憧「土星とマイケルと鹿で一番人気あるのってさ……」(34)

咲-Saki-のギャグssです

ひどいキャラ崩壊がありますがよければ見てやってください

憧「結局のところ、鹿なわけじゃん?」

穏乃「え?いきなりなんの話?」

灼「憧……何言ってるの?」

玄「意味不明なのです」

宥「あったかくない……」

穏乃「だいたい、なんでいきなり土星とマイケルと鹿を比較するん――」

灼「ふつう、一番人気はマイケルだと思……」

穏乃「灼さん?」

玄「みんなおかしいのです!ねっ、お姉ちゃん!」

宥「うん……一番人気はどう考えても土星だよ……」

穏乃「へ?え?」

憧「へ~、灼はマイケル派で玄と宥姉は土星派かぁ……でも、はっきり言ってセンス古いよ」

玄「何を!土星は超ナウいのです!」

穏乃「土星がナウい……?」

灼「確かに、マイケルには少し古い印象はあるけど……そこに現代の若者が忘れ去ってしまった魅力があると思う」

穏乃「マイケルってマイケルジャクソンですか?」

灼「違う」

穏乃「マイケルジョーダン?」

灼「違う……」イライラ

穏乃「マイケルJフォックス……?」

灼「だから違う。もう黙ってて」

穏乃「……はい」

穏乃(マイケルってどこのマイケルさんなんだろう……?)

憧「でもね、鹿が一番っていう証拠があるって言ったら……?」

宥「証拠?」

憧「このデータを見せてあげるわ!」ドーン

1000人にアンケート
~鹿、マイケル、土星、一番人気はどれ?~

一位 鹿 524票
二位 土星 241票
三位 マイケル 235票

憧「これで分かったでしょ?鹿の人気はデータが証明しているのよ!」

灼「はぁ……これだから憧は」

宥「このデータには大きな穴があるよね?」

玄「穴?」

穏乃(え?え?え?今なんの話してるの?)

宥「憧ちゃん……このアンケートだけど、どこで取ったの?」

憧「ご近所さんに聞いて回ったんだけど?」

穏乃「えぇぇ!?1000人もの人にこんな意味不明なこと聞いて回ったの!?」

灼「やっぱり……」

玄「どういうことなの?お姉ちゃん、灼ちゃん」

宥「このデータは憧ちゃんの近辺で取られている……」

灼「すなわち、奈良県」

穏乃(なんか始まった)

宥「そして鹿は奈良の名物の一つ。奈良県民はみんな鹿が大好き」

灼「だから、このアンケートの集計方法は鹿に有利に出来上がっている……」

玄「なんと!憧ちゃん、卑怯ですよ!」

憧「ぐっ……」

宥「所詮、鹿の人気なんて奈良のガラパコスなんだよ」

灼「それに比べてマイケルの人気は世界規模」

憧「くっ……まぁ、マイケルや土星の方がワールドクラスであることは一億歩譲って認めるわ……」

穏乃「一億歩……」

玄「そうだよ!土星こそが最高なんだよ!」

灼「な、何言って……マイケルの方が上……」

玄「土星!」

灼「マイケルが最高!ハルちゃんもマイケル派だもん!!」

玄「土星!!」

灼「煩わし……」

宥「そう言えば灼ちゃん」

宥「マイケルって正確には誰のことなの?」

灼「え……?」

穏乃「それ、私も気になってました」

憧「私も気になるなぁ」ニヤニヤ

灼「……」

灼「土星厨や鹿厨はいつもそうだね。ネットとかで土星vs鹿vsマイケルのスレが立って、議論で自分たちが不利になるといつもそのネタを持ち出す」

穏乃(そんなスレ立ってるの!?たけのこvsきのこ、みたいな!?)

灼「マイケルはいわば、シンボルなんだよ」

灼「人はマイケルに対して、平和を願い、幸せを願い、夢を願う……」

灼「見る人によってその姿形を変化させて、私たちの心と共にある……」

灼「……そういうのなんだよ」キラキラ

穏乃(灼さん、いい笑顔だな。意味わからないけど……言える空気じゃないな……)

玄「意味不明なのです!」

穏乃「玄さん!?」

憧「未だにマイケル信じてるとか……ガチで引くわ」

穏乃「憧!?」

宥「非科学的……」

穏乃「宥さん!?」

灼「みんなは心が汚れてるからそんな事を言うんだよ!」

灼「だいたい、土星だってダサいし……」

玄「なにを言うのです灼ちゃん!土星は最高にクールです!」

宥「玄ちゃんの言う通りだよ」

憧「あ~、でも土星好きな人ってオシャレの意味を履き違えた人が多い気がする」

宥「鹿好きみたいにチャラチャラしてるよりマシだと思うけど……」

灼「鹿厨ってネットで嫌われてるよ。昨日なんて未成年の鹿厨がツイッターで飲酒自慢して炎上してたし」

憧「で、出た~ネットの世界が全てな人!」

灼「うるさい情弱……」

穏乃「み、みんなケンカは……」

宥「誰がなんて言おうと、土星がシェア率一位なことに変わりはないし、土星が一番でもういいよね?」

穏乃「シェア率!?家電品かなにかなんですか!?」

憧「では、世界一食べられているハンバーガーは世界一の食べ物ですか?」

灼「いいえ。違います」

穏乃「謎の連携!!」

玄「うるさいです!土星が絶対に一番カッコいいよ!」

憧「へ~、あんなののどこがカッコいいの?」

玄「そりゃあ、あのリングですよ!他の惑星にはないあのリングです!」

宥「玄……ちゃん……?」

宥「玄ちゃん、今、なんて……?」

玄「土星のリングがカッコいいって話をしていたのです!」

宥「……!!」

穏乃「宥さん?どうしたんですか?震えてますけど……」

宥「玄ちゃん!お姉ちゃんは悲しいよ!玄ちゃんがそんな子に育ってたなんて!!」

玄「!?」

宥「土星の魅力は本体の部分なんだよ?リングなんておまけ!むしろ無い方がいいんだよ!」

穏乃「!?!?」

宥「玄ちゃんは素直で真っすぐな良い子だと思ってたのに……リングみたいに曲がっちゃってるんだね……」

穏乃(リングみたいに曲がってる……上手いこと言ったつもりなのかな?)

玄「ご、ごめんなさい……」ウルウル

宥「知ってる?前に連続強盗事件があったよね?その犯人は土星のリング好きだったってニュースで言われてたよ」

宥「玄ちゃんもそんな風になっちゃうの!?」

憧「宥姉……なにもそこまで言わなくても……」

灼「私も中学生の時、土星のリングに憧れて麦わら帽子被ったりしてたもん。誰にでもあるでしょ、そういう時期。ね、穏乃?」

穏乃「そ、そうですね……私も少しあったかなー……」

玄「うえぇぇぇえぇん!お姉ちゃん嫌いにならないでー!」

宥「玄ちゃん……泣かないで……」

宥「ごめんね……!私も言いすぎだったよ……!」

玄「ぐすっぐすっ」

宥「でもね、玄ちゃんのことが憎くて言ってるんじゃないってことは分かって欲しいの。玄ちゃんのことが心配で言ってるの……!!」

灼「そ、そうだよ。宥さんは玄を思って言ってるだけだよ……」

玄「……うん。分かってる。私こそごめんねお姉ちゃん」

憧「玄……」

玄「お姉ちゃんに黙って集めてた『ねんどろいど土星リング』も『日刊土星リング』も捨てる」

宥「玄ちゃん……分かってくれたんだね……!!」

玄「うん!」

憧「美しい姉妹愛ね……」

灼「うん。本当に良かった」

穏乃「……ですね」

宥「みんな、ありがとう……」

玄「みんなのおかげでお姉ちゃんと仲直りできたよ」

灼「でも、結局、マイケルと鹿と土星で一番はどれなんだろう?」

宥「そのことなんだけどね、この際、穏乃ちゃんに決めてもらうのはどうかな?」

穏乃「わ、私ですか!?」

玄「いい考えなのです!これなら恨みっこなしなのです!」

灼「異存はない」

憧「さぁしず!どれが一番なの!?」

穏乃「……」

灼「マイケル?土星?鹿?」

玄「しずちゃん!」

宥「さぁ!」

憧「しず!」

穏乃「……」

穏乃「…………」

穏乃「………………実は」

穏乃「私は、みんなに謝らなくちゃいけないことがあります」

玄「しずちゃん?突然どうしたの?」

穏乃「これまでずっと黙ってたことがあるんです」

宥「……?」

穏乃「これを言うと、みんなは私を軽蔑するかもしれない……」

灼「……」

穏乃「でも、お話します。みんなは大切な仲間だから」

憧「……しず」

穏乃「私はマイケル派でも鹿派でも土星派でもありません」

みんな「!!」

穏乃「私は……」

穏乃「私は……!!」


穏乃「通りぬけフープ派なんです……!」

みんな「!!!」

玄「しずちゃん!それは!!」

穏乃「……」

宥「自分の言ってること、ちゃんと分かってるの?」

穏乃「……はい」

灼「正直……驚いてる」

穏乃「そう……ですよね」

憧「……しず」

憧「嘘だよね?しず!嘘だって言ってよ!!」

穏乃「……ごめん」

憧「でも……これまでそんな素振り……」

穏乃「うん。ばれないようにしてたから」

憧「そんな……!そんなのって……!!」

穏乃「ごめんね。憧。そして、みんなも」

憧「なんで!どうしてしずなの!?なんでしずがこんなことに……!!」

穏乃「みなさん。これまで黙ってて本当にごめんなさい」

穏乃「きっとみんな驚いただろうし、もしかしたら、怖いって思ったかも……」

穏乃「でもやっぱり、好きなんだ……」

穏乃「通りぬけフープ」

穏乃「最初は、ずっと黙ってたら大丈夫だろうって、そう思っていました」

宥「穏乃ちゃん……」

穏乃「でも、みんなと練習したり、試合したり、遊びに行ったり……時を重ねると共にみんなへの想いも強くなって行きました」

灼「穏乃……」

穏乃「私は、みんなが大好きです。でも、私はそんなみんなに隠し事をしている……その状態にもう耐えられなかった」

玄「しずちゃん……」

穏乃「だから、みんなが言うのなら……退部も受け入れます」

憧「……しず」

穏乃「短い間でしたけど……みんなといれて本当に楽しかったです……!」

穏乃「ありがとうございました……!!」

みんな「……」

灼「はぁ……穏乃は本当にバカだね」

宥「うん。だめだめだよ」

玄「私よりアホですのだ!」

憧「ホント……あんたってどうしようもないわ」

穏乃「ご、ごめんなさ――」

憧「しず!!」ダキッ

穏乃「憧っ!?そ、そんなに抱きつかれると、痛いっていうか///」

憧「バカしず!!」

穏乃「!?」

憧「私たちが……あんたを嫌いになるわけないでしょ……?」

憧「例え、通りぬけフープ派だとしても」

穏乃「……!!」

宥「そうだよ。通りぬけフープが好きでも嫌いでも、穏乃ちゃんは穏乃ちゃんだよ」

穏乃「宥さん……」

灼「通りぬけフープ厨だってことを差し引いても有り余る魅力が穏乃にはあるよ」

穏乃「灼さん……!」

玄「正直、通りぬけフープ好きな人って怖いよ。でも、なんでかな……しずちゃんは全然怖くない!むしろ可愛いくらいです!!」

穏乃「玄さん……!!」

憧「しず。話してくれてありがとう。これまで、辛かったよね……?」ギュッ

穏乃「私……私……」ポロポロ

憧「大丈夫。みんな、しずが大好きだよ」

穏乃「うわぁぁぁぁぁん!!」ボロボロ

憧「よしよし」サスサス

穏乃「憧……みんなもありがとう」

憧「なに言ってんの!阿知賀女子麻雀部はみーんな仲良しが取り柄じゃん!」

宥「あったかい」

灼「……うん」

玄「こういう状況、なんて言うのでしたっけ?何かことわざがあったと思うんだけど……」

宥「えっと……確か……」

宥「土星を潜らば天王星、だね」

憧「三日目の鹿の夢、とも言うわね」

灼「うん。でも、Michael have a new box. とも言うね」

玄「そうでした!」

穏乃(わかんないなぁ)

憧「みんなの仲も深まったことだし、奈良公園の鹿に餌やりに行こうか!」

宥「その後、土星ラーメン食べに行こうね」

玄「土星チャーシュー大盛り!」

灼「ついでにマイケル寺にお祈りも……」

穏乃「じゃあ、行きましょうか!」

みんな「おーー!」


カン!

以上となります
見てくれた方いらっしゃったのなら、ありがとうございました!

乙です

灼はマイケル派か…

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