江ノ島「……希望ヶ峰学園の生活……疲れたよ……」
江ノ島「何か面白いこと……この生活を崩さず、皆を絶望させられる……」
江ノ島「……ティンときた」
江ノ島「皆を違う世界の人間たちとくっつけて、そんでもってよくわかんない怪物とかと戦わせればいいんじゃね?」
江ノ島「ヒャッハー! こいつは絶望的だなぁ!」
江ノ島「さーてと……あとは大人の事情でいろいろまとめてくれるよね……」
江ノ島「どうやって絶望をばらまこうかな? うぷぷぷ……楽しみ楽しみ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388591700
注意。
これはダンガンロンパとアイドルマスターのコラボSSです。
クロスをやるのは初めてです。
どうなるかはわかりません。書き溜めもなくやっつけです。完結は今日中にはできません。
勢いだけでやってるので、更新遅いです。気長に読んでいただければ。
江ノ島様のコメント通り、いろいろ矛盾することがあると思いますが、言弾を使わず、温かい目をお願いします。
~希望ヶ峰学園、放課後~
苗木「それでね、その時霧切さんってば……」
舞園「うふふ、それって本当ですか?」
苗木「本当だよ、すっごい猫の事見てた。興味ないふりしてたけどあれは確実に、猫が好きなんだと思う」
舞園「そうなんですか、じゃあこの子猫のヘアピン、この前苗木君くれたやつですけど……もしかしてこれも?」
苗木「い、いや、それは……舞園さんに、似合うと思って……」
舞園「うふふ、ありがとうございます♪」
桑田「……おーい、舞園ちゃん?」
舞園「何ですか?」
桑田「今度のテストちゃけパねぇ点数取りそうだわ……勉強教えてくんね?」
舞園「私なんかより、石丸君のほうがいいんじゃ?」
桑田「石丸ゥ? 無理無理、あいつはんぱねぇ厳しさだろうし、女の子に教えてもらった方が俺もやる気でるっての」
大神「では、我が」
桑田「いや、ある意味もっと厳しい修行になりそうなんで、やっぱり一人でやります」
朝日奈「もー! まず自分で考えてから友達に教えてもらいなよ! この前の宿題も、桑田サボってるでしょ?」
葉隠「そうだべ! 俺はこの前のだけは出したんだぞ!」
腐川「あんた一回やったくらいで威張ってんじゃないわよ……」
葉隠「ところで石丸っち」
石丸「む? どうしたのだ?」
葉隠「この前宿題頑張ったご褒美に、今週のを石丸っちがやってくれ」
石丸「断る!」
葉隠「な、何でだべ!?」
戦刃「当たり前の……反応だと思う」
朝日奈「葉隠、ちょっと前の葉隠にビンタしとけばよかったって思わせないで」
山田「セレス殿、ここ、答えが違いますぞ?」
セレス「わたくしに指図しないでくださる? そんなことより、紅茶が飲みたいのですが」
山田「え、えーっと……ここ2階なんですけど……」
セレス「それがどうかしましたか?」
山田「……はい、わかりました。食堂からここまで運びます」
大和田「……おい、不二咲」
不二咲「わ、え、えーっと……どうしたのぉ?」
大和田「お前、数学得意だろ? ちょっと手伝ってくれよ」
不二咲「え、えぇ!? ……そのぉ、僕でよければ、えへへ♪」
十神「チッ、蠅がわきすぎだ」
山田「お紅茶お持ちしました!」
セレス「びちょびちょにこぼしてんじゃねぇよ。やり直しですわ」
山田「ぶひっ」
ガタンッ
霧切「山田君、少し待って」
苗木「あ、霧切さん。どこ行ってたの?」
霧切「どこだっていいじゃない」
山田「相変わらずのクールビューティーですな」
舞園「苗木君の質問に、そんなに冷たくしなくてもいいんじゃないですか?」
霧切「……私は冷たくしているつもりはないわ。そんなことより、皆に、これを見てほしいの」
腐川「……こ、これは?」
戦刃「何かのメダル……みたいな」
大神「それにしては、随分と禍々しい気を放っているな」
霧切「……でしょう? これはなんなのか……真相を知りたかったのだけど、知ってる人はいないかしら?」
葉隠「俺は知らん」
朝日奈「あ、この葉隠は嘘ついてないよ」
石丸「僕は校内に、このような不必要なものは持たない主義だ」
十神「しかし趣味が悪いな……持ち主も相当な奴だと思うが……」
腐川「趣味が悪いっていう点では、山田あたりが怪しいんじゃないの?」
山田「何ですと? そっちこそ気持ちの悪い恋愛小説ばかり」
腐川「き、気持ち悪いですって? な、何よその言い方!!」
苗木「ま、まあまあ、落ち着こうよ」
大和田「気にしててもしょうがねぇだろんなもん」
霧切「でも、これが重要な手掛かりになるかも」
大和田「いいから貸せって」ヒョイッ
不二咲「お、大和田くん……あんまり、そういうのは……」
大和田「ちょっと貸してもらうだけだよ……こんな薄気味悪いものはな……」
大和田「捨てちまうに限るだろ」ポイッ
霧切「…………」
石丸「君という奴は! 持ち主が困るだろう!」
桑田「問題そこじゃねぇよ!」
セレス「……あの、何やらあのメダル」
舞園「何か知ってるんですか?」
セレス「いえ、ただ……教卓の上に置いてあるのですが?」
苗木「……え?」
苗木(ボクらは一斉にセレスさんの指さす教卓を見る。そこには……)
腐川「も、もももも元の場所に戻ってる!?」
大神「我らは何を見せられているのだ?」
葉隠「あ、ああああああれは呪いのメダルなんだ! そうだ! そうに違いない!」
十神「落ち着け、静かにしろ。心臓音一つ耳障りなお前ら愚民がピーピー騒ぐな」
苗木(と、十神クンが一括したところだった)
戦刃「……何?」
苗木(メダルから漏れ出すおぞましい黒い光につつまれたボク達は……)
苗木(一斉に教室から姿を消した)
~765プロ事務所~
春香「おはようございマース」
真美「あ、はるるん!」
千早「おはよう、春香」
春香「皆今日は早いね、どうしたの?」
P「新年生っすか!? の最終確認をするために、家の近い人たちには6時に集まってもらってるんだ」
春香「えぇ!? じゃあ私、1時間も遅刻を?」
小鳥「春香ちゃんのは、遅刻としてカウントしてないわよ」
伊織「というか、そんなカウント元からないからね」
P「で、ここで竜宮のステージがあって……」
律子「ステージのタイミングとか、カメラ位置とかは、私が把握してるので、説明します」
亜美「さすがりっちゃん!」
律子「ちゃんと聞いててよ? まず……」
やよい「そのあと私たちのパフォーマンスですよね!」
真「なんだか珍しい組み合わせだよなあ。ボクとやよいと美希って」
美希「そう? ミキ的にはありかもって思うな」
真「ならいっか。プロデューサー、どんな感じですか?」
P「そこなんだが、ここでサプライズがあってな……この場所に来てくれる社長にライブサプライズとして……」
雪歩「わ、私と四条さんと響ちゃんで……ライブを予定してるらしいですぅ」
あずさ「あらあら、大役ね。大変でしょうけど、頑張って」
貴音「ええ、もちろん、頑張ります」
響「自分にかかれば、ちょろいもんだね! やってやるさー!」
春香「あ、そういえば、全然関係ない話していいですか?」
P「ん、どうした?」
春香「道を歩いてる途中で、こんなもの、拾ったんです!」
響「お? 子猫のヘアピンだな! すっごくかわいいぞ!」
雪歩「でも、汚れちゃってる……どうしてだろう?」
春香「わかんない、でもせっかくだし、これから落とし主を探してあげようと思って」
千早「春香は、本当にやさしいのね」
春香「そ、そんなことないよ!」
亜美「わかる、わかるよ」
真美「はるるんは天使、はっきり分かんだね」
春香「か、からかわないでよ~! もう!」
あずさ「貴音ちゃん? どうしたのかしら?」
小鳥「え?」
貴音「そのヘアピンをすぐに捨ててください!」
伊織「どうしたのよ急に」
貴音「いいから早く!」
美希「貴音? どうしちゃったの? どこか打ったの?」
やよい「大丈夫です! と~ってもかわいいですよ!」
貴音「早く、後悔することになります」
真「こんな青い顔してる貴音も珍しいなあ……大丈夫? 具合悪いの?」
小鳥「具合が悪いのであれば、私ができる限りで何とかしてみるけど……」
貴音「ではすぐにその子猫の髪留めを捨ててください。できるだけ遠くに」
律子「いったいどういう事? 訳を説明してくれないと……」
貴音「説明しづらいです」
春香「え? あれ?」
P「春香? 大丈夫か?」
春香「なんか、急に体が熱く……」
貴音「……もう、遅いのですね」
美希「どういうことなの?」
千早「わからないわ」
春香「う、うわあああ!」
律子「春香!?」
バシュッ
伊織「き、消えた……って、嘘でしょ?」
貴音「わ、私も、もう耐えられないようです……」
響「自分も……なんだか……」
P「く、俺もだ……なんだ? この感じ……」
P(気づけば、765プロの皆が同じような症状に苦しみ、そして……)
P(……暗転)
~???~
苗木「……ん、んぅ……」
???「……ですか? …………ですか?」
苗木「……あれ?」
???「大丈夫ですか? 声、届いてますか!?」
苗木(そうか、ボクは霧切さんの持ってきたメダルの、不思議な現象を見て……それからどうなったんだ?)
???「返事してください! こういう時には……う~ん、何をしたらいいんだろう……うちのテレビみたいに叩けば治るのかな?」
苗木「……聞こえてるよ、大丈夫」
???「わぁ、良かった! 気が付いたんですね!」
苗木(だれだろう、この子……)
苗木「ボクは、苗木誠……君は?」
???「うぇ? あなたもまことって言うんですか!? 面白いかもー!」
苗木(あなたも?)
やよい「私は高槻やよいです! いぇい! よろしくお願いします! というか、テレビで見たこと、ないですか?」
苗木「……テレビ?」
やよい「えーっと……お料理さしすせそとか……」
苗木「……聞いたことないな……アイドルか何かなの?」
やよい「はい!」
苗木「こっちで人気なのは、舞園さやかさんがやってるグループくらいしか……」
やよい「まいぞのさやかさん、ですか? 挨拶したことないなぁ……」
苗木「あ、いや、わからないならいいんだよ」
やよい「うぅ、すみません……」
苗木「こっちこそ知らなくてごめん……」
ガサガサッ
苗木「……!」
やよい「あれ? なんでしょう、今の?」
苗木「……わからない」
???「グルルルルル!」
苗木「うわぁ!」
やよい「あ、オオカミですー!」
苗木「どうして落ち着いてるの!? 襲われちゃうよ!」
やよい「えーっと……うーんと……」
オオカミ「グルルルァア!」
苗木「うわあああああああ!」
やよい「お手!」
オオカミ「ガウ!」
苗木「き、効いてる!?」
やよい「とってもいいこです~!」
オオカミ「ガウ」
苗木「…………なんだろう、これ」
苗木(訳も分からない状況に、高槻さんという謎の少女、そして彼女の言うことを驚くほどによく聞くオオカミ……いったい何がどうなってるんだ?)
~真っ暗な森~
舞園「うぅ、いたたた……何か落ちてきたみたいな感じが……」
春香「うぅ、いたたた……何か踏んでいるみたいな感じが……」
舞園「……あ、どうもこんにちは」
春香「あ、どうも……って、うわああああ!! ごめんなさい!」
舞園「いえ、かまいませんよ」
春香(素敵な笑顔、きれいな人だな……)
舞園(よくわからない人……まずはこの人がどんな人かを知らなくちゃ)
春香(他の皆はどこだろう? よくわからないことだらけだな……)
舞園(名前を名乗るわけにはいかない。どんな人かわかるまでは、絶対に)
春香「私は天海春香です。あなたは?」
舞園「え?」
舞園(自分から名乗った……? これはどうしたらいいのかな…………)
舞園「えーっと……私は誰でしょう?」
春香「え!?」
春香(だ、誰だろう?)
春香「えーっと……」
舞園「ほら、最近テレビにずっと出てる、大人気アイドルの……」
舞園(て、自分で何言ってるんだろ……)
春香「えぇ? だったら知らないはずがないんだけどなぁ……私、一応アイドルなんですけど、ご存知ですか?」
舞園「は?」
春香「あ、いえ、すみません!」
舞園「あ、す、すみません、こちらこそ……」
舞園(どういうことなんだろう……彼女もアイドル……私を知らないということは……もしかして)
舞園「お生まれは?」
春香「え? 日本です」
舞園「それはそうなんでしょうけど……」
春香「あの、えっと……名前を」
舞園「舞園さやかです」
舞園(あ、言っちゃった)
春香「さやかさんですね!? 覚えましたよ!」
舞園「よ、よろしくお願いします。天海さん」
春香「こちらこそ!」
舞園「それはそうと、ここがどこか知ってますか?」
春香「あ、それ今私も聞こうと思ってました。えへへ、気が合いますね」
舞園(この子の笑顔、確かにアイドル、それも尋常じゃない練習量ね)
舞園「もしかして、あなたも迷子ですか?」
春香「はい、迷子仲間ですね!」
舞園「上に乗っていたのは……」
春香「なんだか体が熱くなって、眠いなあって思ったら、ここにいました」
舞園「私も怖い気持ちに包まれて、そしたらここに」
春香「似たもの同士ですね!」
舞園「そうみたいですね」
舞園(……完全に向こうのペース……これはどうしたら)
~真っ暗な森~
ペターン
霧切「あなたは?」
ツルーン
千早「如月千早よ。そちらも名乗ったらどうかしら?」
霧切「霧切響子よ。あなたとは気が合う気がするわ」
千早「私もよ」
霧切「どういう経緯でここに来たのかしら?」
千早「私が最初からここにいたことは疑わないのね」
霧切「都合がよすぎるわ。みたところ別次元から来た人のようだし」
千早「それで少し会話がずれる瞬間があったのね……納得はし辛いけれど」
霧切「私はあるメダルによってここに呼び寄せられた」
千早「……春香、いえ、友達の拾ってきた小さなヘアピンがここに呼んだわ」
霧切(ヘアピン……舞園さんのつけていたあれかしら?)
霧切「行きましょう。ここでぐだぐだしていても仕方ないわ」
千早「どこへいくの?」
霧切「まずは皆と合流するのが先ね。あなたと同じで私にも仲間がいる。生きていればいそいで助けましょう」
千早「……どういうことなの?」
霧切「さっきみたいにオオカミが襲ってくるかもしれない」
千早「……あれは、なんと呼ぶべきかしら」
霧切「……さしずめ、モンスターと言ったところかしら……」
千早「木の枝で振り払えたのは奇跡でしょうね……」
霧切「二人で狂ったように木の枝を振るったわね」
千早「次はないかもしれない」
霧切「そういうことよ」
~真っ暗な森~
桑田「……あ? どこだここ?」
伊織「……何よ、あんたは」
桑田「な、お前誰だよ?」
伊織「この765プロのスーパーアイドルを知らないの?」
桑田「は? 765プロ? 初耳だわ」
伊織「どこの異文化人よ! 今の日本で765知らない人なんていないわよ!!」
桑田「てか、アイドルとか舞園ちゃん以外に必要ないだろ?」
伊織「舞園ちゃんて誰よ! どこの人よ!」
桑田「なんだよ、ピーピー騒ぎやがって」
伊織「何だよはこっちのセリフよ!」
桑田「……おい」
伊織「何よ!」
桑田「やべぇの来てるぞ?」
伊織「え?」
???「…………!!」
桑田「なんだこの……でっかい蛾みたいなの!!」
伊織「気持ち悪い!!!」
桑田「逃げるぞ!」ダッ
伊織「言われなくても逃げるわよ!!」ダッ
???「…………!!」
桑田「なんか、変な粉みたいなもん吹いてるぞ!!」
伊織「気持ち悪い!!」
桑田「さっきからそればっかりだな!!」
伊織「もー! 何とかしなさいよオレンジライオン!」
桑田「俺は桑田怜恩!!」
伊織「じゃあ怜恩! 何とかしなさーい!」
桑田「なんか、怜恩って言われるの興奮するな……」
伊織「気持ち悪いわね……でもその程度、ファンのおかげで慣れたわ」
桑田「お望み通りに……お、ポケットの中に野球ボール」
伊織「野球? あんた野球少年なの!?」
桑田「おうよ! 見とけよ、伊織ちゃん!!」ギュンッ
ボコォ!
???「…………!?」
桑田「撃墜!」
伊織「やったわね!!」
二人「いぇい!」ハイタッチ
伊織「……あ」
桑田「あ……」
伊織「べ、別にアンタに感謝なんかしてないんだからね!」
桑田「なんだそりゃ!?」
~都会っぽい街~
真「……さて」
真「どうしたものかな? この魔物みたいなのに囲まれてる状況……」
真(亜美、真美がやってるゲームとかでしか出てこないと思ってたな……まさか戦うことになるとは……)
真「覚悟しろ! ゾンビ!」
ゾンビA「うおおおおおお……」
真「やあ!!」ボコッ!
ゾンビA「ぎゃぁぁああああ!!」
真「うわ、なんかぬめっとしててやだなぁ……でも」
ゾンビB「ぐうううううううあががあああああああ!」
ゾンビC「がおおおおおお!」
真「お前たちに食われる方がボクはごめんだね!」
急に地の文
真はしゃがんで2匹のゾンビの打撃をかわすと、その場で足をぐるりと回す。足から激しく青緑色の液体を飛ばし、醜い叫び声をあげながら、ゾンビは動かなくなった。
「……よし!」
しかし、安心するには早すぎた。
真後ろからきている、別のゾンビの存在に、真は全く気付いていなかった。何かの気配を感じ振り向いた時には、すでにゾンビは目と鼻の先。かわせる余地などない。そこで彼女はぐっと目を閉じた。
その時、強い衝撃音とともに、目の前のゾンビの腹に穴が開いていることに気づく。いくらか飛んできた液体をふき取り、何が起こったのか状況を知ろうとした。
「……平気か?」
そこにいたのは、長ランを羽織ったリーゼントの男。
「助けてくれてありがとう……君は?」
「大和田紋土だ。おめぇは?」
「菊地真だ」
「そうか。女の危険を察知し助けるのが漢だ。礼にはおよばねぇよ」
「……そっか、それなら……」
真はぐるりと、あらためてあたりを見回し、大和田と名乗った男に視線を向けて言った。
「どんどん増えてるこいつらをやっつけようか!」
「おう、任せとけよ」
今日はここまでにしときます。次回の更新もいつになるか未定です
乙 何という俺得
ここはどこだろう?
目が覚めて思ったことはこれだった。自分が萩原雪歩という名前だったことも憶えているので、記憶喪失したわけではないようだ。
体の強烈な熱っぽさを感じて、不思議に思っているうちに、世界が暗転した。
そして、目の前に、おどおどとしているあどけない少女がいる。
ここに住んでいる人なのだろうか、それとも別のところからやってきたのだろうか。聞いてみたいことは山ほどあるが、何よりも勇気が出ない。どうしよう、そうしようと悩んでいるとき、その少女が口を開いた。
「あ、あのぉ……」
「ふぇえ! どうしたんですか?」
「僕、不二咲千尋です。えっと、ここはどこですか?」
「それ、私も聞こうと思ってました」
彼女も概ね自分と状況は変わらないようだ。
周りを見渡すと、ビルのような建物が幾重にも並んで建っている。それなのに人の気配が全くないのが、逆に寒気を覚えさせた。
「私、萩原雪歩っていいます」
「そっか……君の能力は?」
「の、能力!?」
彼女はなんの能力を持っているのかと聞きたくなったが、全力で自分のことを考えた。アイドルとしてやっていけてるのは皆がいてこそだし、自分の得意なことと言えば……。
「お、お茶を汲むことでしょうか?」
「お茶? ああ、超高校級の茶道家ってところだね!」
彼女はそう言って、ぱっと明るい笑顔を見せた。
「超高校級、ですか?」
「え? わからないのぉ?」
彼女の嫌味を一粒も含まない口調に、こくりと頷く。おそらく彼女は雪歩がアイドルをやっていることも知らないのだろう。
「じゃあ、パラレルワールドから来た人なのかも……」
「パラレルワールド、ですか?」
「うん、簡単に言ってしまえば、別の世界から来た人。日本は日本でも、違う日本から来た人なんだと思う」
「そうなんですか……でも、超高校級の茶道家って、なんだかいい雰囲気ですね!」
「僕はプログラマーなんだけど、ここに飛ばされてきたときにパソコンが無くなっちゃってて……役に立てなくてごめんなさい」
「そ、そんなことないですぅ! 頑張っていきましょう!」
雪歩は不二咲の手を両手でしっかりとつかむと、何やら感じたことがある恐怖心にとらわれる。
……気のせいと思うことにした。
「ありがとう、僕頑張るよ!」
「はい! ここを協力して出ましょう!」
乗っ取り?
同じくビルの立ち並ぶところで、彼は怒号を上げた。
「みっともない! 15というその年齢で髪を金髪に染め上げるなど……母親からは何も言われないのか!!」
「ママは何にもいわないの。だからオッケーだよ! あはっ☆」
「あはっ☆ ではないわ!! 今すぐに元の色に……」
「この人うるさいの」
石丸の声よりも大きな金属音が響き渡る。ぴたりと会話を止めた美希と石丸に襲い掛かってくるのは、巨大な二本足で歩く、白と黒の球体のようなもの。
「……なんだこれは!!」
「逃げるが勝ちなの! いこ!」
気が付けば美希は立ち尽くす石丸の手を引き走り出していた。青い顔をしながらも、彼は必死で美希の走りについてきている。
「ミキ、速いでしょ?」
「そ、そうだな。この状況で臨機応変に対応できる……星井君、君は大したものだ」
「ほめられるのは嫌いじゃないの!」
あの機械は体が重いのか、歩くのが遅い。だが、四方八方に熱光線を放ち、周囲のビルを崩壊させていく。
あえて彼らを狙わないのは、いつ殺されるかわからない恐怖を植え付けさせるためだ。
「どのようにして状況を打破するのだ? 見たところ機械であるあいつには、スタミナが切れることはないと思うが」
「すぐにミキ達は疲れちゃうもんね。何か武器とかは持ってないの?」
「銃刀法違反という言葉を知らないのか! 持っているわけないだろう!」
乗っ取りじゃないです。>>1です
このまま走り続けるしかないのだろうか。美希は以前とったずっと走り続けるCMのことを思い出した。彼はそれをしらないらしいが、テレビを見るような人ではないのだろう。
「あ」
「む? どうしたのだ?」
「思いついたの!」
「どうするんだ?」
「えーっと、清多夏くんに協力してほしいの!」
「何をだ?」
「ミキ達を狙ってるわけじゃなくて、アレがずっと壊してるのはビルでしょ?」
「……そのようだな、落ち着いてみれば。だが、いつ僕らも丸焦げにされるかわからない」
「だからね、倒せるかはわからないけど……」
石丸は美希の作戦に目を丸くした。
「……そうだな、時間稼ぎにはなりそうだ」
「じゃあ、清多夏くん! よろしく頼むの!」
服についたほこりを払いながら、今の状況についていろいろと考えてみるが、見当もつかない。
汚れたお気に入りの衣服のどうしても取れない汚れを見て、眉を寄せたセレスは、そこで初めて周りを見渡した。
見渡す限り、ここは城内のようなところである。だが、不思議なことに窓からの景色は黒一色しかない。
「悪趣味な部屋ですわね……」
そしてもう一人、同じ部屋で倒れている少女を見つけた。生きていたら、何かと役に立つかもしれない。いざとなれば彼女をいけにえに捧げてしまえ。そう思い、まずはやさしく声をかけてみる。
「大丈夫ですか? 息は……していますわね」
やがて少女は目を開き、セレスを見て言った。
「ついに!! 真美は天国に来てしまったんだね!」
「は?」
「目の前に見えるメイド服のゴスロリ姉ちゃんは、天国か地獄か、どちらに行くかを決める場所! でも、真美はもう一度地上に戻るために、このメイドと戦わなければならない展開なんだね! 亜美、待ってて! 今戻るから!!」
「落ち着きなさい。どこかで頭を打ったのですか? それとも元から頭がおかしいのですか?」
彼女はネックスプリングで飛びあがり、マシンガンのような速さでセレスに言葉を並べた。
「真美……それがあなたの名前ですわね?」
「そだよー! 真美は真美! 双海真美だよ! 亜美は、真美の双子の妹でー」
「そのことをしゃべれと言った覚えは、わたくしにはございませんよ」
貴音と同じ雰囲気を最初感じたが、それとは違うようだ。嫌悪感を抱いた真美は、思わずむっとする。
「じゃあ、姉ちゃんも名前を名乗れー!」
「セレスティア・ルーデンベルクですわ」
「海外の人なの?」
「いえ、栃木の宇都宮育ちです」
「ロケで行ったことあるよ! 餃子がとってもおいしいんだよね!」
「……ロケ?」
「そう! ロケ!」
IDと文体が>>1と違うんだが
「ということは、つまり?」
「そう、真美は、13歳にして、中学生アイドルなのだよ! キリッ!」
なるほど、こいつは馬鹿だ、とセレスは思った。いろいろなところで使えそうである。
「セレちんはどうしてここに?」
「せ、セレちん……まあいいでしょう。わたくしもわかりませんわ。気が付いたらここにいた、というような状況です」
「真美もそういう感じっぽいよ」
「そうですか……なんとなくそうだとは思っていましたが、まさか本当にそうとは……」
セレスはぐるりと室内を歩き回る。扉は開かない。窓も完全に閉ざされている。
「はあ、密室、ですか」
「脱出ゲームだね!」
「いえ、恐らく違うでしょう。この鍵を開けるためには……」
セレスは壁の向こう側をにらみつける。真美はそのセレスの目に、恐怖を感じた。
「わかっていますよ? いるのでしょう?」
「……いる?」
「真美さん、何か武器になりそうなものは持っていらして?」
真美はゆるく首を横に振った。
「そうですか……ならば」
セレスは近くにあった引き出しの棚を開けた。その中から、凶器になりそうなものを、真美に向かって床を滑らすように投げる。
真美はそれをあわてずに足で止めると、拾った。
「……これ、剣?」
「脱出ゲームを御存じならわかるはずです。手に入れたアイテムをどうするべきか……」
「いろんなところで使いまくるんだね!」
「そして、あれをやっつけてください」
セレスが壁の向こうを指さすと、そこから黒い煙のようなものが噴き出てきた。
煙は集まり固体になり、一つの人のようなものを生み出す。
「ぎゃあ!! お化け!!」
「真美さん、やっていただけますか?」
「……ちょっと、怖いけど……」
真美は剣の柄を、汗ばんできた手でしっかりと握った。
「やってみる!!」
>>34
証明するものが無いので、なんとも言えませんが、本当に>>1です。
IDが変わったのは、一度抜けたからです。
一回地の文に変えてやった方がやりやすいかと思って、地の文でやってます。
文体の違いは、戦闘シーンと会話のシーンで少し違うかもです。
トリつけた方がいいんじゃない?
会話文に戻します……
~怪しい城~
小鳥「えい! えぇええい!」ガンッガンッ
小鳥「……だめね……この扉固くて、部屋から出られない」
小鳥(壁の向こうから聞こえた真美ちゃんの声……あれは絶対、真美ちゃんが……何かに襲われている)
小鳥(急いで助けに行かないと! この引き出しから出てきた剣で!! ピヨちゃんソードで!!)
小鳥「せええええい!!」ガンッ
???「お困りのようですね」
小鳥「……その声は?」
山田「山田一二三、すべての始まりにして、終わりなるもの……二つ名の方で呼んでもらっても構いませんぞ?」
小鳥「……音無小鳥、全ての音を無に帰し、新たなさえずりを生み出すもの……」
小鳥(対抗してみたはいいけど、なんだかダサい!!)
山田「うふふ、困っている人の味方をするのが拙者の勤め……」
小鳥(この人、座って寝てたけど、ぬいぐるみだと思ってたわ)
山田「僕も協力しますよ!!」
~怪しい城~
朝日奈「どう頑張っても開かないなぁ……プロデューサー!」
P「俺は君のプロデューサーになった覚えはないんだが……」
朝日奈「だって、名前覚えにくいんだもん!」
P「……そっか、わかったよ」
P(でも彼女ならきっといいアイドルになるだろうな……)
P「こういうのはくまなく探せば脱出できるようにできてるはずなんだけどな……んー……」
朝日奈「……ねぇ」
P「ん?」
朝日奈「何でそんなに落ち着いていられるの?」
P「あー、そりゃあ、あわてても仕方ねえからなあ。いろいろあってから回ってた時期もあったけど、やっぱ落ち着いてないと、正しい判断はできないからな」
朝日奈「……ふーん、頼りない顔なのに、結構できる人なんだね」
P「……悪かったな……」
朝日奈「よーし! じゃあ、二人でいろいろなものを探そうか!!」
???「うがあああああああああああああ!!」
P「お? 隣の部屋から何か聞こえたな」
朝日奈「あれ……さくらちゃんの声!!」
P「さ、さくらちゃん!? あんな恐ろしい声で、さくらちゃん!? というか知り合いなのか!?」
朝日奈「ど、どどどどうしよう!」
P「あわてるな! どうにかするすべがあるはずだ!」
???「いっけー!! オーガちん!」
P「……いまのは亜美か、真美か……どっちにしろ、あんな強そうな人と一緒にいるなら大丈夫かな」
~怪しい城~
大神「我の力でもびくともせぬか……亜美よ、何か良いものはあったか?」
亜美「その剣をオーガちんが使いたくないのなら、亜美はもうわかんない」ガサゴソ
大神「鍵のようなものがあればいいのだが……」
亜美「鍵? 鍵なんてないよ?」
大神「鍵のかかった引き出しを開けられたりとかはないか?」
亜美「うーん……剣と、他にはこのちっちゃい針金みたいな……」
大神「……不二咲が言っておったな……確か、ピッキングとかいうものはできないのか?」
亜美「難しいかもね。長さが短いし、亜美にはそんなぎじつもないしね」
大神「その技術、もないのであれば……」
亜美「お手上げだよ~! 隣の部屋から真美の声が聞こえたのにぃ!!」
大神「お主の双子の姉だったか……ならば助ければなるまい、効いたところによると幽霊に襲われているようだしな」
亜美「お願い! オーガちん!」ウルウル
大神「そのような顔をするな。必ず我が両方助け出して見せる」
~砂浜~
響「つ、強すぎだぞ……」
戦刃「…………そうでもないよ」
響「だって、自分が8匹のタコ次郎に囲まれてるのを……2、3秒で倒しちゃったじゃないか……」
戦刃「それくらいの力がないと……やっていけないから」
響「どういうことだ? あ、それと……」
戦刃「何?」
響「このタコ次郎、食べられそうだ。火をつけられるものを探して来れば、とりあえず食事ができるし、助けも呼べるぞ!」
戦刃「……頭がいいね」
響「ふふん! 自分、完璧だからな!!」
~海の見える丘~
貴音「あそこに見えるのは……響? 助けに行かなければなりませんね」
葉隠「お、お、おおおおおおおお俺はオカルトは信じない主義なんだべ……お前みたいな白い幽霊も信じないからな……」ガタガタ
貴音「はぅ……幽霊は私も苦手です……そのようなご冗談はおやめください」ガタガタ
葉隠「じゃあ、俺を元の場所に帰らせてくれ! こんなんドッキリなら、ネタばらしするのは、貴音っちくらいしかいないはずだ!」
貴音「貴音っち……面妖な」
葉隠「め、めめめ面妖ってなんだべ!?」
貴音「ですが、この山脈を下山しなければ、砂浜には行けないようですね」
葉隠「げ、下山? 山脈ぅ? ここはどこだべ?」
貴音「今しがた名前をつけました。海の見える丘です」
葉隠「そのまんまじゃねぇか……って」
葉隠「あそこに見える黒色の人は……戦刃っちか?」
貴音「彼女もお知合いなのですね? うふふ、お互い目指すべきところは同じでしょうか」
葉隠「そうみたいだな」
貴音「でしたら、この海へと続く山脈を、ともに下山しましょう!」
葉隠「そういう名前なんか?」
貴音「今しがたつけました」
葉隠「」
~海中庭園~
十神「水の中なのに、息ができる……だと? どういうことだ秋月! 説明しろ!」
律子「騒がないの!」
十神「この俺に口答えするとはいい度胸だな……」
律子「この俺って、どの俺よ! 俺を知らない私が、俺にたいして怖気づくわけないでしょ!?」
十神「ありえないことが次々と起こっている……いったいこれはなんなんだ……?」
律子「海中でも息ができてる現象については、わからない。そして私はここがどこかも分からない。それはあなたも一緒」
十神「何が言いたい? わかっていることは何もないとでも言いたいのか?」
律子「わかってるじゃない」
十神「なんだと?」
律子「でも、わかってることはなくても、わかることはあるかもしれないでしょ?」
十神「……ハッ、いちいち癪に障る女だ」
律子「どうも、ありがとう。捜査開始よ」
十神「捜査、か……推理小説を読んだ知識が役に立てばいいんだけどな」
律子「私も同じね。本を読むのが好きっていうのは、同じなのかも」
十神「それがどうしたのだ?」
律子「何でもありません。あなたは異性との話し方マニュアルとかを出した方がいいんじゃないかしら?」
十神「……腹の立つ女だ」
~浮翌遊島~
腐川「なーっ! もう! なんでこの島浮いてるのよ!!」
あずさ「あら~、浮いてますねぇ」
腐川「あんたのキャラも相当浮いてるわよ!! なんなのよアンタ! 何も知らないとか本気!?」
あずさ「ごめんなさいね、冬子ちゃん」
腐川「その呼び方やめなさいっての!! ちゃん付けとか吐き気がするわ!」
あずさ「あらあら、吐きそうなの? 大丈夫?」
腐川「いい加減にしてよ!」
あずさ「あら、ねぇ、下見てみて」
腐川「え? ヒントでも見つけたの?」
あずさ「とっても景色がきれいねぇ」
腐川「…………疲れる」
~真っ暗な森~
苗木「……ねぇ」
やよい「はい?」
苗木「いつまでじゃれあってるのかな?」
オオカミ「ガウ」
やよい「とってもふかふかで気持ちいいですぅ!」
苗木「……そろそろ進んでいかないと」
やよい「進む? 確かに、お家に帰れないと困りますね」
オオカミ「ガウ」
やよい「うーん、何て言ってるのか、全然わからないなあ……響さんならわかるのかも」
苗木(何て言ってるのかわかる人がいるのか……ボクの先輩みたいな人だな)
苗木「高槻さん、行き先は決まらないけど、ボクや君の仲間と出会えるかもしれない。手探りだけど進んでいこうよ……えーっと……あ、ちょうどいいや」
やよい「……その木の実をどうするんですか?」
苗木「これを分かれ道に来るたびに落としていけば、どこを調べてどこを調べてないかが、ちゃんとわかるでしょ?」
やよい「わー! そうですね! いぇい!」
苗木(元気な子だな……ボクも凹んでいられないや)
苗木「よーっし! オオカミと一緒に進もう!」
やよい「名前はタロ助に決定!」
タロ助「ガウ?」
苗木「おし! タロ助! 進もう!」
タロ助「ぐるるるる!! ガウ!」ダッ
苗木「タロ助について行ってみよう!」
やよい「はい! うっうー! 面白くなってきたかも!!」
春香「さ、行きましょうか!」
舞園「どこにですか?」
春香「えーっと……せ、世界を救う大冒険へ!」
舞園(本気でいってるのかしら)
春香「あ、う、うっそでーっす……なんて……」
舞園(これは……彼女のペースを崩すチャンスかも)
舞園「よーっし! じゃあ私は今から、天海さんの助手になっちゃお!」
春香「え? 助手?」
舞園「えぇ! 助手です!」
舞園(さあ、どう出る? このまま私を助手として迎え入れて、何かあれば助けてもらえれば……)
春香「嬉しいです! ぜひ、お願いします!」
舞園(計画通り)
舞園「よろしくお願いしますね! 改めて!」
ガサッ
春香「ん? 今何か音がしたような……」
舞園「なんでしょうね……?」
春香「助手さん、何かわかりますか?」
舞園「いいえ、全く……」
ヒョコッ
春香「あ、あああ…………」
舞園「……これは、オオカミ?」
オオカミ「グオオオオオオオオ!!」
春香「襲われる!! ど、どうしよう!」
舞園「逃げましょう!」ダッ
春香「速い!」ダダッ
オオカミ「ガルルルルルル!!」
春香「急いで行かなきゃ……って、うわぁ!」ドテッ
舞園(嘘でしょ!? ここで!?)
舞園「天海さん!?」
オオカミ「グルォォォォオオオオオオ……」
春香「や、やだ! どうしよう……!」
舞園(……思った以上に早いわね……ここは見捨てるべきか否か……)
舞園「え? 前から別の……」
???「…………!!」
舞園「でっかい蛾のようなものが……」
オオカミ「グルルルルルルルル!」
春香「止めてってば!!」
ビシュゥン
オオカミ「グルォォォォオオオオ!」
???「…………!?」
舞園「……え?」
春香「……は?」
舞園「…………今のは?」
春香「わからない……です、けど、私、もしかして……」
春香「ここでは魔法が使えるのかも?」
霧切「やぁ!」ブンッ
千早「てい!」シュッ
オオカミ「ギャンッ!」
霧切「……この大木、拾えてよかったわね……」
千早「なんであんなところに弓が落ちていたのかはわからないけれど、ずいぶんと役に立ってるわ」
霧切「コンビネーションも板についてきたかもね」
千早「……響子、あれ」
霧切「……どれ?」
千早「オオカミ、それもさっきよりも大きくて……毛が逆立っている」
霧切「……オオカミの親玉、かしらね」
千早「戦うの?」
霧切「如月さんはどうする?」
千早「響子に任せるわ」
霧切「……………………」
今日はここまで(?)
夜に来れたらまた来ます。書き溜めは相変わらずないので、まったりのんびり更新していきます
乙
乙
どうも。地の文で行きます。会話文とうろうろしていて申し訳ないです……
走る。
とにかく魔物につかまらないように走った。
運よくポケットに入っていた野球ボールもいくつも入っているものではない。使ってしまった物を拾える隙もないほどの量の魔虫に、なすすべもなく追いかけられ続けて3分ほど経過した。
「これどうするつもりなのよ!」
「どうしようもねーよ! アホ!」
「言ったわねバカ!」
伊織の体力はすでにゼロに等しい状態である。すでに息が荒く、言葉にも先ほどのような力はない。戦える力もなく、桑田の走る力に追いつけなくなっていた。
「伊織ちゃん?」
「……平気よ。ちょっとつまずいただけ」
ぴたりと足を止める。伊織もそれにぶつかり、止まった。
「痛っ! ちょっと! なんでそこで止まるのよ! 虫が来てるじゃない!」
「わかってるっての、バーカ」
桑田は伊織の体を抱き上げ、また走り出した。
「なっ、ちょっと!」
「目の前で見たくねーよ、変なんに襲われてる女の子とか」
「え……?」
走る速度は先ほどより遅いが、魔虫の羽ばたきに追いつかれないようにするなら十分である。
「このまま誰かから助けが来るか、何かミラクル起きるかまで走るしかねぇな」
「……そうね……その、ありがと」
「惚れちまうだろ? 今の俺カッケーなぁ……」
「惚れはしないわよ。大事な人がいるからね」
「え? それってどういう……?」
その時だった。大きな声がそこで響いたのだ。
「ダメです!!」
「……え?」
「この声……もしかして!」
「桑田クン……? よかった! 近くにいたんだね!」
苗木誠と高槻やよいが、目の前の草原から出てきたのだ。
「やよい!」
「伊織ちゃん!」
桑田から降ろしてもらい、やよいと抱き合う伊織。そこで魔虫が静止したまま動かないことに気づく。
「ねえ、あいつらなんで止まってるの?」
「高槻さんの力なんだよ」
「はぁ? アンタ、いったいなんなわけ? どうしてやよいの事を知ってるのよ?」
伊織は困ったように眉を下げ笑う苗木の顔をにらみつける。「あはは」と苦笑いをしながら、伊織の問いに穏やかに答える。
「ボクは苗木誠だよ。とばされたところで、高槻さんに助けられたんだ」
「助けちゃいました!」
「そうなの……で、やよいの力っていうのは?」
「魔物が高槻さんの言うことを聞いてくれてるんだ」
「……え? 俺がかっこいい感じの奴は? ここで終わり?」
「そうみたいね」
「そんなぁ、ウソだろ?」
こうして2人だったメンバーは4人に増え、再び歩き出した。
「というかやよいのその力があれば、どんな奴でも勝っちゃうんじゃない?」
「そうかなあ? 効かない子もいたけれど……」
「効果は確実じゃないみたいなんだよね……」
「何だよそれ……」
「というか、俺達とそっちのアイドル達がきちゃった理由はなんなんだよ?」
「……わからないんだ。ボクもそれを考えてるんだけど……霧切さんならわかるのかな?」
これから何をすればいいかもわからないまま、森を抜けるために。
その頃、真と大和田はゾンビの大軍を殲滅し、この街を徘徊し始めた。
見渡す限りビルしかなく、不思議なことにすべての建物に入口はない。
「なんなんだろう……これ」
「俺もさっぱりわかんねぇな……」
「入れるところもないってことは……この世界自体が、ボクらがいた世界と違うってことなのかな?」
「…………さあな」
大和田は少し考えてから、そっけない返事をした。
その時、鈍い轟音が辺りに響く。
「何だ? 今の?」
「おい、菊地。アレはなんだ?」
大和田はその大きな球体を指さし問うが、真は首を横に振るだけだった。
「あれって……誰かを襲うために召喚されたものなんじゃないの?」
「だとしたらめんどくせぇことになるまえにいかねぇとな……菊地、体の具合は大丈夫か?」
「ああ、そんなこと?」
真は大和田の言いたいことがわかっていた。あの球体のところに行き、襲われている人を助けようということだろう。大和田は義がある男だ。嫌いじゃない。真の答えはただ一つだ。
「ボクは大丈夫だよ。あいつに向かって走れば、そこに行けるでしょ? いこっか、助けに!」
とりあえずここまでです
乙です
「今の音、何だったんだろう……」
「まだ耳が痛いや……」
雪歩と不二咲もまた、その音を聞いていた。
協力することを約束した二人はあるところにたどり着いた。
入口の無いビルが立ち並ぶ中、小さい扉のついたビルを見つけたのである。その中に入ると、上の階へ行く階段やエレベーターはない代わり、小さな箱があった。
そこで轟音を耳にした。
「とりあえず、これ開けてみましょうよ」
「うん、そうだね」
今は気にせず、目の前の物を開けてみる。中身はパソコンだった。
「これ、千尋ちゃんに使えって言ってるんじゃないのかな?」
「えぇ? ぼ、僕に?」
恐る恐るそのパソコンを持ち、開いてみる。パスワードも特になく、簡単に起動することができた。インターネットにはつながらないようだが。
「……これ、たくさんの情報が書いてある」
「本当ですか!?」
雪歩が不二咲に顔を寄せて、パソコンの画面に食い入ると、そこにはファイルが一つ転がっていた。この世界のことと、この世界にいる魔獣と呼ばれる存在について書かれている。
「この世界は、パラレルワールドをつなぐ世界……らしい」
「パラレルワールドを繋ぐ? それってどういうことですか?」
「うーん、僕にもよくわかんないなぁ……」
慣れた様子でパソコンを動かそうとしたとき、また大きな轟音に加え、何かが崩れる音が聞こえた。
「……もしかして、さっきの……」
不二咲はいそいでページをスクロールし、真剣な表情で画面を指さす。
『魔獣と呼ばれるものがこの世界には多々存在しており、別世界からきた人間や獣を侵入者とみなし襲う』
と書いてあった。
「つまり……」
「僕達と一緒に飛ばされてきた人たちが襲われてるかもしれない……それに……建物が壊されちゃってるみたい」
「う、うぅ、怖すぎですよぉ!」
「とにかく逃げなきゃ!!」
飛ぶようにビルを抜けて、すぐに気づく。
白黒の大きな巨体が、自分たちのすぐ目の前に来ていることに。
「こっちだ!」
石丸はわざと球体の近くに行った。近くに行って初めてわかったが、こいつの動力源は後ろにある巨大なぜんまいからきているようだ。熱線を放射するたびに、このぜんまいが大きく傾いている。
「なるほど、つまりこれを全て使わせることができればいいのか……」
だんだん撃つところが人に寄ってきている。それも近くにいる人ばかりのようだ。
それにしても、星井美希、彼女の才能は素晴らしい。
彼女の示した作戦は、ただ闇雲に走り回らず、体力を温存しながら奴に近づき、光線を当てにくくさせるというものである。曰く、「ああいうビームは、自分に当てたら痛いって思うな」と。一方美希はというと、狙いをさらに定めにくくするために、石丸となるべく距離をとり、遠くにいる。こうすることで、どこかのビルを盾にできるのだ。
このぜんまいを巻ききれば勝ち。このまま時間を稼ぐことができればいい。
――だが、
「星井君!!」
当たり前のように、声は届かない。それでも叫ぶしかなかった。
見つけたのは二つの人影。一人は知らないが、もう一人は知っている。不二咲千尋だ。
急にビルから飛び出てきた二人は、この巨大な塊を見て呆然としている。つまり恰好の獲物になってしまった。計算は完全にくるってしまった。その巨体は迷わず光線を、彼女たちに向けて発したのである。
ぐんぐんと近づいてくるその熱線の熱さは、距離があるというのに肌にひりひりと伝わってくる。
あまりにも急だった。急すぎた。何もできない、戦えるものがなかった。
不二咲が覚悟をし、目をギュッと閉じる。全ての世界がゆっくりと見えた。
ふと、肩に何かが触れる。見ると、雪歩が微笑んで言った。
あまりにも大きいいろいろな音に消され、彼女の柔和な表情から放たれた声こそは聞こえなかったものの、なんと言ったかははっきりとわかった。
「だいじょうぶ」
この超高温の圧縮されたエネルギーによって焼き尽くされるかと思われたその寸前、黄緑色の光が二人の目に止まった。
その盾は強烈な熱を防ぎきり、消える。
驚き、口をぽかんと開けたまま雪歩を見直すと、雪歩は微笑んでいた。「ね? 言ったでしょ?」と言わんばかりの表情である。
「雪歩! ……と、誰かさん! 大丈夫!?」
美希だ。彼女が駆け寄ってきたのである。
「美希ちゃん、今のは?」
「ミキにもよくわかんないんだけど、二人が見えたときに、助けたいって思ったの」
「そしたら、あの盾が出てきたってこと?」
「そうだよ」
不二咲の問いに対して頷く美希。
「じゃあ、あそこにいるのは誰?」
雪歩が指をさすと、そこに見えたのは、球体のすぐそばで走り続ける、白い制服を着た少年の姿。
「清多夏くんだよ」
「清多夏……?」
もしかして、いや、もしかしなくても、彼以外にいないだろう。気づけば不二咲は彼のところに走っていた。
「ふ、不二咲君!?」
「やっぱり石丸くんだ! 会えてうれしいな!」
「そんなことを言っている場合ではない! 今度こそ死ぬかもしれないぞ!」
「……え?」
「上だ!! 上を見ろ!!」
石丸に言われた通りに上を見上げると、先ほどの魔獣の足が、頭上にあることを知った。
「千尋ちゃんが危ない! 美希ちゃん! すぐに盾を! 美希ちゃんのあのすごい力で……」
「あの盾は、一回出しちゃうとしばらく出せないみたいなの……あふぅ」
「あくびしてる場合じゃないよぉ!」
しかし、そう言う雪歩も不思議なことがあったのである。あの光線を防いでもらう前、ふと、美希に助けてもらう自分の姿が浮かび上がった。その瞬間、不安が全くなくなったのである。もしかすると、雪歩は自分に未来が読める力があるのではないかと思った。好きな時に好きな未来を見ることはできないようで、この直後のことを送ってもらう形になっている予知のようだが。
また、脳裏に映像が浮かぶ。その瞬間、また安心した。
「……大丈夫」
「え? 雪歩?」
不二咲が二度目の死を覚悟した時、石丸が急いでそれを助けようとする。しかし、疲弊しきっている石丸に、少女のところまで走り、その後踏み付けを避けれる力はない。
大きな音が当たりに響いた。
音は音でも、あの機械の轟音ではない。それはそれでうるさい音だが、激しいエンジン音が聞こえたのだ。
巨大な魔獣の目の前にバイクで走りこんできた彼らは、大きな声で叫ぶ。
「おらああああああ!!!」
「紋土! いっくよー!!」
「任せとけ!!」
思いっきり大和田が、乗っていたバイクの前輪を上げてから降ろす。反動で後輪が上がったその瞬間、タンデムシートに座っていた真が勢いよく飛び出し、黒色の光を放ちながら、ぐんぐんと高度を上げる。
巨体よりも上に上がったところで、そいつめがけて右足を前に突き出し、左足をたたんだ姿勢で勢いよく急降下する。
その攻撃は機体をへこませ、そのまま後方へ転倒させた。
「今のうちに!!」
真の言葉に流され、石丸は不二咲を抱える。
もう一度真は黒い光を体から放ち、その状態で拳の一撃を魔獣にくらわした。
その拳は機体を貫くには十分な威力だった。一度壊された機械がまた動き出すことはなく、6人がそろった状態で、この巨大機械の魔獣に勝利したのである。
閉じ込められた少女たちは、影のような魔獣と交戦していた。
「えーい!!」
真美が剣を持ち、切りかかり、セレスはその間にこれからどうしようかを考える。彼女がやられた場合は、どのようにして逃げようか。同じように剣を持ってやるしかないというのだろうか。
「やあ!」
しかし、真美の素早い動きをもってしても、その影はそれを完璧に捌いている。まだ一度もその剣技は当たっていな
「なら……くらえ! 真美すぺしゃる!!」
不思議な技名を叫び、影に対して横に切ろうとしたのを、一瞬だけ見せて止まる。横の動きをかわそうと後ろに避けたその影に対し、縦方向に剣を入れた。
激しく黒い液体を飛ばしながら、悲鳴を上げる。正直気持ち悪かった。だが、好機だ。
真美はそいつが動き出す前に倒してしまおうと、何度も何度も攻撃を続けた。
すると、そいつは固体から気体へと姿を変え、向こうの壁に入って行ったのである。
「あー! 待て待てー!」
「無駄ですわね……ここで終わりにしましょう」
「えー、でもどうするの?」
「ここの壁は薄いようで、先ほどから声が漏れています。そう考えると、他の人が襲われているという事でしょう」
「……もしかして……亜美が危ないかも!」
「知りません、自分さえ助かれば、それでいいのでは?」
「……セレちん?」
「……いえ、失言でしたわね」
「せめて、亜美とお話できたらいいんだけど……」
城内は会話で
山田「この剣、なんだかとっても僕にあってるようですなぁ……持った時の感覚が素晴らしいですぞ」
小鳥「……そう、そうなのね……」
小鳥(ピヨちゃんソードじゃなかった……)
山田「それはそうと、あの影はいったい?」
小鳥「え……?」
魔獣「……ァァァァァ」
小鳥「ピヨオオオオオオオ!?」
山田「ぶひいいいいいいい!?」
魔獣「ウガァァァァァァアア!!」
小鳥「ちょっ! こっち来てる! くわばらくわばら!!!!」
山田「くぅ、このぉ!!」ズバッ
魔獣「グゥゥウウウウウゥゥゥウウウ」ブシャァ
山田「うへぇ! 気持ち悪っ!」
小鳥「あ、逃げていきますよ! 山田さん!!」
山田「…………いえ、ここはあいつに好きにさせておきましょう」
小鳥「……どうして?」
山田「どちらにせよ、この僕にはかなわないからです」
小鳥(この人、こわいんだなぁ……)
P「……おい、朝日奈さん!」
朝日奈「ほえ?」
P「なんか来てるぞ!!」
魔獣「ウォォォォオオオオ」
P「しかも来た瞬間痛がってるぞ!!」
朝日奈「でも、どうしよう!?」
P「えーっと…………」
魔獣「グァァァァアアア……」
朝日奈「ちょっと、変なのがこっち来てる!!」
魔獣「グオオオオオオ!!!」
P「どうしようもねぇか……喰らえ! プロデューサー拳!」ボコッ
魔獣「ズアアアアアアァァァァ」ブシュッ
P「お? 効いてる?」
P(何だ? 今の感じ……拳に電撃が走ったというか……俺、そんな力持ってたっけ?)
朝日奈「ちょっとプロデューサー!」
P「え?」
魔獣「ウグオォォ……」スルスル
朝日奈「逃げちゃったよ!!」
P「なっ!」
P(向こうにはさくらちゃんとかいう人がいるんだっけ? ……亜美か真美かはわからないが、無事でいてくれよ!)
朝日奈「というか、引き出しの中に剣があるじゃん……これを使えばよかったのかな?」
P「それは朝日奈さんが使うといいよ、護身用に」
朝日奈「とにかく、あれを誰かが倒せばいいみたいだね」
P「ああ、そうみたいだな」
大神「……何者だ?」
亜美「……オーガちん、亜美怖いよぉ……」
大神「安心しろ。我がいる」
亜美「オーガちん……!」
魔獣「フシュルルルルルル!!」
亜美「来る!!」
大神「うぐ!」
亜美「お、オーガちん!」
真美(亜美? 聞こえる?)
亜美「……え?」
亜美(……真美?)
真美(うん、真美だよ)
亜美(ど、どういうこと?)
真美(真美も意味不明だよ! でも、セレちん……ああ、一緒にいる人が言うには、テレパシーなんだって!)
亜美(そんなことができたの?)
真美(わかんないけど、これが真美と亜美のできる事みたい)
亜美(あれは何?)
真美(わかんない、でもその変なおっちゃんがここを出るために大事な存在っていうことは絶対あってると思う)
亜美(じゃあ、真美は近くにいるの?)
真美(うん、部屋がわっかみたいにつながってるみたいで、隣の部屋の音は聞こえるんだよね)
亜美(そうなんだ……)
大神「うがあああああああ!」
魔獣「グガアアアアアアア!!!」
亜美(あいつ、弱点とかは?)
真美(ひっかけに引っかかった! 普通にやるだけじゃ、攻撃は避けられちゃうんだよね……)
亜美(ひっかけ……)
真美(あと、痛いことされたらしばらく痛がるから、そしたら何回も攻撃できるよ!!)
亜美(……うん、わかった! やってみる!!)
真美(ファイトだよ!)
亜美「オーガちん!」
大神「どうした、亜美」
亜美「オーガちんのパンチが、さっきから全部避けられちゃってる!」
大神「……そのようだな、素早い動きに対応しきれていない。我も未熟だ」
魔獣「グォォォォオオオオ!!」
大神「くっ!」
亜美「……ぎ、ギリギリでよけれたのは、ラッキーだね……」
亜美「協力しよ! 亜美とオーガちんで一緒に倒すの!」
大神「……どのようにするつもりだ」
魔獣「グアアアアアア」
亜美「見ててね!」
魔獣「グオオオオオオオ!!!」
亜美「よっと!」ヒョイッ
魔獣「グッ!?」
亜美「やあ!!」ブンッ
魔獣「シャァッ!!」ヒュンッ
亜美「剣できると見せかけて……亜美キーック!!」ボコッ
魔獣「グガアアアアアアアアアア!!!」
亜美「オーガちん!!」
大神「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
とりあえずここまで。遅くて申し訳ないです。
エタらないよう頑張ります。
乙 合流していくのが楽しみ
大神「……なんとかなったか」
亜美「亜美、レベルが上がった気がする! あ、そうだ!」
亜美(真美ー!)
真美(ほいほい! やっぱり亜美と真美はテレパシーできるんだね)
亜美(倒したら、変なカギみたいなのを落としたんだよね)
真美(鍵……ってもしかして!?)
大神「亜美よ、この鍵を使い、扉を開けてみてくれ。剣も持っていくようにしておいた方がいいだろう」
亜美「オッケーだよ、オーガちん!」
亜美(じゃ、あとでねー!)
真美(はーい!)
亜美「えーっと……ここをこうして、ガチャガチャポンと」
ガチャッ
大神「開いたようだな」
亜美「皆の扉をこれで開けるぞー!」
大神「部屋のつくりが、随分と単純なものだな……」
亜美「よかったよ、それはそれで……まずはここから開けてみよ!」
ガチャッ
真美「亜美ー!」
亜美「真美!! 会いたかったよー!」
セレス「あら、本当によく似ている妹さんですわね、大神さんも、ご無事で何よりです」
大神「我はかまわん、それより、どこかから朝日奈の声が聞こえた気がしたのだが……」
朝日奈「あー! さくらちゃん!」
P「亜美に真美、二人とも無事だったんだな……けがはしてないか? さっきのやつに襲われたり……」
亜美「ご覧のとおり」
真美「無傷だよ!」
P「ああ、それならよかった……」
セレス「最後の扉ですわね……ここにいるのはおそらく……」
バタンッ
山田「んなー!? 扉が急に開きましたよ!?」
小鳥「あ、そちらの人が助けてくれたんですね……ありがとうございます」
セレス「一気に人が増えて、やりづらくなりましたわね、7人と1匹ですか……」
小鳥「い、一匹?」
山田「音無小鳥殿、気にすることはないです。僕のこと以外にありえませんから」
真美「この人はなんでそんなに自信持ってるんだろう……」
P「よし、この状態で中央の階段を下りてって、さっさとこの面倒な城から出るぞ!」
セレス「言われなくてもそのつもりですわ」
山田「おっと! 僕を忘れないで下さいよ!」
亜美「ふみブーは黙っててよ!」
山田「え? それ、僕のこと?」
真美「僕のこと以外にはありえない」
大神「ふっ、二人がそろうと、本当に面白いな……」
朝日奈「よっし! ガンバろっか!」
小鳥「……って、これ……」
P「床が完全に抜けてる……扉にたどり着こうとしたら落ちちゃうな……」
~砂浜~
響「うーん、だれも来ないぞ……」
戦刃「このタコ……おいしいね」
響「自分は固すぎて食べれなかったのに……ムクロはすごいんだな」
戦刃「……そうでもないよ」
響「煙をこうやってずっと出してたら、きっと誰かが助けに来てくれるはずさー!」
戦刃「焦らず、その時を待つんだね……あの人と同じだ」
響「あの人? あ、自分わかっちゃったぞ!」
戦刃「……え? 嘘……」
響「徳川家康」
戦刃「違う……」
ザバーン!!
響「ん? 今の音は……?」
戦刃「海の方から、聞こえた」
魔獣「グガアアアアアア!!」
響「でかいタコだ!!」
戦刃「…………戦闘準備、開始」
~海へと続く山脈~
貴音「む、これは……」
魔獣「グルルルルル……」
葉隠「これはクマだな」
貴音「魔獣と呼ぶことにしましょう」
葉隠「……なんだかやりづらいべ」
貴音「いざ! はっ!」
ピカッ
貴音「はて?」
葉隠「なななな……!?」
魔獣「」
貴音「動きが止まっておりますね」
葉隠「貴音っちもよく分かってねえのか!?」
貴音「私の力、という事でしょうか……」
魔獣「グオオオオオオオ!!」
貴音「効果が切れるのは早いようですね」
葉隠「分析してる場合じゃねぇって!! 逃げるぞ!!」
貴音「いえ、もう一度先ほどと同じようにすれば、また動きを止められるはずです」
葉隠「おお! 早くしてくれ! もうそこまできてっから!!」
魔獣「グオオオオオオオ!!」
貴音「せいっ!」
魔獣「グオオオオオオオ!!」
貴音「どうやら連続では出せないようですね」
葉隠「これ、どうすんだべ!?」
貴音「逃げるが勝ちです!」
葉隠「お、おう! てか、その格好で走るの速いんだな」
貴音「ふふ、日々あのお方に鍛えられています故」
葉隠(あのお方……マフィアのボスかなんかか?)
魔獣「グルァ?」
貴音「魔獣の知能が低くて助かりました。目の前から消えたら完全に私たちを忘れてしまったようですね」
葉隠「よし、今のうちに逃げるべ!」
十神「……ここは宝の宝庫か……?」
律子「レイピアだの、水晶だの、なんか面白いものは出てきても、役に立ちそうなものはないわね……十神君、だっけ? レイピアはあなたが持っておいて」
十神「その水晶はどうするんだ?」
律子「わかんないから持っておくわ」
十神「そうか、まあいい。こちらの方が使いやすそうだしな」シュッシュッ
律子「あら、わりと使い方に慣れてる感じなの?」
十神「あらゆることを学んだ俺に死角はない」
律子「じゃあ、今見つけた唯一の手がかりを出すわね」
十神「なんだ?」
律子「私達の真上には、天井のようなものがあるけど……あそこ」
十神「ほう、ここから出られる穴が見えるな」
律子「でも、今度はそこの下を見て」
十神「そこには大きな怪物がおり、倒す必要がある、か」
律子「物わかりがいいわね」
十神「馬鹿にするなと言っているだろう!」
律子「とりあえず、そんな感じで攻撃しちゃいなさい!」
十神「……くっ、先ほどから計算が狂ってばかりだ……」
ザシュッ
魔獣「グガ!?」
十神「効いたか?」
魔獣「グゥゥゥウ……」
律子「あいつ、海上へ!?」
十神「……どういうつもりだ?」
律子「でも、これで……」
十神「ああ、どうやら上へあがれそうだ」
~浮翌遊島~
あずさ「冬子ちゃん、これあげる」
腐川「これ……本? ……なによ、中身は真っ白じゃない」
あずさ「ペンもついてるわよ、これで猫を描くと~……」キュキュッ
ボウン
猫「にゃん!」
あずさ「出てくるみたいなの」
腐川「これをどうしろっていうのよ!」
あずさ「ねぇ、下見て」
腐川「え? またさっきみたいなことになんないでしょうね……?」
あずさ「あそこの海の方、とっても小さいけど人が見えるわ……それを使っていける方法はないかしら?」
腐川「……あそこに行く方法ねぇ……正直どうでもいいわ」
あずさ「あら、どうして?」
腐川「だって、誰かが原因解決してくれるまで、この島の上で寝てればいいんだもの……そうよ、そうすれば」
あずさ「あ、冬子ちゃん! 海からまた二人出てきたわよ」
腐川「え? あれ、白夜様じゃないの!? なんとかしなさいよ!」
あずさ「うーん、手を叩いたら、瞬間移動とかできないかしら?」
パンッ
バシュッ
腐川「……できちゃったじゃない!!!」
あずさ「できちゃいました~」
響「あ、あずさまで!?」
あずさ「来ちゃいました~」
十神「よりによってお前か、腐川……」
腐川「えーっと……その、すみません」
十神「いや、いい、見たところ武器となりそうなものを保持してそうだ……それでこいつをやれ」
腐川「は、はい!!」
魔獣「グガアアアアアアアアアアア!!!」
戦刃「……!!」
ドゴォ
魔獣「グギャアアアアアア!!」
律子「もう、うるさいわね!!」
響「タコの足は8本……自分たちがみんなで頑張っても2本余っちゃうぞ……」
十神「どうやら、そこの女は戦えるものを持っていないようだな」
あずさ「ごめんなさいね」
律子「ついでにこの水晶、何に使うのよ……」
響「人数がちょっとでも増えればな……こんな何でもありの世界だし……いぬ美とか呼べないのかな?」
腐川「えーっと……雷を、書けばいいのよね……」サラサラ
ビカッ
魔獣「グガアアアアアアア!!」シュルッ
戦刃「う……」
響「ムクロ!」
響(友達がピンチだ……! さっき助けてもらったお礼をするためにも……)
律子「私にも何か力があれば……」
響(一か八か……)
響「皆ー! 来てくれー!!」
ズドオオオオオン
ヘビ香「」
戦刃「……え?」
ヘビ香「しゃああああああ!!」
十神「あれは、何をしている?」
響「ヘビ香があのタコにかみついてるんだな。痛いんだぞ……」
魔獣「グルオオオオオオオ!!」
あずさ「あの子、痛がってムクロちゃんを離したわ」
戦刃「……くっ」
腐川「雲の絵を描いて、戦刃をとりあえず助けときなさい!」
ポフッ
戦刃「……あ、ありがとう、別にいらなかったけど……」
響「自分、どうやら皆を呼べるみたい! しかもその時にふさわしい一匹だけみたいだけど……」
ヘビ香「しゅるるるるるる……」
パッ
響「しばらくすると消えるみたいだね……ありがとうヘビ香ー!!」
律子「響、よかったわね……でも」
魔獣「……シャアアアアアア」
律子「まだ生きてるわよ、どうする?」
響「うーん、動物たちが呼べる気がしないぞ……」
あずさ「私はここまで来ただけですし……」
十神「底なしの体力だな……こんな奴相手にしても疲れるだけだ」
戦刃「でも、倒さないと……追いかけられると思う」
腐川「なーっ! もうどうするのよ!」
ピタッ
十神「……なんだ、この感覚は……?」
律子「敵の動きが急に止まった?」
貴音「相手にせず逃げればよいのです」
葉隠「そうだべ!」
響「貴音!」
十神「葉隠!?」
貴音「急ぎましょう、あの効果は20秒ほどしか持ちません」
律子「ええ、とにかく今は走った方がよさそうね」
あずさ「行きましょうか」
ダダダッ
葉隠「なあ、その……メガネのお嬢ちゃん?」
律子「何でしょう?」
葉隠「水晶玉、もらっていいか?」
律子「え? まあ、どうぞ……」
貴音「目の前に大きな城が見えます。そこに隠れましょう」
バンッ
腐川「これ……侵入できない仕組みなの……?」
十神「それだけじゃない、脱出もできない設計みたいだな」
P「な、お前ら……」
~真っ暗な森~
苗木「この森、いつまで続いてるんだろう……」
やよい「タロ助も、帰ってきませんね」
伊織「タロ助?」
やよい「さっきオオカミを見つけて、その子にタロ助って名前をつけたの!」
桑田「……なあ、苗木」ヒソヒソ
苗木「え、どうしたの?」
桑田「俺、これ無理な気がしてきた……」ヒソヒソ
苗木「諦めるにはまだ早すぎるよ、とにかくボクはみんなの顔を見るまではあきらめないよ」
桑田「……そうかい」
やよい「あ、宝箱ですー!」
伊織「ちょ、やよい、罠かもしれないのよ!?」
苗木「水瀬さんの言うとおりだよ、下手に開けるのは」
パカッ
桑田「開けちまったじゃねぇか……」
やよい「なかからこんなものが出てきましたー!」
苗木「って、銃じゃないか! これを高槻さんに持たせるのは危なすぎる、ボクが持っておくことにするよ」
やよい「それと、これです!」
伊織「……鎖鎌、かしら……怜恩? もっときなさい」
桑田「え? なんで俺?」
伊織「カッコよくなれるわよ」
桑田「ホントに!?」
苗木(すごい、水瀬さん、すこしの間だけでもう、桑田クンの扱いを分かっている)
舞園「……それにしても、妙ですね……」
春香「この杖ですか?」
舞園「いや、それもそうなんですけど……宝箱から出てきて、使い方がいまいちわかっていないので……」
春香「じゃあ、何がですか?」
舞園「この木の実です。真上にはこんな実がついてる木がないのに……」
春香「だれかが落としたのかも、というか、それしかないですよね」
舞園「だとしたら、この分かれ道を右に進んでいった誰かがいるってことになりますね」
春香「よし! もう少し、頑張りましょうか! えい、えい、おー!」
舞園「えっと……えい、えい、おー!」
舞園(不思議な人……やってる間にどんどん楽しくなってきた)
春香「ふんふんふーん」
舞園「いい曲ですね」
春香「あ、そう思ってくれました? よかったあ……」
オオカミ「ガウ」
春香「ってうわあああああ!」
舞園「待ってください!」
オオカミ「ガウ」
春香「襲う気は……ない?」
舞園「みたいですね……」
やよい「あ、タロ助ー! こんなところにいたの!?」
苗木「あ、舞園さんも!」
舞園「苗木君……会いたかったです!」
桑田「舞園ちゃん、俺は?」
舞園「桑田君も、もちろん会いたかったですよ!」
桑田「えぇ!? マジで~?」
伊織(ノセられやすい男ね……本当に)
春香「やよいに伊織! 会いたかったよ!」
やよい「私も会いたかったですー!」
伊織「ええ、本当によかったわ……」
???「うぷ、うぷぷぷ……」
春香「こ、今度は何!?」
モノクマ「ここだよ、ボクだよ」
苗木「お前は……?」
やよい「言うこと聞きなさーい!」
モノクマ「ボクは知能を持つ優秀なクマだからどんなに命令されても平気だよ? ボクはモノクマ! まあ、言ってしまえば今回の黒幕かな?」
伊織「黒幕……?」
モノクマ「でもね、ボク一人では絶対にここまで来ることはできませんでした……」
桑田「さっきから言ってることがわけわかんねーんだけど?」
モノクマ「君のおかげで、ボクはここまでやってこれたんです」
???「ええ、そうみたいね」
春香「え? この声……嘘?」
千早「春香、久しぶりね」
モノクマ「うぷぷぷぷ……」
やよい「え? 千早さん?」
千早「モノクマの言った通りだったわ……この人はすぐに真相を暴いてしまうでしょう……気絶させて正解だったわね」
苗木「……霧切さん? そんな……!」
モノクマ「うぷぷぷ、いいねぇ、いい感じに絶望してるね……」
伊織「千早、冗談って訳じゃなさそうね……」
千早「ええ、ある約束をしているの」
モノクマ「もっちろん、約束は守らせてもらいますよ!」
千早「ふふ、期待しているわ……」
舞園「……何? この感じ……」
舞園(この女から感じる気迫……アイドルとしてだけではなく、すべてにおいて敵に圧力をかけるような気迫……)
千早「私は先に帰るわ、春香、またあとでね、モノクマからちゃんとした説明をもらえるはずよ」
春香「千早ちゃん! 待って!!」
千早「あおいーとりー……」
桑田「何だこれ!?」
やよい「体が重たいですぅ……」
春香「ち、千早ちゃん……」
千早「…………」
スッ
苗木「待て! 霧切さんをどこに連れて行くつもりだよ!?」
モノクマ「まあまあ、そんなことよりさ……聞きたくないんすか?」
桑田「何をだよ?」
モノクマ「今君たちがここにいる理由と、この世界のルールだよ……」
舞園「そんなの知りたいに決まってるじゃないですか!」
モノクマ「だよねぇ、じゃあ、まず最初に、ここはパラレルワールドをつなぎ合わせる世界なんです!」
伊織「やっぱり、そういうことだったのね……」
モノクマ「そして、765から来た皆さんには、何かしらの能力が、希望ヶ峰学園の皆さんには、すてきな武器が贈られるようになっています! まだの人はあげちゃおうかと思ったけど、いい感じにゲットできてるみたいだねぇ……」
やよい「じゃあ、誠さんの推理は正しかったんですね……」
モノクマ「そんでもって、この世界のルールは、いたってシンプル……さっきから襲われまくってる魔獣を倒しまくるんだ」
苗木「……それで、どうなるの?」
モノクマ「魔獣に食べられちゃう前に、殺さないとまずいの! そんでもって最終的には、ボクに挑むことになるはずです! そうなったら、あとはもう戦うしかないよね……」
春香「……千早ちゃんに、何をしたの?」
モノクマ「おろろ? 何をしたってほどのこともしてないけどなぁ……」
春香「……うそつき」
モノクマ「おおう、とっても怖いですなぁ……ひとまず退散! 他のところにも行かなくちゃいけないしね!」
ばひゅーん!
苗木「待て!!」
春香「……千早ちゃん……」
不二咲「パソコンには、それぞれの人たちの武器と、能力が入ってるね」
真「パラレルワールド……ボク達は同じ時間を違う日本で生きてる人たちで、それが混ざり合う場所がここってこと?」
美希「眠くなってきちゃうの……」
石丸「眠ることは許さんぞ、つまり僕は、さっきの魔獣から出てきたチョークを使えばいいということだな?」
不二咲「そうみたい」
大和田「…………」
雪歩「私の未来予知って……本当にあったんだ……」
モノクマ「いやっほーい!」
大和田「……来やがったな」
モノクマ「説明は割愛させてもらうね!」
真「今全部理解させてもらったよ」
モノクマ「本当に全部が理解できてるんでしょうか?」
真「え?」
モノクマ「例えば、この中に裏切り者がいるって言ったら、どうなりますか?」
大和田「……そう来るかよ」
モノクマ「そうだよね、大和田紋土クン?」
石丸「……なんだと? どういうことだ、兄弟?」
大和田「間違ってはねぇよ、俺は最初からここがどこかも知ってた」
不二咲「じゃあ、それって……」
大和田「始めからお前たちを、ここで死なせようと企んでたってことだ」
美希「どうして、ミキ達まで巻き込んで、そんなひどいことを?」
大和田「……すまない」
真「……紋土、本気なのかい?」
大和田「はは、悪ィな」
雪歩「わ、笑い事じゃないですよ!!」
モノクマ「いや、笑い事でしょ? 他人の絶望顔が見れる……これは笑うしかないでしょ!! あっはっは!!」
大和田「……兄弟、不二咲、生きろ。この世界を抜け出す方法はあるんだよ……」
モノクマ「とりあえず、大和田クンはここから退場しよっか! 今にも殴りそうな男の子がいるもんね!」
真「それ、ボクのこと?」
モノクマ「名前も一人称もあいつと同じかよ……やんなっちゃうなぁもう……」
石丸「兄弟、待ってくれ!」
モノクマ「ボクも一緒に退場! 詳しくはパソコンで!!」
シュンッ
石丸「……訳が分からん……兄弟はなぜ裏切ったのだ……叱咤する余裕さえも与えてもらえなかった……」
不二咲「うう、うう……どうしよう」
雪歩「どうしましょう……」
真「……紋土……クソォ!」
美希「ねぇ、パソコン見ようよ」
不二咲「え?」
石丸「星井君、君は……こんな時に何を
美希「こんな時だから、だよ?」
石丸「なっ……」
美希「こんな時にわかんないことが増えて考えてても仕方ないって思うな」
雪歩「美希ちゃん……うん、そうだね!」
不二咲「今は、わかりそうなことをわかっていけばいい……そういうことだね!」
美希「うん! 千尋はいい子なの!」
不二咲「えへへ……」
セレス「……このエントランスから解放されるためには、どうしろと?」
モノクマ「うぷぷ……それは、誰か一人の命だよ」
響「え? ……それ、本気で言ってるのか?」
モノクマ「大真面目だよ! あと、ついでにだれかボクのところに来てくれるとありがたいんだよなあ……そうしたら、別に道を敷いてやることはないんだけど……」
十神「下らん、誰が死ぬというのだ」
葉隠「そうだべ! そんなふざけたことには、のらねぇぞ!」
モノクマ「困ったなあ……じゃあ最初に、味方を作ろうかな……?」
大神「ふんっ!」
P「グフッ!?」
小鳥「お、大神さん!? プロデューサーさんになにを!?」
朝日奈「そ、そうだよさくらちゃん!!」
大神「計画は今のところ順調のようだな」
モノクマ「そうだね、それもこれも君のおかげだよ」
大神「…………」
モノクマ「大神さくら、帰っておいで」
パシュッ
亜美「オーガちんが消えた!?」
腐川「あの大神が、敵だったなんて……お、終わりじゃない……」
律子「そんなめったなこと言うもんじゃないわよ」
モノクマ「で、プロデューサークンの体はボクが今完全に持ってるわけだけども……宙に浮いているボクが、この奈落の底に彼を落としたら、どうなるかな?」
貴音「そのようなこと、決して許しませんよ」
モノクマ「許す許さないじゃないんだよ、ここでは強いものが許される世界なんだから、そう、アイドルと同じ」
あずさ「そうかも、しれない……けれど」
モノクマ「アイドルと同じっても、違うところはあるよ、真美ちゃーん?」
真美「え?」
モノクマ「君は悔しくないの? 向こう側にいるメガネに、妹は採用されて大人気アイドルなのに、自分は未だに人気が今一つだった時期があったよね?」
真美「……え、え?」
律子「真美、そいつの話は聞かないで!!」
モノクマ「その時ってさ……君は悔しくなかったの? 思わなかったの?」
亜美「や、やめてよ!!」
モノクマ「妹がいなければいいのにって……」
亜美「……もう、やだぁ……」
亜美「真美、お願い……いかないで」
真美「……そっか、ここはバトルに勝っちゃえばいいんだよね……そしたら、嫌だと思ってた竜宮小町も……」
モノクマ「うぷぷぷ、殺しちゃえるよ?」
真美「……セレちん、この剣もらってっていいよね? さっき薔薇の鞭もらってたもんね……」
セレス「何をするおつもりですか?」
真美「モノクマ、真美もオーガちんとおんなじように連れてってよ」
律子「真美!!」
モノクマ「了解しましたー」
パシュッ
モノクマ「で? まだ誰も死んでないんだけど、それは?」
山田「あわわ、あわわわわわ……」
モノクマ「誰も出てこないのなら、ボクこいつ離しちゃうけど……」
響「それはだめだ!! わかった!!」
戦刃「……響、ちゃん?」
モノクマ「……ああ、戦刃も戻っておいで」
戦刃「はい」
パシュッ
響「……いまさら、どんなに敵が増えようと驚かないよ……もう、いいよ……」
あずさ「響ちゃん?」
十神「馬鹿な奴め……」
モノクマ「もしかして?」
響「これくらい大丈夫さ……自分の運動神経をもってすれば、絶対大丈夫……」
律子「やめときなさいよ!!」
響「ごめんな、律子……ニフェーデービル、いままで楽しかったさー」
貴音「響!!」
響「大丈夫、そのあと、自分よりももっといっぱいの人に会えるから」
腐川「え……? え、嘘……?」
亜美「ひびきん、おちちゃったよ……?」
律子「…………私が、押したからね……」
モノクマ「この瞬間、秋月律子さんも、ボクの仲間決定だね! そんでもって……ばいばい」
スッ
小鳥「ぷ、プロデューサーさん!!?」
律子「……うそ、どういうこと?」
モノクマ「オマエが彼女を落とした思考こそ、どういうことって感じだけどね……プロデューサークンも死んじゃっただろうなぁ……」
律子「話が違うじゃない!!」
パシュッ
セレス「……道が現れましたね……」
山田「……おちないように、進まねばなりませんな……」
小鳥「でも、これでそれぞれの能力も、武器もはっきりした……プラスになることはあったじゃない!」
朝日奈「……犠牲が多すぎだよ……」
亜美「兄ちゃん……? ひびきん……? りっちゃん……? …………真美?」
十神「厄介なことになったな……一気にえらく数が減った気がするな」
あずさ「残っているのは……10人ね……」
腐川「……どうなるのよ、これ……とくにあのメガネ……なんで我那覇を押したのよ……」
葉隠「……水晶、もらっといてよかったべ……」
貴音「どのような理由があろうと、秋月律子のあの行為は、許されることではありませんね……目的ははっきりしませんが、行きましょう。この城から出るのです」
ここまでにしておきます。ついに100超えました。
あと、話の全筋が自分の中でも見えてきてます。いい感じです
乙です
乙
乙
乙
復活
もうやばい
終わりそう
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