凛「彼氏できたから」P「」(65)
P「う、嘘だろ、凛」
凛「嘘じゃないよ。ほら、このスマホの待ち受けの人が私の彼氏。高校の先輩なんだ」
P(ぐっ、イケメンだ。腕を組んで……男の頬にキスだとぉ!)
P「あ、アイドルに彼氏なんて」
凛「ダメだよね。だから、私アイドルやめるね」
P「」
凛「今までありがとう。私、幸せになるから」
P「り、りーん! いやだー! 戻ってきてくれー!」
・
・
・
チュンチュン
ガバッ!
P「……」
―事務所―
ガチャ
ちひろ「あ、プロデューサーさん、おはようございます。さっそくですけど今日からお得なセット販売が……って」
P「……」ドヨーン
ちひろ「どうしたんですか? 顔がナスビかっていうぐらいに紫色ですけど」
P「いえ、ちょっと夢見が悪くて」
ちひろ「はあ、悪夢でも見ましたか?」
P「ええ、もうこれ以上ないぐらいの……そのせいでなんだか情緒不安定で」
ガチャ
凜「おはようございます。あ、プロデュ、」
P「」ブワッ!
ちひろ「きゃっ! プロデューサーさん!?」
P「りんー! りんー!」ダバダバ
凜「ちょ、ちょっと。なんでいきなり号泣してるの?」
P「一緒にトップアイドルになるって言ったじゃないかぁ!」ダバダバ
凜「え、え?」
ちひろ「な、涙の滝が」
P「いやだぁー、やめないでくれー!」ダバダバ
凜「や、やめる? って、やだ、色々と出てる! こっちにかかるからっ!」
ちひろ「ティッシュティッシュ!」
実際彼氏いないほうがおかしいよな
チーン
P「――っていう夢を見て」メソメソ
ちひろ「なるほど。それで凜ちゃんの顔を見た瞬間に、その夢のことが頭によぎったと」
P「はい」メソメソ
ちひろ「感受性が高いというか、打たれ弱いというか」ハァ
P「ずっと仲良く頑張ってきたアイドルがいなくなると思うと、もう悲しくて仕方なくて……」
凜「……」
P「……凜?」
凜「ばかみたい。何それ、夢のことで泣くなんて」
P「うぅ」
凜「私がアイドルをやめるわけないでしょ。それにプロデューサーに彼氏を『紹介する』なんてありえるわけ……」ゴニョゴニョ
ガチャ
まゆ「おはようございまぁす」
ちひろ「あ、まゆちゃん、おはよう」
P「まゆ……」
まゆ「はい、あなたのまゆですよ。Pさん、目が真っ赤ですけど、何かあったんですかぁ?」
まゆ「もしかして、2人にいじめられちゃいました? だったらまゆ、この人たちを……うふふふ」
ちひろ「ち、違うわよ? これには事情があってね」
―事情説明中―
ちひろ「っていうことなの」
まゆ「……うふふふ」
凜「まゆ?」
実際にアイドルがプロデューサーと付き合ったりしたら炎上するよな
まゆ「Pさん」ギュッ
凜「なっ」
ちひろ「あらまぁ、プロデューサーさんの顔がまゆちゃんの胸に」
P「ま、まゆ?」
まゆ「大丈夫ですよ? 他の子がPさんから離れていっても、まゆだけはずっと傍にいますから」
P「……まゆ」
まゆ「だからまゆだけを信じてくださいね。他の子を信じちゃうと、その夢みたいなことになりますよぉ?」
凜「なるわけないでしょ!」
凛の字なぜ変えた
モバマスやってると他の男が入る余地の無いレベルでP好きになるアイドルしか居なくて驚く
このまゆは可愛いな
P「だ、だよな。凜だってトップアイドルになりたいって」
まゆ「あんなこと言ってますけど……知ってました? 渋谷さんって、頼れる男の人が好きって言ってたんですよ? それも『仕事ができる』とか『支えてくれる』とか……すごく具体的だったんですよねぇ」
P「頼れる? 具体的?」
凜「そ、それは」
まゆ「きっと本当に好きな人がいるんでしょうねぇ。その夢の中で出てきた、高校の先輩もありえるし、もしかしたら芸能界の先輩に……うふふふ」
P「り、凜が、そんな」ガクガク
まゆ「もう恋人になっちゃってるかもですねぇ。クールな人だけど、その人の前では甘えん坊だったりして、『結婚しよう』って言ったら泣いて喜んじゃったり」クスクス
P「交際発覚……結婚……電撃引退っ!?」ブワッ
ちひろ(ちょっと不安にさせられただけで、泣きすぎじゃないかなあ)
しえん
やっぱり凛の字が気になる
P「お、俺はどうすれば」ガクガク
まゆ「うふふふふ、結局まゆ以上にPさんの近くにいる人なんていないんですよぉ? だからPさんは私だけを信じてくださいね」ギュッ
P「まゆ……俺は」
ちひろ(うわぁ、露骨にPさんを自分に依存させようとしてる)
凜「あのね、全部ただの夢とか想像でしょ」
P「凜、だけどお前……好きな人がいるのか?」
凜「そ、それは」
まゆ「ほら、言い淀んでますよ。きっと本当にいるんですよ」クスクス
P「そんなぁ。俺と一緒にアイドルやっていこうって言ってたのに……」
凜「ああもう! なんでそんな言葉信じちゃうの! そんな弱気なプロデューサーは嫌いだよ!」
ちひろ「あ、今のプロデューサーさんにその台詞は」
P「」
P「」ドバァ
うん、もういいや
あーあこーろしたー
いーけないんだー
P「お゛れ゛のごどがぎらいなんだぁ! やっばり゛や゛め゛ぢゃう゛んだぁ!」ダバダバ
ちひろ(うわぁ、男の人の号泣って……)
まゆ「はぁい、Pさん。私の胸で存分に泣きましょうね」ナデナデ
P「ま゛ゆ゛ぅ!」グワッ
まゆ「酷い人ですね。こんな純粋なPさんを裏切るなんて」
凛「うらぎっ!?」
まゆ「うふふふふ、私だけがPさんの味方。結局渋谷さんは『他の人』でしかないんですよぉ」ナデナデ
凛「」カチン
凛「ふ、ふふ、ふふふふ」
パートスレ氏ね
ちひろ「り、凛ちゃん? その3段笑いはすごく不気味よ」
凛「プロデューサー!」
P「は、はいっ」ビクゥ
凛「この際、私のことはどうでもいい。聞いて」
凛「今プロデューサーが甘えに甘えてる相手、まゆだけどさ」
まゆ「?」
凛「まゆって、一目惚れしてる人がいるらしいよ」
P「」
Pの精神不安定すぎるだろ
凛「やっぱりプロデューサーは知らなかった? けど、私たち相手にはずっと『素敵』とか『大好き』とか言ってるんだよ?」
凛「いったい誰だろうね。読モ時代の知り合いかな? それとも芸能界の人かな?」
凛「まゆみたいな献身的な子だったら、きっと相手も振り向いちゃう」
凛「今は、事務所の仕事仲間だってことで、プロデューサーとも仲良くしてるかもしれないけど、結局女の子は好きな人のことが一番」
凛「いつかは『結婚しますから、アイドルやめますねぇ』って言ってくるかも……だね」
P「」
P「」
P「」ドバァ
ちひろ(あ、まだ出すものあったんだ)
もしかしてこのP女なんじゃ
豆腐メンタルP
まゆ「Pさぁん? 大丈夫ですよぉ、その好きな人っていうのは」
P「うわぁああ! 聞きたくないぃぃ!」
まゆ「あっ」
P「うわああ!」ダッ!
バタンッ ガチャ!
ちひろ「あらまあ、トイレに逃げた」
イヤダ イヤダ オレハ モット プロデュース シタインダ
アッ チヒロサン エエッ? 『リン』ト『マユ』ヲ プロデュース スルニハ 100000モバコイン ガ ヒツヨウ?
オニ! アクマ! チヒロ!
ちひろ「……なんだか失礼な声が聞えてくるような」
鬼さんと悪魔さんに風評被害が及ぶからやめろ
まゆ「……渋谷さぁん? 私とPさんの絆を邪魔するなんて、『他の人』の分際で何してくれるんですか?」
凛「へぇー、絆ねえ。私とプロデューサーの方が一緒にいる時間長いんだけど。最初にプロデュースしてくれたのも私だし」
まゆ「愛は時間じゃなくて濃さなんですよぉ?」
凛「ふーん、あ、一目惚れするような子って、案外他に良い男を見つけたら、コロッと心変わりしちゃうそうだよ。薄情だね」
まゆ「」ギリギリ
凛「」キッ
バチバチ!
ちひろ(あー、仕事はいつから始められるのかなあ)
ガチャ
蘭子「煩わしい太陽ね」(訳:おはようございます!)
ちひろ「あ、蘭子ちゃん」
蘭子「闇に飲まれよ! 我、冥途巡りに……?」(訳:お疲れ様です! 今日は営業に……あれ?)
凛「……」
まゆ「……」
バチバチ
蘭子「つ、ついに神々の黄昏(ラグナロク)の到来か?」(訳:な、何かあったんですか?)
ちひろ「ええと、恋の鞘当の真っ最中というか、軟弱プロデューサーが全部悪いというか……」
蘭子「我が友が? 我の瞳をもってしても空虚なる棺が映るのみだが?」(訳:プロデューサー? そう言えば、今日は事務所にいないんですか?)
トイレ「ハッ! コノコエハ」
ガチャ
P「蘭子! 蘭子なのか!」
ちひろ「あ、出てきた」
蘭子を変なことに巻き込んだら俺もうホントマジであれだかんな
蘭子「我が友よ、闇に飲ま」
P「らんこぉ!」ダキッ
蘭子「ひゃぁ!」
まゆ「なっ」
凛「にぃ!」
P「らんこぉ! らんこぉお!」
蘭子「ぷ、ぷろ、プロデュ、抱きつきっ」
P「お前はやめたりしないよなっ! 一緒にアイドルしてくれるよなっ!」
蘭子「や、やめる? あっ、お尻に手がっ、ダメっ」
ちひろ「はーい、落ち着いてスタドリ飲みましょうねー」ガコン
P「うぐっ! ごくごくっ」
蘭子ちゃんかわいい
どさくさにまぎれてさすがちひろ…
こういう時、どうせ泰葉はでないから安心してみれる
俺もおしりさわりたい
―事情説明中―
ちひろ「というわけで、今のプロデューサーはすごく情緒不安定なの。許してあげてね」
P「らんこぉ、らんこぉ」メソメソ
凛「プロデューサー、いい加減にしてよ」
まゆ「Pさん、私の胸で泣きませんかぁ?」
P「うぅ」メソメソ
蘭子「……ふむ」スタスタ
蘭子「我が瞳の前に跪け」(訳:ちょっと失礼します)グイッ
まゆ・凛「わっ」
蘭子「わ、我が友よ」キュッ
ちひろ(あらま、蘭子ちゃんが珍しく自分から手を)
行けっもっと推せ!
蘭子「我らの血の盟約は永久に続く。無情なる時の流れにも浸食されることはない」(訳:私とプロデューサーは一緒です。ずっと)
P「蘭子……」
蘭子「我の瞳を解し、プロヴァンスの風を吹かせるのは我が友のみ」(訳:だってプロデューサーだけが私を理解して、応援してくれてるんです)
蘭子「こ、こほんっ」カァ
蘭子「私はプロデューサーのために、アイドルがしたい」
P「……うぅ」グスッ
P「そ、そうだな! 俺も、蘭子のプロデュースがしたいぞ!」
蘭子「プロデューサー……わ、わたし」」
ちひろ(ああっ! もう少しで2人の距離が0に!)
しえん
④
凛「……まゆ」
まゆ「……」コクリ
スタスタ
凛「プロデューサー」
まゆ「Pさん」
ガシッ
P「うわっ」
凛「ちょっとお話、聞いてくれる?」
まゆ「ちょっとお話、聞いてくれませんかぁ?」
蘭子「れ、冷王と病王の固有結界かっ」(訳:な、なんだか2人が怖い)ゾクリ
4
P「な、なんだ?」
凛「大人になると、若いときの自分のことが恥ずかしくなったりするものだよね」
まゆ「ですねぇ。『どうしてあの時、あんな恥ずかしいことを』って」
凛「今はとっても個性的な蘭子ちゃんだけど、3年、5年後ぐらいには……」
まゆ「『ああ、どうして私、あの時はっ!』っていう風になりますよぉ」
凛「すると、若いときの友達に会うのも恥ずかしくなってくる」
まゆ「どんどんと疎遠になってくる関係」
凛「会おうと言っても、なんだかんだと理由をつけられて会えないまま、時が流れていく」
まゆ「……想像してください、Pさん。久しぶりに蘭子ちゃんへメールを送って、返ってきたのは」
『MAILER DAEMON』
凛「そして、Fa○ebookやT○itterで名前を検索してみると、そこにはこんな彼女の日常が」
『今日は彼氏とご飯! 楽しかったなぁ(ハート)』
うわああ
うわあああああああああああああ
P「」
P「」
P「」
蘭子「冷王に病王よ! いったい何の戯言を!」(訳:おふたりとも、何を言ってるんですか!)
凛「結局、長い時間をかけてこそ、切れない絆が結ばれるんだよ」
まゆ「そんな腐った絆なんかより、まゆとの赤い糸の方が強いんですよぉ?」
蘭子「わ、我が友との盟約は何者にも劣らない!」(訳:わ、私とプロデューサーが一番仲良しですよ!)
バチバチ
女って怖い
Face book怖すぎワロタwww
ちひろ「ああ、3人とも。そんな(くだらない)ことで喧嘩しないで」
ギャアギャア
P「いがみあい、音楽性の違い、内部分裂、事務所脱退」ブツブツ
P「さ、3人が喧嘩……うぅ」
P「みんな、やめてしまうのかっ!?」
P「うっ」
バタンッ
ちひろ「ぷ、プロデューサーさん! 救急車ー!」
ピーポーピーポー
凛「……」
まゆ「……」
蘭子「……争いは無益なり」
あひあへぁああ
おあえ?おぉお…
わくわく
―病院―
P「いやあ、すみません。過労のせいで、ちょっとストレス性胃潰瘍と自律神経失調症と不安障害が併発してたみたいで」
ちひろ「それってちょっとって言いませんよ。やっぱり働きすぎだったんですね」
P「あ、そうそう。お医者さんには『日常的に薬物を服用していませんでしたか?』って言われたんですけど」
ちひろ「あ、仕事なら大丈夫ですよ。社長が代わりに頑張ってくれてますから」
P(露骨に話を逸らしたな……)
ちひろ「いつごろに退院できそうですか?」
P「早くて1週間ぐらいですかね」
ちひろ「それって早すぎじゃないですか? 胃潰瘍って1週間で治るものなのかな……」
P「お医者さんにも褒められましたよ。『まるで3分ごとに回復しているようだ!』って」
ちひろ(うーん、さすが化け物仕事人間)
1番裏切らなさそうな杏に逃げるとか
④
鬼!悪魔!災厄!ちひろ!
ちひろ「で、そろそろ聞いておきたいんですけど」チラリ
凛「じゃあ、私がリンゴを剥くから、2人は飲み物をお願い」
まゆ「愛情たっぷりのまゆジュース、作りますねぇ」
蘭子「煌めく紅玉、黄昏の天草、そしてキャヴェンディッシュ……混沌よ来れ!」(訳:リンゴとみかんとバナナ……ミックスジュースですね!)
ちひろ「3人とも、どうしてプロデューサーさんのベッドに入ってるんでしょうか」
P「面会時間中はずっとこうなんです。理由を聞いても『プロデューサーのせい』の1点張りで」
ちひろ(『あの時』の記憶をなくしてるって、ご都合主義すぎじゃないかなあ)
P「やめろって言ってもやめないし、個室だからいいものを、看護師さんの目が痛くって……」ブルッ
P「一応、秘密は守ってもらえる病院らしいですけど、もしファンの人にばれたら、それこそアイドル生命に……」ブルブル
ちひろ「あ、また発作が」
「「「大丈夫」」」ダキッ
Pになりたい
なりたい
寝る前しえん
凛「社長に頼んで、根回しはしてるから。そんなことより今はゆっくり休んで」
まゆ「まゆ1人じゃないっていうのが不満ですけど……いがみあってもPさんが辛いだけですし、Pさんのために協力して看護しちゃいますねぇ」
蘭子「幾久しく、偶像の星は我が友の頭上で煌めき続けるであろう!」(訳:いつまでも、プロデューサーのために仲良く頑張ります!)
P「みんな……」グスッ
P「おっし! 早く身体を治して、みんなのサポートをするぞ!」
オーッ!
ちひろ「……はぁ」
ちひろ「危うい三国同盟としか言いようがないけど、まあ、これで回復するでしょう」
ちひろ「……問題は回復した後ね。刀傷沙汰にならなければいいんだけど」
ちひろ「ま、今だけは天国を満喫してくださいね、プロデューサーさん」
おわり
乙
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渋谷凛(15)
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佐久間まゆ(16)
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神崎蘭子(14)
ちなみにこの三人ってデッキ相性的にはどんなもんなの
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