千早「ねぇ、春香……雪が降ってるわね」 (33)
春香「あ、本当だ……バレンタインに雪なんて素敵だね!」
千早「そうね、ロマンチックね」
春香「でも……帰れなくなっちゃったね」
千早「電車……止まってしまったから……」
春香「あと少し早くお仕事が終わってたらなー」
千早「誰かが転んで機材をぶちまけなければそう出来ていたかもしれないわね」
春香「うん、過ぎたことを悔やんでもしかたないよね!」
千早「全く……」
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春香「プロデューサーさんまだかなぁ」
千早「まだまだ時間かかると思うけれど」
春香「でも、美希なんて待ちくたびれて寝ちゃったよ?」
千早「仕方ないわよ、他の帰れなくなった人を送っているんだから」
春香「春香さんなんて家が遠いから送ってもらえないんだよ!」
千早「私の家じゃ不満なのかしら」
春香「そんなことないよ! 千早ちゃんのお家にお泊りできるのは嬉しいし! 美希もいるしね」
千早「もう……調子が良いんだから」
春香「えへへ……」
春香「でも、こうして千早ちゃんとゆっくりお話するのも久しぶりだよね」
千早「そうね、最近忙しかったから」
春香「春香さんとしては、今日のお泊りで千早ちゃんをたっぷり堪能しておきたいです!」
千早「もう……さっきからちょっと変よ、春香」
春香「だってこんなに雪が降ってるんだよ、そりゃテンションも上がるよ!」
千早「そういうものかしら」
春香「そういうものだよ!」
千早「なら……すこし勢いに身を任せてみてもいい?」
春香「え? 珍しいね千早ちゃんがそんな事言うなんて」
千早「えぇ、たまには……ね」
春香「よしよし、この春香さんがドーンと受け止めてあげるからね!」
千早「聞きたい事があるのだけれど」
春香「何かな? なんでも聞いちゃってよ!」
千早「少し恥ずかしい事を聞くわね」
春香「私と千早ちゃんの仲じゃない、恥ずかしがることないよ!」
千早「正直に答えて欲しいの」
春香「うんうん」
千早「私って、子供っぽいかしら?」
春香「え?」
千早「私……もしかしたら子供っぽいんじゃないかと思っているの」
春香「そんな事ないんじゃないかな」
千早「そう?」
春香「だって千早ちゃん、落ち着いてるし冷静だし真面目だし」
千早「そうかしら……」
春香「正直私なんかよりもずっと大人っぽいよ!」
千早「それは確かに言えてるわね」
春香「!?」
千早「ふふ、冗談よ」
春香「千早ちゃんったら真顔で冗談言うんだもんなぁ」
千早「それとごめんなさい、内面じゃなくて外見の話だったの」
春香「外見?」
千早「えぇ、外見が子供っぽいんじゃないかと思って……」
春香「…………」チラ
千早「今胸を見なかった?」
春香「ミテマセンヨ?」
春香「でも、見た目も特に子供っぽいとは思わないけど」
千早「胸以外ってことかしら」
春香「そんな事いってないよ!?」
千早「顔に出てる」
春香「あはは……でも本当に子供っぽくないと思うよ」
千早「そう……ありがとう」
春香「でも千早ちゃんはそう思ってないんだよね?
千早「えぇ……」
春香(胸の事かな……)ジー
千早「怒るわよ?」
春香「てへっ」
千早「…………」
春香「ごめんなさい!」
千早「まぁいいけど……」
春香「でもなんで急にそんな事聞くの?」
千早「やっぱり私って見た目が子供っぽいと思うの」
春香「そうかなぁ」
千早「そうよ」
春香「ちなみにどの辺が?」
千早「陰毛が生えてないし」
春香「へ?」
千早「この歳になってもまだ陰毛が生えていないからよ! 悪い!?」
春香「違う違う違うよ! 急にそんな事言うと思ってなかったから! びっくりしちゃったの!」
千早「私だって春香にだから話したのよ」
春香「それは嬉しいけど違う内容で聞きたかったよ……」
千早「それで、子供っぽい理由もわかったと思うのだけれど」
春香「まってまってまって」
千早「何?」
春香「それ他の人にはわからないよね?」
千早「そうかしら? アイドルの皆とは一緒に温泉に入ったりもしたし」
春香「でも普段は関係ないじゃない」
千早「イメージって一度定着すると中々拭えないものよ」
春香「そうだね、この千早ちゃんのイメージはしばらく拭えそうにないよ」
千早「やっぱり……陰毛が生えてないイメージは大きいのね」
春香「違うよ、千早ちゃんが急にそういう言葉を言うってイメージだよ」
千早「?」
春香「ピンと来ないの!?」
千早「えぇ、そういう言葉って?」
春香「だから……その……陰毛とか……」
千早「体の部位じゃない、恥ずかしがること無いと思うけど」
春香「いやでも女の子だし……っていうかアイドルとして」
千早「さすがにTPOは弁えているわ」
春香「そうだったね、普段の千早ちゃんは絶対言わないと思う」
千早「あら、ありがとう」
春香「褒めてないよ!?」
千早「それでね、私に陰毛が生えていないから子供っぽく見えてしまうと思うの」
春香「へ、へぇ~」
千早「たとえるなら雪の積もった草原のようにまっさらだから」
春香「へぇ……」
千早「お風呂であずささんや四条さんのをみたらやっぱり生えてたし」
春香「何やってるの!?」
千早「大人っぽい二人だから参考までにね」
春香「何の参考なのかな……」
千早「それでね、春香」
春香「なに?」
千早「あなたは陰毛生えてるかしら?」
春香「何言ってるの!?」
千早「早く答えてくれない? こんな事聞くの恥ずかしいんだから」
春香「私も恥ずかしいよ!」
千早「でも親友の貴方には素直になれるの」
春香「ここで素直になってほしくなかったなぁ……」
千早「で、どうなの?」
春香「えぇ~……」
千早「教えて」
春香「答えなきゃダメ?」
千早「私だって教えてあげたじゃない!」
春香「自分から喋ったよね!?」
千早「お願い、春香」
春香「ぅう~…………生え……てるよ?」
千早「へぇ、春香は陰毛が生えているのね」
春香「キャアアアアアアアアアアアア!!!!」
千早「!?」
春香「あわわわわ! なんで! なんで言い直したの!?」
千早「確認の為に……」
春香「恥ずかしすぎるからやめて」
千早「ごめんなさい」
春香「恥ずかしすぎて……もう……」
千早「顔真っ赤よ」
春香「千早ちゃんのせいだよぉ……」
美希「あふぅ……もう……うるさいの……」
千早「ほら、春香が大きな声を出すから美希が……」
春香「だから千早ちゃんのせいだよぉ!」
美希「ん~?」
千早「おはよう、美希」
春香「もう……おはよ、美希」
美希「おはようございますなの! 何のお話してたの?」
千早「春香のいんm」
春香「違うよね!? いや合ってるけど誤解されるよ!?」
美希「?」
千早「そういえば美希って陰毛生えてるの?」
春香「!?」
美希「生えてるの」
春香「!?!?」
千早「そう……」
春香「待って待って待って!」
美希「春香、さっきからうっさいの」
春香「ごめんね、でも待ってね」
千早「一体どうしたのよ」
春香「まず千早ちゃん」
千早「何?」
春香「さっき私にだから~とか言ってたのに美希にも同じこと聞いた!」
千早「春香、それは違うわ」
春香「え?」
千早「私の陰毛についてを語るのが春香だけであって他人の陰毛があるかの確認ついては言及していないわ」
春香「えぇー……」
春香「じゃぁ次は美希」
美希「うん」
春香「さっきの質問恥ずかしくなかったの?」
美希「恥ずかしいよ?」
春香「え?」
美希「でも、千早さんにだったら素直に答えるの!」
千早「美希……」
美希「えへへ~」
春香「あれぇ……おかしいぞぉ……なんか二人がいい空気になってるぞぉ……」
みてる
P「悪い、皆待たせたな」
春香「あ! プロデューサーさん! 待ってましたよプロデューサーさん!」
P「お、おう……随分待たせて悪かったな」
美希「春香、随分必死なの」
千早「変な春香ね」
春香「いやーさすがプロデューサーさんですね、あの空気のままだったら耐えられませんでしたよ」
P「何かあったのか?」
千早「いえ、特には」
春香「えぇー……」
P「なんもなかったんならいいんだけど……」
春香「もうそれでいいので早く行きましょう……」
P「そうだな、確認しとくけど春香と美希は千早の家に泊まってもらうぞ」
美希「はーいなの! 千早さんのおうちにお泊り楽しみなの」
千早「もう、美希まで春香みたいなこと言うんだから」
春香「今はもう不安が勝ってるかもしれないよ、私」
P「じゃぁ千早、二人のこと頼んだぞ」
千早「わかりました」
春香「一番お姉さんなの私ですよ! 私!」
P「いや、ほら千早が家主だし……まぁ春香も頼んだぞ」
春香「はーい!」
P「じゃぁ俺は戸締りしていくから先に車で待っててくれ」
春香「ここが千早ちゃんのお家だね!」
千早「えぇ、あがって」
美希「お邪魔しまーすなの」
春香「車で来るとあっという間だったね」
千早「そうね、雪道だからゆっくりきたはずなのにね」
美希「事務所でたらすぐ付いたような気がするね!」
千早「すぐにお風呂を沸かすから、風邪を引かないように温まりましょう」
千早「まずは美希から入って」
美希「え、美希後でもいいよ?」
千早「春香はお姉さんだから美希に譲ってくれるわよ」
春香「そうだよ、なんたって私が一番お姉さんなんだからね!」
千早「私もちょっとすることがあるから、ね」
美希「そっか、じゃぁそうさせてもらうね」
千早「えぇ、ゆっくり温まってらっしゃい」
美希「はいなの」パタパタ
千早「さて……と」
春香「嫌な予感しかしない」
千早「タオルと着替えを用意してくるわ」
春香「え?」
千早「春香は寛いでいて」
春香「あ……うん、ありがと……」
春香(私……千早ちゃんのこと疑っちゃった……親友なのに……)
春香(たった一度変な事言っただけなのに……千早ちゃんを信じてあげられなかった……)
春香(ごめんね、千早ちゃん……)
千早「私の服だけど脱衣所においておいたから、春香もそれに着替えてね」
春香「あ、千早ちゃん……私」
千早「あと、今のうちに春香の陰毛見せてもらえないかしら」
春香「おい」
春香「今のうちってなに! っていうか何で見せてもらえると思ったの?」
千早「美希がいたら見せてくれないと思って」
春香「美希がいなくても見せないよ!?」
千早「え……なんで?」
春香「こっちがなんで!?」
千早「もう……春香ったら変なところで意地っ張りなんだから」
春香「全然変じゃないよ!?」
千早「そうかしら」
春香「じゃぁ千早ちゃんは人に陰毛見せられるの!」
千早「見せたくても私には陰毛がないのよ!!」クワッ
春香「ごっごめん……」
千早「ごめんなさい、ちょっと熱くなってしまったわね……」
春香(ちょっとどころじゃないけど……)
春香「ううん……私こそ……」
千早「違うわ、私が悪いのよ……陰毛すら生えてない私が……」
春香「えぇー……」
千早「本当にごめんなさい、同年代の人がどうなっているか知りたかっただけなの」
春香「そっか」
千早「こんな事頼めるの……春香しかいないから」
春香「千早ちゃん……」
千早「ごめんね、春香」シュン
春香「そんな謝らなくても」
千早「ううん、本当に……ごめん」ペコッ
春香「…………そんな! 顔を上げてよ!」
千早「………………」
春香「……ねぇ、千早ちゃん」
千早「…………なに?」
春香「その……さ」
千早「?」
春香「私のでよかったら……その………………み、見る?」
千早「見る!」ガバッ
今日はここまで。
乙
おつ
開いたときはこんなSSだとは思いもしなかった…
おつおつ
つづくんでしょ?
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