昔VIPで書いたことのあるピカチュウ♂とサンド♀の話をベースにしたSSです。
あけましておめでとうござい増田ァ!
「あっ、ピカチュウ、見て。流れ星だよ」
横に立っているサンドが夜空を指さしながら話しかけてくる。
「どこ?」
ぼくは空を見上げたまま聞いた。
「ほら、あそこ。今動いてるよ、ほらっ。あっ、あそこにも」
サンドが次々とさす方向を眼で追ったけど、あるのは佇んでいる無数の星ばかり。
動いている星は1つも見当たらない。
「あっ、消えちゃった。ピカチュウ、見つけられた?」
「ううん、わかんなかった」
首をふって答えると、サンドは「そっかぁ」と残念そうにつぶやいた。
ぼくは夜空から眼をそむけてため息をついた。
がっかりしてるのはぼくも同じだった。
なんで見つけられなかったんだろう。ずっと星を眺めてたのに、どこに流れ星があったのかちっともわからなかった。
眼が慣れちゃっててほんとは動いてた星がとまってみえたのかな。もしそうだとしたらすごく損なことしちゃったなぁ……。
サンドはぱっと顔を明るくすると、ぼくに質問した。
「流れ星が見えてる間に3回願いごとをするとね、その願いがかなうんだよ。知ってた?」
「うん。でも誰かに話したらかなわなくなるんでしょ?」
「そうそう、詳しいね。わたし、心の中でちゃんと3回お願いできたよ。かなうといいなぁ」
サンドはニコニコしながらシッポをふっていた。
ご機嫌な様子からして、かなえば相当うれしいことなのは間違いない。
このコがお星さまにどんな願いごとをしたのか、なんとなく気になった。
「なにをお願いしたの?」
聞いてからぼくは、それがひどく愚かな質問だったことに気づいた。
――願いごとを誰かに言っちゃったらその願いは無効になる。
たった今自分でそう言ったのに、ぼくったらなに言ってるんだろ。
聞いたところで「ナイショだよ」って返されるのがオチだ。
でも案に相違して、サンドは笑みを保ったまま聞き返した。
「なんだと思う?」
「えっ?」
「当ててみてよ」
予想外の返答にぼくは戸惑った。
まさか、言葉遊びでも始めるつもりなのかな。
――秘密にしておかないと願いがかなわなくなっちゃうよ。それでもいいの?
そんなぼくの心の疑問に答えるように、サンドは言った。
「もし言い当てちゃったら責任とってね、ピカチュウ」
「責任って……」
「だってせっかくステキな願いごとをしたのに、言い当てられたらおじゃんになるんだよ。それじゃわたしが救われないじゃない」
じゃあなんで聞くの?
思わずそう言いそうになったのをぐっとこらえた。
気が強いポケモンなら「じゃあ聞くなよ」って言い返すんだろうけど、元々ひかえめなぼくにはそんな発言、とても口にできなかった。
元々イタズラっぽい性格のサンドのことだ。
ぼくを困らせてただ反応を楽しみたいだけなんだろう。
サンドは「ねぇねぇ、早く当てて」とやたらせかしてくるので、とりあえず思いついたことを片っぱしから言ってみた。
「『水嫌いを克服できますように』とか?」
「ブーッ。はずれ」
「『ミミロップともっともっと仲良くなれますように』かな?」
「あっ、ちょっとおしい」
「じゃあミミロップじゃなくてマスターかな?」
「また遠ざかっちゃったよ」
「そうなの? じゃあえっと……バトルにもっと出させてもらえるようにお願いしたとか?」
それを聞いたとたん、サンドは不服な表情を浮かべた。
「なんでそうなるの? バトルもマスターも全然関係ないよ。ピカチュウったら鈍感なんだから。もっと恋心を抱く女の子の立場になって考えてよ」
そこまで言うならじれったいことしてないで、さっさと答えを言えばいいのに。
大体ヒントもくれないのに当ててみてなんて言われても無理だよ。
兄弟とか親友とかの間柄ならともかく、ぼくとサンドはお互いニンゲンに飼われてるただの愛玩動物にすぎない。
決して仲が悪い方ではないけど、特別な関係というわけでもない。
それなのに恋心だの鈍感だの、さっきからなにを言ってるんだろう。
もしかしてハナから当てさせる気なんてないんじゃないか。
ぼくはだんだんそんな気がしてきた。
「大ヒント言ってあげるね。ピカチュウに関係があることだよ」
「えっ? どういうこと?」
ぼくはそれが本当にどういうことなのかわからなかった。
「わたしがした願いごとはピカチュウにすごく関係があるよ。さっさ言ってたミミロップをピカチュウに置きかえれば……ここまで言ったらもうわかるでしょ?」
サンドはぼくの顔をじっと見つめて答えを待っている。
ぼくは夜空を見上げて考えた。
さっきぼくがミミロップの名前を口にしたのは確か、「ミミロップともっともっと仲良くなれますように」と言った時だ。
で、サンドは今、ミミロップをぼくの名前に置きかえてと言った。
ということはつまり……?
「――ぼくともっともっと仲良くなりたい。そうお願いしたってこと?」
サンドは満面の表情で何度もうなずいた。
「大正解だよ。わたしね、ピカチュウともっと親密な仲になりたいなって前からずっと思ってたの」
「そ、そう」
「最初は秘密にしとくつもりだったんだけど、考えてみればこういった願いごとって胸に秘めておくより言葉にした方がいいもんね。
本人が聞いたらきっとうれしくなって、その気持ちにこたえようって思うわけだし」
サンドは1匹で勝手に話を進めながらぼくとの幅を縮めていく。
やがて密着するほどぴったりとくっつき、ぼくは戸惑った。
「サンド、くっつきすぎだって」
「どうして逃げるの?」
さりげなくサンドと距離をあけたけど、すぐにまた身体をくっつけてくる。
離れようとすればするほど、サンドは磁石のようにすすっと身を寄せてくる。
ぼくは顔が熱くなっているのを感じた。
気恥ずかしいってこういうことをいうのかな。
「あっ、もしかして照れてるの? あはっ、ピカチュウったらかわいい」
サンドはクスクスとおかしそうに笑う。
別に照れてるわけじゃないけど、否定したらこのコはより一層調子づいてぼくをからかうだろう。
ぼくはなにも言わず、その場に立ちどまって夜空を見上げた。
流れ星は……やっぱり見当たらない。
見つけたら「このコをなんとかしてよ」ってお願いしようと思ってたのに。
空を見つめたたまま黙っていると、サンドはぼくの耳元でささやいた。
「こうして一緒に星を眺めてるとあの日のことを思い出すよね」
あの日のこと――その言葉に反応したぼくの耳がピクッと動いた。
なるべく思い出さないようにしていたあの日の夜の出来事が頭の中でフラッシュバックされていく。
「さわるとツメでひっかいちゃうかもしれないから」という理由でサンドにオチンチンを舐められ、なぜか今度はぼくまでこのコの陰部を舐めるハメになった。
それだけでなく、このコの股間にある細い隙間にも半強制的にオチンチンを挿入させられた。
マスターの家の庭で繰り広げたサンドとのエッチな行為――思い出すだけで顔がかあっと赤くなる。
横目でサンドを見ると、顔を綻ばせながらぼくを見つめていた。
「ピカチュウ、わたしにオチンチンをかわいがられてすごく気持ちよさそうにしてたよね」
ぼくはそれを聞き流すことができなかった。
「へ、変なこと言わないでよ。きみが無理矢理やったことじゃんか。ぼくはずっといやだって言ってたのに」
「確かにあのときのピカチュウはやけに取り乱してたね。でもそのあとオチンチンからあの白いやつ出してたよね?」
サンドはいじわるっぽくそう言ってぼくに微笑みかける。
――妙な気持ちになりながらオチンチンから出した、白い液体。
おしっこを出す時と全く異なる感覚だったのは、数日たった今でもちゃんと覚えてる。
必死でこらえてたけどだんだんがまんできなくなってきて、あえなくこのコの出しちゃったんだ、確か。
「あれはだから……がまんできなかったから仕方なく出しちゃったっていうか……。と、とにかく、自分の意思で出したんじゃないよ」
「でもアレが出るのってオチンチンを刺激されて興奮してる証拠なんだよ」
「えっ? そ、そうなの?」
思いもよらない言葉に、ぼくは思わず聞き返した。
「そうだよ。もう1つ言っておくとね、あの白いドロドロしたやつってオチンチンがとっても気持ちよくなったら出るんだよ。性的な快感っていうのかな? よくわからないけど、とにかく気持ちよくならないと出ることはないんだよ」
きみはチンチンがついてないのにどうしてそんなに詳しいの?
そう思わざるをえなかった。
おおかたミミロップから聞き出した情報なんだろうけど、さっきからやけに難しいことばかり言う。
ぼくの顔つきを見て察したのか、サンドは予想どおり「ミミロップに教えてもらったことの受け売りだよ」とつけ加えた。
まったくあのポケモンときたら、どうしてすぐこのコに余計なことを吹きこむんだろう。
そういうのって普通どれだけしつこく聞かれても相手が幼かったら隠し通すものだと思うんだけど。
マスターとエッチなことをするのは勝手だけど、こどものぼくたちを大人の世界に誘うのはやめてくれないかな。
「そういえばピカチュウ、わたしがあなたにまたがって腰を動かしてたとき『オチンチン気持ちいい!』って叫んでたね」
「い、いや、あれはなんていうか、無我夢中になってたから……。つまりその、あんまり自分でも覚えてないんだ」
「でも気持ちよかったんでしょ? 気持ちよかったからあの白いやつ出したんでしょ?」
「……」
なにも言い返せず、眼をふせて黙りこむ。
確かに以前のぼくはそんなことを言ってた気がする……ううん、気がするじゃなくて言ってた。
ぼくのお腹にまたがり、オチンチンとつながった状態のサンドが腰を上下に動かしてたときの光景が脳裏をよぎる。
サンドの体内でチンチンがこすれ、思わず出してしまった高い声。
強烈な刺激に耐えきれず、ぎゅっと眼をつぶっていたぼく。
オチンチンからなにかが込みあげてくるのを感じた直後にはもう、このコの体内に白いおしっこを出していた。
ぼくから離れたサンドがぼくを見下ろしながら、おまたから白い液体をトロトロ流していたのは今でも忘れられない。
「あっ、あとね」
サンドはなにかを思い出したかのように口をひらいた。
「オチンチンから出る白いやつの正体も教えてもらったよ。あれね、“精液”っていうんだって」
「せーえき?」
聞き慣れない単語にぼくは面食らった。
ぼくは“白いおしっこ”と勝手に名づけてたけど、どうやら正式な名称があるらしい。
ミミロップったらそんなことまでこのコに教えたんだ……。
ぼくは唖然としてサンドを見つめた。
「なんでもタマゴを作るためにはエッチと精液が欠かせないものなんだって」
「タマゴ?」
「大多数のポケモンがタマゴから産まれてくるのは知ってるでしょ?」
「う、うん。まあ……」
ピチューとかピィなどの赤ちゃんポケモンはみんなタマゴから産まれてくる。
タマゴはペリッパーがどこかから運んでくる。
その程度しか知らない。
「精液はそのタマゴができる大事なもとになるんだって。わたしとピカチュウは大丈夫だと思うけど、中にはタマゴができない組み合わせのポケモンもいるみたいだよ」
「へぇっ……」
「でもメタモンってポケモンは基本的にどんなポケモンのタマゴも作ることができるんだって。もしピカチュウがメタモンとエッチなことをしたらピチューのタマゴができるはずだよ」
「そ、そうなんだ」
サンドの言うことは難しいことだらけで、ぼくはただ相づちをうつことしかできなかった。
性に関する事柄についてなんにも知らないぼくに、サンドは得意げに説明を続ける。
「マスターとミミロップは毎晩わたしたちの眼を盗んでエッチなことしてるけど、本来ニンゲンの精子でポケモンが孕むことはないんだって。
だからミミロップ、『マスターと子作りしたかったわ』って残念そうに言ってたよ」
精子――その単語には聞き覚えがあった。
マスターがこの前お風呂でぼくのチンチンをいじりながらそんなことをつぶやいてた気がする。
「こんなポコチンでも精子って出るんだなぁ」って妙に感心してたのが印象的だった。
で、そのあとはいつものようにやらしい手つきでチンチンを撫でまわしてきたり、先っぽの穴を指先で愛撫してきたんだよね。
あぁ、やだ。思い出すだけで恥ずかしくなる。
今日はここまでです。
支援
ケモショタから入ったんだけど、最近完全なケモノの方に移行しつつある
コワイ
「どうしたの? 難しい顔して」
「う、ううん。なんでもないよ」
サンドが不意に顔をのぞきこんできたので、とっさに首をふった。
余計なことを口走ったらサンドが眼を輝かせるのは必定なので、なるたけ今は聞き役に徹する。
でも、ミミロップがサンドに言ってたらしいセリフがどうも引っかかる。
マスターと子作りしたかったってどういう意味だろう?
エッチな行為と子作り――根拠はないけど、なにか深い関係があるような気がする。
そうだ、このコならひょっとしたら……。
ぼくはサンドを見つめた。サンドは大きな黒眼でぼくを見返した。
ぼくたちは数秒間、じっと見つめあう。
――このコならひょっとしたら知ってるかも。
ぼくは思いきってサンドにたずねた。
「ねぇ、サンド。子作りってどうやるの? さっき言ってたミミロップのセリフってどういう意味なの?」
「知りたい?」
サンドはいかにも知ってそうな口調で聞き返した。
自分から聞いた以上言い紛らすわけにはいかないので、ぼくは仕方なくうなずいた。
からかわれるのを覚悟してたけど、サンドは別段なにか言ってくることはなく、ゆっくりと話し始めた。
「あくまでミミロップから聞いた話だから鵜呑みにしないでね。ピカチュウ、この前エッチなことしたとき、最後はわたしの中に精液を出したでしょ? あれがもしわたしじゃなくて女の子のピカチュウだったら100%タマゴができてたんだよ」
「えっ? 女の子のピカチュウ?」
ぼくはサンドがなにを言ってるのかよくわからなかった。
だけど同時に、胸の鼓動が早まっているのを感じていた。
「同じポケモン同士とか同系統のポケモン同士で交尾するとね、女の子の体内にタマゴが宿るんだよ。受精って聞いたことある?」
「ううん」
「わたしも詳しくは知らないんだけどね、女の子の生殖細胞と男の子の生殖細胞が1つになることをさす言葉みたい。
でも、さっきも言ったけど、ニンゲンとポケモンは全く種族がちがう生き物だからいくらエッチをしても女の子が身ごもることは絶対にないの。
ミミロップはそれがすごく残念だって言ってたんだよ。きっとマスターのためにもタマゴを産みたかったんだろうね」
サンドは淡々と語りながらもチャーミングな笑顔を決して崩さなかった。
サンドの話に耳を傾けていたぼくは、聞いた内容を頭の中で整理していた。。
聞いたことない言葉ばかりだから全部が全部理解できたわけじゃないけど、白い液体の正体やタマゴができる理由がこれで大体わかった。
けれど、まだ1つだけ納得してないことがあった。
この際だから聞いてみようかな。やめとこうかな。
迷ったあげく、ぼくは聞くことにした。
「ねぇ、サンド。きみは今ニンゲンとポケモンが子作りするのは不可能だって言ったよね」
「うん、言ったよ。それがどうかしたの?」
「それならさ、どうして毎晩ミミロップとマスターは部屋でエッチなことをしてるの? タマゴができないってわかってるんなら始めからそんなのする意味がないんじゃないの?」
もっともな疑問をぶつけると、サンドはぼくの顔を見てクスクスと笑いだした。
ぼく、なんかおかしいことを聞いたのかな。
考えてみたけどわからない。
怪訝な顔をしていると、サンドはひょんなことを口にした。
「ピカチュウったらわかってないなぁ。気持ちよくなりたいからに決まってるじゃない」
「えっ?」
「わたしたちだってエッチなことして楽しんで、お互い気持ちよくなったでしょ? ミミロップとマスターが今も部屋にこもってエッチなことをしてるのは……つまり、そういうことだよ。エッチっていうのはね、なにも子作りだけが目的でやるものじゃないんだよ」
サンドはそう言い終えたあと「ってミミロップが言ってたよ」と付言し、振りかえって明かりのついてる2階の窓を見つめた。
ぼくも釣られてそこを見やる。
――タマゴはペリッパーがどこかから運んでくる。
ずっと信じてきたそんな妄信は打ち砕かれ、同時に衝撃の事実を知ることとなった。
ぼくとサンド。マスターとミミロップ。
あの日の夜、それぞれエッチなことをしていたのは、ただ楽しむためや快感に浸るためだけにやっていたことなの?
終始嫌がってたはずのぼくが2回も精液を出したのは、気持ちいいって無意識のうちに感じてたからなの?
オチンチンっておしっこを出す時にしか役目がないと思ってたけど、タマゴを作るときにも必要不可欠なの?
いくつもの疑問が頭の中に沸きおこり、ぼく自身に問いかけてくる。
ぼくは2階の窓を見上げたまま、ずっとそれらの疑問について考えていた。
しばらくしたあと、サンドはぼくに向き直り、明るい口調で聞いてきた。
「ねぇねぇ、約束覚えてる?」
約束? えっと……ええっと……なんだっけ。
思考を巡らせたけど、頭の中がこんがらがってるせいでなにを約束したのか全く思い出せない。
「なんか約束したっけ?」
首をかしげて聞き返すと、サンドは頬をふくらませる。
「もう、やっぱり忘れてる。ほら、わたしの願いごとを言い当てた場合、どうするか約束したじゃない」
「願いごとを言い当てた場合……えっと……あっ……」
「思い出した?」
サンドはにこやかに聞いてきた。
「う、うん」
『わたしの願いごとをもし言い当てたら責任とってよね。でないとわたしが救われないんだから』
確かそんなことを言ってたような気がする。
約束した覚えはこれっぽっちもないけど、抗弁したところでこのコが聞く耳をもつとは思えない。
「責任って、どうすればいいの?」
このコのことだからどうせロクなことじゃないんだろうなと思いつつ、ぼくは返答を待った。
案の定、サンドはとんでもないことを言い出した。
「精液出すところ、見せてよ」
「なな、なに言ってるの? や、やだよ」
あまりにストレートな要求に、ぼくは動揺を隠せなかった。
顔がみるみる熱くなっていく。
ほっぺが元々赤いおかげで幸いサンドに気づかれる心配はないけど、顔つきだけはいかんせん隠せない。
オチンチンに関することだとはなかば予想してたけど、まさかそこまで要求してくるとは思ってなかった。
当惑するぼくに、サンドはさらにおいうちをかける。
「恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。わたしがまたオチンチン舐めておっきくしてあげるから。ねっ?」
「ねっ?って言われても……」
「マスターとミミロップもやってるんだしわたしたちもやろうよ。身体が汚れたらあとでマスターにきれいにしてもらえばいいんだし。だからまた、舐めっこしよ?」
サンドはあまえた眼差しをぼくにむけた。
ぼくは拒否も受け入れもせず、眼差し光線から眼をそむけた。
「ダメ?」
「……ダメ」
イントネーションをかえてセリフをそのまま返すと、サンドは物悲しそうな顔を見せた。
だまされちゃいけない。これはきっと演技だ。
このコがこのまま引きさがるとは思えない。
「そっか。じゃあまた襲っちゃおっかなぁ」
サンドはぱっと顔を明るくすると、おそろしいことを言い出した。
ぼくのオチンチンに異常な執着心があるこのコのことだ。
断固拒否したらほんとにそうするにちがいない。
ぼくとサンドの背丈はほとんどかわらないけどこのコの方が身体が重たいので、のしかかられでもしたらおわりだ。
どうしよう……。
「オチンチン舐めさせてくれるまでは諦めないからね、わたし」
サンドは小悪魔のような笑みを浮かべながら、身体をかがめてぼくの股間に顔を持っていこうとする。
とっさに背をむけたけど、すばやく前に回りこんでくる。
今度は手を伸ばしてきたので、ぼくは1歩後ろにさがった。
それと同時にサンドも1歩前に踏み出した。
後ずさるぼくを追いかけるように、サンドはジリジリと迫ってくる。
「じっとしててよ。オチンチン口に入れられないじゃない」
「い、いや、だからこそ逃げてるんだけど……」
卑猥なセリフを平然と言ってのけるのは相変わらずだ。
「責任とるって約束したの、もう忘れたの?」
「ぼく、約束なんかしてないもん。きみが勝手に言ったことでしょ」
思わずそこまで言ってしまったけど、サンドは特になにも言わなかった。
だからといって安心してる場合ではなかった。
約束してようがしてなかろうが、サンドはどのみちエッチなことを仕掛けてくるんだから。
スキを見て飛びかかろうと企んだのか、サンドは突如ぼくの後ろにむかって叫んだ。
「あっ、ミミロップ。ピカチュウつかまえるの手伝って」
ぼくは眼を尻目に動かし、さっと前に戻す。
後ろに誰かがいる気配は全くしない。
以前はものの見事にだまされて押し倒されたけど、同じ手に2度も引っかかるもんか。
「もう引っかからないもんね」
「ねぇ、お願い。わたしだってほんとは無理矢理なんてしたくないんだよ。さっきも言ったけどピカチュウと仲良くしたいだけなの。どうせやるなら楽しまないと損でしょ?」
「そ、そんなのはただの詭弁でしょ。だいいちきみがそういう欲求をがまんすればいいだけのことじゃない」
「そんな冷たいこと言わずにねぇ、オチンチン出して?」
「そんなにチンチン舐めたいならミミロップと一緒にマスターのを舐めさせてもらえば? エッチなことをきみに吹きこむぐらいだし、頼めば交ぜてくれるんじゃない?」
サンドは首をぶんぶんとふった。
「ピカチュウのじゃなきゃやだ。マスターのチンチンって全然かわいくないんだもん。見た目からしてばっちいしグロテスクだし。
あんなのを口に入れるくらいなら水風呂に浸ってる方が100倍マシだよ」
てっきりオチンチンさえ舐めれればそれで満足感が得られるんだろうと思ってたけど、どうやらそういうわけでもないらしい。
それにしてもこのコ、なにげに今結構ひどいことを言ったよね。
仮にも飼い主であるニンゲンのチンチンをあんなの呼ばわりしたうえにグロテスクとまで言うなんて。
いくら気持ち悪いからってそこまで言うかなぁ。
しかもそのグロテスクで且つばっちいマスターの性器を喜んで頬張ってるミミロップって一体……。
ぼくはちょっぴりマスターとミミロップがかわいそうになった。
「あっ、それ以上後ろにいくとあぶないよ」
サンドはぼくにむかってなにやら警告した。
でもその言葉を理解するのはちょっとばかりおそかった。
「――あいてっ!」
背中にどんっとなにかがぶつかり、ぼくはばっと振りかえった。
樹木だ。庭に生えてるおっきな樹木がぼくの逃げ場をなくしていた。まずい。
木をのぼって逃げることもできなくはないけど、サンドはすぐそこまで迫ってきている。
この至近距離だと背中をむけたとたん、シッポをつかまれてしまうこと請け合いだ。
ここ――マスターんちの庭はそれほど広くないので、他に避難できそうな場所はない。勝手に外へも出られない。
もはや袋のねずみ状態だった。
「えへへっ、だから言ったのに。ピカチュウったらドジなんだから」
「こ、こないで……」
恐怖を抱くぼくとは裏腹に、サンドは笑顔を絶やさない。
シッポを大きく揺らしながら近づいてくる。
普段と何一つかわらない、そういった振る舞いがさらにぼくの恐怖心をそそるのだ。
「わっ!」
サンドがいきなり抱きついてきたのでぼくはびっくりして声をあげた。
暴れて抵抗したけど、思いきり抱きしめられているのでまるで意味をなさない。
レンガのような模様をしているサンドの身体はとってもひんやりしていた。
抱擁されてるだけで身体が勝手にふるえてくる。
だけどもちろん、ぼくが今身震いしてるのはそれだけが原因じゃなかった。
「ねぇ、ピカチュウはわたしのこと、好き? きらい?」
サンドは不意にそんなことをぼくの耳元でささやいた。
ぼくは身体の動きをとめて聞き返した。
「ど、どういう意味?」
「深く考えなくていいよ。わたしのこと、好きかきらいか、どっち?」
「……」
「きらいなんだ……」
サンドが本気で悲しそうな眼をしたのであわてて言った。
「きらいなんかじゃないよ。ただ……」
「ただ?」
サンドは大きな眼でぼくをじっと見つめる。
「エッチなことをされるのはやっぱりその……抵抗があるっていうか……好きとかきらいとか関係なしに恥ずかしいっていうか……」
「ピカチュウって恥ずかしがりやなんだね、かわいい。そういうウブなところ、好きだよ」
サンドはうれしそうににっこりと笑った。
そういうきみはハレンチだよね。
そう言い返すべきだったかもしれないけど、悪い気はしなかったので黙っていた。
「ミミロップが言ってたよ。『最初は恥ずかしくて当たり前。だけど回数を重ねてくうちに自然と自分からやりたいと思うようになるわ』って。だから今はどんなに恥ずかしくたって気にする必要はないんじゃないかな?」
マスターとミミロップが部屋でエッチな行為をしてるのを実際に目撃してるからか、その言葉はすごく説得力がある気がした。
あの2人もやり始めのころはぼくみたいな心情を抱いてたんだろうか。
でも何度も何度も繰り返してるうちに、それがいつしか快楽にかわっていったんだろうか。
サンドが今言ってたこと(正確にいえばミミロップだけど)は、幼いぼくの心に深く刻みこまれた。
このコの言うように、今はオチンチンにたいして恥じらいを感じても、気にすることはないのかもしれない。
嫌な気持ちがないのならいっそのこと頭の中をカラッポにして、大人の遊びを享受するべきなのかもしれない。
サンドがぼくにエッチなことをしたがってるのはもしかしたら、ごく普通のことなのかもしれない。
だんだんそんな気がしてきた。
でも……でも……やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「せめて見せるだけじゃダメ?」
「うん。ダメ」
サンドは言下にそう否定した。
ぼくのオチンチンってそんなに魅力的なのかな。
そもそもオチンチン自体に魅力なんてものがあるのかすら謎だけど、このコのオチンチンにたいする関心っぷりを見てると特別ななにかがあるように思えてくる。
「マスターたちだってエッチなことしてるんだからわたしたちもやろうよ。ねっ?」
「で、でも……」
「前みたいに身勝手なことはしないから。不快な気持ちには絶対にさせないから。だからお願い。エッチしよ?」
「でもぉ……」
「ミミロップにも内緒にしておくから。お願い、ピカチュウ」
サンドは祈るような眼つきで懇願する。
こうも必死で言われると嫌だなんてとても言えなかった。
――もうこのコの望みをかなえてあげるしかないよね。
ぼくは観念してうなずいた。
「……わかったよ。でもマスターが外に出てくるまでの間だけだよ」
「うん! ピカチュウ、ありがと!」
サンドは眼を輝かせながらほっぺの電気ぶくろに何度も何度もチューしてきた。
心から喜んでいるようなあどけない笑顔が視界に映る。
複雑な心境だった。
だけどあれだけ拒否してたのに、不思議と後悔は全くしてなかった。
とりあえずはこれでよかったのかな。
「じゃあさっそくやろうよ。ピカチュウ、そこに座って」
早く早くとせかしてくるので、ぼくは言われるがままに樹木にもたれて座った。
夜空に浮かんでいる丸いお月さまがぼくのことを見守ってくれている。
そんな気がした。
サンドはぼくと向かい合わせになって地面に座りこむ。
目線はぼくの股間にくぎづけだ。
今日はここまでです。
age
ケモとポケモは別物だからセーフ
「ねっ、早くオチンチン見せて」
「わかったからいちいちせき立てるのはやめてくれない?」
「はーい」
サンドは従順なそぶりを見せながらも、眼は「まだ?」と言っている。
このままじっとしててもしょうがない……か。
ちょっとだけならって言った以上、もうあとにはひけない。
ぼくは足を大きく広げると、意を決して股間に手を伸ばした。
黄色い体毛をさぐって赤いオチンチンをつまみ出し、サンドに見せる。
マスターに見られるのはもうすっかり慣れたけど、このコに見られるのは襲われた日以来のことなので心底恥ずかしい思いだった。
「うわあっ、かぁわいい」
ぼくの男の子のしるしを見たサンドの声つきが明らかにかわった。
眼をぎらぎらさせながら食い入るように見つめている。
ぼくは今おしっこをする時と似たような格好をしているので、正直落ちつかなかった。
羞恥心で胸が押しつぶされそうだ。
そうなる前に早いとこ終わらせよう。でも一応確認しておかなきゃ。
「やっぱりその……舐めるの?」
「もちろん。手、どけて」
即答したサンドは姿勢を低くしてオチンチンに口元を寄せていく。
オチンチンから手を離せば、このコがなにをしてくるのかは大体見当がつく。
さっきぼくがああ言ったからかなにも言ってこないけど、心の中ではぼくの心の準備ができるのをウキウキしながら待ってるんだと思う。
ぼくは真顔でもう一度念押しした。
「ねぇ、ほんとにマスターが出てくるまでの間だけだよ。もしドアがあいたらすぐにぼくから離れてよ」
「うん」
「約束やぶったら今後一切きみとは口きかないからね。もしそうなっても逆恨みしないでよ」
さすがにこの先ずっとというのは言いすぎだけど、もし裏切られたら当分はサンドのことをシカトするつもりだ。
「わかってるってば。ちゃんと約束は守るよ。だからマスターたちがエッチし終わる前にすませちゃお」
その意見には同意だった。
「そうだね。じゃあ……はい」
ぼくは性器から手をしりぞけた。
羞恥心が完全に消え去ったわけじゃないけど、深呼吸して身体の力を抜いたら気が少し楽になった。
サンドはぼくのちっちゃなオチンチンを興味津々といった眼で凝視している。
しぶしぶこのコに付き合ってるはずなのに、胸がドキドキしてるのはどうしてだろう。
「恥ずかしいからって頭たたいたりしないでね」
「……うん」
サンドはぼくが返事したのを確認すると、「いっただっきまーす」と言ってオチンチンをまるごと口に入れた。
オチンチン全体に熱い吐息が吹きかかる。
それに伴って独特の感覚が襲いかかってくる。
「えへへっ。オチンチン食べちゃった」
サンドはぼくの性器を口で挟みながら至福の笑みを浮かべた。
ぼくはというと、できるかぎり身体の力を抜いて平常心を保っていた。
あれ? 案外大丈夫かも。なんて思ってたけど――
「んぁっ……!」
おしっこを出す穴にサンドのカサカサしたべろが当たり、声がうわずる。
「あっ、ここが気持ちいいんだ」
サンドはぼくの声を聞くやいなや、さらにオチンチンの尖端口を攻め立てた。
強烈な刺激がオチンチンから直に伝わってくる。
ねぇ、サンド。そこ、おしっこが出るところだよ。なのにどうして平気で舐めれるの? 汚いとか思わないの?
心にゆとりがあったならそう聞きたかったけど、いかんせん刺激がきつすぎて話す余裕がなかった。
「く、くすぐったいよ」
かろうじて出たその言葉はサンドの耳には届いてないようだった。
「んっ……んむっ……」
サンドはしゃかりきになってぼくのオチンチンをしゃぶっている。
根元から先っぽにかけて舌を這わせたり、穴をぺろぺろしたりと、舐められて反射的に声が出てしまうポイントを的確に突いてくる。
木にもたれているからさほど身体に力を入れずにすむけど、だからって気を抜くといつまたさっきみたいな声を出してしまうのかわかったものじゃない。
「気持ちいい?」
サンドはぼくのオチンチンを頬張ったまま、上目遣いで聞いてきた。
「どう……なのかな? よくわかんないよ」
その言葉にうそはなかった。
気持ちいいのか単にくすぐったいだけなのか、今のところは自分でもよくわかってない。
「でもほら、見てよ、これ」
サンドはオチンチンから口を離して言った。
ぼくはおもむろにオチンチンに視線をおとす。
「あっ……」
ぼくは眼を見開いた。
股間から取り出したときは萎れていたぼくのオチンチン。
それが今はどういうわけか、徐々に上をむきはじめている。
サンドの唾液でべたべたになってるのは言わずもがな、先っぽをヒクヒクさせながら、やがてぼくの意思とは無関係に真上をむいた。
その変わりようはまるで、サンドにぺろぺろしてもらえたことにたいする喜びを表しているかのようだった。
「オチンチン、元気になったね。やっぱりピカチュウのってどんな形してても愛らしく見えちゃうなぁ」
「ひぅっ……!」
サンドが尖端の穴にチュッと口づけした瞬間、ぼくの全身がビクッと反応を示す。
不意打ちをくらったことによって、消えかけていた羞恥心が一気に押し寄せてくる。
オチンチンを舐められるのってものすっごい恥ずかしい……。
今さらそう思ってもどうしようもないのはわかってる。
だから今はじっと耐えるしかなかった。
唯一の救いは、初めてエッチした日のような嫌悪感が全然ないことだった。
合意の元でやってるからなのかもしれない。
「ピカチュウって敏感肌だよね。その方がやりがいがあって楽しいけど」
「そんなとこ舐められて無反応でいられるわけがないよ……」
ぼくは正直な気持ちを述べた。
「そうだよね。勃起してるのが興奮してるなによりの証拠だもんね」
サンドはまたもやぼくの知らない言葉を口にした。
ボッキ――おそらくだけど、オチンチンがおっきくなった現象に関連する言葉なんだと思う。
意味を知りたかったけど、行為の最中なので聞くのはやめておいた。
見てるぞ
「そういえば、あの日もこうしてオチンチンにキスしてあげたんだよね。ファーストキスがオチンチンだなんて思わなかったな。
でも好きな男の子のオチンチンならそれも全然アリなのかもね」
「っ……! しゃべりながら舌這わせるのやめてよ……」
「ごめん。でもなんだかわたしまで興奮してきちゃって。だからもっとしてあげるね」
「あっ……もうっ……」
サンドはオチンチンのあちこちに口づけしてぼくの反応を楽しんでいる。
どこをどう刺激すればぼくがより一層感じるのか、それを確かめてるみたいだ。
いっそのこと口に入れてくれた方がぼくとしては助かるんだけど、自分からそんなことを言う勇気はなかった。
「ね、ねぇ、もう家に戻らない?」
ムダとはわかっていつつも一応言ってみた。
これ以上こんなことされると恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだった。
「まだ始めたばっかなのになに言ってるの? わたしを生殺しにするつもり?」
「生殺しって、んな大げさな……」
「大げさなんかじゃないよ。せっかく楽しくなってきたのに途中でやめるなんて絶対やだからね」
「んっ……!」
サンドは再びぼくの股間に顔をうずめて、おっきくなったオチンチンを咥えこんだ。
ふにゃふにゃの状態とおっきくなった状態とでは、舌が当たったときに感じる度合いがまるでちがう。
普通のとき(縮んでるとき)と見た目やサイズはそんなにかわらないはずなのに、舌先が先っぽにちょっとふれただけで全身がゾクゾクする。
のみならず、日頃決して味わうことのない妙な心地よさがぼくを包みこんだ。
ひょっとしてこれがサンドの言ってた“性的な快感”ってやつなのかな。
「オチンチン、かわいい。幸せ」
サンドはオチンチンを舐め回しながらそんなことを言っていた。
サンドの頭に置かれているぼくの手にぎゅっと力が入る。
「あぁっ……!」
尖端をチロチロと舐められ、ぼくはたまらず喘いだ。
敏感な部分を刺激されたらそのつもりじゃなくても声が出てしまう。
こんな女の子みたいな声出して恥ずかしい。すこぶる恥ずかしい。
でも……でも……刺激されるともっとやってほしくなる。
そう思ってしまうのは知らず知らず興奮してるからだろうか。
サンドはそんなぼくの気も知らず、ぼくの顔をチラチラ見ながらオチンチンを満足そうに味わっていた。
今、このコの眼にはぼくの顔がどう映っているんだろう。
うっとりしながらオチンチンに身を委ねてるんだろうか。
それとも見てわかるほど紅潮してるんだろうか。
――と、ぼくはオチンチンからなにか熱いものが込みあげてくるのを感じた。
刺激を与えられれば与えられるほど、その独特な感覚は一段と強くなる。
あのときと同じだ。初めて白いおしっこを出したときと同じ感覚だ。
「あ、あの、サンド」
ぼくはサンドの頭を軽くたたいた。
「どうしたの?」
「その、で、出そうなんだけど……」
「ひょっとして……アレ?」
「う、うん。たぶん」
断言はできないけど、尿意とは全く異なる感覚なのでまず間違いない。
今はまだそうでもないけど、このままオチンチンを刺激され続けたら、きっと精液が発射されちゃうだろう。
それは以前身をもって経験したぼく自身が一番わかってる。
「えっと……どうすればいいの?」
「なにが?」
サンドは首をかしげて聞き返した。とぼけてるんだろうか。
ぼくは反応に困った。
「なにがって、だからほら、出しちゃっていいのかなって」
「いいよ、もちろん。精液出すところが見たいって言ったじゃない」
確かにそんなことを言ってたね。
ぼくはさらにたずねた。
「どこに出せばいいの?」
「そんなの決まってるじゃない」
サンドはそう言って、自分の口元をツメで示す。
半ば予想してた返事だったとはいえ、戸惑わずにはいられなかった。
やっぱり飲む気満々なんだ。
ドロドロしてて苦いとか変な味とか不満をもらしつつ、また飲みこむつもりなんだ……。
「出すときはちゃんと言ってね」
サンドはぼくにそう一声かけたあと、オチンチンを今まで以上に愛撫し始めた。
熱い液体がとてつもない勢いでオチンチンの中を駆けめぐっているのを感じ、ぼくは顔をしかめた。
「んむっ……んっ……ぷはっ。もう出そう?」
「う、うん。出そう」
ぼくはそう言いつつも出そうになるのを必死でこらえていた。
初めてのときもそうだったけど、出そうになると無意識に力んじゃうんだよね。
精液が出る寸前ってみんなこうなるのかな。
「ね、ねぇ、出ちゃうよ。このままじゃほんとにきみの口に……」
そこから先は言葉にならなかった。
パンパンに膨らんだオチンチンがサンドの口内で暴れまわる。
サンドは一旦オチンチンを口から出すと、口先をすぼめて尖端の穴に吸いついた。
かつて味わったことのない最高の快感が全身を突き抜ける。
ぼくはもはや抑制できない状況に陥っていた。
おそらく身体のあちこちから電気がもれてるにちがいない。
「知ってる? 精液って焦らした方がいっぱい出るんだって」
「……?」
サンドは意味深なことをつぶやく。
それが一体どういう意味なのか、ぼくにはわからなかった。
ほしゅあげ
「今日はしないけど、今度やるときはゆっくり時間をかけて気持ちよくしてあげるからね」
「ふあぁっ……」
襲いかかる鋭敏な刺激は考える時間すら与えてくれない。
サンドはオチンチンの先っぽを吸ったり舐めたりと、全く攻撃の手をゆるめないので、ぼくはあっという間に極限に追いこまれた。
ずっとこらえてたけどもうダメだ。がまんできない。
「で、出る! 出ちゃうよ!」
ぼくはサンドの頭をつかみ、オチンチンから引き離そうとした。
けど間に合わなくて、ついに限界を迎えてしまった。
「もも、もうダメ――んっ!」
ぼくは眼を細めながら身体を大きくふるわせた。
オチンチンから液体が飛び出したとき、ぼくは「あっ……あっ……」と情けない声をあげながら、サンドの頭を強く押さえつけていた。
一度出てしまったらもうとめられない。
サンドの口の中で脈打つオチンチンが、断続的に液体を吐き出しているのを感じた。
いつのまにかオチンチンを奥深くまで咥えたサンドは、喉を鳴らしながら口の中の液体を飲みこんでいる。
今、オチンチンから出てるやつは間違いなく白いおしっこだ。
ぼくは直感的にそう悟った。
「んくっ……!」
ようやく衝動がおさまって息をつく間もなく、ぼくは顔をしかめた。
サンドがオチンチンをチューチュー吸いこんだからだ。
精液を出した直後というせいもあってか、刺激の強烈さはオチンチンを舐められてるときとはまるで比にならなかった。
身体から一気に力が抜けていく。
朦朧とした意識の中、ぼくは木にもたれかかってお腹で息を繰り返していた。
それにしても、マスターは一体いつになったら外に出てくるんだろう。
時折玄関に眼をむけたりしてたけど、ドアがひらく様子は一向にない。
もっとも、この状況で出てこられたら困るのはぼくだから当分、いや、もう朝まで部屋に引きこもってていいんだけど。
「いっぱい出たぁ」
しばらくすると、下から満足げな声が聞こえた。
オチンチンから一滴残らず液を搾りあげたサンドは、ぐったりしているぼくに満面の笑みを見せた。
よく見ないと気づかないけど、口の周りには粘液が付着していた。
「ピカチュウのオチンチンって精液いっぱい出るね。普通にやっててこれだけ出せるんなら別に焦らさなくてもよさそうだね」
「……」
「ねぇ、見て見て」
サンドは身体をおこしてぼくの前で座りこむと、べろを突き出した。
見ると、べろの上には白い液体がくっついていた。
精液だ。ぼくに見せるためにわざと口の中に残しておいたらしい。
サンドは舌をさっと引っこめると、ぼくの眼の前でごっくんと飲みこんだ。
そして口の周りに付着している精液までも舐め取り、満足そうに口元を歪めるのだった。
「苦いけどちゃんと飲めたよ。どう? 偉い?」
にこやかに聞いてくるサンド。
ぼくはそれには答えず、重い口をひらいた。
「……なんで平気なの?」
「?」
「なんで平気でそういうことできるの? チンチンっておしっこ出すとこだよ? なのに……どうして平気で舐めたり飲んだりできるの?」
前から言おうと思ってたことだった。
性器から出るものがおいしいわけがない、たぶん。
それなのにどうしてこのコは自らオチンチンを口に入れたり、精液を飲んだりできるんだろう……。
真意をつかみかねるぼくに、サンドは普段とかわらない口調で言った。
「嫌な気持ちにならないからかな。もちろんマスターのを舐めろって言われたら気持ち悪いからやだって即答するけど、わたし、ピカチュウのなら大丈夫だよ。なんだって飲めちゃう」
「……おしっこでも?」
「ピカチュウがそうしてほしいんなら喜んで飲むよ。なんてね」
サンドはすっかり元気をなくしたぼくのオチンチンに舌を伸ばした。
さっきと同じように先っぽをぺろぺろしてかわいがる。
あいにく今は尿意がないけど、もしおしっこが出るのならせめてもの抵抗として顔にかけてやりたかった。
そんな邪な考えが頭に浮かぶ。
「さあ、横になって」
「ちょ、ちょっと」
サンドは木にもたれているぼくを横に押し倒し、お腹の上に跨がった。
ぼくたちのエッチな行為はまだまだ終わる気配がなさそうだった。
おわり
ありがとうございました。
おつおつ
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