ユミル「クリスタの誕生日」(163)

※訓練兵団1年目
※訓練兵団は日本と同じ4月始まりで考えてます



――1/9、朝

ユミル「」フアァ

クリスタ「おはよ、ユミル」

ユミル「んあ…おはよう…」

クリスタ「さあ、今日も張り切っていきましょう!」

ユミル「どうしたお前、やけに元気だな…」

クリスタ「えへへ、解る?」

ユミル「なんでだ?」

クリスタ「ううん、なんでもないよ」

ユミル「そうか…」

クリスタ「今日の朝ごはんは何かな~」

ユミル「どうせ、いつものかったいパンに、味気の無いスープだろ」

クリスタ「やっぱり?」

ユミル「当たり前だ」

ユミル(どうしたこいつ… 元からどこか抜けてると思ってたが、まさかとうとう寒さでやられたか…)

クリスタ「~♪~♪」

ユミル(しかし、ご機嫌なこった…)

ミカサ「おはよう、クリスタ、ユミル」

アルミン「あ、本当だ。おはよう」

エレン「オッス」

クリスタ「おっはよう!ミカサ、アルミン、エレン!」ニコッ

アルミン(朝から天使だ)

ユミル「よお」

ミカサ「クリスタ、なんだか朝から元気」

クリスタ「ふふ、そうかな?」

ミカサ「」コクリ

アルミン「そういえば聞いたよ」

ユミル「何がだ?」

アルミン「クリスタって15日誕生日なんだって?」

ユミル(えっ?15日って…)

クリスタ「そう!もう1週間切ったから凄く楽しみで…!」

エレン「だから機嫌がいいのか」

クリスタ「うん」ニコッ

ユミル「お前、来週誕生日なのか」

クリスタ「あれ?ユミルには教えてなかったかしら?」

ユミル「……嫌、昔聞いた気がするわ…」

ミカサ「じゃあ、クリスタの誕生日に何かプレゼントしないと」

クリスタ「えっ!…そんなのいいよ…!」

アルミン「なんで?」

クリスタ「だって、皆の大切なお金、私の為じゃなくて自分の為に使って欲しいもの」

クリスタ「こんなに主張して、こんな事言うのもナンだけどね」

クリスタ「あっ、おめでとうの言葉だけは欲しいかな~なんて…」

エレン「なんか図々しいな」

クリスタ「はは、確かに」

ユミル「なんでお前、プレゼント要らないとかいいつつ、誕生日が楽しみなんだ?」

クリスタ「だって、なんか大人に一歩近付けるじゃない?」

ユミル「私の歳になったら嫌になるよ…」

クリスタ「もう、まだユミルだってまだまだ若いんだからそんな事言うの辞めてよ!」

ユミル「…はは……」

クリスタ「…それに、ユミルの年齢にちょっと近付けるし」ボソッ

ユミル「なんか言ったか?」

クリスタ「ううん、なんでもない」

ユミル(マジか…)ハァ

クリスタ「あ、ユミルもプレゼントとか全然いいからね!」

クリスタ「私へのプレゼント買う余裕があるなら、自分の洋服とか買って欲しいな。」

ユミル「ああ」

クリスタ「もっとユミルにお洒落して欲しいし」

ユミル「ああ」

クリスタ「?」

クリスタ(どうしたんだろユミル… 聞いてるかな、私の話…)


ユミル(マジか… クリスタの誕生日…すっかり忘れてた…)

――――――
―――

ユミル「あぁああっ!」

ユミル(私とした事が、なんでクリスタの誕生日なんか忘れてたんだよ!)

ユミル(本ッ当、馬鹿野郎!!)

サシャ「何叫んでるんですか?」

ユミル「芋女!」ゲッ

サシャ「なんですか…その『ゲッ』は…」

ユミル「別に… お前には関係ねえよ…」

サシャ「そうですか」

サシャ「そういえばもうすぐクリスタの誕生日ですね」

ユミル「何で知ってんだ…」

サシャ「えっ?知らないですか?」

サシャ「今男子訓練兵の水面下で『クリスタの誕生日を祝い隊』が発足されて地道に何渡すか検討されてるんですよ?」

ユミル「なんじゃそりゃ…」

ユミル「ていうか、男子の水面下で起こってる事なんか知ってる訳無いだろ…」

サシャ「私はコニーから聞きました」

サシャ「コニー自身は興味無いそうですが」

ユミル「だろうな…」

サシャ「ユミルは何かプレゼントとか渡すんですか?」

ユミル「今考えている途中だ」

サシャ「ほうほう」

サシャ「ユミルは誕生日に何か貰ったんですか?」

ユミル「私の誕生日は2月だ。まだ来て無い」

サシャ「なら参考に出来ませんね…」

ユミル「参考?」

サシャ「クリスタがユミルにあげた物を参考に、誕生日祝いを考えようとですね…」

ユミル「…」

サシャ「あっ」

ユミル「どうした?」

サシャ「15日なので、イチゴをプレゼントするのはどうでしょう?」

ユミル「イチゴぉ?」

ユミル「こんな寒い時期にか?売ってる訳無いだろ。」

ユミル「だいたい、イチゴなんてんな高価なものを買う金がどこにあるんだ」

ユミル「それに、クリスタにあげる前にお前の胃袋の中に入りそうだよ…」ジッ

サシャ「失敬な!…と怒りたい所ですが強ち冗談にならなさそうなので反論はやめておきます…」

ユミル「だろ?」

ユミル「もう少し考えてみるか」

サシャ「そうしましょう」コクリ

クリスタ「ユミル、サシャ、何してるの?」

ユミサシャ「「」」ギクッ

ユミル「な、なんでもねえよ…、な、なあサシャ」

サシャ「勿論ですよ」

クリスタ「?」

クリスタ「もうすぐ訓練始まるのに、全然来ないから」

サシャ「心配かけましたね、すぐ行きますよ」

ユミル「ああ」

ピュウウ

サシャ「ひぇえ、外が寒すぎて対人格闘の訓練なんかできる気がしません!」

ユミル「いつもやって無いだろうが」

サシャ「まあそうですが」

サシャ「…これから数日、どんどん寒くなりますね」

ユミル「なんで解るんだ?」

サシャ「女の第6感です」

ユミル「野生の勘の間違いだろ」

サシャ「かも知れませんね」

サシャ「雪が降ったら楽しいんですが…」

サシャ「プレゼント買うのも億劫になりますよ」

ユミル「…」

ユミル「クリスタ本人は…」

サシャ「?」

ユミル「プレゼントは要らないらしいぞ」

サシャ「えっ!?なんでですか?」

ユミル「プレゼント買う余裕があるなら自分達の為に使えってよ」

サシャ「なるほど…」

サシャ「…」ウーン

サシャ「…でも」

サシャ「クリスタは訓練の最初から私の神様でした。彼女には色々してもらってますし、私も何かお返しがしたいですね」

ユミル「ふーん…」

サシャ「それに…」チラッ

ユミル「?」

サシャ「ユミルも、クリスタにそんな事言われてもプレゼント渡すんでしょう?」

ユミル「当たり前だろ」

サシャ「それと一緒ですよ」ニッ

ユミル「…」

ユミル(一緒、か…)

サシャ「さぁて、私も訓練頑張りますか!」



みたいにだらだらユミルがクリスタの誕生日を祝う話
1/15に完結を目指す

宜しく

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支援

――1/10、図書室

ユミル(昨日1日考えて、出した結論が、『クリスタに花束を渡してみる』)

ユミル(誕生花―クリスタの誕生日の1/15の―をあげるのはどうかと思って、図書室で調べようとやって来たのだが―…)

ユミル「あー… 何処に何の本があるか解んねえ…」

ユミル(よく考えたら、図書室なんて指で数える程度しか行って無かったんだった…)

ユミル「哲学… 地理… 歴史… あー全部違うわ…、多分」

ユミル(訓練の空き時間使って調べようと思ったが、これだったら探す事に全部使ってしまうじゃねえか…)

ユミル「」ハァ

マルコ「探しものか何か?」

ユミル「」ビクッ

ユミル「…ああ」

ユミル(び、ビビった… いきなり声かけんなよ…)

ユミル(…こいつ、誰だ?)

ユミル(まだ入団してから1年も経って無いからな。 関わりのない女子なんか全く覚えて無いのに、男子なんかもっと解るか)

マルコ「だったら僕も手伝うよ。休み時間も残り少ないしね」

ユミル「本当か?サンキュー」

マルコ「僕の名前はマルコ。」

ユミル(あ、名前は知ってるぞ… 一応10位以内に入ってる奴の名前は覚えているんだ。…名前だけ、な)

マルコ「君は?」

ユミル「私は…ユミルだ」

マルコ「そう。宜しく、ユミル」



マルコ「ユミルは何の本探してるの?」

ユミル「誕生花の本だ」

マルコ「誕生花?…そんな本あったかな…」

ユミル「無かったら別にいいが…」

マルコ「うーん… こっちの棚にありそうな気はするんだけれど…」

ユミル「こっちにか?」

マルコ「うん」

マルコ「そういえば、どうして誕生花なんて?」

ユミル「なんだ?私みたいなのが花なんてらしく無いってか?」

マルコ「えっ…」

マルコ「…あ、いや別にそういう訳じゃ…」

ユミル「図星だな」

マルコ「……ごめん」

ユミル「私も花なんてらしくねえよ…」

ユミル「ただ、いつも仲良くしてる奴がもうすぐ誕生日なんだ。だから花束送ろうと」

マルコ「成る程ね」

マルコ「…あっ、もしかして君って104期の女神と一緒に居る人?」

ユミル「104期の女神ってクリスタの事か?」

マルコ「確かそんな感じの名前だった筈」

ユミル「やっぱりクリスタは男子の中じゃ人気か」

マルコ「そりゃ、美人で優しいって噂があちらこちらで聞くよ」

マルコ「でも、『クリスタに告白したいのにいつも一緒に居る、長身の女がガン飛ばしてくる』っていうのも度々聞くね。」

ユミル「……私だな…」

マルコ「ははは…」

ユミル「嬉しいような悲しいような噂だな…」

ユミル(ガン飛ばしてるんじゃなくて、もともと目付きが悪いんだよ…)

ユミル(ま、クリスタに付きまとう男はブッ飛ばす気でいるからな… その点ではいいのか…?)

マルコ「まあ気を落とさないで…ん?この本かな…」

ユミル「あったか?」

マルコ「」ペラペラ

マルコ「うん、これだ」

ユミル「やりい!」

マルコ「えっと何日だっけ?」

ユミル「15日だ」

マルコ「1月15日15日…」ペラペラ

マルコ「あった」

ユミル「なんだ?」

マルコ「えっと…ハリエニシダっていう花だ」

ユミル「花言葉は?」

マルコ「花言葉は… えっと、……うん…」

ユミル「なんだよ、勿体ぶって… げ…」

ハリエニシダ『屈従』

ユミル「流石にこんな物騒な花言葉の植物は渡せねえよ…」

マルコ「『変わらぬ愛情』って意味もあるみたいだけどね」

ユミル「どうしても前者が気になる」

ユミル「もう一個無いのか?」

マルコ「あ、ある事はあるみたい」


誕生花:木瓜

ユミル「『きうり』…? キュウリかなんかか?」

マルコ「違う違う、『ぼけ』だよ」

ユミル「ぼけ?なんか渡した相手を見下すような名前だな」

マルコ「そんな事無いとは思うけど、流石に木の花はあげられないしね…」

ユミル「そんなもんか?」

マルコ「うーん、これぐらいしか載って無いな…」


ユミル「そんなもんか サンキュー、付き合ってくれて」

マルコ「困った時はお互い様だよ」

マルコ「そろそろ次の訓練に行かないと」

ユミル「ああ」

ユミル(花束は却下だな。もう一回練り直すか)

今日はここまで
ぬるい更新ですまん

乙!
マルコとユミルの会話になんか和んだ

――1/11、食堂

サシャ「コニー、パァンくださいパァン!」

コニー「お前なんかにやるか!!」

ユミル「あー、うるせえ…」

ユミル(…最近どうも考えてて寝不足だ… そういう時にこいつらの騒ぎ声は気にさわるな…)

クリスタ「大丈夫?ユミル」

ユミル「ああ」

ユミル(やっぱりクリスタは天使)

ミーナ「そういえば、明後日から三連休だね!」

ユミル「は?なんでだ?」

クリスタ「覚えてないのユミル」

ユミル「ああ、さっぱり」

ミーナ「なんか、1月12日から教官のほとんどが新年の方針とか、決め事もろもろの為に内地の方に行って」

ミーナ「訓練が出来ないからって言ってたじゃん!」

アニ「その代わり、そのツケが後々あるけどね」

ミーナ「そりゃ、そうだけど… もう、アニは夢が無いんだから!」

アニ「本当の事行ったまでだよ でも12日なんて中途半端だね」

ミーナ「でも、国の議会とかもその時期に始めるじゃん」

ユミル(休み、か)

>>31


ミーナ「なんか、1月12日から教官のほとんど~」
アニ「でも12日なんて~」



ミーナ「なんか、1月13日から教官のほとんど~」
アニ「でも13日なんて~」

すまん修正し忘れてた方をあけでしまった

ミーナ「今気がついたけど、丁度休みと、クリスタの誕生日って被ってるよね」

クリスタ「そうね」

ミーナ「いいなぁ、私の誕生日の時にもきっつ~い訓練はあったのに…」

アニ「まあ誕生日なんて他人にとっては只の日だしね」

ミーナ「あーもー本ッ当に夢が無いなぁ!!」

クリスタ「ふふふ」

ユミル「…」


―――
――――――

ユミル「なあクリスタ」

クリスタ「なに?」

ユミル「提案があるんだが…って何読んでんだ?」

クリスタ「これ?絵本よ」

ユミル「絵本 しかしえらく読みこんだ本だな」

クリスタ「お母さんから貰った本なの」

ユミル「ほーう」

クリスタ「身分違いの恋の話でね。 二人は駆け落ちして、誰も居ない教会でひっそりと結婚して…」

クリスタ「私も、この小説みたいに好きな人と結婚したいなあってずっと思いながら読んでるのよ」

ユミル「ふうん…」

クリスタ「で、用事って何かしら?」

ユミル「えっと… 15日って休みだろ?一緒に街まで出掛けないか?」

クリスタ「私の誕生日に?」

ユミル「ああ」

クリスタ「いいわよ」ニコッ

ユミル(天使)

ユミル「そういう訳で誕生日は空けておけよ?」

クリスタ「勿論!」

ユミル(この出掛けた時にクリスタに誕生日プレゼントを買ってやるか…)

サシャ「クリスタ~ちょっとお話があります~」

クリスタ「あ、サシャが呼んでる ちょっと行ってくるね」

ユミル「おう」

クリスタ「どうしたのー、サシャー?」パタパタ

ユミル「…」

ユミル(あいつはお伽噺を夢見る女の子って訳か…)

ユミル(こんな辛い環境の中そうやってまだ思えるお前が羨ましいよ…)ハァ

ユミル(クリスタの誕生日、何処に連れて行ってやるかなあ…)

ユミル(あんまりトロスト区は詳しく無いんだよな)

ユミル(トロスト区…トロスト区…)

ユミル(昨日行った図書室にトロスト区の地図があるかもしれねえ、また見に行ってみるか…)

ユミル「ん…?」

ミカサ「」セッセッ

ユミル「ミカサ…お前何してんだ?刺繍か?」

ミカサ「そう」

ユミル「何で…」

ミカサ「もうすぐ私の誕生日 誕生日の時はひとつ自分の為に刺繍を施したものを作ってる」

ミカサ「この柄はお母さんに教えてもらった物」

ユミル「へえ…」

ユミル(綺麗に作ってあんな…)

ユミル(手作り、か…)

ユミル(そうだ、ひとつクリスタに物を作るのはどうだろう)

ユミル(だが、今さら縫い物とかってのは時間がねえし、菓子は柄じゃねえ)

ユミル「なあ」

ミカサ「何?」

ユミル「短時間で簡単に出来る何かってあるか?」

ミカサ「もの?」

ユミル「ネックレスとかさ…」

ミカサ「ネックレスだったら直ぐに作れる」

ユミル「もう少し手の込んだものは?」

ミカサ「なら、指輪なんてどうだろう」

ユミル「指輪、か…」

ミカサ「そう 丁度要らないビーズが余ってる。それに本もあるから、これを参考に作ってみたら?」

ユミル「」パラパラ

ユミル(成る程、確かに良い感じに手が込んでいて、かつ簡単そうだ。これなら私も出来そうだな…)

ユミル「そうしてみるわ」

ミカサ「だったら、はい、ビーズ」ジャラ

ユミル「…結構あるな…」

ユミル「また使った分返すわ」

ミカサ「解った」

ユミル「サンキューミカサ、助かった」

ミカサ「」コクン


ユミル「さて、どのビーズで作ろうか…」

ユミル「このオレンジの、綺麗だな これにするか」

ユミル「指輪は…どんな図案があるんだ…」ペラペラ

クリスタ「何読んでるの?」ヒョコッ

ユミル「く、クリスタ!」サッ

ユミル「ち、ちょっとな…」

クリスタ「ふうん そういえば昨日図書室に行ってたもんね」

ユミル「おう、それで借りてきたものなんだ」

クリスタ「なるほど…」

ユミル(やべえクリスタに見つかる所だった!)

ユミル(なんかクリスタにはバレたらいけない気がするぞ!気がするだけだが)

ユミル(とりあえず、これは内密にいくか…)


今日はここまで
ミカサはお裁縫が得意な気がする

コメント有難う
1日1日短いから、他のSSのつまみ食い程度に読んでくれると嬉しい

すごく良い感じ
ユミルの手作りなんて柄じゃないぶん尚更嬉しいだろうな
ミカサはああ見えて家事全般得意そう
なんたってお母さんが二人居たようなもんだしお手伝い好きそうだもんな
続き楽しみにしてるよ乙乙!

――1/12、図書室

ユミル「」ペラッ

ユミル「うーん…」

ユミル(やっぱり訓練兵団の図書室、だな)

ユミル(トロスト区の統計図だったり、2万5千分の1の地図があったりはするが、観光地とかが載ってるのは無い…)

ユミル(少し高望みし過ぎたか)パタム

ユミル「あー、どうすっかな…」

ミーナ「うわ、めっずらしー」

アニ「…」

ユミル「……ミーナとアニか…」

アニ「あんたが図書室に、しかもクリスタとじゃなくて…てね」

ユミル「確かにそうかもな。クリスタは今日の午後の座学の予習をしてる」

ミーナ「何見てたの?」

ユミル「トロスト区の地図を少し」

アニ「2万5千分の1の地図を読むなんて、勉強熱心だね」

ミーナ「もし巨人が昔みたいに壁を壊して襲っても大丈夫なように、地形を覚えてる、とか?」

アニ「」ビクッ

ユミル「馬鹿、んな訳ねえだろ。シャレになんねえよそんな話」

ミーナ「ははは、そーだよねー、ね、アニ!」

アニ「う、うん…」

ユミル「私は、別に勉強の為に読んでるんじゃない」

ミーナ「え?」

ユミル「もうすぐ、クリスタの誕生日だろ?だから街まで遊びに行こうと約束してんだ」

ユミル「だが、生憎私はトロスト区の観光地とか知らねえ」

アニ「だから地図をみてたんだね…」

ユミル「ああ」

ミーナ「成る程…」

ミーナ「だったら私に任せてよ!」

ユミル「…お前にか?」

ミーナ「うん!」

ユミル「…頼りねえ」ボソッ

ミーナ「酷い!」

ユミル「なんでお前に?任せろ?」

ミーナ「これでも私、トロスト区出身なのです!」バーン

ユミル(あー、そういえば入団の時、そんな事言ってたなー… 豚豚言ってた方しか印象に無いわ…)

ミーナ「だから、多分この三人の中では一番詳しいよ」

ユミル「アニは違うのか?」

アニ「うん」

ユミル(…こいつは確か教官の洗練を受けて無い組か…)

ミーナ「だから、観光案内は任せて」ドヤガオ

ユミル(少し心配が残るが、まあ無いよりかいいな)

ユミル「頼んでいいか?」

ミーナ「もちろん」
―――
――――
―――――――

――女子寮

ミーナ「えっと…」

ミーナ「ここに、狭い路地があるでしょ」

ユミル「ああ」

ミーナ「ここに美味しいお菓子屋さんがあって、オススメなんだ」

ユミル「ほーう…」

ミーナ「あとは、こっちの道を右に入って…」

ユミル「結構詳しいんだな」

ミーナ「訓練兵団に入る昔はいろいろやったからねー」

ユミル(昔って一年も前の話じゃないだろうが)

アニ「…」ジッ

キラキラ

アニ「?」

アニ「これは?」ヒョイ

ユミル「あっ、やめろ!」ダッシュ

ミーナ「今のはビー…」

ユミル「しー!しー!」

ユミル「」キョロキョロ

クリスタ「うーん、どうだったっけ…」

サシャ「確かこうですよ」カリカリ

クリスタ「そうそう、そんなの!」

ユミル(クリスタは、こっち見て無いな…)ホッ

ミーナ「今のはビーズ細工だよね?」ボソッ

ユミル「…ああ」

ユミル「クリスタの誕生日プレゼントにしようと思って、な…」

ユミル(クリスタにバレないように作るとなると、就寝後だ。)

ユミル(ただでさえ細かい作業は苦手なのに、暗い中で作るのが難しくて、中々一晩じゃ進まなかったがな…)

アニ「これ、手でひとつひとつ入れてるのかい?」

ユミル「? ああ、そうだ…」

アニ「裁縫針貸して」

ユミル「…おう」ガサガサ

ユミル(こいつは何をするんだ?)

ユミル「ほいよ」ワタシ

アニ「」モクモク

ユミル「…針をビーズの糸に通して…?」

ミーナ「直接糸にビーズを通すんじゃなくて、この針を介すとやりやすいって事じゃないかな?」

アニ「そういう事」

ユミル「成る程なあ…」

ユミル(これで作業が楽になるかも知れない…)

ユミル「サンキュー、アニ」

アニ「…別に」プイッ

ミーナ「おっ、アニのデレなんて滅多にみれるものじゃないですよ、ユミルさん!」ニヤニヤ

ユミル「本当だな、明日は大雪が降るかもな」ニヤニヤ

アニ「…」イラッ

アニ「」ゲシッ

壁「」ドン!!!

ミーナ「ひいいい…!!」

ユミル(照れ隠しかなんかかってーの…)

ミーナ「あ、ユミルユミル」

ユミル「なんだ?」

ミーナ「何だったら、明日から休みだし私案内するよ?」

ユミル「お前がか?」

ミーナ「うん」

ユミル「…」

ユミル「いや、いい これだけで十分だ」

ミーナ「そう?」

ユミル「あんまり世話を焼かれたくないからな」

ミーナ「じゃあ、私的にオススメの略地図描いて纏めておくね!」

ユミル「マジ?」

ミーナ「まじまじ」

ユミル「…ミーナもサンキューな」

ミーナ「ゆあ うぇるかーむ」

アニ「あとの座学の時間にその作業しないでよ…」ボソ

ミーナ「えっ、あっえっ?ひ、ひっどーい!わ、私だってそんな事、し、しないよ!」

ユミル(図星かよ…)


とりあえずここまで
また後でもう少しあげる

――――――
―――

クリスタ「ふう、座学終わったー…」

ユミル「どうだ?予習していった所は合ってたか?」

クリスタ「バッチリ」

クリスタ「あっ!ここ、サシャとやった所だ! てね」ニコッ

ユミル「…」

ユミル(さっきの座学は……

ミーナ『』シンケン

教官『…カロライナ訓練兵』

ミーナ『は、はいっ!』ビクッ

教官『何をしてるんだ?』

ミーナ『え、えっと…トロスト区の地図を…』

教官『明日からの休みに、トロスト区でデートするのか知らないが、授業中ではやらないように』

教官『没収』

ミーナ『わぁあああ!!!』

クスクス ナニヤッテンダアイツ

アニ『…』 ユミル『…』)

ユミル(釘刺したのに、やりやがったよアイツ…)

クリスタ「明日から楽しい連休ね!」

ユミル「そうだな」


ライナー「な、なあ…」

ユミル「ん?」

クリスタ「?」

ユミル(誰だこいつ)

ユミル(なーんかよく見るな… うーん…誰だったか…)

ライナー「ユミル、だったか…少し用がある、ちょっと来てくれ」

ユミル「私にか?」

ライナー「ああ」

ユミル(面倒臭ぇ…)

ユミル「こちとら色々あるん…」

クリスタ「」キラキラ

ユミル「」

ユミル(なんだこの瞳は)

クリスタ「ゆ、ユミル!行ったほうがいいよ、絶対!」

ユミル「…はあ」

ユミル(何か妙な事を想像してるなコイツ)

クリスタ「ね?」

ユミル「…はあ」

ユミル「どれくらいで終わるんだ?」

ライナー「直ぐ終わる」

ユミル「解った」

ユミル「クリスタ、先宿舎に戻っておけ」

クリスタ「わ、解った!」

クリスタ「が、頑張ってね、ユミル!」

ユミル(何言ってんだこいつ)


―――
―――――――

ユミル「で、用事とは」

ライナー「ああ、実はだな…」

ユミル「スマン、私ゴリラには興味無いんだ…」

ライナー「違う」

ユミル「なんだ?てっきりあっち系のお誘いの呼び出しかと…」

ライナー「そんな訳無いだろ」

ユミル(だよな 私もそんな気はした)

ユミル(だ、が クリスタがあんな目で見るから、ちょっと言ってみたかっただけなんだよ)

ライナー「というか初対面でゴリラって酷いな」

ユミル「そうか?名前を名乗らない程よりかよっぽどマシだと思うが」

ライナー「…そういやまだ名乗ってなかったな。」

ライナー「俺の名前はライナーだ」

ユミル「ライナー…」

ユミル(ああ、こいつの名前も聞いた事ある 多分、上位だ。)

ユミル(そして……)チラッ

ライナー「?」

ユミル「…スマン 私、ホモにも興味無いんだ」

ライナー「はあぁ?」

ライナー「何でそうなるんだよ!」

ユミル「そういうお誘いかと…」

ライナー「だから違うって言ってんだろ!」

ライナー「ていうより、ホモってなんだよホモって」

ユミル「お前の事だ」

ライナー「しつこいな!」

ライナー「なんで俺がホモなんだ」

ユミル「…よく、身長超でけえ奴と一緒に居るから、ホモだという噂を聞く」

ライナー「んな訳ねえだろ、俺はノン気だ」

ユミル「…」

ユミル「…そうか…」

ライナー「何がっかりしてんだよ」

ユミル「…いや」

ユミル「で、用事ってのは?」

ライナー「ああ、もうすぐクリスタの誕生日だろ?」

ユミル「そうだな」

ライナー「だから、お前が何渡すか聞こうと思ってだな…」

ユミル「まさか…私のを丸パクりを…」

ライナー「違えよ」

ライナー「もう渡す物は決まってる」

ユミル「ほう」

ユミル(そういえば、サシャが『男子が水面下でプレゼントを考えてる』つってたな…)

ユミル(それに、見た事があると思ったら、よくクリスタと一緒に居ると視界に入るんだ 多分、クリスタに下心持ってる奴だなこいつ)

ユミル(あと…マルコって奴が言ってたな… 『クリスタの側には目付きの悪い女子が居る』なんて噂があると)

ユミル(私にこうやって質問する辺り、もしかしると噂の発端はこいつかも知れねえ…)

ライナー「なんだ、俺を見て…」

ユミル「…なんでもない」

ユミル「…ともかく、なんでそんな事聞くんだよ」

ライナー「俺もクリスタに誕生日プレゼントを渡したいんだが、人と被りたく無いからな…」

ユミル「ああ…成る程な…」

ユミル(そういう事は考えて無かったな… だが)

ユミル「多分、お前とは被らない」

ライナー「何故言い切れるんだ?」

ユミル「私のは、ハンドメイドだからな」

ライナー「ハンドメイド…」

ユミル「お前みたいな大男こちょこちょ裁縫なんかしてたら笑うわ」

ライナー「はは、確かにそうだな」

ユミル「…被ってないか?」

ライナー「ああ」

ユミル「なら良かった」ホッ

ライナー「俺もだ」

ユミル「用は済んだか?」

ライナー「ああ」

ライナー「時間を割いてすまなかった」

ユミル「いや、私も他人とは被りたくなかったからな じゃあ」

ライナー「おう」

スタスタスタ…

ユミル(水面下かは解らないが、確実に男子のクリスタに誕生日プレゼント作戦は進んでるんだな…)

ユミル「ただいま」ガチャ

クリスタ「お帰りなさい、ユミル!」

クリスタ「ユミルを呼び出したのって、次席の人だよね?」

ユミル「ん?…ああ」

ユミル(あいつ、次席だったのか…)

クリスタ「で、で、何の話だったの?」

ユミル「えっと…」

クリスタ「」キラキラ

ユミル「…」

ユミル「お前の期待してる様な話じゃない」

クリスタ「そっか…」シュン

ユミル(シュンってすんなよシュンって)

クリスタ「で、何の話だったの?」

ユミル「えっ、それはだな…」

クリスタ「」ジー

ユミル「……」

クリスタ「」ジー

ユミル「…ひ、秘密だ…」

クリスタ「えーっ!」

クリスタ「やっぱり告白とかじゃないの?」

ユミル「違う!!」

ユミル(あー、なんかややこしい事になったな…)ハァ


―――
―――――――

アニ「どう?そっちは順調?」

ベルトルト「うん」

ライナー「ああ」

アニ「…そう」

アニ(今日ミーナが変な事言ったから変に気になるけど、二人だったら大丈夫か…)ホッ

ライナー「な、なあ、アニ」

アニ「ん?」

ライナー「女子の方で、その、俺とベルトルトがデキてるって噂があるのは…本当か?」

ベルトルト「!?」

アニ「…ああ、あれね」

アニ「本当だよ」

ベルトルト「なっ…!!」

ライナー「なんで訂正してくれないんだよ!!」

アニ「訂正して、変に私と二人が関わってるってバレたら嫌だしね」

アニ(それに面白いし)

ライナー「ま、まあ確かにそうだが…」

ベルトルト「あ、アニ…!」

アニ「ん?」

ベルトルト「ぼ、僕はホモなんかじゃないからね!ちゃんとノン気だから!」

アニ「…そう」

ベルトルト「そうだよ!」

ライナー(おお、ベルトルトがいつになく懸命に否定してる …そりゃそうか)

アニ(あのベルトルトが必死で否定している)

アニ(……もしかして、ホモだというのが図星だったんだろうか…)

今日はここまで

逆効果なってる
ベルトルさんガンバ、そしてユミルはもっと頑張ってプレゼント完成させて!

――1/13、トロスト区

ユミル「えっと…」

ユミル(ミーナから描いてもらった地図・改によると、この辺りにお薦めのスコーン屋があるのか…)

ユミル「お、あれか」

ユミル「いい匂いがするな…」

ユミル「」グウウ

ユミル「…スコーン買うか」

店長「おう、らっしゃい」

ユミル「すみません、スコーンひとつください」

店長「あいよっ!」

店長「まいどありーっ」

ユミル(出来立てで温かい)

ユミル(何処で食べようか…)キョロキョロ

ユミル「おっ、噴水があるぞ あそこに座って食べるか」


ユミル(確か、この噴水もミーナがお薦めしてたな)ペラリ

『この噴水トロスト区でも最大級!感動する事間違い無し』

ユミル「デートのマニュアルかってーの…」ハハハ

ユミル「」モグモグ

ユミル「あちっ」

ユミル「」フーフー

ユミル「」モグモグ

ユミル(私は今、クリスタの誕生日に出掛ける時の下見をしている)

ユミル(クリスタ、今頃何してるだろうかな…)


―――
―――――――

――数時間前

ミーナ「楽しい連休だー!」

サシャ「しかも教官もほとんど不在でーす!」

ミーナ「自由だー!」

サシャ「Flugel der Freiheit!」

アニ「テンション上がりすぎ」

クリスタ「ははは でも、気持ちは解るよ」

サシャ「てな訳で、遊びましょう!」

クリスタ「何して遊ぶの?」

サシャ「双六があります」バーン

ミーナ「おおお!」

クリスタ「よし、じゃあ双六で遊ぼう!」

サシャミーナ「「おーっ!」」

アニ「…私はパスす…」

ミーナ「勿論アニは強制参加で!」

アニ「…」

ミカサ「」イソイソ

サシャ「あ、ミカサも双六やりません?」

ミカサ「私は…今からエレンとアルミンとで街に出掛ける ので、出来ない」

サシャ「じゃあ仕方ありませんね」

ユミル(ミーナから貰った地図を見て、私も今日の午前は下見すっかな…)

ユミル(午後からはどこかに隠れて作業をしよう そうじゃねえと、間に合わん…)

クリスタ「ユミルも一緒に双六やらない?」

ユミル「えっ?あ、私もか?」

クリスタ「うん」ニコッ

ユミル「わ、私は…」

サシャ「駄目ですよ~クリスタ!今、ユミルは忙しいんですから!」

クリスタ「?」

ミーナ「そうだよ!だから私達で遊ぼう」

クリスタ「え、うん、解った」

クリスタ「ほ、本当に忙しいの、ユミル」

ユミル「あ、ああ、そうかな… そうだな」チラッ

サシャ「」ウインクバッチーン

ユミル「…」ハァ

ユミル「明日は遊べるようにするからさ」

クリスタ「うん、解った!」


―――
―――――――

ユミル「」モグモグ

ユミル(そういや、最近クリスタの誕生日にこり過ぎて、本人には構ってやれてねえ部分もあるな…)

ユミル(ごめんなクリスタ…)

ユミル(その代わり、ぱーっと祝ってやるからよ!待っとけよ!!)

ユミル「…」

ユミル「」ハァ

ユミル(よく考えたら、私が図書室行ってる時にクリスタと勉強したり、今日もクリスタを足止めしてくれたのはサシャだな…)

ユミル(で、地図をくれたミーナも空気読んでサシャと一緒に遊ぶっつってたし)

ユミル(あいつらには感謝しねえと…)


ユミル(それに、アニのお掛けで作業もぐっと早くなったし、アニにも…)

ユミル(で、ミカサにはビーズを返さねえとな…)

ユミル「…」モグ...


―――
―――――――

――手芸屋

ユミル(すげえな、布切れやらなんやら一杯ある)

ユミル(こんな所に一人で来るなんて珍しいからな、目移りしてしまう…)

ユミル「えーっと…ビーズはどこだ…」キョロキョロ

ユミル「お…あったあった」

ユミル(うわ、すげえ量…)

ユミル「どのビーズにするかな…」ジー

ユミル「」ジー

マルコ「あ、あれ、ユミル」

ユミル「お、お前は…えーっと…、そうだマルコ! 奇遇だな、こんな所で」

マルコ「本当に」

ジャン「どうしたんだ、知り合いか?」

マルコ「うん、まあちょっとね」

ユミル「なんでお前はここに居るんだ?」

マルコ「ああ、ジャン…こいつが、釦落としたらしくって その代わりを探しに…」

マルコ「一人じゃ入りにくいって言ってたから僕も誘われたんだ」

ユミル「成る程なあ 変な風にシャイな友達を持つと大変だな」

ジャン「変な風にシャイってどういう意味だよ」

マルコ「ははは…」

マルコ「で、ユミルはどうしてここに?」

ユミル「私か? 私はクリスタの誕生日のプレゼントで、な」

マルコ「結局手作りにしたんだ」

ユミル「ああ」

ユミル「ま、私も作るのは初めてだからちょっと歪なもんができるがな…」

マルコ「でも、手作りだといいと思うよ 気持ちがこもってるし」

マルコ「ジャンだって、手作りのもの貰ったら嬉しいよね?」

ジャン「お、俺か?俺は…」

ミカサ『ジャン、あなたの為に作った 受け取って欲しい』

ジャン「…」

ジャン「ああ、凄くいい」

マルコ「でしょ?」

マルコ「もう出来上がった?」

ユミル「いや、まだだ。あと結構残ってる」

マルコ「そっか 頑張ってね」

ユミル「おう!サンキュー」

マルコ「ジャン、僕達は目的済んだし帰ろう」

ジャン「そうだな」

マルコ「じゃあねユミル」

ユミル「ああ、またな」

ユミル(凄くやる気がみなぎってきたな…)

ユミル(私のこの作戦は色々な人から応援してもらってる)

ユミル(絶対に成功させねえと…)

ユミル「ん?これは…」

『プレゼントにどうぞ! 指輪ケース』

ユミル「おっ、これ面白そうだな…」

ユミル「私の作ってる物がちゃっちく見えるから、せめて外見はよくしねえとな」

ユミル「…嫌、逆に中身も期待されるか…?」


―――
―――――――

ユミル「えーっと…この辺りに…」

ユミル(ミーナの地図、有難いが、少し見辛い…)

ユミル「」キョロキョロ

ユミル「」キョロキョロ

ユミル「ここ…どこだ…?」

ユミル「と、取り敢えず地図を…!」ジー

ユミル「あー!!わかんねえ!!」

ユミル(何処か人はいねえのかよ全く!!)

ユミル「ん…?あれは、教会?」

ユミル(ウォール教のモノか何かか? それにしては寂れてるし…)

ユミル(でも、教会なら神父やら誰かしらいるかも知れない ちょっと入ってみるか)

ギイィ...

ユミル「…すみませーん…」

ユミル(うわ、中凄くボロいな… 本当に誰か居るのか?)

神父「誰じゃ?」

ユミル「」ビクッ

ユミル「し、神父…か…」

神父「そうだ」

ユミル(あー、ビビった… 突然現れるんだもんな…)

ユミル(しかし、まさか誰かいるとは…)

ユミル「あの、道に迷ってしまって… ここに行きたいんですが…」

神父「どれどれ…」

神父「ここならこの小道を右じゃなくて左に曲がるんじゃよ」

ユミル「有難うございます」

ユミル(曲がる方向を間違えたか…)

ユミル(しかし…)

ユミル「随分寂れてますね」

神父「そうじゃろ? トロスト区の中心に、大きな教会が出来たからな…」

神父「皆あっちの方に行ってしまって、この教会には儂だけになってしまった」

神父「もうここができて60年じゃよ」

ユミル「60年…」

神父「お前さんにとっては古く感じるかもな」

神父「でも、あそこのステンドグラスも光が当たれば綺麗に光る」

神父「毎晩日境には鐘も鳴らしてるからな 儂にとってはまだまだ現役じゃよ」

ユミル「…」

神父「ここでも結婚式やらミサやらしたものだ」

ユミル「結婚式?」

神父「そうじゃよ この台の前で…」

ユミル「…」

神父「どうした?」

ユミル「なあ神父さん、お願いが――……」


―――
―――――――

サシャ「はい、あがりました!」

ミーナ「うぐ、私だって…」

ユミル「ただいま」ガチャ

クリスタ「あっ、ユミル!お帰りなさい! どこ行ってたの?」

ユミル「ちょっと、街まで」

クリスタ「そう」

ミーナ「あっ、ユミルも一緒にやらない?」

ユミル「いや、私はまだ作業が…」

サシャ「作業、ですか…?」

アニ「あー…」

ミーナ「なら仕方無いよね、ね、アニ」

アニ「」コクン

ミーナ「よおし、クリスタよりも先にあがるぞー!」

クリスタ「私だって早くあがるんだから!」

ユミル「あ、く、クリスタ!」

クリスタ「何かしら?」

ユミル「明後日、一緒に出掛けようって行っただろ? それ、明日に変えないか?」

クリスタ「明日…?」

ユミル「ああ」

クリスタ「いいわよ」ニコッ

ユミル「…」

ユミル(よし、私も作業頑張るか…)


―――
―――――――

ユミル「」セッセッ

ユミル「はあぁ…惨めだ…」

ユミル(何が惨めかってなんで作業を外のこんなクソ寒い所でしなきゃいけないって事なんだよ…)

ユミル(でも部屋は皆で楽しく双六中だし…)

ユミル(そりゃ、クリスタにバレたくないとはいえ、こんなにこっそりとやる私も私だな…)

ユミル(でも、明日。明日までに完成させるんだ)

ファサッ

ユミル「!?」

ミカサ「寒くない?」

ユミル「ああ、ミカサか…」

ユミル「ちょうど寒いなと思ってた」

ミカサ「そう」

ユミル「どうしたんだ?こんな所に来て」

ミカサ「ユミルの調子を見にきた」

ユミル「…そうか」

ミカサ「どう?」

ユミル「まあ…あと少しって所かな…」

ミカサ「本当 …あ」

ミカサ「私があげてないビーズ」

ユミル「これか?今日街に行った時に追加して買ったんだ」

ミカサ「そう」

ユミル「また後で使った分も返すな」

ミカサ「解った」

ユミル「」シンケン

ミカサ「」ジー

ユミル「」シンケン

ミカサ「」ジー

ユミル「…なんだよ…」

ミカサ「ううん、たどたどしいなって」

ユミル「…」

ユミル「こういうのは、初めてなんだよ…」

ミカサ「へえ」

アルミン「あ、ミカサ、ちょっと来て」

ミカサ「アルミンが呼んでる 行ってくる、頑張って」

ユミル「おうよ」

ユミル「」シンケン

ミカサ「…」

アルミン「ミカサってば!」

ミカサ「ごめんなさい」タッタッタッ


―――
―――――――

ユミル「っと…これで…」

ユミル「…でき、た…」

ユミル「我ながらうまくできたな 誕生日までに出来てよかった…」

ユミル「」グデン

ユミル「あー疲れた…」

ユミル(もうこんな事一生やりたくねえわ…)

ユミル「」フアァ

ユミル(終わったら眠くなってきた… 少し、眠るか…)スウ...

クリスタ「ユミルー、ご飯よー」

クリスタ「もう、何処にいっちゃったのかしら」

クリスタ「あれ…」

ユミル「」グーカー

クリスタ「寝てる」クスッ

クリスタ「ユミル、起きてユミル」ユサユサ

ユミル「んあ…」

クリスタ「おはよう、ユミル」

ユミル「クリスタ……」ボー

ユミル「」ハッ

ユミル(指輪…! 私が作ったやつは…!)ゴソゴソ

ユミル(あ、ポケットの中か…)ホッ

クリスタ「どうしたの?」

ユミル「いや、なんでもない…」

クリスタ「ご飯よ、ユミル」

ユミル「おう、解った」

クリスタ「…ねえ」

ユミル「ん?」

クリスタ「なんで明後日じゃなくて明日なの?」

ユミル「なんでか、ってか?」

クリスタ「」コクリ

ユミル「あー、秘密だ。明日になったら教えてやる」

ユミル(だからびっくりしろよ?クリスタ)


―――
―――――――


今日はここまで
もう少し作業描写が欲しかった…無念
あと二日、お付き合いください

あと二日か、楽しみにしている

――1/14、トロスト区

ユミル「ほら見ろ、あそこに美味しいスコーン屋があるんだ」

クリスタ「へえ」

ユミル「すみません、スコーン2つください」

店長「おっ、お前さん昨日も来たな」

クリスタ「昨日も?」

ユミル「ああ 下見でな」

クリスタ「成る程…」

店長「はい、2つ」

ユミル「お金、ここに置いておきます」

店長「まいどあり!」

クリスタ「わっ、凄いあつあつ…」

ユミル「だろ?」

ユミル「あそこに噴水がある。そこに座って食べよう」

クリスタ「うん」

クリスタ「わああ、この噴水凄く大きい…」

ユミル「なんかな、トロスト区でも最大級のデカさらしい」

クリスタ「へえ…」

ユミル「じゃ、食べるか」

ユミクリ「「いただきます」」

クリスタ「」モグモグ

クリスタ「あちちっ」

ユミル「気を付けろよ」

クリスタ「うん」フーフー

クリスタ「…ねえユミル」

ユミル「なんだ?」モグモグ

クリスタ「色々私の為に準備してたんだね」

ユミル「あー… まあな」

クリスタ「別にいいって言ったのに」

ユミル「お前さ、自分の為に使えっていったよな?」

クリスタ「うん」

ユミル「私はお前の喜ぶ顔見たさにやったんだ」

クリスタ「私、の…」

ユミル「ああ」

ユミル「だから、気を使うな 困惑した顔なんかするな」

ユミル「私はクリスタの笑顔を見たいからやった事だ」

ユミル「なんてったって、お前の誕生日、お前の特別な日なんだからな」

クリスタ「ユミル…」

ユミル「ま、お前の本当の誕生日は明日だけどな」ニッ

クリスタ「…」

ユミル「ほら、笑えよクリスタ!楽しんでくれないと、私の計画がパーなんだからよ!!」ムニッ

クリスタ「ひ、ひっはらはいへお!」

ユミル「笑え笑え~!」

クリスタ「」プハッ

クリスタ「これ食べ終わったら何処に行くの?」

ユミル「お前の好きな所でいいぞ」

クリスタ「んっとー… じゃあ洋服屋に行きたいな」

ユミル「了解」

ユミル「その前に、食べ終わらねえと」モグモグ

クリスタ「うん」

ユミル「あぢっ」

クリスタ「もう、さっき自分で気をつけてって言ったのに」クスクス

ユミル「さて、食べ終わりましたし、服屋に行きますか」

クリスタ「何処の服屋?いつもの場所?」

ユミル「嫌、違う所を教えて貰った 少し値は張るが、たまにの贅沢だ」

クリスタ「そうね そろそろ、新しいユミルの服も買わなくちゃいけないなあって思ってたし」

ユミル「馬鹿言え、お前の誕生日なんだからお前のを選ぶに決まってるだろ」

クリスタ「はいはい」クスッ


―――
―――――――

――洋服屋

クリスタ「見て見て!このワンピース、可愛い!」

ユミル「そんなデカイサイズ買ってどうすんだ」

クリスタ「決まってるじゃない、ユミルが着るのよ!」

ユミル「なっ わ、私はそんなの着ないぞ!」

クリスタ「たまにはいいじゃない」

ユミル「なーもー押し付けるな!」

クリスタ「ええー…」

ユミル「というよりそんな短いの!似合う訳ないだろ!!」

クリスタ「どうして?ユミルは身長が高いから、足出したらいいのに」

ユミル「私の趣味に合わねえんだよ!」

クリスタ「勿体無い…」

クリスタ「じゃあこっちのスカートは?」

ユミル「あー!はかねえっつってんだろ!」

クリスタ「ええー…」

ユミル「というか!なんで私のばっかり選ぶんだよ!!」

ユミル「お前の為に来たんだから自分の選べ!」

クリスタ「なんでって…」

クリスタ「そりゃあ、私も自分の服を選ぶの楽しいけど、ユミルの服を選ぶのはもっと楽しいもの」ニコッ

クリスタ「あなたの今日のコンセプトに合ってるでしょう?」

ユミル「うぐぐ…」

ユミル「折角お前の服を新調しようと…」ブツブツ

クリスタ「解った解った」

クリスタ「ね、ユミルこのワンピース着てみて!」サッ

ユミル「あああ!着ない!!」

クリスタ「じゃあこのスカートも…」

ユミル「着ないっつったら着ない!!」

ユミル「――で」

ユミル「結局一枚スカート買ってしまった…」

クリスタ「なんで不満なのよ!」

ユミル「いや、せめてキュロットが良かったなと…」

クリスタ「いいじゃない! 私は満足よ?」

ユミル「ならいいんだが…」

ユミル(それに、クリスタも自分の服買ってたしな…)

ユミル(クリスタが喜んでくれたなら嬉しいが、なんか腑に落ちん…)

クリスタ「次は何処に行く?」

ユミル「そうだな… そういえば、この辺りで活動写真をやってるらしい」

クリスタ「じゃあそれ見に行こう!」

ユミル「ああ」


―――
―――――――

――活動写真館

ガヤガヤ ワイワイ

クリスタ「うわ、混んでるね…」

ユミル「そうだな それに…」チラッ

男「じゃあ入ろうか」

女「うん!」

ユミル「カップルが多いな…」

クリスタ「ははは…」

クリスタ「演目は?」

ユミル「んー… なんか恋物語らしいけどな…」

クリスタ「そりゃあ多い筈よ」

ユミル「だな」

クリスタ「活動写真なんて久しぶり…なんだか緊張してきた…」

ユミル「なんでだよ」ハハハ

クリスタ「何処に座る?」

ユミル「あ、あそこ二席空いてるな」

クリスタ「そうね あそこにしよう」

ユミル「ああ」


―――
――――――

ユミル(案の定、よくあるメロドラマだったな)

ユミル(だが…)チラッ

クリスタ「凄く良かった! ね、ユミル!」

ユミル「そうだな」

ユミル(本人様は気に入って貰えたようだ…)ホッ

クリスタ「もうね、ラストが最高! 二人がくっついてハッピーエンド!」

クリスタ「恋物語はこうじゃないと!」

クリスタ「途中で仲が引き裂かれた時はどうなるかと思ったけど、最後は愛し合えて良かったわ…」

ユミル「そうか」

クリスタ「やっぱり、こういう話が好きだなあ…」

ユミル(年頃の娘だな…)

クリスタ「ねえユミル」

ユミル「ん?」

クリスタ「また来ようね」

ユミル「ああ」

クリスタ「日が結構傾いて来たわね…」

クリスタ「そろそろ帰らないと…」

ユミル「嫌、クリスタ これからだ」

クリスタ「え?」

ユミル「これからが、お前の誕生日祝いだ」

クリスタ「これから…?」

ユミル「今日は街で夜を過ごす」

クリスタ「えっ!? でもそれだったら教官に…」

ユミル「大丈夫だ サシャ達に頼んでる」

ユミル「それに教官なんか居ないの同然なんだしよ」

クリスタ「え、で、でも…」

ユミル「お前の誕生日なんだ たまには悪さもしねえとな」ニッ

ユミル「取り合えず、腹ごしらえでもするか」

クリスタ「ほ、本当に大丈夫かな…」

ユミル「何、気にすんな 大丈夫大丈夫!私が付いてるんだからよ」

クリスタ「う、うん…」


―――
―――――――

――寂れた教会

クリスタ「うわあ…立派な教会ね…」

ユミル「だろ?」

神父「ああ、誰かと思ったらお前さんか」

ユミル「約束通り、お願いします」

神父「解っとるよ」

クリスタ「? 何か始まるの?」

ユミル「秘密だ」

ユミル「それまで話しておくか」

クリスタ「え?今からじゃないの?」

ユミル「今からじゃない」

クリスタ「で、でももう日が完全に落ちちゃったし…」

ユミル「安心しろ」ナデナデ

クリスタ「も、もう!からかわないでよ!!」

ユミル「最近ゆっくり話してなかったしな」

クリスタ「で、でもそれはユミルが私の為に準備してたからで…」

ユミル「だから今から話すんだろ? この1週間、話せなかった分をよ」

クリスタ「う、うん…!」

クリスタ「ね、ユミル聞いて…!」

ユミル「なんだ?」


―――
―――――――

~その頃の訓練兵団の食堂~

エレン「ん?クリスタがいねえ」

コニー「いつも一緒にいるブスも居ねえな」

サシャ「あー!ユミルは体調壊して寝込んでます!!」

ミーナ「で、クリスタは看病してる!」

アルミン「なら仕方ないね」

サシャ「でしょうでしょう!?」

コニー(なんか怪しいな… ま、いっか)

私とクリスタはこの1週間色々出来なかった分を埋める様に話した

座学の予習をやって行ったら良かった、とか
昨日の双六は結局ミーナに負けた、とか…

私の方は私の方で、なんで図書室に行ったり
何の本を読んだり話した



クリスタ「そっか… ユミルは私に花束を渡したかったのね」

ユミル「ま、結局はやめたがな」

クリスタ「なんかユミルらしくない」クスッ

ユミル「な、なんだよ…」

クリスタ「で、結局このプランを立てたのね」

ユミル「そうだな」

クリスタ「あれかしら? 私の誕生日ちょうどにも一緒に居てくれるって事?」

ユミル「ま、ちょっと違うがそんなもんか」

クリスタ「違うの?」

ユミル「少し」

ユミル「ほら、話してる内にもうすぐ15日に――お前の誕生日になる」

クリスタ「本当」

クリスタ「ねえ、ユミル」

ユミル「なんだ?」

クリスタ「今日は…ううん、今まで私の事色々気を使ってくれて有難う」

ユミル「…ああ…」


その時、教会の鐘がひとつ鳴った
神父が「毎晩日境には鐘を鳴らす」と言ってたが全くその通りだ

ユミル「クリスタ」

クリスタ「ん?」

ユミル「誕生日おめでとう」

――1/15

クリスタ「もう15日?」

ユミル「ああ」

ユミル「これを受け取ってくれ」スッ

クリスタ「これは…」

ユミル「開けてみろ」

クリスタ「うん」スルスル パカッ

クリスタ「わあ… ユミルの手作り?」

ユミル「まあ、な」

クリスタ「なんだか、凄く手作り感があるもの」

ユミル「そりゃ、既製品には負けるわ」

クリスタ「それに…」

ユミル「?」

クリスタ「私昨日ユミルが作ったの見ちゃったんだ…」

ユミル「……マジかよ…」

クリスタ「うん…」

クリスタ『ユミルー、ご飯よー』

クリスタ『もう、何処にいっちゃったのかしら』

クリスタ『あれ…』

ユミル『』グーカー

クリスタ『寝てる』クスッ

クリスタ『ユミル、起きてユミル』ユサユサ

ポロッ

クリスタ『あら、何かしら…?』

クリスタ『ん…指輪…?』

クリスタ『もしかして、作業ってこれの事…?』

クリスタ『私の…』

クリスタ『と、取り合えずユミルのポケットの中に入れておこう!』ゴソゴソ

ユミル『』ビクッ

ユミル『……んあ…』

クリスタ『おはよう、ユミル』

クリスタ「…ごめん」

ユミル「マジかよ…」

ユミル(あああ…!私の馬鹿!!)

ユミル「あ」

クリスタ「?」

ユミル「はめてみたか?指輪」

クリスタ「いや、まだよ」

ユミル「じゃあはめてみてくれ! 多分サイズも合う筈だ!」

クリスタ「」イソイソ

クリスタ「本当だ…」

ユミル「だろ?」

ユミル(実は、クリスタが寝てる時にこっそり寸法を測ったんだ…)

ユミル(これはバレてなかったようだな…)ホッ

ユミル「なあクリスタ」

クリスタ「何?」

ユミル「お前、前言ってたよな?」

クリスタ「何を?」

クリスタ『誰も居ない教会でひっそりと結婚して…』

クリスタ『私も、この小説みたい』

ユミル「私はお前の結婚相手でもなんでも無い」

ユミル「だがな、私達は兵士だ。 何時死ぬかわかんねえ もしかするとお前が結婚する前に死んでしまうかも知れない」

ユミル「だから、格好だけでもやっておこうと思ったんだよ」

クリスタ「ユミル…」

クリスタ「」ムギュッ

ユミル「!?」

クリスタ「有難う、ユミル…」

ユミル「おう…」ヨシヨシ

クリスタ「ねえ」

ユミル「なんだ?」

クリスタ「あれも言ってくれる?」

ユミル「あれってなんだ?」

クリスタ「もう!教会、指輪って来たら…」

クリスタ「訓練兵ユミル、あなたは訓練兵クリスタ・レンズが」

クリスタ「病めるときも、健やかなるときも」

クリスタ「訓練で辛いときも、これから幾度と無く死にたいと思っても」

クリスタ「ずっと一緒に居ることを誓いますか?」

ユミル「クリスタ…」

ユミル「何言ってんだ、当たり前だろ」

クリスタ「違う違う!そういう時は…」

ユミル「誓います、だな」


―――
――――――















.

――ユミル、おいユミル

ユミル「…」

ライナー「ユミル!聞いてんのか!」

ユミル「!? あ、ああ…ライナーか…」

ライナー「何ボケーっとしてんだ?」

ユミル「ああ… クリスタの…ヒストリアの誕生日を初めて祝った時の事を思い出してた」

ユミル「さっき、あっちの方でウォール教の教会が見えた気がしてな」

ライナー「なんで教会見て思い出すんだよ」

ユミル「私にも色々あんだよ」

ユミル「そういえば、お前と知り合ったのも、訓練兵1年目のその時だったな」

ライナー「…そういや、そうだな」

ユミル「お前、何渡したんだっけか…」

ライナー「花束だ」

ユミル「そーそー、そうだったそうだった」

ライナー「確か…菫だった筈だが…」

ユミル「うわ、似合わねー…」

ライナー「なんだよ傷つくな」

ユミル「率直な意見だよ」

ライナー「誕生花を渡したんだ」

ユミル「へえ…」

ユミル「人を貶すような花言葉の花だったり、人を蔑むような名前の花だったり、ロクな花がねえと思ったんだが…」

ユミル「菫も15日の花だったんだな」

ライナー(貶す花言葉?蔑む名前…?)

ベルトルト「何の話してるの?」

ライナー「ああ、クリスタの誕生日の話だ」

ベルトルト「へえ…」

ベルトルト「そういえば、訓練兵1年目のちょうどその頃、何故かアニに僕の事ホモだと勘違いされてたっけ…」

ベルトルト「あんなに否定したのに…」ハァ

ライナー「そ、そうか…」

ユミル「え?お前らデキてるんだろ?」

ライベル「「出来てない!!」」

ライナー「さて、もうこんな時間だし飯にでもするか」

ベルトルト「うん」

ユミル「…」


なあヒストリア… 嫌、クリスタ
あんな言葉言ったのに約束破ったって怒ってるか?

突っぱねたいか?

…突っぱねれるなら突っぱねて欲しいさ


あんなもの、ただの口約束だ
破ろうと思えばいつでも破れる

…それに、お前を内地にやろうと考えてた時から破ろうと思ってたんだ

でも、どこか破りたく無い私が居た
なんでだろうな…

なあクリスタ、私は――……




~終~


クリスタの誕生日ちょうどきっかりにおめでとうと言いたい自己満のSSでした
クリスタ・ヒストリアお誕生日おめでとう!

こんな自己満なSSにコメントくださった方、有難う!

ではでは
また違うSSで

ほのぼのからのこれはキツイ…
ミーナやマルコが居たのも余計にくるな…でもすごく素敵だった、乙


おめでとうのシーンを日付変わった瞬間に持ってきたのか、凝ってるな

>>1とユミル乙
クリスタおめでとー

お蔭で俺の中でもいいクリスタの祝い方が出来た……気がする
>>1乙!

面白かったしほのぼのした!
乙!

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