P「……社長って、昔はどんな人だったんですか?」
菜々「へ?」
P「あの人は謎の手腕で次々と事業を成功させてますけど……一体何者なのかなぁって」
菜々「さぁー……菜々はリアルジェイケイなので詳しいことはわかりかねますよ」
P「え?菜々さんのプロデューサーでしたよね?」
菜々「ギクゥ!」
P「(自分で言う人初めて見た)」
社長「……私の過去が気になりますか」
P「え、あ、はい!」
社長「なら、お話をしましょう」
P「お話?」
社長「ええ」
社長「ある17歳が、トップアイドルになった時のお話です」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391529217
―――――――――――――――――20XX年 東京
男「……はぁ」
男「……なにがいけなかったのかなぁ」
男「……人生なにやっても楽しくねぇや」
男「……死のうかな」
男「……」キョロキョロ
ザワザワ
ワイワイ
ガヤガヤ
男「……(いつ見ても秋葉はにぎやかだな)」
男「……(俺が死んでも、悲しむ人なんて誰も……)」
「あの!」
男「……」
男「……ん?」
メイド「すみません、メイドカフェってご存じですか?」
男「……なんか聞いたことありますね。メイドさんが給仕してくれるカフェとか」
メイド「そうです!今そこの、ドリンク割り引きクーポン券をお配りしてるんです!」
男「……はぁ」
メイド「あ、あのぅ~、お疲れのようですし、一度だけでも癒されてみては……?」
男「癒されるんですか……?」
メイド「は、はい!もちろんですよ!」
男「……ありがとうございます。ちょっと行ってみます」
男「……(どうせ死ぬんだ。ちょっとくらい遊んだって、変わらない)」
男「(……本当に、癒されるのだろうか)」
――――――――――――
カランコローン
「「「お帰りなさいませ!ご主人様!」」」
男「うわっ……」ビクッ
菜々「あはは。びっくりしちゃいました?すみません」
男「そりゃこんな……」
男「ッ……!」
菜々「え、ど、どうかされました?」
男「あ、いえ……」
男「(かわいい……!)」
安部菜々(永遠の17歳)
ttp://i.imgur.com/Qab5rJ4.jpg
男「(小さくて、小動物みたいなのに……、なんだか、母親といるような安心感……)」
男「(これが……メイドさん……?)」
菜々「あ、あの……?ご主人様?」
男「はっ、すみません」
菜々「いえいえ!私は安部菜々、永遠の17歳です!なーんちゃって☆」テヘッ
男「17歳……?」
男「(17歳、には見えないけど……でもアルバイトできる年齢って、それくらいか……)」
菜々「あはは、おもしろくなかったですか?」
男「い、いえ!可愛かったです!」
菜々「……は、はぇ?」
男「はう!すみません!」
菜々「あ、あはは!やめてください、照れちゃいますよ。
じゃあお席ご案内しますね!」
男「は、はい……」カチコチ
――――――――――――――――
菜々「お待たせしました!『らぶりーすいーとえっぐ』と『めろめろメロンクリーム』です!」
男「(オムライスとメロンソーダですね)」
菜々「で、これからおいしくなる魔法をかけなきゃいけないんですけどぉ、一緒にやってもらえますか?」
男「お、おいしくなる魔法……?」
菜々「おいしくなぁ~れ☆きゅんっ!」
男「」キュン
菜々「……こんな感じで」
男「……」
菜々「……な、菜々なんかまずいことしました?」
男「……通います」
菜々「へ?」
男「この店に通います!!!毎日!!」ダンッ
オオー パチパチパチパチ……
――――――――――
男「それからはあっという間だった」
――――――――――
菜々「学生さんなんですか?」
男「……はい、浪人してますけどね」
菜々「大丈夫ですよ」
ギュッ
男「えっ」
菜々「夢を追いかけるためには、少しくらいの障害があってこそじゃないですか」
男「……」
菜々「ご主人様は大切な時間を過ごしてます。今だってきっと無駄じゃない。そう思うんです」
男「……」
菜々「あ、あはは!すみません!関係ない私がこんな」
男「ありがとうございます」
菜々「……え?」
男「……いえ。本当に」
――――――――――――――
男「菜々さん!受かりました!!合格!合格でず!!」
菜々「おめでとうございます!!」
男「これでこの店に来る時に、親から隠れる必要もなくなりました!」
菜々「……ご、ご両親はあんまり心配させないほうがいいですよ」
――――――――――――――
男「菜々さん!!受かりました!!」
菜々「この前受かったばっかりじゃないですか!」
男「違います、司法試験ですよ!」
菜々「ええ!?すごいじゃないですか!弁護士さんになるんですか?」
男「いいえ、弁護士の資格だけ……夢が、できたんです」
菜々「夢?」
男「はい」
――――――――――――――
男「菜々さーん!!」
菜々「ほ、本当に毎日来てくれてますけど…………お金とか大丈夫なんですか?」
男「あはは!メイドカフェ代くらいじゃ飛びませんよ!
最近はバイトの収入がよくて!」
菜々「アルバイトされてたんですね!なにされてるんですか?」
男「はい、ネットで通訳のアルバイトをしてるんです。英語とか、中国語とか……」
菜々「と、とかって……?」
男「今は日、英、中、韓、仏で5カ国語使えませんけど……そのうち17か国語くらいは使えるようになりたいです!」
菜々「ええ!?滅茶苦茶すごいじゃないですか!なんでそこまでするんですか!?」
男「夢のためです」
菜々「……夢」
男「はい、僕の夢は」
菜々「『運命の出会いを作り出すこと』でしたっけ?」クス
男「そうです。覚えていてくれたんですね」
菜々「こんな素敵な夢、忘れられませんよ」
男「……僕が菜々さんと出会えたのも、きっと運命だと思うんです」
菜々「……え」ドキ
男「だから、僕は運命の出会いを作りたい。そのためには、様々な言語、知識、経験が必要なんです……」
菜々「……素敵ですね」
男「貴方にそう言ってもらえるなら、これ以上にうれしいことはありません」
―――――――――――――――
男「……アイドル?」
菜々「はい。私の夢なんです。ここでお金を貯めて、いつかアイドルになるんです」
男「……その時は」
菜々「あはは、さすがにここはやめますね。でも……」
男「テレビの前で、きらめく菜々さんをみられるなら、それでも僕は通いますよ、自宅のテレビの前に!」
菜々「ま、真顔で言わないでくださいよ!恥ずかしい!」
――――――――――――――
菜々「……留学、ですか?」
男「……どうでしょう。普通に『渡米』と言った方が近いかもしれませんね」
菜々「……」
男「むこうで本格的に、勉強をしたいんです。そうすれば、自分の夢が叶う気がするんです」
菜々「……少し、寂しくなっちゃいますね」
男「……あの!」
菜々「は、はい!」
男「……僕が夢を叶えたら、聞いてほしい話があるんです」
菜々「今じゃだめですか?」
男「……それは」
菜々「じゃあ、待ちますね」
男「え……」
菜々「……私は、待ってますから」
―――――――4年後――――――――
男「……久しぶりの日本だな」
男「……」
カランコローン
「「「お帰りなさいませ!ご主人様!」」」
男「あの、安部菜々さんは」
店長「ああ、あの子ならずいぶん前にやめましたよ?」
男「え?」
店長「なんでも、アイドルとして活動するとかで」
男「……そうですか!」
店長「はい。だからこれからも応援してやってくださいね」
男「はい!」
男「(よかった、菜々さんは夢を叶えて、俺の夢も叶った……)」
男「(これなら、話をするのにもぴったりだ!)」
男「(しかし、アメリカでは菜々さんの名前を聞いてないな……海外展開は避けているのか?)」
――――――――――――――――
ガチャ バタン
ウィーン……
カタカタ
男「……安部菜々 っと」
検索結果 65件
男「……は?」
男「どういうことだ!?あ、そうか芸名か……」
男「そりゃそうだ。なにも本名を使うわけないか」
男「……新人アイドル、安部菜々?」
男「……これ、菜々さんじゃないのか?」
男「……」
男「……」
男「……そうか」
男「なるほど」
男「よし」
pipipi
男「もしもし?CGプロダクションですか?はい私……」
―――――――――――――――――
社長「やったな安部君!」
菜々「ほえ?」
社長「君にも今日からプロデューサーがつくことになったぞ!」
菜々「え、本当ですか!?やったー!」
社長「君のがんばりが評価されたようだな」
菜々「……(思えばつらい道のりだったなぁ)」
――――――――――――――
審査「6番の方どうぞ」
菜々「はい!安部菜々です!ナナってよんでくださいね!」キャピーン
審査A「……」
審査B「……微妙だな」
審査C「フレッシュさがないね」
菜々「……え」
――――――――――――
菜々「……ふっ!ふっ!」
菜々「……くっ!ふっ!」
菜々「……ふー。腹筋100回おわり」
菜々「次はステップの練習しないとな」
菜々「あ!次のオーディションの台本覚えないと!」
フラッ
菜々「……あれ」
ドサッ
菜々「……きょ、今日はもうやめとこっかな」
――――――――――――――――
菜々「初めましてー!新人アイドルの安部菜々でーす!」
菜々「よろしくおねがいしまーす!」
シーン……
菜々「は、はじめましてー!」
菜々「(たとえデパートの屋上でも、菜々はアイドルッ!)」
菜々「安部菜々でーす!!よろしくおねがいしまーすっ!」
シーン……
――――――――――――――――
菜々母『なな?あんたが東京でがんばってるっつうのはしっとうよ』
菜々「……」
菜々母『だけどね?あんた、バイトもやめたって……それでどうやって暮らしていくつもり?』
菜々「……貯金」
菜々母「……あんね?あんたもいい歳なんだから。子供じゃないんだから、わかっとうよね?」
菜々「……」
菜々母「つらくなったらこっち戻ってきてええかんね?」
菜々「……」
菜々母「あ、それよりいつ結婚すると?お父さんもずっとずっと待ってるよ……。彼氏がきたときの練習までして」
菜々「も、もうほっといてよ!」
ピ!
菜々「……はぁ」
――――――――――――――――
菜々「……ゴホッ」
菜々「すみません、今日は、お休みさせてください……」
社長『ああ、お大事に』
菜々「ゴホッ、ゲホッ」
菜々「……」
菜々「……」
菜々「……さびしいな」ボソッ
菜々「……あ、あれ?」ポロ
菜々「な、なんでだろ。ずっと一人なのに。一人になれてるはずなのに」ポロポロ
菜々「なんで、涙が……出ちゃうのかな」ポロポロ
菜々「……(アイドル、向いてなかったのかな)」
――――――――――――――ー
ズズーッ
菜々「……また、バイトしよっかな」
菜々「そうすれば、毎日カップ麺じゃなくて、良いもの食べられるし……」
菜々「……でも、レッスンとバイト、もう両方できる体力がないよね」
菜々「……もう、若くないし、な」
菜々「……」
菜々「……何やってるんだろ、私」
胸が痛い
――――――――――――――ー
社長「安部君?」
菜々「ひゃいっ!ちょっと走馬燈みてました!」
社長「お、おいおい……死ぬには早いぞ。まだプロデューサーがつくだけなんだから……」
菜々「あはは、そ、そうですよね」
菜々「(プロデューサーがつくからって、売れるとは限らない、もんね……)」
菜々「……(いっそこのまま、プロデューサーなんかつかないほうが――ー)」
「菜々さん」
菜々「……へ?」
男「菜々さん、お久しぶりです」
菜々「……常連の!」
男「はい、覚えていてくれたんですね」
菜々「忘れるわけないじゃないですか!日本についたなら連絡くらいよこしてくれれば」
男「いえ、アイドルにメールするのはご迷惑かな、と思って……」
菜々「あはは、そんなこと気にしなくていいんですよ。私なんて……」
男「そんな事……」
菜々「あれ?それより何でこんなところに?場所教えましたっけ?」
社長「なにを言ってるんだ安部君」
菜々「はい?」
社長「彼が今日から、君のプロデューサーだよ」
菜々「……はい?」
P「菜々さん、改めて、よろしくお願いします!」
菜々「え、えーっと……?彼、ただの一般人ですよね?」
社長「はぁ!?君はいったい、何を言ってるんだね!」
P「社長、落ち着いてください」
社長「ああ、これはこれはすみません」
菜々「(え!?社長が敬語!?)」
社長「彼はな、超大手コンサルティング会社、『モバイルコンサルティング』の代表取締役社長だ!」
菜々「えぇ~~~っ!?しゃ、社長!?」
社長「すごいぞ彼は。22歳の若さで単身アメリカに渡米。そこで財を築き、大学在学中に起業、今では世界トップのコンサルティング会社だ!」
菜々「あの、ちょっとよくわかんないんですけど……」
P「菜々さん、僕の夢は変わってません。要は、『運命の出会い』をつくるだけのお仕事です」
菜々「運命の出会い……」
P「この人はここ、この人はここ……っていう風に、世界に人がどう組合わさるかは決まっているんです」
菜々「ええっ」
P「僕はそのお手伝いをしただけです」
社長「彼が経営指導をした会社は軒並み大黒字をたたきだし、彼がヘッドハンティングした人材は必ず実力を発揮する……
アメリカで彼の名を知らぬものはいないよ」
P「大げさですよ」
菜々「じ、尋常じゃない事になってたんですね……」ヒクヒク
社長「そんな彼が直々に君をプロデュースしてくれる事になったんだぞ!これ以上の喜びがあるか!?」
菜々「……えっと、でも」
P「はい?」
菜々「……何で、菜々のところにきてくれたんですか?他にもいっぱい、アイドルの子はいますよね?そっちのほうが」
P「菜々さん」
ガシッ
菜々「ひゃ、ひゃい!」
P「僕は菜々さんがいいんです。菜々さんでないと駄目なんです!」
菜々「ひゃう……」カァァ
P「菜々さんは僕に希望をくれた、ダメ浪人生だった僕に希望をくれた!だから今の僕があるんです!あのときもしあなたに出会っていなければ、僕はどこかで自殺していた!」
菜々「……自殺!?」
P「そうですよ。あの日本当は、どこかで死ぬつもりだったんです」
菜々「え……」
P「でも、あなたに出会って、考えが変わった。夢に向かって、きらきら輝いてるあなたをみて、考えが変わった!夢に向かって努力する人は、こんなにも美しいのか!と!僕も美しく、輝く人間になりたいと!」
菜々「……恥ずかしいですね」テレテレ
社長「青春だね」
P「今会っても、その輝きは衰えていない!やはり僕の目に見間違いはなかった!あなたはトップアイドルになるべき人材だ!」
菜々「……え?」
P「とりあえずさっと、トップアイドルになりましょうか。そこから色々お話したい事もありますし」
菜々「いや、あの!?言ってる意味が!?」
P「え?菜々さんの夢って、トップアイドルじゃ……」
菜々「そうですけどね!?なんかこういきなりすぎてお話が!」
P「……菜々さん」
菜々「は、はい」
P「僕が向こうで学んだのは、たった4文字の言葉なんです。しかも日本語の四字熟語」
菜々「……な、なんですか?」
P「適材適所」
菜々「……てきざいてきしょ」
P「あなたがもし、アイドルという道を拒めば、僕はあなたをトップアイドルにすることはできない。しかし」
P「トップアイドルになるべき人間が、トップアイドルになれる道を歩いているんです。これでトップアイドルになれないわけがない」
菜々「……ほえー」
P「いいですか菜々さん、世界はすべて、決まって動いているんです。僕らはそこにほんのちょっと、気持ちを足すだけでいい」
菜々「気持ちを足すだけ……」
P「貴方は僕をトップコンサルタントにしてくれた、自信を持ってください」
菜々「でも、それは貴方の才能であって」
P「そこです!」
菜々「!?」
P「僕も大したことはできません。でも『トップアイドルになれる才能を持つアイドルをトップアイドルにする』くらいなら誰でもできるでしょう?」
菜々「……私」
P「貴方は僕の考えなら、もう4回くらいトップアイドルになっていてもおかしくない。きっと神様が、僕が日本に帰ってくるまでおいておいてくれたんです」
菜々「……なれるんですか?トップアイドルに」
P「……僕がするんじゃありません。貴方が勝手になるんです」
菜々「……協力、してくれますか」
P「もちろん。僕はそのためにここにいる」
菜々「……よろしくお願いします!プロデューサーさん!」
P「はい!」
――――――――――――――――
P「ということで菜々さんには今日から僕の持ってきたお仕事をひたすらこなしてもらいます」
菜々「はい!」
P「アイドルとは思えないような、体を使ったお仕事もありますからね~」グヘヘ
菜々「そ、それって、まくら営業……」
P「違いますって!まぁ、期待して待っててください」
菜々「(ちょっとだけ不安ですね……)」
――――――――――――――――――
菜々「……の、農作業?」
P「はい。畑を耕したり、田を植えたりします」
菜々「……わぁお」
P「あ、あと菜々さん」
菜々「はい?」
P「これからは自分の事は『ナナ』って呼んでください」
菜々「え、恥ずかしいですね……でもがんばります」
P「あと年齢は永遠の17歳。ウサミン星出身のウサミン星人と自己紹介してください。決めセリフは『ウサミンパワーでメルヘンチェーンジ』」
菜々「……は!?……は!?」
P「すみません。この業界じゃこれくらいキャラ強くないとやっていけないんですよ」
菜々「……え、マジで言ってます?」
P「大マジですが……」
菜々「……」
P「あ、お気に召しませんでした?なら変えても……」
菜々「きゅっぴ~ん☆ナナはウサミン星からやってきた、永遠の17歳のウサミン星人!!安部菜々でーす!
ウサミンパワーでメルヘンチェーンジ!カラフルメイドになって、地球の皆を元気にしちゃいます!!!!」
P「……」
菜々「……」ハァ、ハァ
P「ブラボー!!!」パチパチパチ
菜々「……えへっ!」グッ
今回はここまでです。
次回は、菜々さんの実家に突撃したり、菜々さんが泥まみれで筋肉痛になったりします。
かわいい(かわいい)
> 菜々「夢を追いかけるためには、少しくらいの障害があってこそじゃないですか」
菜々さんが言うと説得力が違うな。
17歳と思えないほどの密度の人生味わってるからな
農耕までするなんて、濃厚な人生ですね
楓さんいいから帰りますよ
再開します。
今回は『菜々さんと農業』編です
――――――――――――――――――
菜々「……ここって」
P「はい。菜々さんのご実家の近くですよね」
菜々「……わざわざここでやらなくても良いと思うんですけど」
P「それが違うんですよ。真逆なんです」
菜々「真逆?」
P「菜々さん、ご当地ゆるキャラってご存じですか?」
菜々「あ、はい。有名ですよね、やまなっしーとか」
※この世界に存在する超有名なゆるキャラ。「山梨ブシャー!」など謎の言葉を発する
P「彼らがなぜ人気か、説明できます?」
菜々「……え?あれ?テレビに出てるからですか?」
P「半分正解です」
菜々「……もう半分は?」
P「テレビなんてどうでもいいからです」
菜々「はい!?」
P「彼らは元々、ご当地の知名度をあげるためだけに設定されたマスコットだったんです。愛されるのは外見や言動だけではありません。
単純に『ご当地を愛している』というだけで、純粋で、すてきな事だと考えられるのです」
菜々「ほほぉ~……」
P「自らの知名度の為だけに活動するキャラと、マイナーな出身地を知ってほしいキャラ……どちらに好感が持てますか?」
菜々「……!」
P「気づいたようですね。まずはその、純粋なキャラを、国民全体に植え付けていきます」
菜々「う、植え付けるって……」
P「いいですか、菜々さん。これはすごく大事なことなんです。菜々さんの『下積み時代』は今から作られるんです」
菜々「(結構下積み長いんだけどな)」
P「とりあえず半年くらい……下積みしますか」
菜々「え!?ちょ、長くないですか!?」
P「短くてどうするんですか。必死に苦労してきた経験があり、ご当地を愛しているというアピールにもなる!長くてナンボですよ」
菜々「……えっとその、両親も近くにすんでるし」
P「あ、そうですね。挨拶いきましょうか」
菜々「ええええええー!?は、早くないですか!?早くないですか!?」
P「いやいや、ちょっとVTRを撮っておくだけですよ。早くないですかって、菜々さん……」
菜々「……」カァァァ
P「え!?ちょっと、え!?いやまさか!?……いやそんなわけないですよね!親に会うのが恥ずかしいんですよね
!」
菜々「そ、そうですよー」
P「(棒読みだ……)」
――――――――――――――――ー
P「ところで菜々さん」
菜々「はい?」
P「ご家族との仲は良好ですか?できれば田舎の暖かい雰囲気を感じられると良いのですが……」
菜々「……ちょ、ちょっとギスギスしてます」
P「困りましたね。また今度にしましょうか……」
菜々「……あのー」
P「なんですか?」
菜々「Pさんって、失礼ですけど年収いくらくらいでしょうか……」
P「去年は7億くらいでしょうか。そんなに多いというほどでも……」
菜々「ありがとうございます。今一発でギスギスを解消する方法を思いつきました」
P「本当ですか!!」
――――――――――――――――ー
菜々「な、なんですかこの機材……」
P「あとで使う映像ですし。がっつり撮っておこうかなと」
菜々「す、すごい量のカメラさんですね……緊張しちゃいます」
P「緊張しないでくださいね」
菜々「ていうか、これ、どこから……?」
P「はい?ふつうにテレビ局に頼んだだけですけど」
菜々「テレビ局に!?」
P「僕が一言いえば、どの局も喜んで機材を貸し出してくれるので……」
菜々「……それはつまり、Pさんが一言言えばどんな大手番組にもでられるという事ですか?」
P「そうなりますね」
菜々「わぁっ!」
P「ただし」
菜々「ひっ、顔がこわいですよ」
P「菜々さん、視聴者はそんなもの求めてないんですよ」
菜々「へ?」
P「菜々さんは確かに出られて幸せかもしれない。でも視聴者は菜々さんを見たいと思っているでしょうか?」
菜々「う……」
P「もちろん菜々さんは魅力的だ。しかし菜々さんはあまりに知名度が低すぎます」
菜々「……」
P「その状態で大手番組にでる……?これはもう『コネ』ですよね」
菜々「……」
P「『コネ』だけのおもしろくもない知名度の低いアイドルが番組に出る……。これがどういった影響を与えるか、菜々さんならわかりますよね?」
菜々「……」
P「視聴率は下がり、菜々さんはコネのゴリ押しアイドルと批判される。一度ついたマイナスイメージはそう簡単にはひっくり返りません。特にここでは」
菜々「……うぅ」
P「安心してください。すぐに視聴者が、テレビ局すべてが菜々さんにオファーを送ってきます」
菜々「ほ、本当ですか!?」
P「貴方にはそれだけの才能と実力がある。結果は必然なんです」
菜々「……Pさん」
P「さ!菜々さんのご実家で撮影といきましょうか!」
菜々「あ、そ、そうでしたね……」
――――――――――――――――――
菜々母「……こっち戻ってきたいうことは、こっちで就職探すんけ?」
菜々「え、えっと、違うの……これは」
菜々母「……あんた、まだわかっとらんの?あんたの歳でぶらぶらしてる子なんてな、もうこのへんにもおらんと」
菜々「あのね!結婚を前提におつきあいしてる人がいるの!」ボソボソ
菜々母「お!?」
菜々「社長なの」ボソッ
菜々母「ほう!ほうほう!!」
菜々「年収7億」ボソッ
菜々母「お母さんな!前から菜々のやることは正しいおもっとったんよ!お父さん!!きて!お父さん!はよ!」
菜々父「なんじゃあ」
菜々母「きいて!菜々は、東京でちゃんとやってるんよ!」
菜々父「そうかぁ~。そいつはええことじゃのう」
菜々「(ごめんなさいプロデューサーさん……)」
P「すごく微笑ましい……いい家庭だな」シミジミ
―――――――――――――――――――
菜々母「さ、晩御飯作るよー」
菜々「今日は私が作るよ、お母さんは座ってて」
菜々母「そう?悪いねぇ」
菜々「お母さんだってもう歳なんだから、無理しないでね?」
菜々母「あはは!そうだねぇ。菜々も大きくなったもんやね」
菜々「あはは、今更だよ」
菜々母「……本当、大きくなって」ホロリ
菜々「ちょっ、何泣いてるの!?」
菜々母「泣いとらん!」
菜々「泣いてたよ!さっき!」
菜々母「泣いとらんと言うとろうに!」
菜々「強情なところは私そっくりだよね、お母さん」
菜々母「自覚あったんやね」
アハハハ……
―――――
菜々父「君が、菜々のプロデューサーじゃったか」
P「ええ、いつも菜々さんにはお世話になっています」
菜々父「はは。逆じゃ逆じゃ。あやつはこの歳でもまだガキみたいな事しとる」
P「いいえ、彼女はアイドルとして、確実にヒットします」
菜々父「お?でけぇ事いう若造じゃなおい」
P「いえいえ。当然のことを言っているだけです。
どうぞ待っていてください。そのうちテレビで菜々さんを見ない日はなくなります」
菜々父「……ただの自信家言うわけでもないようじゃのう」
P「……確かな確信がありますので」
菜々父「ははは!あんたになら安心して菜々を任せられるわい!
よし、飲め!飲め!!」
P「ええ!?いや仕事中ですので」
菜々父「なんじゃ、わしの酒がのめんと?じゃあ親として菜々の仕事を辞めさせるぞ!」
P「それだけはご勘弁を!」
菜々母「もー!お父さん!何プロデューサーさんに絡んどるの!」
菜々父「ははは!ええじゃろ、男同士の話し合いじゃって!」
アハハハハ……
P「(……いい家庭だな)」
P「(暖かくて、幸せな気分になる)」
P「(すごく居心地の良い……思わず家族になってしまいそうだ)」
P「……おっと、まずいまずい」
菜々父「どうした」
P「いえ、それではそろそろ失礼します」
菜々父「おう、泊まらんのか?」
P「はは、スタッフ全員が泊まるわけにはいきません、
私も近くのホテルに泊まります」
菜々父「それはならん」
P「え」
菜々父「今日はうちに泊まれ!!さもなくば親として菜々の仕事に……」
P「ええ!?」
――――――――――――――――――――
菜々「ごめんなさいPさん、なんだかお父さんが無理言っちゃったみたいで」
P「いえ、いいんですよ。私としても菜々さんの実家に泊まりたいのはやまやまでしたし」
菜々「え」ドキ
菜々母「やっとみつけたよー!」
ガララ
P「!!」
菜々「!!」
菜々母「お邪魔だったかい……?」
P「いえいえ!」
菜々「全然!?」
菜々母「ふーん?」ニヤニヤ
菜々「な、何ニヤニヤしてんの!?」
P「ところで、それは?」
菜々母「ああこれ?菜々の卒業アルバム。懐かしいねー。
整理してたらでてきたんよ。せっかくやしね」
菜々「ブフッ!?」
P「へぇ、そんなものが……」
菜々「ちょっ!お母さん!ちょ!」
P「どれどれ」
菜々「ストップ!!Pさんストップ!!!」
P「どうかしました?」
菜々「お腹すきませんか!?」
P「さっき食べましたよね」
菜々母「見られるのが恥ずかしいんやろ」
P「あはは、そんな事ですか。昔の菜々さんも可愛いに決まってますよ」
菜々「なっ……!」カァァ
菜々母「おお……」
P「あっ」
菜々「も、もう!プロデューサーさんったら!」プンプン
菜々母「キザな子やねぇ」
P「別にキザってほどでは……ん?」
菜々「あー!み、見ないで下さい……!」
P「……(白黒?)」
菜々「う、うう……」
P「最近のは経費削減も視野にいれてるんですね……」
菜々母「は?」
菜々「そ、そうなんですよ!!もー困っちゃいますよねー」
菜々母「お、これ菜々やね」
菜々「うげっ」
P「おー!可愛いー!」
菜々「も、もー!」
P「でも……」チラ
菜々「な、なんですかっ」
P「今と……全然変わって無くないですか?」
菜々母「……そうやね」
P「……」
菜々母「……」
菜々「お、おしまい!」
パタム
P「あー」
菜々母「えー」
菜々「えーじゃない!今日はもう寝るの!」
P「仕方ないですね。すみません、今日はどこで寝れば良いでしょうか?」
菜々母「ん?菜々の部屋に布団敷いておいたよ」
P「ああそれはわざわ え?」
菜々「なっ……!?」
菜々母「じゃああとは若いもんどうしでごゆっくり……あ、菜々は若くないね」
菜々「まだわかいもん!ピッチピチだもん!」
菜々母「はいはい、おやすみ」
スタスタ ガララ ピシャン
菜々「……」
P「……」
菜々「……」
P「……」
菜々「……寝ますか」
P「あ、どうぞ……僕はここで寝ますので」
菜々「ええ!?そんなことしたら風邪ひきますよ!」
P「あはは、流石に菜々さんと同じ部屋は」
菜々「……」
P「……あの」
菜々「私は」
P「え」
菜々「私は、構いませんよ?」
P「……」
菜々「……嫌、ですか?」
ギュ
P「……まさか」
菜々「……えへ♪行きましょう」
P「……(負けた)」
――――――――――――――――――――
P「(布団がくっつけられてる)」
菜々「もー!お母さんったら!もー!」プンスカ
P「あはは、すぐに離しますね」
ガシッ
P「へ」
菜々「Pさん」
P「はい」
菜々「今日はお疲れですよね」
P「まぁ」
菜々「じゃあもう寝ましょう」
P「でも布団が」
菜々「寝ましょう」
P「はい」
――――
菜々「寝てます?」
P「はい」
菜々「起きてますね」
P「実は」
菜々「Pさん、今から私寝言言うかもしれませんが」
P「はい」
菜々「寝言なので気にしないでください」
P「わかりました」
菜々「ぐーぐー」
P「(自分で言う人初めて見た)」
菜々「むにゃむにゃ……Pさん、ありがとうございます」
P「……」
菜々「アイドルはずっと私の夢でした」
P「……」
菜々「雨の日も、風邪の日も、インフルエンザの日も、体調を気にせずオーディションを受けに行ったこともあります」
P「……」
菜々「結果はもちろん散々でした」
P「……」
菜々「本当は、高校も行かずにアイドルするつもりでした」
P「(つまり)」
菜々「でも、どうしても親の反対を押し切れなくて、大学もちゃんと行きました」
※菜々さんは17歳です
菜々「大学を卒業してからは、ちゃんと東京で就職先を探して、安定した会社に勤める事ができました」
※菜々さんは17歳です。念のため。
菜々「でも、仕事とアイドルの両立はやっぱり無理で」
菜々「辛い思いをする事が多くなりました」
P「……」
菜々「そんな時、あのメイドカフェと出会いました」
菜々「天職だと思いました」
菜々「店長も正社員として採用したいと言ってくれましたし、
あそこで一生働くつもりでした」
菜々「でも」
菜々「ある時、一人の男の子と出会ったんです」
P「(『子』……)」
菜々「彼は、私の夢を、笑わずに聞いてくれました」
菜々「あのときは本当に、泣きそうになりました」
菜々「もうあきらめようって、自分には向いてなかったって、
自分を言い聞かせて」
菜々「やっとあきらめがつきそうな時に、はじめてのファンができたんです」
P「……」
菜々「アイドルは、ファンがいてこそです」
菜々「私には、たった一人でも、ファンがいてくれた。
だから、ずっとくじけずに、頑張ることができた」
菜々「この先はどうなるかわかりません。やっぱり売れないかもしれません」
菜々「でも、私は幸せです」
P「……」
P「むにゃむにゃ、どうやら眠ってしまって何も聞いていません」
菜々「……」クス
P「僕も寝言を言います」
菜々「どうぞ」
P「僕は、貴方を必ず幸せにする」
菜々「ひゃい!?」
P「貴方と出会うために生まれてきて、
貴方をプロデュースするために生きてきた。そう思っています」
菜々「大げさです」
P「この先がどうなるかは、確かに僕にもわかりません。
完璧な未来は、神にしかわからないからです」
菜々「……」
P「しかし、僕は自分の持てる力を全て使います」
P「その努力は神様も見てくれます」
P「なりましょう、トップアイドルに」
P「全国にその名を轟かせるんです」
P「いえ、貴方は既に一流のアイドルです」
P「ただ、知名度が追い付いていないだけ」
P「やりましょう。二人で。日本を変えるんです。
ウサミン星人で、日本を覆い尽くしましょう」
菜々「……ウサミン星人」
P「やっぱりキツいですか」
菜々「いえ」
菜々「なんだか、もともとそう呼ばれていたような、
それくらいしっくりくる響きです」
P「それは何よりです」
菜々「そろそろ私、寝言を話さなくなるかもしれません」
P「僕もです。明日は早いですから」
菜々「早いんですか」
P「そら、農業ですから」
菜々「……アイドルって、大変ですよね」クス
―――――――――――――――――
チュンチュン
P「菜々さん、朝ですよ」
菜々「ふぁ……もう朝ですか……?ってひゃあ!Pさん!顔を見ないでください!」
P「どうしたんですか!?」
菜々「メイクしてないんです!!」
P「どうでもいい!!」
菜々「ど、どうでもよくないですよー!」
P「これから農作業するんですよ!?何がメイクですか!」
菜々「の、農作業中でも菜々は女の子なんですから……」
P「(こんなツヤツヤの肌してるのに化粧いるのか……?)」
プニ
菜々「ひゃっ!?」ビク
P「あ、すみません」
菜々「もー!」プンスカ
ガララ
菜々母「いちゃいちゃするのは構わんけぇ、もうちょっと静かにしてくれん?」
P「……すみません」
菜々「……ごめんなさい」
―――――――――――――――――
菜々「……ジャージに着替えましたけど」
P「じゃあさっそく、畑を耕していきましょう」
菜々「……はぁ」
P「やりかたは簡単です。このクワを使って……」
菜々「あ、はい。知ってますよ?」
P「え?」
菜々「うちは農家じゃないんですけど、友達が農家だったんで、
よくお手伝いに行ってました」
P「……めちゃくちゃいい人じゃないですか」
菜々「あはは、狭い村ですからね。助け合いですよ、助け合い」
P「そういえば、お父様は退職なされてるんですね」
菜々「もうとっくに定年すぎてますからね。昔は村役場で働いてました。
結構エリートでしたよ?」
P「村事情はよくわかりませんが、やはり菜々さんはいい環境で育ちましたね」
菜々「そ、そうですか……?えへへ」
P「じゃあやっていきましょうか」
菜々「はい!」
安部菜々(ジャージの17歳)
ttp://i.imgur.com/zOM4nMq.jpg
――――――――――――――――
菜々「……コヒュー、コヒュー」ゼェゼェ
P「あの、菜々さん……」
菜々「なんてったって、あーいどる……」フラフラ
P「その曲、一応1985年の曲ですからね」
菜々「あ、あ、アレですよ!懐メロ特集で聞いたんですよ!!」
P「そういう事にしておきましょう。体力は大丈夫ですか?無理をすると体を壊しますので……」
菜々「な、なんの、まだまだ……」
P「えい」
ツン
菜々「ひゃっ!?」
ドサッ
P「……駄目ですね。脚にきてます」
菜々「あ、あうぅ……」
P「当たり前ですよ。今までずっと東京暮らしだったんですから。
あくまで体力作りの一環だと思ってください」
菜々「うう……がんばります」
P「慣れれば農作業してから巡業行けますから、とにかくまずそこまで行きましょう」
菜々「す、すっごいハードですね……」
P「なんてったって、アイドルですから」
――――――――――――――――――農ドル生活 3日目
村人A「菜々ちゃん、こっち帰って来とったか」
村人B「農家やることになったんけ?」
菜々「いえ!菜々はご当地アイドル、安部菜々として再スタートするんです!」
村人A「おお!アイドルか!ハイカラなもんやけど、うちの村でええんか?」
村人B「そうじゃなぁ。東京なんかの方が、もっと便利やと思うけど……」
菜々「いえ。菜々はここで育って、今があるんです。
だから、もっとここの素晴らしさを、全国に広めていきたいんです!」
村人A「おお~!」
村人B「昔から、この村のアイドルじゃったしな!」
菜々「えへへ!」
P「(よしよし……)」
――――――――――――――――――農ドル生活 5日目
菜々「なんか慣れてきました」
ザックザック
P「……めちゃくちゃ順応早いですね」ゼェゼェ
菜々「もともとお手伝いしてた経験もありますし、
腕立て、腹筋、背筋とか……筋トレ全般やってましたし」
P「伊達にアイドルやってませんね」
菜々「もちろん。下積みの長さなら、そこらの子には負けませんよ」フンス
P「うーん、菜々さんが言うと説得力が違いますね……」
「菜々ちゃん!」
P「お?」
菜々「はい?」
村人A「これ、うちの畑で採れた大根なんだよ、よかったら」
菜々「え?こんなのもらっちゃっていいんですか?」
村人B「これ、うちで作ったりんごだ」
菜々「え、え、あの……」
村人A「いいんだいいんだ!菜々ちゃんがんばってるから」
村人B「孫と話してるような気分になるな!菜々ちゃん可愛いから!」
菜々「そ、そんなことないですよー!
でも、ありがとうございます!」
P「……(来たか)」
――――――――――――――――――農ドル生活 一か月目
菜々「ほいほいほいっと」
ザッザッザ
菜々「よし、草も虫も、問題ないですね。ここはいい土ですから、ちゃんと育ってくれそうです」
菜々「それより、プロデューサーさん……」
P「どうかしましたか」
菜々「どうしましょう、この差し入れ」
お菓子 5ケース
お米 20kg
りんごひと箱
大根ひと箱
なすひと箱
ジュース1ケース
きゅうり1ケース
じゃがいも1ケース
にんじん1ケース
エトセトラ……
P「これが、貴方の実力ですよ」
菜々「は、はい?」
P「菜々さんは、こんなにもらって、どう思っていますか?」
菜々「まだ私の作物は育ってないし、どうお返ししようかなと」
P「そこですよ」
菜々「え?」
P「通常人にものを渡すときというのは、何らかの見返りを求めます」
菜々「はぁ」
P「お金を渡せば対価として、物品やサービスを受け取る、これは基本ですよね?」
菜々「はい……」
P「菜々さんは確かに泥まみれになって作業をしてます。
しかし、これが誰かの利益になるでしょうか?」
菜々「……いいえ」
P「ではなぜ、こんなにも差し入れが届くのでしょうか?」
菜々「……えっと、私の事、孫みたいだって、可愛がってくれて」
P「……」
菜々「あっ」
P「わかってくれましたか」
菜々「私と会うのが……楽しい?」
P「ピンポンピンポーン!大正解です!もう村の皆さんからすれば、貴方は孫のようなものです。
社会人になった子供とは会えません、県外に出た子供とも会えません。あの人たちも、若い活気が欲しいんです」
菜々「……だから、私なんですね」
P「菜々さんは昔からこの村にいますからね。しっかりとした顔なじみです。
彼らは今、菜々さんの顔を見るだけで癒され、幸せになっているんです」
菜々「……あっ」
P「会うだけで、話すだけで、人々に癒しを与え、幸せにする」
P「これを、アイドルと呼ばずして、何と呼びましょうか」
菜々「……!!」
P「機は熟しました。いよいよ活動の時です。
さぁ菜々さん、歌と振り付けは忘れていませんね!?」
菜々「え」
P「え」
菜々「ちょ、ちょっと練習させてください」
P「……そんな事もあろうかと、トレーナーさんも呼んであります」
菜々「ありがとうございます!!」
―――――――――――――――――――――――――農ドル生活 42日目
菜々「……」ドキドキ
ザワザワ ザワザワ……
菜々「(し、知り合いとはいえ……)」
ザワザワ……
菜々「(こんなたくさんの人の前で、歌って、踊るなんて……)」
菜々「(き、緊張してきちゃった~!!)」ドキドキ
菜々「(ていうかPさん……)」
菜々「(本気で、いやマジであの曲でいくんですか……!?)」
菜々「(私、もうあれしか覚えてませんよ……!?)」
――――――回想(農ドル生活 一か月目時点)―――――――
P「あ、ライブの時に使う曲ですが……こちらで用意しました」
菜々「ご当地の良さを歌った曲ですか?」
P「ああ、それは別に用意するとして、デビュー曲、
そうですね、所謂、『持ち歌』として歌ってもらう曲です」
菜々「え?ご当地曲が持ち歌なんじゃ……」
P「とりあえず、このCDを受け取ってください」
菜々「……聞いてみますね♪」
カチャッ
…… ~♪
菜々「……こ、これは?」
P「……」ニコッ
菜々「え?何かの間違いですよね?マジですか?え?私そのあの」
P「やってくださいね」
菜々「……あ、あはは」
菜々「……やってやりますとも!菜々はなんてったって!アイドルですから!」
P「それはまた別の曲ですが」
――――――回想終了。―――――――
P「皆さんお待たせいたしました!」
ワァァァァァァ……
P「本日のメインイベント、ご当地アイドル、安部菜々さんによる単独ライブです!」
菜々「こんにちはー!!」
コンニチハー!
菜々「今日は集まっていただき、誠にありがとうございます!」
菜々「皆さんをがっかりさせないように……せいいっぱい、がんばります!」
菜々「聞いてください、安部菜々で『メルヘンデビュー!』
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm20893020
※参考『【作業妨害用】安部菜々 メルヘンデビューに洗脳される動画』
――――――――
菜々「ウサウサウーサ、ウーサ・ミン!」
キャピーンッ!
菜々「……」ハァッ ハァッ
菜々「……ありがとうございました!!」
……
菜々「(うっ……やっぱり、この曲は流石に)」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
菜々「……えっ?」
「よかったぞ菜々ちゃん!」 「最近の子はこんな曲を歌うんやのう」
「可愛かったぞー!」 「菜々ーッ!!俺だーッ!!結婚してくれーッ!!」
「すごかったよー!」 「おつかれーっ!」 「たのしかったー!」
菜々「……あ、あ」ポロッ
菜々「(だ、駄目!泣いちゃだめ!)」
グッ
菜々「ほんとうに……本当に、ありがとうございました!」
ワァァァァァァァァァ……
菜々「(アイドルやってて……)」
菜々「(本当に、良かった!)」
アンコール
菜々「え?」
アンコール! アンコール!
菜々「え?え?」
P「この公民館は終日借りていますよ。なので……」
菜々「ええっ」
ワァアアアアアアアアアアアアアアア!!
菜々「も、も~!わかりましたよ!」
菜々「それじゃあ、もう一回……!!」
――――――――――――――――
菜々「プロデューサーさん」
P「……何ですか?」
菜々「寝ちゃいました?」
P「ええ」
菜々「……また寝言言いますね」
P「寝てるので、何も聞こえません」
菜々「……ありがとうございます」
P「それは今日聞きましたよ」
菜々「聞いてるじゃないですか」クス
P「しかし、菜々さんはそれ今日何回目ですか?」
菜々「わかりません。でも」
菜々「こんなに晴れやかな気持ちになったの、久しぶりなんです」
P「……」
菜々「私を認めてくれる人がいる、私を待ってくれている人がいる。
私が歌って、私が踊って、喜んでくれる人がいる」
菜々「それが、こんなに嬉しいことだなんて」
P「……」
菜々「私がアイドルになったのは、ほんのささいなきっかけです」
菜々「ある時、勉強もスポーツも、恋愛もうまくいかなくて、落ち込んでました」
P「好きな奴がいたんですか」
菜々「今もいますよ」
P「何!?スキャンダルはごめんですよ菜々さん!」
菜々「ふふ、それはないので安心してください。それより、寝てるんじゃ?」
P「あ、寝てます寝てます」
菜々「……落ち込んで、何もかもいやになったある時」
菜々「テレビに、アイドルが映ってたんです」
P「……」
菜々「その人はすっごく可愛くて……のびのびと、歌を歌っていました」
菜々「その時私は思ったんです『ああ、なんて楽しそうなんだろう』って」
菜々「いつの間にか、私の落ち込んだ気持ちはどこかへ行っていました」
菜々「これがアイドルなんだ、アイドルってすごい……子供ながらにそう思いました」
菜々「それからです。必死にアイドルを目指したのは」クス
P「……」
菜々「すっごく大変でした……でも、いつかあんなキラキラしたアイドルになろうって、
皆に元気を与えられる人になろうって思えば……頑張れました」
菜々「……ま、本当にやめようかなって、思ったことも何度もありますけど」
P「……」
菜々「あの時は、お世話になりました」
P「こちらこそ」
菜々「……Pさん」
P「はい」
菜々「これからも、菜々のプロデューサーでいてくれますか?」
P「もちろん。これからも、ずっと……僕が死ぬまで」
菜々「うふふ、言い過ぎです。でも、ありがとうございます」
P「いいえ」
菜々「明日も早いですので、私は寝言を終わります!」
P「僕からは、特に何もありません」
菜々「……」
P「でも、一言だけいわせてください」
菜々「どうぞ」
P「こちらこそ、ありがとうございます」
菜々「……いいえ♪」
P「さ、静かになりましょうか」
菜々「明日、速いですもんね♪」
スゥ……
今回は以上です!
次回は『菜々さんと全国放送』編 です。
ついに菜々さんが全国ネットに……!?
乙
いい感じの成長物語だから続きも期待
だな、菜々さんは大抵の場合はデビュー遅れたジェイガンみたいな扱いだからレアよな
出だしが出だしだったからどう落とすかも気になる
殲滅遅れたヴェイガン?(難聴)
卒アルが白黒って、いつなんだ……
しょ、平成-7年の俺でも卒業アルモノクロでしたしおすし(但し小学生に限る)
最近はジェイガン枠もちゃんと育つから…
大丈夫、見た目がアレなら、ななさんじゅうななさいでも十二分にストライクゾーンど真ん中の上に最上級のご褒美ですっ!
再開します。
今回は『菜々さんと全国放送』編です。
――――――――――――――――――農ドル生活 3か月目
菜々「ふふん、ふふーん♪」
ガッサガサ
菜々「ふふふんふーんふーん♪」
ガッサガサ
P「本当に手馴れてきましたね……」
菜々「あはは!もう結構長いですからね!
もう一月か二月くらいで収穫できると思うんですけど……」
P「安部農家として再スタートですか?」
菜々「最近農業が完全に生活の一部となってて、泊まり込みとかでお仕事した日は落ち着かないですね……。
虫害は大丈夫かなぁとか」
P「流石にその時はちゃんと村の人に頼んでるじゃないですか。大丈夫ですよ」
菜々「はい……でもなんか愛着沸いてきちゃって」
P「気持ちはわかりますけどね」
菜々「これ、出荷するとき、『私が作りました!』ってシール貼っていいですかね!?」ワクワク
P「別にかまいませんが……出荷するほどの量ではないと思いますよ?
手売りする予定ですし」
菜々「なぁんだ……全国のスーパーに菜々の落花生が並ぶのかと」
P「どれだけできると思ってるんですか」
菜々「へ?たくさんですかね!」
P「……ま、結構な量はできるでしょうね。しかも農薬もこれだけ使わずこれたから、
きっとおいしいものになるでしょう」
菜々「やったー!」
prrr!
P「お?ちょっと電話みたいです」
菜々「はーい」
P「はい……もしもし……はい」
ガッサガサ
菜々「(なんのお電話だろう……私のお仕事かな?)」
P「はい、そうです……はい、おお」
菜々「……(おっ)」
P「はい……ありがとうございます……はい、では……」
ピッ
菜々「お仕事ですか?」
P「ご名答です。かねてからの私の企画が通ったようです」
菜々「珍しいですね。Pさんの企画が通らない事もあるんですか?」
P「今回は慎重をきたさねばならない企画ですからね。
局の方とも結構相談したので、時間がかかったんです」
菜々「へー……よくわかんないですけど、今回はどこでお仕事するんですか?」
P「ああ、それはここなので安心してください」
菜々「へ?ここですか?」
P「はい、ここですね。菜々さんの実家とかまぁそのへんでしょうか」
菜々「え?ちょっ、え?何する気ですか?どこの局ですか?」
P「大日本帝国TVですが」
菜々「でかっ!全国区じゃないですか!!」
P「当たり前ですよ。今回は地方ローカルとかじゃなく
全国ネットですよ。人気番組です」
菜々「え、ええっ!?ど、どういうことですか!?
何が起こってるんですか!?」
P「え?そろそろかなぁと」
菜々「いやいや!この前行ってたじゃないですか!
『コネで番組に出ても叩かれるだけ』って!」
P「コネも使いようです。まぁ、とりあえず落ち着いてください。
一週間ほどしたら撮影の方が来られますから、その時詳しい話を聞いてください」
菜々「あ、あうぅ……。い、いきなり全国とか、き、緊張します……」
P「緊張しすぎですよ……今まで散々オーディションを受けておいて、何をいまさら」
菜々「全然違いますよー!!」
P「そういうものなんですか……」
―――――――――――――――――― 一週間後
スタッフ「おはようございます!大日本帝国テレビの……」
菜々「……」ガチガチガチガチ
P「……」
スタッフ「あの……」
P「あ、気にしないでください。極度のあがり症なんです」
スタッフ「え、あ、はい……」
菜々「……」ガチガチガチガチガチガチ
スタッフ「(すごい震えとる……)」
―――――――――――
菜々「……ドキュメンタリー?」
スタッフ「はい。ていうかプロデューサーさんから聞いてませんか?」
P「あ、あえて話してません」
スタッフ「なるほど……まぁそういう事なんで、特に肩肘張らずにリラックスしてください」
菜々「ど、ドキュメンタリーって言われても……」
P「普段通りでいいんですよ。朝起きて、雑草刈って、巡業とかすれば」
菜々「え、面白くないじゃないですか!」
P「……いいんですよ。面白くしますからこっちで」
菜々「うう~……」
スタッフ「(大丈夫なのかなこの人)」
――――――――――――――――――数日後。
スタッフ「はい、以上で撮影終了でーす。ありがとうございました」
菜々「あ、ありがとうございました!」
P「最初に比べて大分緊張も解けてましたね。よいことです」
菜々「ま、まぁ……だってアイドルですし!」
P「なら最初から緊張しないこともできたんじゃあ……」
菜々「あうぅ……」
P「まぁいいですよ。むしろその初々しさは、テレビではプラスに映りますからね。
放映が楽しみです」
菜々「ここでも放送されるんですか!?」
P「流石にされるとは思いますが……一応全国ネットって、
2~3局やってなくても全国ネットと言いますからね」
菜々「自分の番組が見られないとか悲しすぎます……」
P「まぁ、流石に大丈夫ですよ。ゆっくり待ちましょう」
菜々「は、はい!」
――――――――――――――――――さらに数日後。
菜々母「……」
菜々父「……」
菜々母「……」
菜々父「……」
菜々母「……菜々」
菜々「何さ」
菜々母「まだはじまらんの?」
菜々「お母さん、放送七時から。今六時半」
菜々母「そんなことはわかっとるよ!でもアンタ出とるんよ!?」
菜々「……関係なくない?」
菜々母「こう……権限みたいなの、ないの!?」
菜々「あるわけないじゃん!」
P「(仲いいなぁ)」
ジャーン……
菜々母「始まった!!始まった!!」
菜々「お母さんうるさい」
――
菜々「……よいしょ」
菜々「よっこいしょ……っと!」
ドサッ
ナレーション『重そうな肥料を運ぶこちらの女性』
ナレーション『朝と昼ではまったく違った彼女の顔が見られる』
――
菜々「きゅっぴーん!☆」
ワァアアアアアアアアア!
菜々「ウサミン星からやってきました!歌って踊れる17歳!安部菜々でーすっ!キャハッ☆」
菜々「ウサミンパワーで……メルヘンチェーンジッ!
今日もこのウサミンパワーで、地球の皆さんを元気にしちゃいまーす!」
ワアアアアアアアア!!
ナレーション『そう、彼女はこの地域の、【ご当地アイドル】として活躍しているのだ」
ザッ ザッ ザッ……
スタッフ「何故、農業を?」
菜々「地球にきて……ここで落花生を食べたんですけど」
菜々「それがすごくおいしくて……是非、広めていきたいと思ったんです」
スタッフ「家業とかじゃないんですか?」
菜々「ち、違いますよ!菜々はウサミン星から来たんで!実家ウサミン星なんで!」
ナレーション『ご当地アイドルには珍しい設定がつきものであるが、彼女は特に珍しい』
ナレーション『ウサミン星よりきたウサミン星人、地球を歌と踊りで侵略するというものだ』
ナレーション『その手始めに、この地域を侵略しているという。なんともローカルな宇宙人だ』
――
スタッフ「今は何をやってるんですか?」
菜々「害虫を探してます」
スタッフ「害虫を?」
菜々「はい。農薬をあんまり使ってないので、よく発生するんですよ」
スタッフ「虫は平気なんですか?」
菜々「あはは、虫が苦手じゃ農業やってられませんよ」
ザッ ザッ ザッ
ナレーション『てきぱきと作物のチェックを行う菜々さん、どうやら非常に手馴れているようだ』
菜々「これは千葉半立っていう種類で……落花生って結構簡単に育てられるんですよ!」
ナレーション『嬉々として落花生について語る菜々さん。彼女がこの作物に愛情を注いでいる事がわかる』
ナレーション『農作業が終わったようだ。しかし、彼女に休んでいる暇はない』
菜々「今日はここから……ちょっと遠いんですけど、
ステージでライブがあるんです。名産品を売ったりもするんですよ」
スタッフ「疲れていないんですか?」
菜々「最初の方は大変ですけど……最近はもう慣れました!」
ナレーション『流石の体力である。やはりプロとしての意識は伊達ではない』
―――
菜々「みなさーん!本日はきてくれてありがとうございまーっす!」
ワアアアアアアアアアアア
ナレーション『たくさんのファンに囲まれ、アイドルとして歌と踊りを披露する』
ナレーション『そこには、先ほどの疲れを微塵も見せていない」
――
菜々「はい!この地域の特産品なんです!」
ナレーション『ライブが終わった後は、グッズと、特産品の販売だ』
ナレーション『名産品をアイドルが売る……今ではよく行われている事だが、昔はあまりなかったやり方だろう』
ナレーション『夕暮れ時になると、撤去作業も行う』
ナレーション『彼女は、もちろん、設営から撤去作業まで、スタッフの力は借りるが、
基本的には自分で行う』
菜々「だって、大切なお仕事ですからね。疲れた、なんて甘えたことは言ってられません」
ナレーション『ウサミン星人は、きっとストイックな人種なのだろう』
――ー
菜々「今日は私が作るよ、お母さんは座ってて」
菜々母「そう?悪いねぇ」
菜々「お母さんだってもう歳なんだから、無理しないでね?」
ナレーション『家族を気遣う姿を見せる菜々さん』
ナレーション『彼女にとって、アイドルも、落花生も、そして、
共に地球侵略のためにきた家族も、どれも皆平等に大切なものなのだろう』
~インタビュー~
―アイドルをやっていて、大変だったことは?
菜々「毎日が大変ですよ!最初の方は、ファンの方なんて全然いませんでしたし、
それ以前に、オーディションに落ちすぎて全然デビューできなくて……何度もやめようかなって思いました」
―逆に、楽しかったことは?
菜々「歌い終わった後、『ありがとう』って言ってもらったことです」
菜々「こっちからすれば、むしろ『聞いてくれてありがとう』って言いたいんですけど」
菜々「初めて言ってもらった時は、本当に泣きそうになりました」
―ご当地アイドルは、どうですか?
菜々「すごく楽しいです!本当、毎日がキラキラしてる感じで……」
菜々「やっぱり大変な事も多いです。日焼けも気を付けないといけませんし、
毎日家に帰るとへとへとです」
菜々「でも、私を待ってくれてるファンの人がいて、
もっともっと、この地域を有名にしていかなきゃいけないので」
菜々「まだまだ、これからもがんばります!」
ナレーション『ウサミン星人は、地球を侵略しに来た宇宙人の中でも、非常に友好的であるようだ』
ナレーション『いずれ、地球全体が彼女に侵略され、幸せで平和な世界になる時がくるかもしれない……』
END
―――――
菜々「いやー……なんかテレビで自分見るのって恥ずかしいですねぇ。
ねぇ、プロデューサーさ……」
菜々母「……」ポロポロ
菜々父「……」ポロポロ
菜々「ちょっ!?何で泣いてるの!?」
菜々母「あんた……立派になったんだねぇ」
菜々「え!?え!?」
菜々父「お、おおう……」ボロボロ
菜々「お父さん泣きすぎ!!」
P「……」ホロリ
菜々「プロデューサーさんまで!?」
P「いやぁ……立派になったなぁって……」
菜々「毎日見てるでしょうが!ていうか皆泣きすぎですよ!」
P「でも……グスッ、この番組の効果は絶大ですよ!」
菜々「そうなんですか?ただのドキュメンタリー番組だと思いますけど……」
P「甘いですよ!こういった番組の効果、なめちゃ駄目ですよ!」
菜々「ほえー……」
――――――――――――――――――
菜々「……今日は普通に眠れません」
P「興奮しすぎですよ」
菜々「だって!全国ですよ!?全国!!」
P「……まぁ気持ちはわかりますが」
菜々「……経緯はどうあれ、全国ネットに自分が映るなんて考えたこともなかったです」
P「いやいや、何を言ってるんですか」
菜々「へ?」
P「こんなのはまだプロローグにすぎません。今からきっちり準備をしておいてください」
P「もうすぐ東京で働くことになるんですから」
菜々「ええ!?私の落花生!!」
P「流石に収穫終わってからなんで安心してください」
菜々「ほっ……」
P「(すごい愛着だな……)」
カチカチ……
菜々「……はれ?」
P「どうかしました?」
菜々「……なんか、私の検索結果が増えてるというか」
P「ああ、そりゃそうですよ」
菜々「は、速くないですか……?」
P「まぁ別に、最近ならそこまでじゃないですか……?」
菜々「そ、そんなもんなんですか……?」
P「なんですごいビビってるんですか」
菜々「だ、だって!!何か私の名前で検索したら2万とか3万件とか検索結果出てるんですよ!?」
P「まぁそれくらい出るんじゃないですか」
菜々「な、何でですか!?」
P「まとめサイトってのがあるんですよ」
菜々「まとめサイト……?」
P「おそらくそこで菜々さんが話題になってるんじゃないですか?」
菜々「は、はい……?」
P「まぁこれで全国レベルの知名度を勝ち取れましたので」
P「勝負に出ましょうか」
菜々「ちょっとわけわからないんですけど……あの……」
P「オファーが来るんですよ、ここから」
菜々「は、はいぃ!?」
P「ガンッガンきますからね」
菜々「ほ、ほえ……?」
今回は以上です!
次回は『菜々さんとインターネット』編です。
某大規模掲示板に書かれてしまった菜々さん……どうなってしまうのか!?という感じです。
乙
菜々さんかわいい
面白い。
某掲示板に……まさか、実年齢が17歳と言う事が曝かれてしまうのか?
某掲示板だからな…何があってもおかしくないwwwwww
続き期待
再開します。
今回は『菜々さんとインターネット』編です。
――――――――
■大規模雑談掲示板「7ちゃんねる」
773:【動画あり】××県のご当地アイドル可愛すぎワロタwwwwww
1:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ttp://i.imgur.com/uTIJrGu.jpg
【動画】
2:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ファッ!?
3:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ぐうかわ
4::犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
また静岡かと思ったら違った
5:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
普通にアリ
6:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これはできる>>1
7:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ノーチェン
8:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>1
即ハボ
9:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
こいつ年齢詐称疑惑出てるぞ
10:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>9
kwsk
11:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>10
5年くらい前にアキバのメイドカフェで働いてたとかなんとか
12:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>11
5年前17歳だったら今はにじゅ……(察し)
13:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
20代でこれならむろアリ
14:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
20代でこれかよ
最高じゃん
15:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
公式にプロフィールあったぞ
名前:安部菜々
誕生日:5月15日
血液型:O型
年齢:永遠の17歳
身長:146cm
体重:乙女のヒミツ
スリーサイズ:84-57-84
16:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>15
バスト85wwwwwwwwwwwwwwwwウエスト57wwwwwwwwwwwwwwww
バケモンかなんかかよwwwwwwwwwwwwww
17:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>15
どんなトランジスタグラマーだよwwwwwwww
18:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>15
永遠の17歳wwwwwwwwww
これは……(察し)
19:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ステージ衣装の画像あった
ttp://i.imgur.com/L2ixEez.jpg
20:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>19
有能アンド有能
21:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
で、実際何歳なの?17?
22:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>21
少なくとも17歳でないことは確か
23:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>21
>>22
17歳にきまってんだろ!!!いい加減にsりおおあだsq!!!!
24:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>23
落ち着け
25:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>19
エロい
26:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>15
こマ?
27:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>26
(アイドルのプロフィールを信じたら)アカン
28:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
何歳でもこの外見なら愛せる
29:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ていうかすごい小さいのな。146て。
30:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
確かに映像でもスタッフが巨人に見えた
31:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
なお料理もできる模様
32:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>31
結婚待ったなし
33:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
養いたい
34:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ブスじゃんって言いにきたら想像以上に可愛かった件
35:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
下半身に優しくない
36:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
設定のキツさからしてもかなりの年齢だぞ
37:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
Youtubeに別の動画もあったぞ
【URL】
38:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>37
やるじゃん
39:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これメイド時代か
40:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
え?全然外見変わってないような……
41:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これ5年前だぞ
42:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
嘘乙
43:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
マジだよ。投稿日時見ろ
44:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
マジだった
45:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
なにこの人、クリーチャーか何か?
46:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
年齢が気になる
47:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
【超速報】菜々さん、一度就職していた模様
48:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>47
ファッ!?
>>47
メイドカフェだろ?
50:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>49
いや、なんか一回就職して、やめてメイドカフェ行ったらしい
51:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
流石にないわ
52:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
高卒だとしても何歳だよww
53:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
大卒らしいぞ
54:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
え?マジで何歳?
55:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ソースはよ
56:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
このスレで菜々さんの同級生を名乗る人が言ってる
【URL】
57:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
お前ら釣られるの大好きだな
58:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>57
卒業アルバムうpしてたぞ
59:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
えっ
60:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
白黒wwwwwwwwww
61:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
アルバム白黒wwwwwwwwww
62:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これは……(察し)
63:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
菜々さんマジで何歳なんだよwwwwww
64:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
な、菜々さんは17歳だから(震え声)
65:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
外見はロリ巨乳、年齢は結婚適齢期
最高じゃないか
66:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
逆にアリ
67:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
若いだけのアイドルよりよっぽど好感持てる。農業も慣れてるっぽいし
68:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
アイドルってすげーな、何歳でもこの外見たもてんのか
69:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
てかそんじょそこらのアイドルより可愛いだろ
70:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
熟女マニアの俺も、
ロリコンの兄もいけるこのババァはすごい
71:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>70
お前ん家どうなってんだよwwwwwwww
72:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>71
俺も娘とセックスしたいパパだけど、アリだと思うから、
よくあることなんじゃないのか?
73:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
おまわりさん>>72です
74:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これは通報不可避
75:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
おっぱいのあるロリとか最高やんけ
76:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>75
ただし年齢は(察し)
77:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
現代に生きる合法ロリ
78:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
安部菜々さんとセックスしても犯罪じゃないのか!?
79:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>78
そら熟女とセックスしても犯罪じゃないだろ
80:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
熟女ワロタ
81:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
時代は合法ロリ
82:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
児ポ法ってこんな抜け道あったんだな
83:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ていうか永遠の17歳の設定いらないんじゃないのかww
普通に売りだせよ可愛いんだから
84:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>83
年齢がヤバいんじゃないのか?ごまかさなきゃいけないレベルで
85:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>84
あっ(察し)
86:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
菜々さんは17歳だから
87:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ちょっと××県行ってくる
88:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
××県行けばこの子と会えるの?
89:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>88
会えるどころかすげぇ握手してくれてる。ブンブン手振ってくれる
映像のファンサービスのところを見るんだ
90:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>89
マジだwwwwwwすっげぇ愛想いいなこの子wwww
91:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
キモオタ相手にここまで愛想いいアイドルいるのか
92:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
すげーキモいのにも満面の笑みだな
93:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
メイドカフェ時代に鍛えたんじゃね
94:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
なるほど
95:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これ演技じゃねぇな。慣れてるわ完全に
96:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
そら5年も6年もキモオタの相手してたら慣れますよ
97:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
・俺ら(キモオタ)に優しい
・低身長
・巨乳
・家事ができる
・可愛い
完璧じゃねーか
98:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
テレビはクソみたいなアイドルゴリ押ししてないでこういうのもっと出せよ
99:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
無理無理、あの世界はコネ(笑)だけだから
100:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
100なら菜々さんは17歳
101:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これは17歳
102:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ああ、17歳だな
103:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これは仕方ない
102:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
あべななさんじゅうななさい
103:犬も歩けば名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ウッサミーン
―――――――――
菜々「ぷぷぷぷプロデューサーさん!大変ですよ!!」
P「どうしました」
菜々「な、なんか菜々の事が色々書かれてます!」
P「ああ、それなら気にしなくていいですよ」
菜々「ええー!?」
P「そんなモンこっちで何かしようものなら火に油です。
放っておくのが一番なんですよ」
菜々「な、なんとかしてくれないんですか!?」
P「まぁそりゃなんとかしたい部分もありますけど」
prrr
P「お、電話です」
菜々「あうっ」
P「もしもし、こちらCGプロですが……はい、はい、
はい誠にありがとうございます~」
菜々「あうう……今日のプロデューサーさんは頼りにならない……」
菜々「困りました……こういうのってどれくらいで収まるんでしょうか……?
もう消えてますかね……?」
カチカチ
77:【動画有り】××県のアイドルが合法ロリ巨乳wwwwwwww
17:××県の17歳アイドルが年齢詐称wwwwwwwwww
7737:××県のローカルアイドルの事を調べた結果wwwwww
37:ネットで話題の「安部菜々」の同級生だったけど質問ある?
48:【××県】安部菜々総合スレ【ローカルアイドル】
334:ご当地アイドル安部菜々のエロ画像ください!!
菜々「滅茶苦茶増えてるぅーっ!!!」ガーン
菜々「あわあわ……こんな時はどうすれば……」
菜々「メイドカフェ時代でもこんなことありませんでしたし……これは」
菜々「と、とりあえず、止めてくださいって書けばいいんですかね?」
菜々「えーっと」
カタカタ
ガシッ!!
菜々「ひゃっ!?」
P「危ない危ない、それだけは絶対やめてくださいよ菜々さん」
菜々「な、なんでですか!?」
P「いやいや、それだけはまずいんです。貴方を名乗る人物がネットをしてたら
○○は7chで売名行為をするクズ、って言われるんですよ」
菜々「でも菜々は売名行為してないです!」
P「それでもです。基本この事については話さないようにしてください」
菜々「はぁ……」
P「これも戦略のひとつです。誤ればば一気に転落する、そんな綱渡りでここまでやってきてるんですから」
菜々「意外とPさんアグレッシブですね……」
P「当然ですよ。この業界で甘い事は言ってられません」
P「あ、菜々さん、準備をしてください」
菜々「はい?どうかしました」
P「お仕事があるんですよ。来週」
菜々「はいっ!次はどこですか?公民館ですか?デパートですか?」
P「東京です」
菜々「え?」
P「大日本テレビ、東京本社です」
菜々「へ?」
P「ゴールデンタイムに行われるバラエティ番組
NOW-WATCHING!(なうおっちんぐ!)へのオファーがきてます」
菜々「へ……?へ……?あれって、すごい人気番組なんじゃ」
P「そうです。それにオファーが来たんです」
菜々「ええ!?コネですか!?」
P「違いますよ。上の人間が、『菜々さんなら面白そうだ』と判断してくれたんですよ」
菜々「わ、私が……!?」
P「はい。貴方のひたむきな態度と、よくわからないキャラ付けが功を奏したようです」
菜々「……」ポカーン
P「菜々さん?」
菜々「……」ポカーン
P「菜々さん!しっかりしてください!気を確かに!!」
今回はここまでです。
次回は『菜々さんとバラエティ番組』です。ついに全国ゴールデンのバラエティ番組のゲスト出演が決まった菜々さん。
とんでもない失敗をしないといいんですけど……。
>>1乙
あべななさんじゅうななさい、なら失敗しても年の功で何とkry………
よくわからないキャラ付けww
お前がやらせたんだろww
なにこれ、期待
まぁキャラがデフォで炎上商法まったなしだしな
おっつおつ
東京タww…ン゛ン゛ッ!スカイツリー級のとてつもなくデカイフラグが建ってるんですけどぉ!?
菜々さんPとしては感涙もの
再開します。
今回は『菜々さんとバラエティ番組』編です。
菜々「……」ドキドキ
菜々「……」ドキドキ
菜々「……~ッ!!」
P「菜々さん、そろそろ控室入りましょうか」
―――――
菜々「電車でゆらゆら揺れてるときはひたすらわくわくしましたけど……
い、いざ来ると緊張が止まりません……」
P「大丈夫ですよ。テレビなんてもう何回も出てるじゃないですか」
菜々「ででも、今回はもうタレントですよ!アイドルですよ!
もう素人みたいに優しい目線で見てはくれません!」
P「それが、『第一歩』ですよ、菜々さん」
菜々「!」
P「確かに前回とはお話が違います。しかも地方ローカルではなく
いきなりゴールデンの人気バラエティ……しかしこれは、チャンスです。千載一遇と言っても過言ではない」
菜々「ちゃんす……」
P「見せつけてやりましょう。貴方の実力を。貴方のこれまでの、努力を」
菜々「……これまでの、努力」
――――少し昔
クラスメイト「菜々ちゃーん!」
菜々「なにー?」カリカリ
クラスメイト「この後皆で、××駅の近くまで行ってカラオケしようって話が出てるんだけど」
菜々「えー!カラオケ!?私行ったことない!」
クラスメイト「でしょー!私もなんだ!行ってみたいよね!」
菜々「……あ」
クラスメイト「どうしたの?」
菜々「もうすぐ、模試があるよね?だから、私、今回は、パス、かな……」
クラスメイト「……そっか。まぁ、仕方ないよね!菜々ちゃん、東京の大学行くんだったよね?」
菜々「うん。そうなんだ。親がどうしても大学は卒業しておけってうるさいの」
クラスメイト「いやいや、そっちの方がいいよ!このへん大学も就職先もないし!
菜々ちゃんの方が正しいよ!私も応援してるね!」
「おーい」
クラスメイト「あ、呼ばれてる。じゃあ行くね?勉強、がんばってね!」
菜々「うん!楽しんできてね!」
タッタッタ……
菜々「……」カリカリ
菜々「……」
カタン
菜々「……さ、家に帰って、英単語覚えなきゃな」
菜々「……んーっ」ノビー
菜々「アイドル目指すのも、大変だぁ」
――――
菜々「……はい」
P「目つきが変わりましたね。何か思い出しました?」
菜々「ちょっと、昔の事を」
P「そうですか……。うん、やはり貴方なら大丈夫です」
菜々「はい!」
P「といっても、本番が始まれば、私は何もできないので、
そう言うしかないんですけどね」
菜々「ちょ、ちょっと不安になるような言わないでくださいよ!」
P「大丈夫です!貴方は愛される才能がある。
普段通りのキャラクターで振る舞えばいいんですよ」
菜々「……ウサミン星の、17歳ですか」
P「ええ、実年齢は……」
菜々「まさか!!死んでも言えません!!」
P「(え、そんなヤバいの……?)」
P「まぁ、その辺りは上手く誤魔化してください。
バレたところで、支障をきたすとは思えませんが」
菜々「私の心に支障をきたします!」
P「は、はぁ……まぁがんばってください」
菜々「な、なんですかその微妙な反応は!?」
『安部菜々さんお時間でーす』
菜々「あ、はい!!すみません!!」
――――――
ジャジャージャ、ジャジャーン!!
司会「さぁ本日もやってまいりました、『NOW-WATCHING!』
アシスタント「日本の『今』をお調べします!なうおっちんぐ!本日のゲストは……
インターネットで話題沸騰!中学生にしか見えない永遠の17歳!安部菜々さんでーす!!」
プシューッ
菜々「キャハッ☆ウサミン星からやってきた……ラブリーキュートな17歳!
安部菜々でーす!」ブイッ!
司会「おー……」
アシスタント「……おぉ」
芸人「……おー……」
菜々「って!なんですかその反応は!?」
ドッ ワハハハ……
芸人「(おっ、こいつできるな……)」
司会「ああいや、ラブリーだなって、ね?」
アシスタント「あ、はい。キュートだなって、ね?」
俳優「あ、はいそうですね」
芸人「お前らもっとちゃんと対応したれよwwwww」
ドッ ワハハハ……
司会「すみませんすみません。ではお席にどうぞ」
菜々「はい!」
司会「では早速、安部菜々さんのプロフィールを見ていきましょう!」
菜々「はい!」
アシスタント「えーとまず、身長は146cm……」
芸人「ちっさ!」
司会「これは小学六年生女子の平均身長と、ほぼ同じだそうです」
エーッ チッサーイ ザワザワ
歌手「かわいー……うらやましー……」
菜々「なんかずっと身長が伸びなかったんですよ」
司会「続いて体重、は……」
菜々「乙女のヒミツです!」
アシスタント「ですよね。そしてスリーサイズ」
司会「84-57-84……ええっ!?」
アシスタント「なんですかこれ!?卑怯じゃないですか!?」
菜々「う、ウサミン星の特殊な環境下で育ったからです!」
司会「このナイスバディっぷりからインターネットでは『ロリ巨乳』の呼び声高く、
それも人気の秘訣だとか」
歌手「なるほどなるほど……」
菜々「何がなるほどなんですか!?」
ドッ ワハハハハ……
司会「そんな菜々さん、過去にメイドカフェで働いていたとか、
会社勤めをしていたとか、『実は17歳じゃないんじゃないか疑惑』が持ち上がってるそうですが」
菜々「う」ギリッ
俳優「アイドルがその顔はまずくないですか」
ドッ ワハハハハ……
司会「というわけで、皆さんお待ちかね、ゲストによって
自由に変更される『NOW-TALK』!今回は安部菜々さんに対する……『NOW-QUIZ』だぁぁぁぁ!!!」
パチパチパチパチ……
菜々「へっ?なう、クイズ……?」
司会「はい。このコーナーに関しては実は一切説明していません!」
菜々「やっぱり!」クワッ
芸人「顔、顔wwwww」
ドッ ワハハハ……
司会「『本当に17歳なのか?』という皆さんの疑問を解決するために!
我々用意しました!その名も『イマドキJKなら絶対解けるよねクイズ』~!!!」
パチパチパチパチパチ……
菜々「……」ダラダラ
アシスタント「菜々さん、凄い顔してますけど……」
菜々「だ、大丈夫ですよ!?なんたってナナは17歳ですから!!まだ若いですから!!!」
歌手「すごい協調するね……」
司会「おお!自信まんまん!では行ってみましょう!いまどきの女子高生ならわかって当然のこの問題!」
ババン!
司会「第一問!今、若い子の間で大人気!超可愛いこちらのお財布のブランド名は!?」
http://i.imgur.com/fx9v4AE.jpg
菜々「……ッ、Samantha Thavasa(サマンサタバサ)!!!」
ピンポンピンポーン!
司会「おお!正解です!これは本当に17歳かもしれませんね!」
菜々「ぶ、ブイッ!当然です!だってナナはナウいJKですからね!!」
芸人「(ナウい……)」
歌手「(ナウい……)」
俳優「(ナウいってどういう意味だろ……)」
アシスタント「……」
司会「ご、ゴホン、では続けて行きます、第二問!」
デデン!
司会「現在女子高生の間で流行っている『おこ六段活用』、
その最上級に位置するものは!?」
菜々「げきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム!!!
ピンポンピンポーン!
司会「おお!なら第三問!2011年に女子中高生ケータイ流行語大賞を受賞、
テンションが上がっている状態を指す言葉と言えば!?」
菜々「あげぽよ~!!!」
司会「すごい!すごい!やはり本物の17歳だったか!?」
菜々「(当然ですよ……!!!これくらいのツッコミは予測して、
事前にいまどきの女の子の流行りは全て調査しています!!!)」
司会「第四問!!、辛い、を可愛くアレンジしたネットスラングと言えば!?」
菜々「つらたん!」
ピンポンピンポーン!!
司会「第五問!!若者に人気のファッション雑誌、五種類あげてください!」
菜々「egg、seventeen、Popteen、CUTiE、non-no!!!」
ピンポンピンポーン!!!
司会「第六問!次に続く言葉を答えてください!『芸能人は?』」
菜々「歯が命!!!」
ピンポンピンポーン!!!!
菜々「ハウアッッッッッ!!!!」
芸人「何事!?」
ドッ ワハハハハ……
司会「……今の言葉は、1996年の流行語大賞です」
俳優「へー、そんな言葉があったんですね」
アシスタント「まだ生まれてませんねー、私たち」
菜々「えっとですねこれはですね?先日なんかちょっとそのそういう昔の言葉とかを
特集する番組があってぇ……」
司会「なるほど!じゃあ仕方ありませんね!で、こちらをご覧ください」
http://i.imgur.com/yWmfIoK.jpg
菜々「懐かしッ!」
俳優「え?」
菜々「ウグッ……!!!こ、これはですね、そのあの私が一歳の時に母が買ってくれて……」
司会「こちら、初代たまごっちですが……実はたまごっちは、最近でも販売しております」
菜々「え゛え゛っ!?」
司会「はいこちら」
http://i.imgur.com/tbYkE0i.jpg
菜々「な、なにこれ!?進化しすぎじゃないですか!?」
アシスタント「あ、これは私も知ってますねー」
歌手「私の娘もこれで遊んでますよ」
俳優「あ、これ見たことありますねー」
菜々「(やばい……こんなの見たことすらない……ていうか画像きれいすぎ……ファミコン?)」
司会「もちろん17歳の菜々さんならこのたまごっちの名称もご存知ですよね?」
菜々「え?いや~ちょっとド忘れしちゃってぇ~!!な、なんでしたっけ!?」ダラダラ
芸人「(必死だ……!!でもこれはツッコンじゃいけないヤツだ……!)」
俳優「(すごい表情だ……!!)」
歌手「(アイドルがしちゃ駄目な顔してる……)」
司会「(あ、なんか酷い事しちゃったな……)えーと、これはTamagotchi P's (たまごっちぴーす)という商品です。
なんと32種類のキャラクターが登場、学校に通ったりできるそうです」
菜々「ええー!?無茶苦茶じゃないですか!ファミコンより性能いいじゃないですか!!」
芸人「ファミコン……?」
ドッ ワハハハ……
菜々「これはそのですねあのえーっと、母がなんでもかんでもゲーム機器をファミコンっていうので、
それでその移っちゃって……」
司会「それなら仕方ないですね!」
ドッ ワハハハハ……
司会「そんなラブリーキュートな17歳、安部菜々さんから何かお知らせがあるんでしたっけ?」
菜々「あ、はい。今度東京の□□っていうところで、物産展に参加させていただくことになりまして……」
アシスタント「おお!東京でも生の菜々さんが見られるということですね!」
菜々「そ、そういうことになりますね!(前からずっと東京いましたけど)あと、
CDがどうやら全国で売られることになるそうです!」
司会「おー!!一気に全国デビューですか!」
菜々「いやぁ……わた、いやナナ自身も結構驚いてはいるんですけど」
俳優「あれ?最初とキャラ変わってません?」
菜々「そんなことないですよーッ!!☆東京の皆さんにもハートウェーブピリピリ~ッ♪」
芸人「キャラが安定しとらんwww」
ドッ ワハハハ……
司会「ということで今回のゲストは、今を生きる永遠の17歳」
アシスタント「ラブリーキュートなウサミン星人」
菜々「安部菜々でしたー!皆さんこれからもよろしくおねがいしますミーン!」
パチパチパチパチパチパチ……
―――――――――――
菜々「……」グデー
P「お疲れ様でした!いやー、凄く良かったですよ!」
菜々「ホントに収録見てました!?」
P「いや、ずっとそのへんいたじゃないですか……菜々さん本番に必死でこっち見てなかった思いますが」
菜々「う、そうだったんですか……すみません」
P「いやでも、これで菜々さんの愛くるしさは十分伝わったと思います。
後はほおっておけば地道に人気があがっていきますよ!」
菜々「そうですかー……?」
P「そうですよ!まだブログもヒット数が伸びてないとは思いますが、
これも継続です。今回のものが放映されれば、一気に閲覧数も増えます!」
菜々「むむむ……わかりました!信じます!
今までずっと、プロデューサーさんの言ってたことは正しかったです!」
P「いやぁ、僕はまぁ、大したことはしてませんよ」
菜々「そんな事がありません!菜々がここまで来られたのも、
全てプロデューサーさんのおかげで……むぐ」
P「もしそうだとしても、それは僕だけの話じゃありません。それに……」
菜々「ほれひ?」モゴモゴ
P「まだ、そのセリフは早いでしょう」
菜々「……!!そうですね!」
P「さぁ、××に帰りますよ!落花生の梱包は終わっています!」
菜々「ああ、物産展の準備ですね!ウサミンパワー、全快ィーッ!」
P「あはは、本番直後だっていうのに、すごく元気ですね」
菜々「当たり前です!だって菜々は、永遠の17歳ですから!!」キャピーッ!
今回は以上です。
次回は『菜々さんとウサミンブログ』編です。
農ドル時代からこつこつ続けていたブログが、ついに脚光を浴びる時……?
飲酒画像とか普通に上げそうだよね
某17歳声優さんもPVで車乗ってたりTwitterでお酒の画像あげてたりするしここまで来ると別にいいような
ただの17歳と、永遠の17歳の違いやね
乙
むしろ奈々さんの場合は運転したりすると好感度が上がるパターンだろ
奈々さんが軽トラ転がしてたらなんか和む
>>132
似合うな(確信)
遅くなりました。再開します。
今回は『菜々さんとウサミンブログ』編です。
時系列がごちゃってますが、がんばってお読みください。
――――――――農ドル生活一日目
P「菜々さんには、これからブログをはじめてもらおうと思います」
菜々「は?ブログですか……?」
P「むしろアイドルとしては当然だと思いますよ。今までやったことないですか?」
菜々「いやぁ……あんまりパソコンとか得意じゃなくて。
表計算くらいならできるんですけど。その他はあんまり」
P「(なんで表計算ができてブログが駄目なんだ……?)」
P「まぁいいです。アカウントもこちらで取得しておきます。
くれぐれもID・パスワードは漏らさないようにしてくださいね」
菜々「わかりました!まず、どうやって書くか教えてくれませんか……?」
P「……はい。まずは」
――――――――
菜々「えーと、これをこうで、画像」
菜々「こっちのこれをこうすると、文字が可愛くなるんですね……」
菜々「よーし!はりきって書いちゃいますよー!」
―――――――――
P「あれ?菜々さん、タイピングできるんですか?」
菜々「あ、少しだけなら……」
カタカタカタカッ
P「(パソコン苦手なんじゃ……?まぁいいか)」
―――――――――
菜々「えっと……『今日はお料理しちゃいました!おいもの煮っ転がしと、
山菜サラダです!』っと……」
菜々「パソコンにも大分慣れてきましたね。最近のはすごいですね……」
菜々「うーむ……XPも中々優秀でしたけど、ここまで進化が進んでいるとは……」
菜々「携帯も進化していますし……ついていくのが大変ですね。これは」
菜々「……わー!この絵文字、可愛い!」
カタカタ
―――――――――
P「大分、ブログの更新に慣れてきましたね」
菜々「当たり前です!ウサミンパワーがあればどうってことないですよ!」
P「流石菜々さんです。たまにブログが炎上するようなアイドルもいますが……
まぁ、菜々さんなら大丈夫ですね」
菜々「え、炎上?」
P「はい。うっかり書いてはいけないことを書いたり、
まずいものが写真に写り込んでいたりする事があるんですよ」
菜々「ひっ」
P「そんな時にブログにアクセスが殺到して……
大騒ぎになる状況を『炎上』と呼んだりします」
菜々「な、ナナも気を付けますね……」
―――――――――
菜々「(スーパードライおいしかったです!とかそういうのは絶対駄目ですね……)」
菜々「今日はナナの私服を公開しちゃいます、っと……」
パシャ
菜々「……うん!我ながら可愛いですね!」
菜々「……えと、うん、よし」
菜々「かんせー!」
―――――――――
P「ということで……制服をお願いします」
菜々「せ、制服ですか!?」
P「いまどきのJKの菜々さんに是非という依頼がきてます」
菜々「せ、せいふく……セイフク」
P「まぁタンスからひっぱりだしてきてもらっても構いませんし」
菜々「……」ブツブツ
P「な、菜々さん?」
菜々「ちょ、ちょっと探してきますね!!!
菜々はいまどきのJKなので必ずあります!!!」
P「あ、はい」
ダッ
ガタンッ ガサガサ
「おかーさぁあーーん!!私の制服知らないー!?」
「捨てたよ」
「すてっ……ええ!?」
「だって……しばらくは置いてたけど、もうボロボロになってたし、古いし……」
「えええええっ!?」
「残念やねー。また買ってきてあげるから」
「畜生!」
P「……(畜生て)」
―――――――――
菜々「……あ、ありました!」
デデーン!
P「……」
P「……」
P「……いいですね!」グッ
菜々「でしょう!?」
P「(完全にコスプレだけど突っ込まないでおこう)」
菜々「(Pさんが細かい事を気にしないでいてくれる性格で本当に感謝してます)」
―――――――――
菜々「せっかくなのでこの制服の写真もあげておきましょうかね……」
カシャッ
菜々「えーと、ナナのラブリーでキュートな制服姿が、雑誌のグラビアで登場します、と……」
菜々「あ、こういうのって言っていいんでしたっけ」
ピッピッ
prrrr
P『もしもし』
菜々「あ、プロデューサーさんですか?今ブログを書いてるんですけど」
P『はい、どうかしましたか?』
菜々「今度の雑誌のグラビア出るじゃないですか。あそこで使った制服を着た写真をブログにアップしようと思ってるんですけど……」
P『ああ、先に言ってしまって大丈夫ということですか?問題ないですよ』
菜々「本当ですか!」
P『雑誌名と発売日もついでに書いておけば、いい宣伝になるかもしれませんね』
菜々「わかりました!そうしておきます!」
P『はい。では』ピッ
菜々「はーい!」
菜々「えっと……いまどきのJKの制服ですよー、っと……」
菜々「いや、これはいまどきのJKの制服ではないですね……」
菜々「撮影で使った衣装、と言う風に書いておきましょう……」
カタカタカタ……
―――――――――『NOW-WATCHING』放送終了後。
菜々「ふんふふーんふーん♪」
菜々「今日は何をか……ギョエッ!?」
菜々「あ、アクセス数とコメント数が尋常じゃない事に!?」
菜々「え!?え!?……あ、ああ!」
菜々「今日が放送日だったから、ということですかね……?」
菜々「(ゴールデンのバラエティに一回出ただけでこの状況……すさまじいものがありますね)」
菜々「まぁ、今日も何か書きましょう。えーと、放送みてくれた方……ありがとうございました、っと」
カタカタ
>ギョエッ!?
菜々さんはいちいち反応が古いww
―――――――――
菜々「えーっと、なんか最近お仕事が増えてきましたね……」
菜々「しばらく実家戻ってないような気がします……」
菜々「明後日が撮影、その次はラジオで、次は売り子でしたっけ……?」
prrrrr
菜々「はい、もしもし、安部です」
P『菜々さんですか?』
菜々「はい、あ、お仕事のスケジュール確認ですか?丁度ナナもそろそろこんがらがってる所で……」
P『ああ、それもあるんですけど』
菜々「他に何か?」
P『菜々さん、ブログに何か書きましたか?ネットで随分取り上げられているようですけど』
菜々「え゛」
バッ
ウィーン……
カタカタカタッ
菜々「……な、なんじゃこりゃあ!(松田優作風)」ガタンッ
17歳が松田優作
105:☆☆安部菜々総合スレ ウサミン星人25人目☆☆ (77)
400:【安部】17歳アイドルがまさかの飲酒wwww【菜々】(568)
773:ぶっちゃけ安部菜々って何歳なの?(205)
345:【超速報】17歳アイドルが飲酒してる件wwwww(958)
446:17歳アイドルが飲酒、ブログが大炎上(500)
菜々「い、飲酒!?そんな事一言も……」
カタンッ
345:【超速報】17歳アイドルが飲酒してる件wwwww
1:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これはOUTwwwwww
http://i.imgur.com/vitVsKW.jpg
2:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
菜々さんwwwwwwwwwwww
3:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これは庇いきれないwwwwwwwww
4:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
17歳アイドルって言うから誰かと思ったら菜々さんかよwwww
5:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これはwwwww
6:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
一瞬わからなかったけど奥かwwwwwww
7:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
あーこの事務所潰れますねー(棒読み)
菜々「……」
菜々「ハァウッ!!」
菜々「す、すぐ消せば大丈夫ですかね!?」
菜々「も、もしもし!もしもし!」
P『はい』
菜々「どうしましょう!どうしましょうプロデューサーさん!!!」
P『え、次のブログで「お母さんが家に来て飲んでそのままなんです~♪ごめんなさいてへぺろ☆」とか
書いてればいいんじゃないですか?』
菜々「そんな軽い感じでいいんですか!?」
P『ええ、それより……』
菜々「それより?」
P『飲酒よりもさらに盛り上がってる画像があるみたいですが』
菜々「え!?」
カタタタッ
240:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
右下に注目
http://i.imgur.com/ogUrrRk.jpg
241:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
雑誌?
242:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
あっ、雑誌の年代が……
242:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>240
これはwwwwwwww
243:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
飲酒とか可愛いレベルじゃん(白目)
244:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
1996wwwwwwwww
245:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これはリカバリー不可能wwww
246:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
ズーム
http://i.imgur.com/yrTeJtJ.jpg
247:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
>>246
やめてさしあげろwwww
248:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
これはひどいwwwww
249:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
お、親の雑誌だよ!!(必死)
250:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
あ、あれだよ……1996年代ファッションのとくしゅうとかそういうのだよ……
251:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX::XX:XX.XX ID:xxx
もはや言い逃れできないレベル
菜々「―――――――ッ!?」ビクビクーン
菜々「どうしましょう!どうしましょうこれ!!」
P『え?親の雑誌でしたー☆キャハッ♪、とか言っておけばいいんじゃないですか?』
菜々「軽ゥイ!そんなにあっさりしてていいんですか!?謝罪文とか記者会見とかは!?」
P『え、大げさでしょう……別にいりませんよそんなもの』
菜々「そうなんですか!?」
P『まぁ試しに次のブログにそう書いてみてください。
多分一週間後には収まってますから』
菜々「え、ええ~……本当ですかね?」
―――――――
菜々「先日は、お騒がせしちゃいました……」
菜々「写真に写り込んでいたのは……親のものです……キャハッ♪」
菜々「っと……」
菜々「ほ、本当にこんなのでいいんでしょうか……?」
――――――― 一週間後。
菜々「……」
カタカタ
705:☆☆安部菜々総合スレ ウサミン星人29人目☆☆ (107)
108:安部菜々は17歳可愛い(43)
500:安部菜々さんとセックスするのって合法なの?(980)
菜々「なんかひとつ不穏なのがありますが……どうやら飲酒云々はまったく問題になってないみたいですね」
菜々「い、意外とあっさりしてるもんですね……他の人もこうなんでしょうか?」
カタカタ
【ニュース速報】「またか……」“バカッター”飲酒写真で17歳アイドルがグループ脱退へ
菜々「ヒッ!?」
ガタンッ
菜々「き、気を付けないと……気を付けないと……」ガクガクブルブル
―――――――
P「……」
P「……」
カタカタ
705:☆☆安部菜々総合スレ ウサミン星人28人目☆☆ (107)
40:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
ウサミン、飲酒した缶は親のだったみたいだねー
41:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
なるほどならしかたないねー
42:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
うんうん、親のなら仕方ないねー
43:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
親のかぁじゃあ仕方ないねー
44:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
雑誌も親のものらしいねー
45:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
親のなら仕方ないねー
46:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
うん仕方ないねー
47:呼ばれて飛び出て名無しさん:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:xxx
これは仕方ないねー
カタッ……
P「(菜々さん……ファンに無茶苦茶愛されてるなぁ……)」
今回は以上です。
次回は『菜々さんと色んなお仕事』編です。
ついにいろんなお仕事が回ってくるようになりました。菜々さんはブログ炎上とは無縁だったみたいですねー。
乙
親のじゃ仕方ないねー
親のなら仕方ないよな
乙ー
うん、これは仕方ないよねー
菜々さんが炎上するとしたら新婚ほやほやは危ないな
後ろにベビー用品写ってるならセーフ
まぁ菜々さんだもんねー
着実に、自爆系アイドルとしての地盤が出来上がってるよ
ファンからも「菜々ちゃん」じゃなく「菜々さん」と呼ばれるウサミン
完全に暖かい目でみられてますね
この世界の鬼女によって炎上させられそう
>>157
アイドル板あたりの住人からバカにされそう
鬼女のターゲットになるようなキャラじゃないでしょ
問題は、雑誌と一緒に写っている謎のウサちゃんロボだな
安部菜々(狼)板とか出来てんだろ
リアルに17歳()キャラがアレすぎてアンチも叩けないような…w
叩いてもファンに17歳だから仕方ない(慈愛の眼差し)って返されるみたいな
>>159
体型と見た目で嫉妬されても
明らかに背景どうとかじゃ嫉妬やら粘着受けないもんなww
こんな勝手に自爆しちゃう17歳キャラじゃ叩いた方が空気読めないみたいになっちゃうもんね…
マダカナー
早く続ききてくれー
風邪で寝込んでました、再開します。
今回は『菜々さんと色んなお仕事』編です。
!!(ガタッ
待ってた
P「菜々さーん」
菜々「はーい」
P「お仕事がまとまったんでミーティングしますよー」
菜々「はーい。ありがとうございま」
ドカァッ!!
菜々「多ッ!!」
P「そりゃそうですよ。今や菜々さんの人気はうなぎ上り。今使わないでいつ使うんだって話ですからね」
菜々「えーと……私、そんな有名でもないような?
一部のコアな方からの人気があるだけで」
P「そこですよそこ」
菜々「はい?」
P「ここに超高性能の洗濯機があったとします」
菜々「はい」
P「洗濯籠に入れておいてくれると自動で洗濯、洗剤も全て自動で処理してくれます」
菜々「便利ですね」
P「ついでに汚れを完全に落としてくれ、次に洗う時期も教えてくれます。
洗剤も自動で発注してくれます」
菜々「ちょっとすごすぎますね」
P「で、価格が50万円」
菜々「それはちょっと流石に高いような……」
P「もうひとつは普通の洗濯機です。ボタン押さないと動きませんし、
洗剤も自分で入れます」
菜々「普通ですね」
P「こっちが6万円」
菜々「微妙ですね……」
P「どっちがいいですか?」
菜々「そりゃ、用途によるんじゃないですか?私はたぶん6万円買いますけど……」
P「それと同じです」
菜々「全然違いません!?」
P「いや似たようなもんなんです。需要と供給のバランス、これって結構重要なんですよ」
菜々「ほえー……」
P「別に菜々さんより売れ筋のアイドルは嫌ってほどいます。確かに。
ですがやっぱり、そういう人を起用するのってお金がかかるんです」
菜々「そんなにかかるもんなんですか?」
P「えーと、調べによりますと、高い人で2000万~5000万」
菜々「は!?」
P「CM一本」
菜々「は、はぁ!?」
菜々「い、いい家買えるじゃないですか!!なんでアイドルやってるんですか!
そのお金貯金して個人向け国債買いましょうよ!!」
P「菜々さん落ち着いてください、17歳は個人向け国債とか言いませんから」
菜々「は、す、すみません」
P「そういや菜々さん、一時期極貧生活経験してるんでしたっけ」
菜々「いえ、別に極貧ってほどでも。ただバイトしながら養成所通ってた時は確かにきつかったです。
就職したって言った手前、親から仕送り貰う訳にもいかず……」
P「それは結構大変でしたね……」
菜々「まぁ、養成所も結構勉強になることは多かったので、今となっては良い経験ですよ」フフン
P「ならいいんですけど」
P「で、話を戻しますが」
菜々「はい」
P「菜々さんはそういう人に比べると滅茶苦茶ギャラが安いわけですよ」
菜々「まぁ2000万とかいう頭おかしいのと比較するとそうですが……」
P「さて、ここで問題です。我々は、『何を』売っているのでしょうか?」
菜々「へ?」
P「私たちだってお仕事をする以上、『何か』を売ってるんです。
その『何か』に高い価値があるから、菜々さんにギャラがいくわけですよ」
菜々「ゆ、夢……?」
P「アイドルとしては最高の回答ですが、はずれです」
菜々「ちぇー」
P「答えは、『イメージ』です」
菜々「いめーじ……」
P「たとえば……このお菓子知ってますか?」
スッ
菜々「あーこれ、この前○○さんがCMしてたやつじゃないですか。
そりゃあ知ってますよ」
P「ニヤァ」
菜々「ひっ!?な、なんですか!?」
P「今菜々さんはそのお菓子と○○さんを結び付けて考えましたね?何故ですか?」
菜々「そりゃ、○○さんがCMしてるから……」
P「○○さんは製造に関わってますか?」
菜々「え?そんなわけないじゃないですか……あっ」
P「気づきましたか。そういう事です。本来関係ないアイドルが、まるでそのお菓子のイメージそのものとなっている。
不思議な現象ですね?」
菜々「た、確かに……」
P「そのアイドルが好きな人は……必然的に結びついたお菓子にも良いイメージが沸きます」
菜々「あー……」
P「良いイメージがするのに……嫌いだなんて人は少ないですよね。
そうすると、必然的に売り上げも伸びていくわけです」
菜々「な、なるほど……」
P「他にもさまざまな要因はありますが……とにかく大々的に人気タレントを起用してCMを打てば、
ほぼ100%、しかも滅茶苦茶売り上げは伸びるんですよ。そりゃあどこだって打ちたがりますよね」
菜々「ほえー……」
P「そんなものすごい広告に、菜々さんも選ばれているというわけですが」
菜々「CMも来てるんですか!?」
P「全国区ではないですけどね」
菜々「う、うわぁ……逆に怖いんですけど……私もうサングラスなしで外歩けなくなるじゃないですか」
P「菜々さん、今でも結構有名なんで、軽率な行動は慎んでくださいね?」
菜々「え!?おひとり様1パックの卵、買ってから家に帰ってもう1パック買うのも駄目ですか!?」
P「卵くらい買えるお金渡してますよね!?」
菜々「つ、つい……」
P「考え方自体はいい事なので……これからは卵は高くても2パック目は定価で買ってください」
菜々「うぅー……」
P「そこまでですか……」
P「あと家に帰ったらリセットされるみたいな考えはどこから来てるんですか」
菜々「レジも変えてますよ」フフン
P「ふふんじゃなくって」
菜々「なんというか……東京にいた頃、お金に困ることが何度かあって、
その結果……」
P「やっぱ染みついてるんじゃないですか!」
菜々「違います!これは努力の結果です!」
P「間違いではないですけど!」
菜々「むー……」
P「まぁとりあえず、卵とかの話はおいておいて、お仕事の話戻りますね」
菜々「あ、そうでした」
P「正直な話、こちらで結構断ってるのもあるんですけど、一応検討しておきますね」
菜々「え、私、なんでもやりますよ?」
P「まず、『ポロリもあるよ!アイドル温泉旅行!モザイクなし!』なんですけど」
菜々「却下で」
P「そういうと思ってました」
菜々「なんですかそのすげぇAVみたいなタイトルは。ソフトオンデ○ンドですか」
P「菜々さん今あなた18歳未満ですから」
菜々「はっ」
P「最近はタオルなしで温泉に入る番組も流行ってまして」
菜々「いやいや……本当ですか?」
※タオル無し温泉番組はマジであります
P「まぁ確実に断ると思ったのでこちらから断りを入れておきました。
いざ菜々さんがやるとなったら、あとから連絡を入れても大丈夫ですしね」
菜々「(正直裸を見られたくないと言うより、肌を晒したくないという気持ちが……)」
P「次なんですが……このあたりどうしますか?断るだろうと思ってた仕事の群ですが」
菜々「一応聞かせてください」
P「女性用かつらのCM」
菜々「おい」
P「菜々さん、口調」
菜々「あ~♪ご、ごめんなさいキャハッ☆」
P「やっぱりですか」
菜々「当たり前ですよ。何歳だと思ってるんですか私を」
P「17歳ですが」
菜々「ならいいんです」
P「次が、『美魔女特集 半世紀生きたJK!?』って特集なんですが」
菜々「おい」
P「菜々さん」
菜々「はっ!!きゃ、キャハッ……」
P「まあ……気持ちはわかります」
菜々「流石に半世紀も生きてません。マジで」
P「はい、大丈夫ですから……わかってますから」
菜々「人をどこかの吸血鬼のような扱いしないで欲しいと関係各社に伝えてください」
P「伝えておきます」
P「続いてですが、下着のモデル」
菜々「えっ……」
P「あとついでにその着用した下着を販売」
菜々「ブルセラか!!!」
P「菜々さん!!平成生まれの人がついてこれませんよ!!」
菜々「はっ!!」
※ブルセラ:ブルマ・セーラー服の混声語。女子中高生の使用済み下着を販売する『ブルセラショップ』が
1990年代から広がりを見せるが、93年、同店が摘発されたことなどを理由に衰退。今はたぶん死語。
P「どーも関係各社が菜々さんのスタイルを気にしているようで……すみません」
菜々「うう、べ、別に体に注目されるのは女の子として悪い気はしませんが……なんかこう、
もっと健全なルートはないんですか」
P「ありますよ、お弁当会社のイメージキャラ」
菜々「一気にド健全になりましたね!?」
P「『50年変わらない母の味』を売りにしている老舗のようです。少し値は張るものの、確かにおいしかったです。
今度菜々さんもいかがですか?」
菜々「なんというか売り出し方が腑に落ちない部分はありますが……その仕事はお受けします」
P「はい、こっちはたぶん受けるだろうと思っていたのでほぼ契約は終わってます。
あとは本人確認の書類とか直接会って話す事とかもありますんで後日。アポイントを取っておきますね」
菜々「本当フットワーク軽いし仕事の選別完璧ですよねプロデューサーさん……」
P「いや別に……むしろこれくらいできないとプロデューサーはやっていけないでしょう?」
菜々「(この人ちょっと前までコンサルタント会社にいたような……)」
P「続いて、レジャーランドで一日ライブ」
菜々「おー、これも健全そうですね」
P「水着で」
菜々「う、うぐぅ……」
P「やっぱり……」
菜々「な、なんですかそのやっぱりは!」
P「いや、何か露出系の仕事は駄目かなと思って、基本的に受けてません」
菜々「やっぱりよくわかってるんですね」
P「じゃあこっちにしますか、ラバーストラップ」
菜々「むしろなんですかそのお仕事は!?」
P「菜々さんをモチーフにしたラバーストラップを地元で販売します。
ほら、落花生抱いてて可愛いでしょう?」
菜々「わー可愛い……ってやっぱり地元寄りなんですね」
P「いやぁ、やっぱそういうイメージがついてると、どうしてもそっちよりの仕事が多くなってくるもんですよ」
※こんなの。運が良ければお近くのコンビニでお買い求めできます。
ttp://i.imgur.com/8PddhNM.jpg
P「えーっと次は……お、これいいですね、ネット広告」
菜々「へぇ、どんな会社ですか?」
P「化粧品会社とサプリメント会社から来てます」
菜々「なんかその組み合わせに悪意を感じるのは私だけですか?」
P「偶然のハズなんですけど何故か気持ちがわかってしまうところが」
菜々「できる限り受けますけど……写真だけ使って無茶苦茶書かれたりしませんよね?」
P「そこは大丈夫です。広告内容は完全にこちらに委託するという事です」
菜々「そういうもんなんですか?」
P「えーと、そこはまた難しいお話になってきます。会社にもよるんですが、自社の『広報部』で
広告関連業務を行う事から、所謂、『広告代理店』に委託するやり方、
通常アウトソーシングと呼ばれるものが……」
菜々「ちょっと混乱してきました」
P「ですよね。まぁ今回はうちの系列会社に頼めるという事ですよ」
菜々「系列?」
P「うちの会社の、子会社って感じですかね。
とりあえず、指示は100%通りますし、なにより知り合いが多くて具体的な注文を付けられる所がなお良しですね」
菜々「(この人そろそろ何者なんだろう……)」
P「とりあえずこちらで、菜々さんが気に入りそうな感じの広告イメージを試作して、
それを提案する形でいくことにしましょう」
菜々「え、そんなお任せして大丈夫なんですか?菜々のわがままに付き合ってもらっちゃうみたいな……」
P「それでいいんです。菜々さんは広告塔、つまり顔なんです。もう貴方の一言で、
仕事を受ける、受けないのレベルまできつつあるんです」
菜々「え、ええ!?い、いつのまに……!?」
P「人気絶頂……とまではいきませんが、人気爆発寸前、
トップアイドルはもうすぐそこまで迫っています」
菜々「な、なんだか実感沸きません……」
P「そういうものです。人間だれしも、夢中になっている時ほど、
自分を客観的に見づらいものです」
菜々「ほえー……」
――――――
P「さて、とりあえずこれでひと段落終わりましたが……
あとでスケジュールチェックをかねてもう一度お仕事を吟味しましょう」
菜々「なんというか……スケジュールの都合で断るお仕事があるってのは勿体ない気もします。
正直私としては、色んなお仕事があるだけでありがたいんですが」
P「その気持ちは大切です。でも流石に全て受けていては菜々さんが持ちませんからね。
それでは本末転倒だ」
菜々「う……返す言葉がありません」
P「あ、もちろん責めてるわけではありませんよ!菜々さんのその心がけは大切です。
これからもずっとその気持ちでいてください」
P「さて……僕はこれから社長とお話があるので」
菜々「社長と?」
P「ええ、新たな事業について、少しお話が」
菜々「へぇー……菜々にはちょっと難しそうですね」
P「あはは、そうかもしれません。気楽に構えていてください。
事業と言っても長期的、まだまだ先のお話ですから」
菜々「まぁ菜々の力が必要になったらいつでも頼ってくださいね!」
P「もちろん!」
――――――――――――――
ダンッ!!
社長「……」
P「試すようなマネをして申し訳ありません、ただ……」
社長「私なら、できると思った、と……」
P「そういう事です」
社長「ははは。無茶を言いなさる。だが……貴方の行ってきた事業は、過去一つたりとも失敗していない。
これもその事業に当たるのですかな?」
P「……必ず成功するかは、正直解りません。
しかし、このやり方に可能性を感じたことは確かです」
社長「……敢て、新しくプロダクションを作り、アイドルを育成する。
この状況下でこんな考え方ができる人間もそういますまい」
P「金銭面はご安心ください。我グループが総力を挙げて支援します。
貴方は新人の育成にのみ注力してくれればそれで十分です」
社長「……やってみましょう。で、そのためには」
P「この100ページ超のリストから、アイドルを適当に選んでください」
社長「ははは。本当に無茶苦茶を言いなさるな」
P「すみません……この900人は、私が可能性があると感じてピックアップした
新人です。この子らのうち……誰かはわかりませんが、すごい才能のある子がいるはずです」
社長「……私が、それをなんとなくで当てるのですか」
P「貴方なら……できるはずです。私よりもアイドルを長く見てきたあなたなら」
社長「わかりました、やってみましょう。正直私も、アイドルに関してはそこまでくわしくない。
しかし、そこまで熱意のある若者の言う事をむげにすることは、とてもできない」
P「社長」
社長「……えーと、この子は?なんというか『オーラ』を感じませんか?」
P「この子ですか?まだ小学生くらいだと思いますが……でも確かに、
『何かしでかしそうな』感じはしますねぇ」
社長「でしょう!この子いっときましょうか!」
P「か、軽っ!?」
社長「アイドルプロデュースなんて、深く考えない方が良かったりもすることがあります。
『ティンときた』それが一番重要だと……私は考えています」
P「わ、わかりました。とりあえずこの子と連絡が取れるか、確認しておきますね」
社長「よろしくお願いします」
――――
今回はここまでです。次回は
『菜々さんと……トップアイドル?』です。果たして菜々さんは、無事トップアイドルになれるのでしょうか……?
おっつおっつ
ナナサンハオトナナオシゴトノイライモクルステキナJKデスヨ?
>小学生くらいと思いますが
杏来るか...
>>1乙、体調大丈夫?
相変わらず面白くて好き、更新心待ちにしてます。
続ききてた!
モバマスは見た目はjs、中身もjsがたくさんいるからなぁ
Pも女子小学生だからな
…完結するよね?
ま、まだ一週間だから・・・
心配かけて申し訳ないww最近地味に忙しくて……。
再開します。本日は『菜々さんと……トップアイドル?』編です。
ちなみにそろそろ終盤です。次回~次々回が最終回の予定です。
待ってた
P「はいもしもし、こちらCGプロです」
P「はいお仕事のお話ですね。私がマネージャーですのでそのまま承りますよ」
P「わかりました、明日の午後で」
P「はい、住所はHPに記載してある通りですが……」
P「はい、はいわかりました。ありがとうございます」
ピ
P「ふむ……」
P「(なんだろうか?気のせいか仕事が地味~に減っているような)」
P「(でも菜々さんの仕事ぶりに問題はないし……優秀な新人でも来ない限りそうそうないはずだけど)」
P「(……いや、別に新勢力とかないしな)」
P「気のせいだろ」
カチカチ
P「ん?」
P「あれ、これ……この前社長が選んだアイドルの」
P「へー、もう話題になってるのか。早いな」
P「……え?もう話題になってるのか?ちょっと待て」
P「……早すぎないか?」
ガチャー
菜々「おはようございまーす」
P「あ、ああ菜々さんおはようございます」
菜々「どうしたんですか?顔色悪いですよ?」
P「いえ別に……ちょっと珍しい事があっただけで」
菜々「あれ?これって」
P「え?菜々さん話しましたっけ?」
菜々「え?何の話ですか?」
P「この子ですよ。日高舞ちゃん。別会社で社長にプロデュースを任せた新人アイドル」
菜々「あ、この子がそうだったんですね!」
P「どういう事ですか?」
菜々「どういう事って……今ネットで話題になってるじゃないですか。
『超大型新人アイドル』って」
P「!?」
日高舞(※画像は29歳当時。モバマスには登場しません。時代が違うため)
ttp://i.imgur.com/a4Q2byG.jpg
P「待ってください、社長がプロデュースを開始したのは……1週間前の話ですよ?
そんなに早く話が回るもんなんですか?」
菜々「見てないんですか?『新人のど自慢大会』」
P「ああ……そういえば、今週分はまだ」
菜々「あそこで圧倒的な実力を見せつけた新人の子がいて、
それが舞ちゃんですよ」
P「そんなにすごかったんですか?」
菜々「プロが泣いて土下座する程度には上手かったなぁと記憶してますねー……」
P「!?」
菜々「でもプロデューサーさん、すごいですね。そんな大型新人引き当てるなんて」
P「いや、引き当てたのは僕じゃありません、社長です」
菜々「じゃあ社長がすごいんですか……」
P「(よく考えれば不自然でもなんでもない、社長は俺と知り合う前に、菜々さんの才能を見ぬいている)」
P「(単純に『才能をみつける才能』に溢れていたのか……本人は無自覚だと思うが)」
菜々「どうしたんですかプロデューサーさん、すごい険しい顔してますよ」
P「あ、ああすみません」
よりによってオーガとか難易度ベリーハードなんですが
菜々「でも一週間前にアイドル初めてここまでくるなんて……
よほど才能があったんですね!うらやましいなぁ……」
P「(いや……才能があるどころの話じゃないだろ)」
P「(一週間で少し有名になるなんて……もはや神業だ)」
P「(偶然である事を祈りたい、が……)」
菜々「姉妹会社って事は私の後輩ですか?」
P「間接的にはそうなるかもしれませんが……基本的には無関係ですよ」
菜々「残念です……ちょっと一緒にお仕事してみたかったなぁって」
P「(今一緒にお仕事か……どうなる?)」
P「(いや、今はともに『新人』、である以上……『食われる』ことも想定に入れないといけない)」
P「(危ない橋は渡れない)」
P「うーん、共演とかはちょっと……」
菜々「別にドラマのお仕事とかじゃなくても大丈夫ですよ?」
P「いや、今はやめておいた方がいい気がします」
菜々「え、何か問題でもあるんですか?」
P「いや……勘です」
菜々「勘?」
P「正直この子……舞ちゃんは、今まで見たこともないような何かを感じるんです」
菜々「才能があるってことですか?」
P「おそらくそうだと思います。ですがこれは、正直ちょっと、異常です」
菜々「異常?」
P「口では説明しづらいですね。感覚的なものなので。
ですが普通……どれだけ才能のあるアイドルでも、一週間なんかじゃテレビは愚かライブすらしません」
菜々「練習とか、レッスンとかありますしね」
P「彼女はたった一週間で……しかもまだ力を隠している」
P「末恐ろしいんですよ。若い子ってのはすぐに頭角を現す」
菜々「……」
P「な、菜々さんも若いじゃないですか!!」
菜々「あ、お世辞はいいですから……」
P「……」
めちゃくちゃな設定の犠牲になったおばさんか
P「とりあえずお仕事のお話をしますか、今日も色々来ているので」
菜々「最近はプロデューサーさんが取りに行くっていうよりも、
向こうからくる感じなんですね」
P「良さそうなものは探してますが、最近は選別してますね。確かに」
―――――
P「はい、じゃあこのくらいで、スケジュール大丈夫ですか?」
菜々「はい、先月よりむしろ楽なくらいです」
P「……(え?)」
菜々「どうかしました?」
P「ああ、いや」
P「(そういえば、そうか……)」
P「(気のせいか?菜々さんの仕事が減っているような)」
P「(いや、今回営業を敢て少なくしたから……)」
P「(嫌な予感がする、杞憂であればいいが……)」
―――――――――
P「はい、はい……」
P「ええ……わかりました」
ピ
P「(おかしい、露骨だ)」
P「(最近仕事の減りが露骨に見える……)」
P「(何か問題を起こしたか?いや、菜々さん自体に問題はない、むしろすこぶる調子がいいくらいだ)」
P「(俺か?いや、俺の方も問題はない、圧力をかけるような事は避けている。
むしろ圧力を感じているなら仕事を無理にでも受けてくれるはず)」
P「(別の要因か……)」
P「……日高舞」ボソ
P「いや……考えすぎだ。あの子はまだアイドルになってひと月ほどだ。
こっちの仕事に影響が出るほどの事があるわけがない」
ピ
TV『どうして……どうしてこんな事を!』
P「……ドラマか、最近のドラマはどうしてこういちいち人が死ぬんだろうか」
P「そろそろこういうのでなく人が何故か生き延びるような不条理モノを……」
P「……え?」
TV『お母さん!おかあさぁぁぁん!!』
P「……こ、これって」
ガチャリコー
菜々「おはようございます!あ、プロデューサーさんも見てるんですか?それ。
いやぁ昼ドラって面白いですよね~。私もついつい録画して見ちゃいますよ~」
P「こ、これはどういう事ですか?」
菜々「はい?何がですか?」
P「この少女役の子どもですよ!これはどう見ても……」
菜々「舞ちゃんですけど、それが?」
P「……―――ッ!?」
ガタンッ
P「そんな……バカな!ありえない!!」
菜々「どど、どうしたんですかプロデューサーさん!」
P「何を言ってるんですか!この子のデビューは一か月前!
ドラマを撮影する時間なんてあるわけないじゃないですか!」
菜々「え?ドラマって、一週間前とかに撮られたりしません?」
P「だからですよ!構想があり、撮影がある。つまり配役は構想段階でできているはずだ!」
菜々「そうですね」
P「じゃあどうして……どうしてここに舞ちゃんがいるんです!?」
菜々「わ、私に聞かれても……」
P「……す、すみません。取り乱しました」
菜々「あはは、大丈夫ですか?最近疲れてません?プロデューサーさん」
P「少し疲れているのもあるかもしれません。仮眠をとります」
ガタッ
スタ、スタ、スタ……
ガチャ バタン
菜々「……プロデューサーさんは、菜々のお仕事の心配をしてくれてるみたいですけど」
菜々「私からすれば、貴方の方が、心配です……」
―――――――――――
P「(まずい……)」
P「(菜々さんの仕事が、目に見えて減ってきた)」
P「(キャラクターが被らないだろうと油断したのが浅はかだった)」
P「(あの子……舞ちゃんはキャラクターがどうとかそんなレベルじゃない)」
P「(仕事という仕事を全て根こそぎ持って行かれているかのような気分だ)」
P「(ラジオや特殊な仕事は繋ぐことができるが……ゴールデンが厳しいぞ)」
P「(しかし……本当に彼女は何者なんだ?たった数か月でここまで人気を博したアイドルなんてそうそういない)」
P「(日本史の教科書にでも載るんじゃないかって勢いだぞ……)」
P「クソッ!」
ダンッ!
菜々「……」
―――――――――――
P「(まずい……)」
P「(菜々さんの仕事が、目に見えて減ってきた)」
P「(キャラクターが被らないだろうと油断したのが浅はかだった)」
P「(あの子……舞ちゃんはキャラクターがどうとかそんなレベルじゃない)」
P「(仕事という仕事を全て根こそぎ持って行かれているかのような気分だ)」
P「(ラジオや特殊な仕事は繋ぐことができるが……ゴールデンが厳しいぞ)」
P「(しかし……本当に彼女は何者なんだ?たった数か月でここまで人気を博したアイドルなんてそうそういない)」
P「(日本史の教科書にでも載るんじゃないかって勢いだぞ……)」
P「クソッ!」
ダンッ!
菜々「……」
今酷い連投ミスを見た
―――――――――――
カタカタカタカタカタカタカカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタ……
P「……」
カタカタカタカタカタカタカカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタ……
P「……ふむ」
タンッ
P「なるほど、な……」
P「脅威どころの話じゃないな。このペースで人気が上がれば、
一枚目のCDがオリコンもありうる」
P「叩くなら今しかない、か……」
P「もしここで叩き潰し」
P「完膚なきまでに打ちのめせば」
P「……いや、しかし」
P「……」
P「どうする……」
P「やるのか?『LIVEバトル』を――――」
今回はここまでです。次回は『菜々さんVS……(ななさんとだれか)』編です。
スローペースなのは元からなので、気にせずゆっくりとお待ちください。
完結まで楽しみにしてる
今気づいたけど、スレタイトルには「菜々さんがトップアイドル」とは書かれてないんだな
>>208
確認して「え」ってなった
マジですか?
でもオーガって17歳前に妊娠引退してたような
他に誰か来るのかな
そもそもオーガの時代に年齢ネタが完成されてるんですがそれは
29で13の子持ちとかいう
オーガが凄すぎたためにアイドル時代の小鳥さんが芽が出なかったんじゃないかという話は良く聞く
再開します。
今回は『菜々さんVS……(ななさんとだれか)』編です。
――――― LIVEバトルとは ―――――
基本は複数のアイドルユニットグループ同士の戦いである。
もちろん、これは公のイベントとしての戦いではない。
公に対しては『合同ライブ』と称される。
二つの異なるアイドルユニットがともにライブをし、
どちらも楽しんでやっているかのように見える。
しかし、その実態は黒く汚い芸能界の闇だ。
LIVE中の声援は『声援ポイント』として謎の機械でカウントされる。
その声援ポイントの少なかった方が―――――― 『敗者』 となる。
敗者となればどうなるか。
まずは『会場代』として、多額のマニーを請求される。
無論、拒否権はない。
そして『目の前で自分たちのアイドルよりも声援の高いアイドル』を見せつけられたファンのいくらかは、
『勝利』したほうのアイドルたちのもとへ行く。つまり、ファンを奪う事ができるのだ。
さらに、これは任意だが、契約上の取り決めさえあれば『好きな衣装を一着奪う』ことさえできる。
この制度を利用され、全ての衣装を奪い尽くされたプロダクションも少なくない。
更に恐ろしい事に、このLIVEバトル
同じ相手とは一日三回まで、という制約を除き
『基本的にはそれ以外の制限がない』
つまり。
相手プロダクションが破産するまでマニーを奪おうが
相手アイドルグループからファンがいなくなるまでLIVEバトルを行おうが、
前述した通り、全ての衣装を奪い尽くそうが
自由なのである。
もちろん、あまりにレベル差のあるプロダクション同士の戦いだと、
ファンからの『ブーイング』がおこる。
こうした場合は、LIVEバトルは成立せず、ただのライブが開かれるのだ。
P「……」
P「……」
P「……」
P「(負けてもらう事自体は簡単だ。向こうプロダクションの出資元をたどれば俺、
供給を切ってしまえばいいだけのこと)」
P「(しかし)」
P「(それは完全に、菜々さんに対する『否定』だ)」
P「(だがここで……ここで潰しておかなければ)」
P「(『新人』としての立ち位置を奪われ、今まで積み上げてきたものが台無しになる)」
P「(どうすれば……)」
ガチャー
菜々「おはようございまーっす!
……どうしたんですか?難しい顔して」
P「あ、ああ、すこし考え事を」
菜々「プロデューサーさん」
P「はい」
菜々「……辛かったら、いつでも菜々を頼ってくれて構わないんですよ?」
P「!?」
P「別に、そんな事は……」
菜々「プロデューサーさん!」
バンッ!
P「!!」
菜々「ウサミン星人に……ウソは通用しませんよ?ウソミヌクン星人……な、なんちゃって!」
P「……」
菜々「……」
P「……」
菜々「えっと、あの」
P「ぷっ」
菜々「え」
P「はは……あははははは!ウソミヌクンて!語呂悪いし!なんですかそれ!」
菜々「も、もー!こっちだって必死なんですよ!?」
P「(親父ギャグについては突っ込まないでおこう)いや、すみません、面白くて」
菜々「そんなに面白かったんですか?」
P「ええ、自分が考えてた事がどうでもよくなりました」
パサッ……
菜々「あ、書類落としましたよ」
P「あ」
菜々「え……これって」
P「ああ、それはもう……」
パヂィィンッ!!
P「!?」
菜々「プロデューサーさん!なんですかこれは!」
P「(い、いきなり殴られた!)」
P「そ、それはですね……」ヒリヒリ
菜々「ふざけないでください!LIVEバトルなんて本気でやるつもりだったんですか!?」
P「いひゃ、いやそんな事はないです。ちょっと資料を読んでいただけです。
さっきの菜々さんの言葉で、まっひゃくやる気なくなりましたから」ヒリヒリ
菜々「えっ、じゃあ殴る意味なかったんですか」
P「いや、べひゅに構いませんよ」
菜々「あわわわわ……ごめんなさい!」
P「(ていうか菜々さんやたら腕力つえーな)」
P「いいんです、一瞬でも考えなかったといえば嘘になりますし」
P「LIVEバトルをしようという気持ちがあったことは事実です」
菜々「今は」
P「あるわけないじゃないですか」
菜々「ですよね!よかった!」
P「本当言うと、ただ単に怖かっただけなのかもしれません」
菜々「怖かった?」
P「はい、自分じゃ菜々さんをトップアイドルにできないかもしれない、
このチャンスを逃すと、次いつになるかわからない……という」
菜々「……」
P「ぶっちゃけ、もうあと三年以内に舞ちゃんに勝てなければ、
このまま向こうが勝ち逃げして終わります」
菜々「そこまでですか」
P「というか、あの子がいる間は、あの子以外には『トップアイドルの称号はない』
と考えていただいても結構です」
菜々「そこまでですか!?」
P「彼女は才能とかそんな次元のものではない。ちょっとした奇跡なんです。
おそらくですが、出すCDは全てミリオンヒット、LIVEチケットは3ケタで取引されることもあると思います」
菜々「そこまでですか!?」
P「今の人気を見ればわかります。うなぎ上りどころではない。
下手をすれば歴史上もっとも魅力のある人物といっても過言でないかもしれない。」
菜々「そこまでですか!!!???」
P「これはもう、事実上の敗北宣言です」
菜々「……」
P「例えば、3年以内に舞ちゃんが子どもでも作って
『アイドルやめちゃおー☆』とかならない限り、彼女の人気は不変です」
菜々「それはありえませんね」
P「弱気になっているだけのようにも見えるかもしれませんが……
私には、いや私だからこそわかります。彼女の人気は揺らがない」
菜々「なら、気にしなかったらいいじゃないですか」
P「え?」
菜々「あの子にはあの子の、私には私のやり方があります」
P「……確かにそうですが」
菜々「プロデューサーさん」
P「はい」
菜々「さっきから、何と戦っているんですか?」
P「え?」
菜々「最近ずっと、プロデューサーさんが何かと戦っているような気がしてならないんです」
P「……」
菜々「それは果たして舞ちゃんなのか、この現状なのか……詳しい事はわかりません、でも」
P「……」
菜々「私はただ、アイドルをやりたいだけなんです。誰かを潰す必要も、
無理に何かをしてもらう必要も、何もないんです」
P「……菜々さん」
菜々「舞ちゃんだって、常に全国に存在できるわけじゃありません!
彼女ができない分は、兄弟プロダクションである私たちが埋めないと!」
P「そう……ですね!」
菜々「さぁプロデューサーさん!ミーティングをしましょう!
お仕事の依頼はたくさんきてますか!?」
P「はい!減ったとはいえ、菜々さんが5人くらいいないと仕事はこなせませんよ!!」
菜々「えぇーっ!?」
―――――――――――――――
菜々さんは天使というよりオカンやな
―――――――――――――
―――――――――――
―――――――――
―――――――
―――――
――――――― 3年後 ―――――――
P「あ~いっそがっしいっそがっし」
P「菜々さんへのオファーも増えたなぁ……そら3年ずっと見た目変わらないもんな」
P「う~ん……仕事の選別が難しいなぁ……」
ガチャンッ!!
菜々「おはようございますッ!!プロデューサーさん!!今朝のニュース見ました!?」
P「はい?なんですか?」
菜々「舞ちゃんが引退!熱愛で……子どもがいるとか!!!」
P「……菜々さん、今日別に四月一日どころか四月ですらないですけど」
菜々「本当なんですって!!テレビつけてください!!
ていうかネットでもニュースになってますよ!?」
P「ずっと仕事してたんで……」
ピ
TV『なんと、あの国民的トップアイドル、日高舞ちゃんが、
突然の引退表明です』
P「……ホワッツ?」
TV『各社からの情報によると、ある男性との関係があきらかになったようで、
一部では『すでに妊娠している』との情報も入っています」
P「まっさかー。舞ちゃん大人っぽくなったって言っても、じゅう、ろ……」
P「あれ?」
菜々「気づきましたか?」
P「……こ、この子、おなか、膨らんでません?」
菜々「ほんのりですが、間違いないですね」
P「え、じゃあ、も、もう……」
菜々「彼女ほどのアイドルが、単に太ったというのは考えづらいですよね」
P「……ウェーイ」
菜々「大丈夫ですか?」
P「ウェーイwwwwwウェーイwwwwワンチャンwwwwwwww」
菜々「ぷ、プロデューサーさん落ち着いてください!!」
―――――――――
P「……落ち着きました」
菜々「それはよかったです」
P「しかし、未だに頭の整理が……彼女ほどのアイドルが、何故、突然?
しかもできちゃった結婚て……そんな事するような子じゃありませんし」
菜々「女の子は、生まれながらにして女優―――」
P「え?」
菜々「舞ちゃんだって、アイドルという型からはずせばただの女の子です。
しかもあの子の演技力に関しては、全世界の俳優が土下座して爪の垢を煎じて飲むレベルですよね?」
P「……まさか」
菜々「そのまさかがあり得るんです。彼女だけは。
今までの生活、フライデー、取材、その全てが『演技だった』ということが」
P「いくらなんでも人間離れしすぎじゃあ」
菜々「同じ女として、わかる気持ちはあります。
人を好きになる事って、やめようと思ってもやめられませんから……」
P「ええ!?菜々さん熱愛報道とかやめてくださいね!?イメージだけで持ってるようなもんなんですから」
菜々「もちろんですよ!」
バシッ!!
P「なんで叩くんですか!?」
P「……ん?ということは」
菜々「どうかしたんですか?」
P「いや、ちょっと……」
カタカタ
P「あ、やっぱり」
菜々「なんですか?」
P「舞ちゃんが引退したので、菜々さんBランクアイドルからSランクアイドルに昇格ですね。
今までS~A全部舞ちゃん一人のランクだったので」
菜々「え」
P「事実上のトップアイドル群です」
菜々「……」
P「……おめでとうございます?」
菜々「……な、なんか納得いかないんですけど」
P「……ですよね」
菜々「まだまだ続けますよ!こんな漁夫の利みたいな形でなく、
自分たちの力で、トップを勝ちとってみせます!」
P「おお!その意気ですよ!」
菜々「協力してくださいね?プロデューサーさん!」
P「ええ、もちろん!」
―――――― しかし
P「……ゴホッ」
P「……?」 ギシッ
P「(体が……思うように動かない?)」
P「(まさか)」
P「(まさか、これは……)」
今回はここまでです。次回、Pに異変……?
(おそらく)最終回、『菜々さんと彼』編です。
乙
せっかくトップアイドルへの道が見えてきたというのに…
乙です
まさかこれは...。
花粉症...?
Pまで妊娠エンドかな
嵐の様にやって来て嵐のように去って行ったなオーガ
P…菜々さんに叩かれすぎてパンチドランカーに…
菜々「プロデューサーさん……きこえますか……?」
P「あれ……この声は……」
菜々「私です……ナナミンです……」
P「菜々さん……ウサミンと菜々をかけたんでしょうが別キャラになってますよ……」
菜々「実は私……プロデューサーさんに言わなくちゃいけないことがあります……」
P「なんですか……帰省についてなら早めに言ってくださいね……スケジュールの事もあるので……」
菜々「実は私……」
P「はい……」
菜々「 37歳なんです 」
P「…………」
P「 えええっ!? 」
ガバッ
P「……ゆ、夢か」
P「ああ、こわかった……そうだよ、菜々さんが37歳のわけないよな」
エイプリルフールです。菜々さんが37歳なわけないじゃないですか。
彼女は17歳、物語中でももちろん17歳ですよ!
それではもうすこししたら最終回『菜々さんと彼』編を始めていきたいと思います。
待ってた!
ぶっちゃけ、菜々さんは可愛いから何歳でも問題ないと思う
――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――
――――――――――
――――――――
P「菜々さーん!!」
ガッチャー
菜々「わ!な、どうしたんですか急に!」
P「来たんですよ!最新が!これ!」
菜々「え?何ですか?どうしたんですか?」
P「月刊アイドル、最新号ですよ!」
菜々「あ、もう発売されてたんですね。
私の特集とか載ってましたっけ?」
P「それもありますが……こっちをみてください!」
菜々「あ、これ……芸能人好感度ランキングですか?
これがどうかしたんですか?」
P「よく見てください、記事を」
菜々「へ?」
菜々「……ぎょえっ!?わ、私が一位ですか!?」
P「そうです!満を持して、菜々さん一位!」
菜々「これなら……」
P「その通り、今年こそ、『全日本アイドルアワード』でのグランプリが狙えます!」
菜々「わ、わー……もうこんなに近くまで来ちゃったんですね……」
P「夢は既に夢じゃありません、もう、あと一歩で届くところまで来たんですよ!」
菜々「あはは……まだ実感わきません」
P「あ、菜々さん、あと一時間で次のお仕事が……」
菜々「えっ!?あ、そうでしたね!行ってきます!」
P「いってらっしゃ~い」
P「いや~最近は仕事も忙しくなってきたなぁー」
ギシッ
クラッ
P「……ん?」
P「変だな、眩暈が……」
P「……疲れてるのか?」
P「おかしいな、前までこんなことはなかったんだけど……」
P「……まあ、仕事がひと段落したらゆっくり休むか!」
――――
P「……おっと、仕事の途中で寝てたのか」
P「って、毛布……?」
菜々「……」スー、スー
P「菜々さん……ソファで寝るとか風邪ひきますよっと……」
スッ
グラッ
P「!?」
ガッ
P「……(なんだ?今の激しい立ちくらみは)」
ギシッ
P「(しかもおかしい……体が思うように動かない)」
P「(俺の体に……何が起きてるっていうんだ?)」
P「(……いや、だがこんな所で菜々さんを心配させるわけにはいかない)」
P「(もうすぐ全日本アイドルアワード……それまでなんとか繋げばいいだけだ!)」
P「菜々さん」
菜々「ひゃい……?お母さん?」
P「違います、僕です」
菜々「……ひゃっ!?ぷプロデューサー!なんでここに!」
P「なんでってここは事務所です」
菜々「あ、私……寝ちゃってたんですね」
P「寝るならちゃんと仮眠室で寝てください。
アイドルアワードを風邪で欠席なんてありえませんよ?」
菜々「それはお互い様だと思うんですが……」
P「うっ……ま、まぁそんな事より、とりあえず、帰るか、寝るか、
早く選んでください」
菜々「仮眠室で寝ます……今何時かもわかりませんし」
P「わかりました。時間になったら起こします」
菜々「自分で起きますよ?プロデューサーさんもあまり寝てないんじゃ……」
P「ははは、僕は鍛え方が違いますからね。大丈夫ですよ」
菜々「でも……」
P「でもじゃなくて、ささ、寝てください、寝てください。ていうか歯磨きましたか?
ちゃんと寝間着ですか?」
菜々「お母さんですか貴方は!これが寝間着ですよ。変ですか?」
P「いや、何か私服っぽいなと……」
菜々「昔、普段着だったんですけど……最近はちょっとあれかなと思って寝間着にしてます」
P「ああ、最近はあんまり目立つ服着ていけませんもんね」
菜々「おかげさまで、有名になっちゃったので……」
P「それはいいことです、さ、さ、寝てください」
菜々「は、はーい……」
ガチャ バタム
P「さて、残ってる仕事を片づけたら自分も寝ないとな」
スッ ゴクゴク
P「……ゴホッ!」
P「(おっと、器官に入ったか)」
P「ゴホッ……ゴホッ!」
P「……(変だな、前までこんなことはなかったような)」
P「(最近何かしたかな?)」
P「(まあいいか、仕事仕事……)」
カタカタカタカタ……
P「(スケジュールの調整が大変だな……こりゃ明日も忙しくなるぞ……)」
カタカタカタ……
―――――――――――
P「菜々さん、朝ですよー」
P「(昨日はあまり寝られなかったが……それでも3時間は確保した)」
P「(あとは適宜仮眠でも入れれば大丈夫だろう)」
菜々「ふぁい……」
P「とりあえず顔あらって歯磨いて髪の毛……あっ、シャワーも浴びときましょう」
菜々「さ、流石に自分でできますよ!?」シャキッ
P「わかってますから、早く」
菜々「は、はーい!」
P「(最近時間に余裕がなくなってきたな……)」
P「(これはまずいな、どこかで仕事に休みを入れよう)」
P「(無理なスケジュールがたたって、菜々さんがアイドルアワード直前に倒れるなんて事があれば……)」
P「(考えただけでもぞっとする)」
菜々「準備できましたよ!」
P「早!」
―――――
P「えーと、来週の予定なんですけど」
菜々「はいはい」
P「少し緩めにしていこうかと」
菜々「え?どうかしたんですか?」
P「来週はアイドルアワードの撮影もありますし、あまり無理はできないかなと」
菜々「うーん……そうですね。できるなら、少ない方がありがたいかもしれません。
最近確かに肩こりなんかもありますし……」
P「ですよね。そうだろうと思って……で、調整なんですけど」
菜々「あの」
P「はい、どうかしましたか?」
菜々「それより、プロデューサーさんはちゃんと休んでますか?」
P「え?ま、まぁ……人並みには」
菜々「本当ですか?」
P「も、もちろん……」
菜々「……はー」
P「……」
菜々「わかりました、信じますよ」
P「(ほっ)」
菜々「質問攻めにしても無駄な事くらいわかってます」
P「うっ」
菜々「でも……本当に心配してるんですからね?」
P「えーと、すみません」
菜々「謝った!」
P「ぎくっ」
菜々「謝ったと言う事は……」
P「いや、別に大丈夫ですよ?ぴんぴんしてますし、ほらほら」
菜々「……そう言っていられるのは」
P「え?」
菜々「……いや、やっぱりなんでもありません。
とりあえず、無理しないでくださいね」
P「あはは……肝に銘じておきます」
――――――――――――――― 全日本アイドルアワード 当日
P「……つ、ついにこの日が」
菜々「はい……!」
ドキドキ
P「毎年来てるのに何故か緊張しますね」
菜々「毎年緊張しますからねぇ……」
ザワザワザワザワ……
P「おー……どこかで見たことのあるような顔がいっぱい」
菜々「もはや風物詩ですよね」
P「知り合いが多くて多くて」
菜々「私もよく見た顔が……私語禁止ですっけ」
P「禁止ではないと思いますが、
カメラ回ってる可能性はありますね」
菜々「うっ、それは困ります」
P「例年ではここは……あー全体の様子って感じで回してましたね」
菜々「微妙ですねぇ……」
司会「皆さん、本日はお集まりいただきまことにありがとうございます!」
P「(お、はじまったか?)」
菜々「(指示あったんですね、聞こえなかったです)」
司会「あ、本アワードの収録は結構お時間かかるかと思いますので……リラックスしていただいて結構ですよ」
P「(あ、そういうこと言うんだ)」
菜々「(ここはカットですねー)」
司会「皆さんご存知かと思われますが、一応今回もシステムをご説明しておきます」
司会「前のパネルをご覧ください」
司会「全日本アイドルアワード ではもちろん今年、もっとも素晴らしいとされるアイドルを、
皆様の投票によって決めていただくシステムです」
司会「これは毎年変わっておりません」
司会「もちろん、一般視聴者の皆様から、アイドル関係者の皆様まで、幅広い票を集めました」
司会「そのため集計に大変時間がかかってまことに申し訳ありませんでした」
P「(そうだよな、放送来週とかそんなんだった気がするぞ)」
菜々「(今日収録で来週放映って間に合うもんなんですかね)」
司会「それでは、今回も、様々な部門別で発表していきたいと思います!」
ザワザワザワザワ……
――――――――――――
司会「……以上、準グランプリの発表でした」
ワァアアアアアアア パチパチパチパチパチ
司会「皆さん、大変長らくお待たせいたしました」
司会「皆様はご存知かもしれませんが、本番組」
司会「事前に、受賞者の方に、『何の賞を受賞されるか』はお伝えしておりません」
司会「そのため、この賞を、どなたがとられるかは……」
司会「これから発表されるまで、誰もわからない、ということです……」
司会「それでは発表致します!」
司会「全日本アイドルアワード 女性部門!」
司会「栄えあるグランプリに輝かれたのは――――」
グラッ
P「……(え?)」
ドサッ……
司会「ウサミン星から来たアイドル!ウサミンパワーでメルヘンチェンジ!
ご当地××から世界を元気に!安部、菜々さんです!!」
ワァァァァァァァ!!
パチパチパチパチパチパチ
菜々「……プロデューサー、さん?」
ユサユサ
菜々「プロデューサーさん、プロデューサーさん!」
P「……」 シーン
司会「それでは安部菜々さん、ステージの方に……」
司会「……えっと?」
菜々「誰か!救急車を呼んでください!お願いします!」
司会「すみませーん、一旦カメラ止めてください!
何かトラブルのようです!」
―――――――――――――――――――――
P「はっ!!」
菜々「あ、起きました?」
P「あ、アイドルアワード……あれは夢だったんですか?」
菜々「あ、いえいえ。私がグランプリですよ!
ありがとうございます!これで夢見ていたトップアイドルです!」
P「……いや」
P「……待ってください、菜々さん」
菜々「はい?」
P「……僕が、倒れた後、」
P「菜々さんは……どうしたんですか?」
菜々「それはもちろん、受賞台に立ってトロフィーを貰いましたよ!」
P「……本当に?」
菜々「……」
P「……菜々さん、もしかして」
菜々「ごめんなさい」
P「……ッ!?」
菜々「あとで別撮りだそうです。お仕事増やしちゃって申し訳ないです……」
P「あ、その程度で済むんですね……まぁそんなもんか」
菜々「流石に、あのタイミング駄目だから受賞無しはひどすぎますよ……
上手く加工してくっつけてくれるそうです」
P「じゃあやっぱり……」
菜々「……そりゃ、心配ですから」
P「すみません、僕のせいで……」
菜々「謝る部分が違うと思いますけど」
P「うぐ」
菜々「あれほど無理するなって言ったじゃないですか」
P「でも、自分としては無理したつもりは……」
菜々「人間の体は脆くできています」
P「え?」
菜々「自分が想像するよりも、ずっと脆く……」
医者「起きましたか」
P「あ、す、すみません」
医者「あまり起き抜けに無理はしないように」
P「あ、はい……」
医者「で、貴方の症状ですが」
P「……(一体、どんな病気なんだ?)」
医者「ただの過労ですわ」
P「え?」
医者「無理がたたったみたいですわな。胃も悪くなってる。
こりゃしばらく休んだ方がいい」
P「……はー、びっくりしました。
もう最近体が言う事を聞かなくて、何かと思ったら、ただの過労だなんて……」
医者「……おや?その言いぐさ、まるで過労が大したことないかのように」
P「え?だってただの過労だって」
医者「そりゃあただの過労じゃ普通は平気ですがね。
あんさん、いまいくつだ?」
P「―――――――え?」
医者「過労は過労でも、ほっときゃ死ぬんですよ。
過労死なんて言葉があるくらいなんだから」
P「(俺は……いや、私は……)」
P「(いま、いくつだっけ?)」
P「(大学を卒業して、企業して、菜々さんと地方回って……)」
P「(舞ちゃんのすさまじさを目撃して、再出発して……)」
P「(それから……)」
菜々「プロデューサーさん、10年です」
P「え?」
菜々「舞ちゃんが引退してから、もう10年が経ったんです」
P「……え」
10年ってウサミン何歳だよ…
P「(10年)」
P「(そうだ、そうだったよな)」
P「(あれは確か、××年の事だから、計算すれば10年)」
P「(もうそんなに経っていたのか)」
P「……じゃあ、私は」
P「……」
P「(もう、40歳か……)」
P「……はは」
P「そりゃ、そうだ」
P「40にもなって、あちこち飛び回って」
P「何日もろくに寝ないで仕事なんてしてたら」
P「そりゃあ、倒れるに決まってる」
P「何をいまさら……当たり前の事を」
菜々「……ずっと思ってたんです」
P「……」
菜々「私にはわかりました、いつものように仕事を続けるプロデューサーさんが、
日に日に憔悴していくのが」
菜々「いつか、どこかで止めなきゃって、ずっと思ってたんです……」
菜々「それがまさか、こんな、こんな結果になるなんて……」
P「いやいや!まだ死んでませんし!ぴんぴんしてますから!」
医者「だねぇ。すごい体力だと思うよ。普通なら死んでてもおかしくない」
P「ヒィ」
菜々「……」ブワッ
P「菜々さん!?」
菜々「ぷ、プロデューサーさん……しなないで、死なないで、ください……」ポロポロ
P「死にません!死にませんから!」
10年前に17歳だから、17歳くらいじゃね
P「(そうか、40歳か……)」
P「(菜々さんの見た目が、最初会ったときからずっと変わらなかったから……)」
P「(麻痺してたのかもな)」
P「(ていうか菜々さんは何者なんだろう)
P「……あの」
医者「なんですか」
P「仕事は続けても大丈夫ですかね」
医者「無理をしなければ全く問題ないでしょう。今日を含めて3日くらいはここで安静にしてもらいますが」
P「……そうですか」
菜々「あの、私は別に大丈夫なので……」
P「はは、流石にそんなわけにもいきません」
P「そろそろ限界だったんです、私だけでプロデュースすることは」
菜々「そんな事……」
P「すみません、菜々さん、正直なところ、僕も年齢には勝てません」
P「今、10年前のような動きが出来るかと聞かれれば、無理です」
P「それどころか、また倒れるなんて事になりかねない」
菜々「……」
P「なんで、もういっそのこと、一気にプロデューサーも増やしましょう」
菜々「え?」
P「そうだ、アイドルも増やしましょう。舞ちゃんだって元は適当に選んだ女の子ですし、
あんな感じのダイヤの原石がいくらでもいるかもしれません」
菜々「え、あの」
P「ついでに事務員とかも増やしましょう。お金に強そうな人を……」
菜々「……」
P「菜々さんとは、二人三脚でこれまでがんばってこさせてもらったと思ってます」
菜々「……」
P「でもすみません、僕にはもう、頑張れるほどの気力は残っていない」
菜々「……そんな事」
P「これは、僕だからこそわかるんです。自分の事は、自分が一番よくわかってます」
菜々「……」
P「今までは何かの意地で、僕だけで仕事をさばいてきました」
P「流石にそれも限界みたいです」
P「ならいっそのこと、この経験を活かして、新たなアイドル達を発掘したい」
P「どうでしょうか、貴方の賛成さえあれば、僕はまた、頑張れます」
菜々「……」
菜々「遠回しな」
P「お別れですかね?」
菜々「……ふふ」
P「長い事一緒にやってきただけありますね。考える事が手に取るようにわかる」
菜々「プロデューサーさん」
P「待ってください」
菜々「なぜ」
P「どうせ、『私やっぱアイドル辞めます』とかそういう事でしょう」
菜々「う」
P「菜々さんはまだ続けられます。もちろん無茶な仕事はしません、
適度に入れる程度です」
菜々「……でも」
P「菜々さんはまだまだアイドルができるんです。貴方は……別にトップアイドルになりたかったわけじゃないんですよね?」
菜々「……!」
P「最初からわかってますよ。貴方はトップアイドルを目指していたんじゃない、
最初から、『アイドル』になりたかっただけなんでしょう?」
菜々「……!!」
P「自分の歌で、人々が喜んでくれる。
人々を笑顔にすることができる……」
P「それだけで十分、そういう風に見えましたからね……」
菜々「あはは、なんでも御見通しなんですね」
P「別になんでもってわけじゃないんですけどね」
P「貴方は続けてください。アイドルを……『夢』の続きを」
菜々「……」
P「僕は貴方のすぐ隣には並べませんが、
ずっとあなたを応援しています」
菜々「……はい」
医者「話は終わりましたか?」
P「あ、はい!」
菜々「ひゃ、ひゃい!!」
P「(完全に)」
菜々「(忘れてた!)」
―――――――――――――― 1年後
社長(元P)「む……この気配」
菜々「どうかしたんですか?」
社長「いや、これはトッププロデューサーの気配!すみません!ちょっとそこいく貴方!」
男「は、はい!?なんでしょうか!?何用でしょうか!?」
社長「いや、プロデューサーに興味ありませんか……?」
男「え?いや別に……自分、あまりそういうのは詳しくなくて」
社長「そうですか……とりあえず年収600万をお約束できるんですが」
男「え?ちょっと詳しく聞かせてもらっていいですか?」
社長「では事務所へ」
男「はい」
菜々「(すごい手際)」
――――――――――――――そしてなんやかんやあって2年後(要は現在)
社長「そして、今に至る、というわけです……」
P「そんなストーリーがあったんですね……」
ちひろ「確かにPさん、今では敏腕プロデューサーですよね……」
菜々「何人アイドルプロデュースしてるんでしたっけ……倒れたりしませんよね?」
P「え?あはは、俺は平気ですよ。何かスタミナドリンクさえ飲んでれば平気っていうか」
菜々「(あ、これ駄目なやつですね)」
社長「(敢て気にしないことも大切)」
P「何か色々おかしい上に、この事務所の潤沢な資金はどこからでてるのかと気になってたんですよね……」
菜々「確かに、ほいほいビル買って事務所増設して、
近くに土地とマンション買って女子寮って無茶苦茶してますよね」
社長「いやあ、うち(コンサルティング会社)の出資があるとはいえ、ほとんど菜々さんの儲けですよ」
菜々「え、そうだったんですか!?」
P「そりゃ、10年も20年も働いてれば……ん?」
ちひろ「どうかしました?」
P「いや……」
菜々「……なんですか?」
P「(菜々さんって……マジで何歳なんだろう?」
終わり
以上です! これで本編は全て終了となります!
ご愛読ありがとうございました!! 菜々さん17歳可愛い!!!
菜々さんがデビューしたのが17歳として
それから20年経ったとすると……
あべななさんjうわなにをするやm
乙
菜々さんも今年で17歳かー
乙乙!そうだよな、菜々さんが37歳なわけないよな!
面白かっただけに
オチが弱いのが残念
乙
社長と菜々さんに幸あれ
まぁオープニングで死ぬとか別れエンドがないのは
ある意味わかってたんだし、丸く収まるとこに収まったかなぁって
乙
面白かった
乙
大学出てて云十七ならよんじゅ、うわなにおすr(ミミミン!!
ふむふむ、初対面の時点で菜々さんは大学出てメイドをしてる17歳だったわけだろ?
そこから社長が大学卒業して起業してもどってきてスカウトして10年がむしゃらに走ったと
つまり今の菜々さんは17歳かな
菜々さんは17歳(哲学)
大卒メイド時代は17歳
↓
Pが大卒後(現役渡米ならP22~23歳で8月卒)の頃17歳
↓
オーガ子役時点で17歳
↓
3年後オーガ出来婚時点で17歳
↓
10年後、Pが40歳の時点で17歳
ウサミン星の1年(公転?)は地球の何十年に相当するやら
改めて乙
おもしろかった
ところで、HTML化依頼した?
おつ
"本編は"ってことはまだ別枠で続きがあるのかな?
今の菜々さんが世間ではどういう風に言われてるのか、また掲示板ネタとか見てみたいな
乙
やっぱり17歳ってすげーや
乙
やっぱり17歳ってすげーや
乙
やっぱり17歳ってすげーや
乙
やっぱり17歳ってすげーや
乙
やっぱり17歳ってすげーや
やっぱり17歳ってすげーや おつありです。
本編の他にも考えてはいましたが、
割合忙しかったのでサイドストーリーは没ということに……
HTML化はしてきましたよー
時間があるときでもいいのでサイドストーリー書いてくださいお願いします何でもしますから!
ん?今なんでもするって……
もうHTML化依頼してきちゃったので、またいつか別のスレとかで……書けたらいいですね!(書くとは言ってない)
こういう本家アイマスっぽい正統派プロデュース系のss少ないから次回作があるなら期待したいな
>>278 そこは『何でもしまむら!』だろ
ガチな話、
ネタ設定として37歳(公式の狙い?)、実際は27か28歳(中の人的に)、ウサミン星人は永遠の17歳
って所じゃね?
菜々さんは普通に会社員とかメイド喫茶とか経験してるしあのおかんオーラを考えても、恋人も居ただろうし非処女なんだろうなぁ
菜々さんは愛され系アイドルですね。
いいssだった、かけ値なしに
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