不死鳥「どーした、人の子」 (30)

男「……」グスッグスン

不死鳥「ちょっと、何か答えなよ」ムッ

男「なんでレイバーファッションじみた格好で山の中にいる女の子に返事しなきゃなんないのさ。
  しかも人の子って何?神様気取り?」キッ

不死鳥「気取りとは何だ!アタシは不死鳥だぞ!」

男「うはwwwww近年稀に見る痛々しさwwwww言われてみればちょっとそれっぽい
  格好かもしんないけどさwwwwwwwwwww」

不死鳥「むー……」ピカァ

男「!?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392477039

男「赤基調のファッションの女の子が真っ赤な鳥になった……」

不死鳥「信じてもらえたかな?」

男「いひゃい」ホッペタムニー

男「夢じゃないっぽい」

不死鳥「喋る鳥とかドン引きされると思ったから気を遣ってやったのに……」ブツブツ

男「悪かったよ。でもファッションはもっと普通な感じで返信したほうが良かったんじゃないの?」

不死鳥「翼は隠せない仕様なんだよ」

男「わー微妙」

不死鳥「うるさいな」ピカァ

男「なんでわざわざまた人の格好になるのさ」

不死鳥「結構気に入ってる。割と美人だろ?」ドヤッ

男「自分で言うか。否定はしないけど」

不死鳥「そうだろそうだろ?」ニヤニヤ

男(うぜえ……)

不死鳥「そういや、アンタなんで泣いてたんだよ?」

男「唐突だね。……いいや、君と逢ったらどうでも良くなった」

不死鳥「なんだよ?気になるだろ」

男「久遠の時を生きていらっしゃる不死鳥様には関係のない、矮小な人間のつまらん悩みですよ」

不死鳥「その科白だと聞いてほしげな感じがするぞ?」

男「別に?カノジョと別れたから泣いてたわけじゃないし?」

不死鳥「アンタ意外と面倒くせえな……」

不死鳥「……しかし、アレだな。アンタを励ましてやるつもりで話しかけたが……。
    男女の関係となるとアタシはサッパリだ。」

男「何?君、嫁き遅れなの?」

不死鳥「ちょっと考えれば解るだろ?アタシに番があったら今頃不死鳥の世界だぞ?」

男「ああ……」

不死鳥「まあなんだ、強く生きろ」ウィンクバチコーン

男「テキトーだね」

不死鳥「長生きのコツだ。って、アタシの場合死ねないだけか、なんつってwwwww」

男「じゃあ僕そろそろ帰るよ。」

不死鳥「あ、じゃあな。」

本日はここまでで失礼します。



前に不死鳥が焼き鳥作るSS見たけど同じ人?違ってたらすまん

>>7
俺もそれかとオモタ
味が濃いっていうやつだろ?

>>7,>>8
違います。あのSS作者の方はトリップはつけていなかったかと……。

正直なところを申し上げますと、あの作品には遠く及ばないものしか書けないような自分がこの作品を書くのは
あちらの作者の方に申し訳ないと思い、このスレを建てることを暫く躊躇しておりました。

ですが、書きたいものは書こうと決意をして今に至ります。

男宅

男(強く、かぁ……)

男(僕からは程遠い)

男(でも……やるだけやってみるか)

数日後――

不死鳥「なー、アンタ……。なんだってまた此処に来たんだよ?」

男「いや?別に?一人ぼっちは寂しいからさ」

不死鳥「全然強く生きられてない様子だな?」

男「そうだよ」

不死鳥「いや、得意げにするとこじゃないだろ……。大体アンタ一人ぼっちったって同じ種族は幾らでもいるだろ?」

男「君の場合はスケール違いすぎ。人間はとっても弱っちいんです」

不死鳥「アタシだってそんなに強くはないぞ?アンタも頑張ってなんとかしな」

男「無理。というか僕は君という最良の話し相手がいるわけだし、頑張ることないかなと思って」

不死鳥「また勝手だな。残された方はどうしたらいい?」

男「君の血を飲んだら僕も不死になれたりしないの?」

不死鳥「ばっ、バーカ。そんな都合のいい力があってたまるか。それともアンタはアタシの血を飲みたい
    変態さんか?」

男「そういう趣味はないけどさ。そういうのはないかー……。一人ぼっちじゃなけりゃずっと生きてたいくらい
  なんだけどな」

不死鳥「そうかな。不死なんてろくなことないぞ?」

男「単に死にたくないだけなんだよね。死んだら間違いなく一人ぼっちになりそうで」

不死鳥「死んだ後にどうなるかなんて誰にも解らないんだし、普通に生きてりゃいいんじゃないのか?
    アンタは只の人間なんだし」

男「普通に生きようにも僕は社会の爪弾き者でね。他人からまともな扱いを受けた覚えがない。」

不死鳥「でも、カノジョはいたんだろ?」

男「あの娘は本当に良くしてくれたのにね。僕が根暗野郎から変われなかったんだよ」

不死鳥「最低だな」

男「遠慮ないね。まあ、その通りだけど。」

不死鳥「でもまあ、生き物なんてそんな簡単に変われないしな。その女が短気だったってことにすれば?」

男「えー……」

不死鳥「あー……なんでもいいからアタシのところに来るなっての!来たかと思ったら愚痴られて、たまったもんじゃない」

男「……」

男「ごめん。うん、今日は帰る」スクッ スタスタ

不死鳥「……」

男「……」ピタッ

不死鳥「?」

男「あのさ……愚痴じゃなかったら、また来ていいかな?」

不死鳥「ふざけんな、お断りだ」

更に数日――

不死鳥(……なんだろ、ちょっと寂しいな。)

不死鳥(人と喋ったのって1000年ぶり位だったもんなー……なんだかんだアイツと喋ってて楽しかったんだな、アタシ)

不死鳥(なんか凄くアイツに逢いたいなー。)

不死鳥(いや……でも、もう来てくれないよな……あんなふうに突き放したら)

不死鳥(それにあの根暗もやっぱ面倒くさい)

不死鳥(……アタシだったらアイツのカノジョが出来なかったこともしてやれたかな?気の長さには自信あるし。)

不死鳥(っていうかなにこれ!?アタシ、アイツの事しか考えてない!)

不死鳥(只の数日、アタシの感覚で言ったら一瞬会わなかっただけなのに!)

不死鳥(あー!逢いたい逢いたい……やっぱアタシも弱いなぁ……)

ザクッザクッ

不死鳥「!?」

男「……」

不死鳥「あ……アンタ…………来んなって、来んなって言ったのにーっ!」ボロボロ

男「ごめん……泣くほど嫌だったんだね……うん、帰る。本当にもう来ないから……許して……」スタスタ

不死鳥「いやっ、違う!違うの……待って!」ダキッ

男「!?」

不死鳥「ホントはアンタが来なくて寂しかった!」ギューッ

不死鳥「アタシさ、本当に弱いんだ」

不死鳥「アタシはさ、生命がこの星にあるのと同じ頃に生み出されてずっと生きてきた」

不死鳥「生まれた時から変身もできたし、人の子みたいな思考もできた」

不死鳥「でも相手が動物だし別に寂しいとか思うことは殆どなかった」

不死鳥「そのうち人の子がこの星に現れて関わるようになってからは感情が豊かになって」

不死鳥「どんどん人を見送るのが辛くなって」

不死鳥「1000年位前から人と関わるのをやめて、ずっとここにいた」

不死鳥「なのにどういう訳かアンタはここを見つけてアタシの前に現れた」

不死鳥「しかもアタシを見て気味悪がらない奇人ときた」

不死鳥「気味悪がらないどころか、二度と来るなと言ったら残念そうな顔すらする」

不死鳥「なんだか知らないけどアンタに惹かれちゃったんだろうな」

不死鳥「来るなってのは……アンタまで見送るのは嫌だったから……」グスグス

男「そっか……ありがとう」

男「僕も、多分……いや、間違いなく、君のことが好きなんだ」

午前は無言離脱失礼しました。再開します。

男「所謂、一目惚れってやつなんだろうね。心細くて仕方なかった僕に話しかけてくれた君が愛しくて仕方なかった。
  二度目に来た日――君が『もう来るな』って言った日は、正直君に逢いたい一心でさ……」

男「ろくな話題がなかった所為で君には怒られちゃったけど、せめて謝れたらと思ったんだ」

不死鳥「それはもうどうでもいい。アンタさ、本当に片割れがいたら不死でもいいと思うか?」

男「え?そう、だね……。うん。出来ることなら、なりたい、かな」

不死鳥「後悔とか、しないか?相手は一人だけだけど」

男「えっ……えっ!?」

不死鳥「本当は、人の子がアタシの血飲めば不死になれるんだ」

男「……」

不死鳥「アンタがアタシでいいなら……だけど、アタシの終わりのない暇つぶしに付き合ってほしいんだ……」

男「……いいの?どこぞの馬の骨とも知れないようなこんな男で」

不死鳥「アンタでいい、いや、その歳になっても死にたくないなんて言ってる、アホで仕方のないアンタがいい。
    アンタよりいい男は今までも幾らでもいたけどな。それは昔の話。
    それに相手はお互い一人限定なんだから、嫌でもそのうち好きになるさ」

男「テキトーだ。君はほんとにテキトーだ。」

男「それにそんな力があったら君の相手は一人じゃないじゃないか」

不死鳥「大丈夫。この力の対象に取れるのはひとつの生命だけ」

男「ナイスご都合主義」

不死鳥「>>1の想像力は貧困だから。仕方ない」

男「……わかった。君の一生を、僕にください」

不死鳥「ナイス向こう見ず」

ガリリッ

不死鳥は肌を裂いて切り口を男の方に向けた

不死鳥「悪いけど、早くして。切り口が塞がっちゃう」

男「ん。中々フェティッシュだね」チュウウウッ

不死鳥「言うな、恥ずかしい」//////

ピカァ

男「ぐあああああっ!?あっっつい!なんだこれえええ!?」

不死鳥「我慢我慢。大丈夫。アタシがついてるって」テツナギ

シュウウウウ……

男「はあ……死ぬかと思った」

不死鳥「良かった良かった。合格だよ。アタシの相手に相応しくないと、ここで死ぬらしいからちょっとヒヤヒヤしたな」

男「えっ……?」

不死鳥「先に言ったらアンタみたいなのはいつまでも迷ってるまんまだろうからな」

男「……まあ、そうだったろうね……」

不死鳥「よし、飛ぼう」

男「?」

不死鳥「ほら、アタシの背中に乗ってよ。お互い気の済むまで飛ぼう」

男「お、おう……」

不死鳥「もーちょっとシャキッとしろ!」

男「よっしゃ」ポン

不死鳥「……しっかり捕まっとけよ、おら!」

バッサァ

バッサァバッサァ

不死鳥「どうだ?」

男「凄い……こんな景色見たことないよ……」ジーン

不死鳥「そりゃよかった。さ、行くぞ」バッサァバッサァ



不死鳥「そうだ、今更だけど名前を聞いてないな。教えてくれ」

男「男……僕の名前は男」

不死鳥「じゃあ、男。この詩がわかるか?」

不死鳥「『天にありて願わくば比翼の鳥となり――』」

男「ああ、わかるよ。『――地にありて願わくば連理の枝とならん』」

不死鳥、男「偽りなく『永遠に』一緒だ」

不死鳥「どーした、人の子よ」

凄まじい描写力不足と構成力不足をお詫び申し上げます。物語として見るというよりかは、
>>15-17あたりの乙女な不死鳥姐さんに萌えるためのSSと思っていただければ、と思います。

ご自由にレスをどうぞ。>>1は豆腐メンタルですのでお手柔らかにお願いします。
風呂をいただいてまいりますので、返信は遅れます。

乙でーす

乙だぜー!

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