「貴様は何者だ!?」
「豚小屋出身家畜以下のメス豚です!!」
「ちょっと!通過儀礼の時のマネしないでよ!!てか、メス豚まで言ってないわよ!」
「アハハハ、悪い悪い。あの出来事が衝撃的過ぎて、未だにお前を見る度に思い出しちまうんだ」
「ひっどーい!!」
「ちょっと、みんな!そういうことをミーナに言っちゃ駄目でしょ!」
「ご、ごめん、言い過ぎたよ、ミーナ」
「本当にすまん!許してくれ!」
「あなた達…クリスタが来てから態度変わりすぎ」
まったくもう……豚小屋出身家畜以下は私なんだからね
それにしてもミーナは羨ましいなぁ…皆から豚小屋出身家畜以下って認識されてるから、叩かれ放題だもん
私も早く、罵られて…叩かれて……愛されたい
あの時の……お母さんみたいに
「おい、クリスタ。何ぼーっとしてんだ?」
やっぱり親友のユミルに頼もうかな…
「ん?手相でも見てくれるのか?」
この手で頬を叩かれたら、凄く良い音が鳴って、痛くて、気持ち良いんだろうなぁ
でも……
「…本当にどうしたんだ?具合が悪いなら医務室で休めよ」
ユミルにだけは……嫌われたくない
きっと打ち明けても、ユミルは変わらず私と一緒にいてくれるはず
だけど…頭では理解してるけど、やっぱり…ユミルに嫌われるのが…怖い
「…大丈夫だよ、ユミル。私は元気だよ」
「そうか?ならいいが…」
…うん、ユミル以外の人に愛して(虐めて)もらおう
私の秘密を打ち明けても、周りにバラしたりせずにいてくれて、私をいっぱい愛してくれる人……ユミル以外にいるかな?
「クリスタ!今は訓練中だ!集中しろ!」
「ご、ごめんなさい、エレン」
エレンか……秘密は守りそうだし、Sっぽいから激しく愛してくれそうだなぁ……
『どうだ?気持ち良いか?』
『ハイ!気持ち良いです!もっと殴ってください!蹴ってください!』
『メス豚の分際でご主人様に命令するとは…生意気だな。この鞭で、体中痣だらけにしてやる!』
『ありがとうございます!ありがとうございます!』
良い!凄くイメージに合う!
でも……エレンは巨人一筋で女性に興味ないし、何よりミカサが可哀想だもん
いや、待って…ミカサも一緒に混ざれば……
「オイ!集中しろって言ってんだろ!!」
「ご、ごめんなさい!」
「まあまあ、そんなに大声あげたら馬がびっくりして暴れちゃうよ?」
「この程度で驚いてたら、巨人と遭遇した時に使い物にならねぇだろ」
「別に訓練所にいる馬は巨人と会う機会は無いと思うよ」
「ぐっ…アルミンはすぐ、ああ言えばこう言うよな」
「唯一エレンに勝てるとこだからね」
「すっげードヤ顔だな。正直殴りてぇ」
「乗馬中じゃ、さすがのエレンも殴れないでしょ?」
「言ったな…よーし、殴ってやるよ!」
「あれ?今は訓練中でしょ?集中しなくちゃ駄目でしょ?」
「く、くそおお!」
「ふふふ、本当に二人は仲がいいんだね」
やっぱりアルミンは凄い、一言一言に頭の良さが滲み出てる
もし、アルミンが私を愛してくれるなら…
『ほら、蝋が君の背中に垂れちゃうよ?』
『ぜひ、垂らしてください!』
『あれ?おかしいな、豚が人間の言葉を喋るはずないんだけど…豚じゃ無いなら蝋も垂らさなくていっか』
『た、垂らしてください!豚小屋出身家畜以下のメス豚である私に!蝋燭の蝋をたっぷり垂らしてください!』
『だからそうじゃないって言ってるだろ!君は豚なんだ!ブヒブヒ言ってればいいんだよ!』
『ぶひぃ!ぶひぶひぃ!!』
『そうだ、良い子だね。じゃあ望み通り、たっぷりと垂らしてあげる』
『ぶひぃぃい!!』
「ぶひぃぃい!!」
「「え?」」
「あっ」
「「………」」
や、やっちゃったぁぁああ!?完全に豚語喋っちゃったああ!!
エレンとアルミンだけじゃなく、お馬さん達もポカーンってなってるし!
とりあえずここまで
夜の投下で完結せます
ではまた
Mかぁ
面白いけど少し読みにくいな
期待
「な、何でも無いの!今のは忘れて!」
「いや、無理だろ。完全に今、『ぶひぃいい!!』って言ってたろ」
「い、言ってないよ!り、立体機動装置の部品が余ってたかな?って考えてたら、つい『ぶひぃん』って言っちゃったのよ!」
「そうなのか?」
「……別に大したことじゃなさそうだし、今は訓練に集中しようよ」
「それもそうだな」
な、何とか誤魔化せた……あ~恥ずかしかった
最近、妄想と現実の境目がわからなくなる時がある…やっぱり溜まってるのかな?
一刻も早く、ご主人様を見つけないと…
「…クリスタ、次はあなたが襲う番」
「う、うん…じゃあいくよ!」
主席確実と言われているミカサ…
色々と相談もする仲だし、何より……力が強い!
ミカサならきっと……
「…ミカサ、私を殴って」
「?…どうして?」
「理由は後で話すから…試しに私を殴ってみて」
「そこまで言うのなら…」
ぺしっ
「…もっと強く」
「………」
べしっ
「もっと!」
「クリスタ」
「どうして!?もっと強く、全力で殴ってよ!私を愛してよ!!」
「…対人格闘訓練は殴り合いではない。如何に相手を制圧するかであって、暴力ではない。だから……あなたの求めるモノは得られない」
「………ごめん」
「こちらこそごめんなさい。私は仲間であるあなたをこれ以上強く殴ることは出来ない。もし、そういうことを求めるのなら…もっと適任な人がいるはず」
「うん…」
「それと…このことは誰にも話さないから、安心して」
「ありがと…ミカサ」
「…そろそろ訓練が終わる。食堂に行きましょう」
優しいミカサには無理だったみたい…
「…………ユミル、少し話がある」
…ミカサは駄目だったけど、一つだけわかったことがある
相手はやっぱり女性が良いな…お母さんと同じ……女性が…
「どうしました?クリスタ。食欲が無いのなら代わりに私が食べてあげましょうか?」
サシャか…サシャも優しいから難しいかも
でも、もしサシャが私を愛してくれるなら……
『クリスタは本当に美味しいですね。次はどこを食べて欲しいんですか?お尻ですか?胸ですか?それとも…クリスタのクリスタですか?』
『全部!私の全身を隈なく噛んで!食べて!』
『ふふふ、我侭な豚さんですね。じゃあメインディッシュのクリスタからいきましょう。刺激が強いので漏らさないようにしてくださいね』
『ぶひぃぃいい!』
「ぶっ」
「ぶ?」
ま、また豚語を喋るとこだった…
食堂で「ぶひぃぃいい!」なんて叫んだら、社会的に終わっちゃうもんね…それも捨て難いけど
「…ちょっと体調が悪いみたい。だから私の分、サシャにあげるね」
「本当ですか!!ありがとうございます!!……でも、体調が悪いのなら尚更、少しでも食べておいたほうがいいですよ」
やっぱりサシャは優しいなぁ……サシャに頼むのは諦めよう
……いえ、一つだけサシャに愛してもらう方法が…
「大丈夫だって。ほら、私が食べさせてあげるね。あーん」
「え?…ちょ、ちょっと恥ずかしいですね…では遠慮なく、あーん♪」
ぱくっ
「イッ!」
「!?す、すいません!まさか指があるとは思わなかったので…!」
「だ、大丈夫だからそんなに慌てないで」
「で、でも!血が出てますよ!」
「これぐらい舐めればすぐに治っちゃうよ」
血が出るほど強く噛んでくれた……嬉しい
ちゅぱっ、れろっ…
「あ、あの…ク、クリスタ?さすがにそんな風に舐めると、その…色々とマズイですよ。周りの男子もいやらしい目で見てますし…」
「へ?……あっ」
ま、またやっちゃったぁぁあああ!!
「ク、クリスタ!残りのゴハンは全部頂いちゃいますよ?」
「う、うん!食べちゃって!」
「……エロかったな」
「確かにそうだけど……今の君の顔はちょっとキモ過ぎるよ、ライナー」
慌てて食堂から逃げ出したけど…な、何てことをしてしまったんだろう…
ご主人様に舐めるよう、命令されてると妄想して、夢中で指を舐めちゃった…
あぁ…これから男子から突き刺さるような、いやらしい目で見られちゃうんだろうなぁ………あれ?むしろご褒美かも?
…ん?あれは…アニ?
あんなところで何してるんだろう?
「こんなところで何してるの?」
「……今、怪しい奴らが訓練場をうろついてたんだ。あんた…何か知ってる?」
「怪しい人達?……ごめんね、私も心当たりないよ」
「そう……」
アニは背が低いのにとても強いし、ちょっとSっぽい…
それに……とても女王様が似合いそう…
『蹴ってほしいのなら、私の足を綺麗に舐めな』
『はい!喜んで!』
『無様な格好…もっと足の指の間を綺麗に掃除しな』
『女王様の足…とても美味しいです』
『ふっ、そんなに踏まれながら足を舐めるのが気にいったんなら、一生私の奴隷にしてもいいけど?』
『ありがとうございます!!』
「うへへへ…」
「…あんた、頭でも打った?可愛い顔が台無しだよ」
「あ、待ってアニ!お…お願いがあるの…」
「……何?」
「わ…私のことを……蹴ってほしいの!見下しながら踏んづけてほしいの!」
「………早く医務室に行きな」
「ち、違うの!別に頭を打ったわけじゃない…これが本当の私なの」
「………私は蹴るぐらいなら別にいいけど」
「本当に!!」
「でも……後ろの保護者がそれを許さないだろうね」
「え?」
「クリスタ…」
「ユ、ユミル!?」
「…それじゃ私は行くよ」
「おう、悪いな…あと」
「わかってる、このことは誰にも言わない」
「ありがとな、アニ」
「別に……ま、暇つぶしにはなったよ」
「…で、どうしてあんなことをアニに言ったんだ?」
「そ、それは……」
「そんなに暴力を振るわれたいのか?」
「……うん」
「……わかった。私がやってやるよ」
「…本当に?」
「あぁ」
やっぱり最初からユミルに頼めばよかった!
これでたくさんユミルに愛してもらえる!
「クリスタ…」
ぎゅっ…
「…え?」
だ、抱きしめられちゃった…
「お前がどんな人生を歩んできたかわからない…だがな、暴力を受けることが愛されることじゃないんだ。こうやって優しくされることが愛されることなんだ」
「……でも、お母さんはこんなことしてくれなかった…お母さんは私を突き飛ばし、私を殺せなかったことを後悔してた!それが愛情表現なんでしょ!?私はお母さんに愛されてたんでしょ!?」
「クリスタ…」
そうじゃないと…私は…私は!!
「確かに…お前は誰からも愛されてこなかったかもしれない」
「違うもん…私は愛されてたんだもん…」
「……私も皆から蔑まれながら生きてきたから、お前の気持ちがよくわかる」
…ユミルも?
「生きてることを…お前という存在自体を、否定されてきたんだろ?」
「…うん」
「だが…過去のお前じゃなく、今のお前はどうだ?皆から否定されてるか?」
「…心の中ではそう思ってるかもしれない」
「本当にそう思うのか?なら、お前を心配してくれた奴らはそうなのか?」
私を心配?
「例えばミカサだ。元々ミカサから暴力が愛情表現だと、お前が勘違いしてるって聞いたんだ」
言わないって約束したのに…
「そういや伝言もあったな。『女性は嘘をつく生き物』って言ってたぞ」
「…ふふ、確かにそうかも」
「それと食事の時もアルミンに呼び出されて、『クリスタの様子がおかしいから、傍で見ててあげて』って言って心配してくれてたぞ」
だからユミルは食事の時にいなかったんだ…
「そして食堂で飯を食おうとしたら、サシャがお前の指を噛んだって聞いたから殴っといた」
「それは私がわざとやったのに…」
「あぁ、わかってるって…それにサシャもお前のことを心配して、今医務室に包帯を貰いに行ってるぞ」
包帯って…そんなに大怪我じゃないのに…
「お前をこんなにも心配してくれているあいつらが、お前の存在を否定してると思うのか?」
「………思わない」
「だろ?今のお前は皆から必要とされているんだ…愛されてんだよ」
「私が…愛されてる……?」
「もちろん私が一番、お前を愛してるからな!」
「うん……」
「今まで愛されてこなくて、心がスカスカになっちまってんなら…私の愛で満たしてやるよ」
「ありがと……ユミル」
「泣くなって…嬉しい時は笑うんだろ?」
「うん……ユミル」
「何だ?」
「私も…ユミルの心を満たしてあげるからね」
「あぁ…ありがとな。これからは二人でお互いに支えながら生きていこうな」
「うん!」
私は愛されてる……みんなから…ユミルから、愛されている
もう死にたいと思わない…この先の人生(みち)もユミルと一緒に歩みたい
だって、私は…生きてて良いのだから
Fin
これで完結です
最後に1レスだけ、おまけを載せておきます
ではまた何処かで
虐待を受けてる子供が稀に暴力を受けることが自分の存在意義だと思い込む
みたいな話を聞いたことがあるな
乙
「…なぁ、クリスタ」
「なあに?」
「本当にやらなくちゃいけねぇか?」
「もちろん!私を愛してくれるんでしょ?」
「そりゃそうだけどさ……いきなりロープで縛ってって言われても…」
「だって気持ち良いんだもん!ちゃんとギュッって強く縛ってね」
「…お前が本物のドMだとは思わなかったよ」
「私はドMじゃないよ?」
「じゃあ何なんだよ?」
「私は…豚小屋出身家畜以下のメス豚です!!」
良かったよ。乙。
スレタイから釣りだと思ったが……かなりの良作だったよ 乙
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