向日葵「櫻子、受験大丈夫かしら…」 (31)
※あかりたちが中学3年生になったころ
※微鬱要素あり
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~6月中旬~
~一学期末定期テスト返却日~
櫻子「我ながらすさまじい点数だ」ワラワラ
向日葵「櫻子が積み重ねで勉強しないからでしょ。それで、どのくらい出来が悪かったんですの?
向日葵「櫻子が嫌でなければ得点通知表見せてご覧なさい」
櫻子「ちっ、しょうがねぇなぁー」
櫻子「ほい」
向日葵「どれどれ……って櫻子…」サッ
向日葵「あなたいくらなんでも数学14点ってひどすぎませんか。やっぱり復習しなかったのですわね」ハァ…
櫻子「だって今習ってる範囲もチンプンカンプンだもん」
向日葵「平方根の範囲でしたら以前私と特訓したばかりじゃないですの。それに他の教科も全部半分取れてないですし…」
櫻子「なんでさ、向日葵にしたら私の点数なんて知ったこっちゃないじゃん」
向日葵「なんでって、櫻子……」
向日葵「来年には受験が控えてるのお分かりでしょう…?」
櫻子「そんなことくらい知ってるけどさ...」
向日葵「内申にも響きますし、あなた高校どうするつもりですの?」
櫻子「そんなのまだ決めなくていいじゃん。テスト明けなんだし、少しは気分転換させてくれよー」
向日葵「(櫻子の将来が心配ですわ…)」
~夏休み~
ピンポンピンポン
櫻子「向日葵~、暑いからプールでも行かない?」
トコトコトコ
向日葵「櫻子...私達もう受験生なのですわよ、赤座さんも吉川さんも塾の夏期講習受けてますし、みんな必死になって勉強してるのですわよ」
櫻子「なんだよもぉ、だから向日葵の家に来たんじゃないかよ」
向日葵「そ、そうでしたの///」カァ
向日葵「と…とにかく、今日は夏休みの課題を進めましょ?分からないところは私が教えて差し上げますわ」
櫻子「いいよ面倒くさい、帰る…」バタン
向日葵「ちょっと櫻子…」
向日葵「(櫻子は基礎が不十分ですから、復習を今のうちにやっておかないと取り返しがつかないことになりそうですわ…)」
向日葵「(でも本人がやる気になってくれないと…)」
~9月~
~中間テスト返却~
あかり「中間テスト終わったね~、向日葵ちゃんどうだった?」
向日葵「おそらく理科で少し点数を落としてしまいましたわ。正直、400点台取れるか微妙ですわ」
あかり「向日葵ちゃんなら大丈夫だよぉ。あかりは英語が心配かなぁ。櫻子ちゃんは自信ある教科ある?」
櫻子「いやぁ、何も分かんなかったからとりあえず勘で埋めた」アハハハ
向日葵「それ、笑っていられる状況ですの」
櫻子「はいはい、どうせ私は向日葵みたいに成績優秀じゃありませんよーだっ」
向日葵「そんな言い方ありませんの。私は本当にこの先のことが心配で…」
櫻子「えっ、なんか言った?」
向日葵「何でもありませんわ…」
~三日後~
あかり「全部のテスト返ってきたね~、向日葵ちゃん国語と社会が90点台なんてすごいね!」
向日葵「ええ、今回は点数は取りやすかった方だと思いますわ。それにしても理科が難しかったですわね」
あかり「だよね~、あかりもたくさん間違えちゃったよぉ」
ちなつ「ショックだわ…」ガク
あかり「ちなつちゃん、ど、どうしたの?」
ちなつ「5教科で320点しか取れなかったわ…」
ちなつ「やっぱり社会の点数がひどくて…」
向日葵「吉川さん、提出物さえちゃんと出していればまだなんとかなりますわ」
あかり「うん、それに期末テストあるから、またそこで挽回すれば大丈夫だよぉ」
ちなつ「うん…次こそは頑張る」
櫻子「やべぇ、98点!」
あかり「えぇ、櫻子ちゃんすごい!勉強頑張ったね」
向日葵「ちょっと、あなたまさかとは思いますけど…」
向日葵「(嫌な予感が…)」
ちなつ「んで、どの教科が98点だったの?」
櫻子「どの教科って聞かれても、5教科合わせてだけど」
ちなつ「…」
あかり「…ぇっ…ぇと…」
あかり「(5教科だとしたら、98を5で割って…19…ぇぇっと)」
ちなつ「も、もしかしたら高校行けなくなっちゃうから、もうちょっと勉強したほうがいいんじゃないかな…」
向日葵「櫻子、あんた馬鹿じゃないですの?どうやったらそんな点数が取れるんですか!」
櫻子「だからさ、私に勉強は向いてないんだってー」
あかり「向日葵ちゃん、今のはちょっと言いすぎじゃないかなって…」
向日葵「高校行く気ないんですの?」
櫻子「知るかよ、私の頭で入れる高校なんて探せばいくらでもあるし!」
ちなつ「そういう高校って、大抵は荒れてるんだよ?」
向日葵「後で後悔しても知りませんわ!」グスン
櫻子「ふんだ…」
向日葵「」
~11月~
あかり「向日葵ちゃんは受験する高校は決めたのぉ?」
向日葵「ええ、公立の七森南高校を受験しようかと思いますわ」
ちなつ「七森南って…たしかこの辺では偏差値も高くて進学実績もいいことで有名じゃん。向日葵ちゃんすごい」
向日葵「本当はもっと高校のランクを落としたかったですわ」
向日葵「親にどうしても行ってくれって…」
あかり「向日葵ちゃんは私立受験しないのぉ?」
向日葵「滑り止めとして受けますわ。でも、できれば家計のためにも学費の安い公立に通いたいですわ」
あかり「私立はお金掛かるもんね…」
向日葵「ええ…」
ちなつ「いろいろと大変そうだね…」
向日葵「赤座さんと吉川さんはどこに決めましたの?」
あかり「あかりは私立の推薦受けるよぉ」
ちなつ「私は最初公立を受験するつもりだったけど、お姉ちゃんが通ってた私立でもいいかなって感じ。それに結衣先輩もいるし」
~進路相談室~
担任「今の成績では大室さんが志望している高校に合格するのに必要な学力と、現状の得点力との差が大きすぎますわ」
櫻子「それでもなんとか受けさせてください」
担任「担任として、あまりにも無謀な志望校選択は受け入れられませんわ」
~生徒会室~
櫻子「受験する高校決まったさ」
向日葵「ど、どこですの?」
櫻子「花美商業ってとこ。どう?かわいい名前の高校でしょ」
向日葵「…」
櫻子「偏差値40くらいだから、ギリギリ入れるかなって感じ。まあ撫子姉ちゃんには反対されたけどね」
向日葵「櫻子はそれでいいんですの?もう少し頑張ったらもっと上のレベルの高校だって…」
櫻子「今から勉強したって遅いよ。それに偏差値高いところだと勉強ついていけないと思うし」
向日葵「あまりいい噂を聞かない高校ですし、それならまだ私立で考えたほうが…」
向日葵「もしかしたら私立で同じ高校に通えるかもしれませんし」
櫻子「向日葵と同じ高校は行かないよ…」
向日葵「え…」
櫻子「それに向日葵にはちゃんと志望校に合格してほしい」
櫻子「向日葵はどんな時でも私のことを助けてくれるって…」
櫻子「でも、今のままじゃこの先どこに行っても通用しないって分かってきて…」
向日葵「いつもの櫻子らしくないですわ…本当どうしちゃったの…」
櫻子「私だって、もう子どもじゃないんだ…」
櫻子「勉強で向日葵に追いつけないのなんて、だいぶ前から分かってた」
櫻子「それなのに私はろくに勉強しなかった…」
櫻子「向日葵の気持ちには答えられなくてごめん」
向日葵「私が本当に伝えたかったことは…」
向日葵「『勉強しなさい』とかじゃなくて、来年も同じ高校の制服を着て…一緒に登校したかった」
向日葵「そう…すべて私の我がままですわ」
櫻子「向日葵のばか…いつもみたいに叱ってくれればいいのに」ウルウル
向日葵「(まだ実感が沸いていないのは私のほうかしら…)」
時は流れ……………………
~3月~
~七森南高校校舎前~
向日葵「(私の番号…あっ…)」
向日葵「(受かったんですわ…)」ウル
向日葵「(あとは櫻子が合格できますように…)」
~向日葵宅~
トゥルルルル
ガチャッ
向日葵「あの…もしもし、櫻子がいたら代わっていただけないでしょうか?」
櫻子『向日葵!?結果どうだった?まさか落ちたんじゃ…』
向日葵「合格しましたわ。ちゃんと番号もありましたし」
櫻子『やっ…やったじゃん向日葵。おめでとう!!』
向日葵「(櫻子にこんなに祝福されるなんて、普段見慣れない分なんだか照れますわね…)」
向日葵「櫻子はどうでしたの?」
櫻子『見に行ってないよ』
向日葵「えっ、なんですって!?」
櫻子『どうせ受かってたら合格通知書も届くんだし』
櫻子『それよりも、今の時期は中学校で習った範囲を完璧にしようと思って』カキカキ
向日葵「櫻子も随分と成長しましたこと。でも『合格』をちゃんと聞くまで心配ですわ…」ソワソワ
櫻子『たった今、撫子姉ちゃんが高校のホームページで調べてくれて、一番上に私の番号あったって!』
向日葵「本当ですの!?良かったですわ…」ウルウル
櫻子『あ、あのさ向日葵…』
向日葵「…えっ…?」
櫻子「高校は離れ離れになっちゃってもさ…」
櫻子「大学は向日葵と同じとこ行くつもりだから……絶対!!」
向日葵「何を言い出すかと思ったら…」
向日葵「(全く…櫻子らしいですわ)」クスッ
櫻子『あっ、ばかにされたしっ』
櫻子『今に見てろよ!』
櫻子『(約束を、果たすんだって…)』
櫻子『(いつかひと回りもふた回りも成長した姿を、向日葵に見せて…)』
櫻子『(私が向日葵に頼ってもらうんだ…)』
~4月~
~地下鉄のホーム~
『ただ今より、学園前行きの列車を発車致します。ご注意ください。』
向日葵「今頃どうしてるかしら…」
向日葵「(櫻子……私がいつも付いてますわ)」
「きっとこれは、私達二人にとっての試練なんだと思う」
「だから少しの間寂しい思いをするだけ」
おわり
おわり
ここまでお付き合いしてくださった方々、心から感謝いたしますm(__)m
おつ
バッドにもハッピーにもなりそうな続き方やね
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