咲「ポン」照「こ」咲「カン!」 (16)
咲「それポン」カシャッ
咲(…次のツモ牌…よし、加槓して嶺上開花で和了る…)
咲(でも…)
照「………」ブツブツブツ
咲(お姉ちゃんがなんか怖いぃぃぃぃぃ…)
咲(何アレなんかブツブツ言ってるし…あ、ちょっと音量上がった…)
照「…咲の口から股●って言わせる…咲の口から●間って言わせる…」ブツブツ
咲(いやそれやったとしても私直接は言ってないからねぇぇぇ!?)
咲(なんでこう私のお姉ちゃんは狂っちゃう傾向にあるのぉぉぉ!!)
咲(そういえば小さい時も…)
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――――――――
照「咲…お前もあの森林限界を超えたあの花のように……」
咲「お姉ちゃん…!」
照「この役の名前はね、パイパン開放って言ってね…」
咲「…?どういう意味?」
照「…秘められた花弁が…解き放たれて咲くっていう意味なのよ」
咲「咲く…?わぁ!おんなじだ!私の名前とおんなじだよ!」
照「ふふっ帰ったら早速使ってみようね、『パイパン開放』だよ」
咲「うん!」
――――――――
咲「だぁっっ!!!!」
界「うわっどうしたんだ咲、いきなり大声を上げて…」
照「…咲、加槓をするならちゃんと発声して、チョンボになるよ」
咲「…………か」
照「こっっ!!!!」
咲「………」
照「………」
照「まぁ家族麻雀だし細かいことは言わないけど気をつけてね」
咲「反応無しかよっ!!!」ダンッ
界「お、おい卓が壊れるだろまったく…」
咲「あんたもスルーかよっ!」
照「…咲は早く嶺上牌を取って…」
咲「いや誰のせいで…あぁもう分かったよ!これで嶺上開……」
咲(………手牌の暗刻に重なっちゃったぁぁぁぁぁ……)
咲(どうしよう…ていうかさっきまでお姉ちゃんに意識が行っててよく自分の手牌見てなかったけどこれさっきまで四暗刻一向聴だったんだ……)
咲(私の手の中には暗刻があと三つ…さ、さすがに全部重ならないとはいえ既に今1つ重なった……)
咲(そして今重要なのはそこじゃなくてこの手…そしてお父さんの捨て牌…たぶんこれ当たり牌だよね…)
咲(槓すれば当たらないで済むし嶺上開花で和了れる可能性だってある…そうすれば対々和三暗刻…ドラはないけど満貫…)
咲(…お姉ちゃんは)
照「………」ギラギラ
咲(思ってた以上にこっちをガン見してるうぅぅぅぅ!!!!)
咲(いやもうなにそれ!さっき言えなかったのがそんなに悔しかったの!?)
照「宮永の名に敗北の文字は……無いッッ!!!」
咲「人として敗北してるよっっ!!!」
咲「えーっと…k」
照「k」
咲「………」
照「……牌を倒したなら発声しなさいと何度言えば」ギギギ
咲「いやその擬音どこから出てるの!?って歯ぁ!!」
界「おいおい照、そのへんにしておけって…せっかくの家族麻雀なんだし仲良くゆるくやろうぜ?」
咲「お父さん!」
和「そうですよお義姉さん」
咲「ちょっとまって和ちゃんんん!!?」
和「あ、咲さん、早く嶺上牌をツモって下さい」
咲「え、あ、うんごめんね…ってだからなんでいるの!」
和「だって家族麻雀ですし…」
咲「家族じゃないよね?」
和「……わかりました、宮永さんを倒せる程度の実力を持ち合わせていないと家族としては認められないってことですね…」
咲「さすがに曲解しすぎじゃないかな?ていうかどうやって解釈したらそうなるのかな?」
照「いいから発声…」
咲「もうしたよ」
照「…!?」
咲「…ふぅ」
咲(…流石に重なるのは読めていたよ…あとはどうお姉ちゃんの言葉をくぐり抜けるか…)
咲(こうなったら一か八かっ!)
咲「お姉ちゃん!私のパンツ食べたでしょ!」
照「えっちょっなんでそのこと知って//////」
咲「カン!ってほんとに食ってるんかいッッ!!!」バンッ
界「咲!何度言えばわかるんだ!卓を叩くのは辞めなさい!」
咲「その前にこの馬鹿姉をどうにかしろ!!」
和「お義父さん、いまのダジャレ、ナイスですよ」ホッコリ
界「あ、あぁわかってくれたかい?いやぁ家の娘といったらそういうことに疎くてね…これからよろしくたのむよ」ガシッ
咲「はーいはーいそこは外堀を埋めない攻略しない!」
和「ちっ…いっその事このアイスティー型麻酔銃で…」
咲「きーこーえーてーまーす!」
照「…咲、はやく嶺上牌を」
咲「もう嫌な予感しかしないよーーーっ!」
咲「……………はぁ」
咲(もうすでにわかってたけど…ていうかこれもしかしてお姉ちゃんのすり替え?)
咲(…今は私が親、サイコロの目は右2…嶺上牌はお姉ちゃんの前…)
咲(それだけで決め付けるのは流石に可愛そうだけど私にしかわからない違和感…)
咲(違和感っていうかもう…なんというか……)
咲(さっきから嶺上牌がものすごく湿ってるんだよね………!!)
咲(しかも今のお姉ちゃん…)
照「はぁっ……はぁっ……!」ギラギラ
咲(園城寺さんを彷彿とさせるような…っていうか私に淫語を言わせるのが命をかける程のモノなの!?)
照「咲……よく刻みつけておけっ…!これがっ…宮永家の……闘いだッ!」
咲(刻みつけたくないぃぃぃ!!!一生見たくなかったこんなお姉ちゃんんんん!!!)
咲(最悪だよ!しかもまだ待ってるよ!)
和「………」ブツブツ
咲(そして今一番聞きたくない不吉な呟きが左からもぉぉぉ!!!)
和「咲さんの口から淫語…咲さんの口から淫語…」
咲(辛い…この卓は辛すぎるよ…)
界「咲、どうした?和了るのか?また槓するのか?それともそれ捨てるのか?」
咲(…!そうだよ!まだこの手を放棄するって手もあったんだ!)
咲「う、うん今打つから」
咲「―――っ!」
咲「…………」コト
界「どうした?」
咲「……ちょっと長考…」
咲(…そういえばお姉ちゃんが家を出て行ったのって…私が原因だったんだっけ)
咲(…勝ちも負けもしない方法を覚えて、お姉ちゃんの麻雀を踏みにじって…)
咲(和ちゃんにも…最初は酷いことしてたなぁ…退部してくださいなんてまで言われちゃったりして)
咲(……でもその思い出一つ一つが、今の私を作っている。私の欠かすことのできない大切なピース)
咲(だから私は、この手を放棄しない。でもお姉ちゃんの言葉に屈したりもしない。私が今できる最善の手…)
咲(…こんな時に思い出すなんてね……この前の県予選決勝…オーラス……)
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「この次は…次は負けないし!」
「次は…私が勝つ」
「また衣と…麻雀を打ってくれるのか…」
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「麻雀って、楽しいよね」
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咲「……お姉ちゃん、麻雀って、楽しいよね」
照「…?」
和「咲…さん?」
咲「今日も皆と打てて…ほんとうに楽しい、いつまでもこうしていたい」
咲「いつもと違うことも考えさせられるけど、それもまた新鮮で…楽しいよ」
咲「和ちゃんも、いつの間にか入っていたけど…私への想い、強く感じた…」
照「咲…」
和「咲さん…」
咲「でも…だからこそ私は、私の本気をぶつける」
咲「『見てて』よッ!お姉ちゃん!和ちゃん!」
咲「これが私の!!!」
咲「全力!全開!!」
咲「カンッ!!!」
咲「そして…ツモッ!!」
咲「四槓子っ!…これで…私のトップで…お父さんのトビ終了だね」
界「参ったな…親の役満ツモ和了りなんて考慮してないぞ…」
和「それも……麻雀の醍醐味ですよ、何があるかわからない、幾多もの偶然の上に成り立っている競技。それが麻雀です。」
照「ふふっ…強くなったね…咲…」
咲「お姉ちゃん!」
照「さっきの連槓…カッコ良かったよ」
咲「お姉ちゃん…今のお姉ちゃんこそ、凄くカッコ良いよ!さっきまで下ネタを妹に言わせようとしていた人物と同一とは思えないくらい!」
界「お楽しみの所悪いんだけど…負けたまんまじゃ示しつかねんだわ…もう一局行こうか、咲」
和「賛成です…一時の運の偏りなんかで勝負は決まりません」
照「そうだな…じゃぁ咲、もう一度打ってくれるか…?」
咲「お姉ちゃん……うんっ!」
照「こ」
咲「台無しだよっっっ!!!!!」
おわり
くっだんねーwwwwwwwwww
おもしろい
アイスティー型麻酔銃wwwwww
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