斎藤兄弟いるの？

新番組『野球サイボーグ"ハンカチ"』
お楽しみに！

僕がハンカチ王子と呼ばれて何年が過ぎただろう

僕は日ハムを首になり、仕事を失った

確かに僕は底辺ども（一般サラリーマン）より多く稼いだ

しかしまだまだ若輩

人生これからだ

例え今稼げても老後の事を考えると怖くなる

そして僕は入社した

会社の社長は僕が元ハンカチ王子ということは知っていても周りの人はそれを知らない

たぶんハンカチ王子なんて言葉知らないだろう

だけど僕はそれでよかったんだ

もし僕が元ハンカチ王子ってばれたら大変だもんね

周りはバカばっか

ろくにパソコンを使えないバカＯＬ

下には偉そうな態度のクセに上にはへこへこする課長

嘘しかつかない同僚

会社について何もわかってない後輩

それでも僕は頑張っている

ある時僕は草野球に誘われた

出来たばかりのチーム

数が合わないからという理由だ

正直な話僕は嫌だった

僕はこれでもあのマー君に勝っている

こんなところで野球するような人間じゃない

僕のポジションはライトの九番

まぁ数合わせだから仕方がないか

ピッチャーは係長

あぁ…あのオヤジあんな球投げてる…コース甘ぇよ…それを打てないバッターもバッターだ

つまらない…

ｶｷｰﾝ

ほれみろ打たれた

打球はライトのフライだ

大将中田

正直、高卒で斉藤が日ハム入りしてたら違ったと思うか？

>>8
日ハム以外だったら変わったと思う
楽天に入ってたら確実にエースに慣れたと思う

僕は当然取ろうとした

が球は思いの他飛びストーンと音がした

一瞬僕は何が起きたかわからなかった

後ろを見たら白球が転がっている

エラーだった

その間ランナーはファーストを抜けた

僕はその後球を取り、投げた

しかし力が入ってしまい悪送球

ファーストの方に飛んで行ってしまった

ファーストもファーストでまさか自分の方に来るとは思わずもたついた

その後ランナーはホームインまさかのランニングホームラン

ピッチャーが交代をかける

何を言っているんだこのピッチャーはまさか僕が本気でミスったとでも思っているのか！？

ピッチャー「ドンマイ！ドンマイ！気にするな！」

ピッチャーがライトに移動した（彼は昔ライトを守っていたらしい）

ピッチャー「まぁ気張らずやってくれ。打たれても俺らが取るから。お前の名前ハンカチ王子と同じだから相手もビビるよｗｗｗ」

僕の心に暗い日影が出来た

まさかハンカチ王子の名前を知っているなんて

その上僕は

さいてょ「そっすねｗｗさいてょと間違えられますねｗｗｗ」

自分を否定した

僕はもうハンカチ王子なんかじゃない

彼と僕はきっと別人

たまたま同じ名前の人なんだ

そう考えたのは何度もある

しかしそれを実際に口に出したことはなかった

しかし僕はそれを口にしてしまった

完全な彼との別れ

完全なハンカチ王子との別れ

切ないな

気づいた時には居酒屋だった

確か負けた

あの一点で

覚えているのはあの後僕は抑えた

しかし押さえても点数が取れなきゃ意味がない

僕が打ってもホームベースに帰れなければ点にはならない

覚えているのはそれだけだ

みんな笑っている

何がおもしろいのだろう

負けたんだ

不愉快なだけだ

ハンカチ王子でビビるならまわりに本人ってバレてんだろ

ピッチャーはあの時残念だったなと言ってくれた

気を使ってくれたのだろうか僕には不愉快で仕方なかった

失敗したのは例え凡ミスでも僕の責任だ

責めてくれた方が楽だしそれが当たり前だった

当然僕だってそうする

少なくとも過去の人生だとそれが当たり前だった

その後僕はのらりくらりと過ごし帰った

一応家はマンション

家には誰もいない

ハンカチ王子の時はあんなにいたファンもういない

昔はモテた

歳をとったからか？

いや、違う

僕は初めからモテてなんていなかったんだ

彼女らは最初から僕より僕の金が欲しかったのだろう

きっと中には僕自身を好きであった女もいただろう

しかしその子はもういない

後の祭りとはこのことだろうか

テレビをつけたらスポーツをやっていた

マー君がメジャーに行った時ニュースはそれで持ち切りだったが今はほとんど聞かない

正直そのニュースは聞きたくなかった

彼に勝った僕

にも関わらず彼は大物メジャーリーガー

僕は日本でくすぶっていた

いや彼はもう別人か

ニュースは石川遼君をやっている

嫌いだ

マー君や遼君のニュースはミュートにし、頃合いを見計らったことに音を戻す

まだやってたら苦痛でしかない

マー君は言わずもがな遼君が苦手な理由は察してほしい

髪型が叩かれてた時は爽快な気分であった

ニュースの音量を元に戻す

しまった一番苦手なニュースを見てしまった

今年の甲子園の優勝投手についてだ

これを見たときにはもう何もしたくはなくなる

僕はテレビを消しパソコンで2ｃｈをやることにした

最初は憂さ晴らしって言うかなんて言うか

底辺の見本みたいな奴らを眺めるのは気分がいい

僕は普段野球板となんｊにいる

ちょうど今なんか祭りが起きているらしい

正直彼らの特定行為には関心しない物がある

話が逸れたが戻そう

その祭りを見て気分が良くなったのか今年の甲子園のスレに行った

「そう言えば○○高の投手は大学行くらしいぜｗｗｗさいてょの二番煎じ（あ…察し）」

「今年の投手はメジャーもスカウトにきてるらしいぜｗｗｗ一方さいてょは首になったンゴｗｗｗ超絶草不可避ｗｗｗ」

言いたい放題であった

いつもならスルーするはずだったが気分が良いせいかかっとなり自画自賛してしまった

帰って来た言葉は

「本人乙」

「本人キタ―――――ＡＡ（ｒｙ」

「本人がいると聞いて」

彼らに罵声を浴びせた

僕らしくない

「さいてょ泣いてもええんやで（ニッコリ）」

泣きたいはずもない彼はもう僕ではないからだ

その後僕は叩かれ退散

散々な一日であった

何日経ったろうかある時高校の頃の知り合いに小学生のコーチを頼まれた

僕は逃げ出したい気分に駆られたが相手の執拗な交渉の末折れ、一日だけとのやくそくでコーチになった

当日彼は彼なりに気を使ったのだろう大物のコーチが来ると言ったのだろう子供たちは目を輝かせていた

僕は物置の影で待機した

「プロ野球選手だって」

「え？マジで？」

憶測が憶測を呼び最終的にはマー君では？という結論に行きついた

僕が登場した

子供たちはポカーンとした

口々に「誰？」の合唱が始まった

そして子供たちの目から輝きが失った

彼が僕の紹介をした

それで親たちはざわついた

黄色い声はあまりなくどちらかというと誰？から始まり答え合わせをしてあぁ～となった

元人気アイドルが場末のバーで雇われママやってるようなものである

その手の意味ではぶっちゃけ加護亜依とは似ているかもしれない

そんな事を思いながら紹介が終わった

子供たちの指導を始めた

準備運動、筋トレはすでに終わらせているらしくキャッチボールを始めた

みんな一目でわかる

見る限り才能もたかが知れてる

少なくとも僕よりない

ある程度したらピッチャーの練習を始めた

やはりこの子も才能がない

腕の動かし方もダメである

結果的に球が遅い

腰を使えと言うが聞かない

後ろから体を持ち体で教える

何を思っているのだろうか

治さない

少なくとも僕はこれだけ教えてもらえば多少は改善できるであろう

何回か言ってるうちに子供の目が反抗的な色を持った

このガキ

そう思いながら教え続けた

・・・・

一日コーチが終わった

やはりあのピッチャーの子が俺の陰口を言っている

俺はそれを聞かなかったかのようにその子に声をかけた

その子の目から敵意を感じた

会話になるとその子はある質問をした

「おじさんってどのくらいすごいの？」

「ん…マー君っているだろ？おじさんその人と戦って勝ったんだ」

その子の目の色が変わった

敵意から軽蔑に

きっと嘘をついていると思っていつのだろう

あながち嘘ではない

僕ではないマー君に勝ったのは斎藤佑樹ではない

ハンカチ王子だからだ

彼と僕は別れた

だから嘘をついてしまった

僕はもう何のためにここに来たのだろうか

友人との別れを済ませ家に帰った

飲みに誘われたが断った

酒、飲めねぇんだ

二回目の嘘をついて

家に帰り僕は少し泣いた

嘘をついたせいだろうか

もしまたコーチが来ても僕はもう二度と受けないだろう

僕は泣き止み晩飯を作り出した

晩御飯は自分で作れる

それがモテるとなんかの雑誌で読んだ

日ハム時代に学んだ数少ない一つである

このことを思い出し少し嫌気が差した

クソ何で…俺ってマー君に…あのマー君に勝ったのに

飯が終わったらネットをした

今井麻美と調べたら結婚と候補に出てきた

まさかと思ってみたら本当らしい

同年代の会社員とのこと

僕はＴｗｉｔｔｅｒで俺は祝福するぜとツイートしたがむなしくなり、むしゃくしゃして

テーブルにあったものをぶちまけてその日は寝た

明日は休みだ

日ハム時代お金以外で得たものは少ないかもしれない

それ以上にやめてからが増えた

声優やアニメ、お金や社会的マナー

会社の飲みにケーションとか言うのもあった

会社では後輩もでき安定しだした

恋人はまだいいかな…

それでも明日は来る

待ってはくれない

学生の頃は非常に長かった一年も今は非常に早く感じる

もう三十路手前ではあるがこんなところでゲームセットになんてしたくない

だから僕は頑張るんだ

お金という言い方もおかしい

お金は知っている

昔の方がもらえてた

しかしそのお金を遊びに費やした

きっと大切さだろうか

きっと今は夢の中

そうなんだろうと何回も言い聞かせた

本当の僕はメジャーリーガーで年俸１００億はくだらない

並み居る強剛打者との対戦

ライバルはマー君

そうなんだろ？これは夢なんだろ？

しかし現実は待ってくれない

いつかは朝が来る

そして夢から覚める

現実に戻る

現実なんてひどいものさ

本当の僕は営業で年収５００万いかない

並み居る敵も他社や買い手

ライバルなんて偉そうなものもいない

これが現実

最近大谷投手がプロとして活躍しだした

彼はきっと僕のようになると思ってた

いや僕が覚えていないだけで僕の様な人はいるだろう

思い出せないだけで

きっと僕もマー君がいなければそうなっていたであろう

愉快な話だ

負けたやつがセットで覚えられるのならいざ知らず

勝った奴がセットで覚えられるなんて

一部完

野球興味ないけど見てるよ

さいてょ…

なかなか面白かったぞ

続きに期待

悪くない

ハンカチ王子なんていない

いるのは斎藤佑樹ただ一人

ライバルは強剛ピッチャーなんて大層なものじゃない

よれよれのおっさんだ

日ハム時代はあんなおっさんになりたくはないと思っていたが今は俺がそれだ

笑えた話ではない

マー君が１６１億稼ぐ頃

僕は５００万にも満たない金をもらう

マー君が贅沢なものを食べている間

僕はきっと回転ずしが豪華な食事だと言い食べてるだろう

マー君が奥さんの里田まいと愛を確かめ合っている時

僕は見知らぬ人に恋しているだろう

そしてその人の話しかけることなんてできない

彼が野球のプレーで褒められている頃

僕は課長に営業成績で怒られている

そんな人生

僕は彼に野球では勝った

しかしそれ以上に人生で負けた

どこで変わった？

大学に行ったこと？

肩を自然治癒に任せたこと？

僕はその自問の答えを知っている

僕自身本来の怠惰と奢りそして侮り

これが答えと導いた

日ハム時代ダルビッシュには嫌われ周りの選手に友人らしい友人も少ない

僕が斜めに構えすぎたせいか

いやそんなカッコいいものなんかじゃない

http://s-up.info/view/201201/146948.jpg

奢れる者は久しからずという言葉がある

とある戦国武将は父親にそう言われた時

奢らざる者もまた久しからず

と言ったそうだ

しかしその武将はどうなっただろうか

彼は暗殺された

わが身をかけて守ってきた主君にである

前置きはそれだけにして僕はこれ状態なのかもしれない

ダルビッシュに怒られた時に気づければよかった

気づかずいて暗殺、つまり首になったのだ

僕はそんなこと考えているうちに会社についた

今日の仕事もまた営業

来る日も来る日も知らないオヤジたちに頭を下げる日々

無茶難題を突き付けられ苦笑いで過ごしていた

ある会社で僕はいつものように名刺を出した

「ふむ…斎藤佑樹君か…」

「お茶どうぞ」

受付嬢が緑茶を差し出してきた

「あ…はい…そうです」

「君、どっかであったことある？」

この手の質問は腐るほどされた

昔ことはそれで鼻高々になっていたがよくよく考えるとただ忘れられたのだ

そう思っていたら嫌になり、自分で自分が嫌になった

今はそれに耐性がついたらしく何とも思えない

しかし後ろで

「ねぇ今の人聞いた？ハンカチ王子じゃない？」

さっきお茶を運んで来た女が言う

相手はまったく覚えていないらしくあまりいい反応はなかった

その後

「あのハンカチ王子ですか？」

今一度見直すととても愛らしい女性だった

「あ…はい…」

何を言っているのだろうか

ハンカチ王子なんていない

それは俺ではない

しかし僕は頷いてしまった

たぶん彼女の美しさに不覚にも惚れてしまったからであろう

メールアドレスと電話番号を交換した

僕は初めての電話にまだかまだかと胸を躍らせていたら着信が来た

僕は高鳴りそうな心臓を抑え電話に出た

「は…はい…斎藤です」

何を緊張しているのだろうか

初恋でもないのに

きっと僕がハンカチ王子だと知っている人に出会ったことが久しぶりで対応が分からないのだろう

震える声で電話に出たが実際に出たのは全く聞き覚えのない声だった

「お前、今何やってんの？ｗｗｗｗｗｗｗ」

僕は全力で電話を切った

誰だろうか

間違え電話だろうか

しかしそれなら第一声でわかるだろう

また電話が来た

電話の相手は男性で比較的若い印象を受けた

電話に出たら

「勝手に電話切ってんじゃねーよ」

とさっきの男と同じ声で言われた

怖くなって電話を切った

また電話が鳴る

恐る恐る電話に出た

「あ…あの…誰ですか？」

ﾌﾟﾂﾝ

でた瞬間切られた

無言電話だった

怖くなって電話に出ないようにした

彼女の電話番号は登録されている

表示を見ればわかるはず

少し冷静になり考えた

メールが来る

知らないアドレスだ

見ると

「ご登録ありがとうございます。あなたは（ｒｙ

要はワンクリック詐欺からのメールだ

怖くなりメールアドレスを変え彼女に伝えた

しかしそれでも新しいメアドには来なくなった

電話は来るが知らない電話に出なければ良い

そう結論づけた

数日後、僕は彼女の会社に来た

何とか良い評価がもらえ、そのまま契約が結べそうだからだ

相手方の会社に向かう足が軽い

数日前の事も忘れ日常を楽しむようになった

その後前向きに検討で終わったがあと一歩まで向かった

なぜかクスクスと笑われていたが当時はそんな些細なこと気にしなかった

会社を出るとき僕は急な尿意に襲われた

仕方なくその社のトイレを借りようとしたらあるメモが給湯室に貼ってあった

このメアドはマー君に勝った元ハンカチ王子のもの！

と書かれたメモにあの時の写真

僕は何が何だか分からなくなった

すると話し声が聞こえた

あの女の子だ

「つーかハンカチ、電話にチョービビってんのｗｗｗ」

「「あ…あの…誰ですか？」だってｗｗｗｗハンカチ王子の見る影もない」

「やめなよーｗｗｗｗきっと初めての女の子からからメール来てドキドキしてたんだよｗｗｗ」

大体の事の顛末が分かった

つまり僕のメアドは晒されそれを見た誰かがあんないたずらを…

「うわわわわわっわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！」

僕はそこから走って帰った

もうすべてが嫌になった

あの時が懐かしい

道を歩けば黄色い声が聞こえ、キャンプのファンはすごかった

いつもカメラが僕を見張ってた

あのころが懐かしい

過去に戻れたらやり直したい

でも手遅れだった

嫌でも時は進んでいく

この一秒の間にも僕の事を忘ってしまった人が増える

この一秒僕の事を知らない世代がまた増えていく

僕は若いスポーツ選手特に同年代の

マー君を筆頭に石川遼君や錦織圭君が苦手だ

彼らの活躍なんて聞きたくもない

でも彼らが活躍すればニュースになる

知りたくなくてもニュースになる

いつまでもハンカチ王子のままではいられない

例え別人であったとしてもだ

ニュースになるたびミュートにしてびくびくしながら生きていくもう嫌だ

たぶんお終い


保守してたらハッピーエンドにするわｗｗｗｗ

そんな物好きもいないだろうけど

何処かで幸せを与えてやってくれ

ハッピーエンド支援。