獣心乱舞 くるい猫 (21)
獣のココロで乱れマウ
注意!オリジナルです。
猫が割と酷い目にあう描写があるから苦手な方はバックお願いしまする。
少々グロだろうがなんだろうがひまつぶしOKな方歓迎しまする。
グロという単語に嫌な予感を覚えた方は退避お願いしまする。
妖怪、獣の要素が入った現代ものでござる。
タイトル詐欺にならないよう気をつけまする。
Fooo! vipスレ立て初だぜ。気軽に楽しんでくれたらうれしいな。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1390736163
厳密にはvipじゃないけどな、ココ
二又の猫が五匹の猫が入ったダンボール箱に近寄る。
河原の岸、雨の降りそうなどんよりとした日。
四の冷たい体と弱った命。二又の猫が、ダンボールの中へ顔を入れ四つの体をボリボリと食べた。
一匹が息も絶え絶えに横たわっている。
「…もらってばかりじゃ悪いなぁ…」
黒いぶちの入った仔猫に顔を近付ける。
フッと口元に息を吹き込んだ。
「一つの魂をやろう。お前の兄弟のものだ。」
雨が降り出した。じきにここらも河に呑み込まれるだろう。猫又がそそくさと逃げる。
「……みゃーん……」仔猫が鳴いた。
(vipとかのそこらへんよく分からん。そして何やらエラーが出て立てるの失敗したと思ったら立ってた。)
ガタンゴトン
電車が走る。次々に窓につく雨粒が、コロリと下方に流れた。
小うるさいぺちゃくちゃ声が車内に響く。
-知ってる?最近失踪する子が多いんだって。- -何それ怪談? アハハ-
-そうそう ある日ふっといなくなっちゃうんだって- -家出でしょ- -マジうけるー-
学校からの帰り、イツキはうとうとしながら何とはなしに耳に入ってくる噂を聞く。
電車の揺れが心地いい。
そうして寝ぼけながらこう思った。
-そうね、その気持ち…分かるわ…-
-消えてしまいたいもの…-
「ただいまー。」
「お帰り お姉ちゃん。」さつきが玄関に迎え出る。何が嬉しいのかにこにこ笑顔だ。
靴を脱いでる間もじっと見てくる。イツキは黙って頭を撫でた。その手を離すとドタドタと廊下を走る。
「さつき!暴れないの。」台所から母が怒鳴った。
エプロンを着た母が出てきてイツキを見て眉をしかめた。
「イツキぬれてるじゃない。電話したら迎えにいったのに。」
「大丈夫。」
「大丈夫って、もう…。」母から顔を逸らし、イツキは部屋に引っこむ。制服を脱いでベッドに転がった。
何となく。何となく。うつだった。
さつきはTVを見ている。夕方からの子供向け番組。かわいい動物のきぐるみを見てはしゃいでいた。
ドオォンと外で音がした。光が明滅する。雷だ。
さつきの視線がTVから窓へ移る。黒い影がよぎった。
「とり?」TVが楽しげな音楽を流す。「……。」そわそわとさつきは落ち着かない。
ソファーからそっと立ち上がる。
「ちょっとだけ…。」
-ちょっとだけ- 赤い雨傘が外で開いた。
ギャアギャア
-よこせー -よこせー
-うまそうだなおまえ- -フーッ-
-フーーッ-
増水した河のL字の階段部分にゴミ袋や流木やら何やらと一緒くたになり、
一つのふやけたダンボール箱が引っ掛かっていた。
影のようないささか大きな数羽の鳥が雨をものともせず上空を舞い、
獲物の体を引き摺りだせないかと滑空を繰り返していた。
その内の一羽が痺れを切らし、不安定なダンボールに降り立つ。
今にも沈みそうなそれの中へ威嚇する猫をくちばしで掴もうとしたその時
バンッ 赤い蛇の目が音を立てて鳥を睨んだ。
ギャアギャア 驚きの声を上げて鳥が飛びさる。
赤い雨傘が地面に放り出された。
沈み始めたダンボールに小さい手が伸ばされる。
幸いにも、手の届く範囲にダンボールは浮かんでいた。
-みゃあ-
服に泥がつく。ぬれた服の内側から温かい子供の体温が伝わる。
「かわいいね。おまえ。」それはとても優しい声だった。
「まぁ!?」玄関を開くと怒りの形相の母がいた。さつきは母に叱られる。
勝手に出て行ったこと。 危ない真似をしたこと。 猫を拾ったこと。 傘を無くしたこと。
服を汚すのは毎度のことで溜息をつかれた。胸に抱かれたままの仔猫はぶるぶると震えっぱなしだった。
家に猫が招かれて数日。
「ニャアニャア」さつきの顔を見てぶち猫が鳴く。きゅっと抱きしめたら嫌がってもぞもぞと暴れた。
その癖、傍からはピタリとくっついて離れない。
母の目を盗み、外にさつきは出た。
この頃は空がくずれやすく、重たそうな雲が空を覆っていた。
-うまそうだ- -うまそうだ- ばたばたと黒い影が飛ぶ。
最近空耳がうるさい。母にこの事を聞いてみたら、少し心配そうな顔で「あら、そうなのー」と、
否定も肯定もしない場を濁すような反応をされた。(だからもうしゃべらない!)
「しゃべるのはフゥちゃんだけだよー。あたしたちだけのひみつ。」
「にゃーん。」フゥちゃんと名付けた黒ぶちの仔猫を抱いて、さつきは住宅街を歩く。
「あたしたちは食べ物じゃないもんねー?」
「…フッフッフッ、たべてやるぞ、がおー。」地面に下ろしたフゥに口を開けたさつきが脅しをかける。
黒ぶちの猫はノリが悪く、不思議そうな顔で見つめ返した。
「もー…。」さつきがノリの悪い猫に不満の声を上げながらちょこちょこ歩くと、
その後をフゥが付いて回った。それだけのことがさつきにはとても嬉しいことだった。
-ガアアアア- ガラガラした鳥の大音声。
すっぽりと闇が視界に降りる。
「ふぇ?」
昼間がいきなり夜になる。さつきはびっくりしてフゥの体を抱っこすると家の方へ走りだした。
怖かった。
-うまそうだ- -うまそうだ-
黒い影のような犬が現れる。
-うまそうだ- -うまそうだ- あの時の変な鳥が飛んでいる。
-うまくやりなよ- 二又の猫が塀の上を歩いていた。
-みゃーん- フゥが鳴いた。
家になかなか辿り付けない。息の切れた先にうずくまっている大人がいた。
スーツ姿のまだ若い人だった。
もやもやとした影がまとわりついていて、その人の周りで犬やら鳥やらが群がりその影を食べていた。
-おいしい- -おいし- -かわいそうに キズついて-
-たべてやろう- -つらかったろう- -くってやろう-
さつきは何か悪いものを見ているような気になった。
「だいじょうぶ?おじさん。」心配して声をかける。
胸元の猫がフゥーーッと威嚇音を出した。さつきの声に大人がピクリと反応する。
-邪魔するな!- 鳥と犬が一斉にくちばしと牙を剥きだす。
「にゃーん!」フゥが地面に飛び出ししっぽを逆立てる。
-………- -……- -………-
-おまえも……- - うまそうだ -
鳥や犬の標的が大人から仔猫に移る。
さつきはその様子に怖くて泣き出していた。鳥が真っ先にくちばしでフゥの体をつついた。
「みぎゃっ」悲鳴が上がり、毛が毟られた。
「やめてっ。」さつきがフゥの体を抱え込む。
すると犬の牙が腕に食い込み、鳥のくちばしがさつきの頭をつついた。
「みゃあー みゃあー みゃあー 」哀れな仔猫が啼く。
先ほどの二又の猫が通りかかった。二人の人間の横を通り過ぎるときポツリといった。
「お前には余分な魂がある。それはいまやお前の命そのものだが、恩知らずというものでもあるまい。」
ケケッと猫らしからぬ笑い声を出し、二又は通り過ぎて行った。
「みゃあーん……。」フゥが鳴いた。
不思議な事にさつきの体からは咬まれてもつつかれても血が流れない。代わりに黒い影のようなものが立ち昇り始めていた。
-うまそうだ- -このこもくおう- -おいしそう-
フゥがさつきの顔を舐める。それからふっと口元へ息を吹いた。その途端力が抜けてフゥの体はグッタリと弛緩した。
「フゥ!?フゥ!?」グッタリとしたフゥの様子にさつきが気付き呼びかける。急速に仔猫の体が冷たくなっていった。
「うあ、うあああああ。」とても嫌な感じがした。もう周りの犬や鳥も気にならない。
「ニャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」猫を絞めたような声がした。さつきが片手で仔猫を抱きもう片方の手を無茶苦茶に振り回すと鳥や犬が悲鳴を上げて散った。
「ニャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」いぜん大人はうずくまり、影のようなものを出している。しかし、あたりの景色は昼の光を取り戻し鳥や犬の姿が消えた。
フゥの体はすっかり冷たくなった。ようやくさつきは猫を絞めたような声をだしているのが自分だと気付いた。
口を閉じる。泣き腫らした目を擦って、ぶつぶつ何事か話す大人を後に残すと家に戻った。
母は怖い顔をしていたが何も言わなかった。言う必要が無いと判断したのだろうか。
庭に小さなお墓が作られて、家の窓からよく見えた。
頭の中で声がする。その声は可愛らしい声で鳴いていた。
-守ってあげる-
さつきはフゥがいつも傍で鳴いている。そんな幻聴に囚われた。
書きためここまで。以降鈍足でお送りします。短くまとまるといいなぁ。
比較的happy endか、BAD!にするか悩んでるよ。改善できるか分からないけど変じゃねって部分あったら指摘お願いします。
まじ暇つぶし駄文だから軽い感想とか歓迎です。内容的には短くなるはず。
ではもし読んでくれてる方がいたら御ひいきに
カチッ カチッ カチッ
蛇
ヘビ
へび
カラス蛇 黒化型
オロチ
有毒
無毒
触らないように
カチッ カチッ
大型 X○○都市近辺
目撃情報
無し
「何調べているの?イツキ。」
「って、ヘビ。あんたそういうの好きだったっけ?」
「見たの。」
「ん?」
「真っ黒い蛇。」
-ハラガヘッタ- -クイタイ-
-ドウシテ邪魔ヲスル-
-ハラガヘッタ- -カワイソウナヤツラダ-
-ダカラクッテヤロウ-
「だめ!」
「ぜったいにだめ。」
「どうしたのさつきちゃん。」公園の砂場で遊んでいた二人の子供。髪を一つ結びにした子供が、
不思議そうにさつきと呼んだ子供に問いかける。
「…っあ。……なんでもない。」
「でもだめって。」
「なんでもないの。」
「リョウコー、帰るわよー。」公園の入り口に買い物袋を提げた女が呼び掛ける。
「おかあさん。もうかえらなきゃ。」
「うん。ばいばい。」
「またあした。」
「またあした。」さつきは手を振って別れた。近所に住むよく遊ぶこどもだ。
-みゃあん-
「だめなの。」視界が暗くなる。
黒い犬の影。黒い鳥の群れ。黒い世界で、黒い生き物が蠢く。
-にげたほうがいいよ-
「あいつらのせいで。」
黒いもやが蹲っている。集っている黒い物。
「にゃあん。」
-駄目だよ-
指先から爪が出る。白い鉤爪。
-なんで-
「ゆるさない。」
足で地面を蹴ると、驚く程飛び上がることができる。コンクリートの塀を蹴って、
空に浮かぶ鳥を殴り付けるように引っ掻いた。
-ギャッギャッ- -ワンワン-
-マタコイツカ- -クイコロセ- -オマエガヤレ-
一斉に散っていく黒い生き物。黒いもやに憑かれた人間が後に残る。
「おばさん。」
「……。」さつきが人型の黒いもやの肩を揺する。
「おばさん。」
「……、あっ。」
「だいじょうぶ?」もやが少し晴れた。女はぼんやりした顔をしている。
「猫?」さつきの顔をようやく認識したらしく顔を傾げた。
「ちがうよ…。バイバイ。」暗い世界が夕暮れの色に戻る。
「えっと…あれ、私は…?」
猫の影の形をしたものが女から遠ざかっていく。
「でっかい猫よね、あれ。」頭をおさえた女もまたふらふらと立ち去った。
経験からさつきはあることを学んだ。黄昏時に影は蠢く。
毎日毎日、日が暮れる。
-みゃあん-
「にゃーん。」指の先の鉤爪と白い柔毛が体に混じる。黒い靄の人影が揺らめく。
「おじょうちゃん。あまり立ち入り過ぎると戻れなくなるよ?」いつの間にか現れた二又の猫が塀の上から話し掛ける。
「あなたがしゃべったの?」さつきが瞳をまん丸にして驚く。
「そうだよ。僕は猫だからね。」
「それってとってもおかしなことだよ?」
「ここで可笑しくない事なんてあるのかい。」二又が尻尾をピンピンと動かす。
「うーん、ないかな。」
「そうさ、ここでおかしくならない奴はいない。」
「でも、でも。あいつらあたしたちをおそうもん。」白い自分のしっぽをさつきがなでる。
「本当にそうかな?」二又はさつきをじっと見ていた。何かを期待するように。
「そうだよ。あたしもういくから。」猫がじっと見てくる。さつきは言葉を話す猫が急に薄気味悪く思えて駆けだした。
「帰り道はしっかり覚えておくんだよ。後戻りができるように……。」二又の猫が見送る。
-ガァァ- -ガァァァァ- -ウォン ワンワン-
「アアアア!」影が裂ける。四足で道路を跳ねて宙の標的を掻き、全身で着地の衝撃をやわらげた。
-ジャマダ!!- -カミコロス-
「やってみロ!」さつきは全身の毛を逆立てた。舌がざらざらして呂律がよく回らなかった。
黒い鳥が顔面に嘴を突っ込んできた。さつきはクワっと口腔を開き逆に鳥へ咬みつく。舌に痛みを感じる。
嘴で舌が傷つき血の味がじわりと広がる。
「フゥーーーッ。」ジタバタ鳥が暴れる。さつきは顎に思いっきり力を込めた。
バキリっと音を立てて鳥の嘴の半分が砕けた。鳥はジタバタと地面でのたうち、やっとのことで体勢を直すと空に舞い上がる。
「ナオォォォ。」さつきがカチドキを上げるように叫ぶ。黒い犬達が身を竦め、尻尾を巻く。
-ニゲロ- -クルイネコダ- -ジャマバカリ-
-アレノナカマカ- -アイツノニオイガスル-
-ジャアナンデジャマスルンダ- -キグルイメ-
四方八方に影が散っていく。
「フゥフゥ……。」口の中に破片が残っている。想像通りとても苦い味がした。
「イツキー、帰ろう?」放課後の教室で友人がイツキを呼ぶ。
返事をしようとしてちらりと視界の片隅にある人物が映った。
「……。」イツキはよく分からない感情にとらわれ逡巡する。
「イツキー?」友人が急かす。
「ごめん!用事があるの思い出した。」
「え?」
「先に帰って。」「それってすぐ終わらない?」「終わらない。」「ちぇー、また明日!」「うん、バイバイ。」
教室の廊下の窓の方に手を降る。友人が振り返してくれた。
机の荷物を鞄に入れていたイツキが椅子から立ち上がり、視線を一人教室に残っていた生徒へ向けた。
教室にはイツキとその男子学生しかいなかった。
夕暮れの赤光が教室に射していた。
「サガノ君。」
「何か用ですか?」鞄をあさっていたサガノは怪訝な顔をする。クラスの女子と関わり合いになること自体がいままでなかった。
「サガノ君ってさ、優しいよね。」
「いえそんなことはないと。」困惑が深くなる。
「よく人に気を使うし“嫌な事”も引き受けてくれるもの……。」
「それは……。」顔が歪む。イツキは笑う。
「そのお礼をしたいなって思ったの。」
さつきがTVを見る。お魚特集だった。鰯の群れが泳いでいる。
「さかな…いやささみが一番かな。」目が釘付けになっていた。
ガチャンと玄関から音がする。イツキが帰って来たのだろう。さつきはTVに夢中になって出迎えなかった。
母はパートに出ていて、家の中はTVが立てる音以外静かなもの。
姉の部屋の方からパタン戸を開閉する音がした。最近のイツキは部屋に引きこもりがちだった。
魚特集が終わる。漁師の顔が出てきてなにやらインタビューが始まる。
さつきはそわそわとした。最近イツキに遊んでもらうことがなかった。母が勉強の邪魔をしたらだめよと止められて、
イツキもさつき煙たそうにした。
今まで気にならなかったのに、さつきはTVをみている自分を寂しく思った。リモコンでTVを消す。
たったったっと姉の部屋の方へ早歩きした。コンコンとドアをノックする。
反応がなくもう一度。ドアの向こうで人の動く気配がした。
ドアが静かに開く。
「何か用?」イツキがさつきを見おろす。
「部屋入ってもいい?」さつきが聞く。勝手に入ったら怒るのだ。
イツキがじっとさつきを見る。さつきはデジャブを感じた。二又の観察するような目。イツキのはそれよりずっと…冷たい?
「さつき、獣くさいわよ。お風呂に入りなさい。」イツキがさつきの体の向きを変え追い返す。さつきはその言葉にぎょっとした。
「…は、はーい。」怯んだものの大人しく風呂の用意に行く。
「………、気持ち悪い。あの猫みたい。」
さつきの足が止まりそうになる。ぼそりと呟かれた言葉は微かで、しかし、しっかりと耳に拾っていた。
泣きそうになりながら風呂場に向かう。聞こえない振りをするしかなかった。
「イツキー、さつきーただいまー。」母が帰る。さつきが出迎えた。
「おかえりー。」「お腹空いたでしょ。すぐに作るから。」
「きょうのごはんなになに?」「鮭よ。」
「やったー!」「ホイル焼きにするからね。」「うん!」
母がさつきの頭を撫でる。母の手はとても温かい。
居間で少し休憩を取った母が台所に入る。さつきは気もそぞろにTVを見ながら御飯ができるのを待った。
「イツキーご飯できたわよ。いらっしゃい。」テーブルに皿を並べながら母が呼ぶ。
さつきはもう席についてスタンバっていた。ホイルを開く。よい香りが食欲をそそる。母がにこにこしながら二人を見ていた。
夜の早い時間に子供達を食べさせ、母は遅い父に付き合って夕飯を食べていた。
リリリリリリリと呼び出し音が鳴る。母が電話を取るため席を立つ。
さつきとイツキは構わずご飯を口に運ぶ。
「たまねぎおいしい!」「そうね。」
「はい、もしもし?はい、そうですけど……えっ、まぁ…。」
「ねぇねぇ、しゃけのかわって食べたほうがいい?」「残さない方がいいけど、嫌いなら食べなくてもいいと思うわ。」
「わかった。」
「イツキー?ちょと聞きたいんだけど。」
「何?母さん。」イツキが大きめの声を出し返事をする。
「今日サガノさんの息子さんがまだ帰宅してないんだけど何か聞いてる?」
「知らない。」「分かった。ありがとー。」
「ええ、ええ、特に何も聞いてないと。ええ、はい。分かりました。はい、はいー。」カチャン。
「もうこんな時間なのにまだ息子さん帰ってないんですって。」母が戻ってくる。壁に掛かる時計が八時半を指す。
「そんなに慌てるような時間じゃないんじゃない?」「そうね、年頃だし。ただ今までこんなことなかったっていうから。」
「なにかわるいの?」「そうね親に心配させる事は悪いことよ。なにかあればすぐに連絡しなさいね。」「「はーい。」」
食卓のご飯はもう半分もない。
「おいしい?」母が聞いた。「おいしい!」さつきがすぐに返す。
「……。」無言で箸に挟んでいた鮭の身をイツキが食べる。そして、「とっても美味しいわ。」と、にっこりと笑った。
グロ耐性のある獣好きが来てくれるかと思ったらそんなことなかった。(号泣)
マイナージャンルだろうし、何人か興味本位で来てくれるかと予想してたのにスルーでござる。
あまり獣獣してないし、グロあり、地の文あり、オリジナルで地雷要素あり過ぎたか……
空気でも一応完結は目指して鈍行投下を続けます
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