幼馴染「へー、最近、男くんいじめられてるの!」
幼馴染「でもそれ、私ちゃんにはカンケーないよね?」
友「お前……白状な奴になったな」
幼馴染「だってあんなデブ遅かれ早かれ社会から抹殺されるだろうし、それなら早い方が本人にとっても幸せなのよきっと」
友「小学校のとき、お前がいじめられてるのを助けたの、あいつだったよな?」
幼馴染「そんな昔のことを引き合いに出して、何が言いたいのかなこの馬鹿は?」
幼馴染「そもそもそんなに気になるならあんたが助ければいいじゃないの? そこまで考えが及ばないほどポンコツなの?」
幼馴染「ひょっとして、私ちゃんに話しかけたくて、そんな難癖つけてきてるのかな?」
友「あいつら、おかしいんだよ……。俺がどんなにボコボコにしてやっても、また平然と男の奴に危害を加えに行きやがるんだ」
友「お前、中学入ってから不良に顔きくようになったんだろ。その辺の繋がりからなんとかしてやれねーかって……」
幼馴染「嫌に決まってんじゃん、なんであんな豚かばうのーって、私ちゃんがバカにされちゃうもん」
これは友が臭い
続けたまへ
しえん
これはホモスレの予感
幼馴染「不良くん不良くん、ちょーっといいかな?」
不良「はっはい! なんでしょうか幼馴染さん」
幼馴染「はっ、はっ、はっ。さん付けはいいよって」
不良「幼馴染……ちゃん?」
幼馴染「冗談に決まってんだろゴミ」ギロッ
不良「ひぃっ!」
幼馴染「友の馬鹿に負けたの? それで最近追い返され気味だとかなんとか……」
不良「す、すいません……」
幼馴染「怒ってないよー。私ちゃん、怒ったことないのが数多い取り柄のひとつだものー」
再放送かよ
シャムソーセージ
不良「お、俺のダチには手ェ出さねえでください! 俺が、俺が足引っ張ったから!」
幼馴染「友達を庇うだなんて、不良くんって意外と……」
幼馴染「私ちゃんのこと、舐めてるんだねェ」ギリッ
不良「そんなっ、そんなつもりじゃあっ!」
幼馴染「じゃあ不良くんの妹ちゃんに手を出そっかな。かわいいもんねー、私ちゃん、可愛い子大好きっ! チューしたいっ!」
不良「そ、そんな……」
幼馴染「嘘だよ嘘っ、頼りにしてる不良くんの身内にそんな酷いことしないよって!」
幼馴染「はい、これ痴漢撃退用スプレーとすたんがんっ! どっちも私ちゃんが改良して、人を殺せるレベルに強化してあるから」
不良「…………」
幼馴染「絶対に、男くんの目の前であの筋肉の塊を仕留めるんだよっ! けんとーを祈るっ! 主に、不良くんの可愛い妹ちゃんの命の灯火とかのっ!」
この幼馴染ちんこ生えてるわ
赤髪「ぷっははは! 柄にもなく怯えちゃってるじゃん、元番長さん」
不良「……赤髪、何の用だ?」
赤髪「いや、なに、用事ないと話しかけちゃあいけないの?」
赤髪「なんかさ、あのときと立場が逆転したみたいだね」ゲシッ
不良「うぐっ! て、テメェ何を……」
赤髪「昔はよく僕を殴ってくれてたものだよね。おーこわいこわい」
赤髪「今じゃあ元番長さんは、僕に蹴っ飛ばされたって呻くことしかできないんだから」
赤髪「勝利の女神ちゃんのお陰だよ、本当に」
赤髪「あの娘の言うとおり動いてたら、いつの間にかいじめられっ子から番長へジョブチェンジさ」
不良「あいつは……お前のこと、道具ぐらいにしか思ってないだろうがな」
赤髪「何を言ってるんだい? 僕と幼馴染ちゃんは、愛し合っているのさ。だからこそ、僕をパートナーに選んでくれたんだから」
不良「…………」
赤髪「友くん狩りだっけ? 僕もついて行くことになったから、よろしくね、元番長さん」
女「大丈夫なの? 最近、危ない奴らによく男が絡まれてるって聞くんだけど」
男「う、うん。大丈夫だよ。友が助けてくれるし……」
女「……今日は私、部活休んで男と一緒に帰ろうかな」
男「えっ、ダ、ダメだよ。あいつら、よく帰り道で絡んでくるし……」
女「だいじょうぶだってー、そういう奴って、女がいたらちょっかい掛けてこないものだよ」
女「それに……付き合ってから私たち、恋人っぽいこと何もしてないし……たまには一緒に帰ってくれるぐらい……」
男「悪いけど、あいつらが大人しくなるまでは、我慢してくれ。本当に危ない奴らなんだよ。何考えてるかぜんぜんわからないし」
幼馴染「…………」タッタッタッ
ドンッ
男「とと、ごめん。……あ、幼馴染」
幼馴染「いえ、すいません。私の不注意でした」
幼馴染「えっと、私たち、どこかで会いましたっけ?」
男「あれ、人違いかな。小学校の時の友達に似てたからさ」
幼馴染「…………」タッタッタッ
女「あの子、おかしい」
男「え?」
女「さっきぶつかる時、明らかに男のこと見えてたもん。あそこから不注意でぶつかるなんて、あり得ないよ」
男「でも、俺のことは忘れてるみたいだったけど」
女「だから、それが余計に不気味なのよ。なんでわざとぶつかってきたクセに、忘れたフリしてるんだろ」
男「考え過ぎだと思うけどなぁ……」
男「……女ちゃん、体育館はあっちだよ」
女「で、でも……」
男「本当にあいつらはおかしいんだ。何時間だって平気で待ち伏せするし、金属バットどころか日本刀だって持ってくるんだから」
はよーはよー
男「……悪いな、いつもわざわざ遠回りしてもらっちゃって」
友「いーんだよ、俺、喧嘩好きだし」
友「にしても、なんでどれだけ遠回りしても出てくんのかねぇあいつら」
男「……場所ごとに担当でも決めてるんじゃあないのかな」
友「お前、誰に何したらそこまで恨みが買えたんだ?」
男「わ、わからん。俺、人に恨み買うようなことは別に……」
不良2「ようっ、男ちゃーん、奇遇だな。さっそくだけど、タチヒの島がみっつ買えるぐらいお金貸してくれないかな?」
不良「…………」
友「お前ら、本当に懲りない奴だよな」
はよ
友「誰の命令で何のために動いてるのか、そろそろ教えてくれてもいいんじゃあねぇのか」
友「お前らのやってることは、そろそろ国家権力の関わる範囲になると思うんだが?」
不良2「だーかーらー言ってんじゃん。俺の目的は、男の金でタチヒの島を買うことだってば」
友「今日は斧も鉄パイプも持ってないみたいだが、ひょっとしたら和解案でも持ち掛けにきたんじゃあないのか?」
不良「…………」スッ
友「スタンガンね……、お前ら、本当に節操ねーのな。昔のプライド溢れるお前はどこに行ったんだか」
不良2(ギリギリまで隠しとけばいいのに、不良の奴、何を考えてるんだか)
不良2「お前は、ホントに邪魔なんだよホモ野郎がっ」ダッ
友「んな安直な動きで、俺に当たるわけねえだろうがッ」ガシッ
友「うらぁっ!」ゴスッ
不良2「うえっ」ゴホッゴホッ
不良「…………」スッ
友(こいつ、動きも鈍ったな。結局当てなきゃいけないのに、スタンガン便りに腕を伸ばすだけか)
友「死角でもついたつもりだったのかよ」ガシッ
不良「…………」
友(この目、何考えてやがるんだ?)
バチィッ
友「スタンガンが……爆発した?」
男「とっ、友! 大丈夫か!」
友「……ああ、俺は、な。ちょっとふらつくが、昔、天照大海月を仕留めた時に比べりゃ、この程度の電気なんでもない」
友「問題は……こいつの方だな。左手首が吹っ飛んでる。すぐ救急車を呼ばねーと、助からんかもしれんぞ」
友(本当に、こいつら何を考えてるんだ)
不良2「へへへ……よくやったぜ不良、これで改造スプレーの間合いには入れた」
友「お前、この状況でまだやる気なのか」
不良2「死ねっ!」プシュー
友「必殺畳返し」フー
不良2「うげっ!?」
2回やってるから勘違いしてるんだろうけど、タヒチな
友「……救急車と警察を呼んだ。これでもう、大事になるのは避けられない。どうどうとは仕掛けてこれないだろう」
男「これでもう、終わったのか?」
友「たぶん、な。後で病院に押しかけて警察の人に立ち会ってもらって動機でも聞き出そう」
友(ちょっとスプレー吸っちまったみたいだな。何を混ぜたらこんなえげつないのができるんだか)ケホッ
友「これでようやく女ちゃんと帰れるようになったな」ニヤッ
男「こ、この状況で、イジってくんなよ」
赤髪「あっ、男くんじゃん。小学校以来かな? 中学では全然顔合わす機会がないもんねぇ」
男「あ……赤髪君?」
友「……お前、中学入ってから不良崩れになったんだってな」
男「そ、そうなの?」
赤髪「ん、ある人の助言で野球賭博の主催者になって、それでちょっと柄の悪い知り合いが増えただけだよ」
男(小学校のとき、イジメで登校拒否だった赤髪君……変わったな。ずっとオドオドしてたのに)
よくわからない
赤髪「いくら待っても来ないよ」
男「え?」
赤髪「警察も、救急車も、ね」
友「…………」
赤髪「足止めさせてるから、たぶん、あと一時間はこれないね。元番長さんには悪いけど」
友「お前も、俺とやろうってのか?」
赤髪「上手く二人を片付けたつもりかもしれないけど、ぜんぶ、僕の掌の上なんだよ」
友「は?」
赤髪「肝の座ってる元番長さんに自爆させて、短絡的な不良2くんに毒ガスを使わせる」
赤髪「弱ったキミを、僕がいたぶって殺す。何もこっちの計画に不具合は起きてないんだよ。警察止める準備も朝からしてたし」
紫煙
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