P「765プロ連続殺人事件」 (318)
ゴウゴウと、鈍い音が聞こえる。
薄れゆく意識の中、ただひたすらに、酸素を求めて呼吸をした。
次に聞こえたのは、シャワーの音。逃げようとしても、もう逃げれる体力さえもない。
少女はそのまま、深い苦しみを味わい、その短い生涯を終えたのである。
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亀更新です。
トリつけは、パソコンとスマホの両方から更新するので、2つ種類がありますが、あしからず。
―765プロ事務所―
TV「さあ、今日も張り切っていきましょー!」
春香「私、この番組すごく好きなんだよね~」
やよい「かすみも、これ大好きなんですよ!」
ガチャッ
P「皆、聞いてくれ!」
真「プロデューサー? どうしたんですか?」
P「……ライブだ! 765プロのライブがまた決定したぞ!」
響「本当に!? やったー!!」
貴音「また、すてーじに立てるのですね。うれしい限りです」
亜美「よーっし、頑張ろうね!!」
真美「当たり前っしょー! ファンの兄ちゃんたちに喜んでもらおうね!」
P「……えっと……」
美希「うーん、まだ眠いよ~」
伊織「ほら、起きなさいよ!!」
あずさ「とっても素敵なお話よ?」
P「あの、ちょっと……」
雪歩「ステージでまた歌が歌えるなんて、楽しみですぅ!」
千早「そうね、本当に素敵なことだと思うわ」
P「は、話を……」
律子「ちょっと! プロデューサー殿が困ってるでしょ!? 静かに聞く!」
春香「わっ、ご、ごめんなさい、プロデューサーさん」
P「あ、あははは……ライブについてだが、今回は遠征を行うことにした」
亜美「えんせい?」
P「ちょっと会場まで、ここから距離が遠くてな……」
律子「本番前に、8時間も車に乗って、っていうのは、体力的にも疲れるでしょ? だから……」
P「今から2週間、遠征をして、会場近くの旅館に、泊めてもらうことになった!」
雪歩「りょ、旅館ですか!?」
P「ああ、それも小さいけど、練習場までついてる……すごく安いから、ちょっと条件があるが、それでも十分すぎるくらいの施設だ」
貴音「そこに、2週間ですか」
律子「でも、遊びで行くわけじゃないのよ? 仕事としていくんだからね? それを忘れないで、いい?」
真美「大丈夫だよりっちゃん!」
律子「特に真美!」
真美「何で真美だけ!?」
やよい「旅館かー、どんなところなんだろうね、伊織ちゃん!」
伊織「さあ、行けばわかるだろうし、それまでのお楽しみね」
あずさ「何を持っていけばいいのかしら?」
P「必要なものは、割と向こうの方にそろえてあるから、急で悪いけど、明日出発する、いいか?」
春香「問題ないですよ!」
P「よし、じゃあとりあえず今日は、明日からの動きを説明して、自主練の後解散だ、いいな?」
皆「はい!」
翌日 午後14時22分 ―旅館外―
響「思ってたよりも……」
美希「すっごくしょぼいの」
P「そ、そういうなよ……会場はすごいから、な?」
真「じゃあ、そっちに期待しておきます」
春香「大きい一軒家って言われたら、信じちゃうね」
千早「そうね……本当に小さい」
P「……と、とりあえず中に入るぞ! 荷物は各自部屋を用意しとくから、そこに入れておくようにしてくれ!」
皆「はーい……」
P(う、皆のテンションがだいぶ下がってるな……このまま、大丈夫か?)
……大丈夫なはずだった。このままいけば……。
あんな事件が起きなければ……どれだけ平和だっただろうか……。
1日目 午後14時26分 ―エントランス―
P「じゃあ、旅館の説明をするぞ」
亜美「旅館は泊まるところです!」
雪歩「そういうことじゃないよ……たぶん」
P「ここのエントランスから、東館、西館、北館と分かれている。西館、東館にはそれぞれ部屋が8つあり、西館の奥には女子トイレが、東館の奥には男子トイレがある」
伊織「変な造りね……」
真「じゃあ、ちょうど14部屋なんですね」
響「またピヨ子はお留守番か……かわいそうだな、ちょっと」
やよい「小鳥さんに、何か近くでお土産を買いたいですね」
真美「この辺、お土産どころか、近くに1つもお店がなかったよね……」
あずさ「見渡す限り、木ばかりねぇ」
貴音で推理もの書いてた人?
P「それで、西館には、奥から、やよい、伊織、あずささん、亜美、真美、千早、春香に入ってもらう」
千早「わかりました」
P「そこの扉の上に、西館とか、東館とか書いてあるだろ? 迷わないでくれよ」
あずさ「とりあえず、荷物を置いてきますね」
伊織「あずさ、そっちは東館よ!」
あずさ「あら?」
P「……ひ、東館は、奥から、響、貴音、美希、真、雪歩、律子、俺が部屋に入ることになる。とりあえず荷物をおいて、またここに来てくれ」
雪歩「ま、真ちゃんと隣だ……!」
真「雪歩、よろしくね」
雪歩「う、うん!」
響「鍵とかないのか?」
P「……ないな……セキュリティも何も、この何もないところだと必要ないのかもしれないな」
>>9
違います
午後2時41分 ―北館―
P「……ここが北館だ」
伊織「廊下狭い!」
律子「しょうがないでしょ? 何度もいうけど、経費が安いのよ……」
P「北館は入ってすぐ右手に、食堂が見える。6時になったら、皆で食事をとろう」
貴音「食事……真、よい響きですね」
律子「ただ、厨房の冷蔵庫に、すでに2週間分料理が用意されてるとかで……」
貴音「なんと、ということは……」
雪歩「たくさん食べたら、2週間持ちませんね……」
貴音「がっかりです……」
亜美「従業員とかもいないんだね……ん?」
あずさ「亜美ちゃん? どうしたのかしら?」
亜美「携帯……ここ電波つながって無いっぽいね」
春香「これだけ何もなかったら、そりゃ電波もないよね……」
やよい「電波の前に、私携帯持ってないです……」
P「それと、突き当りに見えるのが、練習場だ」
美希「……なんだか狭いの」
千早「全体的に小さいわね」
響「千早、それなんか自虐に聞こえるぞ……?」
律子「今回はフォーメーションを、西館にいる人たちと、東館にいる人たちで分けてあるから、午前午後で交代してレッスンしていくわよ」
伊織「今日はどうなるの?」
P「6時まで、西館組と俺でレッスンだ」
真美「えー!? 不公平だよ!」
律子「午前は私が、東館の人たちを見るって言ったら?」
真美「とっても公平だね!」
真「……いいのか、それで」
P「よし、じゃあ西館組はすぐにレッスンできるように着替えてきてくれ! 東館の人たちは、6時に
食堂に来れるようにして、自由に過ごしてほしい、いいか?」
皆「はい!」
P「よし、いい返事だ」
午後5時27分 ―練習場―
やよい「わっ!」
ドタッ
千早「きゃっ!」
やよい「うぅ、ごめんなさい」
千早「いえ、いいのよ」
伊織「ちょっと、やよい、5回目よ? そろそろできるようになったらどうなの?」
やよい「え? でも私……」
伊織「はあ、もういいわ、もう一回やりましょ」
春香「ねぇ、伊織……それはちょっときつすぎない?」
あずさ「もう少し、優しく言えるといいわね~」
伊織「……ふんっ」
亜美「いおりん……」
真美「さっき何か変だったよね?」
P(うーん、場の空気が悪いなあ……どうすればいいかな……)
午後10時 ―春香の部屋―
春香「……食堂から解散するのは、これくらいの時間かあ……」
トントン
春香「ん? 誰だろう?」
千早「私よ、千早」
春香「あ、千早ちゃん!」
ガチャッ
春香「どうぞ、上がって!」
千早「……春香の部屋も、私の部屋とあんまり変わらないわね」
春香「うん、これからお風呂に入ろうと思ってたんだ。自分の部屋に一人ひとつお風呂がついてるって、贅沢な感じ!」
千早「ええ、そうね……」
春香「千早ちゃんは、今日の伊織のこと、どう思った?」
千早「……あれは、難しい振付のところだし、私だって間違えることもあるわ。それに、水瀬さんが高槻さんに怒るのって、あんまり見ないから、少し驚いた」
春香「……えへへ、だよね」
千早「春香は?」
春香「私もそんな感じだよ。ただ、あの注意は、お節介じゃなかったかなって……」
千早「春香……」
春香「なんか、ごめんね? たまに気にしちゃって……」
千早「春香が頑張ってくれてなかったら、今私はここにいない訳だし、そういう意味では、とっても春香には感謝してるわ」
春香「千早ちゃん……」
千早「それになんだか、ちょっと春香らしくないわね」
春香「私らしくない?」
千早「……ええ、ちょっと言い方が変かしら?」
春香「ううん……確かに、私っぽくないかも……」
千早「……そう、それなら、いいのだけれど」
春香「よし、じゃあ、私らしく、明日も頑張るよ。ライブ、絶対成功させようね」
千早「ええ。……もう11時ね……急に押しかけてごめんね」
春香「そんなの気にしなくて大丈夫だよ!」
千早「春香、ありがとう。……お休み」
春香「うん、お休みー」
バタンッ
春香「よーっし、明日も頑張るぞー!」
2日目 午前7時 ―練習場―
美希「こんな時間から始めるなんて聞いてないよ!」
律子「そりゃそうよ、だって言ってないもの」
真「体がうまく動いてくれない!!」
響「そりゃあ!」
雪歩「皆すごいなぁ……なんだかんだ言いながら、踊れてるんだもん」
貴音「雪歩、よそ見をしていると、ここのすてっぷは平衡感覚を失いますよ?」
雪歩「あ、は、はい!」
律子「はい、ここまで踊ったら、ここのロープの向こう、舞台袖に来て、西館組と交代ね」
真「はあ……律子の指導は休みがないなぁ、相当きついや」
美希「ミキ的には、もう少し休憩してもいい気がするけどな」
律子「美希、3倍ね」
美希「……ありえないの」
とりあえずここまで。
ゆっくり更新していきます。次来るときはスマホかも
午後2時 ー練習場ー
P「お、やよい、昨日言ってた所ができるようになってるじゃないか」
やよい「はい! 伊織ちゃん、みてみてー! こうして......ほら!」
伊織「そ、そうね......」
やよい「? 伊織ちゃん?」
あずさ「どうしたの? どこか痛いの?」
伊織「ううん、大丈夫よ」
亜美「ねぇねぇ真美、いおりんってさ......」
真美「うん、絶対そうだよね......」
千早「二人とも、なんの話をしてるの?」
双子「「なんでもないよー」」
千早「......そう」
P(空気がまだ重たいかな......?)
春香「よ、よしっ! 皆で頑張ろう! おー!」
やよい「......え?」
あずさ「お~」
P(春香やあずささんは、この空気を変えようとしてくれてるな......よし!)
P「おー!」
伊織「え? な、なに?」
亜美「おー!」
P(みんなの空元気のおかげか、ちょっとだけ、全体の雰囲気も上がったな!)
午後5時55分 ー練習場ー
P「よし、今日はこれで終わりにしよう」
春香「ふぅー、お腹すいたー!」
P「このまま、皆で食事にしよう」
皆「はーい」
期待
午後6時 ー食堂ー
P「よし、昨日のように食事は皆で食べよう」
律子「料理当番は、厨房から料理をとってきて、皆に配ってね」
P「きょうの料理当番は......あずささんですね」
あずさ「わかりました。向こうの扉が、厨房に繋がってるんですよね?」
P「はい、あと、あそこの電気管理してる機械には触らないように注意してくださいね」
あずさ「うふ、わかってます。じゃあ、待っててくださいね~」
真「......あずささん、行っちゃったね」
千早「しかも厨房と方向が真逆ね......」
響「自分、代わりにとってくるよ」
春香「私、あずささんを迎えに行ってきます」
律子「はぁ、あずささんったら......もう」
P「まあ律子、そう言うな。そういうところが、あの人の魅力でもあるだろ?」
美希「むぅ、ハニーはああいう人の方が好きなの?」
P「え? い、いや、そういうわけじゃ......」
真美「おぉ? じゃあ、兄ちゃんがこの中で付き合うとしたら誰なんだーい?」
雪歩「あ、なんか恋バナって、旅館って感じがしていいですね!」
P「ゆ、雪歩まで......えーっと......」
貴音「皆様、食事の前に騒ぐと、あまり良くないですよ」
亜美「そういうお姫ちん、気になるんじゃないの?」
貴音「確かに、教えていただきたいことではありますね」
P「そ、そうだなぁ、うーんと......」
真「もう、プロデューサー! 焦らしすぎですよ!」
P「今考えてるんだよ......」
美希「ハニー、どうなの?」
響「おまたせー! まず貴音と美希の分、持ってきたぞ! すぐ皆の分とってくるから、待っててね!」
P「お、おっとぉ! 料理が来たぞ! さあ食べよう食べよう!」
千早「はぁ、我那覇さん......」
響「え? 自分なんか悪いことした?」
亜美「もー! ひびきん!」
真美「これから面白くなりそうだったのに!」
響「な、なんだよぉ!」
やよい「うわぁ、とってもおいしそー! ね、伊織ちゃんもそう思うでしょ?」
伊織「そう? 私はあんまり......」
やよい「伊織ちゃん......あぅ」
春香「はぁ~! あずささん確保です! 」
あずさ「ご心配かけてごめんなさいね」
律子「いえ、そんなこと気にしないでください......ん? 春香、その持ってるのは何?」
春香「この旅館のパンフレットです! エントランスに置いてあるのに、誰も気にしてなかったんで、とってきちゃいました!」
真「へぇ、パンフレットかぁ、見せて!」
春香「なんでもこの旅館は、もともと村外れにある、敵国に見つからないための病院だったんだって!」
響「そっか、だから何もないんだな!」
貴音「戦後もその状態を、できる限り壊さずとってあるのですね......ふむ、この料理、なかなか美味です」
P(それからしばらく、皆で他愛のない会話をして過ごした)
午後8時
伊織「ごちそうさま、私もう戻るわね。お休み」
P「あ、あぁ、お休み......」
亜美「真美」
真美「うんうん、真美達も行動開始だね! ......せーの」
双子「兄ちゃん!」
P「ん? どうした?」
真美「真美、なんか眠くなってきたから、お部屋戻るね」
亜美「亜美もー」
律子「ええ、明日も頑張りなさいよ?」
亜美「はーい!」
律子「......やよいも、そろそろ戻った方がいいんじゃない?」
やよい「......律子さん」
律子「ん? どうしたの?」
やよい「うぅ、ぐすん......伊織ちゃんが......」
千早「高槻さん......辛かったのね」
やよい「はい......とっても、とっても......」
貴音「やよい、どうしたのですか?」
やよい「伊織ちゃんがステップのところで、私に注意をしてくれて......それから、伊織ちゃんあんまり、私と話してくれなくて......」
春香「やよい、大丈夫だよ。私だってできない時あるし」
美希「そうだよ、デコちゃんだって、自分がちょっとやりすぎてること、わかってるって思うな」
あずさ「明日になれば、きっと仲直りできるわよ」
やよい「......はい」
響「やよい、落ち着いたか?」
律子「もう、今日は部屋に戻った方がいいんじゃない?」
やよい「そうします、皆さん、ごめんなさい、あと......ありがとうございました!」
P(もう9時か......)
P「そろそろ皆部屋に戻れよ。後片付けは俺がやる」
皆「はーい」
午後9時 ー伊織の部屋ー
伊織「はぁ、本当私って、子供よね」
ガチャッ
亜美「いーおーりん!」
真美「とつげきー!」
伊織「な、何よあんたたち!」
亜美「あ、もう布団敷いてる!」
真美「寝る気満々だね!」
伊織「ちょっと、今から私お風呂に......」
真美「大丈夫! 真美たちと入ろ!」
伊織「は、はぁっ!?」
午後10時 ー食堂ー
P「後片付け、手伝ってもらって悪いな、貴音」
貴音「ふふ、構いませんよ」
P「貴音もそろそろ寝たらどうだ? レッスンかなり疲れただろ?」
貴音「お心遣い、ありがとうございます。ですが、響が外から帰ってくるのを、待っているのです」
P「......響?」
貴音「はい、今日美味しい料理を作る食材を用意するから待っててくれ、と」
P「へぇ、何を持ってきてくれるんだ?」
貴音「どんぐりです。どんぐりはたくさんの栄養があり、さらに硬く良く噛むので、少ない量でもまんぷくになる、とか」
P「どんぐりか......食べれるって聞いたことはあるな」
貴音「本日はお休みくださいませ、あなた様。またいつか、どんぐり料理の感想をお聞かせします」
P「ああ、楽しみにしてるよ」
午後10時 ー伊織の風呂ー
伊織「狭い!!」
亜美「でも3人収まったね」
伊織「湯船に浸かってないのに、なんで待ってなきゃいけないのよ! お風呂の外からくる空気がすごく冷たいじゃないの!」
真美「ぷはぁ、お部屋の空気は冷たいよね」
亜美「まるでいおりんのように......」
伊織「な、なによそれ......」
亜美「あの時、ステップ間違えてたのは、やよいっちじゃなくていおりんだったんだよね?」
伊織「......えぇ、そうね」
真美「やよいっちが間違えちゃったのは、5回目の転んだ時だけだったんだよ」
亜美「うんうん、いおりんのあの怒り方は、自分に対して怒ってたようなきがしたよ」
伊織「あんたたち、変なとこで鋭いわね......そうよ、やよいに私が当たっちゃったのよ」
亜美「謝らないの?」
伊織「謝るわ、明日の朝」
真美「それでこそいおりーん! ほっぺむにゅー!」
伊織「ふぁ、ちょ、むにゅーすな!」
亜美「じゃあ今日はなんで謝んなかったの?」
伊織「うまく二人きりの時間が作れなかったのよ。皆の前だと......」
真美「いおりんのスタイルがもたれるんだね」
伊織「プライドが廃れる、ね。かすりもしてないじゃない」
亜美「でも、いおりんが仲直りするって言ってくれて、亜美は嬉しいよ」
伊織「......まあ確かに、ちょっとツンケンし過ぎてたかもね」
真美「じゃあ、明日しっかり謝ってよね!」
伊織「......えぇ、約束するわ」
亜美「じゃあ亜美、お風呂イチヌケ!」
真美「あ、真美もー!」
伊織「........................」
3日目 午前7時 ーエントランスー
律子「よし、みんな揃ったわね」
真「今日もバリバリ、頑張りますよ!」
美希「ミキ達、すっごく順調だよね」
雪歩「えへへ、レッスン楽しいですよね!」
響「よーっし! 練習場まで競争だ!」
貴音「......はて、何でしょうか?」
美希「貴音? どうしたの?」
貴音「嫌な予感がするのです」
雪歩「......え?」
いやああああああああ!!
律子「何?」
真「西館の方から......今のは、伊織!」
律子「」
↑
律子「」ではなく
律子「ちょっと、真!? 待ちなさい!」
です
午前7時4分 ーやよいの部屋ー
伊織「あ、あぁ......」
あずさ「や、やよいちゃん?」
雪歩「死んじゃってる、の?」
亜美「え? ......な、何かのドッキリっしょ? これ......」
真美「ううん、違うよ。これ、死んでるんだよ......」
P「な、何で......?」
P(俺は、どうすればいいんだ?)
春香「やよいが......? 嘘でしょ?」
伊織「なんで? どうしてやよいが殺されてるのよ......? 死ぬなら、私が......」
貴音「伊織、それはやめましょう。責める必要はないです」
伊織「どうして、やよいが殺されてるのよ!?」
美希「デコちゃん、一回落ち着くの」
伊織「何で皆落ち着いてられるわけ? やよい......私が怒っちゃったからなの?」
雪歩「伊織ちゃん......」
伊織「ねぇ、やよい......起きて? 今なら冗談でも、笑ってあげれるから......」
千早「水瀬さん......高槻さんは、もう......」
伊織「とても、苦しそうな顔をしてるわね......ごめんね、やよい。全部、私が悪いのよね......」
響「伊織、そんなことは......」
伊織「だって――「バカッ!」――痛っ!」
律子「こうなったのは、誰のせいでもないの! 叩かれなきゃわからないの? ほら、皆も早くここから出る!」
春香「えぇ!? で、でも......」
P(律子......そうだよな)
P「この件については、俺と律子に任せて欲しい。お前たちは、辛いだろうが、ライブに集中してくれ」
真美「えぇ!? そんなの......」
真「わかりました」
真美「まこちん!?」
真「ボクらはもう、あの頃のアイドルじゃない。それこそ、トップアイドルになるチャンスを持ってる、プロだよ。ここでライブを辞めれば、ボクらはまた、事務所で暇を潰す日々だ」
千早「真美や、水瀬さんの言いたいことも良く分かる。でも、真が正しいと思うし、プロデューサーも言ってたけど、律子と彼に任せるのが、一番だと思うわ」
響「自分も、あんまり頭は使いたくないし、犯人とか言われても、よく分かんないからな......」
春香「確かに、私はやよいの為にも、ライブを頑張りたいと思う」
律子「そう、皆やるべきことはわかってるでしょ? それに、警察が......あ」
亜美「りっちゃん、忘れたの?」
【亜美「従業員とかもいないんだね......ん?」
あずさ「亜美ちゃん? どうしたの?」
亜美「ここ、携帯繋がんないね」】
亜美「ここ、電波がないんだよ?」
真美「やよいっち......なんだか、気分が......」
響「真美、大丈夫か? 一回外に出よう。顔、青いぞ?」
真美「う、うん......」
律子「じゃあ、連絡はいつ頃つくのかしら?」
P「あと11日経ったら、車が2台来る。それでライブ会場に行って、ようやく他と連絡が取れるようになるはずだ」
美希「......どうするの?」
P「今出来る限りのことをする。俺に任せろ。みんなはライブだ。フォーメーションが崩れた今、西も東も関係ない。可能な人だけ、すぐに練習に行ってくれ」
真「了解です。雪歩、行こ」
雪歩「え? あ、うん......」
春香「......いや、ダメダメ。弱気になっちゃダメだよね」
千早「プロデューサー、後のことは頼みます」
P「ああ、任せてくれ」
P「さてと。残った連中は、なにか言いたいことがあるんだな?」
亜美「いおりん、やよいっちが殺されたって言ってたけど、本当?」
伊織「それしかないじゃない」
あずさ「やよいちゃん、本当に辛かったのね......しかも......」
美希「ここ、お風呂場だよね?」
貴音「床も濡れてますね......これも伊織が?」
伊織「死体見た後、シャワーで床びっしょびしょにする余裕なんて、私にはないわよ」
貴音「でしょうね......」
律子「ちょっと、何を悠長に推理始めてるの? 貴方達はレッスンに......」
伊織「行けるわけないじゃない!」
P「伊織、やめろ」
伊織「レッスンに行ってる奴らはアホなのよ! ......きっと犯人も、あの中にいるんだわ」
P「止めろっていってるんだ!」
亜美「......兄ちゃん?」
貴音「伊織、あなたはあくまで、この中の誰かが、やよいを殺したと......そういいたいようですね」
伊織「はぁ、はぁ......えぇ......そうよ?」
貴音「だとしたら、私は一番、伊織が怪しいかと」
伊織「ぜぇ、はぁ......え?」
美希「だって、隣の部屋だし、やよいの部屋に侵入するためには、一番ほかの人にバレにくいの」
貴音「行動は危険性も兼ねています。近距離の方が、殺人は楽です」
伊織「どうしてそんな事言うのよ!! 私は、本当に......」
あずさ「貴音ちゃん、美希ちゃん、そういうのは、良くないわ」
P(......ダメだ。俺も感情のコントロールができてないかもな)
律子「馬鹿なことを言わない。レッスンしないなら、この際それでも結構。とにかくこの部屋から出る。真美みたいに気分が悪くなったら、どうするのよ?」
亜美「......あずさお姉ちゃん......うぅ、ぐすん、ふえぇ......」
あずさ「よしよし、外出ましょうか?」
亜美「......うん」
貴音「私は、やるべきことはやります。それでいて、やりたい事もやらせていただきます。それでは......」
美希「やよい........................ばいばい」
今日はここまでです
明日来れたら、また来ます
あかん、容疑者フラグたっとる
クローズドサークル作るにも設定が無理矢理すぎる。
車で8時間って、離島じゃないんなら最寄りの駅か空港使えば良いし。
ライブしないより、二週間押さえる方がダメージデカいし。
旅館で二週間やるより、東京でレッスンして前入りすれば良いだけだし。
舞台を造るにしても、土砂崩れとか台風とかさ、ポピュラーな手段で良いと思うんだよ。
明らかに無理が有る設定作るよりは。
伊織「......やよい」
律子「伊織......もう」
伊織「えぇ、わかってるわ。......分かってるわよ。これで最後よ。私は......ただ、やよいに............」
P「謝りたかっただけなんだろ? 昨日のことを......」
伊織「そう......それで来てみたら、これよ......何で、あんなこと、しちゃったんだろう............何で、もっと早く......謝んなかったんだろう......ごめんね、やよい。ごめんね......」
律子「............」
P「その涙はきっと、やよいに届いてるよ」
読者様乙
伊織「な、泣いてなんかないわ......泣いてるわけないじゃない......やよいとの最後に、そんな、泣くなんて......うぅ、うわぁ、あぁ......」
P(しばらく、伊織は大声をあげて泣いた。やよいの体にそっと手を置き、やよいの体の冷たさを感じながら。まだ、やよいが起きあがってくれるんじゃないかと、心のどこかで期待している、俺がいた)
律子「......伊織、出れる?」
伊織「えぇ、悪かったわね、心配かけて......」
午前8時12分 ー練習場ー
真「雪歩、さっきからずっとターンが逆だよ。しっかり集中して」
雪歩「う、うん......」
春香「千早ちゃん......集中、できそう?」
千早「正直、全く。でも、体を動かしてる間は、あまり高槻さんの件を考えないでおいて済むから」
春香「真も、同じなんだろうね......」
千早「えぇ、きっとそうね......」
真「雪歩! そうじゃないってば!」
雪歩「......ねぇ、真ちゃん......」
真「何?」
雪歩「私が、やったかもしれないんだよ......?」
真「あ?」
雪歩「やよいちゃんを殺したのは、私かもしれないんだよ?」
真「......何を言ってるの? 良くわかんないよ......止めよう」
雪歩「考えてみなよ、真ちゃん。ううん、分かってるんでしょ? 考えないようにしてるだけなんだよ......」
真「雪歩、もう一回いうよ? 止めろ」
雪歩「私達の中に、犯人がいるかもしれないんだよ?」
真「......わかってるよ、そんな事」
雪歩「真ちゃんは、その犯人に目を瞑って、そいつと一緒にライブに出るの?」
千早「萩原さん、落ち着いて」
雪歩「千早ちゃん、今私、すっごく冷静だよ?」
千早「少し、狂気を感じるわよ?」
雪歩「......黙って」
千早「..................!」
雪歩「私はね、無理だよ。そいつと笑いあったり、励ましあったりしてるかもしれないって、今考えただけでも、吐きそうになるもん......」
真「雪歩!!」
雪歩「......うぅ!」
春香「ちょっと真! 雪歩から手を離して! 可哀想だよ!」
真「可哀想? 皆を庇う正統派ヒロインでも演じてるつもり? ......邪魔だよ」
春香「............っ!」
千早「............ねぇ、ちょっと」
ガチャッ
貴音「......これは、どういう事でしょう?」
春香「た、貴音! 雪歩が、雪歩が!」
真「あ......ボクは、何てことをしてるんだ......」
雪歩「ごほっ、けほっ、けほっ」
千早「萩原さん、大丈夫?」
雪歩「う、うん......なんとか」
真「雪歩、ごめん......春香も、酷い事言って悪かったよ......」
春香「私は大丈夫、気にしてないよ」
雪歩「私も......私の方こそ、変なこと言っちゃってごめん。千早ちゃんもごめんね」
千早「別にいいのよ」
貴音「......真、このような事を言うのはどうかと思いますが、冷静さを欠いたものは、次の標的になってしまうかもしれませんよ?」
真「あはは、怖い事言うなぁ、貴音は......」
やよいなら俺の隣で寝てるよ
千早「こんな時でもお腹はすくわね。春香、食堂に行かない?」
春香「うん、行こっか......3人はどうするの?」
雪歩「もう少し、やっておきます」
春香「そっか、分かった」
午前8時40分 ーやよいの部屋ー
律子「これで、ようやく捜査ができますね」
P「伊織のあの言葉......」
【P「伊織、最後に一つ」
伊織「何?」
P「やよいの死体を見つけたのはいつだ?」
伊織「7時くらいね。間違いないわ」
P「わかった、ありがとう」】
P(範囲が広いが、皆に聞いた方がいいよな......)
P「この現場の捜査は、律子に任せる。俺は皆のアリバイってやつを聞いてくるよ」
律子「分かりました」
P「じゃあ、行ってくる」
律子「待ってください。......プロデューサー殿は、違うんですよね?」
P「当たり前だ。あと、この中に犯人はいないからな」
律子「......それは違います」
P「ぐ......」
律子「プロデューサーの言ってるそれは、そうであってほしい、というだけの事です......私だって、そう信じたいけど、それは難しいような気がしますね」
P「......ちくしょう、じゃあ誰が......」
律子「誰がなんてどうだっていい。私は、どうやってやよいの死体ができてしまったのかが知りたいだけです」
P「......わかった、とにかく、俺は行く」
律子「はい、終わったら、私の部屋にいてください。そこで成果を話し合いましょう」
P「おう。あ、メモとかどこにあるか知ってるか?」
律子「部屋の小さな机の引き出しに、工具セットとメモノートがありましたよ。多分みんなの部屋にあります」
P「おう、サンキュー」
律子「......行ってらっしゃい」
律子(まず、濡れてるお風呂場、これはメモしておいた方がいいわね。やよいの体に、傷は特にないみたいだし......どうやって殺されたのかしら?)
律子「......ん?」
律子(換気扇の所......太い枝が挟まってるわね)
律子「よっと」
律子(結構簡単に取れるし、私の胸のとこくらいの高さだから、誰でもこの枝は挟めるわね)
ゴウゴウ
律子「そして、とったと同時に動き出した......と」
律子(故意的に止めたってこと? 何のために? どうやって......?)
律子(ダメね、分からない)
律子「本当、せめてやよいを検死できるくらいの腕を持っていたら良かったのだけれど......」
午前10時 ー旅館の外ー
真美「......」
響「うん、だいぶ落ち着いたみたいだな、良かったよ」
真美「ひびきん、付き添いありがとね」
響「なんくるない。自分もびっくりしたよ。やよいが......あんな............」
真美「犯人は、真美達の中にいるんだよね......?」
響「さあな、自分にはなんとも言えないよ。だからあの場を去ったんだ。やよいの死体を見るのが嫌だったっていうのが、一番の理由だけど」
真美「......ひびきんは、違うよね?」
響「何だ? 真美は自分の事嫌いか?」
真美「そ、そうじゃないよ!? なんとなく聞いてみただけ」
響「自分なわけ無いじゃん。嘘が得意じゃないの、知ってるだろ?」
真美「えへへ、だよね。ひびきんには無理だよ」
響「人や動物を殺すなんて、考えたこともないからな!」
P「お、響! 真美! やっと人を見つけた!」
響「ん? どうしたの、プロデューサー?」
P「お前たちに、食堂の解散してから、何をしていたか聞きたいんだ。いいか?」
真美「えーっと、食堂出てからすぐいおりんの部屋に行って、亜美といおりんと一緒にお風呂入ったよ。......それからしばらく喋って寝た。0時くらいには、自分の部屋にいたと思う」
響「自分は厨房で貴音に拾ったどんぐりで料理を振舞ったんだ。それから午前1時には、部屋でぐっすりだよ」
P「......わかった、ありがとう」
真美「ねぇ、兄ちゃん......」
P「俺は、この中に犯行出来る人がいないことを証明するために頑張るから」
真美「......うん、だよね! 頼りない兄ちゃんだけど、頑張ってね!」
P「......ああ、ありがとな」
真美「お? ......へへ」
響(いいなぁ、頭ぽんぽん)
P(真美に嘘をついてしまった......心が痛いな。本当は真逆の事を証明しようとしてるんだから)
午前11時
P「あとは、外にいるのは亜美とあずささんと伊織か......お、みっけ」
亜美「あ。兄ちゃんだ!」
あずさ「あら、プロデューサーさん」
P「亜美も、もう大丈夫だな?」
亜美「うん、まぁ、ね」
あずさ「どうしたんですか? まさか私、亜美ちゃんを連れて迷子に?」
P「昨日の午後10時から午前7時の間って、何してました?」
思っとったより進みませんね。
今日はここまでで。
あともう少しだけ......行きます
イマイチ状況が分からないんだけど、やよいは自分の部屋の風呂で倒れていた?って感じであってる?
乙
亜美「それ聞いて、どうなるの?」
P「犯人はここにいないってことを証明してやるんだ」
亜美「わかった。亜美は真美といおりんの部屋で、0時くらいまで遊んでたよ。それから寝ちゃったけどね」
P(そうなんだよな。深夜なんて、アリバイがないに等しいんだよ)
P「あずささんは?」
あずさ「実は......ずっと起きてたんです。一人だから、証明はできませんけど......」
P「え?」
あずさ「なんだかよく眠れなくて、午前2時くらいに、旅館内をお散歩してたら、大きな冷蔵庫のあるところに来たので......」
P(厨房か......)
あずさ「そこから牛乳をとって、レンジで温めて飲んだ後、やっぱり寝れずに、エントランスってところをウロウロしてたら、いつの間にか私の部屋にいたんです」
P「へ、部屋に戻った時の時間は?」
あずさ「朝の6時50分くらいかしら?」
>>77
そうです。状況がわかりにくいのは承知している点ですが、できるだけ必要なことを書こうとしているので、どうしても......申し訳ないです。
P「その時、誰か人は?」
あずさ「誰とも会ってないですね......扉は開かなかったですし」
P(移動、やよいの殺人はこれをしないと始まらないはずだ。だとすれば、あずささんの言ってることが本当なら、東館の人達は、東館内でしか過ごしていないことになる......)
あずさ「でも、不思議と眠くないのよね」
亜美「兄ちゃん、大丈夫? 犯人いるっぽいの?」
P「いや、大丈夫だ」
P(今の所は、な)
亜美「良かったー、亜美、誰が犯人とか、考えたくもないもん」
あずさ「私も嫌よ。でも、あんなに可愛いやよいちゃんを殺した理由は、少し知りたいわね」
P(俺もそれは同じだな)
P「あと、外には伊織がいたはずだ」
亜美「いおりん、あっちの丘だよ」
P「おう、ありがとな......って遠いな」
あずさ「頑張ってくださいね。うふふ」
午後12時30分 ー旅館の外ー
伊織「......それで? 亜美と真美と話してから何をしたか?」
P「教えて欲しいんだ」
伊織「......一回トイレに行ったわ。何時かは忘れたけど、その時は誰ともあってないわね......」
P「......そうか。ありがとう」
伊織「それで、どう? 犯人は見つかりそう?」
P「伊織はあくまで、犯人はこの中の誰かだと、そう言いたいんだな?」
伊織「当たり前でしょ? 見つけたら一発くらい殴らないと、気が済まないわ」
P「......だよな」
春香「あ、プロデューサーさん!?」
P「ん......? 春香!? レッスンは?」
春香「千早ちゃんと早めに切り上げて、食堂でお話してました」
P「そうか......集中できたか?」
春香「正直、全く......」
そろそろ寝ます。ゆっくりですが、確実に終わらせます。質問されたら、できる限り答えます。
閲覧ありがとうございました。
∩∩
(´・ω・)
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おやすみなさい
⊂⌒/ヽ-、__
/⊂_/____ /
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P「そうだよな、皆辛いよな」
伊織「犯人以外は、ね」
P「春香、どうしてここに? 千早はどうしたんだ?」
春香「お腹すいちゃったし、何か食べれそうな物ないかなって。千早ちゃんは食堂で待ってます」
P「......そうなのか。んで、ここから本題だが......」
伊織「アンタは、午後10時から午前7時の間、何してたのよ?」
春香「千早ちゃんと一緒にお話を、私の部屋で0時までして、それからお風呂に入って寝ました」
P「千早と、か?」
春香「いやいやまさか! お風呂とか入った時は、もうバイバイしてましたよ。でも、時間は間違ってないです」
伊織「どうしてそう言いきれるのよ?」
春香「昨日も一昨日も、千早ちゃん、帰る前に時計を見るんですよ」
【千早「......もう10時ね」】
【千早「もう0時だわ」】
春香「......って」
P「なるほどな、わかった。ありがとう。じゃあ、厨房に行ったあと練習場だな」
伊織「犯人を見つけてもらわないと困るけど、アンタに倒れられた方が困るからね? ......もう、誰も失いたくないから」
P「......分かってるさ。じゃあ春香、一緒に行こうか」
春香「あ、はい!」
午後1時10分 ー食堂ー
千早「春香の言った通りです。それから私は、2時前にトイレに行って寝ました」
P「......なるほど、すまないな、わざわざ」
P(うーん、このメモに意味は有るんだろうか?)
春香「プロデューサーさん、これで私達は......」
P「容疑が晴れたかって話か? 俺は最初から、誰にも容疑なんてかけちゃいないよ」
P(正確に言えば、かけるような相手がいない。もっといえば、かけられないってとこかな)
春香「プロデューサーさん......」
P「よし、最後、練習場だ」
午後1時30分 ー食堂ー
真「ボクは、午前1時10分くらいにトイレに行って、それから東館で貴音に......ね?」
貴音「そうですね、それから少し会話をして、午前3時頃に、眠ったと思います。私は周知のように、午後10時から午前1時くらいまで、響と話していました」
P(貴音のアリバイはほぼ完璧、か。だからと言って、貴音を容疑者から外していいものか)
雪歩「あ、わ、私はずっと寝てたので、何とも言えません......」
P「......? そうなのか。ありがとな」
午後2時02分 ー律子の部屋ー
P「とりあえず、こんな感じか......」
『22時
解散
亜美・真美・伊織が風呂
響、どんぐりを拾うために外へ
貴音、食堂
春香・千早でお話
0時
亜美達と春香達が解散
1時
響と貴音解散
1時10分
真トイレへ。貴音と東館であう
2時前
千早トイレへ
???
伊織トイレへ
2時
あずささん、厨房へ行った後、エントランスに
3時
真、貴音解散
7時
やよい発見』
律子「こちらも、気になるものはこれぐらいで......」
P「決定的な証拠はまだないな......」
律子「矛盾する内容......ないですもんね」
P(......見つからなかった人が、いるんだよな......)
律子「他の人は大丈夫なんですか?」
P「書いてない人の情報は、書くほどのものではないかなって」
律子「なるほど、そうですか......」
P「......律子、大丈夫か? さっきからずっと下向いて......」
律子「いえ......これから、765プロはどうなるのかな............って、考えたら......」
P(俺もすぐ、それは考えていた。答えは、まだ出ていない)
律子「この周りは無人なんです。犯人もアイドルの誰か、としか考えられないし......それもこれも、どう、やって......はぁ、小鳥さんに、つた、伝えれば、いいのか......とか」
P「律子、泣くな」
律子「だって......だって............」
P(しばらく、律子の泣き声だけが、この部屋に反響していた。俺は、何て言ったらいいのかわからず、言葉を紡ぎ、俯いてしまっている)
P「........................」
律子「何ていうか、ごめんなさい............この旅館を予約しようって話をしたのは、私でしたし......」
P「それを言い始めたら、収拾つかなくなるぞ............」
P(やがて俺は、ある一つの気持ちを吐き出した)
P「もしも、やよいなら今の状況、何て言うんだろうな」
律子「......え?」
P「辛いって泣いて、どうしてって喚くだろう。............それだけかな?」
律子「............どういう、ことですか?」
P「すぐにまた、この困難に立ち向かおうとするんじゃないのかな?」
律子「!」
P「だから、俺も決めたんだ。やよいのように、最後まで明るくいようって。全部正直に話して、それから頑張るしかないさ」
律子「また1から......そうね、そうよね」
P「ああ、大丈夫だよ」
律子「ありがとう。本当に私、あなたがここにいなかったら、どうなってたんだろ......」
P「ん? どうした?」
律子「いえ、それより、もうすぐ食堂に行く時間です」
P「お、本当だ。行くか」
午後6時 ー食堂ー
P「きょうの料理当番は............やよい、だったんだな」
伊織「............」
春香「わ、私が代わりに行きます! 料理を運ぶだけですよね?」
P「待った、春香............美希がいない」
真「......! 美希が危ない!!」
P「真、どこ行くつもりだ?」
真「美希を助けに行かなくちゃ!」
P「今朝俺に任せろって言っただろ? その時、真は何て言った?」
真「う............了解、です」
P「よし、いい子だ。先に食べててくれ!」
貴音「分かりました」
午後6時8分 ー西館ー
P「美希ー!!」
P(どこに行ってもいない、自分の部屋にもいない......美希は、もう......)
P「......いや、そんな事がある筈ない。何考えてるんだ俺は......」
P(後、美希のいる可能性がある部屋は、ここだけだ......)
P「無事でいてくれ、美希っ......!」
ー女子トイレー
コンコン
P「......美希か?」
P「............」
ドンドン
P「いるなら返事してくれ、寝てるのか?」
P「............」
ドンドンドンドン
P「美希!! 美希!! まさか、本当に......」
美希「......なんでここに、ハニーがいるの?」
P「美希......良かった。お前を探して、居る可能性のある最後の場所が、このトイレだったんだよ」
美希「......そうなの」
P「もう6時過ぎてるぞ? 一緒に戻ろう」
美希「......や」
P「どうして?」
美希「今、顔ぐしゃぐしゃだから」
P「......その中で何してるんだ?」
美希「ミキの体の悪い気持ちを出そうとしてるの............う、おぇ」
P「おい、美希、何やってるんだよ!」
美希「だってだって、こうでもしないと......美希、このままじゃ......」
美希「デコちゃんのこと、犯人としか見れないんだもん......」
P「............伊織を?」
美希「ミキね、死体を見たとき、本当はすっごく泣きたかったんだよ? でも、デコちゃんが泣いてたから......今泣くと、デコちゃんに同情することになるって思って......」
P「美希は、伊織が犯人だって「思ってないよ!!」
美希「思いたくないよ......だからこの苦しさとか、気持ちを殺すの。............うぷ、おえぇ」
P「そんなことして何になるんだ!」
美希「でも、あぁ......ぐすっ、こうでも、しない、とおぉ......はぁ、はああぁぁ......ミキ、おかしくなっちゃうよ............」
P「......美希」
美希「うぅ、おええぇえ」
P(音無さんに言われた言葉を思い出すな。美希はまだ、15歳なんだ......死体を落ち着いて見れるわけ、無いよな......でも)
P「それは、やよいの望んでることなのか?」
美希「......え?」
P「少なくとも、俺とやよいは、美希にはそんなことをして欲しくないと思う。俺は、美希には美希で居て欲しいんだ」
美希「............」
P「おいで、美希。......一緒に行こう」
美希「............あはっ、ハニーってば、本当ズルいよね」
ガチャッ
美希「............行こっか」
P「美希......ありがとう」
午後6時41分 ー食堂ー
美希「......誰も、居ないね」
響『美希、大丈夫かな......もしかして......』
貴音『響、滅多な事を言うものではありませんよ』
響『そう、だよね......』
P「厨房から、声が聞こえるな......行ってみよう」
午後6時43分 ー厨房ー
P「皆......って、だいぶ数が少ないな」
千早「あ、プロデューサー......美希も、心配したのよ?」
美希「千早さん......それに、あずさ、響、貴音に雪歩も......」
あずさ「良かったわ、本当に、美希ちゃんが無事で」
雪歩「すっごく心配したんだよ! 何処に居たの!?」
美希「......女子トイレ」
雪歩「......え?」
響「......てことは、プロデューサー、女子トイレに入ったのか!? エッチ!!」
P「なんで俺が責められてるんだ!?」
貴音「もし、あなた様、ここを、ご存知なられたでしょうか?」
P「え? ......ここ、木箱の山が崩れてるな......」
美希「そこに下に行く階段があるの。ミキ、これ知らないよ? 何があったの?」
響「実は............」
今日は寝ます!
∩∩
(´・ω・)
_| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
おやすみなさい
⊂⌒/ヽ-、__
/⊂_/____ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
乙
続き気になる
午後6時10分 ー食堂ー
響「プロデューサー、行っちゃったね」
律子「......春香、料理を一緒にとりにいかない?」
春香「え? 私一人でもできますよ?」
律子「出来る出来ないじゃない。誰かを一人にさせるのは、今は危険だって事よ」
真「り、律子......」
あずさ「律子さん、私達を......」
律子「残念だけれど、ね」
伊織「......そう、私も同じよ。私がやよいを殺したと思われてるなんて、耐えられないわ。真犯人を絶対に見つけ出してやるんだから」
雪歩「伊織ちゃん......」
律子「考えてる事は、みんな違うみたいだけど、私は貴方達を疑ってる、とだけ言っておくわね」
亜美「りっちゃん? ......何で、そんなこと言うの?」
律子「............」
貴音「......お腹がすきました」
千早「え、えぇ、そうね......春香、律子。行くなら早く、持ってきてくれると嬉しいわ」
春香「は、はーい! わっかりましたぁー!」
伊織「............どうして」
真美「いおりん?」
伊織「どうして律子は、私達を捜査に加わらせてくれないの? やよいが死んだのよ? それって......」
響「そんなの簡単さー」
千早「我那覇さん?」
響「きっと、律子は皆の事を守ろうとしてくれてるんだよ。真相に近くなれば近くなるほど、犯人はその人を狙うだろうしね」
あずさ「私も、響ちゃんに賛成ね。律子さんは、私達の事を考えた上で、ああしてくれてるのよ」
亜美「でも、りっちゃん亜美たちの事疑ってたよ? ......亜美たちの事、嫌いなのかな?」
雪歩「嫌いだったら、やよいちゃんの死体の前で、あんな風に毅然とした態度で、皆に指示することは難しかったんじゃないかなって思うよ?」
伊織「アンタ達は優しいわね。......自分が醜く見えてくるわ」
響「伊織............」
きゃああああああああああ!!
千早「今の、春香!?」
真美「ま、またこのパターン!?」
真「ボク、見るまで信じないからな!」
ー厨房ー
響「転んだぁ!?」
春香「えへへ、そう。それだけだから心配しないで?」
あずさ「あら? 春香ちゃん、そこは?」
春香「......え? な、なんだろう、この階段......」
真美「わーい! 秘密基地だー!」
貴音「真美」
真美「あ......ごめん」
律子「プロデューサー、それと美希を待つ人達も必要ね。ここに来たい人は来て。ここの捜査なら今だけ、私が許可をするわ」
春香「ここ、やよいの手がかりがあるかもしれないんですよね......行きます」
伊織「行かないって選択を、私がするわけ無いでしょ?」
亜美「大冒険だね」
真美「大探検だね」
真「ボク、見てみたいです」
あずさ「私は美希ちゃんとプロデューサーさんを待ちます」
千早「私もそうします」
響「自分も! 下の事は後で、皆から聞かせてよ」
貴音「あの方と美希と合流し、そちらに向かいます」
雪歩「ちょっと怖いから......先に見てきて欲しいですぅ」
律子「......わかったわ。じゃあ行くわよ」
午後6時46分 ー厨房ー
P「それで、待ってるわけか」
貴音「そろそろ、出てくる頃かと......」
ひょこっ
亜美「兄ちゃんだ! ミキミキもお帰り!」
ひょこっ
真美「え!? ミキミキ!?」
亜美「うあうあ、真美ー! 狭いよー!」
美希「た、ただいまなの......」
P(やれやれ、双子は完全に勢いを取り戻したみたいだが、伊織はどうだ?)
あずさ「それで、この中はどんな感じ?」
亜美「来てきて! もう、すっごいよ!」
P(そういった亜美と、ニンマリと笑う真美。二人にぐいぐい引っ張られながら、俺たちは階段を下りていった)
貴音「大分奥まで続いていますね......地下深いですね」
響「これ、また上らなきゃ行けないのか......」
千早「......憂鬱、ね」
P(薄暗い階段を、亜美の携帯のライトを頼りに降りていくと、やがて大きな鉄の扉に出会う)
雪歩「ここ......開くんですか?」
真美「力いっぱい押すよ! せーの!」
午後6時51分 ー厨房地下ー
P「ここは、病室か?」
律子「人が30人は入れるかもって感じですね。ただ、ホコリがすごいから、寝泊まりは一人がやっとって感じでしょうか?」
春香「薬もいっぱい並んでますね! これなら風邪を引いちゃっても安心です!」
響「でも、毒薬みたいなのもあるから、注意しないとな......」
あずさ「これは......何かしら?」
美希「医学書、かな? 『人体大分解』『科学の進歩と医療』『医師が教える怪我の治療法』『初心者でもわかる検死』『死斑の見分け方』............? 良くわかんないね」
律子「検死......? 見せて」
貴音「厨房、侮れませんね......」
真美「いおりんくらえー! 包帯ぐるぐる攻撃ー!」
伊織「ちょっと、コラ! アンタ、やめ、やめろぉ!」
P(伊織も、少しは立ち直っているんだな)
雪歩「犯人は......この部屋を知っていたのかなぁ?」
P(犯人......か。ということは、雪歩もおそらく犯人はこの中の誰かだと......)
あずさ「うーん、どうなのかしら?」
千早「......ない、とはいい切れないわね」
律子「プロデューサー、ちょっと」
P「......何だ?」
律子「検死のやり方、わかりました。もう一度、やよいの所に行ってきます」
P「一人でいいのか? 俺も......」
律子「そんなことしたら、皆着いてきます。だから、あなただけが知っていて十分です」
P「......わかったよ」
律子「では......」
美希「あれ? 律子、さーん。どこ行くの」
律子「ちょっとね」
真「......行っちゃったね」
響「うーん、怪しすぎる気がする......ぞ」
P「あ、そういえば美希。お前のアリバイを聞けてなかったな。午後10時から7時の間だ」
美希「寝てた、としか言えないの」
P「......そうか」
P(やはり、何も繋がってこない、か......小説みたいにうまくは行かないな)
亜美「お、亜美もやるー!」
真美「いおりんミイラー!」
伊織「アンタら後で覚えてなさいよ!」
雪歩「えへへ、皆何だかんだで楽しそうですね。やよいちゃんのことで、もっとへこんでるかと思ってましたけど」
P「多分、みんなが無理をしてるからだろうけどな」
雪歩「......無理、ですか?」
貴音「その意見には、私も同意です。特に亜美、真美、春香、美希、伊織は、相当無理をしているように思えます。強がり、といいましょうか」
P「そういう意味では、真も大丈夫か?」
真「美希ー! 薬棚の中に、眠眠打破あったよー!」
美希「ミキ、全然それのんでも眠く無かった事なんてないの」
P「あいつの話題も、かなり無理矢理な気がするんだが......」
雪歩「やっぱり、今朝のことで......」
P「今朝のこと?」
双子「兄ちゃーん!」
P「......すまん、後でな。どうした?」
双子「ばぁっ!」
P「うおぉっ!? なんでそんなにぐるぐる巻なんだよ!」
伊織「プロデューサー! 私さっき酷い目にあったわ! そいつら捕まえて!」
P「よーし! 俺が捕まえてやる......んぎゃあ!」
春香「わっ!? お尻の下にプロデューサーさん!?」
P「春香......コケるなよ? あと、後ろに居るなら言ってくれ......」
千早「ちょっと、収集つかなくなってきてる......」
あずさ「そうかしら? やっと皆が戻ってきた感じよ? きっと、やよいちゃんも喜ぶわ~」
響「あはは、なんだかたのしくなってきたな!」
P(それからしばらくして、みんなで病室を出た)
午後8時 ー食堂ー
律子「......戻りました」
P「......よし、じゃあ、少し聞いてくれ......嫌なことを思い出させることになるかもしれないが、皆の気持ちももうだいぶ落ち着いてきた頃だろう」
春香「そうですね。本調子が出てきてる気がします」
P「だから、少しだけ皆の気持ちが知りたい。そのための話をしたいんだ......頼めるか?」
皆「はい」
P「ありがとう。順番は皆に任せる。場所はさっきの病室で。俺は先に行っておこう。待ってる人達は、食堂にいてくれ」
P(よし、時間の次は、心の調査だ。それと、頼みたいこともあるし、な)
とりあえずここまでで。
おやすみなさい
支給武器: 特殊警棒
kill: NO DETA
killed: NO DETA
死亡話数: NO DETA
凶器: NO DETA
ルール説明中、アキヒロ(軍人)の向けた銃口の先にいた城ヶ崎麗(男子十番)を庇い、左腕を負傷。<9話>
↓
G=03エリアにて池ノ坊奨(男子四番)と共に真壁瑠衣斗(男子十六番)・高須撫子(女子十番)の帰りを待っていたが、如月梨杏(女子四番)率いる第8班の襲撃を受ける。内藤恒祐(男子十二番)に撃たれそうになるが撫子に助けられる。やる気の人を放っておくと麗らに危害が及ぶ可能性を撫子に示唆され、戦う決意をして星崎かれん(女子十六番)を昏倒させる。瑠衣斗が梨杏を殺害したことにより、第4班全員の首輪が爆発する様を目の当たりにする。<20話>
↓
麗たちを探すために御神山を登る途中、松栄錬(男子九番)・湯浅季莉(女子二十番)の襲撃を受ける。撫子が2人を足止めし、奨・瑠衣斗と共に逃げるが、途中錬らと同じ班の鷹城雪美(女子九番)が現れ、泣きながら助けを求められる。雪美の痛ましい姿に胸を痛めて雪美を信じ護とうとしたが、雪美の命を狙うという榊原賢吾(男子七番)が現れる。攻撃を受け止めようとしたが突然雪美に動きを封じられ、死を覚悟するが、奨に身体を張って護られた。奨の死に泣き叫ぶ。その様子を見て笑う雪美の姿に、騙されていたことを知る。何故か雪美に酷く嫌われており、その事実に涙する。“咲良の悲しむ様を見たい”という理由で狙われた瑠衣斗を庇い左手を負傷。仲間たちが自分の所為で死ぬかもしれないことにショックを受けており、死を望む発言までした。<36?39話>
↓
G=07エリアにて潜伏。何度も自殺を図る程に精神的ダメージを受けていたが、現れた日比野迅(男子十五番)・水田早稀(女子十七番)の励ましにより、麗たちを探すという目的を思い出した。<52話>
↓
E=06エリア付近にて潜伏。麗たちに思いを馳せていたが、遠くで響く銃声が耳に入り、移動を再開。<60話>
午後8時30分 ー病室ー
P「じゃあ、やるぞ。まずは春香か」
春香「......はい」
P「ただ俺は、春香の今の気持ちが知りたいんだ。やよいの死、ライブの期日、犯人がいるかもしれない......春香は、どうしたい?」
春香「私は、犯人がこの中にいるとしたら、それは許しません。......でも、やよいは犯人を見つけることを望んでるのかなって」
P「......というと?」
春香「今犯人がもしこの中にいるとしたら、だとしても、皆で今のところは、仲良くやれています。まだ少しギクシャクしてるけど......それでも朝より、大分バラバラな感じはないんです」
P「確かに、そうだな」
春香「このままライブをやってからでも、犯人を見つけるのは遅くないって......やよいも、そう思ってると思うんです」
P「......それは、厳しいだろうな」
春香「......やっぱり、そうですよね......」
P「だからこそ、俺が頑張らなくちゃな。もう、それは決めたよ」
春香「プロデューサーさん......」
P「......じゃあ、次の人を呼んでくれ」
午後8時42分
千早「私は、ライブをしたいです。高槻さんの事は、私たちがどうこういうことでは、ないかと」
P「そうだな。だが、これから先1週間以上も放置されるとなると、いろいろと問題が出てくるだろう」
千早「そのあたりは、私はプロデューサーに任せます」
P「そうか......ライブに集中できそうか?」
千早「正直、無理です......でも、高槻さんはライブをして欲しいと思ってる。そんな気がするんです。今できる精一杯を、やろうと思います」
P「わかった。ありがとう」
午後8時51分
あずさ「私はやよいちゃんが、このままだと可哀想だと思うんです」
P「あずささんの言う通りです。だから俺は犯人に繋がる手がかりを探してるんです」
あずさ「......あの、プロデューサーさん」
P「はい?」
あずさ「あの、プロデューサーさんの言葉は......」
【P「犯人はここにいないってことを、証明してやるんだ」】
P「半分嘘で、半分本当です。正直この中にいる可能性は高いし、でも......信じたくない」
あずさ「私に何か、できることはないですか?」
P「あずささんに、あずささんでいてもらう事です。怖がる皆を、励ましてあげて下さい」
あずさ「......そうですね、わかりました」
午後9時7分
P「律子か......どうだ? 検死の結果は」
律子「......やられました。犯人は既に、包丁を持ち出してやよいの身体に傷をつけて、死斑が見えないようにしてたんです!」
P「じゃあ、死因とかは分かってないわけだな?」
律子「そうなりますね。でも、死亡推定時刻は、午後10時、11時で間違いないです」
P「そういえば律子は、何をしてたんだ? 午後10時から、7時まで......」
律子「急に、雪歩が0時くらいに部屋に来て、それからずっと雪歩の話を聞いてました。開放されたのは2時かな? それくらいだったと思います」
P(どういう事だ? 雪歩の話と違うけど......)
P「......律子は、いろいろと考えてることがあるんだろ?」
律子「まあ、そりゃあ、ね。考えない方がおかしいと思いますし。......気持ちは分かるけど、あの子達を巻き込みたくないんです」
P「でもな、律子。俺はもう、無理な気がしてるよ」
律子「......え?」
P「捜査に参加したいって言う子が出てきたら、できる限りやらしてあげたいって俺は思ってる。もちろん、俺が目の届く範囲でだ」
律子「プロデューサー、それ本当ですか?」
P「俺はいつでも、自分の気持ちより、皆の気持ちを優先させたいって思って、プロデュースしてきた」
律子「............私も、同じです」
P「じゃあ、律子も分かってくれるよな? ......俺が、何が言いたいのか」
律子「......必要以上の情報公開は、避けてくださいね?」
P「分かってるよ。ありがとな」
見てるぞ
午後9時22分
P「正直に言わせてもらうと、お前の言う通り、犯人がこの中にいる確率が高い」
伊織「そればっかりね......この中にいる犯人が、誰なのかが鍵なんでしょ?」
P「伊織......」
伊織「律子は、あの時何しに行ったの?」
P「あの時?」
【美希「あれ? 律子、さーん。どこ行くの」
律子「ちょっとね」
真「......行っちゃったね」
響「うーん、怪しすぎる気がする......ぞ」】
P「あれは、検死をしに行ってたんだよ。実際やよいの死亡推定時刻が午後10から11時の間ってわかったし」
伊織「信じて、いいの?」
P「いいと思うぞ」
伊織「根拠が、あるのよね?」
P「律子はその後、0時に雪歩と話したと言っていた。これは後で裏を取るけど、この情報が正しければ、アリバイのない時間帯に、嘘をつくメリットがない」
伊織「だから、信じられるって? ......アンタはお気楽ね。私は捜査をしないと、何も信じられそうにないわ」
P「......じゃあ、してみるか?」
伊織「......え?」
P「明日の午前8時、エントランスで待ってるぞ」
伊織「プロデューサー......うん!」
午後9時39分
亜美「犯人、見つけたくないよ」
P「......意外だな。どうしてだ?」
亜美「だって、兄ちゃんが亜美たちに出来ない事を証明してくれるまで、犯人がここにいるかもしれないっていうのは変わんないんっしょ?」
P「そうなるかな......すまん」
亜美「犯人って、捕まっちゃうよね? もう、会えなくなるんだよね?」
P(......どう、答えてやればいい?)
午後9時39分
亜美「犯人、見つけたくないよ」
P「......意外だな。どうしてだ?」
亜美「だって、兄ちゃんが亜美たちに出来ない事を証明してくれるまで、犯人がここにいるかもしれないっていうのは変わんないんっしょ?」
P「そうなるかな......すまん」
亜美「犯人って、捕まっちゃうよね? もう、会えなくなるんだよね?」
P(......どう、答えてやればいい?)
亜美「亜美はやだ。やよいっちも辛かったのに、また誰かここから居なくなるなんてやだもん」
P「俺も嫌だよ......でも、もしそうなら、やらなきゃいけないんだよ......」
亜美「兄ちゃん......わかってるけど」
P「それもこれも、犯人がいたら、の話だ。大丈夫だ、安心しろ」
亜美「......うん、わかった。真美呼んでくるね」
午後9時52分
真美「犯人はいないんでしょ?」
P「ああ、俺はそう思ってる」
真美「皆もそう言ってたし、多分大丈夫だよね......でも、もしも犯人がいるっぽいんなら、真美はその人を許せない」
P(亜美とは、違うんだな)
真美「ねぇ兄ちゃん、真美、頑張るから、一緒に調べさせてよ」
P「真美、甘いぞ?」
真美「ほえ?」
P「やよいが殺されるだけじゃないかもしれない......今俺は、次に誰かが殺されるんじゃって思って怖いんだよ......でもな、真美には言っておく」
真美「............うん」
P「必ず、俺がこの謎を解明する」
真美「兄ちゃん......」
P「そして、明日の朝8時に、エントランスに来い」
真美「え!? いいの!?」
P「捜査、というか探索だけどな」
午後10時4分
響「自分、犯人が捕まらないっていうのは悔しいぞ」
P「俺もそれは同じだよ」
響「でも、自分そんなに頭のいいほうじゃないから、プロデューサーに頼んだよ」
P「おう、じゃあ、ちょっと頼みたいことがあるんだが、いいか?」
響「ん? なあに?」
P「厨房の凶器は危ないから、ここに集めようと思ってるんだ。あと、貴音と雪歩を誘おうと思ってる......」
響「集めてどうすんの?」
P「そっちの方が安全だろ? ここは鉄の扉だ。開けるのには少し時間がかかるしな」
響「......そっか。わかった! 自分、協力するぞ!」
P「響、ありがとう。嬉しいよ」
響(あ、頭なでられた......)
響「えへへ......」
午後10時18分
貴音「私は、凶器の回収など、任されたことはやります。ですが、あなた様と律子の関わるなということに関しては、全く聞く気はありません」
P「......そうか」
貴音「して、あなた様、それを、了承、して頂けるでしょうか? その、と、時の............皆の状況を教えて......はぁ......もらうことは、できるで、しょうか?」
P「そんな目で見ないでくれ......」
貴音「............やよいを失った事が............とても、とっても辛いのです」
P「それは俺も同じだよ」
貴音「私たち以外に、このあたりは人が......いません............それは......うぅ、うっ......私達の中に犯人がいる事の............証明になります」
P「そうだな、貴音が正しいよ、そう思う。中途半端な気持ちで、俺は臨んでるからな......」
貴音「あなた様......」
P「もう少ししたら落ち着くだろう。それまで、ちょっと泣いとけ」
貴音「......はい」
午後10時37分
真「......今朝のこと、ですか?」
P「ああ、ちょっと教えて欲しいんだが......」
真「......雪歩と言い合いになっちゃって......」
P「うん」
真「ボク、すぐにライブだーなんて言ったけど、滅茶苦茶悔しかったんです。あの時やよいに会っていれば、もしかしたら防げたかもしれないんですから」
P「俺も悔しい」
真「雪歩は......こう言いました。ライブに出る人の中に、やよいを殺した人がいるかもしれない。そいつと笑顔で一緒に踊るって考えるだけで、私は耐えられない......って」
P(雪歩が、そんなことを......)
真「そう言われてボク......」
【真「雪歩!!」
雪歩「......うぅ!」
春香「ちょっと真! 雪歩から手を離して! 可哀想だよ!」】
真「雪歩につかみかかちゃって......春香にも、ひどいこと言っちゃって......貴音が入ってくれてなかったら、今頃どうなってたことか......怖いです」
P「そんなことが、あったんだな......」
真「ボクはもう、ライブなんて中止にしてもいいと思ってます」
P「真......」
真「やよいのいないライブなんて、オールスターズライブじゃないですよ。詐欺だ」
P「俺も場合によっては、中止も検討してる」
真「あの......今、ボクにできること、ないですか?」
P「危険なことになるが......いいか?」
真「皆を守るための犠牲なら」
P「強いな、真は」
午後10時56分
美希「......さっき言ったの」
P「ああ、美希からは気持ちを聞いた。だから、美希には別のことを頼みたいんだ」
美希「......何?」
P「美希はライブはどうだ?」
美希「やれるなら、やりたいけど......」
P「十分だ。美希にはレッスンのサポートをして欲しいんだ」
美希「何のために美希が?」
P「まあ、これは建て前だ。あとで自分の部屋の引き出しを見て欲しいんだが、工具セットのとなりに、メモノートがあるはずだ。それを使って、諜報をして欲しいんだよな」
美希「諜報? あの、人の話を盗み聞きするやつ!?」
P「言い方が悪いな......俺に喋りづらいだろうことを、レッスンでポロッと言ってたりとかしたら、それをメモして、病室の扉の隙間から、俺に渡して欲しい」
美希「なんでハニーの部屋じゃないの?」
P「凶器がここに来る。俺はここで凶器の見張りだ」
美希「......そっか。ハニーの頼みを聞かないわけには行かないね。ミキ、やるよ」
P「ありがとう、美希」
午後11時14分
雪歩「え? 律子さんと?」
P「話してたらしいな。嘘をついてるなら、正直に話してくれ」
雪歩「......うぅ、諦めます。律子さんのところに行きました」
P「なんで最初に嘘ついたんだよ?」
雪歩「言えるわけないじゃないですか! 律子さんに、詩の出来栄えをチェックしてもらってたなんて......」
P「言えてるじゃないか」
雪歩「はっ!?」
P「とにかく、正直に話してくれたらそれで良かったんだよ」
雪歩「......私、やよいちゃんの死体を見た時、とっても苦しそうな顔をしてるなって思ったんです」
P「薮から棒に、どうした?」
雪歩「私、あの顔良く知ってます。恨みです。犯人に裏切られ、辛さ、悲しみ、憎しみに怯えながら死んでいった時に、恨みの表情を浮かべてしまった......」
P「......だから雪歩も、犯人を恨むってことか?」
雪歩「はい。このまま事件が解決しないなら、私はライブのステージには立ちません」
P「強気だな......任せておけ、雪歩。お前をステージに上がらせてやる」
雪歩「それは............! はい、わかりました」
P(俺の言葉の意味、理解してくれたみたいだな)
午後11時31分 ー食堂ー
P「遅くなってすまなかった。貴重な意見を、皆ありがとう。明日も、レッスンは自由参加にする。それと7時と12時にも、食堂に集まるようにしよう。時間を増やしておけば、皆安心だろうからな」
皆「はい」
P「よし、じゃあ、響、貴音、雪歩で凶器の回収を行うぞ。来てくれるか?」
午前0時9分
P「ふぅ、これで全部かな? ありがとう、皆」
貴音「これくらい、どうということもありません」
響「心配なのはプロデューサーの方だよ。ここに寝泊まりって、本気?」
P「ああ、本気も本気だ」
雪歩「それと、真ちゃんが、プロデューサーに見張りを頼まれたって言ってましたけど」
P「ああ、本当だよ。どちらにしろ病室に近づけさせないために、誰か見張りを付けるつもりでいたしな」
貴音「明日も稽古は続きます。私は、やるべきことをやるだけです」
響「それじゃあ、また明日ね」
雪歩「明日......会えるのかな?」
P「......ああ、会えるさ。絶対に」
貴音「それでは、お休みなさい」
響「お休みー」
雪歩「......おやすみ、なさい......」
P(......それから、俺は病室で考え事をしていた)
P(こんなにも、1日を長く感じたのはいつ以来だろうか?
こんなにも、悲しく苦しい感情を抱いたのは、いつ以来だろうか?
やよいは、突然俺たちの前に、死体となって現れた。辛く苦しそうなその顔を見て、なんとも言い表せない感覚を得た。
......あの子の笑顔は、天性の才能だった
その子の笑顔を、もう二度と見ることはできないんだろうか。不思議な言葉とともに喜ぶのは、見れないのだろうか。タイムセールスに人間を縫ってもやしを取りに行く彼女は............
気づけば、俺の思考は停止していた。考えたくなかったんだろう。
いつの間にか眠りについていた......)
きょうはここまでです。
閲覧ありがとうございます!
4日目 午前7時 ー食堂ー
P「皆、おはよう。昨日は寝れたか?」
皆「......」
春香「正直、あんまり......」
P「......だよな」
ドタッ
あずさ「ま、真ちゃん!? 大丈夫?」
真「は、はは............ずっと何もしないで、ただ立ってるのって結構............つか............れ............くぅ」
響「......寝ちゃったのか? しょうがないなぁ、自分、真を運んどくぞ」
P「今日の料理当番は千早か」
千早「私、行きます」
春香「あ、私も手伝うね」
P(そして、食事が終われば......)
午前8時 ーエントランスー
真美「いおりん!?」
伊織「真美もなの!?」
P「ああ、協力してくれるぞ」
真美「そうなんだ......兄ちゃん、ミッションちょうだい」
P「病室の探索をして欲しい。凶器には触れないようにな」
真美「え、でも真美1人でいいの?」
P「信じてるからな。伊織は俺と一緒に、やよいの部屋に来てほしい。頼めるか?」
伊織「......ええ」
P「よし、また10時にここでな」
真美「りょ、了解!」
伊織「じゃ、行きましょ」
次は誰だ…
午前8時13分 ーやよいの部屋ー
P「う......やはり、何度見てもひどいな......」
伊織「本当に、律子の言った通りの傷があるわね」
P「ああ、真っ赤な血がでてるな......」
伊織「犯人がまた、やよいのところに来たって事なの?」
P「そんなことより、伊織は大丈夫か?」
伊織「もう、割り切れてるわ。......うん、本当よ。本当」
P「......なら、いいんだ」
伊織「でも、犯人はなんで、貴音の言ってた行動のリスクを背負ってまで、やよいに怪我をさせたのよ?」
P「そこだよな。その必要はどこにあったのか。しかも、出来たとしたら昨日の午前中の自由時間か」
伊織「ひどい臭い......他にはやっぱり、気になるものっていうほどのものはないわね......」
P「......そうだな。協力してくれて、ありがとう」
伊織「むしろ私の方がお礼を言いたいくらいよ。わがまま聞いてくれてありがとね」
P(伊織、随分と素直になったじゃないか......やよいが、伊織に何かを与えてくれたのは、間違いないな)
午前8時17分 ー病室ー
真美「ふぅ、病室到着ー!」
真美(何か、あるのかな?)
ペタペタ
真美「んー、特に壁がくるりと回転するわけでもなし」
真美「凶器ってあの塊かぁ......確かに、いつもなら怖くないんだけど、これは怖いね......ん?」
真美(なんでこんなところに、布団が?)
真美「......お布団の上でじゃーんぷ!」
真美(......遊んでる場合じゃないか)
真美「......お?」
真美「これって............もしかしなくても............ちゃんと14個あるし......」
真美「皆の部屋のカギだ」
午前10時 ーエントランスー
P「......あまり進展はなかったな」
伊織「そうね......不甲斐ないわ」
P「俺の方こそ」
真美「兄ちゃーん!」
P「お、真美お帰り」
真美「これ、空っぽだった救急箱。みんなの鍵と、南京錠とチェーン!」
P「おお、ついに見つかったか」
伊織「随分と古典的ね。この旅館の雰囲気にあってるわ」
P「南京錠だから、とりあえずやよいの部屋には掛けれるな。そこの鍵は俺が所持しておこう」
真美「1個1個違うの?」
P「南京錠に印がついてる。aとかbとか。鍵には大文字でアルファベットが書いてある......ほら」
伊織「じゃあ。それぞれ専用の鍵になるわけね」
P「よくやったぞ、真美」
真美「だから言ったっしょ? 兄ちゃんよりは頼りになるって!」
響「プロデューサー! 助けて!! 雪歩が......雪歩が!」
P「......響? どうした?」
午前10時12分 ―食堂―
雪歩「皆、ごめんね……」
春香「雪歩ったらそれで卒倒しちゃって……」
千早「急いで病室から、ゴキジェットを四条さんが持ってきてくれたんです」
貴音「もう、大丈夫でしょう。悪の権化を断ち切りました」
P「ゴキブリか……よかった」
響「雪歩がレッスン終わってこっちに来るなり、声も出さずに失神したかと思えば、ゴキ太郎が……」
伊織「ゴキ太郎って……」
真美「声……か」
P「声……? そうだ! 伊織、真美! もう少しだけ捜査に付き合ってくれ!」
伊織「え、えぇ!?」
真美「今度は何?」
P「捜査というか、ちょっとした実験だな」
午前10時14分 ―厨房―
P「声がどこまで届くかの実験だ……」
伊織「それ、なんか意味があるの?」
P「やよいが、声を出したかどうかがわかるだろ?」
真美「……それって重要かな?」
P「今は少しでも、わかることを増やしたい」
真美「……そっか、それもそうだね」
P「さて、厨房の声は、食堂に聞こえてる。食堂の声も、厨房には、この通り……」
美希『あふぅ、おなかすいたねー』
響『今日の美希はすごく輝いてたな』
美希『やっぱり?』
律子『まだまだよ。もっと切れのいい動きが、あなたにならできるはずなんだから』
美希『ミキ、ほめて伸びるタイプなんだけどな』
亜美『亜美もほめられると頑張っちゃうよ!』
律子『亜美はもっと振りをビシッと決めてね。ターンした後ふらついてたでしょ?』
P「……つつぬけだ」
真美「兄ちゃん、真美は何をすればいいの?」
P「大声で叫べ。うんと大きい声だ」
伊織「……は?」
P「どこまで届くかを、それで確かめるぞ。俺は病室、伊織は女子トイレに待機してくれ」
伊織「わ、わかったわ……ダッシュ! おりゃあ!!」
P「1分後、真美に叫んでもらうからな!」
伊織「了解!」
P「言葉は、お前に任せよう」
真美「らじゃーだよ兄ちゃん!」
P「頼んだぞ!」
真美「うん!!」
真美「……………」
春香『あ、美希、そのメモ何?』
美希『秘密だよーん』
春香『えー? どうして?』
真美(本当に、外の声は聴こえる……。目を閉じたら、皆が近くにいるみたいな気がしてきた……やよいっちの声は……)
雪歩『……真ちゃん、大丈夫かなぁ? 見張りで相当疲れてたみたいだけど』
千早『……見張り?』
真美(……真美、決めたよ。何を叫ぶか……)
真美「ハァー……」
貴音『あの方に頼まれて、見張りを買っているらしいのです』
真美「スゥー……」
春香『え? それってだ……』
真美「やよいっちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
春香『…………い?』
午前10時17分 ―女子トイレ―
伊織「トイレは……何も聞こえないわね……」
伊織「……2分は経ってる……なんでトイレが防音なのよ……戻りましょう……」
―エントランス―
真「伊織!!」
伊織「な、何よ?」
真「寝てたら、誰かの声が!!」
伊織(なるほど? お部屋には届くわけね……)
伊織「平気よ、だってあれは……」
真「何かあったら大変だ……行こう伊織!!」
伊織「ちょ、話を聞きなさいよ!! きゃあ! 引っ張らないで!」
午前10時18分 ―厨房―
千早「真美!! 大丈夫!?」
真美「おー、そりゃ食堂には聞こえるよね」
亜美「それ、どういう意味?」
真美「実験ですよ、実験!」
春香「……私の真似?」
P「うーん、ここには聞こえないなあ」
貴音「きゃあ! あなた様……いきなり下から出てくるなど……」
響「え、エッチ! 変態! このドスケベホイホイ!」
P「え……な!?」
美希「ハニー、何照れてるの?」
律子「……見損ないました」
P「いや、違うんだこれは……」
雪歩「病室って、ぱっと見た感じどこにあるかわかんないんですね……」
千早「たしかに、そうね……」
P(……いい感じに、話がそれたな)
真「皆!! 何があったの!?」
伊織「だからちょっと聞きなさいってば!」
P「声がどこまで届くかの実験だよ」
亜美「こえ……? 実験……?」
P「真、食堂にお前はいなかったな……どこにいたんだ?」
真「見張りで寝ていなかったので、部屋で……気づいたら……」
響「ふふーん、自分が運んであげたんだぞ!」
伊織「それで、真美の声が聞こえて飛び起きて飛び出した……と。女子トイレは、なぜか防音だったわ。完全防音みたいよ」
真美「しかし、真美ちょーいい声でたよ! たぶん旅館中に響いたっぽいよ!」
貴音「……では、なぜここにあずさがいないのでしょうか……?」
律子「……え? ……あぁ!!」
P「……外にいるか!?」
春香「皆で探しましょう!!」
続きはまたあとで
午前11時2分
P「あずささーん!!」
美希「あずさー! どこー!?」
P(くそ、見つからない......一体どこに?)
P「頼む......無事でいてくれ!」
律子「あずささーん! 出てきてくださーい!」
真美「あずさお姉ちゃーん!!!」
貴音「......随分と、遠くに行ってるみたいですね」
律子「お願いだから、出てきてよ......これ以上、私を悲しませないで............」
真「」
↑ちょっと修正。真「」を見なかったことにしてください
真「律子......」
千早「......! あそこ、誰かいます!」
亜美「あずさお姉ちゃん......あんな高いところに!?」
雪歩「行きましょう!」
午後12時42分 ー食堂ー
あずさ「大変御迷惑をおかけしました......」
伊織「いいのよ、無事ならそれで、ね?」
美希「そうそう。むしろ今までの日常みたいで、ちょっと楽しかったよ」
P「ところで、真美の声って聞こえました?」
あずさ「え? いえ、特には......」
P「じゃあ、外でも限られた範囲ってことだな......ありがとうございます」
亜美「ねぇ、兄ちゃん。そういえばじっけんって、何してたの?」
P「声が発生したら、どこまで届くかっていう実験だ。トイレと病室は防音ってことはわかった。それと、やよいが死ぬ時、声を出さなかったこともはっきりとわかった」
律子「プロデューサー、そういうのは、私達だけでって......」
P「......無理だよ、もう」
律子「え?」
P「律子は皆に怖い思いをさせたくなくて、いろいろ隠してたのかもしれない。でも、皆違った。名前は出さないけど、ライブは中止にするべき、今のままならやりたくないっていった人もいたくらいだ」
雪歩「プロデューサー......」
真「........................」
P「そう、もちろんこの謎を解くのは、俺と律子だ。でも皆は、やよいを殺した犯人を許せないんだよ。だから......」
律子「......え? プロデューサー、ちょっと......」
P「俺からも頼む」
律子「............わかった、わかりました。顔をあげてください。私も同じ立場なら、皆のように不安だし......でも、いいの?」
春香「できることなら、捜査したいって気持ちは、あります」
千早「私も、同じです」
律子「............それなら、状況を最初から振り返りましょうか」
貴音「では......」
律子「まあ、こうなることも薄々分かってはいたけどね」
真「へへ、やーりぃ! ありがとう律子!」
伊織「じゃあ、犯人を見つけるためにも、事件を振り返りたいんだけど......教えてくれるかしら?」
亜美「犯人を、見つけるの?」
P「亜美......」
亜美「兄ちゃん、後でちょっとお話しよ?」
P「ああ」
響「じゃあ、お昼を食べながら犯人会議だ!」
千早「私、とってきます」
P「......まず、やよいについてだが、死亡推定時刻は、律子の検死によると午後10時から11時だ」
律子「検死時に、やよいの体に傷が増えていて、出血がひどかったの......それのせいで、死斑は見えなかったんだけど......」
伊織「それができたのは、昨日の午前中から、春香と千早が食堂にきた12時までの間なのよね」
千早「そうなるわね......はい」
雪歩「ありがとう、千早ちゃん」
貴音(ということは、犯人は......)
あずさ「? 貴音ちゃん?」
貴音「まだ確証はありません。続けてください」
P「............そして現場。風呂場で倒れてたやよい。しかもその風呂場は濡れていた。さらに、換気扇が木の棒をつっかえさせて、動かないようにされていたんだ」
美希「......それくらい、だよね? 気になること......」
真「うーん、犯人の特定ができませんね......ん?」
雪歩「どうしたの?」
真「いや、この料理、変な味がしない?」
春香「そう? ちょっとちょうだい......普通の味だよ?」
真「そう? ボクの好きな味じゃないのかもね」
あずさ「そういえば、声といえば、お風呂で伊織ちゃんたちが楽しそうにしてた声、お隣さんだったから聞こえてたわよ~」
真美「え!? あれも丸ぎこえなの!?」
あずさ「うふふ」
伊織「............あの時、やよいの所に行ってれば、助けられたかもしれないのよね......」
響「いや、犯人と出くわしたら、伊織も死体になっちゃってたぞ?」
P「......とりあえず、こんな感じか......」
貴音「もう少しで、犯人が分かりそうですね。引き続き、捜査をお願いします」
千早「ただ、今は食事を楽しみましょう」
あずさ「あら、千早ちゃんがそういうとは思わなかったわ」
千早「そ、そうでしょうか?」
春香「じゃあ、食べよっか! せーの!」
皆「いただきます!」
真「......ってボク先に食べちゃったよ!」
律子「......ぷっ、あはは!」
伊織「にひひっ、律子、ようやく笑ったわね?」
律子「へ?」
美希「うーん、とっても美味しいの!」
亜美「......兄ちゃん、いい?」
P「......ああ、病室でいいか?」
亜美「......うん」
亜美「本当だ。ここ、なーんにも聞こえないんだね」
P「どうしたんだ?」
亜美「わかってるくせに......兄ちゃん、亜美に嘘ついてるっしょ?」
P「......嘘?」
亜美「兄ちゃん、ずっと亜美に、犯人はここにはいないんだって言ってたじゃん」
P「......ああ、そうだな」
亜美「でも、兄ちゃんの......今日言ってた事を考えると、そんな風には......聞こえ、なくて......むしろ、まるで兄ちゃんは......えぐっ」
P「ゆっくりでいい。話してくれ」
亜美「まるで兄ちゃんは、ここに、犯人が......いる、みたいに、話を、えぐっ、する、か、らぁ......」
P「何だかここに来てから、毎日誰かが泣いてる気がするな......」
亜美「亜美、怖いよ......なんで亜美達の中に犯人がいるって思うの?」
P「亜美だって、分かってるだろ? さっきあずささんを探した時も、昨日外にいた時も、俺たち以外の人を見たか?」
亜美「でも......」
P「それに、アリバイがほとんど誰にもなく、さらに部屋に人がいないタイミングを見計らって、包丁をとって傷を入れに行くなんて......外部の人間には無理だろ?」
亜美「......なんで嘘ついたの?」
P「亜美を守るためだ......これ以上、亜美が辛くならないために」
亜美「結局辛いじゃん......どうするのさ」
P「......ごめんな」
亜美「......うわああああん......兄ちゃんのばかぁ......うあぁ」
P「もう、誰かを泣くところは見たくないな......そのために、俺は頑張るよ」
亜美「兄ちゃんだけじゃないよ......亜美だって......」
P「......亜美?」
亜美「何でもない......」
P「......そうか」
午後11時 ー病室ー
P(それからしばらく、時間が流れた。皆思い思いに過ごしたようだ)
P(俺は皆に鍵を渡し、病室に戻ると、美希のノートの存在に気づく)
P「......ちゃんと、書いてくれてるんだな......」
『午前9時50分くらい
今いる人:あずさ、真クン、デコちゃん、真美、ハニー以外の皆
ミキ「ダンスの新しい振付だよ! こんなのどお?」
はるか「いいけど、むつかしそうだね」
響「練習すれば、なんくるナイッ!」
律子「ステージ移動はこうね」
千早さん「わかりました」
たか音「そして、わたくしのソロステージになるのですね」
亜美「よーっし! やよいっちの分まで頑張ろー!」
ミキ「亜美、いい感じ! ミキも、負けないの!」
雪歩「ねぇ、ミキちゃんはどう思うの?」
ミキ「どう思うって?」
雪歩「犯人......」
ミキ「うーん、ミキの考えることは、それじゃないって思うな。雪歩も気にしない方がいいよ」
春香「そうだよ雪歩、やろ?」
千早さん「そうはいうけど、でも......はぎわらさんの言うことが分からないわけじゃないわ」
響「やめよう、それは誰も得する話じゃないさー」
律子「そうよ、辛い時かもしれないケド、ファンは待ってるの。最高のコンディションを整えとかないとね......ミキ、何書いてるの?ヽ(`Д´)ノ」
ミキ「秘密だよ」』
P「何と言うか。書いたのは美希だな、これは」
P(そうか、こういう話をしてたから、亜美は俺の言うことが違ってるんじゃないかって思ったんだろうな......きっと)
P「寝よう。............大丈夫、だよな?」
午前4時 ー西館ー
春香「おかしいな......何かすっごくお腹が......はぅ!」
春香「......トイレ、行かなくちゃ」
ガチャッ
春香「............え? 何、これ......」
春香(全部の扉に鍵がかかってて、奥からするのは......嫌な臭い......)
春香「血......だよね? この臭い......」
春香「だ、誰かいませんかぁ?」
コンコン
春香「うぅ、けほっ、けほっ」
コンコン
春香「開けてよ、開けてってば!」
ドンドン
春香「ねぇ、開けてよ!!」
千早「どうしたの? 春香」
春香「ち、千早ちゃん! ここから変な臭いしてて、開かなくて......」
千早「これは......待ってて」
ー千早の部屋ー
千早(引き出しの、工具セット......マイナスドライバー......)
千早「あの鍵は横にスライドさせる式の鍵だから、外側から道具を使えば、開けることができる......はずよね」
午前4時7分 ー女子トイレー
千早「お待たせ」
春香「......それで、開くの?」
千早「物は試しよ......こうして、こうして......どうかしら?」
カチャッ
千早「開いた......いい?」
春香「うん、開けて......?」
バタン
春香「え? ............あ、ああ............」
春香「いやああああああああああああああああああああああ!!!」
千早「............くっ、そんな............」
千早「............真......」
今日はここまでです。
閲覧ありがとうございます!
乙
亜美が超ヒロインに
なってやがる
王子逝ったか…
5日目
午前7時 ー春香の部屋ー
春香「......ん?」
伊織「気がついた?」
春香「伊織?」
伊織「びっくりしたわよ。朝早くに起きて食堂にいたら、千早が血相変えてやって来たもんだから......そこにいた雪歩と一緒に行ってみたら......」
春香「......真は?」
伊織「私は、怖くて見てない。雪歩は見た瞬間に、ビデオの映像みたいに止まってたわ」
春香「......私は?」
伊織「真を見て倒れちゃったみたいね。千早と私で運んだのよ」
春香「............お腹痛い」
伊織「男子トイレの個室を使いなさい。なんなら連れてってあげるけど?」
春香「ううん、大丈夫。伊織は、優しいんだね」
伊織「............そうでもないかもしれないわよ」
春香「............止めてよ、そんなこと言うの......」
午前7時12分 ー女子トイレー
P「......う」
亜美「お、おえぇ......」
貴音「亜美、やはり......」
亜美「......昨日、言ったっしょ? 亜美やるよ」
雪歩「............」
美希「雪歩、大丈夫?」
雪歩「......う、うぅぅうううううう!」
美希「ゆ、雪歩!」
真美「ゆきぴょん! ミキミキ! 待って!」
あずさ「真美ちゃん、今はそっとしておきましょう」
真美「けど!」
あずさ「そうだわ、一緒にお散歩行きましょ? 一人だと迷子になるから」
真美「え、ちょ、あずさお姉ちゃん!?」
P「......真、お前............」
【真「皆を守るための犠牲なら」】
P「本当に死んで、どうすんだよ!!!」
律子「......後の人達は、大丈夫なの?」
響「さすがに、ここまでされたらほっとけないぞ。......一人だけじゃなく、二人も」
千早「だれよ......高槻さんと真を殺したのは......」
貴音「私は参加します」
亜美「亜美も......お姫ちんについてく」
P「......律子、検死結果を」
律子「......分かりました。被害者は、菊地真。死因は殴打による出血死で、死亡推定時刻は2時から3時。また、真は即死だったみたい。まず頭を殴られて、それでお陀仏みたいよ............」
P「第一発見者は、春香と千早だったな」
千早「午前4時頃、先に春香がトイレにいて、そこの扉をひたすら叩いていたんです。それを私がトイレに来た時に、事情を聞いて、マイナスドライバーを使って、鍵を外側からスライドさせて開けました」
響「鍵は、全部閉まってたのか?」
千早「ええ、そうね......」
貴音「......現場の捜査をしたいのですが......」
亜美「いい、兄ちゃん?」
P「まだ、ダメだ......とにかく、すぐに食堂に戻る。まずは俺に捜査をさせて欲しい」
貴音「単独で、ですか?」
P「怪しいなら、俺を犯人って考えてもらって構わない」
律子「じゃあ、今はどうするんですか?」
P「気になることは後回しだ。皆を食堂に集める。今日は食堂から出れないと思っててくれ。響は雪歩と美希、亜美は真美とあずさを連れてきて欲しい。頼めるか?」
亜美「あいあいさー!」
響「ガッテンだー!」
P「......じゃあ、行こうか」
午前7時25分 ー旅館の外ー
あずさ「うん、ここなら大丈夫ね」
真美「あずさお姉ちゃん?」
あずさ「まず、真美ちゃんは、私を犯人だと思ってるかしら?」
真美「え? ......ううん、全然。というか、犯人なんて誰かわかんないし」
あずさ「そう......犯人だって言われちゃったら、そんな人とお話は嫌でしょうし」
真美「お話って?」
あずさ「真美ちゃんの考えてること、当ててみていいかしら?」
真美「いいよ」
あずさ「亜美ちゃんの事でしょ?」
真美「......うん。亜美、やよいっちの犯人捕まえるなんて嫌だって言ってたのに、まこちんの時は、真美は怖くて見れないくらいだったのにしっかりと見てた。んで......」
あずさ「犯人を、捕まえようと頑張ってた」
真美「......うん、そう。真美は辛いけど、亜美はもっと辛いんだろうなって思ったら、真美、亜美を助けたいなって思うけど、何もしてあげられなくて......」
あずさ「真美ちゃん、あのね。亜美ちゃんも辛いことがあると思うけれど、真美ちゃんも同じなのよ?」
真美「......そうなの?」
あずさ「私も同じ。辛いの、苦しいの」
真美「あずさお姉ちゃん......」
あずさ「真美ちゃんもプロデューサーさんとそうさ頑張ってたんでしょ?」
真美「......うん」
あずさ「頑張らなきゃいけないことは、人それぞれ違うわ。同じ辛さでやるべき事をやってる人達は、あとはいつも通りに出来るだけ接してあげて? それが励みになるの」
真美「......じゃあ、あずさお姉ちゃんのやることは?」
あずさ「私のやること? そうねえ......こうして」
真美「わ、あずさお姉ちゃん?」
あずさ「皆を抱きしめて、安心させることかしらね」
真美「あずさお姉ちゃん......」
あずさ「悩めばいいと思うわ。今の真美ちゃんに必要な事だし。それが苦しいなら、いつでも私がこうしてあげる。こうして、温めてあげるからね......」
真美「......うん」
まだ犯人の特定は難しいかな?
あれっ?て思う所が二点あるけどブラフっぽいし わからんです
亜美「あ! 真美いた!」
あずさ「あらあら、見つかっちゃったわね」
亜美「食堂行こ! 皆待ってるから!」
真美「亜美......」
真美(亜美が元気なのに、真美が凹んでたら話になんないよね)
真美「よーっし! 真美ダーッシュ! ばばばばーん!」
亜美「こっちは亜美ストームだー! どどどどーん!」
あずさ「......こうして、いつもと同じようにしてることで、救われることもある......そうですよね? プロデューサーさん」
午前7時27分 ー旅館の外ー
美希「......見つけたよ、雪歩」
雪歩「............」
美希「真クン、痛そうだったね......何度も何度も殴られてた......即死だって話だったけど、何回も......」
雪歩「............真ちゃんはね」
美希「話してくれるの?」
雪歩「......うん。真ちゃんはいつも、かっこよかったんだ。ダンスは誰よりもかっこよく踊れてるし、運動だってできるし。でも、やっぱりかっこいいって言われるより、かわいいって皆から言われたくて、必死で可愛くなるために、ウインクの特訓とかしてた............結局、全部イマイチだったんだけどね、えへへ」
美希「......雪歩............」
雪歩「真ちゃんと一緒にいれば、トップアイドルになれるとも思ってたのに......あれ? おかしいな? って思って、しばらく目が離せなかったよ」
美希「......ゆっくりでいいよ、続けて?」
雪歩「............真、ちゃんは............何も悪いことしてないよ........................真ちゃん、は、何にも、何にも............真ちゃんがいなかったら、運動会も勝てなかった。真ちゃんがいなかったら、あのファーストライブも成功しなかった!」
美希「雪歩......落ち着いて、まず涙を拭いて」
雪歩「......ごめんね、美希ちゃん」
美希(ハニーの言葉、使うね)
美希「真クンは、この時なんていうかな?」
雪歩「え?」
美希「真クン、きっと、怒ると思う。実際、やよいの死を一番悔しがってたのは、真クンだったと思うし」
雪歩「そう......だよね」
美希「でも、真クンは、真クンであろうとした、違うかな? いつものように、皆に声をかけてたよね? 見張りがきついって言いながら、皆に声を......」
雪歩「真ちゃん......なら、きっと......」
[雪歩、大丈夫だよ]
[平気、必ず何とかなるから]
[ボクも、足震えちゃってて......]
[今のダンス、完璧だよ! さすがは雪歩!]
雪歩「............」
[頑張ってね、雪歩!]
雪歩「ありがとう、美希ちゃん......私、決めたよ......真ちゃんの「おー、いたいた!」
響「いやー、結構探したぞ! プロデューサーが食堂に来てって呼んでるから、戻ってきてよね!」
美希「......響はこの前の食事といい、空気を読んで欲しいの」
響「えぇ? なんの話だよ......」
雪歩「あ、あははは......行こっか、美希ちゃん」
午前10時7分 ー食堂ー
P「......全員、揃ったな」
春香「全員、か......なんだか、すごく少なくなったような気がしますね」
P「ああ、そうだな......とりあえず、皆には今日は食堂だけで過ごしてもらう 」
真美「え、えぇ!? ここで!?」
P「ここから出てもいいって言うまで、別の部屋に行かないで欲しいんだ。トイレには、律子が付き添ってやってくれ。皆、いいか?」
雪歩「......わかり、ました」
P「じゃあ、春香、千早、亜美、貴音の4人は病室へ来てくれ」
千早「......私?」
亜美「え?」
貴音「ほう......」
春香「え、え?」
P(さて、この4人には、特に聞きたいことがあるからな)
午前10時12分 ー病室ー
P「......さて、春香」
春香「はい」
P「具合は平気か?」
春香「もう大丈夫です。お腹も痛くないですし」
P「......そうか、良かったよ」
春香「......あの、真は?」
P「......殺されてたよ。あまり調べられてないから、もう一回後で行くつもりだ。その前に、事件の流れを、春香と千早に説明して欲しいんだ。頼めるか?」
千早「......わかりました」
春香「話せることは少ないですけど......」
春香「昨日は午後の11時くらいに、千早ちゃんがいつものようにお話に来たんですけど、その時からもう具合が悪くて、断りました」
千早「あれは、春香に申し訳ないことをしてしまったわね......」
春香「ううん、私の方こそ断ってごめんね」
P「それで、そこから?」
春香「午前4時くらいですか、腹痛が頂点に達してトイレへ行くと............全部の個室の鍵が閉められてて、奥の方から、血の臭いが......」
千早「その後トイレに来た私が、マイナスドライバーを使って、鍵を開けたんです」
P(確かに、あの鍵は横にスライドさせる鍵だが、指でやるとどうしても外側からだと厳しい。マイナスドライバーを隙間に差し込むことで、後はテコの原理を使えば、1分とかからずに、外から開けることができるだろうな)
千早「真の死体を見つけたら、春香がそこで気絶してしまったので、春香をとりあえず、部屋まで運びました。かかっていた鍵も、春香の胸ポケットの鍵を使って外し、そこの布団に寝かせました」
P「午前5時には確か......伊織と雪歩が食堂にいたんだっけか」
千早「はい。それでその事実を伝えると、二人はすぐに死体を見にいき、そこで真の死を確認しました」
P「千早はそれから、何をしたんだ?」
千早「春香の方には水瀬さんが着いてくれるとは言いましたが、心配で春香の所に行ったり、石のように動かなくなった萩原さんに声をかけたりしていました」
P「そして、7時になった、と」
千早「そこからは、分かると思います。一旦トイレを出て、西館の廊下で声をあげました」
【皆、西館に来て!!
P「......千早の声か?」
貴音「行ってみましょう」】
P「ああ、ありがとう。よく分かったよ」
亜美「ねぇ、兄ちゃん、どうして亜美たちは呼ばれたの?」
P「お前達が昨日何を話したのかがきになってな」
亜美「うぅ......」
貴音「亜美、話すべきです」
亜美「......分かったよ。実はね......」
4日目
午後10時42分
真「あ、亜美! どこ行くの!?」
亜美「お姫ちんのとこ! 相談しに行くの!」
真「あ、待って!」
ドンドン
亜美「お姫ちん! お姫ちん!」
ガチャッ
貴音「何用ですか?」
亜美「あのね、お姫ちんに相談したいことがあるの!」
貴音「立ち話もあれなので、どうぞ中へ。鍵を外します」
亜美「へへ、ありがと!」
ー貴音の部屋ー
貴音「それで。要件とは?」
亜美「お姫ちん、犯人が分かってきてるんでしょ?」
貴音「はい、恐らく......怪しい人物は、何人かに特定できています」
亜美「......じゃあ、亜美、お姫ちんの助手になる」
貴音「遊戯のつもりですか? 遊びではないのですよ?」
亜美「違うよ! 亜美、犯人はここにはいな言って思ってたけど、兄ちゃんはもう、それはありえないって言った。だったらやよいっちの為にも、犯人見つけたい。......でも、一人じゃ無理だから......」
貴音「私に協力することで、捜査に加わろうと?」
亜美「そうそう! そんな感じ!」
貴音「......真実を知るということは、想像を超える辛さがあります。......覚悟はできてますか?」
亜美「........................」
貴音「その目、真意と受け取ります」
亜美「お姫ちん......ありがとう!!」
5日目 午前10時23分 ー病室ー
P「......何だ、そんなことか」
亜美「言ったら兄ちゃん怒ると思って......」
P「別に怒らないよ。むしろその決意を無駄にはしない。思いっきりやってみろ」
貴音「よかったですね。亜美」
亜美「うん!」
これは亜美が逝くフラグか
P「......じゃあ、戻るか」
千早「......待ってください」
P「ん?」
千早「真の捜査にこれから行くなら、私も同行します」
P「......ああ、分かったよ。ただし、変な真似はするなよ?」
千早「わかっています」
グググ......バタン!
美希「はあ、はあ......大変だよ! ハニー!」
P「......美希? どうした?」
美希「す、すぐに来て!! 律子さんが死んじゃうよ!」
P「......なんだと?」
午前10時49分 ー食堂ー
真美「ゆ、ゆきぴょん! 止めてよ!」
雪歩「......真ちゃんの時も、やよいちゃんの時も、驚くほどに............貴方は冷静でしたね?」
律子「う......ぐ、ゆ、ゆぎほ......ぐる、し......」
響「そ、そんなことして何になるんだよ!」
雪歩「皆は騙されてるんだよ......皆をまとめた振りをして、最初だれも捜査に参加させようとしなかった......」
あずさ「......」
雪歩「この人が!!」
律子「あがぁ!!」
雪歩「この女が!」
律子「う........................あ............」
雪歩「二人を殺したんだよ!」
バンッ
P「雪歩、な、何してるんだ!?」
春香「ダメだよ! そんなことしちゃ!!」
雪歩「来ないで!!」
春香「ひっ......」
千早「感心しないわ、萩原さん、すぐに律子からその手を離しなさい」
雪歩「......嫌だ、私、真ちゃんの仇を取るって、誓ったんだもん......」
美希「あの時、外で言おうとしたことは......それだったの?」
伊織「......雪歩」
雪歩「ち、近づかないでください! この女に殺されちゃ......「うっさい!」あぅ!」
伊織「だからといってアンタが殺していい理由にはならないわよ! 仇を取るって、そう言う事じゃない、でしょうが!」
雪歩「ひゃあ!」
伊織「............こ、今度そんなこと言ったら、次は平手打ちなんかじゃ済まないわよ?」
雪歩「......皆、騙されてるんだよ............」
亜美「りっちゃん! 大丈夫!?」
律子「......はぁ、はあ......げほっ、げほっ......私が、疑われることなんて考えてなかったわ............とんだケアレスミスね......そりゃ、疑うわよね......」
美希「ハニー? さっきまでのこと、少しメモにまとめてるの。後で読んで」
P「......受け取ったぞ」
貴音「皆、それぞれが苦しく、辛く、悩みを抱えているのですよ、雪歩」
雪歩「..................そうでしょうね......」
貴音「あなたのそれは、真の行為に近いです。死者を悪く言うつもりはありませんが、何を言ってるのかは分かりますよね?」
春香「............確か......」
【貴音「冷静さを欠いたものは、次の標的 になってしまうかもしれませんよ?」】
春香「......だったような......」
千早「つまり、次は萩原さんってことかしら......」
P「千早」
千早「......すみません、不謹慎でしたね」
貴音「死者を悪く言った私の方が、不謹慎というものです」
美希「......雪歩、落ち着いた?」
雪歩「......美希ちゃん」
美希「雪歩は、人を殺した人を、殺した人になりたいの?」
雪歩「......!」
あずさ「雪歩ちゃん......」
雪歩「はわっ! あ、あずささん!?」
あずさ「ごめんなさいね......雪歩ちゃんが苦しんでたことに、気づけなくて......ごめんなさい、ごめんなさい......」
雪歩「......そ、そんな......どうして泣くんですか............わ、私まで............う、うぅ......」
あずさ「気持ちはすごく、分かるのよ? でも、それでも、その人を殺しちゃえば、本末転倒よ」
雪歩「......はい」
真美「ゆきぴょんにぎゅー」
雪歩「ま、真美ちゃんまで!?」
真美「あずさお姉ちゃんに、今日教えてもらったの。辛いのは誰だって一緒だけど、とりあえず、できることをやっていこうって......」
雪歩「......うん。そうだよね............律子さん」
律子「私も、疑われるようなことばかりしていた結果よね......おあいこ様よ」
雪歩「私、今のままじゃ、犯人って思われても、仕方ないですよね」
伊織「......やめなさいよ、そう言う事いうの」
響「雪歩は違うぞ! だって、いろいろ頑張ってくれてるじゃないか!」
貴音「そうですね。雪歩は違います」
伊織「まるで犯人が分かったみたいに言うわね」
貴音「ええ、実際わかりました」
な、なんだってー!?
春香「えぇ!?」
美希「......それ、本当なの?」
貴音「やよいの方は......真は、もう少し時間が欲しいです」
律子「......聞かせてもらえないかしら?」
貴音「まだ少し、整理する時間が欲しいです............明日の朝には、確実に話ができるようにしますので、それまで待っていただいても......」
P「......わかった。とりあえず俺は、千早と真の事で捜査に行くけど、他についていきたい奴はいるか?」
響「じ、自分! 行くぞ!」
P「響......わかった、来い」
響「ははっ、ありがとー!」
P「皆、もう少し待っててくれよ」
午前11時31分 ー女子トイレー
P「改めて見ると、酷いな......」
千早「ま、真............うっ」
響「吐きそうなのか? 大丈夫なのか?」
P「よし、行くぞ」
千早「はい......分かりました」
P「これは?」
千早「トイレットペーパーが便器の中に......血がついていますか? これ」
響「ねえねえプロデューサー! このロッカーって、何にもないけど、これなんだ?」
P「それは、掃除ロッカーだな。女子のもまとめて男子トイレにあるみたいだ」
響「なるほど......」
千早「事件とは関係なさそうね......」
響「なんで、真はこのトイレで見つかったんだ?」
千早「あとで運ばれた......とかじゃないかしら?」
P「いや、だとしたら、扉の内側に血が飛び散っていることの説明がつかない」
P(ん? 待てよ? ......だとしたら、犯人は......)
千早「プロデューサー?」
P「......いや、なんでもないよ、戻ろう」
響「......なーんか、怪しいぞ」
午後12時3分 ー食堂ー
P「ただいま」
律子「あ、お帰りなさい」
雪歩「プロデューサーも、響ちゃんも、千早ちゃんも、お茶どうですか?」
千早「いただこうかしら」
響「自分も! だいぶ落ち着いたな、雪歩!」
雪歩「できることって、これくらいしかないから......」
P「あれ? 貴音は?」
亜美「一人にさせてって、病室に行っちゃった」
春香「貴音さん、事件が分かったって、本当かな?」
あずさ「プロデューサーさんは、なにか分かりましたか?」
P「......もう少しで、何かがわかります......ただ」
美希「......怖いんだね?」
P「はは、情けないよな......」
真美「兄ちゃん、そんなことないよ! 真美だって、怖いよ......」
P「真実を知りたいし、わかりたい。でも、分かりそうになると、皆を信じたくて、そこに蓋をしてしまってるんだ......」
伊織「そんなの、皆そうなんじゃないの? 確かに、私は最初に犯人はこの中にいるっていったけど、できれば信じてたいのは、当然よ」
律子「私も、皆を守りたいってだけよ......」
亜美「亜美だって、見つけたくなんかないよ......」
P「でも、結局皆片足突っ込んだんだ。だったら行くしかない......」
あずさ「プロデューサーさん......」
バンッ
貴音「れっすんに行きませんか?」
P「た、貴音!?」
律子「ちょ、ちょっと、急に......」
貴音「このめんばーでできるのが、最後になるかもしれないと考えると、やっておいた方がいいような気がして。また、不謹慎な言葉ですが」
響「じゃ、練習場いくぞ! 自分が一番乗りだー!」
真美「ひびきん2番! 真美1ばーん!」
亜美「ひびきん3番、亜美1ばーん!」
響「な、なんだよそれ!」
P「あはは、じゃあ、レッスン場へ行こうか!」
皆「はい!」
午後10時 ー病室ー
P(貴音の推理で、明日やよいの事が、全てわかる......そして、俺の推理は......真の真相を知ってる筈だ。すべてが噛み合った瞬間、犯人は導き出されるだろう)
P「......その前に、美希のメモを読んどこう」
『午前10時40分くらい
今いる人:ミキ、律子、雪歩、真美、響、でこちゃん、あずさ
律子「真の事件、何かわかる人はいない?」
デコちゃん「わかるわけないじゃないのよ」
響「それに、誰がやったとか、あんまり考えたくないし......」
真美「だよね。真美もそーだよ」
あずさ「怪しい人もいないですしね~」
雪歩「怪しい人なら、いるじゃないですか......律子さん」
律子「は......?」
雪歩「単独行動が多いし、そのくせほかの人達のことは見張りたがって......明らかに怪しいですよ......」
律子「違うのよ雪歩、あれは......」
雪歩「何が違うんですか!!」
雪歩が律子の首を,』
P「ここまで書いて、慌てて俺を呼んだんだな......伊織が止めてくれてたけど......」
P(とにかく、寝よう......明日になれば全部、分かるんだ......)
6日目 ー午前7時ー
P「ここで、貴音が話してくれるはずだ......」
春香「......」
千早「......」
あずさ「......」
伊織「......」
亜美「......」
真美「......」
響「......」
美希「......」
雪歩「......」
P「何で貴音が来ないんだ!!」
律子「部屋、見てきます!」
P「いや、みんなでいくぞ! 急げ!」
皆「はい!!」
午前7時2分 ー貴音の部屋ー
P(鍵は開いていた。俺達は、最悪の結果になっていないことを祈りながら、扉をあけた......)
P(そうなってないことを......祈りながら............)
春香「嘘でしょ?」
千早「......嘘じゃない、みたいね......」
あずさ「こんなことって......」
律子「貴音......」
伊織「バカ、何も言えてないじゃないの......」
亜美「お姫ちんが............」
真美「死んでる......」
響「それも、殺されたわけじゃなく......」
美希「......自分で............」
雪歩「首を吊ってる?」
午前8時9分 ー食堂ー
P(律子だけが、貴音の部屋で検死を始めた。その帰りを、無言で俺たちは待っていた)
ガチャッ
P「律子......!」
律子「まず、死亡推定時刻ですが、深夜1時頃、またしても皆のアリバイがない時です。それと、凶器のロープ、練習場にあったものだから、誰でも持ち込みは可能よ。折りたたんで、ポッケに入れれば入るしね」
雪歩「......四条さんは、なぜ自殺を?」
律子「あれは自殺じゃないわ。首の後ろにもくっきりしめられた跡があった。自殺なら、これはおかしいわ」
伊織「じゃあ犯人は、首を絞めた後、それを自殺に見せかけたってこと?」
律子「そうなるわね......それと、この鍵。貴音が握ってたものよ。貴音の部屋の鍵で間違いない」
響「どうして、少し血がついてるんだ?」
律子「貴音の体に外傷は無かったし、それは分からないわ」
あずさ「ほかには、何か?」
律子「机の上に、メモノートが置かれてて、開いてあったページに......」
『美希』
美希「これ、ミキの名前?」
響「ま、まさか......美希が?」
美希「ミキじゃないよ!」
亜美「それ、本当にお姫ちんが書いたの?」
律子「わからない......口封じのために殺されそうになったのを、最後のあがきで書いたメッセージ、とも取れるけど......」
春香「じゃ、じゃあ......本当に美希が?」
美希「そんなわけ無いの! 皆酷いよ!」
千早「それか、犯人が後で書き足したか、よね......」
P(今までのことを、全て繋げて、考えるんだ......俺)
律子「ダイイングメッセージ......何ページか破られてるのも、気になるのよね......」
P「......! そうか......」
春香「プロデューサーさん、もしかして......」
あずさ「分かったんですか? 事件の真相......」
P「もしかしたら、ずっと前から分かってたのかもしれない......最初から、信じたくなかっただけかも知れない。けど、奴らが人を殺したことは、間違いない」
伊織「奴ら?」
P「犯人は二人だ。共犯とかではなく、別々の事件を、別々の犯人が起こしてたんだよ......」
千早「それは......誰ですか?」
P「俺のたどり着いた、事件の真相を、これから話していく......それでも、犯人がぶれないなら、そこでいおう......覚悟は、できたか?」
真美「......随分前からしてたよ」
P「......だな。じゃあ、始めるぞ......これが、事件の真相だ」
明日から完結編です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。そして、お疲れ様でした。
完結編も読んでいただけると嬉しいです
乙
逝ったのは
お姫ちんだったか…
面白い、はよはよ
P「......じゃあ、とりあえず真から行こうか」
伊織「どうして? やよいは?」
P「やよいの方が、事件が少し複雑なんだ。よし、まずは現場の女子トイレに一番近い、男子トイレに行こう」
春香「分かりました」
ー男子トイレー
P「......まず、女子トイレの鍵と同じ形式の鍵の個室だ。そして、千早がマイナスドライバーを使って開けたって話だが、どういうふうにしてあけたのかを見せてもらおう」
千早「は、はい」
P「雪歩、中に入って鍵を閉めてくれ」
雪歩「わ、分かりました」
雪歩「準備オッケーですぅ」
千早「......扉の隙間に、ドライバーを差し込み、鍵の手応えがあったら......それを、右に......」
カチャッ
あずさ「あら、開いたわね」
響「そんなのどうでもいいじゃん! 何が言いたいのさプロデューサー!」
P「問題はここからだ。逆は、出来ないのか?」
真美「......逆?」
律子「つまり、女子トイレの鍵を、外側から開けることはできても、閉めることはできたのかって話ですか?」
亜美「それは無理っしょ! その扉は引き戸で鍵を引っ張ってつっかえるやつなのに、逆は厳しいんじゃないの!?」
P「ところが、できてしまうんだよ」
伊織「......どうやってするの?」
P「扉につっかえないが、隙間には届く程度に、鍵をつまみ出して、それを閉める」
雪歩「......そっか、後は千早ちゃんのやったようにすれば......」
P「出来ないわけじゃないよな」
真美「それができたら、何になるの?」
P「扉に全て鍵がかかっていた。これに対しての謎が消えるだろ?」
美希「でも、なんのために鍵をかけたの?」
P「ここで春香が鍵になってくるんだ」
春香「......私、ですか?」
P「春香の腹痛、これって偶然だったのか? ......俺には、そうは思えない」
律子「じゃあ、なんだって言うんですか?」
P「初めて見つけた病室は、箱で覆われたように、隠してあった。あの積まれ方は、誰かが意図的に隠した、としか思えん」
あずさ「まあ、ということは......病室を初めて皆が知った時、実は初めてじゃない人もいたんですね?」
P「ええ。そういうことです」
千早「でも、だとしたらどうなるっていうんですか?」
P「あそこから薬を持ってくることができる。......例えば、下剤とか」
亜美「下剤......もしかして!」
P「それを真の料理にあの時混ぜたとすれば、春香の腹痛にも合点がいくんだ」
雪歩「確かに、あの時......」
【真「うーん、犯人の特定ができませんね...... ん?」
雪歩「どうしたの?」
真「いや、この料理、変な味がしない?」
春香「そう? ちょっとちょうだい......普通の味 だよ?」
真「そう? ボクの好きな味じゃないのかもね」】
雪歩「真ちゃんの料理を、春香ちゃんが食べてる?」
P「そうだ。そして犯人は真がそれを怪しまずに平らげたことに安堵し、準備を始める。まず、奥のトイレの個室に自分が隠れて、他の個室に鍵をかける。そこで、トイレットペーパーを返り血を防ぐために、自分の体に巻いたんだ」
美希「なんだか、すっごく怖いの......」
P「だよな。真がトイレに駆け込んで、鍵の開いてる奥の個室をあけたら、そこには......」
伊織「トイレットペーパーを巻いた犯人が......」
真美「びっくりして声を出しても、トイレは防音だもんね」
P「そう、そして、工具セットのハンマーを使って真の頭をまず一発」
律子「そして、即死したことも構わず、何度も何度も......」
P「……相当、真に恨みがあったんだろうな……なんでかはわからないけど……」
亜美「でも、その後は……どうしたの?」
P「そのあと、トイレから出たときに血の付いたハンマーを見られたら、たまったものじゃない。ポケットの中に、マイナスドライバーなら入るかもしれないが、ハンマーはさすがに無理だろう」
律子「……隠した、とか?」
P「そうなってくる。掃除ロッカーの中とかな」
響「え? でもあそこ、何もなかったような……」
P「響、ちらっと見ただけだったじゃないか」
響「うがっ」
春香「……それで、犯人は?」
P「…………掃除ロッカーの中に、ハンマーを隠した後、そこに予期せぬ人物が介入してくると、完全に怪しまれるだろう。……掃除ロッカーの中に、ずっと隠れて、別の誰かがトイレの異変に気付いた時に、偶然入ったふりをすれば、それで完璧だ」
春香「……え?」
美希「それって……まさか……」
P「そうだろ? 千早……」
千早「…………」
亜美「……千早、お姉ちゃん?」
伊織「……アンタが、やったの?」
P「伊織、春香を運んだのはいつだ?」
伊織「……私と、千早で6時頃に運んだはずよ……」
P「千早は、何て言ったか覚えているか?」
千早「真の死体を見つけたら、春香がそこで気絶してしまったので、春香をとりあえず、部屋まで運びました。かかっていた鍵も、春香の胸ポケットの鍵を使って外し、そこの布団に寝かせました……そう、言ったはずです」
あずさ「どちらかが……嘘、なんですか?」
美希「……まさか、春香が気絶をしたその時、春香を運んでいたんじゃなくて……凶器の処分をしに、外に出ていた?」
千早「……くっ……」
春香「……そうなの? 千早ちゃん!!」
真美「……本当に? 本当に千早お姉ちゃんなの?」
千早「……………………」
P「千早、正直に言ってくれ、できれば、間違っていてほしい、俺だって信じたくないんだ……あんなに素晴らしい歌や、あんなに素晴らしいライブを成功させてきた千早に……人を殺せないって……教えてくれ……」
千早「…………」
律子「……千早、どうなの?」
千早「……証拠は、どこにあるんですか?」
P「工具セットを見せてみろ……ハンマーがかけていれば、お前が、犯人だ……」
千早「……はあ、すべてバレてるんですね」
響「ってことは……本当に……」
千早「そう、真を殺したのは、私、如月千早です」
春香「ど、どうして……そんなことを!」
千早「……のためよ」
伊織「は?」
千早「春香のためよ」
雪歩「……春香ちゃん?」
P「……どういうことだ?」
千早「……真は、春香に……萩原さんに激情したときに、こういったの……」
【真「雪歩!!」
雪歩「......うぅ!」
春香「ちょっと真! 雪歩から手を離して! 可哀想だよ!」
真「可哀想? 皆を庇う正統派ヒロインでも演じてるつもり? ......邪魔だよ」
春香「............っ!」 】
千早「……そう、その瞬間私は、傷ついた春香を守るために、真を殺そうと考えたの……」
ヤンデレちーちゃんだったか…
あずさ「……それって、つまり、春香ちゃんのことが、大好きだったってこと?」
千早「あずささん……鋭いですね。その通りです」
春香「え? ……意味わかんないよ……? 訳が分かんないよ千早ちゃん!!」
千早「春香を愛しているの……いけないことなのかしら?」
雪歩「……千早ちゃん……でも、やっぱり、私がいえることじゃないけど……それで、殺すだなんて……」
律子「そうよ、いくらなんでも「わからないわよ」……え?」
千早「わからなくて当然よ。春香を愛していいのは私だけ……私は春香のためならなんだってするわ。誰だって殺して見せる。この手で! ……私がアイドルとして、また輝けるようになったあの日……そう、あの日から私は、自分にそう誓ったの」
響「……まさか、千早……」
伊織「ずっとずっと前から、頭がおかしくなってた……ってこと?」
すくいはないんですか...
千早「……違うわよ……春香が、私を変えてくれたの……」
春香「ち、千早……ちゃん?」
雪歩「も、もうやめようよ……千早ちゃん、もう……」
千早「……でも、残念だわ。私が人殺しとばれてしまった以上、春香に嫌われて当然よね……春香に嫌われた私なんて…………いらないわ」
春香「そ、そんなこと「いいのよ」
千早「そんな顔されると、ドキドキしちゃう……あの時、笑いまでこらえたっていうのに……」
P「あの時? ……まさか」
【P「改めて見ると、酷いな......」
千早「ま、真............うっ」
響「吐きそうなのか? 大丈夫なのか?」 】
P「あの時真の死体を見て、口元を手で覆ったお前は……」
あずさ「……笑っていた?」
美希「千早さん、だよね? ……本当にミキの尊敬する、千早さんなんだよね?」
千早「当たり前よ、美希……でも、もう終わりね」
雪歩「ねえ、最後に聞かせてよ……」
千早「……何かしら?」
雪歩「他の人が、トイレに来てたら、どうするつもりだったの?」
千早「誰であろうと殺してたと思う。……それが春香だったら、これを飲んで死ぬつもりだった」
律子「それは……毒薬!?」
響「な、何しようとしてるんだ!?」
千早「え? これを飲んで、もう春香に嫌われた私の体と、さよならをしようと……」
P「ば、バカ言うな!!」
千早「後悔はないわ……しいて言うなら、あなたの口から、アイシテル、と口にされなかったことかしら……ね、春香?」
春香「え……あ、う……」
P(くそ、動けよ、俺の足!!)
千早「ふふふ……困ってる春香を見て、ドキドキしてきたわ……このドキドキが、私にとっての最期なのね……ああ、最期まで、春香を感じて死ねるのね……」
響「ち、千早、だめだってば!」
千早「……はあ、はあ……」
真美「千早お姉ちゃん!!」
亜美「やだ……やだよぉ!」
美希「……ち、千早さん……信じないよ……ミキの目の前にいるのは……千早さんじゃない……こんなの違うよ……」
千早「春香……待ってるわ。先に、地獄で」
伊織「……く、なんで動けないのよ……」
雪歩「千早ちゃん……お願い、待って!!」
あずさ「千早ちゃん……ダメ!!」
律子「バカねぇ……何を考えてるのよ!!」
P(皆、同じなのか? 俺と、同じで…………動けないのか? ……俺は、どうすれば……)
ドンッ
千早「きゃあっ!」
パリン
真美「あ、毒薬のビンが!」
美希「…………何があったの?」
P(…………たった一人だけ、あの異常な威圧感の中で、足を動かせた人物がいたようだ。そして彼女が千早を押し倒し、毒ビンを割った……その人物とは……)
春香「…………はあ、はあ……」
春香「そんなの……許さないよ」
千早「……春香? 私の真上に……春香がいるわぁ……うふふふふ、ハルカぁ……」
春香「千早ちゃんが真を殺したんなら、私は千早ちゃんがそれを償うまで、許さないよ……たとえ死んでも」
律子「……は、春香……」
春香「だから……命令ね? 千早ちゃん」
千早「命令……春香、からの……」
春香「罪を償いなさい」
千早「……春香が、そういうのなら…………」
P「……食堂に戻るぞ。春香は千早を病室に。雪歩は練習場から余ってるロープを持ってきてくれ」
動けないアピールワロタ
―10分後、食堂―
P「千早を病室で縛っておいた……奴はもう、抵抗するつもりはないらしい……本当に精神異常者なのかを、調べてもらわなきゃいけないな……」
春香「…………千早ちゃんは、私のことをそんなに良く思ってくれてたんですね……」
雪歩「やめようよ……犯人の話なんて、したくもない」
あずさ「でも、さっきまで仲間だったのよ?」
雪歩「わかってますよ……だから、話したくないんです……許してしまいそうに、なるから」
真美「ゆきぴょん……」
律子「あなたも、まだ許したくなる気持ちがあったのね……」
雪歩「もちろんです……」
亜美「ゆきぴょん……」
伊織「でも、まだ終わりじゃないわ」
響「うん、やよいと貴音のことが……まだ残ってるぞ」
P「……そうだな、その話をしていくぞ」
やよいと貴音の真相はまたあとで書きます。
ぬあああああああああああっ!
せかしちゃいかんのはわかる!
わかってるが敢えて言おう!
続きはよ!
今日中に終わる系かな?
犯人2人か…
千早はなんとなく分かってたがもう一人誰なんだ…
P「やよいについて、疑問に思うことを、ざっとあげてみてくれないか?」
亜美「やよいっちの部屋に、どうやって犯人は入ったの?」
伊織「そもそも、やよいは何が原因で死んだのよ?」
響「包丁で傷を入れた……のは、死後の事なんだろ? なんでわざわざそんな……」
P「……わかった、上げるときりがないだろう。他にも、風呂場で倒れていたこととか、いろいろあると思う。だが、3人の疑問は、この言葉で一発で解決するんだ」
雪歩「……どんな言葉ですか? 私も気になります」
P「一酸化炭素中毒」
真美「……それ、聞いたことあるよ。パパの病院に運ばれた人でいた。お風呂で……あ!」
P「一酸化炭素中毒とは、風呂場から出てるお湯から出てるガスと、外から来る空気の酸素によっておこる、不完全燃焼から発生する一酸化炭素が原因で起こるものだ」
美希「ハニー、詳しいね」
P「病室の本を、結構読んだからな……そして、一酸化炭素中毒にはもう一つ特徴がある」
律子「まだ、あるんですか?」
P「死斑だ」
あずさ「死斑……死後に血流が止まることで、血液が沈殿して起こる、体の色が変わる奴ですか?」
P「そう、それを隠すために包丁でやよいを傷つけたんじゃないか?」
春香「隠す必要があったんですか? どうして?」
P「通常、死斑は青系の色になることが多いが、一酸化炭素の場合死斑は赤色で出るんだよ」
伊織「そういえば、やよいの死体から出てる血……赤色だなんて当たり前だと思ってたけど、あまりにも赤すぎたというか、赤黒さはあまりなかったわよね……」
P「ああ、それも一酸化炭素のせいだろう」
亜美「ていうか、そんなことよりも亜美は、犯人について知りたいんだよ!」
響「そ、そうだよ! 犯人はどうやって、一酸化炭素中毒何ておこさせたんだよ!」
律子「それと、それだけでどうして、弥生の疑問が解決するのかがわかりません……教えてもらえないですか?」
P「犯人はまず、2日目の西館の人たちのレッスン中に、やよいの部屋のシャワーを出しておいたんだ」
伊織「なんで? 外の空気を入れるなら、換気扇を使わなきゃいけないんでしょ?」
P「けど、東館の人たちの自由時間だったこの時に、外から見て換気扇が回っているところなんて発見されてみろ。すべてパーなんだ」
美希「じゃあ、いつ換気扇を回したの?」
雪歩「そ、そうですよ! レッスンが終わったら、みんなすぐに食堂にいったんですよ!」
春香「西館チームが食堂に入った時には、東館の人たちは、全員ここにいたんですよ?」
P「じゃあ、その時の会話を振り返ってみたらいいんじゃないか?」
真美「ほえ? ……うーんと……兄ちゃんの好きなタイプの話を……」
P「その前だ」
律子「……その前、っていうと……」
【「よし、昨日のように食事は皆で食べよう」
「料理当番は、厨房から料理をとってきて、皆に配ってね」
「きょうの料理当番は......あずささんですね」
「わかりました。向こうの扉が、厨房に繋がってるんですよね?」
「はい、あと、あそこの電気管理してる機械には触らないように注意してくださいね」
「うふ、わかってます。じゃあ、待っててくださいね~」
「......あずささん、行っちゃったね」
「しかも厨房と方向が真逆ね......」
「自分、代わりにとってくるよ」 】
美希「…………響?」
響「……え?」
P「そうなんだ……あの時、食堂を出て厨房に行ったのは、響だけなんだよ」
春香「……そうですね、言われてみれば」
あずさ「その時、食事を運ぶだけじゃなく、電気を管理してる機械を使って……」
雪歩「やよいちゃんの部屋の換気扇を……遠隔で入れた?」
響「ち、違う!!」
P「でもそれだけじゃない。あの後アリバイを聞いて回った時、外に出ていたことを証言してくれたのは響だけだ」
伊織「それが……なんだって言うのよ?」
P「換気扇につっかえていた棒は、外からでも入れられる。それで換気扇の流れを止めて一酸化炭素の排出を止めたんだ」
亜美「……でも、やよいっちがシャワーを止めてたから……意味がなかったってことだね」
P「そこは響の誤算だったんだろうな」
響「ちょ、プロデューサー!?」
真美「……本当に、ひびきんなの?」
響「違う! 違うぞ! 自分は何もやってない!」
真美「だって、ひびきん言ってたじゃん。嘘が得意じゃないから、自分じゃないって……」
響「そ、そうだ! そうだよ!」
伊織「ただ、嘘が得意じゃないっていうのも大嘘だったってだけでしょ?」
P「そして、そのあと死斑が特定されないよう、包丁を自分の部屋に持って行った」
律子「この時から、包丁は無くなってたんですか?」
P「俺の予想では、な」
美希「待ってよ。貴音がずっと食堂にいて、響といっしょに喋ってたんでしょ? それで、1時頃に真クンと東館でばったり会って……」
P「それが、嘘なんじゃないかなって」
雪歩「……えぇ? じゃあ、あの時練習場にいた3人は、みんな嘘をついてたんですか?」
P「雪歩も含めて全員が、な」
春香「どんな嘘を? 本当は何をしてたんですか?」
P「……響なら、わかるんじゃないのか?」
響「うん、ずっと厨房にいて声が聞こえてたし。本当のことを知ってるぞ」
【真「あ、た、貴音!?」
貴音「真? どうしたのですか?」
真「あっはははは……実は、おなかすいちゃって……他の人の料理を、少し……もらおうかなー、なんて……」
貴音「私もそのようなことを考えておりましたが、この響のどんぐりで、全て解決です」
真「え!? どんぐり!?」
貴音「おひとついかがですか? なんなら、私の部屋で是非」
真「あ、うん、もちろん!」
貴音「真がここでつまみ食いをしようとしていたことは、内緒にしておきますね」
真「へへ、ありがとね!」】
響「それで、二人とも部屋に……」
雪歩「その時、響ちゃんは、包丁を?」
響「それだけは違う!」
美希「どっちでもいいの。どうしてすぐにやよいのところに行かなかったの? 死体が発見される前に、出血させた方が絶対に楽なのに」
P「それは、あずささんのおかげだ」
あずさ「……え?」
P「あずささんは2時頃、厨房でホットミルクを飲んだ後、眠れずに朝の6時をすぎても、エントランスにいたらしいんだ。ですよね?」
あずさ「はい、確かに……」
P「響は東館からやよいの死体がある西館に行くとき、エントランスを通る必要がある。あずささんに気づいて、途中で移動するのをあきらめたんだよ」
亜美「ひびきん、本当に?」
響「ぐぬぬぬぬ…………」
律子「響、本当のことを言って?」
響「…………ぷっ」
春香「響ちゃん?」
響「あはははははは!」
伊織「……どう、したのよ」
響「そもそも自分は犯人じゃないんだよ。それは自分が犯人だとしたら、つじつまが合うってだけでしょ?」
真美「そりゃ、そうだけど……」
響「それに、貴音のダイイングメッセージ、あれには『美希』って、はっきりと書いてあったじゃないか。その点についてはどうなんだよ」
美希「み、ミキじゃないもん!」
響「だったら、自分じゃないもん!」
P「そうだな、そろそろ貴音のことに移ろうか。ほとんどのことがまだ、貴音の部分は推測でしかないからな」
あずさ「プロデューサーさん、それでもいいです。お願いします」
P「……はい、話します」
春香「…………緊張してきた……」
俺も緊張してきた…
P「まず、貴音のメモノートが数ページ破られていることを考えてみてくれ」
律子「……別のことで使ったんでしょう?」
P「……亜美はどう思う?」
亜美「ん?」
P「貴音は、きちんと鍵をかけてるはずだよな……亜美が助手になるために部屋に行った時も、施錠してたのを開けてくれたんだろ?」
亜美「……うん、だから、犯人はそう簡単に侵入できないと思うんだよね……」
P「犯人が簡単に侵入するためには、どうすればいいと思う?」
伊織「あー! 回りくどいわね! 男ならはっきり言いなさいよ!」
P「わかった、言おう。犯人は貴音に呼び出されたと考えればいい」
一酸化炭素をどう作ったのか全くわかってないけど突っ込まない方がいいやつ?ひょっとして
真美「お姫ちんなら、確かに犯人わかってたっぽいし、できない話じゃないもんね」
P「それに、今のままじゃ響の言った通りなんだよ。犯人に確かな証拠が何も残っていないからな」
響「……………………」
美希「そのままじゃ、貴音は犯人がわかってるのに、どうぞ殺してくださいって言ってるようなもんじゃん」
P「そうだよな。ましてや犯人を呼び出すなんて、相当な覚悟がないとできないはずだ」
律子「じゃあ、もっとすごいことをしようとしてた……ってこと?」
雪歩「……もしかして、確かな証拠を犯人そのものからあぶりだそうと」
P「ここまで証拠を残さなかった、なかなか賢い犯人だ。それも無理だと貴音は思うだろう」
伊織「じゃあ、貴音本人が物的証拠を作った、とかいうんじゃないでしょうね」
P「伊織、それだよ」
伊織「……はぁ!?」
>>280
一酸化炭素は、
換気扇をつけることで、外の空気を風呂場に運ぶ。
↓
運ばれた空気中の酸素と、シャワーから出てるガスが不完全燃焼を起こす。
↓
一酸化炭素が作られる
という流れです。
お風呂から外の空気が若干入ってくるのは、伊織と亜美と真美のお風呂のシーンで、外から空気が少し入ってくることを記述しています。
その外の空気を、意図的に大量にお風呂場に促すために、換気扇を使用しました。
雪歩「そ、そんなことができたんですか!? 四条さんは……何かの能力者!?」
P「違うぞ、雪歩。貴音のメモノートが、数ページ切り取られていたことがポイントだ」
真美「犯人を呼び出すだけだったら、『これから私の部屋に来てね』ってかんじの文章だけでもいいはずだから、そんなに枚数は使わないよね」
P「じゃあ、枚数をどこで使ったのか? ……貴音は昨日、病室にこもって何をしていたんだろうな?」
春香「貴音さん……もしかして、病室で、その作った証拠について記していた?」
あずさ「そんな……じゃあ、貴音ちゃんは……」
P「……おそらく、犯人がわかったといった時から、自分の命の代わりに何か証拠を犯人に残すことを決めていたんでしょうね」
響「……………………」
律子「でも、犯人に捨てられた可能性はないんですか?」
P「だから貴音は、罠になるように美希って書いたんだろ?」
美希「……どういうこと?」
なるほどなんで美希って書いてたか分かったような気がしなくもないぞ
P「もし美希が犯人で、美希って文字をみたらどうだ?」
美希「ミキがやったってばれちゃうから、ビリビリに破いてトイレに流す、かな?」
P「そうだろうな、それをしなかったってことが、犯人は美希ではないことの証明だ」
美希「やったの!」
あずさ「なら、犯人が捨てたことがありえないのは?」
P「そこまで仕掛けてる貴音だ。美希の文字は、罠でもあり、ヒントでもある」
響「つまり、何が言いたいんだ?」
P「貴音の破った数ページは、美希と関係の深いところに置かれてるんじゃないか?」
亜美「みきみきと関係の深いところ?」
P「しかも、それを持っているとあまりにも不自然だ……病室から食堂までの間で、美希と書いてある部分……春香、わかるか?」
春香「こ、ここで私ですか!? ……えっと……冷蔵庫の美希の料理が置いてあるところ、は違いますよね?」
雪歩「……そ、そこですか!?」
伊織「美希、急いで見に行きなさいよ!」
美希「もちろんなの!!」
―3分後―
美希「……ハニー、あったよ……」
P「……なんて書いてあった?」
美希「これは、ハニーが読むものだと思って、読んでない……」
亜美「……お姫ちんの、最期の手紙……」
真美「この時、お姫ちんはどんな気持ちだったんだろう……」
P「……読むぞ」
『四条貴音 遺書
親愛なる765ぷろの皆様へ
これを読んでいただいているとき、私は何処にいるのか、見当もつきません。
天か地か、はたまた獄か……。それであろうと、ここにいないのでしょうね。当然です。私がそれを望んでいるのですから。
そして、私のこの書に、あなた様なら確実にたどり着いてくれると信じておりました。ありがとうございます。
して、これを書くにあたった理由なのですが、それは皆が犯人を追いつめるための、私の最期の切り札にするためです。
私の最期を、あなた方が最後に放つことによって、犯人を特定することができるでしょう。言い逃れもできないほどに。
私はこれから、犯人と思わしき人を呼び出し、問い詰めてみます。
犯人と確信した瞬間、私の部屋の鍵の先端を使い、その犯人の右手に傷をつけます。
その傷をつけていて、私が死体となった時、この証拠は初めて出来上がります。犯人が物的証拠を持つことになるのです。
ここまで逃げ続けてきた犯人です。最後の最後まで逃げようと、苦しい言い訳を重ねるはずです。ですが、負けてはなりません。あなた方は765ぷろとしての、ひとつのちーむなのですから。
最期に
是非とも、らいぶをやってほしいです。苦しいことも承知しております。
そして、皆に包み隠さず、このことをきちんと、話してほしいのです
さようなら、ありがとうございました。
四条貴音』
春香「……これで、全部ですか?」
P「ああ……」
雪歩「……響ちゃん、さっきからずっと、右手を隠すように腕を組んでるよね?」
響「………………っ!」
律子「見せてもらえないかしら?」
響「い、いやだ……」
美希「往生際が悪いよ、響」
双子「「ひびきん!!」」
響「……う、ううううう……」
あずさ「ちょっと、開くだけでいいのよ?」
響「…………………………」
伊織「どうなの? やよいも、アンタが殺したの?」
響「……あー、わかったぞ」
P「見せてくれるか?」
響「……皆して自分を騙そうとしているな?」
P「……は?」
響「自分以外のみんなが犯人で、貴音も共犯者なんだ! 完璧な自分の完璧な推理だ!!」
律子「ちょっと、何言って……」
響「なーまみぃー、そーだろー?」
真美「え? え、えぇ?」
響「自分がやよいを殺したはずないよな? ましてや貴音なんて……無理だよ!!」
伊織「アンタ、ちょっと落ち着きなさいよ」
響「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!」
美希「これ、本当に響なの?」
雪歩「まるで、全く違う人を見ているみたい……」
響「自分は何もしていない! 自分は何もしていない! 自分に殺せるはずがない、自分は、自分はああああああああ!!」
伊織「鍵に血痕があるってことは、貴音の言ってることが本当ってことなのよ!!」
春香「手を見せて! それで傷が無かったら、終わりだよ!」
響「傷なんてないよ! 見なくてもわかるでしょ!?」
亜美「ひびきん……う、うわぁぁぁあああ……」
真美「亜美、大丈夫?」
響「自分を悪者扱いして、何がしたいんだ!? 自分を殺人犯に仕立て上げて、何がしたいんだよ!?」
あずさ「ひ、響ちゃん……! ど、どうしたらいいのかしら?」
響「どうもすんじゃねぇ!!」
あずさ「…………!!」
響「るーやぬぅもやっていねーん! ばっっかじゃねぇぬかこぬ愚図ひゃーどもめ!!」
P「……もう、いい」
伊織「プロデューサー!!」
雪歩「危ないですよ! 今の響ちゃんに近づくのは!」
P「……おい、響」
響「あ?」
P「いいから見せろ」
響「……あんくとぅるーやぬぅもやっていねーんってば」
P「…………何を言ってるのかはわからんが……お前が罪を認めてないことだけはわかるぞ」
美希「……ハニー?」
P「これ以上、何を求める?」
響「……え?」
P「やよいと貴音、二つの命……強引に奪っておいて、それ以外に、お前は何がほしいんだ?」
響「……だから、奪ってなんか……」
P「自分自身に嘘つけば、楽になるとでも思ってんのか!? そうやって誰が救われるんだ!? 自分自身の気持ちにふたをして、恥ずかしくないのか!?」
響「…………うがぁ……」
春香(プロデューサーさんが、あんなに怒ってるの見るの初めてかも……)
律子「……もう、終わりね……」
P「……手、見せてみろ」
響「…………」
P「早く」
響「……ごめんな、皆」
スッ
美希「くっきり、手の甲に傷があるの」
真美「なんだか、引っかかれたみたいな……」
伊織「血の付いた鍵と、合点のいく少量の出血……右手の傷……決まりね」
律子「響……あなた、本当に……」
あずさ「この傷でもなお、貴音ちゃんを殺すために、力いっぱいロープを……」
亜美「うわぁあああああああああああ……ぐすん、ひっく……」
響「……皆、本当にごめん……自分、最低な奴だ……」
P「何で、こんなことしたんだ? 俺が一番、気になってたのはそこだ」
春香「そ、そうだよ! どうしてこんなことを!? あんなに優しくて、正直なやよいを……どうして……」
響「春香、だからだよ」
雪歩「ど、どういうことですか?」
響「自分は、一番になりたかったんだ……アイドルの世界で一番、誰よりも輝いた存在になりたかった……だけど……」
【春香「後ろの人も、しっかり見えてるからねー!!」
千早「私の歌を、聴いてください!!」
自分は765プロの皆にも、勝てなかった……自分なんて、皆に取っちゃあ、取るに足らない存在なんだよ。一番って言えるもの、自分にはなかなかなくて……でも、皆は
真「ボクは、ダンスなら誰よりもかっこよく踊れる自信あるよ」
伊織「まあ、このスーパーアイドル水瀬伊織ちゃんのウインクで、ファンは全員イチコロね」
それぞれが、自信を持って答えてたんだ……一番って言ってた自分が馬鹿みたいに感じて……そんな時、やよいが自分を気にかけてくれた
やよい「どうしたんですか響さん、なんだか元気ないですね」
響「んん? いや、とくには……そんなことは、ないぞ?」
やよい「響さん、嘘はめっ、ですよ?」
響「……わかったよ……」
話したんだ。自分の気持ちを、皆から認められて、一番の存在になりたいってことを
やよい「でも、それって本当にいいんですか?」
響「え?」
やよい「私はただ、皆と一緒にいたくて、皆と頑張りたくて……だからそんなことを思ったことはないんです。どうしても、1番じゃなきゃ嫌なんですか?」
響「どっかの政治家みたいなことを言うんだな、やよいは……あははは……」
やよい「響さんのそれは、違うと思います」
響「……! そ、そうかもしれないな……」】
響「その時自分の中で、怖い気持ちが出てきた……全部今まで頑張った自分を否定された気がして、1人になった気がして……」
伊織「じゃあ、それって……」
響「ああそうだよ、やよいのそう考えられる気持ちに嫉妬したんだ。かなり歪んだ、どろどろの嫉妬だよ……」
【あずさ「あ、やよいちゃん、これ、やよいちゃんのファンの子からよ」
やよい「わぁ! 素敵な熊のぬいぐるみですね!」
響「よかったな! やよい」
やよい「はい! とっても嬉しいです! これからも、皆と一緒に頑張って、たくさんの人に応援されるようなアイドル、目指します!」
響「………………」】
美希「…………それで? どうなったの?」
響「やよいの言葉が、全部輝いて見えたよ。その輝きに、自分の影は増してって…………気づけば、殺意って名前が、その影にはついてた」
亜美「……ぐすん……それで、ひびきんは……殺しちゃったの?」
響「……これ以上、やよいの言葉で自分の汚い部分を見るのが嫌だったんだ……」
【響「自分、代わりに取ってくるよ」
響「…………」
西館 A 換気扇
カチッ
響「………………よし」】
亜美「そんなの……ひどいよ……」
真美「真美を励ましてくれたのも、嘘だったの? あの時、どんな気持ちだったの?」
響「あの時の自分に心はなかったよ。ただ、ばれないように必死だっただけ」
真美「……ひびきん…………」
響「……ごめん」
律子「真のことは知らなかったのね?」
響「うん、自分はやよいを殺すことしか考えてなかったから、千早のあれにも驚いたし……」
P「じゃあ、貴音は?」
響「……えーっと、ポケットの中に……あった。扉の下の隙間から、この手紙が入ってたんだ。練習場へ向かう前に、ジャージに着替える時に……」
雪歩「……響へ、大切なことを話したいです。二人だけで内密に会いたいので、私の部屋に0時にお願いします……って」
響「ああ、もう貴音はわかったんだなって、この時思った。だから、こっそりロープをもってって……」
春香「その時にはもう、貴音さんを殺すつもりだったんだね?」
響「うん、全てを知ってたら……ね」
伊織「知ってたのね、全部……」
あずさ「それで、殺しちゃったの?」
響「……アレが、自分が初めて、直接生きてる人が、死んでる人に変わった瞬間だったんだ」
【響「貴音、話って何?」
貴音「今考えれば、そこまで内密にすることでもなかったかもしれませんが……」
しばらく他愛のない会話が続いたよ。でも、自分が部屋に戻ろうとしたとき、一言だけ言ったんだ
響「じゃあ、また明日」
貴音「響、私はあなたがそうだというまで、あなたを信じ続けます」
響「……え?」
貴音「今でも私はあなたを信じています。心から仲間と呼べます」
響「な、何の事?」
貴音「やよいを殺したのは、我那覇響……あなたですよね?」
響「……そうだよ、そして、貴音も殺す」
貴音「……やはり、そうですか……ですが、させません! ふっ!」
響「ぐあっ! このぉ!!」
貴音「が……く……あぁ…………」
でも、この時、貴音が一瞬だけ、自分を見てにやっとしたんだ……ざまあみろって感じに……全部貴音のシナリオ通りだったんだね】
響「思い知ったよ。自分がどれだけ恐ろしいことをしてたのか。しかも、それを2回も」
伊織「バカ、遅すぎよ……後悔するのが、遅すぎるでしょうが……」
響「そうだよ……自分は、完全に汚れきってしまったんだ。その時にやっと知った」
雪歩「……響ちゃん……」
雪歩(汚れた自分が見えて辛いっていう気持ちには……少しだけ、共感できちゃうなぁ……)
美希「……響は、今はどう思ってるの?」
響「ああ、今? そうだな……一言でいうなら、気持ちが楽になったよ」
律子「どういう意味よ?」
響「自分はこのまま誰にもばれずにライブに出ていた方が、もっと辛かったと思った。だから、皆にありがとうって言いたいな……いやかもしれないけど」
春香「響ちゃん……」
響「千早もきっと、自分がこんなことしなかったら、真を殺そうとはしなかっただろうね……全部の引き金は自分だ」
P「……償うんだな?」
響「ただ、一つだけ、お願いがあるんだ……プロデューサー、確かライブ会場に向かう車って、テレビついてるんだよね?」
P「……そうだな」
響「……自分に、その車でライブを見せてくれないか?」
伊織「何言ってんのよ?」
雪歩「そ、そうだよ……そんなの、プロデューサーが「いいよ」っていうはず……ふえぇ!?」
響「ありがとう……本当に、ありがとう……」
あずさ「これから車がくるまで、どうするんですか?」
P「響は部屋から出ないように、食事は俺が運ぶ。千早は……車が来次第、別の車に乗り換えて、一度警察に行き、精神科にみてもらう。千早のそのことは……」
律子「大丈夫です。私がやります。小鳥さんにも……私が、伝えます」
P「……助かるよ」
あずさ「じゃあ、あとはみんなが同じ車に?」
P「……いえ、車で30分ほどしかかからないので、響だけ別で行きましょう。そこには俺も責任もって同行します」
伊織「殺人犯に対して……責任、ねぇ」
春香「伊織」
伊織「……わかってるわよ、もうあんまり言わないようにするわ」
真美「真美たちは?」
律子「千早のことで別の車に乗り換えたら、すぐ小鳥さんに知らせるわ。小鳥さんにライブ会場で案内してもらうようにするから」
美希「……ライブの時、このことを正直に、ミキは伝えたいな」
春香「……私もだよ」
P「……わかった、任せる」
律子「い、いいんですか!?」
P「言っただろ? また1から、やり直していこう」
律子「……そうですね……わかりました」
P「そして、俺はきっと首を切られるだろうな」
亜美「え? 兄ちゃんも死ぬの?」
P「いや、そうじゃないけど……お前たちと話せるのは、こうして旅館にいる間だけになるだろうな」
雪歩「クビになるって事ですよね?」
P「それだけじゃ足りないくらいかもな……765プロの戦力の、ほぼ半分を失ったことになるから……」
あずさ「……本当ですね……随分減っちゃいますね」
P「俺は最初から、これだけは覚悟していたことですから」
伊織「……バカね、アンタも……本当、バカ」
春香「…………よーっし! レッスンいこ!!」
真美「……はるるん?」
春香「終わったでしょ? もう、全部……じゃあ、出れなくなった皆の分も頑張ってレッスンして、プログラムの構成も考えないと!」
律子「で、でも……」
美希「ミキ、賛成なの!」
亜美「……えっと、あ、亜美も!」
あずさ「とってもいいわねぇ、私も頑張っちゃうわ」
伊織「……にひひっ♪ 今はそうするしかないわね!」
雪歩「やりましょう! 絶対成功、させましょう!」
真美「ま、真美ももち、参加だよ!!」
春香「あれ、やろうよ!」
P(……皆、相当無理をしているな。でも、真相を知り、貴音の遺書にも、ライブをしてほしいと記してあった。やらないわけにはいかないよな)
春香「765プロー、ファイトー!!」
オーッ!!
響「……自分、部屋に行くね」
P「……ああ」
P(こうして、事件はすべて終わった……あとは、ライブに向けて準備をするだけだ)
この響は961向きの方だったか…
13日目 ―病室―
P「……」
『眠り姫 目覚める私は 今 誰の助けも借りず』
P「……やっぱり、歌はすごいな」
千早「……必ずまた、私は春香に会いにここに戻ってきます」
P「……その時まで、ずっと歌い続けるってことか……」
千早「はい、春香を、私がいない間よろしくお願いします」
P「…………ああ、もちろんだとも」
P(だが、俺には、どうしようもない……最後の最後で、変な嘘をつくことになったな)
ライブ当日……
春香『皆ー!! こんにちはー!!』
『……………………』
美希『そりゃ、皆びっくりするよね? ミキ達、ぜーんぜん、全員そろってないもんね』
あずさ『でも、違うんです……そろってないんじゃなくて、そろうことができないんですもの……』
『……え? ……え?』
ファン『どういうこと?』
伊織『簡単に言うと、765プロの中で、殺人事件が、いくつも起こったの』
『なんだと? じゃあ……今いない皆は……』
亜美『亜美たちは、このことをしっかりと受け入れてるよ。765プロの皆が犯人だったことも含めて、しっかりと受け止めてる』
真美『マスコミとか、どんなに来ても、絶対に答えてみせる』
ファン『皆大丈夫ー?』
春香『うん、大丈夫だよ。だって……私たちみんな』
皆『仲間だもんね!』
雪歩『これからも765プロは不滅です! あなたたちのような応援してくれる人が、1人でもいれば、私たちは、その人のために歌いますぅ!!』
あずさ『私達の心の中で、仲間の皆が生き続けている……』
亜美『それはもちろん、ファンの兄ちゃんや』
真美『姉ちゃんたちの中でもね!』
美希『だから皆、少なくなっちゃったけど……ミキ達を応援してほしいの!!』
『………………』
ファン『俺たちみんな、765プロのファンだー!!』
『ワァーッ!!』
春香『じゃあ、最初の曲、行くよ……! せーの!』
皆『THE IDOLM@STER!!』
なんか、一酸化炭素中毒を勘違いしてるっぽいな。シャワーからガスが出てくるわけないし、出てきたところで火がなきゃ一酸化炭素は発生しない。
風呂場で一酸化炭素中毒が起こるのは、屋内式のガス湯沸器が風呂場にあって、さら吸気口や排気口が詰まってたりした場合、ガス湯沸器が不完全燃焼を起こす可能性があるから。
当然、風呂場の換気扇を止めただけじゃ、仮に湯沸器が屋内式だったとしても、そもそもの湯沸器への吸気は問題なく行われるから、不完全燃焼にはならない。
少なくとも、屋内式湯沸器の特徴である煙突の描写くらいないと、推理ものとしてはアンフェアだろうな。
―車内―
P「……律子から、連絡があったよ」
響「……なんて?」
P「千早は、精神がやはり不安定だったみたいだ……春香に対しての異常な依存も……それが原因みたいで……」
響「……………………」
『ほんの些細な言葉に傷ついた』
響「……………………」
『だけど甘い物食べて幸せよ』
P「……響、どうだ? 今、どんな気持ちだ?」
響「……ぐっ……うぅ、自分は…………もう、二度と、このステージには立てないんだな…………」
P「まあ、そうなるな……」
響「自分……自分は……ぐぅ……うわ、うぅ……ぐすっ、うぅ……」
P「……行こうか、響」
響「……わかってる、わかってるよ……けど、うぅ、うわあああああああ……」
P「泣くな……俺も、響や他の皆のステージが見られなくなるのがつらいんだ……」
響「自分……やり直せるかな?」
P「……響が、生まれ変わっても、響なら……」
響「……え?」
『男なら耐えられない痛みでも』
P「いや、なんでもないよ。とにかく、響……」
響「プロデューサー?」
P「絶対、また会おう。そしてその時、やよいと貴音に……挨拶しに行こうか」
響「……うん、うん…………」
P「……いこうか」
響「……はい」
『女なら耐えられます強いから』
―END―
これはひどい
終わりです。
ここまで付き合ってくれた方々は、本当にありがとうございました。
無事完結して、うれしい限りです。
乙
女ってつよいねえ
救いは.....ないですか....
乙
とりあえずこの>>1がミステリもろくに読んだことないニワカだってのはわかった
あと頭部への打撃で即死状態で失血死はねーよ。脳挫傷だろ普通
今日は読者様がよく沸くね
まあ、ちょっと苦しい所があったとは思う
面白かったけどね!お疲れ様ですー
起承転結の起と結がちょっとあれだったが、展開の運び方はおもしろかった
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