蛍「先輩のお料理会」 (89)

小鞠「蛍、これ」スッ

蛍「え?先輩、この手紙」

小鞠「後で読んで!じゃ」タタタ

蛍(キャー!先輩から手紙貰っちゃった!)

蛍「ら、ラブレターかな…」ドキドキ

蛍「後でって言われたけどいいよね…」スッ

お料理会の招待状

蛍「」

苦行だな

面白い

れんちょんはまだ小さいし勘弁してあげて

食事会じゃないならまだ望みはある

蛍「ど、どうしよう…」

蛍「受け取った以上、行かないと駄目よね」

蛍「けどこの前のピクニックの時は…」

蛍「思い出しただけで……」オエ

蛍「けど…」

~~~~~~~~

小鞠「蛍、あーん」

蛍「先輩!」アーン

小鞠「おいしい?」

蛍「はい!」

小鞠「えへへ、私、蛍だーいすき」

~~~~~~

蛍「なんて事に…」

ジャイアンリサイタル的な

蛍「そうよね、今が頑張る時よ!」グッ

蛍「えっと…日時は三日後の日曜日か」

蛍「それまで何も食べなければいけるよね」

蛍「空腹なら先輩の料理でも…」

蛍「ふふふ、日曜日……私の人生で最大の試練になりそうだわ」

~日曜日~

蛍「ごめんください」

ドタドタ

蛍「あのー」

小鞠「あ、蛍?上がって」

蛍「はい。ではお邪魔します」

3日かよぉ

こまりんシチューかよ

見てます

蛍「あれ?先輩、まだ誰も来てないんですか?それに夏海先輩も…」

小鞠「そうなんだ、昨日言っといたのに、朝起きたらいなくなってたの」

蛍(逃げましたね…)

小鞠「まぁ、蛍が来てくれて良かったよ」

蛍(先輩!)

蛍「私、先輩に呼ばれたらいつでも駆けつけます!」

小鞠「ホント?じゃあ毎週しちゃおうかな」

蛍「え…?」

小鞠「毎週は言い過ぎたかな。けど、蛍が喜んでくれるならまたするね」

蛍「わーい…う、嬉しいなぁ……」

小鞠「そろそろ始めよっか」

しえ

はよ

小鞠「蛍、今から持っていくから、お皿とか並べてもらっていいかな」

蛍「はーい」

蛍(お皿が一枚…この手の皿だと、カレーかそれともシチューか…)

蛍(けど、もう三日間何も食べていないから、今ならあの時のお弁当でも食べれそうだわ)

蛍(流石の先輩でもあの時以上の……)


ムワ~ン


蛍「」

こまちゃんって気合い入れるほど酷くなるタイプだよね

さすがのほたるんも手こずる相手

コナンがよくなめてるあれが隠し味なんだっけ

小鞠「今日はね、シチューを作ってみたの」

蛍「う、うわぁい…」

小鞠「大丈夫!ちゃんと本見て作ったからこの前みたいな事には」

蛍「ど、どんな本ですか?」

小鞠「えーとね……」ゴソゴソ

小鞠「これなんだ、今、都会で人気らしいね」

炎のジャイアンレシピ

蛍「」

れんげ「さいきん具が見当たらないのん」

蛍(え?これってあの漫画の…)

蛍(先輩、どうしてこれを見て真似ようと思ったんですか)

蛍(そもそも作ってる途中でおかしいと思わなかったのかな)


ムワ~ン


蛍(匂いだけでも涙が出るくらい染みるわ)

蛍(絶食したのが失敗だったかしら…)

皆でワイワイ料理しようって会じゃないのか

れんちょんすら逃げたのか

小鞠「このシチューにはね、ひき肉とたくあんと塩辛とジャムとにぼしと大福が入ってるの」

小鞠「何か凄くワクワクするよね」

蛍(私はドキドキします)

小鞠「蛍、遠慮しないでどんどん食べてね」

蛍「わ、わぁい……いただきます…」ゴクリ

ほたるん死んじゃうよ

ああほたるんが犠牲に

~そのころ夏海たちは~

夏海「まさかこまちゃんが料理会しようなんて言い出すとは…」

れんげ「なっつん、こまちゃんのお料理会行かんのん?」

夏海「れんちょん、知らなくていい事もあるんだよ」

卓「……」ウンウン

れんげ「そうなん?ウチ楽しみだったのに…」

夏海「れんちょんには後でお菓子買ってあげるから」

れんげ「しょうがないからそれで我慢してあげるのん」

夏海(すまん、ほたるん…一人犠牲になってくれ)

蛍「で、でわ…」ドキドキ

蛍(う…凄くドロドロしてる)プルプル

小鞠「蛍?」

蛍「……」ゴクリ

小鞠「そっか、熱いの苦手なんだ」

小鞠「蛍、ちょっと待ってね」

 フー フー

小鞠「はい、蛍」アーン

蛍「いただきます!」パク

小鞠「どう?美味しい?」

蛍「…はい……とても独創的で、刺激的です…」

蛍(すっぱ!え?シチューがどうして酸っぱくなるの?」

小鞠「まだちょっと熱いね」

 フー フー

小鞠「蛍、あーん」

蛍「はい!」パク

こまちゃん味見せーや!

ほす

フーフーはあかんな

蛍(もう無理…)

小鞠「蛍、まだまだあるからいっぱい食べてね」

蛍「う、嬉しいなぁ…」

蛍(甘かった…まさか先輩が違う方向で進化してたなんて…)

蛍(たった二口でここまで心が折られるなんて…今は三日間絶食してたのが嘘みたいにお腹がいっぱいだわ)

蛍(けど…先輩ニコニコしててかわいい)ホワホワ

蛍(守りたい、この先輩の笑顔を)

蛍(守るためには食べるしかないわね…もしここで逃げたら……)

蛍(ダメよ!考えただけでも恐ろしい)

蛍(もう覚悟を決めるわ…)

蛍(逝きます!)カッ

ガツガツガツガツ

小鞠「ほ、蛍…凄い食欲だね」

蛍(何も考えるな)パクパク

小鞠(蛍、お腹すいてたんだね…)

小鞠(作って良かったな…蛍がこんなにも食べてくれるなんて)

蛍「ご馳走様でした!」

小鞠「蛍、お腹すいてたんだね」

蛍「え?あ、はい…」ウプッ

小鞠「私の分もあげるよ」

蛍「」

鬼だなこまちゃん

ちょっとお腹すいてきたのでご飯食べて来る

ほたるんを料理して食べたいのん

               /: . : ./: . :./:∨ハ: . : . : . : . : . : . \|

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          / 〔   じ┬ '¨´/ ∧/ | | \/ ´ /   八
            /: .∧ ア⌒  ∧  「   | | r'´      〉. :、
        /: ./ /|    }イ〉 |  |   │ |     |/  人. : .\
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       /. : .八  ー一'゙ ,,/   ノ  │││     |/  イ. : . : . ハ
.      /. : . : . :〕i=:- -‐<|   /|  │││   ノ   |. : . : /|. :|

ほたるんが死んじゃう

ほたて

今戻った
保守ありがとう

蛍(ちょ、もう無理ですよ先輩…)オエッ

小鞠「蛍が喜んで食べてくれて嬉しいな」ニコニコ

蛍「!」ピク

小鞠「今日は来てくれてありがとね」

蛍(先輩かわいいいいい!)

隠し味の蝉の抜け殻は入ってるのか?

蛍(はぁ、もうこの笑顔だけでご飯三杯はいけるわ)

蛍(そうよ!先輩の笑顔を見ながら食べればいいのよ)

蛍「……食べますね」

パクパク

小鞠「蛍はいい食べっぷりだなぁ」ニコニコ

蛍(口に含んだらすかさず先輩の顔を)ウプッ

パクパク

小鞠「どんどん食べてね」ニコニコ

蛍(先輩先輩先輩)ウエッ

ほたるんは犠牲になったのだ…

小鞠「今日は蛍しか来なかったけど、やって良かったよ」

蛍「ご、ご馳走様です…」

小鞠「綺麗に食べたね」

蛍「ひ、ひ、ふぅ……はい」

小鞠「どうしたの?」

蛍「い、いえ……何でもありません」

妊娠してたのか!

小鞠「もしかして美味しくなかったとか?」ジワッ

小鞠「そっか…やっぱり……」

蛍「先輩!」ガシ

小鞠「蛍?」

蛍「美味しかったです!あまりの美味しさに感動してただけです!また食べたいです!」

小鞠「蛍…」

蛍「先輩…」

小鞠「良かった」ニコ

蛍(きゃー!かわいすぎる!)

蛍(頑張って良かった。今日は自分で自分を褒めてあげたいわ!)

蛍(そうよ!この笑顔を守れるのは私だけよ)

蛍(ここでギュッてしたい……せめてこまぐるみでもいいから)

小鞠「あのね、蛍」

蛍「はい!何でしょうか」ドキドキ







小鞠「実はまだまだあるんだ」

BAD END

死んじゃうよ

ほたるんしっかりして

援護早よ!

蛍「…………え?」

小鞠「今日、本当は皆も来る予定だったからね」

蛍「そ、そういえばお食事会でしたね……」

小鞠「うん。だから後4人分はあるんだ」

蛍「」

小鞠「でも流石にお腹いっぱいでしょ?」

蛍「え?」

蛍「はい。確かにおかわりもしましたし」

蛍(もしかして食べなくて済む?)

蛍(じゃあどうしてまだあるなんて言ったんだろう…)

小鞠「だから今日泊まっていきなよ」

蛍「喜んで!」ガタッ

これが後の第三次世界大戦の始まりであった

デザートもあるんだよ

蛍(し、しまったぁ…)

小鞠「そっかぁ、ならデザートも作らないとね」

小鞠「それから、晩御飯もシチューじゃかわいそうだから他にも作ってあげるね」

蛍「」

小鞠「よ~し頑張るぞぉ!」

蛍(もう……いいよね?私、頑張ったよね…)

自ら地獄を選ぶのか…

こまちゃんかわいいけどこういうこまちゃんは自らの手料理無理やり詰め込んで殺してやりたい
味見しろよ
味覚障害なら自覚しろよ

あかん、ゴールしちゃあかん

~夕方~

夏海「じゃあね、れんちょん」

夏海「そろそろ終わった頃だろ」

夏海「ただいまー!」

小鞠「お帰り、夏海」

夏海「姉ちゃん今日はごめんね。何だか急に山菜を取りに行きたくなったの」

小鞠「そういうのは先にいいなよ。まぁ、蛍が来てくれたから良かったけど」

最後にこまちゃん食べなきゃ

自ら墓穴を堀りに行くほたるんが可愛いのん

夏海はどうあがいても4人分作った残りを食べさせられるのは避けられなかっただろ

夏海「そっか。で、どうだった?」

小鞠「喜んで食べてくれたよ。後、おかわりもしてくれたし」

夏海「そっかぁ」

夏海(許せほたるん)





小鞠「お腹すいたでしょ?ご飯できてるよ」

はい夏海逝ったー

グッバイなっつん

夏海「…………え?」

小鞠「早く手洗ってきなよ」

夏海「そ、そうだった!今日、れんちょんの家に泊りに行くんだった」アセアセ

夏海「じゃ、姉ちゃん急ぐから」


ガシ


夏海「!?」

蛍「どこに行くんですか?」

夏海「ほたるん!?」

小鞠「そうそう、今日、蛍、家に泊まるの」

夏海「え?」

小鞠「用意してくるから待ってて。後、泊りに行ってもいいけど、ご飯くらい食べて行ってよね」

夏海「ちょ、姉ちゃん」

おわたたた

蛍「うふふ……夏海先輩、逃げようとしました?」

夏海「ほ、ほたるん」

蛍「夏海先輩……こまちゃん先輩を困らせたら駄目じゃないですか」

夏海「お、落ち着いて」

蛍「やだなぁ、私は十分落ち着いてるじゃないですか」

夏海「こ、怖いよ…ほたるん」

蛍「先輩のお料理…とても刺激的なんです」

蛍「夏海先輩なら当然知ってますよね?」

蛍「さぁ夏海先輩、座って一緒に待ちましょう」

蛍「うふふ、先輩の笑顔がまた見れるわ……」

夏海「」

小鞠「お待たせ、いっぱい作ったからどんどん食べてね」

蛍「わぁい…」

夏海「」

小鞠「夏海、兄ちゃんはまだ帰ってないの?」

夏海「え?そういえば…」

夏海(に、逃げたな)

小鞠「夏海、早く食べなよ」

小鞠「蛍はいっぱい食べてくれてるのに」

蛍「うふふ…」モグモグ

蛍「夏海先輩、とっても美味しいですよ」

小鞠「ほら」

蛍「ほら」

夏海「ちょ、まって…ぎゃあああ!」




おわり

乙乙ー!

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