俺の嫁だから」

「……なんだおめえ」

リグレット「ルーク!」パァァァ

ルーク「悪いな、1人にさせちまったな」ギュ

リグレット「ば、こんなところで……」

ルーク「わかったなら、行けよ」

「っち、久々の上玉だったのによ……」




ルーク「行ったか……」

リグレット「……あ、の、ルーク?」

ルーク「ん?」

リグレット「こ、このままなのは、ちょっと人の目がな」カァァ

ルーク「あ、、ご、ごめん!」バッ

リグレット「あ……」

ルーク「わ、悪いつい熱くなって……」

リグレット「い、いいんだ。そ、それよりホラ、飲み物買ってきたぞ」

ルーク「お、おう、ありがとう。じゃあ買い物始めようぜ」

リグレット「あぁ!」ニコ

まさかのクロスか
そういやコンセプト的には似てるな

リグレット「ほら、お前にはこの服のほうが似合う」

ルーク「そ、そうか?派手すぎるような」

リグレット「まぁ百聞は一見に如かず、だ。試着してみろ」

ルーク「わわ」



ルーク「ど、どう?」

リグレット「うむ、バッチリだ」ニコ

店員「とてもお似合いですよ」ニッコリ

ルーク「そ、そうですかね」テレ

リグレット「む」

店員「こちらの服は特別なデザイナーが作ったものでして」

ルーク「へぇー、確かにいいデザインしてるよな」

店員「でしょ?一つ一つデザインを半年かけて決め上げているんですよ」ニコニコ

リグレット「」イライラ

ルーク「なるほどな、傑作を時間をかけて作り上げているのか」

リグレット「ルーク、次は私の服を見繕うぞ、さっさと着替えろ」

ルーク「リグレット?」

リグレット「早くしろ!色情魔!」ドン

ルーク「し、しきじょう!?」

ルーク「な、何怒ってるんだよ、リグレット」

リグレット「別に」フン

ルーク「んー」

リグレット「まったく、女ならなんでもいいのか」ブツブツ

ルーク「もしかして、嫉妬した?」

リグレット「……!ば、ばか!!」

ルーク「怒っててもちゃんと腕は組むんだな」

リグレット「か、からかうな!」

リグレット「……わ、私が愛せる男は、もうお前以外いないんだぞ」ボソ

ルーク「」バッキューン

ルーク(ま、魔弾……恐るべし……)

夕方

ルーク「いっぱい買ったなぁ」

リグレット「ふふ、たまにはパーっとやらないとな」ニコ

ルーク「へへ、そうかもな」

ルーク「この街、夕日がすげえ綺麗だな」

リグレット「トワイライトという名を冠するほどだからな……」

リグレット「……」

ルーク「……」

リグレット「……帰ろう、ルーク」

ルーク「あ、あぁ」

リグレット「早く、帰ろう」ギュ

ルーク「お、おいどうしたんだ」

リグレット「……」スタスタ

ルーク「……リグレット?」

ルーク(結局、分かったことはこの街がトワイライトタウンということだけか……)

ルーク(俺、わけがわからねえけど)

ルーク(リグレットがすげえ大切な人だってことは、すごい分かった)

ルーク(……)チラ

リグレット「ん?」トントントン

リグレット「夕飯はまだ時間がかかるぞ」クスクス

ルーク「リグレットの飯はうまいから待ち遠しいんだよ」

リグレット「ふふ、そう言ってもらえるとやる気も起こるというものだ」ニコ

ルーク「……」

ルーク(なんか……幸せ、だな……)

ルーク「……」

ルーク(本当に俺はなんでここにいるんだろうな……)

ルーク(昨日までは……)

リグレット「ルーク、そろそろ出来るから皿を用意してくれ」

ルーク「あぁ、分かった」



リグレット「今日は楽しかったぞ、ルーク」ギュ

ルーク「うん、俺もすげえ楽しかった」

リグレット「るーく……」

ルーク(こ、この表情は……)

ルーク(お、落ち着けルーク!男を見せろルーク!!)バクバク

ルーク「……」

チュ

リグレット「ん……」ギュ

ルーク「ん、ふ……」(頭に、手を回された……)

リグレット「ぷは……るーく……」トロン

ルーク「リグレット……」チュ

リグレット「ん、ちゅ、んぅ……るー……ふ……」

ルーク「ん、ん……ごめんリグレット、もう抑えらんない」

リグレット「ばか……」ニコ

ルーク「……かわいい」ギシ

ルーク(欲に負けて犯してしまった……)ズーン

リグレット「……」スースー

ルーク(本当に、何がどうなってるんだ……)

ルーク(リグレットは……敵だったのに……)

ルーク「……敵?」

ルーク(こんなにも愛しい女性が?)

ルーク(……あー、もう考えるのやめよう)

ルーク(今は、この温もりを感じて眠ろう……)ウトウト

リグレット「……」

ちょっと休憩

本当はリグレットとルークをひたすらいちゃつかせるだけのスレにするつもりだったんだ

いやいや別にかまわんよ
シリアスも大事さね

ルーク「ん……」

チュンチュン

ルーク「朝か……」

リグレット「おはよう、ルーク」

ルーク「おわ、起きてたのか」

リグレット「抱きまくらにされたら、起きようがないだろう?」

ルーク「あ、ご、ごめん!」バサ

リグレット「ふふ、まぁ私も心地よかった」ニコ

ルーク「うぅぅ……」マッカッカ

リグレット「可愛い奴め」クスクス

リグレット「さぁ、今日からまた仕事だ、起きるぞ、ルーク」

ルーク「え、仕事?」

リグレット「早く起きろよ、朝食を作ってくる」

ガチャ
バタン

ルーク「……仕事してたのか?俺……」

ルーク(最初はなーんにも知らなかったのになぁ)

ルーク(金を払うことすら……ん?)

ルーク(なんで俺感慨に浸ってんの……)ガーン

ルーク「本気でどうにかしないと……」

ルーク(一昨日……俺何してたんだっけ……)

ルーク「……ん、今日も旨い」モグモグ

リグレット「ありがとう」モグモグ

ルーク(と、とにかく何の仕事か聞き出さないと……)

リグレット「ルーク、どうかしたのか?」

ルーク(首をかしげる仕草も可愛い……)

リグレット「ルーク?」

ルーク「あ、わ、ご、ごめん!」

リグレット「まったく本当にどうした?休みボケか?」

ルーク「か、かもな……ハハハ」

リグレット「今週は街のパトロールだろう、しっかりしろ」

ルーク「あ、あぁ!」

リグレット「気をつけて、な」

ルーク「大丈夫だって!」

今日はオワリ
あとこの話はあんま長くするつもりないです

うす。
自分が納得いくものを書いてくれ

リグレットは本名教えてないのか

リグレット「さ、行くぞ」

ルーク「お、おう……」

ルーク(パトロールって話だけど……大丈夫だよな……)

ルーク(要は、この街を見まわればいいんだよな)

リグレット「……」


「それじゃ、ルークは今日は第3ブロック地区の見回り」

ルーク「は、はい!」

「なんだ、新人みたいに緊張してるのか?」

ルーク「そ、そんなことありません」

「なんか変だなぁ……リグレット?」

リグレット「大丈夫です、今日はそういう気分なんでしょう」

「悪いねえ、本当は一緒にしてやりたかったんだけどね」

リグレット「いえ、ルークが見回りできなくなるかもしれませんので」

ルーク「ど、どういう意味だよ!?」

リグレット「さてな、さっさと行かないかルーク」

「はいはい、惚気は犬も喰わないよ。行った行った」

ルーク「ここが第3ブロックか……」

ルーク「地図だけ見てると結構でかいなぁ」

ルーク「夕刻に戻ればいいって話だけど」

ルーク「こんなところに変な奴なんているのかなぁ」

ルーク(なんとか言って全域の地図も貰ったけど)

ルーク(この街、いや島か……)

ルーク(周りは全部海に囲まれてるけど……何処かの島なのかな)

ルーク(トワイライトタウンなんて名前だから、街の名前かと思ってたけど)

ルーク(そういえば……)

ルーク「ん?」

リグレットの本名なんだったか…忘れた…

ルークが見つけたのは、煉瓦で出来た壁についた傷だった

ルークはその傷を指先でそっとなぞる

その傷は、何かがこすれて出来た傷や、何かの事故などで出来る傷とは形状が違っていた

――明らかな、戦闘で出来た傷

鋭利なかぎ爪状の武器でついたであろうその傷は、煉瓦を線状に抉っている

その傷跡からは、未だ当時の殺意が残っているようにルークは感じた


ルーク「何処にでも戦闘はある……か……」

「そう、何処にでも戦闘はあるものじゃ」

ルーク「あんたは?」

突然話しかけられ、ルークは支給された剣に手を伸ばしながらふりかえる

そこには、亜麻色の髪を伸ばした20代と思しき女性が居た

「……が、それが必ずしもヒトとは限らないものじゃ」

ルーク「質問に答えろよ、俺は一応この地区をパトロールしてる身なんだぜ?」

「そうじゃなぁ……なんと言ったら良いものじゃろうか」

ルーク(……なんだコイツ、偉そう)

「まぁ、偉いからしょうがないのぅ」

ルーク「は?」

「お主はからかい甲斐があるのぅ。ジ……あぁリグレットか、奴が言うのも分かるのぅ」クスクス

ルーク「リグレットを……?あんた本当に誰だ?」

「この街の長とでも云うておこうか」

ルーク「長?」

長「うむ、身分で言えばお主とは天と地とほどの差があるぞよ」

ルーク「あ、わ、す、す、すみません……!」ガクガク

長「よいよい、余は気にしてはおらぬ」

ルーク「あ、ありがとうございます!」

長「さて、ルークよ」

ルーク「は!」

長「お主に一つだけ忠告しておこうと思ってのぅ」

ルーク「と、言いますと?」

長「……ここでの敵は、ヒトでは無い。負けたら喰われるぞ、魂までな」ククク

ルーク「……」

長「ではな」ヒュン

ルーク「あ、ま……」

ルーク「行っちまった……か……」

ルーク「不思議な人だったな」

ルーク「魔物でも襲ってくるのか?だったら少しは楽かな」

ルーク「まぁ見回りを続けよう」


夕刻

ルーク(あんな話を聞いたから何か来るかと思ってたけど)

ルーク(何もなかった)

ルーク(……この街の夕日は本当に綺麗だ)

ルーク(街中を優しい赤色に染めて、どこか寂しげで)

ルーク「落ちていく夕日も少し寂しいく見える」

「いつから詩人になったんだ」

ルーク「リグレット」

リグレット「もう業務時間も終わったというのに戻らないから、探しに来てやったぞ」

ルーク「悪い、ちょっと夕日が綺麗で」

リグレット「……戻ろうルーク」ギュ

ルーク「あ、引っ張るなって……ん?」

ルーク(昨日見たような結晶がリグレットの足元に……)

パリン

ルーク「あぁ!!……っつあぁぁ!」

リグレット「ルーク!!どうした!?」


『ルークさまぁ~~!』

『ヤロー!テメー!ぶっ[ピーーー]!!』

『ガイ様華麗に参上……ってね』

『復讐……かな』

『私もセブンスフォニマーですわ!お役に立てるハズですわ!』

『指切り……嫌いでしたのに』



ルーク(ま……た……)

ルーク(俺のアタマに……何かが流れ込むかのように……)

リグレット「ルーク、ルーク!しっかりしてくれ!」

ルーク「だ、大丈夫だって。少し疲れているのかもな、はは……」

リグレット「……ルーク」ギュウ

ルーク「大丈夫だって、心配させてごめんな」ナデナデ

リグレット「……ばかもの」ギュウ

あぁsagaか忘れてた

ルーク「り、リグレット……」

リグレット「なんだ」

ルーク「こ、こんなに野菜ばっか買わなくても……」

リグレット「駄目だ、よくよく考えれば私はお前の好物ばかりを中心に食事を作っていたからな」

ルーク「いや、そんなだからって……」

リグレット「いい加減人参くらい食べれるようになれ、情けない」

ルーク「き、嫌いなもんは嫌いなんだよ」

リグレット「まったく」ハフゥ

ルーク(今日は飯もあんまり楽しみじゃないかも)

リグレット「ちゃんとお前の好物も入れてやるから、安心しろ」

ルーク「リグレット……」ギュウ

リグレット「ば、ばかもの!離しなさい!」

くぁわいい

今日はオワリ

乙は悪くねぇ!

随分レス番が進んでた

リグレットの本名はジゼル・オスロー

乙のせいだ……!

ルーク「……」

ルーク(このごろ突然頭痛がするようになった)

ルーク(あの透明な結晶が起因してるのは間違いなさそうだけど)

ルーク(割れた時に入り込むような、声と映像)

ルーク(あれは……誰かの記憶なのか)

ルーク(今の俺の状態に異常はないから、身体的には大丈夫だけど)

ルーク(戦っている最中だったらまずいな……)

ルーク「……」

リグレット「……ルーク?」トントントン

ルーク「あ、え?ど、どうかしたか?」

リグレット「どうかしているのはお前のほうだルーク、そんなに難しい顔をして」

ルーク「い、いや別になんでもないんだ、ハハ……」

リグレット「ウソが下手な奴め……」グツグツ

ルーク「あ、うぅ……」

リグレット「で、何を考えていたんだ」

ルーク「り、リグレットさん?」

リグレット「なんだ」

ルーク「な、なんでこんな人参づくしなんですか……」

リグレット「さっき買ったの見ただろう」

ルーク「いや俺の好物も……」

リグレット「……」ジト

ルーク「あ、あの……?」

リグレット「……」ジトー

ルーク「い、いただきます……お、おいしいよ」モグモグ

リグレット「……そうではない」ジト

ルーク「へ?」ボリボリ

リグレット「さっき何を1人で悩んでたんだ」

ルーク「あ、あー……そういう事ね……」

リグレット「少しは信頼しろ……ばかもの」

ルーク(ひょっとして拗ねてるのか?)

リグレット「頭痛がすると声が聞こえる?」

ルーク「あぁ、映像のような感じのものも一瞬ね」

リグレット「……」

ルーク「……どうかしたか?」

リグレット「ん……一回本当に病院に行くべきかと思ってな」

ルーク「幻聴か……?」

リグレット「映像も見えるというのも気になるがな」

ルーク「じゃあ幻聴じゃないんじゃないのか」

リグレット「……」

リグレット「今日は早く寝よう」

ルーク「あ?……あぁ、そうだな」



ルーク「……zzz」

リグレット「……」モゾ

リグレット「……」

リグレット「……もう、3年か」

リグレット「この街に来てから」

リグレット「私は、ルークがどうなろうと愛していける」

リグレット「ルークは……私をどうなっても愛してくれる?」

リグレット「……」




リグレット「……こんなに卑怯な、私であっても」

「今日は一緒にパトロールをしたい?」

リグレット「は、ルークが少し体調が悪いので一緒に回らせていただけないでしょうか」

「そうなのかい?ルーク」

ルーク「……突然頭痛がする時があるんです」

「本当かい?……旦那が愛しくなったんじゃないのか?」

リグレット「そ、そうじゃありません!」

「じゃあ違う人と一緒にしてもいいよねー?」

リグレット「な、そ、それは……」

ルーク「すみません、俺からもお願いしてよろしいですか」

「ハハハ、ごめんごめん、意地悪しすぎたね。別にいいよ、リグレットの仕事は違う人に頼んでおくよ」

リグレット「ありがとうございます」

ルーク「ありがとうございます!」

ルーク「……ありがとな」

リグレット「何がだ」

ルーク「心配してくれたんだろ」

リグレット「……当たり前だ」

ルーク「すげー嬉しいよ」

リグレット「……ばかな事言ってないで行くぞ!」ギュ

ルーク「ちょ、手引っ張るなって!」

3時間後

ルーク「なんだありゃあ……」

リグレット「出たか」カチャ

ルークの前には、うねうねと実体を持たない黒い影のようなモノがいた
一応ヒトのような形をしてはいるが、何かを求めるかのように両手を前に出し、ゆっくりとさまよっている

ルーク「っち、戦うしかないか」

リグレット「気を抜くなよ」

ルーク「言われなくたって!」チャキ

リグレットは自信の武器である2丁拳銃を構えると、影に向かって発砲する
影に命中してはいるが、撃たれた穴はあっという間に修復され、塞がっていく

ルーク「なんなんだありゃあ!」ザシュ

緩慢な動きをする影にルークは一瞬で近づくと、剣で袈裟に切り裂く
しかし影はそれすらも一瞬で回復してしまう

ルーク「効かない!?」

リグレット「離れなさいルーク!」

ルーク「っち!」

ルークに掴みかかろうとする影にルークはバックステップで距離をとった

『ここでの敵は、ヒトでは無い。負けたら喰われるぞ、魂までな』

ルーク「コイツの事か!」

ルーク「リグレット、どうすればいいんだよ!」

リグレット「攻撃し続ければいずれ消滅する、街の人間に被害が及ぶ前に……」

ルーク「そ、そうなのか……」

リグレット「ヒットアンドアウェイだ、奴らの動きは遅い」

ルーク「わかった!」

数分後――

ルーク「なんとかなったな」

リグレット「まぁ、このくらいならな……」

「ようやったのぅ、ルーク」

リグレット「あなたは……」

ルーク「あ、えーと、長さん?」

長「うむ、愛のなせる連携といったところかの」

リグレット「な、何を言いますか」カァ

長「ルークよ、あやつがこの街の敵、夢魔よ」

ルーク「夢魔?」

長「ヒトにもなれず、魔物にもなれず、挙句の姿があれよ」

ルーク「……」

長「負けるでないぞ、お主にやられると少々厄介でのぅ」ヒュン

ルーク「あ、待ってくれ……行っちまった……」

ルーク「不思議な人だなぁ……」

リグレット「まぁ、あの人はな……」

リグレット「ところでルーク?」

ルーク「ん?」

リグレット「ず い ぶ ん と仲が良いようだな?」

ルーク「え、いや、昨日のパトロールで偶然会っただけで……」

リグレット「……」ジトー

ルーク「そ、そんな拗ねるなって……」

リグレット「拗ねてない!行くぞ!」ガシ

ルーク「あ、引っ張るなって……」

夕方

ルーク「なぁ、このパトロールって夕方で終わっていいのか?」

リグレット「夢魔はここの夕日の光に弱い。かと言って、奴らに夜の闇をさまようほど視力もない」

ルーク「なるほどね」

ルーク「……ここの夕日ってさ、何か不思議なんだよな」

リグレット「……ルーク、行くぞ」

ルーク「お、おいちょっと待てって。なんでそんなに……うん!?」

ルークの視野の隅に映る女性
虚ろな目で、空をみあげている

ルーク「……」

リグレット「ルーク……?」

ルークは、なぜかその女性から目が離れなかった

リグレット「……!!ルーク、見るんじゃない!!」ガバ

ルーク「リグレット!?」

リグレットが女性に気づくと、ルークの体の向きを変えようと抱きつく
が、ルークは目線を外さなかった

ルーク「……ッ!!」

女性は、淡い光に包まれ、静かにその場から消えた

ルーク「……消えた」

リグレット「ルーク、あれは……」カタカタ

リグレットの震えた声がした時、ルークの耳に、連日聞いている音が響いた


パリン

『いいご身分だな!ちゃらちゃら女を引き連れやがって』

『はは、いいザマだな。おまえは俺と繋がっているんだ。おまえは俺なんだよ!』

『ルーク。今の避け方は不様だったな』

『さぁ、ルーク。あの音機関―パっセージリングまで降りて、障気を中和するのだ』


ルーク「……うが……あぁぁぁあああぁぁ!!」キィィィィン

リグレット「ルーク!?」

ルーク「アタマが……割れそう……だ……」

リグレット「しっかりしてくれ!ルーク!」

ルーク「う、ぁ……がぁあぁぁ!」

リグレット(こうなったら……無駄とわかっていても……!)

リグレット『癒しの力よ……』

リグレット『ファーストエイド!!』

ルーク「う、く……ぅ……」カクン

リグレット「ルーク……」

ルーク「はぁ……はぁ……はぁ……りぐ、れっと……」

リグレット「ルーク……」

「ルークの調子はどうだい?」

リグレット「今は精神も安定してゆっくり眠っています」

「……そうかい。でもびっくりしたよ、いきなり泣きそうな顔でルークを担いでくるんだから」

リグレット「あんなルークの悲鳴、聞いたことありません……」

「近くにいてあげてよ、今日はもう上がっていいから」

リグレット「ありがとうございます……」


ガチャ、バタン



「そろそろ、じゃのぅ……」

「酷じゃないんですか、まったく」

「あやつが決めたことじゃ、我は知らぬ」

「……そですか、無責任だこと」

「ローレライのアホがあぁするからじゃ」

「責任転嫁の癖、治ってないんじゃないんですか」

「むぅ……」

ルーク「リグレット……?」

リグレット「起きたか、ルーク」

ルーク「ごめん、倒れちゃって……」

リグレット「ルークが無事ならそれでいい」ニコ

ルーク「……リグレット、さっき」グゥ-

リグレット「……」

ルーク「……」マッカッカ

リグレット「ふふ、その様子なら大丈夫そうだな、待ってろ。シチューを持ってくる」

ルーク「に、人参だらけ?」

リグレット「鶏肉もちゃんと入っている」ニコ

ルーク「はぐ、むしゃむしゃ、んぐんぐ」

ルーク「うまい!」

リグレット「そう慌てるな」

ルーク「いや、本当に旨いから……で、さ……」

リグレット「……わかっている」

ルーク「あの女性……消えたよな……」

リグレット「あぁ、消えたな」

ルーク「……どうしてか」

リグレット「……」

ルーク「教えて、くれないか」

リグレット「……ルーク」

ルーク「リグレット?」

リグレット「いずれ、説明する時が、いえ、全部わかる時が来る」

ルーク「……」

リグレット「今は、知らないほうがお前の為でもある」

ルーク「リグレット」

リグレット「これだけは解ってくれルーク、私は……」

ルーク「大丈夫」ギュ

リグレット「……ルーク?」

ルーク「リグレットが言いたくない事を、そんな疑いを持って聞こうとなんてしないよ」

リグレット「……ルーク」ギュウ

ルーク「いずれ解るなら……」

リグレット「あぁ、約束する……」

今日はオワリ

ぐうカワ

乙!

リグレットとアリエッタさえいれば生きていけるで
おつー

おつかれおやすみ

俺得すぎて待つのが辛い

リグレット「え、今日は同行できない?」

「悪いね、今日はリグレットはA地区のパトロールのレポートの〆なんだ」

リグレット「あー……」

「ずっと出来てなかったから、溜まってるよ」

リグレット「……で、ですが」

ルーク「大丈夫です、俺1人で行きます」

「本当かい?なんなら誰か付けるよ?」

ルーク「いえ、いつまでもリグレットに頼っていられないですし」

リグレット「お、終わらせたら合流しても?」

「いいけど……無理だと思うよ」

リグレット「う……」

ルーク「大丈夫だって、そんな心配するなって」

リグレット「何処が大丈夫なんだ……」ボソ

「まぁそういう事なら、よろしく頼むよ」

リグレット「う……」

「うん、このくらい積むくらい溜まってたんだ」

リグレット「み、3日ほどですよね?」

「溜まっちゃうものは溜まっちゃうさ、夢魔がよく出たってこと」

リグレット「うぐぐ……」

「ルークが心配なのはわかるよ。大丈夫、ルークには1人つけてあるから」

リグレット「へ?」

「何言っても大丈夫って言うと思うしね。黙って頼んどいたんだ」

リグレット「むぅ……」

「妬かないで、早くやる!」

リグレット「妬いてなんかないです!」

ルーク「……」

ルーク(この前のひどい頭痛)

ルーク(あれで分かったことがある)

ルーク(頭に流れ込むあの声……)

ルーク(あれは、記憶……)

ルーク(誰のものかはわからないけど、あれは……)

ルーク(割れる音と共に流れこむ)

ルーク(次にくる頭痛がどれほどのものか……)

ルーク(本格的に病院行ったほうがいいのかも)

ルーク(けど、あの消えた女性)

ルーク(アレが、何故消えたのか……)

ルーク(そして――)

ルーク(アレを見た時に感じたあの異常な寒気……あれは)

ルーク「――恐怖」

ルーク(俺もいずれあぁ消え去っていく、のか?)

ルーク(消えることに、俺は何処かで恐れている)

ルーク(俺は……)

キャーワー

ルーク「な、なんだ!?」

逃げ惑う人々をかき分け、ルークは叫びの元へいそぐ

ルーク「夢魔!?」

夢魔に襲われている女性が居る
夢魔は、女性を後ろから拘束するようにつかみ、今にも喰らいかかろうとしていた

「た、たす……け……」

ルーク「やめろ!!」

ルークは剣を引きぬき、夢魔に剣を振り下ろす
しかし、夢魔は横に倒れ剣の軌道からそれてしまった

ルーク「っく……!」

「おかあさ……」

ルークが体制を立て直した時には、夢魔は女性に覆いかぶさり、喰らいはじめていた
女性は体を痙攣させ、夢魔は女性から何かを吸い取っていた

ルーク「しま……!」

ルークが追撃を入れようとした時には夢魔は女性を喰らい尽くしていた
女性の居たところには何も残っていない

ルーク「そ、そんな……」

夢魔に変化が起きている
黒い影は……喰われた女性の姿になっていた

夢魔「助けて、くれなかったのね……」

ルーク「!?」

夢魔は女性の声で、喋り始める
ゆっくりと、ルークに近づきながら

ルークは後ろに下がり、距離を保つ

夢魔「アナたのセイで、ワタシ、もドれなくなったワ」

ルーク「声が……!」

夢魔「あナタも、ワタしのクルしミを、アジアワセテあゲル」

夢魔がルークに襲いかかろうと飛び上がる

ルーク「は、疾い!」

夢魔が軌道を読み、ルークは横にステップする
夢魔の右手は、アスファルトで出来た道路をやすやすと抉ってみせた
砕け散ったアスファルトがルークの目をくらませ、目を瞑ってしまう

ルーク「このぉ!!」

ルークは目を瞑ったまま、剣を真正面に突き刺した
確かな手応えがルークに伝わる

ルークは目を開くと、突き刺した剣を夢魔を蹴り飛ばして引きぬく

ルーク「やることは単純か……助けられなかったのは悪いけど、他の人にこれ以上被害は出させないんだ!」

数分後――

夢魔「お、おま、えヲ……くえ、バ……」シュゥ

ルーク「消えた……」

ルーク「また……助けられなかった」

ルーク「……ちっ!!」ガン

ルーク「――っくしょぉぉおぉおぉぉぉ!!!」

夕方

ルーク「……はぁ」

ルーク「いつまでも落ち込んでいられないか……」

ルーク「でも夢魔って一体……」

ルーク「……喰った相手の姿になる」

ルーク「わかんねえや、帰ろうか……」



パリン



ルーク「……ッ!!?」ゾクゾク

『だ、だれだ……ここは……』

 
誰も俺の事なんか考えてくれねえ!やっぱ頼りになるのはヴァン師匠だけだ

大体、俺はアクゼリュスをすぐに助けられる力を持っているんだ

人をいちいち避難なんかさせなくても大丈夫だ

「ヴァン師匠!」

「おお、来たかルーク」


『俺は……俺は……ここを知っている……!!』


「…これはダアト式封呪。ではここもセフィロトですね。ここを開けても意味がないのでは?」

「イオン!頼むよ。師匠の言う通りにしてれば大丈夫だからさ」

「わかりました」


『やめろ……それ以上行くんじゃない!!やめてくれ!!』


「ここは…ザオ遺跡やシュレーの丘と同じ…」

「さぁ、ルーク。あの音機関―パっセージリングまで降りて、障気を中和するのだ」

「どういうことです?中和なんてできるんですか?」

「それができるんだ。俺は選ばれた英雄だからな」


『違う……違うんだ……それは違う!!』

『俺は英雄なんかじゃ無い!!』












「さぁ…『 愚 か な レ プ リ カ ル ー ク 』力を解放するのだ!」













『そうか……』


「…ブリッジに戻ります。ここにいると、馬鹿な発言に苛々させられる」

「変わってしまいましたのね…記憶を失ってからのあなたは、まるで別人ですわ…」

「あなたの言うとおりです、僕は無力だ。だけど…」
「イオン様!こんなサイテーな奴、ほっといた方がいいです」


『そうだったのか……』


「ルーク…あんまり幻滅させないでくれ…」

「少しはいいところもあるって思ってたのに…私が馬鹿だった」


『これは……この記憶は……』




『全部俺の記憶だったんだな……』

ルーク「……!!はぁ!はぁ!!」ガクガク

ルーク「俺は……俺は……!!」

ルーク「何千……何万人も……一瞬で殺した……!!」ガクガク

ルーク「俺は、その罪から逃げようとして……皆に見捨てられて……!!」

ルーク「ガイ……ナタリア……ジェイド……アニス……イオン……ティア……アッシュ……」

ルーク「俺は、俺は変わりたいと思った……」

ルーク「そこから先……」

ルーク「俺は……何をした……」

ルーク「俺は、俺は」

ルーク「俺は何処に居るんだ!ここに居ていいのか!?あの戦いは終わったのか!?」

ルーク「うぅ……!」ゾクゾク

ルーク「か、は……」

今までに感じたことのないほどの悪寒と吐き気
歪む視界に、夕日を後ろに、夢魔が数体居る

ルーク「あ、あ……」ガタガタ

体が震え、剣を持つことができない
ルークは尻餅をつく格好で震え切っていた

ルーク「た、たすけ……」

『た、助けて……』

ルーク「……ッ!!」ゾクゾク


「やれやれ、見てられないのぅ」

ルーク「……う……た……?」

ルークの精神を保たせるように、歌が聞こえる
その歌に苦しむかのように、夢魔はぐねぐねと藻掻き、消えていった

「好機と思ったか、弱点の夕日の時に来るとはな」

「そんな弱った体じゃ、技なんざ不要じゃな」

さらりと目の前に現れたのは、亜麻色の長い髪の少女だった

少女はくるりとルークに振り返る

ルーク「……てぃ……ぁ……」ガクリ

「気を失うたか」

「……漸く自分が何者か理解出来てきたようじゃな」

「本格的に、そろそろじゃな」

「ジゼルには……申し訳ないと思うがの」

「……まったく、ローレライのアホめ」

「面倒事は全部我が背負い込むようにしおって……」グチグチ

ルーク「う……っぅ……」ムク

リグレット「目が覚めたか」

ルーク「……!リグ……レット……!」ビクッ

リグレット「長さんが担いできたときはびっくりし……ルーク?」

ルーク「ま……魔弾の……リグレット……!!」

リグレット「!」ビクッ

リグレット「……ルー……」

ルーク「ここは……何処なんだ……」

ルーク「これも、ヴァン師匠が、また……俺を……」ガタガタ

リグレット「ルーク……まさか……」

ルーク「落ちていく……街が……うぅ……!」

ルーク「俺は、俺はあのあとどうなったんだ!?俺は……」

リグレット「……それは、私が教えることでは無い」

ルーク「……」

リグレット「もう、お前は解ってしまったんだな……」

リグレット「そう、私は神託の盾騎士団第四師団師団長。……魔弾の通名を持つ」

リグレット「……かつて、お前たちと戦った」

ルーク「……出来損ない」

リグレット「……」ズキ

リグレット「……お前はとある理由で記憶が一時的に消えている」

ルーク「一時的……」

リグレット「その理由も、すぐ解る」

リグレット「お前がここに居る理由や、私とお前が結ばれた理由は、私が説明する事ではない」

ルーク「リグレット……?」

リグレット「スープを作っておいた、食欲が出たら食べてくれ」

リグレット「……今日はもう、いえ……これからは、違う部屋で眠ったほうがいい。仕事も、別々にやろう」

ルーク「……」

リグレット「おやすみなさいルーク……」

ルーク「……」

ルーク「泣いていた……」




リグレット「……不味いな」

シーン

リグレット「味付けを間違えたつもりはないが……」ポタポタ

リグレット「……塩が……多すぎたか……」ポロポロ

リグレット「っく……うぅ……」グシグシ

『ティア!その出来損ないから離れなさい!』

リグレット「何故泣く……全部私がやった事ではないか……」

リグレット「……許されたいのか、私は……」

リグレット「ルーク……ごめんなさい……」

リグレット「今の貴方のそばに、私が居る資格なんてない……」ボロボロ

リグレット「私は、あんなことを言っておきながら」

リグレット「私は……ルークを苦しめ続けている……!」

リグレット「ルーク、貴方を失いたくないから……」

ちょっと休憩

経緯が謎だな
一旦乙

Gジェネやってたらこんな時間に……再開しまする

次の日

長「今日はもうルークは来まいて」

「……でしょうね」

ガチャ

リグレット「……お早うございます」

長「ルークはどうしたえ?」

リグレット「朝にはもう……」

「まぁ、仕方ないね」

長「ふむ、今日は好きに動いていいぞ?ジゼル」

リグレット「いえ、まだレポートが残ってますので」

「ルークのそばに居てあげなくていいのかい?」

リグレット「……今の私が横にいたら、ルークはもっと混乱するでしょう」

リグレット「苦しむルークを……私は見たくない」

「わからないな」

長「同感じゃ」

リグレット「え?」

ルーク「トワイライトタウン……全域の地図……」

ルーク「港が無い……!なんでこんな事に今まで気づかなかったんだ」

ルーク「ここは、一体どこなんだ!誰かに聞けば……」

ルーク「すみません。ここは一体どこらへんの島なんでしょうか?」

「は?ここはトワイライトタウンですよ。島じゃありません」

ルーク「島じゃない?でも地図には……」

「何を言っているのか、よくわからないですが……」

ルーク「ここから出るには!?」

「出る?なんでです?」

ルーク「皆が……仲間が待ってるんです!」

「……?外に世界なんてありませんよ」

ルーク「……は?」

「行っていいですか?急いでるんで」


ルーク「ここは、現実世界じゃない……?」

ルーク「くそ……どういう事だ!」

ルーク「考えろ……ここに来て何があった」

ルーク「……」


パリン


ルーク「!!」

ルーク「そうだ!あの透明な結晶……!」

ルーク「あれさえ見つければ……!!」

ルーク「探さないと……俺の記憶は、まだあるはずなんだ!!」

リグレット「……」カリカリ

『ここは、何処か教えてくれないか?』

リグレット「……」カリカリ

『あ、危ないとこだった、ありがとう』

リグレット「……」

『ヘヘ、俺だってジゼルを守ることはできる』

リグレット「……」ポロ

『ごめんな、もう無理はしないから』

リグレット「……ッ」ポロポロ

『ジゼル、俺――』

リグレット「る……ーク」

ボロボロ泣いてる26歳とかご褒美です

ルーク「はぁ……はぁ……!!」

ルークにもう頭痛が響く事は無くなっていた
ルークが記憶を探すことを意識し始めたとたん、結晶の砕け散る音が連鎖反応のように次々と響く

ルーク「はぁ……、はぁ……!!」


『ルーク、一度失った信頼を取り戻すことは難しいわ』

『えー、ルークが指示だすのー?』


ルーク「まだだ……まだある筈なんだ!」


『皆さんはテオルの森の入り口で待っていてください』

『カースロットは、本人に殺意がなければ襲いかかったりしません……』

『お前が俺について来られるのが嫌だってんなら、すっぱり離れるさ』

『このままでは、セントビナーも落ちてしまいますわ!』


ルーク「また街が落ちる……俺は、そんな事!!」

夕方

ルーク「はぁ、はぁ、はぁ……」

ルーク「駆けまわり過ぎたかな」

ルーク「Bブロックは大体見たけど……」

ルーク「まだ俺の記憶は……!!」

ルーク「……」

ルーク「思い出さなきゃいけないことが、ある筈なんだ」

ルーク「大切な、大切な約束があったはずなんだ」

ルーク「……夕日で、人が消えていく」

ルーク「俺は……消えるのか……」

ルーク「その前には……急がないと!!」

リグレット「……」

ガチャ、バタン

リグレット「……」

リグレット「帰っていないか……」

リグレット「夜になったら、探しに行ってもいいのだろうか」

リグレット「……」

リグレット「何を言っているんだ私は……ルークが混乱するだけだ」

リグレット「っふふ、馬鹿者は私だな……」

リグレット「今日はビーフシチューにしようかな」

リグレット「……」

ルーク「ふぃー」

ルーク(夜は冷えるな……)

ルーク「……」

ルーク(夜は夢魔が出ないってリグレットも言っていたけ……リグレット?)

ルーク「あ!!!」

ルーク「や、やべえ……今日はリグレットが帰ってきたら謝ろうと思っていたのに忘れてた!!」

ルーク「たとえ敵だったとしても、俺のこの数日の記憶はホンモノなんだ」

ルーク「よ、嫁を泣かせるような男になって帰ったらガイに合わせる顔もねえ!!」ダダダ

ルーク「……」ダダダ

ルーク(やばい……ここ、どこだ)ガーン

ルーク「や、やばい地図上でも何処に居るのかわからないぞ……」

ルーク「ど、どうしよう」

ルーク「と、とりあえず落ち着いてきた道を戻ろう!」


――――――――
――――

――



ルーク「うう、何処だ……ここ……」ガーン

ルーク「さ、さすがに疲れたし……」

ルーク「まさか宿が無いとも思わなかった」

ルーク「……」

ルーク「そもそも金もねえ……」ガーン

ルーク「しょうがない、最悪野宿しか……」


「こんな所で野宿なんてしたら、夢魔の餌だぞ」


ルーク「……リグレット」

リグレット「心配になって探しに来てやったぞ」

リグレット「……やはり、変に思ってしまうよな。私がこんな事をしたら」

ルーク「あ、そ、その、リグレット!」

リグレット「……?」

ルーク「き、昨日はごめん!!」

リグレット「は……?」

ルーク「俺、昨日はやっとあの頭痛の映像が自分の記憶だって解って」

ルーク「ずげえ混乱してたんだ」

ルーク「今まで戦ってきた人がこんなにもそばに居て、やっぱり罠かとも思った」

ルーク「でも、俺が記憶を戻す前の生活も俺のホンモノの記憶なんだ!」

ルーク「そう考えたら、昨日、リグレット泣いてたよな」

ルーク「冷静になってそれを思い出したら、俺のことをすごい好きで思ってくれてるんだって思えて」

ルーク「俺、すごいひどいことをしたって……」

ルーク「俺、正直に言ってこの街に来た時のことも覚えてないし、あの日起きたらリグレットが横に居て、すごい驚いたよ」

ルーク「リグレットも解っていたんだろ?俺の異変なんて。でも、それでもリグレットは俺をあんなに優しく抱きしめてくれた、すごい暖かかった」

ルーク「……すげえ嬉しかった」

リグレット「……ルーク」

ルーク「だから……その……」

ルーク「昨日リグレットが言ったように、離れなくても……離れたくないんだ」

リグレット「……!!」

ルーク「だから、また……俺のそばに居てくれないか!?俺を1人にしないでくれ!」

リグレット「……ッ」

リグレット「……ばかもの」

ルーク「リグレット……」

リグレット「同じ女を二度も口説く奴があるか……!」ギュウ

ルーク「……」ギュ

リグレット「罠かもしれないんだぞ、私はお前に銃をつきつけるかもしれないんだぞ!」

ルーク「……そんなに泣きながら、強く抱きしめながらどうやって銃をつきつけるんだよ」

リグレット「つき……つけられるわけ、ないだろ……!!」

自宅

ルーク「ん、やっぱリグレットの飯は旨いな!」ムシャムシャ

リグレット「あまりがっつくな、たくさんあるからな」

ルーク「ん、でもよ、本当に料理人でも食っていけるぜこれは」

リグレット「……ふふ」

ルーク「んー?」ジー

リグレット「な、なんだ」

ルーク「いや楽しそうだなーって」

リグレット「ば、ばか!黙って食べなさい!」

ルーク「もしかして昨日寂しかったとか?」

リグレット「し、知るか!」プィ

ルーク「ごめんーって、そんなにふくれっ面になるなって」

寝室

リグレット「……」ギュウ

ルーク「……」ナデナデ

リグレット「……ルーク」

ルーク「ん?」

リグレット「寂しかった、んだぞ」

ルーク「……知ってる」

リグレット「本当に、昨日は……」

リグレット「1人で眠る事がこんなにも寂しくて、冷たいとは思わなかった」

リグレット「1人で食べる食事が、あんなにも不味いものだとも知らなかった」

リグレット「……もう、私は」

ルーク「……うん」

リグレット「ルーク、愛してる」

ルーク「俺も、リグレットを愛してる」

リグレット「ん……ちゅ、んふ……はぁ……」

ルーク「ん、ん……」

今日はオワリかも
無理やり路線変えたけど大丈夫かな

現実側なんて無くていいさ

すごくいい、すごくいい!

大人の女性の涙が三度の飯より好きなのでモーマンタン

最高すぎるぜ畜生
もっとやれ

おつー



ルーク「……朝か」ムク

リグレット「……」ジー

ルーク「あ、おはようリグレット」

リグレット



ルーク「……朝か」ムク

リグレット「……」ジー

ルーク「あ、おはようリグレット」

リグレット「……おはよう」ジー

ルーク「リグレット?」

リグレット「……」ダキ

ルーク「り、リグレット?」

リグレット「……まだ寝る」

ルーク「で、でも今日も仕事が……」

リグレット「昨日無断欠勤したくせに何を言うか」

ルーク「で、でも……」

リグレット「……」ムス

ルーク「わかったよ」

リグレット「……昨日」

ルーク「え?」

リグレット「昨日、何も言わずに出かけただろ」

ルーク「え、あ、うん」

リグレット「……もしかしたらルークが消えてしまったのかと思ってしまった」ギュウ

ルーク「……」ナデナデ

リグレット「もう、会えないかと」

リグレット「また目が覚めたら、横にルークが居なくなっていたらって」

ルーク「……ごめんな」

リグレット「ばか」

朝食

ルーク「で、本当に欠勤するの?」

リグレット「あぁ、まぁ一日二日でどうこうって仕事でもない」

ルーク「ふぅん」モグモグ

リグレット「……」

ルーク「どうかしたか?」

リグレット「ルーク、真剣な話がある」

ルーク「あ、あぁ」ゴクン

リグレット「お前の記憶は、徐々に返還していっている」

ルーク「うん」

リグレット「……全ての記憶が戻った時、今よりも前よりもずっと辛い状態に陥る」

ルーク「……」

リグレット「おそらくは……アクゼリュスの件よりも、だ」

ルーク「……ッ!」ビク

リグレット「ごめんなさい、でも本当のことだ」

リグレット「私は、お前の言ったようにここでの記憶を失った時、すぐに分かった」

ルーク「……」

リグレット「でも、これだけは言わせて」

リグレット「私は、ルークがどうなっても愛していける。いや、愛していたい」

ルーク「リグレット……」

リグレット「だから、全ての記憶が戻って、全てがわかる時まで」

リグレット「ルークを愛させてください」

リグレット「そうしなければ、私は……」カタカタ

ルーク「リグレット」ギュ

リグレット「……」

ルーク「どうしてかがいずれ解るなら、俺は前も言ったように無理に聞かない」

リグレット「……」

ルーク「ただ、一つだけ聞かせてくれ」

リグレット「なんだ?」

ルーク「俺は、近い未来に、あの女性みたいに消えるのか?」

リグレット「それは、無い。お前は消えられない」

ルーク「ん、ならゆっくり記憶は探すことにするよ」

ルーク「だからそれまでは、俺もリグレットの事を愛していたい」

リグレット「……うん」コテン

ルーク「ちょっと、焦りすぎてたよ」

リグレット「ん……」チュ

ルーク「ん……」

ルーク「じゃ、飯の続きしよっか」

リグレット「ああ!」

ルーク「このまま食べさせてやろうか?」

リグレット「あぁ、それがいい」

ルーク「なーんちゃってウソだ……え?」

リグレット「……」アーン

ルーク「もう準備万端!?」

甘すぎて壁殴っちまった

ルーク「んじゃちょっと失礼して」ポス

リグレット「ん」

ルーク「ちゃんと膝の上に乗せないとやりにくいしな」

リグレット「はやくしろルーク」アーン

ルーク「はいはいお姫様」

リグレット「ん、んぐんぐ……うまいな」

ルーク「リグレットが作ったんだぞ?旨いにきまってるだろ」

リグレット「そうではない、ばかもの。早く次を食べさせろ」アーン

ルーク「はいはい」

リグレット「んぐんぐ……ふふ」ニコ

ルーク「リグレット?」

リグレット「ほんとう、おいしいな」コテン

ルーク「ん、そうだな」

リグレット「ルークにも食べさせてやる」

ルーク「へ、お、俺は」

リグレット「つべこべ言うな、早く口をあけろ」

ルーク(は、恥ずい……)アーン

リグレット「……むぐ」

ルーク「へ?」

リグレット「んちゅう」

ルーク「ん!?ちゅ、ちゅ……」(く、口移しで……)

リグレット「ぷは……うまいか?」

ルーク「あ、甘すぎるよ……」

リグレット「ふふ、だろう?」

「……もうとっくに始業時間は過ぎてるんだけどな」

長「ふむ、ずっとあの調子かと思っておったが予想が外れたかの」

「……またあんな感じに戻ると?」

長「あれ以上やもな」クックック

「ジゼルは解っているんですかね」

長「解っていながらも拒否できぬのじゃろう。強力な麻薬のようなものじゃからな、彼奴にとってのルークはの……」

「はぁ」

長「その先にある絶望すら跳ねのける何かを見つけられれば――」

長「あるいは、その通りに至福から絶望への奈落を味わうか」クックック

「跳ねのける……か」

長「本当……人間とは面白いのぅ」

「神様にでもなったつもりですか」

長「人間をやっておっても、そう感じることはあるということじゃ。お主もそうじゃろう?」

「一緒にしないでください」

長「つれないのぅ~」

「とりあえず、今日は黙っておきますかね」

長「お主……あの二人に甘くないかえ?」

「さあ?さっさとあなたも仕事に移ってください」

長「ほんっとうにつれないの!!」プンプン

ルーク「リグレットってさ」

リグレット「ん?」

ルーク「膝の上好きだよな」

リグレット「特等席だからな」フフン

ルーク「硬くないのか?」

リグレット「そんな事はない。それに、ルークを感じていられて、私は幸せになれる」

ルーク「そ、そうか」(なんでそんなに恥ずかしいことを簡単に……)

リグレット「ん……ただでさえ最近甘えていられなかったんだ、このくらいはさせろ」ニコ

ルーク「た、たった1日2日だろう?」

リグレット「……たった?」ジト

ルーク「いえ、とても長い時間ですね、ええ」

リグレット「ん、その通りだ」コテン

ルーク「えーと」ギュウ

リグレット「そうそう、わかってきたなルーク」

ルーク「お陰様でね」

今日はオワリ
また来週になっちゃうかなぁ。元気があれば平日も更新するよ

キャラ崩壊してる?知らんがな

お、乙が悪いってのか…?乙は…乙は悪くねえぞ、だって師匠が言ったんだ…そうだ、師匠が乙って!
こんなことになるなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろっ!乙は悪くねぇっ!乙は悪くねぇっ!

乙して戻ります。ここにいると激甘なやり取りにニヤニヤさせられる。

おつ

話のオチは浮かぶんだけどどう繋げるかだよね
もうしばしお待ちを

私まつわーいつまでもー

ルーク「ん……くぅ……はぅ」

リグレット「んー」カリカリ

ルーク「あ、う……」

リグレット「変な声を出すなみっともない」カリカリ

ルーク「ひゃっ……なこと言ったっひっ」ゾクゾク

リグレット「ん、終わり」

ルーク「あぁ……ありがと」グッタリ

リグレット「耳かきでそんなにピョコピョコするな」

ルーク「いや、なんかゾクゾクしちゃってさぁ……」

リグレット「……」ナデナデ

ルーク「ん……」

ルーク「ん……」ウトウト

リグレット「眠いのか?」ナデナデ

ルーク「ちょっと……」

リグレット「いきなりな事が多かったからな……このまま寝てもいいぞ」ナデナデ

ルーク「……うん」

リグレット「……」ナデナデ

ルーク「……zzz」

リグレット「……脚が痺れてしまうな、ふふっ」ナデナデ





パリン



『セントビナーの門が崩れちゃったよ~』

『アルビオール1号機が飛行実験に失敗してのぅ』

『パイロットのギンジです、助かりました』

『2号機は動きます!』

『2号機のパイロットを務めさせて頂きます、ノエルです』

『か、間一髪だったな……』

ルーク「……ん」パチ

リグレット「……zzz」

ルーク「……りぐれっと」ムク

リグレット「ん……起きたのか」

ルーク「あー、ずっと膝枕?」

リグレット「ん?平気だこのくら……ひぁ!?」

ルーク「おっと」ダキ

ルーク「平気じゃなさそうだな」

リグレット「ちょ、ちょっと油断しただけだ」ギュ

ルーク「ふーん」ニヤニヤ

リグレット「ほ、本当だからな!……ひゃぁ!」フラ

ルーク「はいはい、おとなしく抱っこされてような」

リグレット「な……誰のせいだと」

ルーク「でも嫌じゃないんでしょ?」ダキ

リグレット「ばかもの」ギュウ

ルーク「……」

リグレット「ルーク?」

ルーク「また少しだけ、記憶が戻ったよ」

リグレット「!ど、どこまでだ!?」

ルーク「アルビオールを手に入れた所」

リグレット「……」

ルーク「……リグレット?」

リグレット「今後」

ルーク「え?」

リグレット「今後、記憶が戻ったら……すぐに知らせて欲しい」

ルーク「……」

リグレット「隠し事は、無しだ」

『しに……隠し事はしないで』

ルーク「……っつぅ!」キィィ

リグレット「ルーク!?」

ルーク「だ、大丈夫、ちょっと頭痛がしただけだって」

リグレット「……」ギュウ

ルーク「分かったよ、記憶が少しでも戻ったらリグレットに知らせるよ」

リグレット「……うん」

おつ

まさかこれは弟子がやってきて修羅場になるのか!?

続きはよ
もしくは生存報告

ごめん構想考えてるうちに世界観との矛盾点があまりにも多すぎるようになったから考えなおしてるんだ
すまぬ すまぬ

生きててよかった



ルーク「……zzz」

リグレット「……」

リグレット(温かい)

リグレット(私の心は、永久凍土のように凍っていた)

リグレット(凍らさせられた)

リグレット(それを溶かしてくれたのは、ルーク)

リグレット「……」ギュ

リグレット「もう少し……私のワガママを許してくれるか?ルーク……」

次の日

「やぁ、無断欠勤お疲れ様」

リグレット「私的な理由で欠勤してしまい申し訳ありませんでした」

ルーク「すみません……でした」

「まぁ今回はいいよ。その代わり仕事いっぱい溜まってるからね」

リグレット「ありがとうございます」

ルーク「……」

長「どうしたルーク、浮かない顔をしているの」

ルーク「あ、長さん」

長「我が居ることも気づいてなかったようじゃなぁ」

ルーク「な、なんでもありませんよ」

長「ウソが下手じゃのぅ」

ルーク「ぐ……」

リグレット「あまりからかわないでやってください」

長「くっくく、しょうがないのぅ」

ルーク「……」

リグレット「どうしたんだルーク、朝から変だぞ」

ルーク「……リグレット」

リグレット「ん?」

ルーク「ここには……ティアとか、ガイは居ないんだよな」

リグレット「……会いたいのか」

ルーク「そりゃあね……」

リグレット「そう、ここには居ない……」

ルーク「……」

リグレット「だが、安心しろ」ニコ

ルーク「リグレット?」

リグレット「すぐ会える。大丈夫、安心しなさい」

ルーク「……そう、だな」

リグレット「さ、パトロールの続きだ」

ルーク「……」

なんか……もうちょっとまってくれごめん

わたしまーつーわ

すこしだけまーつーわ

年末年始は執筆な、よろしく!

ルーク(あれから、数日が経った)

ルーク(俺は少しずつ、記憶を取り戻している)

ルーク(アルビオールでセントビナーの住民を助けた事、戦場を横断した事……)

ルーク(いろいろ……いろいろ思い出した)

ルーク(この記憶の最後が、どう終わるのか……)

ルーク(終わった時、俺はどうなるのか)

ルーク(そもそも、何故俺がこの街にいるのか、それが何時になってもわからない)

ルーク(ただ……)

ルーク(今、自分の腕の中で安心しきった顔で眠る彼女を見ると本当に幸せなんだと思える)

ルーク(……俺は、皆と再開したい)

ルーク(リグレットはすぐに出来ると言っていたけど)

ルーク(……その時、俺と彼女はどうなるのかな)

ルーク「……」ジー

リグレット「zzz」スースー

ルークはリグレットが起きないように、そっと上半身を起き上がらせた
夜はまだ深く、闇夜の中を銀に輝く月が照らしている

ルークはベッドから立ち上がると、月明かりで写真立てを見た
この街で、自分が最初に見た写真、つまり、自分とリグレットの結婚写真

ルーク「……」

ルークは、じっとその写真を見つめる
本当に幸せそうに笑うリグレットと、少し照れくさそうに微笑む自分
リグレットは黒を基調にしたシックなドレスを身にまとい、ルークはピシっとしたタキシード姿だ

ルークは写真立てをそっと戻すと、熟睡しているリグレットを見つめた

ルーク「……」

リグレット「……」スースー

ルーク「俺は……」


ルーク「戻りたいと思っているのかな……」

ルーク「……寝よう」

ルークは再びベッドに腰掛けると、シーツの中に潜り込み、横たわる
そして、リグレットが起きないようにそっと彼女を自分の腕の中に閉じ込める

ルーク「……」チュ

ルークはリグレットの額にそっと口づけをすると、腕の中のリグレットが薄く目を開けた

ルーク「ごめん、起こしちゃった?」

リグレット「……」ギュウ

リグレットは何も言わずにルークに抱きつくと、ぴったりとルークの胸板に顔をすりつける
ルークはそんなリグレットの頭を撫でた

リグレット「……るー、く」

ルーク「ん?」

リグレット「す、……き……」

ルーク「ありがと、リグレット」ナデナデ

リグレット「zzz」

ルーク「おやすみ、リグレット」



ルーク「……変異体、ですか?」

長「うむ、この街で何件か目撃情報があがっておる、数人の犠牲者もな」

リグレット「通常の夢魔との個体差は?」

長「通常とちがい、俊敏な動きをするそうじゃ。まあ、数人喰っているようじゃからそうじゃろうが」

「最大の違いは、奴は逃げることを知っている」

ルーク「逃げること?」

長「思い出してみるがええ。奴らはいくら追い詰められても逃げようとしなかったじゃろ?」

ルーク「……た、たしかに」

「その上、喰った強さだ。追いつきっこないよ」

リグレット「……では、どうすれば?」

長「まぁこちらでも作戦は練ってきておる」

「待ち伏せ作戦、だね」

ルーク「ま、待ちぶせ?」

リグレット「……」

長「こういった輩には、シンプルな作戦が一番良く刺さるのじゃ」

「じゃあこの地図を見て」バサ

長「赤い印は、目撃情報のあった場所じゃ」

ルーク「このモール……」

「そう、このショッピングモールの近くでよく見られる。喰う人はたんまりいるし、人ごみが隠れ蓑になるからね」

長「以前、パトロールが発見したのはここじゃ」キュ

長「そこから奴はモールの中を抜け――」キュッキュ

長「市街区の細道を通り、目撃が絶っておる」キュ

「まぁ、この道筋なら海の中にでも逃げたんだろうけど」

リグレット「他の情報は?」

「奴は2~3日に一度、このモールに出現することが確認されておる」

長「今はモールは封鎖状態、一般人は近寄れぬ……が、奴はまた来るであろう」

ルーク「知性があるんじゃ?」

長「奴らは結局のところ、本能で動いておるはずじゃ。一度知った桃源郷を手放すことなんてできまいて」

「けど、知性を持っているとなると、厄介なんだ。一刻も早く排除しないと」

「それじゃ、具体的な作戦を話すよ」

長「まぁ単純なものじゃが、奴がモールに現れたら、先方のパトロール隊がやつを追う」

長「奴はまたモールを抜け、市街区に入るはずじゃ」

「そこで第一段階の待ち伏せ部隊が叩く」

長「逃げられたら、そこから先の道は細道となっており、色々バラけるのじゃが……」

長「結局のところ、3本の道に行き着く」

「そこで第二段階の部隊が叩く」

長「そこでも取り逃がした場合――」トントン

長「この海に面した場所5箇所で叩く」

「3段構え。いいね」

ルーク「……それで、俺たちは何処に?」

長「最後のここじゃ。リグレットと二人で作戦は遂行してもらうぞ」

リグレット「決行は?」

「明日の朝10時から。突然で悪いけどね」

長「危険な任務じゃが、良いな?」

ルーク「了解です」

リグレット「……了解」

「部隊をたくさん使うから他のところが手薄になるけど、明日は俺と長さんもでるから、どうにかするよ」

長「知性をもった夢魔など、さっさと排除せねばならんのじゃ、わかってくれるな」

休憩

おつかれ

生存報告・・・待って・・・ます・・・
何とか完結させてくれー

休憩してたら年が明けてた
何を言っているのかわからねー……あ、すみません本当に

逃げはたぶんしないのでごあんしんをー
まだ生きてますよー

生存確認ーとか妹がやってくるギャルゲー?あったよね

作戦当日

ルーク「持ち場はここか」

リグレット「流石に今日は街も静かだな」

ルーク「うん、全体的に緊張してる」

リグレット「気を引き締めておけ、何が起こるかわからん」

ルーク「……リグレットは、ここまで来ると思うのか?」

リグレット「……おそらくな」

ルーク「どうしてだ?」

リグレット「勘だ」

ルーク「はぁ?」

リグレット「嫌な予感がする、それだけだ」

ルーク「……リグレットがカンで物をいうなんて珍しいな」

リグレット「そうか?侮るなよ、私のカンはよく当たる」

ルーク「今回は当てなくてもいいよ」

ワァァ……

ルーク「騒がしくなった……」

リグレット「出たか、さて……」

ルーク「鬼が出るか蛇が出るか」

リグレット(なんだ……この胸のざわめきは……)


――――――

――――

――

『ルーク!そちらに行ったぞ!』

ルーク「……!?この声……」

リグレット「来たのか!?」

『逃すでないぞ!』

ルーク「お、長さん……?」

リグレット「ルーク!構えろ!!」

ルーク「……!!」


街に続く道から出てきた黒い影
俊敏に動くソレは、べちゃりと音をたててルークの前に立ちはだかった


リグレット「吸収しすぎて形を維持できないのか……」

ルーク「そ、そんなことがあるのか?」チャキ

リグレット「さぁな、なんせ今までここまで吸い続けられた夢魔など見たことがない、行くぞ!」ヂャキ


リグレットの二丁拳銃が火を吹き、夢魔を牽制する
ルークはそれを確認すると、射線に入らないように一気に詰め寄る

夢魔は銃弾を俊足で避けると、ルークの頭上にふわりと跳んだ

ルーク「舐めるな!」

ぎらりと夢魔の鈎爪がルークに襲いかかるが、ルークはステップで避ける
アスファルトが夢魔の攻撃で抉れ、破片が飛び散る
ルークは一度見たこともあり、動じずに夢魔を切りつけた

夢魔の体は袈裟に切られるが、すぐに修復し、ルークに襲いかかる
ルークはバックステップで高く距離をとり、リグレットの銃弾が夢魔を貫く

リグレット「少し出すぎだルーク」

ルーク「接近武器なんだからしょうがねえだろ?」

夢魔はゆっくりとルークに向き直り、腕を鞭状に変形させる

リグレット「ルーク!」ガンガン

ルーク「っく!」

鞭は凄まじい速さでルークを追跡する
リグレットが動かない夢魔の本体を撃ち続けるが、鞭は止まらない
ルークは直線的に襲いかかる鞭を紙一重で避け、鞭を切断する

ルーク「はぁ、はぁ……」

リグレット「無事か?」

ルーク「なんとかね……」

夢魔は弱った様子もなく、ルークに向き直る
腕が元に戻り、一瞬にしてルークに詰め寄ってくる

ルーク「くそ、しつこいんだよ!!」

ルークは夢魔に対して剣を構え、腹部に深く剣を突き刺す
……が、夢魔はそのことを気にしない用にルークに食らいつこうとする

リグレット「させない!」

夢魔の頭を閃光が貫き、夢魔は刺さった剣ごと吹き飛ばされる

リグレット「……っく、しぶといな」

ルーク「剣が無くなっちまった……」

リグレット「ばかみたいにカウンターで使うからだ」

ルーク「ば、バカってなんだよ!?」

リグレット「来るぞ!」

ルーク「ッ!」

夢魔「……」ギロ

ルーク(……違和感!?)

リグレット「ック!?」

夢魔は再び俊足でルークに詰め寄る
ルークとリグレットは横にステップをして避けようとする
――その時だった

ルーク「……!?」

リグレット「何!?」

夢魔はルークを襲わずに、そのままルークを通り過ぎる
その先に、ルークの想像もしないことが起こっていた

少女「……まま」

ルーク「……そんな!?」

リグレット「まずい!!」

夢魔は一直線に少女に襲いかかる

ルーク「っく!」

リグレット「ルーク!?何を……」

ルークは考える前に、駆けていた
あっという間に少女を捉え、食いつこうとする夢魔の間に体当たりで割って入る

夢魔と少女を引き剥がせたが、夢魔はルークの右腕に食らいついていた

ルーク「ぐ……アァァァアァァアァァッァァァ!!」

ルーク(吸われる……消える……!?何かが……)

ルークの途絶えそうな意識の中、ルークは夢魔に突き刺さったままの剣を握り、一気に自分の腕ごと切り上げる

リグレット「る、ルーク!!?」

リグレットが駆けつけるときには、夢魔は切断されたルークの腕をじゅるじゅると吸い上げ、喰らい尽くしていた

リグレット「き……さま!!」

リグレットの二丁拳銃から凄まじい光が迸る
エネルギーの銃弾が夢魔をルークから引き剥がした

ルーク「はぁ……はぁ……ぐ、ぅ……」

リグレット「馬鹿者!!なんて無茶を……」

ルーク「む、ま……」

リグレット「何……」

吹き飛ばした夢魔の横に、先ほどの少女が駆け寄る
少女はニヤリと笑うと、黒い影になり、夢魔に吸い込まれた

リグレット(……先ほど切り落とした鞭の一部!?)

そしてただの影だった夢魔はにぃ、と笑った
カチャカチャと姿が構築されていく

ルーク「そ、そんな……!?」

リグレット「……閣下」カタカタ

夢魔はその姿をルークの師匠、ヴァンに変身させていた

ヴァン「漸くこの姿に戻れたか。……っふ、この台詞は2度めだな」

ルーク「ヴァン……せん、せい……」

リグレット「何故……何故貴方が!」

ヴァン「くっくっく……役に立ったぞレプリカルーク、このまま私は夢魔のまま駆除されるハズだったが……」

ヴァン「貴様の生命力のおかげでここまで戻れた。なんせここの住民をいくら食ってもお前の腕1本にもならぬのだからな」

ルーク「せい、めいりょく……?」

リグレット「っく……そ、それ以上……」カチャ

ヴァン「その震えた腕で撃てるのか?リグレット……」

リグレット「く、う……ち、近寄るなぁ!!?化物!」ガンガン

リグレットの銃弾は虚しく、ヴァンに命中せずに空を切ってゆく

ヴァン「哀れだな、ここの住民に成り下がってどうするつもりだ」

リグレット「っく……」

ヴァン「リグレット、再び私と共に来い。そうすればまた世界をやり直すことが出来る」

リグレット「だ、誰が!」

長「悪いが、そこまでじゃ。ヴァンデスデルカ」

ルーク「おさ、さん……」

ヴァン「ふん、元凶め」

長「それはお互い様じゃろう、夢魔」

ヴァン「悪いが私はもう夢魔では無い、そこのルークを喰らい尽くしてもう一度……」

長「そこまでじゃ。賢いバカは本当に扱いに困る」

ルーク「う、ぅ……」

ヴァン「ふん、記憶が無いというのは辛いのだな?哀れな奴め」

ルーク「……」ガクリ

リグレット「ルーク!」

ヴァン「そんなにその出来損ないが大切か?リグレット」

リグレット「貴方には……貴方には私の気持ちなど消え去ってもわからない!」

ヴァン「そうか、くく……まぁ知りたいとも思わないが」

長「ここは引けヴァン」

ヴァン「どうかな?そんなことが言える立場か?」

長「言えるさ」ニッ

ヴァン「……!」

辺りが一瞬にして夕日になる
赤々と街を照らし、ヴァンの姿の一部が再び黒い影に戻る

長「さぁ、これでどうじゃ?……どうせもうルーク以外用は無いのじゃろう?」

ヴァン「……いいだろう。だが、次に合うときは、必ず……」ヒュン

ヴァンは姿を消し、長は深く息を吐いた

リグレット「ルーク……!」

長「まずい事になったの……」

ルーク「……」

リグレット「う、う、私が、私が気づいていれば……」

長「言い訳は後じゃ。この被害、どう切り抜けるか……」


――――――
――――

――


ルーク「……」

ルーク「……ん」パチ

「起きたようだね」

ルーク「俺……」

「よかった、最悪の事態は免れたよ」

ルーク「……」

「悪かったね、援護に行けなくて……街もひどい状況でね、負傷者や喰われた兵隊がいたんだ」

「侮っていたよ、今回の一件は完全に僕達の責任だね」

ルーク「……ヴァン、せんせい、は……」

「今は居ないよ……。……今は知るより休みな。本当によかった……」

今日はオワリ

おつー
ヒロイン(ルーク)が攫われてしまったか

おおキテルー。話の核心?に入った感じかな。wktk
おつかれー






パリン






リグレット「……」ガタガタガタ

リグレット「違う……」ガタガタ

リグレット「私は……わ、わたしは」

リグレット「リグレットじゃない……!」ガタガタガタ

リグレット「はぁ……はぁ……」ブルブル

リグレット「な、名前を」

リグレット「名前で呼んでくれ……!」ゾクゾク




リグレット「ルーク……!」


「……どう?」

「どっちもひどい状態じゃ」

「……」

「しばらくは夕日を絶やすわけにはいかんくなったのぅ」

「長さんは大丈夫なんですか」

「もって、2日じゃ」

「……」

「その間に復帰してもらわねば」

「アレを倒せるのは、ルーク以外もはやここには居らぬ」

続き北!

ルーク『……』

ヴァン「クックック……レプリカが……」ザクッ

ルーク『……』

ルーク、アッシュ……鍵を送る……

ルーク『……』

ジェイド「レプリカが大量生産されているようですね」

アニス「もー!瘴気がまた出るなんて聞いてませんよ-!」

ガイ「やれやれ、どうしたもんかね」

ルーク『……』

ルーク「」ムクリ

リグレット「あ、ルーク……」

ルーク「どのくらい……寝てた?」

リグレット「半日くらいだ……腕は大丈夫か?」

ルーク「利き腕はあるんだから、大丈夫さ」

リグレット「……ルーク」

ルーク「?」

リグレット「……いや、あの……その、な」

ルーク「……」

リグレット「その、か、体の調子は大丈夫そうか?」

ルーク「……リグレット」

リグレット「え」

ルーク「おいで」ニコ

リグレット「あ、う……」

リグレット「だ、だがお前はまだ体を……」

ルーク「わかってるから、寂しかったんでしょ」ニコ

リグレット「う、るーく……」ギュ

ルーク「ごめんな、寂しい思いさせちゃって」ギュ

リグレット「ばか、ものが……!もうあんなムチャはするな!」ポロポロ

ルーク「うん、ごめんな」

リグレット「るーくぅ……!」ギュゥ

リグレットさんきゃわわ

続きはよ

外は常時夕刻だった

赤々と輝く夕日は、街をやさしく照らしていた

ルークは失った右腕をそっと左手で触れる

痛みは無い
傷はふさがっていて、剣で荒っぽく斬った後が残っていた

ルーク「……利き腕が残ったのが不幸中の幸いだな」

リグレット「……」

長「悪いが、時間がない」

ルーク「わかってる」

「……ルーク、君は」

ルーク「分かってる、分かってるよ」

ルーク「『俺を喰った夢魔』は、俺がどうにかするしか無いんだろう?」

長「……すまぬ」

ルーク「大丈夫、負ける気がしないから」

「……でも、今回は右腕が」

ルーク「いいんだ。……どうっていうことはないんだよ」

リグレット「……行くんだな」

ルーク「リグレット……」

リグレット「来るなと言っても、私は行く」

リグレット「悪いが、足手まといでもだ」

ルーク「ありがとう」ニコ

ルーク「リグレットに来て貰わないと、勝てないから、頼もうと思ってたんだ」

リグレット「ルーク……」

長「お主が前の場所に行けば、奴も察して来るじゃろうて」

「力になれないのが、悔しいよ……」

ルーク「大丈夫です。俺とリグレットだけで」

リグレット「……必ず」

『だったら瘴気なんてほうっちまえ!』

『私はもっと残酷な事しか言えませんので』

『どうして、イオン様も、ルークも死ななきゃいけないの?』

『わたくしは、ルークにもアッシュにも生きていてもらいたいのです!』

『ルークが自分自身に価値を求めていることを知っているでしょう!安易な選択をさせないで……』




大丈夫、俺は――思い出したんだ


長「……」

「大丈夫?」

長「……ふふ、堕ちたものよな。あんな者が倒せず、この街を浄化の光に包み続けることすら出来ぬ」

「……」ギュ

長「全ては我の責任とも言えるのにのぅ」

「全部じゃ……無いだろ……」ギュウ

長「馬鹿者、もう少し優しくせんか。……集中できないでしょ」

ルーク「ここだな」

リグレット「……」チャキ

先日のエリア
ここはいつもなら人が溢れかえり、賑わっている
――が、今日は人影が無く、海の音があるだけだ

しばらくするとルークの前に黒い影が現れ、地面から這い出るようにしてヴァンが姿を表した

ヴァン「……喰われる決心がついたようだな?レプリカルーク」

ルーク「あいにく、決心がついた方は貴方を倒す方です」

ヴァン「ほう?あのような無様な姿を晒したとしても、私を倒せると?」

ルーク「ええ、だって――」

ルーク「ここは今夕日だ。アンタが大嫌いな、ね。それに、俺にはリグレットがいる」

リグレット「ルーク……」

ヴァン「ふん、足手まといにならなければいいがな?」

ルーク「さて、どうかな?」ニッ

ルークは腰から剣を引き抜く
ヴァンは右手を変化させて大きな鉤爪に変化させる


ルークとヴァンのぶつかり合う音が響いた

――私は、あの時、私を失った


負ける戦争に駆り出され、弟が死んだことで私は戦争を、何よりもヴァン・グランツを恨んだ

屈辱的に、ヴァンの側近にされ、空っぽになった私には、別の私が入り込んでいた


――彼女の名前は、リグレット


彼女は、ヴァンに忠実だった

彼女は私の代わりに戦争を憎んだ

彼女は、私の代わりになんでも出来てしまった

ヴァンの妹を――ティアを戦争に出させたくない思いも代わりに伝えてくれた

そして、私の代わりに人を愛することもしてしまった

その相手は、ヴァン・グランツ

彼女は――リグレットは私を静かに殺していった


『ヴァン……この狂った世界を……』


私は、最後の最後までリグレットに奪われた居場所を取り返せなかった

最後の最後まで、私の本当の想いは彼女は伝えてはくれなかった

真っ白な精神の中、私は音譜帯に還る時

私はリグレットと初めて向き合った



私は、必死に彼女のいる場所をつかんでいた



そして――……

「えーと……ジゼル・オスローじゃな」ペラ

ジゼル「……ここは?」

「む?質問は後にしてもらえるかのう。一日にここに来る人は結構多いんじゃ」カリカリ

ジゼル「……は?」

「いや、まぁ大方そういう反応するじゃろうな。簡単に言えばお主は今日死んだんじゃ」

ジゼル「……そうか」

「む?やけに落ち着いておるのぅ。大抵は取り乱したりするものじゃが、まぁいい」

「さて――お主の望みは『解放』じゃな?」

ジゼル「……貴女は」

「なぁに、人の心を読む事は得意でのう」

ジゼル「私は――解放されたい……」

「ふむ、少し取引といこう。ここでは通常望みを叶える対価としてお主らの記憶を頂く事になっておる」

「じゃが、お主のような者の為に、記憶以外のものを対価として頂けるのじゃよ」

ジゼル「……」

「『転生する権利』……つまり、生まれ変わりを放棄することじゃ」

ジゼル「……生まれ変わりを……」

「さて――どうする?」




――そう、私は解放されたかった



私を優しく、ゆっくりと解放してくれたのは……ルークだった

おお、来てたのか!乙

キテル!そろそろ終わりそうかな?

待ってるぞ

なんでお前らこんな良スレあんの教えてくれなかったの?

来たかと思ったじゃないか

まだかな

まだかなー

来たかと思ったのに…

俺も思ったわ・・・

このスレ見てると俺もアビスのSS書きたくなってくるんだがどうしてくれる

書けばいいじゃねぇかいっぱい

いっぱい書けばいいけど胸糞SSだったら宣伝はイランぞ

やあ、気づいたら1ヶ月たってたんだね、ごめんよ
見てくれてありがとう

きたか

ごめん12連勤で体がくたばってるんだ
明日元気だったら書くよ

お疲れ様。ゆっくりしてくれ

その状態なら体の一部は元気になってたりしないか?

ジゼル「……なんの冗談だ」

ルーク「ほぇ?何がだ?」ムシャムシャ

ジゼル「なぜ貴様がここに居るかということだ」

ルーク「それが俺にもさっぱりで。ホラ、このクレープ美味いぞ」

ジゼル「むがっ!?」

ルーク「ははは、クリームだらけ」

ジゼル「……」プルプルプル

ルーク「あ、あれ。怒った?」

ジゼル「釣りはいらん!」ガンガンガン!

ルーク「まままま待ってくれ!俺も聞きたいんだって!」

ジゼル「何がだ」ジャキ

ルーク「ここは何処か、教えてくれないか?」

ジゼル「――!?」

長「よくやった」

ジゼル「――は?」

長「うむ、コヤツは訳ありでの。ここに来たのじゃが、過程をすっ飛ばしてのぅ」

ルーク「~♪」モグモグ

ジゼル「過程?」

長「よりによって玄関を飛び越えていきおったのじゃ……店で金をカウンターに置いてさっさと行ってしまうように」ハァ

ジゼル「そんな事ができるのですか?」

長「言ったであろう、奴は訳ありなんじゃ。……はぁ、なんでこうも面倒事が起こるのじゃ」

ルーク「なぁなぁ!何話してるんだ!」

長「ルーク、お主何も覚えてないのじゃな?」

ルーク「ん?あぁ!なんか昨日のことも思い出せねぇ」

長「……聞いての通りじゃ」

ジゼル「……要するに、記憶を置いてここに来たと?」

長「……そういう事じゃ」

長「悪いがルークの面倒を見てやってくれぬか」

ジゼル「……私が、ですか?」

長「我が血眼にして探していたルークをお主は連れてきた。何かの縁だと思え」

ジゼル「……」チラ

ルーク「……?」ニコニコ

ジゼル「……了解です」

長「適当にお主の仕事を教えてやれば良い。どうせそのうちいなくなる」

ジゼル「ですね。……ルーク」

ルーク「ルークって、俺のことでいいんだよな?」

ジゼル「お前以外に誰がいる……お前の指導員になった、ジゼルだ」

ルーク「ジゼルか!いい名前だな!よろしくな」

長「やれやれ」


長「思いつきでジゼルに任せたが……大丈夫かのぅ」


長(ルークの望んだものと……)


長(いや、ジゼルは現世からの解放を望んだはずじゃ。噛み合うはずもないか……)


長「今日はつかれたし、仕事は終わりじゃ」



『いいか、ルーク。奴らは理性がない、欲望に忠実なんだ』


『動きは緩慢としているが、誰かを喰うと能力は著しく上昇する』


『だが結局はまやかしの力』


『叩き潰してやれ』

――ルークとの生活が少し経つと私は

「ルーク、勝手な行動は慎め」

「ごめんごめん」

――いつの間にか、視線で彼を追うようになっていた

「た、助かったよ、ありがとう」

「助かったじゃない馬鹿者!喰われている者を助けたいという気持ちはわかるが……!」

「で、でも俺は……」

「ふざけるな!犠牲者が二人に増えるだけだ!第一、貴様が喰われたら私は――」

「ジゼル――ごめん」

――私は、彼を指導することをやめていたのかもしれない

「――!!」

「大丈夫か、ジゼル」

「す、すまない……」

「疲れてるんじゃないか?」

「バカを言うな、私だってたまにはこういう事もある」

「……」

「な、何を笑っている!」

「へへ、俺にだってジゼルを守ることくらいできるって」

「なッ……」

――自分の心の中心に、ルークがいると気づいたのは


「こら、動くな」

「だ、だだだだって……」

「動くと形が崩れるだろう?ほらじっとしていろ」

「うぅ……」

「前髪は少し短めにしておくか」

「……」

「こら、顔を上げろ」グイ

「――!」

「~♪」チョキチョキ


――そう時間がかからなかったと思う


「はぁっ……はっ……」ブンブン

「……その辺にしておいたらどうだ」

「ジゼル、いたのか」

「鍛錬を怠らないのはいいことだがな、もう時間が時間だ」

「……そっか、夕方だもんな」

「夕飯、食べていくんだろう?」

「あぁ……悪いな、毎日」

「一人分も二人分も変わらないさ、さぁ、行こう」

――私が、望んだもの


――解放


――それは



「なぁ、ジゼル……俺さ――」



――ルーク、お前が教えてくれたんだ



「ジゼルと、一緒に居たい。どんな時も、どんな場所でも」



ルークは駆けていた
不思議と恐怖や不安は無かった

右手が無くなったことなど、体が軽くなった程度と感じているのかもしれない

ルーク自身、この高まる感情が分からなかった

夕日に照らされ、力が十二分に出ないヴァンは、それでも今まで対峙した夢魔よりも数倍は強い

ルーク(――勝てる)

ルーク(根拠はないけど……でも!)

ヴァンの爪がルークの眼前に迫る

ルーク(……見える!)

ルークは紙一重でそれを避けると、横一文字にヴァンを切り裂く

ヴァン「……何故だ。何故にそこまで動ける!」

ルーク「……」

ヴァン「動けるのだ!」

ルーク「っ……!!」

ルーク「くっ……」

ヴァンは分身を作り、ハサミ打ちの形でルークに襲いかかる
ルークは飛び上がると、片方のヴァンを踏みつけた

その片方が、『なぜか』偽物の気がした

ヴァン「……!」

そして、それは偽物だった

ルークはそのまま偽物を踏み台にし、本物のヴァンの背後まで飛び上がり、背後から剣を叩きつけていた
真っ二つに割れるヴァンは、形を崩し、偽物のところまで移動する

偽物と一つになると、ヴァンは再び形を作った

ヴァン「く、くくく……レプリカ風情にここまで苦戦を強いられるとはな」

ヴァン「ユリアが何かしたか?それとも……」

ルーク「俺は、俺ですよ。何もされてません」

リグレット「……ルーク」

ルーク「……」ニコ

リグレット「……」

ルーク「リグレット」

リグレット「あぁ……」コクリ

ルーク(そっか、まだあるんだな)

ルーク(そこには……)

ルークはなんとなく分かった
ヴァンの中には、まだ自分の失った腕があると

だから、ヴァンの動きが手に取るようにわかるのだと、どこかで理解していた
なら、簡単だ

ルーク(俺は、感じていればいい)

ルーク(完全同位体を感じることは、慣れている)

ルークの溢れかえった安心感




それが、最大の隙だった

ヴァンはもうルークに触れることすらできなくなっていた

以前のように鞭状の腕を使い、トリッキーにルークを束縛しようにも

分身の少女で惑わそうとしても

腕を剣状にして剣技で戦おうにも

すべて相手に気づかれてしまっている

いや……ルークは自分のやろうとしていることを解っている

ヴァンは、焦っていた

以前と動きが違いすぎることに

そして、あれほど動揺していたリグレットでさえ、何もせずに銃を構えているだけなことに

ヴァン(何故だ……何故だ……!所詮こやつはレプリカ……!)

ヴァン(アッシュではないのだ!あの時それを確信したはずだ!!)

ヴァンは今回何度目かの、斬首を味わった

休憩

ふんふむ

来てた!
待ってたよ!!

続きはまだかのう・・・

ほっしゅー

気づいたら1ヶ月半も経つのね、いかんいかん

>>236最後の「それが、最大の隙だった」から>>237ってつながりとしておかしくない?

あーまだそれは回収してないつもりだったの
基本あんま考えてないから許して

続き待ってます!

なんだかんだで毎日チェックしてたが
これはもうダメかもわからんね・・・

ヴァン「……っく」

ルーク「悪いけど、貴方にはもう容赦しない!」ジャキ

ヴァン「く……くくく」

ヴァン「そうか、そうか」

ルーク「……?」

ヴァン「今まではお前を喰う事だけを考えていた」

ルーク「ッ!」

ヴァン「[ピーーー]気で行かねば、私は消滅してしまうな」

ヴァンの身体の一部がぼたりと落ちる
その落ちたどす黒い物体は形を変え、剣の形状になった

ルーク「……」

ヴァンはそれをつかむと、ルークと同じアルバート流の構えをする

ヴァン「さあ、行くぞルーク!」

ルーク「……くっ!?」

ぞるっとした殺気がルークを襲う
先程まで身を任せて戦っていた時には無かった、肌が焼けるような感覚

ルークは足に根が生えたように、一瞬動けなくなっていた

ルーク「な、……にを!!」

ヴァン「光龍槍!」ヒュバ

ヴァンは一瞬の硬直を見逃さず、ルークに槍の様な形状の衝撃波を放っていた
ルークはなんとかそれを剣でふせぎ、跳んだ

リグレット「……ルーク!!」

ルーク「いい!!まだだリグレット!!」

予想以上の威力にルークは舌打ちをした
今の一撃で左手が痺れてしまったのだ

ヴァン「どうした、そこまでかレプリカルーク!」

ルーク「……」

ヴァンは勝機を逃すまいとルークの間合いを詰め、更なる追撃をする
――しかし、ルークは先ほどの硬直の感覚はもうなく、ヴァンの動きを感じ取っていた

ヴァン「……ぬ!」

ルーク「視える!!」ガン

ヴァン「……ぐっ!」

ヴァンの動きを読めるルークにはヴァンのスキが視えていた
手が痺れている今、ルークはヴァンのみぞおちに強烈な回し蹴りを決め、くの字に怯んだヴァンの上に乗り上がり、襟首を蹴りヴァンを地面に叩きつけた

倒れているヴァンから距離を取り、ルークは左手に力を込めた

ルーク(……動く!)

ヴァン「こ……の……」ピシピシ

ルーク「!」

リグレット「……!?」

ゆらりと立ち上がったヴァンは、身体に亀裂が入り、ヴァン・グランツの身体を保てなくなっていた
顔の半分がばりんと割れ、うぞうぞとした夢魔の本性が露わになる

そこから感じる憎悪は、すべてルークに向けられている

ヴァン「き、キサマだけは……ぜッタイにコロス」

リグレット「もう、言葉もままならなくなったか」

ルーク「うん、そろそろ……だな」

リグレット「気をつけろ、死に際の獣は何をするかわからん」

ルーク「……うん」

ヴァン「レプリカ、ふゼい……がァ!!」ヒュバ!

ルークは向かい来るヴァンの攻撃を避け、顔面にハイキックを決めた

ぐるりとヴァンは一回転し、ルークに胴を貫かれる

ボロボロと次々に身体が崩れるヴァンに、理性はもう殆ど残っていは居なかった

ルークをコロス、ルークを喰う

そんな感情でしか動いていないとルークには感じられた

ルークは再生したヴァンの右腕を切り落とすと、そのままヴァンの脇を乱暴に蹴り、ヴァンを吹き飛ばす
再生の追いつかないヴァンに追撃を加えようとルークは駆ける

ルーク「……!?」

ぞくり

ルークを襲ったのは先程の殺気ではなかった
直感的な、嫌な予感……

何かが、途絶したような、そんな感覚

リグレット「ルーク!!!」

リグレットの声が聞こえ、ルークは咄嗟に振り返る


そこには、かつての自分の腕が転がっていた
そして、リグレットに食らいつこうとする夢魔がいた

saga

ルーク(右腕を切り落とした時に……!?)

ルークがヴァンの右腕を切った時
ヴァンは本体からルークから喰った右腕を分離していた

動きが読めなくなったルークは本体のように見えるヴァンを追ってしまった

分離して残ったヴァンの夢魔の本体は、リグレットに襲いかかっていた

ルーク「リグレット!!」

ルークは咄嗟に自分の持っている剣をヴァンに投げていた
綺麗にリグレットを避けてヴァンに突き刺さり、ヴァンはリグレットを離して怯む

ルークはそのままヴァンに体当たりをし、マウントポジションをとった

リグレット「……ルーク!!」

ルーク「……もう、終わりだ!何もかも!!」

ヴァン「レ、レプリカ……ルーク……」

なおもヴァンはうぞうぞと藻掻き、苦しむ

ルークの腕を分離した今、ヴァンはこの街の夕日に耐え切れないのだ

ヴァン「キサマは……キサマだケは……」

ルーク「貴方は……どうしてこうも!!」

ヴァン「シュクせい。セネば……すくワレヌのだ!人類は!」

ルーク「俺の知っている貴方は……ヴァン師匠は!!」

ルーク「もっと、もっと優しかった!尊敬できた……俺の目標だった!!」ポロポロ

ルーク「こんな下らない、何もならないようなことをする人じゃなかった!」

ヴァン「……く、クえば……おまエさえ……」

ルーク「……」ギリッ

ルーク「貴方は……貴方は……!!」キィィィ

ルークの腕から光が迸る
全てを無に返す、音素を乖離させる光――超振動

ルークはその腕でヴァンの首を掴むと、持ち上げる

ヴァン「グ、がぁ……アアァァァ!!」ババッ

ルーク「……ヴァン・グランツ」

ヴァンの身体から最後の藻掻きか、無数の触手が伸び、力なくルークに絡みつく

リグレット「……ルーク、もう……!」

ルーク「リグレット……」

リグレット「……ルーク?」

ルーク「……」ニコ

ルークはヴァンを天に掲げるように持ち上げる
その瞬間、超振動の光が止まり、ルークの左手に赤い気が収束する

ルーク「……俺は、もう、大丈夫だから」

リグレット「……!」

ルーク「リグレット……ううん、『キミ』はまだだから」

リグレット「!!」

ルークは上空に向けてヴァンに一撃を放った

ルーク『烈破掌!!』

ヴァンの夢魔はパァンという音と共に上空に打ち上げられた

ルーク「やれェ!!ジゼル!!!」

リグレット「……!!!」

――嗚呼、やっぱりルークは


私を開放してくれた


一緒にいるだけで、私は救われていたのに


こんなにも完全に、私を――



ジゼル『プリズム……バレット!!』






キラキラとした破片が辺りに散った

今までヴァンが、夢魔が喰ってきた生命力のかけら

ルークは四散し、消えたヴァンを確認すると、すっとジゼルに向き変える

ジゼル「ルーク……」

ルーク「ごめんな、先に言っておく。俺、記憶戻ったわけじゃねえんだ」

ジゼル「……」

ルーク「最初に見たあの結婚式の写真、律儀に名前が書いてあったんだ」

ジゼル「あ……」

ルーク「最初はリグレットの様な人とか思ったけど……やっぱり、なんだな」

ルーク「でもさ、ジゼルって……前の俺が呼んでた名前なんだよな」

ルーク「だから、なかなか聞けなかったし、呼べなかった」

ジゼル「ルーク」

ルーク「あのまま、ヴァンを超振動で消滅させようかと思った」

ジゼル「……?」

ルーク「でも、それじゃ横にいたジゼルが何かから抜け出せなくなるような、そんな気がして」

ルーク「ジゼルが……ヴァン師匠で苦しんでいたんだって、感じた」

ルーク「だから、ジゼルって……叫んでた」

ルーク「ごめんな、思わせぶりなことして」

ジゼル「……ばかもの」ギュウ

ルーク「……リグレット?」

ジゼル「ちがう、ジゼルだ」ボロボロ

ルーク「……」

ジゼル「わ、わたしは……私は、ずっと……そう呼んで貰いたいと」

ジゼル「でも、そうしたら、ルークが混乱すると……」

ジゼル「う、うぅ、ルーク!ルーク!!」ボロボロ

ルーク「……うん」

ジゼル「ぐす、うぅ、……うぁぁぁぁあぁぁ」

ルーク「ありがとう、ジゼル……こんなに想ってくれて。俺は幸せ者だな」ナデナデ




『もう、長くはないって……本当?』

『あぁ……音素乖離が進んでるらしくてさ』

『治せ……ないの?』

『……薬で進行を遅くすることはできるって話だけど』

『どうして!?どうしてなの!?』

『ティア……』

『このことは、皆には黙っていてくれないか?』


長「zzz」

ルーク「長さんは……」

「大丈夫、眠ってるだけだから」

ジゼル「よかった」

「それより、ありがとう。よくやってくれた」

ルーク「いえ、自分達の因縁に蹴りをつけただけです」

ジゼル「……」

「フフ、もう俺達もジゼルに戻してもいいんだね?」

ジゼル「ええ……もう私はリグレットではありません」

ジゼル「私は、もうヴァンの妄執に囚われた人間じゃありません」ニコ

「……うん、そうだね」



きょ、今日はオワリ


本当にごめん

お疲れ

乙!

何この俺得スレ!?
気付かなかったぜ

おつです!
アビスファンとしてwwktkしながら待ってます!!

家に戻ったジゼルとルークは、何も言わずに抱き合っていた
両腕をルークの背に絡め、胸元にジゼルは顔を埋め、ルークは左腕でジゼルの肩を抱いた

暫くの間、互いに何も言わず、動かなかった
決して間の悪さなど無く、静かに、互いに温もりと柔らかさを感じあっていた

そしてしばらくし、ジゼルは左手をルークの背から離し、そっと千切れた右腕に触れた
愛おしくその腕を撫でると、ルークの左腕の力が少し緩む

ルーク「……両手で、抱きしめられなくなっちまったな」

ジゼル「何を言う、これでいい。――いや、これがいい」

ルーク「そうか?」

ジゼル「ふふ、私がそう言うんだ。間違いないぞ?」ニコ

ルーク「そっか、そうだな」

ヴァンから排出された右腕は、いつの間にかあの場から消え去っていた
おそらく、音素乖離による消滅だろう
もうルークの右腕は戻らない……しかし、ルークは別にその事を憂いたりはしなかった

自分の腕くらいで、この温もりが守れるなら安いものだ

ルークはそっとジゼルの肩から腕を解くと、胸元に埋めたジゼルの顔を少し上げさせる
目線が合い、ルークはにこりと微笑んだ

ルーク「ジゼル」

ジゼル「……ルーク」

ルーク「ただいま」

ジゼル「……ッ!」

ジゼル「おかえり、ルーク」

くしゃくしゃに涙に崩れた彼女の顔はとても愛しかった

ルークは静かにジゼルと口づけをした




『……いよいよ、明日ね』


『うん、俺……明日まで生きてんん!?』


『貴方は生きるの、明日も、明後日も、ずっと』


『……ティアは厳しいな』





数日後


長「おい、貴様ら」

ルーク「はい?」

ジゼル「何か?」

長「何かではないわ!!仕事に集中せぬか!!」

「ま、まぁまぁ長さん……」

長「まぁまぁではない!!書類整理の時は無駄にひっついて挙句の果てには膝の上じゃぞ!!外回りの時など貴様らの休暇ではないんじゃ!何をデートを楽しんでおる!」

ジゼル「仕事はしていますが」

長「あーそうじゃろうな!書類も完璧だしデートのコースも外回りのコースと一切も離れてもおらん!」

ジゼル「なら問題ありませんね。ルーク、行くぞ」ギュ

ルーク「あ、あははは……」

長「見てて腹立つのじゃ!!あーくそォ!」

「あ、荒れてるなぁ……」

長「ええい酒じゃ!酒を持って来い!」

ジゼル「仕事中に飲酒は如何なものでしょうか」

長「がああああああ!その通りじゃ!あーその通りじゃとも!!」ゴォオォォォ

長「爆発しろなのじゃーーー!!」 ナノジャー  ナノジャー

「しばらくしたら勝手に収まるから行って行って」

ルーク「は、はぁ……」

ジゼル「いくぞルーク」ピッタリ

ジゼル「こっちだ、ルーク」

ルーク「ひ、引っ張るなって!」

ジゼル「美味いクレープ屋があっただろ?今日はそこに行こう!」

ルーク「ま、まぁ結局外回りのルートなんだけどね……」

ジゼル「つべこべ言わずに来い!」




ジゼル「……むぅ」

ルーク「ど、どうしたのジゼル」

ジゼル「問題が発生した」

ルーク「はぁ」

ジゼル「クレープは確かに美味い。ルークと一緒に食べたいとも思う」

ルーク「うん」

ジゼル「しかしソレだと、ルークの左腕はクレープに取られ、私の腕が組めなくなる」

ルーク「……」

ジゼル「ルークと腕は組んでいたい……が、ルークとクレープを食べたい」ウーン

ルーク(かわいいなぁ)

ルーク「あそこのベンチに座って食べるっていうのは?」

ジゼル「ばか者!仕事中なんだぞ」

ルーク「あ、そこはわきまえてるのね」

ジゼル「しかたない、こうなったらクレープを買うのを一つにしよう!」

ルーク「へ?」

ジゼル「私がお前と腕を組みながら、食べられるだろう?」

ルーク「俺のぶんは?」

ジゼル「安心しろ、私がたべさせてやろう」フフン

ルーク「そ、そんな誇らしげに言われても……」


あれから、夢魔はまるで居なかったかのように出なくなった

ヴァン・グランツが夢魔を出没させる何かをしていたのか、理由はわからない

ただ、もう一つ無くなったものがあった


――ルークの記憶だ


決戦の日、すべてが終わりジゼルと抱き合っていた時に流れ込んだ記憶

それがルークの最後の記憶だった

ルークは以前の最終決戦前夜
ティアとアルビオールの上で会話し、宿に戻ってまでしかないのだ




ぱったりと、そこからの記憶など無いかのように




今日はオワリ


引っ張るなぁ……続きが気になって仕方がないぜ

マダー?

>>274
お前が書かなきゃ忘れて落ちてたかもな

トワイライトタウンって確か夕日沈まないんだよな?

さ、三連休でがんばる。きっとがんばる
がんばるからおやすみ

ルーク「はっ……はっ……」ヒュッヒュ

ルーク「はっ……はっ……」ヒュッヒュ

ルーク「……はぁ……はぁ……これで1万回か」ゼェゼェ

ルーク「つ、疲れた」ドテン

ルーク「……」グビグビ

ルーク「っぷは……あー」

ルーク(確かにあれから夢魔は出なくなった)

ルーク(こんなに、訛っていたなんてな……)ゼィゼィ

時間はさかのぼり、今日の朝

長「お主らには今日は別で行動してもらう」

ジゼル「なぜです」

長「夢魔が出なくなったといって堕落しておるからじゃ!」

ジゼル「仕事は完璧にこなしている筈ですが?」

長「そういうことではない。身体が訛っているはずじゃ……特にルークがな」

ルーク「お、俺ですか!?」

長「左腕だけになってからというもの、あの事件以降戦闘をしていない。鈍っているはずじゃ」

ルーク「そう……かもしれないですけど」

長「ということで今日のルークはトレーニングじゃ!」

ジゼル「なら私も――」

長「ジゼルは事務処理じゃ」

ジゼル「な……」



長「あの事件依頼人手不足なんじゃ。悪いが優秀なジゼルは事務処理に専念してもらうぞ」

ジゼル「だ、だったらルークも」

長「あー、もう決定事項じゃ。口答えするものじゃないわ」

ジゼル「ぐ……」

ルーク「じ、ジゼルいいよ、確かに最近怠け気味だったし」

ジゼル「む……ルークがそう言うなら……」





――――――――――
――――

――


ルーク(しっかしまぁ……右腕が無くなっただけで剣って振りにくくなるものなんだな)

ヴァンを討った時は、完全同位体の同調を利用して、相手の動きを完全に先読みすることが出来た
ルークはヴァンの行動を逆に利用したりするなど、右腕の喪失をそこまで大きなデメリットとして感じなかった

しかし、ヴァンの戦いだからこそ出来た芸当であり、普通の戦いでは使えないのが現実である

ルーク(ま……ヴァン師匠よりも強い夢魔が出てくるなんてこと、無いとは思うけど)ゼェゼェ

ルーク「ノルマ……終わったし、休んだら街の見回りでも行こう……」ハァハァ

ルーク「ジゼルのあの量は一日じゃ終わりそうに無いしなぁ」


しばらく休んだ後、ルークは誰にも言わずに街の見回りに出た

ルーク(一人で回るの久しぶりだな……)

ルーク(まぁ、最近は夢魔も出ないようだしそこまで警戒も要らないんだけど)

ルーク「ジゼルにおみやげでも買っていこうかな……」

女性「ちょっとそこのおにーさん♪」

ルーク「え?俺?」


ジゼル「……」

「え、終わった?」

ジゼル「……ええ」ズイ

「あ、あの量がもう?」

ジゼル「ええ。迅速にチェックのほうおねがいします」

「え、あ~」

ジゼル「どうかしたんですか?早く」

「こ、こんな量、チェックするのにも時間かかるしさ、今日はもうあがっていいよ」

ジゼル「本当ですか!」

「うん、おつかれさま」

ジゼル「おつかれさまです」ダダダ




「あ、愛の力ってすごいね……」

長「もはや執念じゃな……」アキレ


ジゼル「ルー……く?」

ジゼル「ここで素振り1万回してるのではなかったか……?」

ジゼル「……」

キィン

ジゼル「街の方か……」

ジゼル「まったく少しくらい寄ってもいいだろうが」ブツブツ

今日はオワリ

3連休どころか土日休みすらなかったんだ
この仕事やめようかしら

お仕事大変だな、お疲れ

しえ

メロン


長「……おかしい」

「うん、そうですね」

長「ルークの記憶はとっくに完全に戻ってもいい」

「……うん」

長「時間がかかりすぎている」

「でも、まだ……」

長「もうそろそろそんな悠長なことは言ってられぬよ」

「……」

長「ルークを完全にここの住人にするわけにはいかんのじゃ」

長「あれはジゼルとは違う、対価は貰ってはおらん」

長「対価を払っておらん者の行く末はヴァンデスデルカと同じよ」

「あと、どのくらいと?」

長「早くて3日、遅くて1週間、かの」

「……ジゼルは」

長「どうしようにもない、奴も解っておるはずじゃ」

「けど、なぜでしょう?」

長「……記憶は他人には干渉出来んはずじゃ」

「……」

長(確かめるしか……)


ルーク「俺のコト?」

女性「そーよ、イケメンのア・ナ・タ♪」

ルーク「……ここの治安を乱すようなら黙っておけないんだけど」

女性「まままま待ってよ!私別に夢魔でもやましい輩でもないわよ!」

女性「はぁ~、貴方警備の連中だったのね……でも声かけちゃったしなぁ」

ルーク「はぁ?」

女性「私、占い術師なのよ」

ルーク「はぁ」

女性「でね、私は人の気を読んで興味のある人の心の先を読み取らせて貰ってるの」

ルーク「……で、ソレが俺だったと」

女性「そう、貴方」

女性「とても大きな力を感じるの……とても興味深いわ」

ルーク「……」

女性「どう?時間はかけないわ?」


――――――――――
――――


――



女性「悪かったわね」

ルーク「いいんだ」

女性「これ以上一緒にいると、撃ち殺されちゃいそうだし」

ルーク「へ?」

女性「すぐ判るわよ」

ルーク「……振り返る時は」

女性「覚悟しておくことね♪それじゃ」ヒュン


ルーク「……」

ジゼル「……」

ルーク「弁明の余地は……」

ジゼル「あるとは?」

ジゼル「少なくとも……素振りが終わったら私の所まで顔を出しても良かったと思うのだが?」

ルーク「う……」

ジゼル「……」ギュウ

ルーク「ジゼル……?」

ジゼル「こっちを見るな」

ジゼル「何を聞いた?」

ルーク「……」

ジゼル「あれは……誰だ」

ルーク「占い術師だって」

ジゼル「それで……?何を?」

ルーク「……」

女性『貴方には往くべき道があるわ』

女性『その道はもう貴方には見えている、見えるはずよ』

女性『解らないかしら?それはきっと貴方が見ようとしてないからね』

女性『違う……?なら、それを見つけるにはまだ足りないものがあるからじゃないかしら?』

女性『貴方にはそれが何か……解るはずよね?それは見つけなければならない大切なモノ』

女性『探しても、探しても見つからないのね?』

女性『……ところで、幸せの青い鳥って童話、ご存知?』

女性『病気で死にそうな母親を治すには幸せの青い鳥が必要なの』

女性『主人公は母親のためにそれはそれは苦難の多い旅に出たわ』

女性『でも何処を探しても幸せの青い鳥は見つからない』

女性『もう無理と諦めて、主人公は泣きながら母親の下に戻るわ』

女性『でもね、そこで見つけるの……』

女性『その幸せの青い鳥は、自分の家で飼っていた、鳥かごの中にいる鳥だったのよ』

女性『貴方、それによく似ている』

女性『遠くを探す前に、足元を見直すことね』

女性『私に言える忠告は、悠長にしないことね……貴方の道は、もう少しで崩れていくわよ』

女性『崩れた先には何も無いわ。貴方は世界から、運命から抹殺される』

女性『世界は……運命は、抗おうとする者には容赦しないわ。肝に銘じておくことね』

女性『ふふ、ごめんなさいね。あまり気持ちのいい占いじゃなくて』

女性『ただ、私の占いはよく当たるのよ』

女性『誰かさんの預言のように、ね』

ルーク「……」

ジゼル「……」

ルーク「それだけ、言われた」

ジゼル「……」ギュウ

ルーク「ジゼル?」

ジゼル「明日」

ルーク「うん?」

ジゼル「明日は、仕事はやすみだ」

ルーク「へ?」

ジゼル「だから……だから……」

ルーク「……」グィ!

ジゼル「きゃ!?」

ルーク「そんなに怖がらなくても、一緒にいるから」

ジゼル「……うん」

ジ……ジジジ……

『皆を幸せにしなきゃな』

『俺……変われたかな?』

ザ……ザザ……

『俺、消えちゃうかもしれないけど』

『生きていたい――』

『ありがとう、みんな』

ザ……ジジジ……



『最後に、ちからを貸してくれ!』


ジゼル「……ルーク」

ジゼル「卑怯な、私のわがままは……」

ジゼル「もう、明日で終わりだから……」

ジゼル「……」

ジゼル「く……うぅ……」



ジゼル「許して、くれなくてもいいから……」

今日はオワリ


『今日』とは8/12のことなのか8/13のことなのか



『まさか、あれほど立派でしたルーク様が……』

『記憶喪失とはいえ……豹変ですな』

『以前はご自身の意思をしっかりと持つ王の器でしたというのに』

『ねー、ルーク様って、帰ってきてからひどくなったよねー』

『わかるわー。好き嫌いも多いし、私達にまでわめきちらすし』

『前までは――』

『以前のルーク様は――』



うるさい――

聞こえていないとでも思っているのかよ!!



ルーク「あ……」

ルーク「ゆ……め……?」

ジゼル「……」ジー

ルーク「ジゼル……」

ジゼル「大丈夫か?……うなされていたが」

ルーク「ジゼル……」ギュウ

ジゼル「ルーク?」

ルーク「ごめん、少し、こうさせてくれ」

ジゼル「しょうがないな」


――――――
――――

――


ルーク「なぁ、今日はさ」

ジゼル「うん?」

ルーク「俺が記憶を失って、最初に行ったショッピングモールあるよな」

ジゼル「……」

ルーク「あそこに、行きたい」

ジゼル「……!」

ジゼル「そう、か」

ジゼル「うん、そうだな」

ルーク「……ジゼル?」


広大なショッピングモール
ルークはそこにある大きな柱を見上げる

その柱には、掠れた文字が刻まれている

ルーク「トワイライト……タウン……」

指でそっとその文字をなぞる
随分と年季が入っていることが解るが、指の腹にはしっかりと文字の凹凸感が感じられる

ルーク「初めて、ここで俺は自分の記憶を取り戻していたんだな」

ジゼル「……」

ルーク「その時は誰の記憶かすら、わからなかった」

ルーク「さて、行こうかジゼル」

ジゼル「あぁ」ギュ



それからの時間は、本当に楽しくて

もっと、もっとと思うほど、時間は早く進むように感じてしまって



「ほら、ジゼルも食べてみてって」

「こ、こら、そんなに押し付けるな、ばか!」



「ルークはこんな可愛げのあるペンダントは似合わないな」

「そ、そうか?」

「ふふ、私が選んでやろう。これとかどうだ?」

「えぇ、ちょっとドスが効きすぎてないか?」

「そのくらいが調度良いだろう?」



「はい、ジゼル」

「ん?なんだ、これ」

「さっきペンダント選んでくれたお礼」

「……ぁ」

「髪留めなんだけどさ、気に入ってくれるかな」

「あ……あり、がとう……」


海が夕焼けに赤々と染まっていた
幾度と無く見てきた優しい朱色

ルークは海辺に建てられた柵に手をかけた

ルーク(ここの夕焼けはどこか懐かしく、目が離せなくなる)

しかし、何かがおかしい
ルークはどこか違和感を感じていた

きしりとルークの横の柵が音をたてた
ジゼルがルークの横に立ったのだ

ジゼル「トワイライト、夕焼けの街」

ルーク「……ジゼル?」

ジゼル「私と、ルークが出会った場所も……ここだった」

懐かしむように、ジゼルが話しだす

ジゼル「お前は困ったものでな、あのショッピングモールで遊びまわっていたんだ」

ジゼル「偶然私が見つけてな、お前は食べていたクレープを私の口に押し込んだんだ」

ジゼル「今のお前なら理解できないかもしれんが、あの時はお前は記憶も無くてな」

ルーク「ジゼル……」ギュウ

ルークはぽつぽつと話しだすジゼルに手を回し、そっと抱きしめた
儚く、消えてしまいそうに感じてしまったのだ

ジゼル「……すまない、ルーク」

ルーク「どうして、謝るんだ?」

ジゼル「私は、私は……お前に甘え続けてしまって……」

ルーク「何言ってるんだ、ジゼルならどれだけ甘えてもらって構わないよ」

ジゼル「……」

ルークには、どうしてジゼルが静かに涙を流しているのか、わからなかった





「ルーク」

「ん、なに?」

「さいごに、1つだけわがままを聞いてくれ」

「最後だなんて」

「……ルーク」

「今日は……ずっと私を愛してくれ……」

「ジゼル……」




今日はオワリ

おぉ更新されてた
乙です

しゅ


決意が壊れてしまいそうだった

隣で暖かく抱きしめられ、自分よりも年下の彼に私は身体を預けてしまう


どうしてこうなってしまったなどとは思わない

私は幸せだった

こうしてルークを好きになれて、愛せて、何より私の願いを叶えてくれた

だから、今度は私がルークを幸せにしなければならない

ルークは、もう私の横にいるべきではないのだ



ルークには、本当の帰るべき場所があるから……


『本当に良いのか?ジゼル』

『ルークはお主とは違う、此処の住人ではないのだぞ?』

『愚問ですね』

『……すまぬ、我の責任よな』

『何を言っているんですか、長さん』

『長さんのおかげで、私はルークと知り合えた』

『ルークと二人になれるのです』

『……そうか』

『ならもう何も言わぬ』





『こりゃ、前代未聞だよ、ルーク……』

『え、そうなの?』

『あのねえ……いや、なんでもないや』

『しかしねえ、馬子にも衣装っていうかなんというか』

『う、うるさいな!』

『あはは、まぁ行ってきなよ。ジゼルが待ってるよ』

『う、うん』




『……本当に良かったのかい?ジゼル』

『彼は、すぐに行ってしまうんだよ』


『ここの世界で結婚って、どうなんですかね』

『底知れぬアホか、ロマンチストだけじゃ』

『……』

『そんなに睨むでない、なんせ過去に例がないのじゃ』

『それはそうですけど』

『……』

『貴方がそんなに責任を感じることは無いと思いますよ』

『阿呆が、我もまだ未熟じゃな』

『結果は変わらぬのじゃ、どうしようにも無い』

『さあ、わかりませんよ?』

『は?』

『彼は一度、未来を変えていますからね』

『あれは被験者のほうじゃ、呆けるでない』

『さて、どうですかね』

『?』


ルーク「……」

ルークは目をこすりながら半身を起き上がらせた
横の温もりが無くなっているのだ

ルーク「ジゼル?」

しんと静まり返った部屋
ルークは脱ぎ散らかっている下着とズボンを履くと、部屋から出る

家の中には人の気配はしない

ジゼルは、いない


ルーク「……ジゼル?」


ルークは状況がつかめずにそこらじゅうを探しだす

ルーク「ジゼル!」

ルーク「おーい?」

ルーク「ジゼル~」

ルーク「ジゼル……」







「……いない」









ルーク「先に行っちまったのかな」

ルーク「先に行った、だけだよな……」

ルーク(嫌な予感――)

ルークは急いで着替えると、家の扉を開けて飛び出した

あそこまでは全力で走れば15分ほどだ

まだ走るような時間ではないが、急いでしまう


ルークは体中に、なにか喪失感を抱いていた





長「おや、今日は早いようじゃの?」

ルーク「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……じ、ジゼル、みません、でしたか」

「まず落ち着きなよルーク」

ルーク「はぁ、はぁ……はぁ……」ゼーハー


――――――

――――
――




長「……で?」

ルーク「ジゼル見ませんでしたか?」

「今日はまだ、見てないかな」

長「いつもならまだ来ぬ時間よ」

ルーク「で、でも朝から家に居ないんです」

長「……」

「……」

ルーク「……長さん?」

長「そうじゃな」

「……」

長「早く来たのじゃ、早速今日の仕事に入れルーク」

ルーク「そ、そんな!?」

長「ジゼルを探せ」

ルーク「!?」

長「それが今日の仕事じゃ、ルーク」

長「見つけたらその場で帰ってよし。以上じゃ」

ルーク「は、はい!!」


――――――
――――

――



ルーク「……いない」



探しても、探しても、ジゼルは見つからなかった

街のブロックはくまなく探したつもりだ

かしゃり、とルークは柵に手をかけ、夕焼けに染まる海を眺めた

いつの間にか、あのショッピングモールの側まで来ていたようだ


ルーク「……」


ルークは思い出せなかった
エルドランドの滞空防衛網を突破し、落下したエルドランドに突入したところまでは覚えている

しかし、その先だ
まだあるはずなのだ

思えば、今日は街の隅から隅まで走り回った
以前は街を走り回ればあの結晶がそこらじゅうにあり、割れる音と共に記憶が戻っていった
また、どこか自分の目につかない場所にあったのか、割れる音だけが聞こえ、記憶が戻ることがあった

しかし、街中を走り回った今日は一個も見つけては居ない
それに、最近は気づかずに記憶を戻すことも無かった

ルーク「……」

考えに浸っている時、後ろからじゃり、と足音が聞こえる
ルークは反射的に振り返ると、そこにはジゼルが立っていた

ルーク「ジゼル!何処に居たんだ、心配して――」

ジゼル「いい、無理をするなルーク」

ルーク「……ジゼル?」

ジゼルの落ち着いた状態に、ルークは違和感を覚える

ルーク「その服……」

ジゼルはいつも仕事で使う服ではなかった
だからといって、プライベートで着るようなラフな服装でもない
白色を基調にした、黒いラインの入ったバトルスーツ
腰には2丁の拳銃がぶら下がっていた

ジゼル「お前には、コレのほうがいいだろう?」

ルーク「な、何を言っているんだジゼル?」

ジゼル「ジゼルじゃない……お前にとってはリグレットだ」

ルーク「な……」

ジゼルの発言にルークはずきりとした痛みのような感情を覚える
そんな事知らないように、ジゼルは続ける

ジゼル「私はな、ルーク……幸せだった。本当に、本当に……お前は私を幸せにしてくれたんだ」

ジゼル「だから、私はな、ルーク。今度は私がルークを幸せに、しなきゃならないんだ」

赤く照らされた彼女は、細い涙を流している
ルークは何も言えなかった


ジゼル「私は、卑怯だ。お前には隠し事をするなと言いながら、私は言えないことばかりだった」

ジゼル「本当にすまないと思っている。許してくれなくてもいい」

ジゼル「私は……お前を失うことが怖かったのだ。少しでも長く一緒に居たかった」

ジゼル「だから、この街の事を伏せた。無駄だと解っていても、夕日の浄化の光をお前に当てたくなかった」

ジゼル「……そして私は……お前の記憶すら奪ってしまったのだ」

ルーク「!!」

ジゼル「偶然だったんだ……お前が記憶を戻して、自分が何者か理解し始めた時だ」

ジゼル「家に戻らないルークを、私は探してしまったのだ」

ジゼル「その時なんだ……私は……私は……」

ジゼル「光る、小さな結晶を見つけてしまったんだ。そして、それに手を伸ばして――」

ルーク「そ、それは……」

ジゼル「触れた瞬間、理解したよ。これがお前の記憶だと」

ジゼル「そして、それはお前が何処に居るのかを教えてくれたんだ」

ジゼル「不思議に思わなかったか?あの夜、野宿しようとしたお前を簡単に見つけた私を」

ジゼル「私は――本当に卑怯者だ。自分のエゴだけで、これをお前から隠し続けていたんだ」

ルーク「ジゼル……っていうことは……」

ジゼル「これをお前に与えなければ、お前は、ずっと……ずっと私の側にいてくれると思って……」

ジゼル「けど、ダメなんだ……この前の占い師の話を聞いて悟ったよ」

ルーク「占い師……?」

ジゼル「あれは変装はしていたが、長さんだよ」

ルーク「!?」

ジゼル「お前はこのままでは恐らく……この世界からも、現世からも否定される夢魔になる」

ジゼル「そうさせるわけにはいかないんだ」

ジゼル「それに、これを持っていると、お前の感情が流れ込んでくるんだ」

ジゼル「そのたびに、ルークはここに居るべきではないと確信させるんだ」


ジゼルはそっと握った右手をルークの前に差し出した
そして、ゆっくりと、震えながら手を開いた

そこには、光り輝く結晶があった

ルーク「ジゼル!!」

ジゼル「……帰りなさい、ルーク」



ぱりん



割れる音と共に――ルークは地面に膝をついた

――――――――
――――

――



アッシュ「……ファブレ家の遺伝子ってのは余程間抜けらしいなレプリカまでそろって同じ罠にはまるとは…。胸くそ悪い」

ルーク「そんな言い方するなよ!」

アッシュ「本当のコトだろうが」

ルーク「ここから出る方法は無いのか?」

アッシュは特殊な魔法陣の書かれた床に右手を突き、超振動のエネルギーを送り込む
そうすると、塞いでいた扉が開く

アッシュが手を離すと、扉は即座に閉まってしまう

アッシュ「……どちらか一人、残ることになるな」

ルーク「――だったら、ホラ」

ルークは躊躇なくローレライの宝玉をアッシュに差し出す

アッシュ「何の真似だ」

ルーク「どちらか一人しかここを出られないなら、おまえが行くべきだローレライの鍵でローレライを解放して……」

アッシュ「いい加減にしろ!!おまえは…俺を馬鹿にしてやがるのか!」

ルーク「そうじゃない。俺はレプリカで超振動ではおまえに劣る剣の腕が互角なら、他の部分で有利な奴が行くべきだろう」

ルーク「俺は、ここに残るよ」

アッシュ「ただの卑屈じゃなくなった分、余計にタチが悪いんだよ!」

ルーク「アッシュ……?」

アッシュ「他の部分で有利だ?何も知らないくせに、どうしてそう言える?おまえと俺、どちらが有利かなんてわからねぇだろうが!」

ルーク「だけど俺はどうせ…」

アッシュ「黙れ!」

ルーク「アッシュ!何を……」

アッシュ「どうせここの仕掛けはどちらか一人だけしか出られない だったらより強い奴がヴァンをぶっ潰す!超振動だとか、レプリカだとかそんなことじゃねぇ ヴァンから剣を学んだもの同士どちらが強いか……。どちらが本物の『ルーク』なのか 存在をかけた勝負だ」

ルーク「どっちも本物だろ、俺とお前は違うんだ!!」

アッシュ「黙れ!理屈じゃねぇんだよ……過去も未来も奪われた俺の気持ちがおまえにわかってたまるか!俺には今しかないんだよ!」

ルーク「……俺だって、今しかねぇよ。奪われるだけの過去もない。それでも俺は俺であると決めたんだ!おまえがどう思ったとしても俺はここにいる……それがおまえの言う強さに繋がるなら、俺は負けない」

アッシュ「よく言った。その減らず口、二度と聞けないようにしてやるぜ。行くぞ、劣化レプリカ!!」

ルーク「……っ!」
















からん、と剣の落ちる音がする
剣先がぴたりと首元にあてがわれる

勝負は、決したのだ




ルーク「ハハ……やっぱ強いよ……アッシュ……」

アッシュ「レプリカ……」

ルーク「ほら、約束だろ?持ってってくれよ……」

ルーク「早く……みんな待ってるんだ」

アッシュ「……」

アッシュは何も言わずに宝珠を受け取る
その時、大人数の足音が響いた

「いたぞ!ローレライの鍵、渡してもらうぞ!」

アッシュ「ッチ、数が多いな」

ルーク「アッシュ、ここは俺が食い止める!早く!」

アッシュ「テメェ一人でなんとかなる数だと思ってんのか屑が!」

ルーク「ふざけるな!!」

アッシュ「!?」

ルーク「今……やるべきことはこんな雑魚を一掃することじゃない、そうだろう?」

ルーク「行けェ!アッシュ、いや、ルーク・フォン・ファブレ!!」

アッシュ「……ッ」ギリ

アッシュ「テメェにはまだ言い足りねえ事が山ほど残ってる!……死んだら許さねえぞ」

ルーク「……っへへ、そうか……」

ルークは扉を開くと、アッシュは走って扉の先へと出て行く
それを確認すると、ルークは超振動を強く放出した

――装置を破壊したのだ

扉は閉まり、もう簡単には開かないだろう

ルーク「……俺、もう消えちまうから、聞けそうにねえや」

がしゃがしゃとオラクルの兵がルークの前に立つ
ルークは扉を塞ぐように剣を構え、仁王立ちした

「そこを退け!!」

ルーク「断る……。いくらでもきやがれ!」

ルーク(ごめんアッシュ……もう一回だけ、名前借りるよ)

ルーク(――俺にはコレしか無いから)

ルーク「このルーク・フォン・ファブレが相手になってやる!覚悟しろよ!」




――――――

――――
――




鮮血

激痛

叫び




ルークは腹部に剣が突き刺さってもなお戦っていた

そして、最後の一人の首をはねる

ルーク「……」

ごふ、と血を吐いた
痛みを感じなくなったのはどれくらいだっただろうか

ルークは腹部の剣を引き抜き、乱暴に捨てた

ルーク「……」

目の前に、赤く染まった女神像がある
ルークはなぜかその側に行きたくなり、ずるりと足を引きずった
そして、その場所につくと女神像に背をあずける
同時に足に力が入らなくなり、ずるずるとその場で崩れ落ちた

ルーク「……」

早かれ遅かれ、こうなる運命なのは解っていた
それでも、ルークはまだ生きたいと思っていた

ルーク「……」

アクゼリュスを崩落させ、何人もの命を奪った
それ以外にも、襲いかかる盗賊や兵は斬り続けてきた

ルーク(俺……殺してばっかなんだな……)

ルーク(……)

それでも、自分の仲間は……憎んでいるはずのアッシュですら、生きろと言ってくれた

ルーク「……ドジッちまった、な……」

ルーク「……」

ルーク(ごめんな……明日も、明後日も……生きていれそうにないや……)

ルーク「あとは……ま、かせ……た……」

視界がぼやけ、視線を上に向ける
女神像の顔が写った

ルークは静かに微笑み、意識を手放した



――――――――
――――

――





ルーク「……」

ジゼル「……思い出したか、ルーク」

長「やはり……お主じゃったか、ジゼル……」

ジゼル「……」

長「なぜお主がルークの記憶に干渉出来たかはわからぬ……じゃが、あと少しで本当に夢魔になるところじゃった」

いつの間にか後ろにいた長に、ジゼルは頭を垂れる

ルーク「俺は……死んだんだな……」

長「すこし違うな。その後の話もある」

長「お主は肉体的なダメージも大きく、魂もここに導かれたのじゃ」

長「じゃが、ローレライがアッシュの超振動を使い、肉体を再生させた」

長「しかし再生させた肉体は魂にうまくなじまなかった。再生が急すぎて粗が目立ったのじゃ」

長「そこで魂が馴染むようになるまで、肉体をゆっくりと再生することにしたのじゃ。その間、魂をここで保護する形での……」

長「お主は確かに一度死んだ。じゃが、ローレライとアッシュが蘇生させたのじゃ」

ルーク「……」

長「さぁ、もう分かったであろう?お主はここに居るべきではないのじゃ」

ルーク「……」

ジゼル「……ルーク」

ルークはゆっくりと立ち上がった
迷いなどないように、凛としていた

ジゼルは、ルークから視線をそらす

長「……言っておくが、此処での記憶は全て消させて貰うぞ。当たり前じゃがな……」

ルーク「……」

長の言っていることなど聞こえないように、ルークはゆっくりとジゼルに近づいた
ジゼルは、目の前にルークが来ると、否定するようにルークの胸元を押した

ジゼル「いくんだ……ルーク……」

ジゼル「私はここにいる事を自分で選んだんだ……」

ジゼル「生まれ変わりを否定して、私は……私は……」

ルーク「ジゼル」

ルークはそっとジゼルの顎に左手を添えて、顔を上げさせた
そして、静かにジゼルにくちづけをすると、思い切りジゼルを抱きしめる

ジゼル「ル……!?」

ルーク「ありがとう……ジゼル……」

ジゼル「……そ、そんな……そんな……私は……」

ジゼルが何か言おうとする前に、ルークは押し返すように言葉を放った




ルーク「『全部』思い出したよ、ジゼル」





ジゼル「ルーク……?」

ぽかんとするジゼルに、ルークは抱きしめる力を少し弱めた

ルーク「全部思い出したよ。ジゼルに初めて会って、クレープを押し込んだことも。夢魔を狩る時に俺が無茶をして叱ってくれた事も。いつの間にか夕食をジゼルの家で食べることが決まりになっていったことも……結婚式のことも」

ジゼル「ルーク……」

ジゼルの目からぼろぼろと涙があふれる

ジゼル「本当、本当なのか……本当に思い出したのか?」

ルーク「覚えてるよ、ジゼルのコト、全部……」

もうジゼルに感情を抑えることなどできなかった
胸元にある手はルークの背に回り、顔を胸元にうずめる

ジゼル「う、ぁ……うあっぁぁぁぁ」

ジゼル「ルーク……いやだ……何処にも、いかないでくれ……」

ジゼル「私の、そばに、いて……」

ルーク「うん、そう誓ったもんな」

長「ルーク……お主、本当に……」

状況が信じられない長に、ルークは頷く

ルーク「うん、思い出した。だから、俺はジゼルの側を離れない」

長「……それは出来ぬ……お主はこのままではヴァンデスデルカと同じ運命になる!」

ルーク「……」

ジゼル「……」

長「すまぬが此処の記憶は消させてもらうし、ここから出て行ってももらうぞ」

ルーク「なら、ジゼルと一緒に戻ります」

長「愚か者が!お主のような特別な状況ならまだしも、ジゼルは通常の死を迎えたのじゃ!そんな事は許されぬ!!」

ルーク「……本当に、ですか?」

長「当たり前じゃ!それにジゼルは生まれ変わりをも否定した!どうあがいても無理じゃ!」


ルーク「……」

ジゼル「……ルーク」

ルーク「ジゼル?」

ジゼル「私は……ここでお前を待つよ……」

ルーク「ジゼル!?」

ジゼル「死んだものは……必ずではないが此処に来るようなんだ……」

ジゼル「……私は……お前がまたここに来るのを待つよ」

ジゼル「ルークは私のことを覚えていないだろうが、私は忘れない」

ルーク「ダメだ!!」

ジゼル「しかしどうしようにもないんだ」

長「諦めよルーク……ジゼル、それにこうなることは解っていたのだろう?」

ジゼル「……」

ルーク「ジゼル……俺、嫌だ。せっかく思い出せたのに……ジゼルがどんなに寂しい思いしたか、やっとわかったのに……」

長「ルーク。お主は戻れ……その記憶は消えたほうが幸せよな……」

長はすっとルークに手を伸ばした
ルークの頭にそっと長は手を乗せた


「待て」

がし、と横から長の手が掴まれる
ジゼルがルークから離れ、長の手を掴んでいた

長「何の真似じゃ、ジゼル」

ジゼル「生まれ変わりを否定したのは、『わたし』だ」

少しだけ声質が変わったジゼルが言い放つ
すっと見せた顔は、ジゼルよりも鋭く、長を見つめる

長「何を言って……」

ジゼル「解るだろう?私はジゼルじゃない」

ルーク「え……」

長「お主まさか……」

リグレット「私は、リグレットだ」

長「ジゼルの魂に完全に融合していたのでは……」

リグレット「……さあ、私にはよく分からん」

ルーク「お、お前……」

リグレット「……」

長「それで?今更何を望むか」

リグレット「ジゼルを現世に戻してもらいたい」

長「……」

リグレット「あの契約を交わしたのは私だ。ジゼルではない」

リグレット「このままジゼルを生まれ変わりを止めるのであれば、契約違反になるな」

長「……」

リグレット「記憶が欲しいなら私のものをいくらでもくれてやる!私の存在も!すべて!!」

ルーク「リグレット!?」

リグレット「黙れレプリカルーク……コレは私の意思であり、私の望みなんだ!」

長「はぁ……」

リグレットの言葉に長はため息をついた



長「……もう、知らぬ」



長はそれだけ言って、光を放った






















さくり、さくり、さくり

月華の下、光り輝く花畑

美しい譜歌を道標にしてルークは歩いていた

からっぽの右腕の袖がたなびく

自分を見つけ、近づいてくる女性――ティアだ

ティアは目の前まで近寄り、足を止めた

ティア「どうして……此処に……」

ルーク「ここならホドが見渡せる……それに、約束したからな」

ティア「おかえり……なさい……」

ティアはルークに控えめに抱きついた

その後ろで、ガイやアニス、ナタリアも近づいてきている
それに、ジェイドとアッシュも

ガイ「遅かったな、まったくよ!!」

アニス「どこほっつき歩いてたの!まったく女の子を待たせちゃダメなんだぞ!!」

ナタリア「全くですわ!女性にとって時間が大切なんですよ!?」

ルーク「へへ、ごめんな」

ジェイド「全く……信じられませんね」

アッシュ「……右腕、再生がうまく行かなかったか」

アッシュがルークの右腕を見て問う
ルークは首を横にふった

ルーク「わかんねえけど……違うんだ」

ティア「……ルーク?」

静かに、ルークは言った


ルーク「探してる人が……居るんだ」

ルーク「顔も、名前も、どんな人だったかも覚えてねえけど……」

ルーク「俺が見つけなきゃならねえんだ」

ルーク「きっと、その人も俺を探してるから……」

もうちょっとだけ続くんじゃ


ジゼル「では、これで今日の報告は終わりです」

ぱさ、と書類の束が目の前に置かれた

長「うむ、ご苦労であった、ジゼル」

ジゼル「いえ、いつものことですから」

長「ん、そう言ってもらえると嬉しいぞ。今日は下がって良い」

ジゼル「ありがとうございます、それでは」

長「あぁ、ジゼル」

ジゼル「はい?」

長「明日は、休んで良い。働き詰めでは、いくらこの世界といえども持たんぞ」

ジゼル「……お気遣い、ありがとうございます。長さん」

長「うむ、よく休むといい」

ジゼル「それでは、お先に」

「……本当に、良かったんですかね?」

長「さあ、のぅ」

「本当に、いい加減ですね」

長「言ったはずじゃ、我はもう知らぬと」

長「……それに、いささか疲れたよ」
――――――
――――



3年前――


ジゼル『トワイライトタウン、ですか』

長『うむ、ここは死んでも死にきれぬものが集まる街よ』

ジゼル「……死に切れない?」

長「そうじゃ。生前に、捨てきれぬ思いを持ちながら逝った者が集まるのじゃ」

ジゼル「私も、そうと?」

長「そうじゃな、少なくとも我にはそう視える」

長「よいか、そういった捨てきれぬ思いという物は厄介でのう。それを持ちながら生まれ変わりをさせるわけには行かないのじゃ」

ジゼル「……」

長「死んで生まれ変わるには一度無に帰らねばならぬ。そういった思いをここはゆっくりと優しく溶かしていく街なんじゃ」

長「夕日に照らされながら、な」

長「捨てきれぬ思いは記憶を頂く程度では消えぬ……人間とは厄介なものよな」

ジゼル「思いは、消えない……」

長「メルヘンチックかのぅ?……この街は受け入れた者に対しては酷く優しいのじゃ。生前、どんな悪行をしていてもな」

長「魂にヒトの形をした空蝉を与え、生前の一番の望みをこの街は叶える……そうやって魂を慰めるのじゃ」

長「慰めると同時に、魂の捨てきれぬ思いを溶かしていくのじゃ」

長「要するに、生まれ変わりをするための中間地点じゃな」

ジゼル「そうなんですね」

長「およ、驚かないか」

ジゼル「ええ、なぜか理解出来てしまうので」

長「――ふぅん、面白いのぅ」



――――
――




長「それにあ奴なら、大丈夫じゃろう。この世界を直ぐに受け入れた女ぞ?」

「……ですね」

>>332ミス


「……本当に、良かったんですかね?」

長「さあ、のぅ」

「本当に、いい加減ですね」

長「言ったはずじゃ、我はもう知らぬと」

長「……それに、いささか疲れたよ」

長「それにあ奴なら、大丈夫じゃろう。この世界を直ぐに受け入れた女ぞ?」

「……ですね」


――――――
――――



3年前――


ジゼル『トワイライトタウン、ですか』

長『うむ、ここは死んでも死にきれぬものが集まる街よ』

ジゼル「……死に切れない?」

長「そうじゃ。生前に、捨てきれぬ思いを持ちながら逝った者が集まるのじゃ」

ジゼル「私も、そうと?」

長「そうじゃな、少なくとも我にはそう視える」

長「よいか、そういった捨てきれぬ思いという物は厄介でのう。それを持ちながら生まれ変わりをさせるわけには行かないのじゃ」

ジゼル「……」

長「死んで生まれ変わるには一度無に帰らねばならぬ。そういった思いをここはゆっくりと優しく溶かしていく街なんじゃ」

長「夕日に照らされながら、な」

長「捨てきれぬ思いは記憶を頂く程度では消えぬ……人間とは厄介なものよな」

ジゼル「思いは、消えない……」

長「メルヘンチックかのぅ?……この街は受け入れた者に対しては酷く優しいのじゃ。生前、どんな悪行をしていてもな」

長「魂にヒトの形をした空蝉を与え、生前の一番の望みをこの街は叶える……そうやって魂を慰めるのじゃ」

長「慰めると同時に、魂の捨てきれぬ思いを溶かしていくのじゃ」

長「要するに、生まれ変わりをするための中間地点じゃな」

ジゼル「そうなんですね」

長「およ、驚かないか」

ジゼル「ええ、なぜか理解出来てしまうので」

長「――ふぅん、面白いのぅ」



――――
――



「……そうだったんですね」

長「ま、厄介事が終わったのじゃ、せいせいするわ」

「彼女は……どうなったんでしょうか」

長「さあな……」

長「我は万能ではないのじゃ」

「知ってます」

長「即答されるとムカつくのぅ」


長「……生前、彼女は魂が完全に2つあった」

「見た目は一つなのに」

長「ウム、我もそう思った。二重人格では無かったのじゃな」

長「一つの身体に違う魂が入り込んでいたのじゃ、ジゼルは……」

「きっと、からっぽになったんでしょうね……弟が死んだ時に」

長「じゃろうな」

長「じゃがそうなると一つ疑問が浮かぶ」

「……」

長「我はジゼルとリグレットとの魂が、此処に来るときに融合したものと思っていた」

長「結果、ジゼルが支配を確立したものとな」

長「じゃが、あの時……リグレットが出てきていた」

「魂はまだ2つだったんですね」

長「うむ……」

長「しかし、お前も解っている通り魂は現世には絶対に残らぬ。即座に生まれ変わりを遂げるか、此処に来るかの2分じゃ」

長「では……2つ目の魂である、彼女は……」

長「リグレットの肉体はどうなったんじゃ?」

A.D.2025

大戦より5年経ち、奇跡の帰還を見せたルーク・フォン・ファブレは、アッシュの影としてバチカルを支えていた
これはルーク自身が望んだことであり、アッシュもそれを責めなかった

無くなった右腕には義手がはめられ、一見では特定の者しか見分けがつかなかった

アッシュが行くには危険な場所はルークが行き、ルークの出来ないことはアッシュがこなしていった
この二人の関係を知っているものは少ない
何より、ルークは世界中を見て回りたかったのだ


自分が戦った後の世界を、話だけでなく自分の目で見て、耳で聞きたかった


それから1年後、アッシュとナタリアが正式に結婚の儀を遂行
政略結婚には珍しい、幸せそうな結婚を遂げた


――そして

「ルーク様に……会わせてください……」

守衛「誰だ、ルーク様はお前に構っている時間は無いのだ」

「お願いします……私は、ルーク様より仕事を頂きたく参ったのです」

守衛「帰れ帰れ、仕事なら募集場にいくがいい」

「お願いします、お願いします……」

ルーク「おい、どうしたんだ」

守衛「る、ルーク様、すみません。突然呼んでも居ない者が押しかけたもので……」

ルーク「まあまあ、話を聞くくらいいいじゃん」

守衛「る、ルーク様がそうおっしゃるならば……」

守衛を横にどかし、ルークは膝をついて俯いている金髪の女性を見る
その時、ルークはわずかに目を見開いた

ルーク「……あなたは」

「突然申し訳ございません。私は……ルーク様より仕事を頂きたく参りました」

「私は数年間の記憶が曖昧なのです……オラクルで暴徒鎮圧をしていたと思うのですが」

ルーク「……顔を、見せてくれないか」

「はい……」

女性が顔を上げた時、ルークから自然と涙があふれた
分からない、覚えがない女性だった

初めて見るはずだったのに、何故か、とても懐かしかったのだ

「ルーク様……私は……」

ルーク「何も言わなくていい……いいんだよ」

ルークは、そっとその女性を左腕で抱きしめた
その女性も、解っていてくれるはずだから

ルーク「もう、何処にも行かないって、約束してくれるか?」

「――はい、そのために此処にきました」


アッシュの結婚の少し前

かの共に戦った『さる名家』からの縁談をも断ったルークに

いつの間にかそっと横に寄り添う金髪の女性が居た

その二人が近くに居る時、必ず女性は金髪によく似合う髪飾りをし、ルークは少しドスの効いたペンダントをしていたという





おわり

というわけで終わり

誰も見てないと思うけど、いたら本当にありがとう
実は違うSS書くのに首ったけだったんだ、本当にすまない

まぁ、また多分アビスのルークとリグレットの絡みを書くと思う
次は書き溜めで終わらせてからスレ立てするよ

ばいばい


楽しみに待ってる

お疲れ様でした



また会う日まで

お疲れ様でした
完結してくれて嬉しい
次のSSまってまーす。


ドスの聞いたペンダントワロタ

去年から追っかけてたけど、しばらくみかけなかったから忘れてたわ。
完結したんだね。面白かった。

乙ー
良かったよ。次も楽しみにしてる



次回も期待

最高だった。俺得だった
最高に乙

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