サンタ「これより戦闘を開始する!」 (135)
12月24日1915 シャウレイ南方 上空約1500m
サンタUWZ「Donner被弾!」
サンタEKX「敵、右舷よりBlitzenを指向ォ!」
サンタQMZ「敵の口腔内に炎熱反応!」
サンタHRP「速射砲休まず撃て! 機首回頭!」
サンタUMZ「Blitzen被弾――爆散ッ!」
サンタLGT「くそったれが!」
サンタWKX「敵、本艦を指向しています!」
サンタHRP「機関全開! 回避しろ!」
サンタEKX「熱線を回避!」
サンタQMZ「さらに敵の口腔内に炎熱反応! 熱線、来ます!」
サンタHRP「ここまでかっ……!」
――
――――
―――――――
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12月24日1430 グリーンランド サンタクロース基地
サンタAQV「いよいよだな……いよいよだぞ」
サンタCTE「ちょっと俺、小便いってくるわ」
サンタDPB「またかよお前は。酒瓶をその粗末なものにぶら下げたほうがいいんじゃないか?」
サンタAQV「おい、もうすぐだぞ。もうすぐ作戦開始だ」
サンタJMR「落ちつかねえやつだな新入り。ブランデーでも一口やっとけ、楽になるぞ」
サンタAQV「ああ、助かる。……うめえ、もう一口いいか?」
サンタJMR「いいけど、まだ飲むなら作戦が終わってからにしろよ」
サンタKDO「おらァ! テメーらさっさと持ち場につけやぁっ!」バァンッ
「はい!」「りょうかーい」「うす」バタバタ
サンタKDO「お? あのガキはどこで震えてやがる」
サンタJMR「ママのところでさぁ。便所の個室がよっぽど母親の腹の中に似ていると見える」
サンタKDO「戻ってきたらミルクでも飲ませとけ」
サンタDPB「そうしたらまたすぐ駆け込みますぜアイツ」
サンタCTE「げぇっ、曹長!」
サンタKDO「この鈍亀が! 糞まみれになりたくなかったらさっさと持ち場につけ!」ドカッ
サンタCTE「仰せのままに!」
「ケッケッケ!」「ギャハハハ! 急げ急げ!」
サンタKDO「テメーらもうっせえ! 作戦の概要をもっぺん説明すンぞ!」
サンタCTE「すんません、ちょっと、急用が……」
サンタKDO「降ろすぞコラァ! すぐ終わるから聞いてからにしろ!」バシィ
サンタCTE「はいっす、了解っす」
サンタKDO「作戦開始は1500、基地を出発。1530までに担当区域の初期位置に到達して待機。日没と同時にプレゼント配布を開始」
サンタJMR「俺も曹長からプレゼントが欲しいですな! 一瓶くらいの!」
サンタKDO「テメエにゃ火炎瓶がお似合いだボケナス。そのあとは三時間のスパンで交代・休憩、翌0700の夜明けをもって作戦を終了。わかってンな!?」
「「「了解!」」」
サンタKDO「よーし1450まで各自点検のち待機。漏らさんようにションベンは済ませとけよ!」
サンタCTE「あ、もういいすか」
サンタDPB「早く行ってこい早漏め!」
12月24日1500 グリーンランド サンタクロース基地
サンタJMR「機関出力、問題なし」
サンタDPB「主砲および両側砲門異常なァし!」
サンタCTE「レーダー感度良好。その他計器類問題なし」
サンタAQV「プレゼント配布リスト準備完了」
サンタKDO「おォし、抜錨! 微速前進!」
サンタJMR「微速前進」ゴオオオオオ
サンタCTE「微速前進確認」
サンタJMR「機関出力上昇。40。問題なし」
サンタAQV「旅団旗艦より通達! "各隊先導分隊ニ続イテ離陸セヨ"とのこと!」
サンタKDO「了解。Rudolph(註:先導分隊)は?」
サンタCTE「Rudolph、離陸確認」
サンタKDO「よォし、離陸!」
サンタJMR「離陸!」
キイイイイイイ…!
サンタCTE「離陸を確認。高度計問題なし」
サンタDPB「あばよ愛する大地よ!」ピッ
サンタKDO「これから月とダンスとしゃれこむぜ!」
「「「H O H O H O !」」」
12月24日1520 オスロ北部 上空約11000m
サンタDPB「十個連隊で一個旅団。それでは一個師団は?」
サンタAQV「『十個旅団と兵站部隊、後方支援で一個師団とする』、だったよな?」
サンタCTE「せいか~い!」
サンタDPB「それじゃ、一個連隊を成す九隻の位置名は?」
サンタAQV「先導分隊がRudolph(ルドルフ)。
その後ろに二列八隻で、前列が右からDasher(ダッシャー)、Dancer(ダンサー)、Prancer(プランサー)、Vixen(ヴィクセン)、
後列が、えーと、Cupid(キューピッド)、Comet(コメット)、Donner(ダンナー)、Blitzen(ブリッツェン)!」
サンタAQV「叩き込まれたからなぁ」
サンタCTE「つか、それわかってないとダメだろ」
サンタAQV「なぁなぁ。そんなことよりさ、今年も現れるかな」
サンタCTE「あ?」
サンタAQV「50年間以上クリスマスの作戦を妨害し続けてるっていうさ、サンタクロースの天敵だよ!」
サンタJMR「――nightmare《悪夢》」
サンタCTE「そうか。お前今年初出征だもんなぁ」
サンタAQV「そうそれそれ! 蛇の首、蜥蜴の体、蝙蝠の羽根を持つ未確認生物! 黒い鱗してるんだろ? なぁ、見たことあるのか?」
サンタDPB「あるさ。お前だって教練で映像記録を見ただろうが」
サンタAQV「見たけどさぁ。マジであんなのなの? マジで《悪夢》ってドラゴンなのか?」
サンタCTE「マジだぜ。お前、あの糞の塊が現れても、ブルっちまうんじゃねえぞ」
サンタAQV「ちゃんちゃら可笑しいぜ! だってこの艦には主砲『クネヒト・ループレヒト』に速射砲『シャープ』と『クランプス』が配備されてるんだろ」
サンタJMR「おい新入り。そろそろ担当区域に進入する。プレゼント配布の準備をしろ」
サンタAQV「了解!」
12月24日1820 アイゼンヒュッテルシュタット東部 上空約1600m
サンタDPB「調子はどうだ?」
サンタAQV「このエリアのプレゼント配布はあと10分で完了予定」カタカタ
サンタCTE「順調だな。プレゼントも地上に転送するだけだし、お手軽になったもんだ」
サンタJMR「現代技術様々だな」
サンタAQV「休憩まであと一時間かぁ。あぁー疲れた!」
サンタKDO「気ィ抜くんじゃねえぞボケナス! 転送失敗なんかしたらぶっ飛ばすからな!」ゴカァンッ
サンタAQV「は、はい! すんまっせん!」
サンタKDO「おい、どうだ」
サンタJMR「報告はありません。しかし……」
サンタKDO「どうした」
サンタJMR「去年……、俺の船はこの時間帯で撃墜されました」
サンタKDO「やっぱし油断はできねえか……おい、伍長」
サンタDPB「なんすか」
サンタKDO「レーダーの感知範囲を一時拡大しろ」
サンタDPB「どっち方面すか」
サンタJMR「下だ。森から来るぞ」
サンタKDO「下限を拡張しろ」
サンタDPB「了解。レーダー感知範囲の下限を拡張」ピッピッ
サンタCTE「Rudolphより通信。"各艦プレゼント配布ノ首尾ヲ報告サレタシ"」
サンタAQV「残り件数……3件!」
サンタCTE「残り件数3件、返信します」
―――
サンタDPB「……マジか」
サンタJMR「どうした」
サンタDPB「レーダーに正体不明の反応! 本連隊後方の地上より接近中! 《悪夢》と思われますッ!」
サンタKDO「来たかッ! 第一種戦闘準備!」
サンタJMR「第一種戦闘準備!」
サンタCTE「連隊通信! "《悪夢》来タレリ。コレヲ撃滅セヨ"!」
サンタAQV「お、おお、こいつが、《悪夢》……!」
サンタDPB「主砲開口、充填完了!」
サンタCTE「Cupid被弾ッ! 敵の高度、およそ1500!」
サンタKDO「歯ァ食い縛れよ野郎ども! これより戦闘を開始する!」
「「「了解!」」」
サンタKDO「機関全開! 敵の背後を取るぞ!」
サンタJMR「機関全開!」ゴッ
サンタCTE「敵口腔内に炎熱反応あり!」
サンタJMR「回避します!」ギュオオッ
サンタAQV「おぉわあああぁぁぁっ!?」
サンタCTE「敵の熱線、Rudolphに直撃!」
サンタKDO「発射を許可ァ!」
サンタDPB「『クネヒト・ループレヒト』発射します!」ドンッ!
サンタCTE「……主砲、回避されました!」
サンタKDO「速射砲! 撃てェ!」
サンタDPB「『シャープ』『クランプス』、撃ちます!」ドガガガガガガガガ
サンタCTE「炎熱反応ッ! 敵、高度を下げます!」
サンタKDO「新入りァ! 敵の位置を随時報告しろ!」
サンタAQV「は、はいッ! て、敵、2時の方向、高度マイナス200!」
サンタCTE「Dancer被弾! Rudolph戦闘不能! 離脱します!」
サンタJMR「横から突っ込むぞ! 主砲、狙い撃て!」
サンタDPB「了解ッ!」
サンタAQV「敵12時方向、高度ゼロ!」
サンタKDO「撃てぇっ!」
サンタDPB「『クネヒト・ループレヒト』発射!」ドンッ!
サンタCTE「主砲命中! よっしゃぁっ!」
サンタAQV「敵5時方向、高度マイナス1000。墜落していきます……あッ!?」
サンタCTE「Comet爆散ッ! 二体目です!」
サンタKDO「糞が! 速射砲、迎撃!」
サンタDPB「やってまさぁ!」ドガガガガガガガガガ
サンタJMR「上昇して回り込む!」
サンタCTE「敵の口腔内に炎熱反応! 敵はBlitzenを指向しています!」
サンタAQV「敵の位置、7時の方向、高度マイナス200!」
サンタDPB「主砲充填完了!」
サンタCTE「Blitzen被弾! 爆散を確認!」
サンタJMR「もう少し……ッ」
サンタCTE「炎熱反応! 敵は本艦を指向ォッ!」
サンタAQV「ひぃぃっ!」
サンタKDO「オタオタすんじゃねえっ! 真空断層を展開! 熱エネルギーを遮断しろ!」
サンタJMR「真空断層を展開!」
サンタDPB「『クネヒト・ループレヒト』発射ァ!」ドンッ!
サンタCTE「主砲、……回避されました! 熱線来ます!」
サンタJMR「なめんじゃねええええええ!」ギュオッ
サンタKDO「総員衝撃に備えろ!」
ドゴオオオオオオオオオオッ
「くぅっ!」「があっ!」「糞ッ!」
サンタKDO「被害報告!」ガバッ
サンタCTE「右舷中破! 『シャープ』、使用不可能ッ!」
サンタAQV「てっ敵、6時方向、高度50!」
サンタJMR「機関出力減少! 衝撃による破損と思われます!」
サンタDPB「敵、Dasherに接触! 何するつもりだあの野郎ォ……!」
サンタAQV「船に乗っかって、喰らいついてるッ!」
サンタKDO「『クランプス』ッ!」
サンタDPB「落ちやがれぇぇぇぇぇっ!」ドガガガガガガガガガ
サンタCTE「Dasher爆散! 敵は再び本艦を指向!」
サンタAQV「敵、正面! うわあああっ」
サンタJMR「舌噛むぞ、ちょっと黙れ!」ギュルッ
サンタCTE「敵の口腔内に炎熱反応! 背後です!」
サンタKDO「高度をあげろ!」
サンタJMR「機関出力が足りません! 上昇、できません!」
サンタKDO「なんだと!?」
サンタDPB「くそっ! 来るぞ!」ドガガガガガガガガガガ
サンタKDO「やべえ――ッ」
ドンッ!
サンタCTE「――敵に着弾! ……Vixenです!」
サンタKDO「あぁん!?」
サンタDPB「敵、墜落していきます……!」
サンタMKE『ハッハー! 安心したかよ!』
サンタKDO「てめえか! 目障りだ、消えろ!」
サンタMKE『うちが主砲を当ててなかったらてめえらみんな鉄くずと一緒に地面でおねんねだったんだぜぇー?』
サンタKDO「はっ! だとしても、てめえに助けられるのだけは我慢できねえな」
サンタCTE「Dancerより通信。"各艦補給基地ヘ移動。各自、旅団旗艦ニ被害ヲ報告サレタシ"」
サンタMKE『ん。そんじゃあ補給基地で会おう! ハッハー!』ブチッ
サンタKDO「くたばれゴミ野郎!」
サンタJMR「戦闘終了か。よかった……」ドサッ
サンタDPB「操縦代わるぞ。一休みしてこいよ」
サンタKDO「よォし! 伍長、補給所へ移動を頼んだ!」
サンタDPB「うす」
サンタCTE「俺、便所いってきていいっすか」
サンタJMR「早く戻ってこいよ。お前が戻って来たら休むわ」
サンタAQV「う……うう……」ブルブル
サンタKDO「おら! いつまで震えてんだ、飯食いにいくぞ!」ドカッ
サンタAQV「いたい! は、はいっ!」
サンタKDO「おい! 便所から戻って来たら旗艦に報告しとけよ!」
サンタCTE「あいさー」
小休止
サンタって怖いよな
どんな家でも警備を解除してさらに痕跡ひとつ残さず帰ってく
そのくせ俺はいつでも入れるんだぞって言わんばかりに
プレゼントだけ置いて何も盗まず帰ってく
しかも欲しいものを的中させて俺はいつでもお前を見てるというダイイングメッセージを残していくからな
>>16
死んでねーよ
12月24日1945 バストーニュ西部 上空約2000m
サンタPXU「敵、正面に3体! 後方からも2体来ています!」
サンタBNC「Blitzen爆散! Prancer、Donnerも爆散を確認!」
サンタLGR「敵-2、本艦を指向しています! 口腔内に炎熱反応!」
サンタJCM「真空断層の強度をあげろォ! 回避機動!」
サンタBWH「ダメです! 先ほどの被弾でV.D.S.(註:Void Defense Systemの略。真空防衛機構)が故障しています! 真空断層、展開できません!」
サンタJCM「糞野郎がぁ!」
サンタLGR「敵-4、5、本艦を指向!」
サンタBNC「Cupid爆散!」
サンタPXU「敵-2の熱線を回避!」
サンタJCM「次来るぞ!」
サンタLGR「敵-5の射線から逃れられません! 熱線、来ます!」
ドンッドンッドンッ!
「!?」
サンタPXU「敵-2、4、5! 墜落していきます!」
サンタBWH「さらに敵-1、3墜落!」
サンタBNC「あれは……真っ黒の装甲、みっつの砲門……来てくれたのか!」
サンタJCM「――"ベファーナ"だ!」
12月24日1955 バストーニュ西部 上空約2500m
サンタKCK「キャハハハハハ! 雑魚ね、雑魚!」バタバタ
サンタBTR「お嬢様。はしたないですよ」
サンタKCK「次よ! 次の獲物のところへ急ぎなさい!」
サンタTML「エリアDー8より救難要請!」
サンタKCK「おっけー、エリアD-8に全速力で向かいなさい! キャハハハ!」
サンタBTR「機首回頭。全速前進」
サンタGFP「機首回頭! 機関出力全開!」
12月24日2000 バルト海上空 補給基地
サンタAQV「"ベファーナ"?」
サンタDPB「おらー手ぇ止めんなー」
サンタAQV「ういっす」
サンタCTE「戦闘専門の遊撃中隊、対《悪夢》戦のタスクフォースだよ」
サンタAQV「そんなのあったのかよ! かっこいいなー!」
サンタCTE「お前もうちょっと部隊編成ちゃんと頭に入れとけよバカ」
サンタAQV「装備は!? うちみたいな平凡な船とは違うんだろ?」
サンタDPB「平凡で悪かったなー手止めんなっつったろ」バシッ
サンタAQV「あいてっ! すまん」
サンタCTE「そりゃもううちの主砲級がMelchior(メルキオール)、 Balthasar(バルタザール)、Casper(カスパール)と三門あって、
さらに極光条砲『ユール・ラッズ』が十三門だからな。化け物だぜ」
サンタAQV「すげえーっ! "ベファーナ"すげえー!」
サンタCTE「よし。補給完了!」
サンタDPB「了解。補給完了」
サンタCTE「"ベファーナ"は……、戦場じゃ英雄だけどさ。基本的にみんなどっかイカれてるからなぁ」
12月24日2035 ベーリンゲン北東 上空約3000m
サンタBTR「《悪夢》発見。距離、およそ8」
サンタKCK「来たわね! キャハハハ! 第一種戦闘準備!」バッ
サンタBTR「第一種戦闘準備」
サンタKCK「三門(註:Melchior、Balthasar、Casperのこと)開口しなさい! 『ユール・ラッズ』の充電はいいわね!?」
サンタTMR「万全であります!」
サンタKCK「うるさいわよ! このクズ!」
サンタTMR「ありがとうございます!」
サンタBTR「射程距離突入まであと10、9、8、……」
サンタKCK「敵-3を撃墜したら、4、5を落として最後に1、2よ!」
サンタGFP「了解!」
サンタBTR「3、2、1、0」
サンタKCK「キャハハハハ! 戦闘開始よ!」ドンッ!
サンタTMR「極光条砲『ユール・ラッズ』、撃ちます!」カアアアアアアアッ
サンタBTR「敵-3撃墜。敵-1、2、4、5の口腔内に炎熱反応。すべて本艦を指向」
サンタKCK「真空断層を2で展開! 回避なさい!」ドンッ!
サンタGFP「真空断層展開! 回避機動に入ります!」ギュオオ
サンタBTR「熱線を回避。Donner爆散。敵-4撃墜」
サンタKCK「真空断層をカット! 次よ!」
サンタGFP「真空断層カット! 機関出力全開!」
サンタBTR「敵-1、2、5、炎熱反応。すべて本艦を指向」
サンタKCK「ああっもう! "ソリ"(註:プレゼント配布を主任務とする分隊艦の通称)を狙いなさいよ××××!」ドンッ!
サンタBTR「敵-5撃墜。お嬢様、下品な言葉遣いは慎んでください」
サンタTMR「敵-6、7出現しました! 後方!」
サンタGFP「真空断層展開、回避します!」ギュオオオ
サンタKCK「『ユール・ラッズ』は後方に集中なさい! 私が前を墜とすわ!」ドンッドンッ!
サンタTMR「了解っ!」カアアアアアアアアッ
12月24日2050 シュヴァインフルト西部 上空約1050m
サンタVXT「左舷大破! 機関出力減少! 『クランプス』使用不能ッ!」ガガガガガガガガ
サンタRZL「諦めるな! 戦闘を離脱、緊急着陸を行う!」ドンッ!
サンタFOC「Cupid爆散っ! 敵-3、本艦を指向しています!」
サンタYYE「緊急着陸準備! 高度900!」
サンタFOC「熱線、来ますッ!」
サンタRZL「真空断層、強度全開! 総員衝撃に備えろ!」
ズガアアアアアアアンッ!
「うわあああっ!」「ぐあっ!」「くうっ」「がふっ!」
サンタRZL「大丈夫か! 被害報告!」ガバッ
サンタVXT「伍長! 伍長! 曹長、伍長が!」
サンタYYE「ちくしょう! 骨が折れたみてえだ……!」
サンタRZL「操縦代われ! 姿勢を立て直せ!」
サンタFOC「了解!」
サンタVXT「高度400! 後部装甲損壊、表面温度上昇!」
サンタRZL「伍長、これ飲んどけ。これより緊急着陸を実行する!」
サンタFOC「高度200……、100……、緊急着陸します!」
ドオオオオンッ!
サンタRZL「緊急ハッチ開け! 脱出するぞ」
サンタFOC「了解! 緊急ハッチ開きます!」カタカタ ピッ
サンタYYE「機関温度上昇、爆発の危険あり!」
サンタVXT「銃持っていきますぜ」バタバタ
サンタRZL「おい! 急げ!」
サンタYYE「……曹長。俺動けねえわ。ここで機関の冷却しとくから」カタカタカタ ピッピッ
サンタRZL「バカか! 行くぞ!」
サンタYYE「《悪夢》が降りて来てるんだよ! 動きの遅い俺を連れて逃げ切れないだろうがッ!」
ゴオンッ!
サンタFOC「曹長! 早く!」
サンタYYE「なあ曹長。この船、俺に任せてくれないか」
サンタRZL「……っ! くそったれが! 好きにしろ!」
サンタYYE「へっ。さすがだぜ。……識別票だけ、頼む」
サンタRZL「阿呆、あとで迎えにくるから持ってろボケ!」
サンタFOC「曹長!」
サンタYYE「早く行け!」カタカタカタ
サンタRZL「くっ……じゃあ頼んだぞ!」バッ
サンタYYE「………」カタカタカタ
サンタYYE「世話んなったな……」
12月24日2110 シュヴァインフルト西部 森林
サンタVXT「うわああああこっちくんなああああ!」ガガガガガガガガガガ
【グルルルルル…】
サンタRZL「くそ、やっぱり効かねえのか!」ガガガガガガガガガガ
サンタFOC「熱線が来るぞ! 逃げろ!」ダッ
【ガァッ―――――――――!】カッ!
サンタVXT「―――」
ゴガアアアアアアンッ!
サンタFOC「な……ッ!? 嘘だろ、おい、あいつ、消え……!?」
サンタRZL「熱線が直撃したら肉も骨も一瞬で蒸発だぞ!」ガガガガガガガガガガ
【ギオオオオオオオオオオオオオッ!】ゴオッ
サンタRZL「ごあっ!」ブランッ
サンタFOC「ひっ!」
サンタRZL「うごお"お"っごぼぉっおあっあ"ぁっ!」ビシャビシャビシャッ
【グルルロロ……ハァ――ッ…】バリバキ ムシャビチュゴリッ
サンタRZL「ごえ"え"え"ぇぇひぐぁあっ! あ"っ! う"っ!」ブチブチッ ボトボトッ
サンタFOC「く、喰ってる……! ぅ、うええっおえっ」
サンタRZL「―――」ビクンッビクンッ
【グロロロロロロ…】ギロリ
サンタFOC「ひぃっ! い、いやだ、たす、たすけてっ」ザリザリ
【ゴアアアアッ!】ブンッ ズドン
サンタFOC「えっ」
サンタFOC「は……え……あ、あしっ、あしが、俺のあしがああああああっ!」ゴリボキ メシャッ
【ハァ――ッ…!】ガパァッ
サンタFOC「たっ、たすけ、たすけて、しにたくない! しにたくないっしにた」ゴキブチュッ バクリ
【オオオオオオオオオオオオオオッ!】
ドンッドンッ!
今日はここまで
素晴らしいタイムリーSS
12月24日2130 シュヴァインフルト西部 上空約800m
サンタRJS「命っ中ー! いぇいっ☆」ピース!
サンタKBG「《悪夢》、消滅していきます。要救助者は……、死亡した模様」
サンタLKD「ほっほ、あいかわらず嬢ちゃんは三門を当てるのが上手だのう」
サンタRJS「ありがとーっ☆ おじいちゃんも『ユール・ラッズ』13コも撃ててすごいね!」
サンタLKD「わしくらいになると撃ちながら紅茶も淹れられるぞい!」
サンタRJS「すごーっい!」
サンタLKD「冗談じゃ、ほっほっほ!」
サンタADR「ジジイーッ! うるッせえんだよ通信が聞こえねえだろうがッ!」
サンタLKD「お前さんももう少し女の子らしくすれば可愛いんじゃがのう」
サンタADR「はァっ!? 可愛くなんかなくていいっつーの!」
サンタKBG「状況終了。どちらへ向かいますか」
サンタHTC「あー……めんどいな。どこでもいいや、じゃあ西」
サンタKBG「了解。警戒移動形態へ移行。西へ向かいます」
サンタHTC「はいはいよろしくぅー」
サンタADR「ちゃんとしろやァーッ! エリアG-4で救難信号でてンだよ!」
サンタHTC「へぇー。まぁいいんじゃないの。誰かいくっしょ」
サンタADR「適当すぎるわボケ!」
サンタRJS「ちょっとー、艦長さんにそれはまずいよー☆」
サンタLKD「そうじゃそうじゃー」
サンタADR「ジジイは黙ってろォッ!」
12月24日2200 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタZSS「まだ4時間ですか。状況はあまりよろしくないですね」
サンタKTE「ええ、総帥。欧州東部、南部は落ち着いていますが、西部と中央部の戦闘は激化するばかりです」
サンタZSS「"ベファーナ"らの様子はどうですか」
サンタIFM「全艦無事です。それぞれ撃墜を重ねています」
サンタKTE「そろそろ"ベファーナ"も交替させましょうか」
サンタZSS「そうですね。各々の状況があるでしょうから、交替を要望する船は連絡するよう伝えてください」
サンタIFM「了解しました」
サンタZSS「"ジェド・マロース"と"スネグーラチカ"も問題ありませんか」
サンタKTE「まだここまで《悪夢》は来ていませんからね」
サンタZSS「時間の問題ではありますけどね。……おや」
サンタKTE「どうしました? ……ほう。"ベファーナ"が二隻で戦闘とは、珍しいですね」
12月24日2225 ロッテルダム東部 上空5000m
カッ!
ドガガガガガガガガガガガガガッ
ドンッ!
ゴガアアアアアンッ!
「Dasher爆散!」「落ちやがれえええええっ!」「機関出力減少!」
「くそが!」「こいつらどこまで追ってきやがるんだ!?」「Donner、続いてVixen爆散!」
サンタBTR「"ソリ"残り5隻。《悪夢》残り9体」
サンタKCK「キャハハハ! 『ユール・ラッズ』! 好きなだけ撃ちなさい!」
サンタTMR「はっ! もうずっとそうしております!」カアアアアアアッ
サンタKCK「ならいいわ! 撃ち放題落とし放題よ! キャハハハッ!」
サンタGFP「艦長! 友軍-1から通信です!」
サンタKCK「いっそがしいのに何なの!? 繋いで!」ドンッ!
サンタHTC『あー……聞こえてるか? こちら……なんだっけ』
サンタKCK「貴方ねぇ、戦闘中に何の用ですの!? とっとと《悪夢》を落としなさいよ!」
サンタHTC『あぁ、それはちびっことかがやってるから』
サンタKCK「はぁ!? では貴方はなにをやっているのかしら!」ドンッドンッ!
サンタHTC『あんたと喋ってるんだけど』
サンタKCK「通信切りなさい」
サンタGFP「了解」ピッ
サンタBTR「"ソリ"残り三隻。《悪夢》残り11……12体に増加」
サンタKCK「真空断層、独自の判断で強度を上げなさい」
サンタGFP「了解」
サンタKCK「さぁ全滅させるわよ! キャハハハハハッ!」ドンッ!
サンタHTC『あのさー』
サンタKCK「貴方なんですの一体!?」
サンタHTC『あんたら、邪魔だから、どっか行ってくんない?』
サンタKCK「ッ! あなた、"昼行灯"でしょう! 私、以前から貴方は"ベファーナ"にふさわしくないって思っていましたの」
サンタHTC『そんなんどーでもいーよ。"ベファーナ"の艦は二隻ががむしゃらに戦うのに向いてない。だからあんたらはいらない』
サンタKCK「さっきからなんですの!? それじゃあ貴方がたが逃げればいいでしょう!」
サンタHTC『あー……そっか、そうっすかなぁめんどくせーし……』
サンタADR『ふッざけんじゃねえッ! アタシは逃げんのなんかヤだかんな!』
サンタHTC『えー……』
サンタKCK「あ、あのねぇ貴方! ふざけるのもいいかげんに……」
サンタBTR「お嬢様。ここは私にお任せください」
サンタKCK「……そうね。任せるわ! 『ユール・ラッズ』! 状況を報告!」
サンタTMR「《悪夢》残り10体! 右舷に敵-7、-12、-15、後方に敵-9、-11、-16、左舷に-10、-17、-5、-14!」カアアアアアアアアッ
サンタKCK「取舵! 左舷を撃破ののち転回、残りを正面にとらえるわよ!」
サンタGFP「了解っ!」
サンタBTR「先ほどは失礼致しました」
サンタHTC『いや? なんかあったっけ。まぁいいや』
サンタBTR「戦闘中につき挨拶が略式になることを御容赦下さいますようお願い申し上げます」
サンタHTC『はぁ。で、どしたの』
サンタBTR「先ほど貴方は仰られましたね。"ベファーナ"の艦は二隻ががむしゃらに戦うのに向いていない、と」
サンタHTC『言ったね』
サンタBTR「では、"ベファーナ"の艦二隻が連携して戦えば、如何でしょうか」
サンタHTC『………。そりゃあ上手くハマれば強いけどさー……』
サンタBTR「何か問題でも?」
サンタHTC『あんたらにできんの? うちらに合わせて戦うなんて』
サンタBTR「確かにそれは、」
サンタKCK「愚にもつかないことを口にしますのね! 私にできないことなんてありませんわっ!」ドンッドンッ!
サンタHTC『あっそう』
サンタKCK「キャハハハハッ! この私に任せなさい! ……で、なんの話かしら?」
サンタBTR「お嬢様……」
サンタHTC『じゃ、情報の同期、よろしく』
サンタBTR「承知致しました。情報同期を開始」
サンタADR『情報同期を開始。……情報同期を完了』
サンタKCK「え、なにをするの?」
サンタBTR「お嬢様、これより"ベファーナ"二隻による連携作戦を開始します」
サンタKCK「あらそう。では"昼行灯"の方、私のサポートよろしくお願いしますわ」
サンタHTC『なーにいってんだ。あんたらがうちらの駒だっつうの』
サンタKCK「なんですってぇ!?」
サンタKBG『"ソリ"残り一隻、《悪夢》はさらに15体に増加!』
サンタHTC『うっし。めんどくせーけど、やるかぁ』
サンタKCK「キャハハハハ! ぶち殺してさしあげますわッ!」
12月24日2250 ロッテルダム東部 上空約5000m
サンタHTC「あんたらは下、うちらは上、間隔は100mくらいで対象群を突っ切るぞ」
サンタRJS「りょぉっかーい☆」
サンタBTR『了解致しました』
サンタHTC「下、熱線回避よろしく。抜けたら左右に展開して分断した群れをそれぞれ叩く。おっと右から来るな」
サンタKBG「真空断層展開、回避機動に入ります!」
サンタHTC「いやいらねぇ。コンマ5秒くらいで当たらないしめんどい」
サンタKBG「了解、対象群に突っ込みます!」
サンタHTC「はい『ユール・ラッズ』斉射ぁー」
サンタLKD「ほっほ。わし大活躍じゃの」カアアアアアアアッ
サンタTMR『『ユール・ラッズ』斉射!』カアアアアアアアッ
サンタKCK『ちょっと! なに"昼行灯"の指示に従っているの! 貴方は私の犬でしょう!』ドカッゲシッ
サンタTMR『あッ痛っ、ありがとうございます!』
サンタBTR『お嬢様。はしたないですよ』
サンタADR「なにやってんだこいつら……」
サンタHTC「テンポ合わせろよー展開ー」
サンタKBG「了解!」ギュオッ
サンタGFP『了解!』ギュオッ
サンタHTC「ちびっこ。射界に入り次第、敵-11、敵-9、敵-23を狙え」
サンタRJS「はいはーいっ☆ そんじゃまずはCasperちゃん行っくよー!」ドンッ!
サンタKCK『負けませんわ!』ドンッドンッ!
サンタBTR『敵-24、-25、-11の撃墜を確認。敵-7、-16炎熱反応、本艦を指向しています』
サンタHTC「うっし。そっちは、高度下げて回避ー、『ユール・ラッズ』はあっちを援護ぉー」
サンタLKD「ほっほっほ、悪い子には木炭をプレゼントじゃ」カアアアアアッ
サンタGFP『真空断層展開、―――! 下方よりさらに《悪夢》接近しています!』
サンタRJS「あはっ☆」ドンッドンッ!
サンタHTC「回避機動からそっちは11時方向を狙え。こっちは敵-15、-12、-7で」
サンタKCK『私の力を見なさい! 私こそ"ベファーナ"にふさわしいですわ!』ドンッドンッ!
サンタKBG「Prancer爆散! "ソリ"全滅です!」
サンタRJS「んーっ? 砲身がアツアツかもぉ~?」ドンッ!
サンタBTR『敵-9、-23、-7、-16、-14、-26の撃墜を確認』
サンタLKD「ほれほれ、そっちに集めてやるぞい」カアアアアッ
サンタADR「艦長ォ、三門の砲身温度が許容値をオーバー! 充電速度55%低下!」
サンタKCK『ちゃんと間隔を開けないからそうなるのよ!』ドンッ!
サンタRJS「ごめんなさーい☆」
サンタHTC「三門冷却急いでー。『ユール・ラッズ』は熱線阻止に集中、撃墜はそっち頼んだー」
サンタGFP『了解!』
サンタKBG「敵-22、-21、-12に炎熱反応! 本艦を指向中!」
サンタHTC「あーめんどい。上昇して。あと真空断層展開」
サンタADR「来るぞッ!」
ズガアアアアアアンッッ!
サンタKCK『だいじょうぶですの!?』ドンッ!
サンタHTC「そっちは撃墜に集中しろ」
サンタADR「三門の冷却完了! いつでも撃てるぞガキ!」
サンタRJS「やったなーこのーっ☆」ドンッドンッ!
サンタBTR『敵-19、-22、-27撃墜。敵残り5体』
サンタHTC「うっし、予定通り。損害で大きいのある?」
サンタADR「ねえ! 直撃してねーからな」
サンタKCK『ここからどうしますの?』
サンタHTC「そっちは敵-21、-15を頼む。こっちは-20と-12だ」
サンタGFP『了解!』
サンタBTR『お嬢様、敵が射界に入ります』
サンタKCK『わ、わかってるわよ!』ドンッ!
サンタRJS「Balthasarちゃん、いっきまーす☆」ドンッ!
サンタKBG「敵-20、-15を撃墜、敵-12に炎熱反応!」
サンタLKD「熱いのは身体にこたえるからいやじゃのう」カアアアアアアッ
サンタKCK『キャハハハ! こっちを向きなさい《悪夢》! 穴をあけて差し上げます!』ドンッ!
サンタRJS「てやーっ☆」ドンッ!
サンタHTC「残り1体……やっぱ逃げねえよなぁ……」
サンタKBG「敵-10に炎熱反応、本艦を指向しています! 回避不能!」
サンタADR「ジジイッ!」
サンタLKD「ムリじゃよ。『ユール・ラッズ』の射程外じゃもの」
サンタHTC「悪いけど―――」ニヤリ
サンタKCK『墜ちなさいっ!』ドンッ!
サンタHTC「――2対1なんだよ」
12月24日2305 ロッテルダム東部 上空約2000m
サンタKCK「キャハハハ! 楽勝でしたわね!」
サンタTMR「すげえ、二隻と《悪夢》の動きをここまで予測したのか」
サンタGFP「"ベファーナ"でこんな戦い方ができるなんて……」
サンタHTC『うっし。そんじゃ俺らは休憩してくるから』
サンタRJS『ジュース飲みたーい☆』
サンタBTR「ありがとうございました。さすが軍師殿ですね」
サンタHTC『やめてくれ、そいつは昔のシゴトだよ』
サンタKCK「軍師?」
サンタBTR「左様です。多対多の戦術に長けた軍師の最高峰と名高かったのですよ」
サンタADR『こいつが? 本当なのか?』
サンタLKD『懐かしい話じゃなー』
サンタHTC『じいさんまで。もういいってその話は。ほらとっとと帰ろうぜ』
サンタKBG『了解。補給基地へ向かいます』
サンタBTR「またお会いしましょう」
サンタKCK「えっと、あの、み、見直しましたわ!」
サンタHTC『はいはい、じゃあなー』
サンタTMR「情報同期の解除を確認」
サンタGFP「さて、次はどこにいきます?」
サンタKCK「キャハハ! 決まってるわ、《悪夢》のいっちばん多いところよ!」
サンタBTR「お嬢様、紅茶でも入れましょうか」
サンタKCK「そうして頂戴!」
12月24日2310 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタIFM「閣下。本国の研究所より通信が入っております」
サンタZSS「おや。なにか面白いことでもあるのでしょうか。繋いでください」
サンタTCN『こちら阻害要因対策研究所。戦闘中の連絡、誠に申し訳ありません』
サンタZSS「構いません。どうしましたか、じいや」
サンタTCN『お久しぶりです。《悪夢》のエネルギー励起の原理を調べていた班が興味深い発見を致しましたので』
サンタKTE「エネルギー励起?」
サンタTCN『ええ、参謀長官殿。説明は班長のほうからしてもらいましょう』
サンタZSS「お願いしますね」
サンタTCN『ほら、挨拶をしなさい』
サンタURL『……ども。班長、デス』
サンタTCN『申し訳ありません、愛想のないもので』
サンタZSS「だいじょうぶですよ。発見について教えていただけますか?」
サンタURL『ハイ。……えっとー、総帥サンは、《悪夢》の体構造については……?』
サンタZSS「ある程度は」
サンタURL『じゃあ先に熱線につイテ。《悪夢》の攻撃方法のひとつである高熱熱線なんデスが、僕はその熱エネルギーが生み出される原理を調べてまシタ』
サンタKTE「ああ、あの熱線ですか……」
サンタZSS「おや。参謀長官はなにかいやな思い出が?」
サンタKTE「いえ、我々はずっとアレに苦しまされてきましたからね」
サンタZSS「そうですね。V.D.S.が開発されるまでは、直撃しなくても艦機能に支障が出たほどの高熱ですからね」
サンタURL『《悪夢》の放つ熱線は中心部が5000℃程度と推測されていマスが、熱エネルギーは収束していマスので、真空断層を挟めばかなり減衰できマスけどね』
サンタKTE「問題は真空断層に激突した熱線が巻き起こす爆発ですがね。"ジェド・マロース"はそこをクリアするための船ですが……」
サンタURL『それで、その高高熱を生み出すのはなんなノカ? というワケですが、ええと、これがどうやら、"心"、みたいなんデス』
サンタZSS「ほう」
サンタKTE「こころ? 《悪夢》に心がある、ということですか?」
サンタURL『違いマス。人間の怒りや憎しみ、恐怖といった負の感情が《悪夢》体内で熱エネルギーに変換されているようなんデス』
サンタKTE「それは……また、ずいぶんと」
サンタURL『もちロン、まだ仮説段階ではありマス。でもどうやらそもそも《悪夢》自体が心の変化したもの、といえそうなんデス』
サンタZSS「というのは?」
サンタTCN『それに関しては私から。心の深層には、個人差を越えた、より本質的で多くの人間が共有する集合的無意識というものがあります』
サンタKTE「聞いたことは、ありますが」
サンタTCN『この集合的無意識のなかの根源的な恐怖そのものが表象として結晶化し、外在的な存在となったものが《悪夢》のようなのです』
サンタZSS「つまり、あらゆる人間に通底する心の一部が《悪夢》になり、負の感情がそれに熱エネルギーを与える、と?」
サンタURL『《悪夢》はその表皮から、発露された負の感情を取り込み、体内で変換・増幅させてベクトルをそろえて射出しているようデス。
《悪夢》の体構造はこれに特化していマス』
サンタZSS「無線を傍受するアンプとスピーカーのようなもの、という感じですか」
サンタURL『そうデス』
サンタKTE「……信じられません。そんなことが実際にあるのですか。――それでは我々は、この戦いを終わらせることが出来ないではないですか!」
サンタZSS「参謀長官」
サンタKTE「そうではないですか! 人間の心が生み出すというのであれば、人間が絶滅しなければ《悪夢》は根絶できないということです! ……待ってください。おかしいです」
サンタURL『……なにがデスか』
サンタKTE「《悪夢》が人間の心から生まれるというのならば、もっと古代から存在していなくてはおかしいのでは? しかし《悪夢》が確認されたのはせいぜいが7、80年前といったところのはずです!」
サンタTCN『その通りです。《悪夢》が結晶化するには、数多くの人間が同時期に極度の負の感情を覚えることが必要です。
それまでは、堰のようなものがあり結晶化の閾値は大変高かったと考えられます。しかし、この堰を破るような大規模な事件が起こりました』
サンタKTE「なんだというのです」
サンタURL『――第二次世界大戦、デス』
12月24日2330 フリンブルク北西 上空約1000m
サンタDPB「そろそろ折り返しか」
サンタKDO「そォだな。もうすぐこの区域も配布完了するだろ」
サンタAQV「あ、はい、残り11件!」
サンタJMR「静かすぎる……」
サンタKDO「確かに不気味だなァ」
サンタCTE「東西では"ベファーナ"が戦闘してるけどなー。ここは音沙汰ねえな」
サンタAQV「………」カタカタカタ
サンタJMR「油断できねえ。あいつらは必ず俺たちを嗅ぎ付けるぞ」
サンタKDO「まァそう緊張しててもしゃーあんめえ。レーダー以外にゃ目視するしかねーけど、この夜闇だ。なんも見えやしねえよ」
サンタCTE「レーダー異常なし。サーモグラフィにも反応なし」
サンタAQV「よしっ! 曹長、プレゼント配布完了しました!」
サンタKDO「おう。先導分隊に報告ー」
サンタCTE「了解」
12月24日2335 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタSKM「"ジェド・マロース"ー2より通信! 《悪夢》接近中、距離およそ7とのこと!」
サンタZSS「"ジェド・マロース"全艦戦闘展開、"スネグーラチカ"発艦してください」
サンタSKM「"ジェド・マロース"全艦戦闘展開! "スネグーラチカ"発艦準備!」
サンタKTE「ついにここまで来ましたね」
サンタZSS「今年の正念場は、これからですよ。というわけで、申し訳ないのですが」
サンタTCN『いえ。ひとまず報告までとさせてください。それでは、ご武運を』
サンタZSS「ありがとうございました」
サンタURL『……どもデス』
サンタSKM「"スネグーラチカ"発艦せよ!」
サンタIFM「"ジェド・マロース"展開確認。"スネグーラチカ"発艦確認」
サンタZSS「それでは――踊ってもらいましょうか」
サンタKTE「戦闘開始!」
12月24日2345 北海上空 約3200m
サンタNPP「こちら広報部、今回は戦闘展開中の"ジェド・マロース"よりお送りしております」
サンタGWX「"ヴィチローク"(註:冷域展開装置の通称)の身支度は整ってんか?」
サンタKRY「おめかし完了してっぜ!」
サンタNPP「あの、すみません、"ヴィチローク"というのは?」
サンタGWX「あぁ、冷……なんとかかんとかっていうんだよ本当はさ。この船を中心にしてすっげえ寒くすんの。それはそうと姉ちゃん美人だな。一発どうだ?」
サンタNPP「い、いえ……ありがとうございました。この"ジェド・マロース"は今の説明のように、周囲に冷域を展開することで《悪夢》の熱線を無力化する役割を担った中隊です」
サンタDVE「黒豚(註:《悪夢》のこと)まで距離あと5!」
サンタGWX「"ヴィチローク"を蹴っ飛ばせぇっ! 糞ネズミ一匹たりとも旗艦にゃ近付かせねえ!」
サンタKRY「ヒャッハー! 戦闘だ!」
サンタDVE「黒豚どもの数……25! すべてに炎熱反応!」
サンタNPP「戦闘が始まりました。冷域を展開して、周囲の気温が急激に下がったために雪が降り始めています。見えますでしょうか」
サンタXWB「"スネグーラチカ"ぁ!」
サンタPRK『はいはいはい! いえーい! こちら可愛い可愛い"スネグーラチカ"ちゃんですっ! どうもどうも!』
サンタSRK『準備かんりょーしてるよー』
サンタRRK『―――……はい……』
サンタXWB「うるせぇーっ!」
サンタPRK『あららー! 女三人でかしましいっていうからねー! そこらへんは仕方ないよっ! ねっ! きゃっほう!』
サンタSRK『どー考えても姉さんひとりでしょウルサイのはー』
サンタRRK『―――……』
サンタXWB「敵は25体! 美味しく料理してやりゃあ!」
サンタPRK『もっちろん! まっかせておいてー! わーいっ! とくと見よ! 雪がきれいだー! ウォッカ飲みたいっ!』
サンタSRK『操縦はボクで撃つのは妹ちゃんだけどねー』
サンタRRK『―――……了……解……――』
サンタNPP「ええと、今のが"スネグーラチカ"、でしょうか?」
サンタGWX「おうとも! うちのは仲のいい三姉妹が乗ってる」
サンタPRK『呼んだー? ねえ呼んだ? いえーい、ぶいぶいっ! なになに? なーにーかーよーうーでーすーかーっ?』
サンタNPP「うざっ……あ、いえ、あの、防御の"ジェド・マロース"に対して"スネグーラチカ"は攻撃担当なわけですが、大事なことなどありますか?」
サンタPRK『"スネグーラチカ"に大切なこと! それはみっつあります!』
サンタNPP「は、はい」
サンタPRK『ひとつは気合い! もうひとつは根性! そして最後はもいっちょ気合いだーっ! えいえいおーっ!』
サンタSRK『ぜんぶ精神論じゃないかー』
サンタRRK『―――……』
サンタNPP「………。はい、"スネグーラチカ"でした。ありがとうございましたー」
サンタPRK『いえーい! 元気印! いつもにこにこ元気いっぱい、"スネグーラチカ"、"スネグーラチカ"をよろしくお願いしますっ! スミノフ!』
サンタSRK『もう、姉さん行くよー』
サンタPRK『はーいっ! 10時から3時まで敵、殲滅しちゃいまーすっ!』
サンタGWX「よォし、こっちも気合い入れてくぞ! 黒豚ちゃんの激しい求愛に応えてやらねーとな!」
サンタKRY「ヒャッハー! 腰が痛くなるまで相手してやるぜぇ!」
サンタDVE「熱線を5中和、冷域の温度上昇」
サンタRRK『―――撃つ……』カッ!
サンタPRK『敵-12、-15、-16、-19を撃墜っ! さすが我が妹! 素晴らしい! ウラー!』
サンタDVE「敵-8、-10、-14、-22から25まで炎熱反応!」
サンタGWX「旗艦への射線を塞げ!」
サンタSRK『次はこっち!』
サンタKRY「一途だねえ! 邪魔して悪りいけど、突き合ってくれや!」
サンタRRK『―――凍って……』カッ!
サンタNPP「わかりますでしょうか。前方を埋め尽くす《悪夢》が"スネグーラチカ"によって次々と撃墜されていきます。旗艦"聖ニコラウス"めがけて放たれた幾つもの熱線は"ジェド・マロース"の冷域で消滅しています」
サンタPRK『敵-8から11、-13と-14を撃墜っ! たーまやー!』
サンタDVE「敵8体増加しました! 熱線を12中和、冷域の温度さらに上昇!」
サンタNPP「"スネグーラチカ"の攻撃方法は、"ジェド・マロース"が防御場として使用している低低温を収束させて、線状にして放射したものです」
サンタPRK『わたしたちは"プリリエースヌイ"って呼んでるよ! 《悪夢》の熱線の冷たいバージョンだねっ! ひえひえ~! 当たったらぱきんぱきんと凍っちゃうのだーっ! ストロワヤ!』
サンタRRK『―――逃がさない……』カッ!
サンタGWX「2時の方向、上から来てるぞ!」
サンタKRY「させねえよ!」ギュオッ
サンタXWB「『ユール・ラッズ』!」カアアアッ
サンタDVE「敵-1から4、-7を撃墜! 敵-22から27、-31、-32も撃墜済み!」
サンタNPP「4組の"ジェド・マロース"と"スネグーラチカ"が縦横無尽に空を駆けて攻防を繰り広げています! 赤い熱線と青い"プリリエースヌイ"、白い『ユール・ラッズ』が夜闇を彩っているのが見えるでしょうか!」
サンタGWX「残り1匹!」
サンタRRK『―――さよなら……』カッ!
サンタPRK『敵-21、げっきつ~い! いえいっ! ミッションコンプリートぅ! バルティスカヤ!』
サンタNPP「……戦闘が終了した模様です、33体もの《悪夢》があっという間に全滅……凄まじい戦力です!」
サンタGWX「今のは第一波、物見みてえなもんだ。次はもっとどかんと来るぜェ?」
サンタKRY「あれで終わりなら"ヴィチローク"も欲求不満になっちまわあ! もっとアツくさせてもらわねーとな!」
サンタSRK『どんどん来いやー』
サンタNPP「えっ? ま、まだあれ以上のものが?」
サンタPRK『《悪夢》の数が三桁になってからが本番だよ! それまでは準備運動! それに、もっともっとすッごいのも見れるから、楽しみにしてていーよっ!』
サンタRRK『―――……』
12月25日0000 ヴルフラビー北部 上空約1000m
サンタAQV「よし、ここもプレゼント配布は完了!」ピッ
サンタKDO「先導分隊に報告。次に向かうぞ」
サンタDPB「イエー! ハッピーメリークリスマス!」
サンタCTE「イエー!」
サンタJMR「クリスマスイエー!」
サンタAQV「おおっイエー! メリークリスマス! イエ……え?」
サンタCTE「あん? どうかしたのか」
サンタAQV「月が見えないなぁ、って」
サンタKDO「月? ――! 《悪夢》だ! 上にいるぞ!」
サンタJMR「なんだ、あれ……あんなに遠いのに、なんてでかさだ……!」
サンタDPB「俺たちには気付いてないのか? まっすぐ北に向かってるな……」
サンタKDO「"聖ニコラウス"を狙ってんのか。ただちに旅団旗艦に報告!」
サンタCTE「了解!」
サンタAQV「でかすぎる……あんなのに勝てんのかよ……!?」
12月25日0010 北海上空 約3500m
サンタXWB「旗艦より通達。《七罪》を確認、到達までおよそ15分とのこと」
サンタGWX「来やがったかぁ!」
サンタNPP「《七罪》? すいません、《悪夢》ではないんですか?」
サンタGWX「ヒッヒ、《七罪》は俺たちの大本命、愛してやまねえボインちゃんよ」
サンタPRK『すっごくすっごくおっきな《悪夢》だと思ってくれればいいよ! ふつーの《悪夢》とは違う、それぞれ特徴を持った7体なの! ペルツォフカ!』
サンタSRK『大きさは《悪夢》の10倍くらいだったかなー?』
サンタNPP「10……!? "聖ニコラウス"と同じかそれ以上というわけですか!?」
サンタGWX「こいつぁ第二波から楽しめそうだ! 野郎ども! 情熱的に行こうぜ!」
サンタXWB「イヤッハー! 熱烈ファック! "壊れちゃうくらいイかせて"!」
サンタDVE「敵の数、29!」
サンタKRY「大乱交パーティの始まりだ! 俺の絶倫ぶりを見せてやる!」
サンタNPP「えーと……今のカットで……」
サンタGWX「"ヴィチローク"起動! "スネグーラチカ"!」
サンタKRY「"ヴィチローク"起動!」
サンタXWB「行け! "スネグーラチカ"!」
サンタSRK『あいあいさー』
サンタNPP「えー、もはやひしめくほどの数の《悪夢》です、口腔内の炎でまるで燎原の火のようです。あっ、"スネグーラチカ"が仕掛けました!」
サンタRRK『―――多い……』カッ!
サンタDVE「熱線、来ます!」
サンタKRY「通さねえっつうの!」
サンタPRK『敵-44、-47、-50から53を撃墜! きゃっほーっ! まだまだ行くよー! ストリチナヤ!』
サンタDVE「敵10体に炎熱反応! 熱線を3中和、敵さらに18増加!」
サンタSRK『1匹抜けた! 姉さんっ!』
サンタPRK『はーいっ! 出番? わたしの出番? いえーい! "トゥイースィチア"いきまーすっ!』ガガガガガガガガッ
サンタDVE「敵-41を撃墜! 火線を7中和、冷域の温度上昇!」
サンタNPP「"トゥイースィチア"?」
サンタXWB「"スネグーラチカ"のケツについた速射砲だ! 『シャープ』や『クランプス』と比べると見劣りするがな」
サンタPRK『ひっどーい! "トゥイースィチア"も強いんだからねーっ! あんまり出番ないけど!』
サンタXWB「まぁ"ジェド・マロース"にも『ユール・ラッズ』が二門積んであるしな。"プリリエースヌイ"は可動砲台だから射界はめちゃめちゃ広いし」
サンタDVE「敵-60から63、-69、-72を撃墜! 熱線を6中和!」
サンタSRK『あー《七罪》だー』
サンタDVE「こちらでも確認。avaritia《強欲》だと推測されます。口腔内に炎熱反応、エネルギー数値さらに上昇!」
サンタNPP「あれが《七罪》……! 大きな身体に四枚の翼、そして六本の肢を持っています! 異形です、異形の《悪夢》です!」
サンタGWX「"ヴィチローク"最大出力!」
サンタKRY「了解、"ヴィチローク"最大出力!」
サンタDVE「《強欲》、熱線発射!」
サンタSRK『逃げるよー』ギュウン
サンタPRK『わあーお! あんなに遠くから撃ってこの威力かーっ! すごすぎる!』
サンタDVE「冷域温度、急激に上昇中!」
サンタGWX「"スネグーラチカ"! 熱線を撃て!」
サンタRRK『―――了解……』カッ!
サンタNPP「見えますでしょうか! 《強欲》の巨躯から放たれた熱線を"ジェド・マロース"の冷域が抑え込み、"スネグーラチカ"の"プリリエースヌイ"がぐんぐん冷やしていきます! あぁっ、熱線が切れました! すごい!」
サンタGWX「《強欲》が次を撃つまでかなり時間があるはずだ。その間に雑魚を落とせ! 『ユール・ラッズ』は《強欲》を狙え!」
サンタRRK『―――増え、てる……』カッ!
サンタXWB「了解!」カアアアッ
サンタDVE「敵11体増加! 敵10体に炎熱反応、うち2体が本艦を指向しています!」
サンタGWX「わかってるだろうが、こっちを狙ってるのは回避して旗艦狙ってるやつを防げ!」
サンタKRY「了解! 見せてやるぜ、気違い蜂のダンス!」ギュオッ
サンタSRK『機動力なら負けないよー』ギュオオッ
サンタDVE「敵-64、-78、-81撃墜! 《強欲》エネルギー臨界まで残り10秒!」
サンタNPP「な、なんて機動なの……」
サンタKRY「まだまだ行くぜぇ!」ギュンッ ギュオッ
サンタDVE「《強欲》熱線、来ます!」
サンタGWX「"ヴィチローク"ッ!」
サンタKRY「"ヴィチローク"出力全開!」
サンタXWB「おらおらおらあっ!」カアアアッ
サンタRRK『―――……っ!』カッ!
サンタPRK『敵-82から84撃墜っ! そのまま熱線まで凍らせちゃうよ~! ぱきぱきーっ!』
サンタDVE「熱線、終息――《強欲》撃墜! よっしゃあ!」
サンタNPP「3隻もの"スネグーラチカ"が"プリリエースヌイ"で集中攻撃し、《七罪》の一角を落としました! 《悪夢》もすべて撃墜! 獅子奮迅の戦いぶりです!」
サンタGWX「ふいーっ、"ヴィチローク"出力落とせー」
サンタKRY「あいー」
サンタRRK『―――"プリリエースヌイ"砲塔短絡……放電……』
サンタSRK『機関温度上昇ー。ちょっと消耗してきたねー』
サンタGWX「第三波までの時間はどれくらいある?」
サンタDVE「20分程です」
サンタGWX「それだけあれば余裕だな」
サンタNPP「第二波では《強欲》が来襲しましたが、次はなにが来るとお考えですか?」
サンタGWX「《七罪》の来る順番はだいたい毎年決まっててな。さっきの《強欲》は先陣を切る傾向にあるんだ。二番手はたいていinvidia《嫉妬》。双頭の《悪夢》だ。
"ジェド・マロース"が"ベファーナ"と違って連携する部隊だってことを見せてやるよ」
サンタNPP「といいますと?」
サンタPRK『"ヴィチローク"の多重展開だよっ! 冷域同士を重ね合わせることで熱線をもっと冷や冷やにできるんだー! すごいでしょ! ルースキー・スタンダールト!』
サンタNPP「なるほど……」
サンタGWX「ここで守りきれなかったら、俺たちの後ろにゃあ旗艦しかいねえ! 俺たちは逃げ出すことはできねえ! くたばっても旗艦を守り抜くぞ!」
「「「おう!」」」
サンタSRK『ボクらもやるぞー』
サンタRRK『―――負けない……!』
サンタPRK『やってやるぜー! いえーっ! 負けないぞー! おーっ! 《七罪》がなんだー! こんちくしょーっ! クリスタル!』
小休止
12月25日0045 スヴラトカ南西部 上空約1000m
サンタAQV「へー、"ジェド・マロース"と"スネグーラチカ"は二隻で一対なのか」カタカタ
サンタCTE「ああ。というか"ジェド・マロース"一隻に"スネグーラチカ"一隻が搭載されてる、っていうほうが正確か」
サンタAQV「ふうん。で、その四対で"聖ニコラウス"を守ってるのか」カタカタ
サンタCTE「そういうこと。旗艦も真空断層で防御できるけど、攻性兵器はほとんど乗っけてないからな」
サンタAQV「あんなでっけえのにな。なにが積んであるんだっけ?」カタカタ
サンタDPB「サーバ。あれは特に通信において要衝なんだぜ」
サンタCTE「作戦行動で通信は重要だからなぁ」
サンタDPB「あとはデータ収集とかな」
サンタAQV「で、武器は? 武器なに積んでんの?」カタカタ
サンタDPB「主砲『三枚の金貨』と単分子ワイヤーだ。どっちもそうそう使われねーけどな」
サンタAQB「かっこよさそうだな……。よしっ、プレゼント配布完了!」
サンタKDO「オーケー。先導分隊へ報告しろ」
サンタCTE「了解」
12月25日0050 エディンバラ東部 上空約2000m
サンタFGU「こちらスコットランド師団エディンバラ旅団第27連隊! 旗艦応答せよ! 《七罪》が出現!」
サンタBRS「曹長ぉ……、もうだめです、高度を維持できませんッ!」
サンタKOC「なんだとぉ……っ!? クソ《七罪》がぁ! 総員退避準備!」
サンタDZM「退避はむりです曹長……! 演算装置凍結! 本艦の制御がききません!」
サンタFGU「繰り返す! 《七罪》出現! 本連隊は全滅! 白い《悪夢》が街を凍らせながらそちらへ接近している!」
サンタBRS「なんだあれ……なんなんだよ……! 周囲を冷やす《悪夢》なんてッ!」ガタガタ
サンタKOC「全員なにかに掴まれ! 墜落するぞ!」
サンタFGU「応答してくれえっ!」
ドオォ...ン
12月25日0055 北海上空 約3300m
サンタGWX「調子はどうだ」
サンタKRY「機関出力は90%程度、"ヴィチローク"は85%程度だな」
サンタGWX「よし。"スネグーラチカ"は?」
サンタXWB「機関出力は85%程度、"プリリエースヌイ"は80%程度ってところか」
サンタGWX「あっちも第三波が来るまでのあと10分で万全まで回復できそうだな」
サンタNPP「自信満々ですね。《七罪》対策は万全ということでしょうか?」
サンタKRY「ヒャッハー! 当ったりめぇよ!」
ピコン
サンタDVE「――!? 5時の方向に反応!」
サンタGWX「なんだと!?」
サンタNPP「あれ? 第三波まではまだ時間があるんじゃ……」
サンタGWX「くそったれが! 機首回頭! 《七罪》はいるか!」
サンタDVE「質量観測……――えっ!? 1体です! 《七罪》1体だけです!」
サンタXWB「1体ァ!? "スネグーラチカ"!」
サンタPRK『もう動いてるよ! 妹ちゃん! "プリリエースヌイ"の準備はっ?』
サンタRRK『―――まだ、完全じゃない……』
サンタGWX「機関全開! "聖ニコラウス"との間に割り込むぞ!」
サンタKRY「こんちくしょう! この早漏野郎がッ!」ギュオオッ
12月25日0100 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタZSS「これはこれは。困りましたね」
サンタIFM「"ジェド・マロース""スネグーラチカ"一対が4時方向に移動中」
サンタKTE「白い《悪夢》!?」
サンタZSS「出現頻度の低いluxuria《色欲》がこのタイミングで来ましたか。厄介ですね」
サンタKTE「最後に出現したのは10年以上前じゃないですか。どうして今年に!」
サンタZSS「《七罪》に訊くしかありませんね」
サンタIFM「前方より《悪夢》群接近。距離8。《七罪》を2体確認、《嫉妬》とgula《暴食》と推定されます」
サンタKTE「ほぼ同時に《七罪》が3体、ですって……!? 前代未聞です!」
サンタZSS「まったくですね。しかし我々は戦う他ありません――第一種戦闘態勢へ移行! 主砲発射用意!」
サンタSKM「主砲、発射用意!」
サンタKTE「『三枚の金貨』を撃つのですか!?」
サンタZSS「ええ。少しばかり数を減らしておきましょう。目標、前方の《悪夢》群!」
サンタGRC「エネルギー充填率90%!」
サンタPRA「主砲開口、照準開始します」
サンタRJD「安全装置を4thまで解除!」
サンタGRC「エネルギー充填率102%! 臨界突破!」
サンタPRA「前方《悪夢》群に照準。精度コンマ98」
サンタRJD「主砲、撃てますッ!」
サンタSKM「総員、衝撃に備えよ!」
サンタZSS「我々は負けませんよ、子供達にプレゼントを配り終えるまで―――撃て!」
サンタRJD「発射ァ!」ガチンッ
12月25日0105 北海上空 約3300m
キュアッ ズガアアアアアアアアアアアアアンッッ!
ドドドドゴォォォン! ドゴォン!
サンタGLO「こちら"ジェド・マロース"。"スネグーラチカ"聞こえるか」
サンタLOL『――…イズが……ザザッ――影響か…――』
サンタHYW「ヒューッ♪ すげえ威力だぜ『三枚の金貨』!」
サンタGKG「敵-92から144まで爆破を確認」
サンタKCX「《悪夢》が、ゆ、誘爆していく……あっ直接《七罪》を、ね、狙うのか!?」ドキドキ
サンタGLO「少尉。放射エネルギーが強すぎて通信障害が起きています」
サンタKCX「おっまっ、マジか、こ、困ったな」ワタワタ
サンタHYW「ガハハハハ! そのままぶっ殺せえ――えっ!?」
サンタGKG「《暴食》、『三枚の金貨』を――喰いましたッ!」
サンタHYW「なんだァあいつ!? あれが効かねェってのかよ!」
サンタKCX「《暴食》は、す、すべてを喰らう。し、正面からじゃ全部、あ、あいつの口に喰われる」
サンタHYW「なん――ッだよそれ!? それじゃどうやって墜とすってんだァ!?」
サンタLOL『ザザッ――ちら"スネグーラチカ"。"ジェド・マロース"応――答せよ』
サンタGLO「こちら"ジェド・マロース"。どうぞ」
サンタLOL『これより…ザザッ――チカ"が《暴食》の背後に回り……援護を頼むよ』
サンタKCX「り、了解。『ユール・ラッズ』援護し、してやってくれ」
サンタGLO「了解!」
サンタGKG「《嫉妬》に炎熱反応ッ! 本艦を指向しています!」
サンタHYW「させねェよ! 回避機動!」ギュオッ
サンタGKG「《嫉妬》が対象を変更、"スネグーラチカ"を狙っています!」
サンタGLO「"スネグーラチカ"! 気をつけろ!」
サンタGKG「《嫉妬》、熱線発射!」
サンタLOL『――さすがに気付ザザいるさ。こんな……ザッ…当たりはしな――』
サンタKCX「――よ、避けろォッ!」
サンタLOL『い――ザッ……ブツ』
ズガァァン
サンタHYW「!」
サンタGLO「"スネグーラチカ"っ!」
サンタGKG「す、"スネグーラチカ"爆散を確認……」
サンタKCX「《嫉妬》は首がふ、ふたつある。だ、だから熱線は二発撃てる……」
サンタHYW「ちくしょう! クソ《七罪》が! ぶっ殺してやる!」ギュンッ
サンタGLO「死ねえええええええ!」カアアアアアアアアッ
サンタKCX「ま、待て!」
サンタGKG「敵-145から152、-160に炎熱反応! 本艦を指向ッ!」
サンタHYW「く――!?」ゴオ
サンタKCX「し、衝撃にそな――」
ドガァン! ドォォォン!
12月25日0120 グレートブリテン島東 上空約2300m
カッ!
サンタPRK「やったー"プリリエースヌイ"っ《色欲》に直撃ーいえーっ! さっすが妹ちゃん!」
サンタNPP『白い《悪夢》です! 巨大な白い《悪夢》に"スネグーラチカ"の攻撃が命中しました!』
サンタRRK「―――……」
サンタXWB『油断すんなッ! やっこさんピンピンしてやがる!』
サンタSRK「だろうねー」
サンタNPP『なんということでしょう! 真白き《悪夢》・《色欲》! まったくダメージがありません!』
サンタPRK「わーおっカタいね~! でもまだまだ行くよおーっ!」
サンタRRK「―――撃つ……!」カッ!
サンタPRK「ひゃぁっほーう! またしても直撃! どぉーだ《七罪》!」
サンタSRK「んー」
サンタGWX『くそったれ……冷気を操る《色欲》に"プリリエースヌイ"は効かねえ……ッ!』
サンタSRK「あーやっぱりかー」
サンタRRK「―――……」
サンタPRK「うっそォーっ!? そんなのアリアリ!? ずっこいよー!」
サンタRRK「―――くっ……!」カッ!
サンタPRK「どぉーだっ!」
サンタDVE『だめです! 《色欲》、依然"聖ニコラウス"へ向け進行中!』
サンタPRK「ちぇーっショックー! ぶーぶー! あんなの反則だぞー!」
サンタNPP『"ジェド・マロース"と同じく《色欲》も周囲を冷やすようです。温度計の値がどんどん下がっています! ご覧ください、もはや雪ではなく雹が降り始めています!』
サンタGWX『こっちは『ユール・ラッズ』、そっちは"トゥイースィチア"で攻撃しろ!』
サンタXWB『それでやるしかねえな??!』カアアアアアアアッ
サンタSRK「姉さんー」
サンタPRK「おっけーまっかせろー! "トゥイースィチア"いっくぜー!」ガガガガガガガガガッ
ドドドォン!
サンタDVE『よしっ! 《色欲》の移動が止まりました!』
サンタNPP『光明が見えました! いえっ! ああ、驚きです! 《色欲》の姿はいまだ傷一つありません! こちらの攻撃はすべて周囲に浮かぶ氷塊に防がれたようです!』
サンタGWX『クソが……これじゃ足止めにしかならねえな……』
サンタDVE『《色欲》接近! 直接噛み砕きに来やがった!』
サンタNPP『ひいぃっ!』
サンタKRY『なめんじゃねえぜっ!』ギュオッ
サンタPRK「ほらほらこっちにおいで~?」ガガガガガガガッ
サンタSRK「まずいなー」
サンタRRK「………」
12月25日0140 グリーンランド 研究所
サンタURL「データの少ない《色欲》……ウフフ、興味深いデス」
サンタAKD「班長。結果が出ました」
サンタURL「どうなってまシタ? ……なァーるほど……」
サンタAKD「これで何が分かるのですか?」
サンタURL「《悪夢》は人間の負の感情を熱エネルギーに変換してるんデス。それは《七罪》だって同じハズ。でも《色欲》は違いマス」
サンタAKD「これまで10回程度しか出現例のない《七罪》ですよね。冷域を展開する能力があるとか」
サンタURL「そうデス。ほかにはなにもわかってナイ。《七罪》のなかでも二番目に謎が多い個体デス。しかし、」
サンタAKD「しかし?」
サンタURL「ひとつわかったことがありマス。《色欲》はふつうの《悪夢》と変換処理が反転してイル」
サンタAKD「……それは、」
サンタURL「そうデス。《色欲》には『三枚の金貨』レベルでないと通用しまセン。"ジェド・マロース"と"スネグーラチカ"では――《色欲》を倒せナイ」
12月25日0125 北海上空 約2700m
サンタKCX「げほっ! ひ、被害報告……っ!」
サンタHYW「機関出力30%、"ヴィチローク"出力25%まで低下!」
サンタGLO「表面第一から第三装甲融解! 艦内の温度上昇!」
サンタGKG「《嫉妬》に炎熱反応! 敵-145から158、-161、-163から170も同じく!」
サンタKCX「か、回避だ!」
サンタHYW「速度が――でねえ!」
12月25日0130 北海上空 約2300m
ドンッドンッ!
サンタKCK「キャハハハ! 命中ですわ!」
サンタBTR「《嫉妬》に命中および敵-149を撃墜。お見事です、お嬢様」
サンタTMR「お嬢様! わたくしめも熱線発射を阻止致しました!」
サンタKCK「よくやったわこの駄犬!」ゲシッ
サンタTMR「嗚呼っありがたき幸せ!」
サンタGFP「熱線来ます!」
サンタKCK「回避なさい、至急!」
ヒュッ
ズガアアアアンッ!
サンタLKD『ほっほっほ。その必要はないのじゃよ』カアアアアアアッ
サンタRJS『いっえーい! めーいちゅーっ☆』
サンタKCK「!」
サンタBTR「おや。これはこれは」
サンタHTC『よお、また会ったなぁ』
サンタADR『またアタシの報告をムシしてテキトーに走らせやがって!』
サンタKCK「キャハハハハ! この灼熱の戦場は私のものですわ!」
サンタHTC『ああそうかい、まぁがんばってくれ』
サンタKBG『敵-151、-154から156、本艦を指向しています!』
サンタBTR「敵-157、-165、-169が本艦を指向」
サンタKCK「キャハハッ! 『ユール・ラッズ』で牽制しながら上昇、砲口を下に向けなさい!」
サンタHTC『回避は任せる。ちびっこよろしく』
サンタRJS『いえっさー☆』ビシッ
サンタKBG『真空断層を4で展開、回避機動に入ります!』
サンタGFP「上昇します!」
12月25日0145 グレートブリテン島東 上空約2800m
サンタXWB「おらああああああああっ!」カアアアアアアアアッ
サンタPRK『ひゃっほーう!』ガガガガガガガガガガッ
サンタDVE「少尉!」
サンタGWX「なんだよ良い話を聞かせてくれよ?」
サンタDVE「東から《悪夢》の群れを引き連れて《七罪》が接近中!」
サンタGWX「……そいつァ良い報告だ! まったくクソったれてやがる!」
サンタKRY「ヒャッハー! 美人の《色欲》ちゃんに会いにきたのはどこのどいつ!?」
サンタDVE「acedia《怠惰》と推定されます!」
サンタXWB「けけけ! "マグロ"ってワケかよ!」カアアアアアアッ
サンタPRK『サーモン! サーモンの塩漬け! ウォッカよこせー!』ガガガガガガッ
サンタNPP「《怠惰》ですか?」
サンタGWX「ああ糞のつまったソーセージ野郎だ! いつもよりもお早いお出ましじゃねえか!」
サンタDVE「少尉、西からの接近を多数確認……これは――友軍です!」
サンタGWX「友軍!? スコットランド師団か!」
12月25日0150 グレートブリテン島東 上空約2000m
サンタKRP「我等スコットランド師団エディンバラ旅団!
恥ずかしながら《七罪》の前に成す術無く多くの犠牲を出した上その侵攻を許した!
その結果友軍"ジェド・マロース""スネグーラチカ"が苦戦している!
我等は自らの責をまっとうすべく! ここにその身を以て《七罪》を撃滅する覚悟である!」
「「「応!」」」
12月25日0155 グレートブリテン島東 上空約2700m
サンタKRP『――ここにその身を以て《七罪》を撃滅する覚悟である!』
『『『応!』』』
サンタKRY「なにを……するつもりだ?」
サンタGWX「あの大馬鹿野郎ども、まさか!」
サンタDVE「あっ!? エディンバラ旅団各艦が《色欲》に向かっていきます!」
サンタNPP「え、えっ? どうしてでしょう、《色欲》の周囲では制御が利かなくなるからでしょうか!?」
サンタXWB「ちげえ……あいつら!」
サンタGWX「――《色欲》に突撃して自爆するつもりだッ!」
サンタNPP「自爆!? そんなっ!」
サンタGWX「確かに《色欲》に"ソリ"や俺たちの攻撃は効かねえ。体当たりならまだ可能性はあるが……!」
サンタKRY「《色欲》の冷域のせいで脱出だってできねえはずだ!」
サンタDVE「ど、どうするんですか!?」
サンタGWX「くそっ……全力で《色欲》を足止めしろ! 少しでも命中率をあげやがれぇっ!」
サンタXWB「了解!」カアアアアアッ
サンタPRK『ラジャー! おねえさーん! 一旦停止をお願いしまーす!』ガガガガガガガッ
12月25日0210 北海上空 約2800m
サンタKBG「敵-205から208まで撃墜! 敵-204、-209から211、《嫉妬》に炎熱反応!」
サンタHTC「熱線は"ジェド・マロース"に任せろ。真空断層を1で展開。上空へと離脱」
サンタKBG「了解!」
サンタADR「艦長ォ、"ジェド・マロース"から情報同期の申請きてンぞー」
サンタLKD「モテモテじゃのう」カアアアアアアアッ
サンタRJS「ヒューヒュー☆」ドンッ!
サンタHTC「るせえな……お好きにお繋ぎ遊ばしやがれ」
サンタADR「あいあい。申請承認、情報同期開始」
サンタGLO『こちら"ジェド・マロース"、"ベファーナ"聞こえるか』
サンタKBG「熱線を回避! 敵10体に炎熱反応! うち4体が本艦を指向しています!」
サンタHTC「じーさん頼んだ。"ジェド・マロース"聞こえてるよ」
サンタLKD「ほっほう! 了解じゃ」カアアアアアッ
サンタGLO『こちらは"スネグーラチカ"を失い、機関出力も50%以上回復することは無い。我々にできることは囮くらいなものだが……』
サンタHTC「へーそりゃまいったね。"ヴィチローク"を頼りにしてんだけどな」
サンタGLO『不甲斐ない……』
サンタKCX『お、俺の責任だ。"スネグーラチカ"を失ったのも、本艦の損傷も……』
サンタKCK『ぐちぐちやかましいですわね! 情けないこと言ってるひまがあれば一匹でもあのクソ蠅を落としなさいな!』
サンタBTR『お嬢様、そのような下品な言葉遣いは慎んでください』
サンタHTC「ま、そーゆーこったね。熱線はなるべく残りの2隻のほうへ回すようにするから、援護を頼むわ」
サンタKCX『り、了解』
サンタKCK『さあもっともっとブチ殺しますわ! キャハハハハ!』ドンッドンッ!
サンタHTC「とりあえず双頭の《嫉妬》から落とすぞ。あんたらは左下から、うちらは左上からだ」
サンタKBG「了解!」ギュオ
サンタGFP『了解!』ギュオ
12月25日0230 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタZSS「さて、あと4時間くらいですかね」
サンタKTE「総帥! そんなのんびりと紅茶を飲んでる場合ですか! 前方に《嫉妬》と《暴食》、後方に《色欲》に続いて《怠惰》がいるのですよ!」
サンタZSS「そうですね。あ。そういえば残る《七罪》はなんでしたっけ」
サンタIFM「ira《憤怒》とsuperbia《傲慢》です。《傲慢》は今までに数度しか出現例がなく、ほとんど記録が残っていません」
サンタZSS「そうでしたそうでした。《憤怒》ですか。単分子ワイヤーの準備を」
サンタKTE「はい? はい、単分子ワイヤー起動準備!」
サンタSKM「単分子ワイヤー起動準備!」
サンタKTE「それで、今いる《七罪》にはどう対処するのですか」
サンタZSS「え? なにか必要ですか?」
サンタKTE「はッ?」
サンタZSS「《嫉妬》と《暴食》は"ベファーナ"を加えた"ジェド・マロース"らで倒せます。
《憤怒》が南から来る以上、主砲を後方に向けるわけにはいかないので、《色欲》と《怠惰》への攻撃はできません」
サンタKTE「それは、そうですが」
サンタZSS「みな、死力を尽くして戦っています。私は、彼らを信じますよ」
サンタKTE「……失礼しました。その通りです」
サンタIFM「総帥。東部と西部はプレゼント配布が90%、中央部は70%完了しました」
サンタZSS「ありがとうございます」
12月25日0245 スカゲラク海峡上空 約2000m
ドンッ! ガァァンッ
カアアアアアアアッ ドォン
「撃て、撃てえっ!」「左舷大破! 航行に支障アリ!」「Prancer爆散!」
「《七罪》を旗艦に近づけさせるなァッ!」「敵-8から19、-21に炎熱反応!」「敵-9を撃墜!」
サンタBZD「曹長ォ! これ以上戦線を維持できません!」ドガガガガガガガガガガガッ
サンタKPT「持ち堪えろ! 決して《七罪》を北海にまで侵攻させてはならん!」
サンタFLC「気温上昇! 雷撃、来ます!」
サンタKPT「真空断層を最大展開ッ!」
カッ ガリガリガリドォォォォォォォォン!
サンタEKL「ああっ! DancerとVixenに雷が直撃! 墜落します!」
サンタKPT「攻撃の手を緩めるな! ここを突破されれば数十の《悪夢》とともに、雷を起こす《七罪》が旗艦の背後をとることになる!」
サンタRMS「くそォッ!」ドンッ!
サンタBZD「うおおおおおおおおお!」ドガガガガガガガガガガッ
サンタFLC「敵-11を撃墜! 敵-20、-22から25に炎熱反応アリ、内3体が本艦を指向!」
サンタKPT「真空断層を5で展開! 回避しろ!」
サンタRMS「機関出力減少! 真空断層2で展開します!」
サンタFLC「敵-14を撃墜! 敵-23に捕捉されました!」
サンタBZD「やめろおおおおおおお!」ドガガガガガガガガガッ
サンタKPT「機関出力をV.D.Sに集中しろ!」
ドゴオオオオン!
あーあ間に合わなかった
今日はココまで
乙乙
緊張感で合いの手も入れらんない。
12月25日0240 グレートブリテン島東 上空約2800m
サンタNPP「ああ! また! もう十数隻が《色欲》へと突っ込み、そしてその身を護る氷塊に阻まれてダメージを通すことが出来ません!」
サンタXWB「ふッざけんなあああ!」カアアアアアアッ
サンタDVE「エディンバラ旅団残り25隻!」
サンタGWX「『ユール・ラッズ』と"トゥイースィチア"の狙いを集中させろ! 一カ所でも穴を空けられれば良い!」
サンタPRK『やってるけどぉ~っ! ぐるぐる動いちゃうんだもん!』ガガガガガガガガッ
サンタGWX「くそったれめ、どうする、なにか、なにかないのか!」
サンタNPP「《色欲》は依然、歩みを止めてこちらを直接攻撃してきます! エディンバラ旅団の命を賭した突貫もむなしく、その爪牙が迫ってきます!」
サンタKRY「ファッキン《七罪》!」ギュオッ
サンタGWX「……"プリリエースヌイ"であの氷を撃て」
サンタPRK『えっ?』ガガガガガガガガッ
サンタRRK『―――了、解……』カッ!
サンタSRK『ほへーそーゆーことかー。そんなうまくいくかなー?』
サンタXWB「おらおらおらおらあああっ!」カアアアアアアアアアアッ
サンタNPP「おお! 《色欲》の氷塊が"プリリエースヌイ"によって融合し、その動きが鈍重になっていきます!」
サンタDVE「エディンバラ旅団3隻が《色欲》を指向!」
サンタPRK『ひらけーっ! ゴマーっ!』ガガガガガガガガッ
サンタXWB「ぶち抜け『ユール・ラッズ』!」カアアアアアアアアアッ
サンタDVE「3隻――命中!」
サンタGWX「どうだ!?」
サンタDVE「氷塊、貫通! 穴があきました! あっ一気に5隻突っ込みます!」
サンタGWX「援護ォッ!」
サンタGWX「くたばりやがれえええええ!」カアアアアアアアアアアッ
サンタPRK『おねーちゃん大活躍ー! アブソルート!』ガガガガガガガッ
ドォン!
【ギアアアアアアッ! ゴアアアアアアアアアアアアッ!】
サンタNPP「うぅっ! 《色欲》の断末魔の叫びです! ご覧ください! 墜ちていきます!」
サンタDVE「《色欲》を撃墜! エディンバラ旅団残り17隻」
サンタKRY「ヒャッハー!」
サンタPRK『いやっほー! プレッシェイチェ!』
サンタGWX「よおしっ! 機首回頭! 《怠惰》へ向かう!」
サンタKRY「了解!」
12月25日0300 北海上空 約2600m
ブワァァ
サンタRJS「なにこれーっ☆」
サンタADR「《暴食》の吐いた煙か? くっ、通信障害だ! この煙、なんかタチわりいぞ!」
サンタLKD「《嫉妬》は簡単に墜とせたのにのう。これじゃなんも見えんわ」
サンタKBG「レーダーの反応が消失! 高度計その他計器類、まともに作動していません!」
サンタHTC「あっちゃー。こいつはまいったね」
サンタBTR『……ていま……ザザッ――殿……ブツッ』
サンタADR「だめだッ繋がらねえ!」
サンタRJS「艦長さぁーん☆ どうすればいいのー?」
サンタHTC「《悪夢》も《七罪》も捕捉できないときたか。さりとて適当に撃てば……」
ドンッ
サンタKBG「うわあっ!」ギュイッ
サンタADR「あのクソ女ァ! 見えねーのにバカみてえに撃ちやがってッ!」
サンタHTC「こうなるよなぁ。さて、どーしたもんかね」
サンタLKD「この煙の外に出ればいいんじゃないのかの?」
サンタHTC「ぶつかりたくないんだよなぁ……といってここに留まっててもぶつかられる可能性はあるか。よし、微速で上昇」
サンタKBG「了解」
サンタLKD「しっかしのう、正面からの攻撃しか吸収できないという弱点をこれで守っておるのか」
サンタRJS「賢いねっ☆」
サンタHTC「”ベファーナ”は《七罪》とはやりあわないだろっつって情報を寄越さねーからこういうことになるんだよなー。めんどい」
サンタKBG「艦長。煙を抜けます」
サンタHTC「うっし。ん……?」
サンタADR「あ? これは、どーいう状況だよ?」
サンタRJS「黒い……雪?」
サンタLKD「あの黒い煙、部分的に削れておるぞ。なんじゃろ」
サンタHTC「へぇ。あれは"ジェド・マロース"の冷域だな。二重展開で気温が急速に低下した部分の煙が固体化して雪みたいになってるんだ」
サンタADR「ッつーことは、"ジェド・マロース"ががんばればこのクソ煙を消せるってことか?」
サンタHTC「そーだけど、問題はその"ジェド・マロース"が3隻しかなくて、そのうちひとつは半分しか出力がでないことだがな」
サンタLKD「ちらちらとジャマじゃのう!」カアアアアアアアアアッ
サンタRJS「ねーねー☆ 撃っていー?」ワクワク
サンタHTC「うっし。"ジェド・マロース"が黒煙を掻き消すまでにすべての《悪夢》を墜とすぞ!」
サンタRJS「やたー☆」ドンッドンッ!
サンタKBG「了解!」
小休止
12月25日0325 ファーンスル南西 上空約2400m
サンタDVE「《怠惰》接近、距離8!」
サンタGWX「エディンバラ旅団を含めた総員に通達! 《怠惰》は半径5マイルに雷を落とす《七罪》だ。気温が上昇したら真空断層で防御しろ!」
『『「了解!」』』
サンタPRK『ねーねー"ジェド・マロース"と"スネグーラチカ"はV.D.S.ついてないけど、どーすんのー? ねーどーすんのーっ?』
サンタGWX「《怠惰》は雷撃能力を除けば普通の《悪夢》よりも脆い。一気に近付いて"プリリエースヌイ"を当てて終わらせる!」
サンタKRY「ヒャッハー! やってやるぜぇー!」
サンタXWB「"スネグーラチカ"! やるぞ!」
サンタSRK『まったくしかたがないなー』
サンタRRK『―――まか、せて……』
サンタGWX「よおし! 《怠惰》をぶっ殺してさっさと持ち場に戻ろうぜ!」
『『「応!」』』
サンタNPP「《色欲》を撃墜した"ジェド・マロース""スネグーラチカ"そしてエディンバラ旅団はそのまま《怠惰》を迎え撃ちます! しかしこの士気! 負ける気がしま――」
パチッ
ガリガリガリガリドォォォォォン!
サンタNPP「――ひゃあっ!?」ビクッ
サンタDVE「《怠惰》の雷撃が発動! 北欧師団壊滅!」
サンタPRK『ひょえええっ! あんなにたくさん雷が落ちるのーっ!? ヤバすぎー!』
サンタSRK『姉さん教練の映像で見たでしょー』
サンタGWX「行くぞ! 湿温度計に注意しろよ!」
サンタDVE「敵34体! 《怠惰》との距離およそ5!」
サンタNPP「巨大な積乱雲を伴って《怠惰》が姿を現しました! ああ! 手足も翼もありません! 《怠惰》は空中で身をくねらせる黒蛇です!」
ドンッ! カアアアアアッ ガガガガガガガガ カッ!
ゴォォォォン! ズドォン
サンタDVE「敵-3から8、-11から15、-22を撃墜! 友軍-5と-8爆散!」
サンタPRK『雷が怖くて"スネグーラチカ"が務まるかぁーっ! そんなもんには負けんっ! クレプカヤ!』ガガガガガガガガガッ
サンタRRK『―――……』カッ!
サンタKRY「そぉーらっ! "ヴィチローク"ッ!」
サンタNPP「北海の瀬戸際で"ソリ""ジェド・マロース""スネグーラチカ"、《悪夢》に《怠惰》が入り乱れて戦っています!」
サンタDVE「気温上昇ッ!」
パリリ
ズッ…ドォォォォォォン!
サンタXWB「"スネグーラチカ"!?」
サンタSRK『だいじょぶだよー』
サンタDVE「友軍-2から4、-12から15に落雷! 敵-1、-16から18、-23を撃墜! 敵8体に炎熱反応!」
サンタGWX「かまうな! 突っ込め! "プリリエースヌイ"は《怠惰》を狙え!」
サンタSRK『攻めるのは向いてないよー』ビュオッ
サンタRRK『―――がまん……』
サンタPRK『うおりゃああああ! かみなりなんてーこわくないー! こわくないったらこわくないーっ!』ガガガガガガガガガッ
サンタDVE「熱線を6中和、冷域の温度上昇! 友軍-3爆散! 敵-2、-9、-10、-19撃墜!」
12月25日0350 北海上空 約5700m
サンタRJS「ばきゅんばきゅーん☆」ドンッドンッ!
サンタLKD「ばしんばしーん!」カアアアアアアアアアッ
サンタADR「ジジイうるせえーッ!」ダンッ
サンタKBG「敵-252から255、-260撃墜! あっ"ベファーナ"です」
サンタHTC「やっと出てきたのか」
サンタKCK『この×××××ーっ! はっ!? 青空! 抜けました、抜けましたわ!』
サンタBTR『通信回復。レーダー他計器類回復。《悪夢》を感知』
サンタHTC「おーいさっさと手伝ってくれよ」
サンタBTR『おや。軍師殿』
サンタKCK『っ!? どういう状況ですの!?』ドンッ!
サンタHTC「えーと、あぁめんどくさいな」
サンタRJS「《悪夢》をみんなやっつけよーう! だよね☆」ドンッ!
サンタADR「雑だなオイ!」
サンタKCK『キャハハハハ! わかりやすいですわね! ぶちッ殺して差し上げますわ!』ドンッドンッ!
サンタADR「いいのかよ!」
サンタHTC「あーなんかいいやもう。がんばってくれ」
サンタLKD「ほっほっほ」カアアアアアアアッ
サンタTMR『『ユール・ラッズ』撃ちます!』カアアアアアアアアッ
サンタKBG「敵-257から259、-261から265撃墜! 敵-266から270に炎熱反応!」
サンタKCK『わたくしの獲物ですわ! キャハハハ!』ドンッドンッ!
12月25日0405 ファーンスル南西 上空約3600m
サンタPRK「敵-24から31まで撃墜だーっ! まだまだいっくよー!」ガガガガガガガガッ
サンタDVE『友軍-2、-4、-9から15、-18爆散! 同-20戦線離脱! 残り6隻!』
サンタSRK「もうちょっと……じゃまだー!」ゴウッ
サンタXWB『散れェゴミクズどもがァーッ!』カアアアアアアアアッ
サンタKRY『少尉ァ! "ヴィチローク"が機能しねえ!』
サンタGWX『《怠惰》は《色欲》とは逆に周囲の気温を上げることで積乱雲を作り出し、雷撃に最適な環境を作り出す! だから近付けば"ヴィチローク"による気温低下は効かなくなるッ!』
サンタRRK「―――そんな……」
サンタSRK「それって、ボクらにとって相性最悪じゃないかー」
サンタPRK「うわーほんとだよねーっ! 《色欲》も《怠惰》も取り合わせがサイアクすぎるよー! うにゃーっ!」ガガガガガガガガガッ
サンタNPP『なんということでしょう……"ジェド・マロース"にとっての天敵とでもいいましょうか、《怠惰》は"ヴィチローク"の機能を打ち消してしまうようです!
ちなみに、真空断層を持つ"ソリ"でも雷撃から免れ得ないのはなぜですか?』
サンタGWX『そりゃーねーちゃん、V.D.S.は基本的に持続力のねーもんだからだよ。原理上、ずっと真空状態を維持することはできねーから、雷に食い破られッちまうってわけさ!』
サンタNPP『なるほど、ありがとうございます』
サンタDVE『敵-21、-32から-34撃墜、友軍-17爆散! ――気温上昇!』
サンタPRK「雷が来るッ!」
パヂッ
ガリガリガリガリズゴォォォォォォォォォォンッ!!
サンタNPP『きゃああああああああっ!』
サンタSRK「"ジェド・マロース"ー!?」
サンタPRK「だっだいじょうぶ!?」
サンタDVE『う"あ"あ"あ"あ"あ"っ! 落雷っ! 艦制御に致命的な損害……ッ!』
サンタKRY『ぐう……っ! 機関停止! "ヴィチローク"も動かねえ!』
サンタGWX『戦闘を離脱するッ! お前はお嬢ちゃんを脱出艇へ連れて行け!』
サンタDVE『了解! こちらです!』
サンタNPP『は、はい、あ、うぅ、す、すみませ、』ブルブル
サンタXWB『クソが……今の雷撃でエディンバラ旅団も全滅だ……!』
サンタRRK「―――"ジェド・マロース"……!」
サンタGWX『行け! クソ《怠惰》ヤローはすぐそこだ! 俺た――』
カッ!
サンタGWX『ぐはっ!?』
サンタKRY『くそったれ! 熱線が直撃した! もう――』
ドゴォォォン!
サンタPRK「ば、爆散……う、うわああああ!」
サンタRRK「―――っ!」
サンタSRK「あいつだ、あの最後の《悪夢》が"ジェド・マロース"を!」
サンタPRK「死ね! 死ね! 死ねええええええええ!」ガガガガガガガガガッ
サンタSRK「敵-20を撃墜! 次はあいつだー!」ビュオッ
サンタPRK「《七罪》! 許さない、許せない、許すもんかあああああああああっ!」
サンタRRK「―――殺す……!」カッ!
12月25日0430 リンケビング北西 海上
カッ!
バァンッ!
サンタNPP「あっ、やりました! "スネグーラチカ"が《怠惰》を撃墜しました!」
サンタDVE「………」
サンタNPP「あ……。す、すいません」
サンタDVE「いえ」
サンタNPP「え、えぇと……」
サンタDVE「救難通信を出します。SOS。こちら"ジェド・マロース"緊急脱出艇。脱出のち北海に着水、現在海上で救助を待っている。SOS。こちら"ジェド・マロース"緊急脱出艇――」
サンタNPP「この戦い、どうなるのかしら……」
サンタDVE「―――よろしく頼む。先ほど戦闘を離脱したエディンバラ旅団が救助に来てくれるそうです」
サンタNPP「あっ、そうなんですか! よかった、これで助かりましたね」
サンタDVE「はい―――」ポロッ
サンタNPP「!」
サンタDVE「――ちくしょう、ちくしょう……!」ポロポロ
小休止。書き溜めなくなっちゃった。
失礼、今日はここまで。たぶん明日終わります
乙。
完結したら用語解説とか欲しいな。
12月25日0440 北海上空 約3200m
ドドドンッ!
サンタBTR「全弾命中。《暴食》を撃墜」
サンタKCK「キャハハハハハハ!」
サンタHTC『うっし。計算通り』
サンタKCK「なんだか貴方の思った通りに動かされたようで気に入りませんわね」
サンタTMR「屈辱的ですね!」ハァハァ
サンタGFP「嬉しそうだな……」
>>105
名前とかの元ネタってことかな?やってみる
サンタHTC『あんたがそう思うのも予想通りだよ。ま、助かったよ。ありがとな』
サンタKCK「はッ……べ、べつに貴方のためじゃありませんの!」
サンタHTC『俺たちは一旦補給に戻る。あんたらもそうしたほうがいいと思うけど。じゃあな』
サンタKCK「で、でも……なかなか頼りになりますわね!」
サンタBTR「……お嬢様、もう軍師殿はもうおられませんが」
サンタKCK「えっ!? ~~~っ! しっ知ってるわよ!」
サンタGFP「それで、どうしましょう? 軍師殿の言う通り、補給に戻った方が良い気がしますが」
サンタKCK「うー……」
サンタBTR「機首回頭。補給基地へ警戒機動で移動」
サンタGFP「了解」
サンタKCK「ちょっと!」
12月25日0445 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタIFM「閣下。ここまで、《強欲》《色欲》《嫉妬》《暴食》《怠惰》を撃墜。残るは《憤怒》と《傲慢》になります」
サンタZSS「はい。ありがとうございます。《憤怒》の来襲予測はいつになっていますか?」
サンタKTE「先に《傲慢》が来る可能性はないのですか?」
サンタZSS「《傲慢》は、今年現れたとしても必ず最後です。これは、勘ですけどね」
サンタKTE「はあ」
サンタIFM「再計算終了。《憤怒》の来襲は、0520±10と予測されます」
サンタZSS「ふむ。では、これより第二種警戒態勢へ移行。0505には第二種戦闘態勢へ移行予定とします」
サンタKTE「了解!」
サンタZSS「残りの戦力で《憤怒》を乗り切れるか……さて、がんばらねばなりませんね」
サンタIFM「それぞれ相方を失った"ジェド・マロース"と"スネグーラチカ"でひとまず着艦したようです。これが三対」
サンタKTE「《憤怒》は《悪夢》を統制し、支配下に置くのでしたね」
サンタZSS「それだけならばいいのですが、過去の記録からはもっと凄惨な能力を持っていることが予測されますよ」
サンタIFM「閣下。0545には欧州全土におけるプレゼント配布が完了する予定です」
サンタZSS「《傲慢》が出てくる前に帰投したいと思いますが」
サンタKTE「総帥。とりあえず、一息いれませんか?」
サンタZSS「名案ですね!」
12月25日0510 リヒテンシュタイン 上空約2300m
ズガァン!
ガガガガガガガガガガッ ドンッ!
サンタSPU「Vixen、Cupid、Blitzen爆散! 敵、本艦を指向ッ!」
サンタRCM「真空断層を展開! 熱線をすり抜けろ!」
サンタVRI「りょうかァい! ハ・ズ・レだ!」ギュオッ
サンタRCM「主砲、撃てェー!」
サンタFLT「『クネヒト・ループレヒト』撃ち――」
サンタSPU「敵! 正体不明のエネルギーが……っ!」
ドゴォォォォォォォンッ!
12月25日0515 アルトハイゼン北西 上空約3100m
サンタGRL「《悪夢》の群れ、接近中! 距離12! 数……およそ150! うち1体を《憤怒》と推定!」
サンタCPR「えーマジー!? 多すぎっしょーキモーイ!」
サンタFUZ「うじゃうじゃいやがるな……。道をあけつつ後退! 『三枚の金貨』の射線を塞ぐなよー」
サンタCPR「キモーイうざーいりょうかーい!」
サンタDKT「あっ?」
サンタGRL「"スネグーラチカ"が一隻、《悪夢》の群れに向かっていきます!」
サンタFUZ「あンの馬鹿野郎! 仇討ちのつもりか!」
サンタGRL「続いて"ジェド・マロース"も!」
サンタDKT「少尉。どうしますか? 我々も"ジェド・マロース"として援護すべきでは」
サンタCPR「えー!? あんなのに突っ込んじゃマジヤバでしょ! 信じらんなーい!」
サンタFUZ「………。後退を続行。援護はしない」
サンタDKT「了解」
12月25日0520 ワッデン海上空 約2700m
サンタRRK「―――嫌い。きらい、きらい、きらい――っ!」カッ!
サンタSRK「みんなまとめて凍ってしまえぇーっ!」
サンタPRK「死ねっ! 《悪夢》なんてぜんぶ死ね! ボロ屑のように死ねェーッ!」ガガガガガガガガガガッ
カッ!
ガガガガガガガガガガッ
サンタGLO『待て! 《憤怒》は《悪夢》を統制する! 奴らはほかの《悪夢》とは違うんだ! 突っ込んでは勝てない!』
サンタPRK「知るかっ! こいつらのせいで! 一匹残らず殺してやる!」ガガガガガガガガガガッ
サンタKCX『き、危険だ。"ヴィチローク"で動きを遅くして、た、対処すべきだ』
サンタSRK「関係ない! ボクがこの《悪夢》どもに追いつけないとでも!?」
サンタGKG『冷静にレーダーを見ろ! 《悪夢》は明確に陣形を組んでる! 俺たちは今そこに誘い込まれてるんだぞ!』
サンタRRK「―――憎い……!」カッ!
サンタHYW『ガハハハハハ! いいじゃねェか! 前も地獄、後ろも地獄! 周りはみーんな敵だらけ! 最ッ高だぜ!』
サンタGKG『なんだ……? 周囲の《悪夢》に正体不明のエネルギー反応! 警戒し――』
ドゴォォォォォォォン! ドゴォンドゴォォォォォォォォォン!
12月25日0530 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタIFM「閣下。"ジェド・マロース""スネグーラチカ"、《悪夢》の自爆に巻き込まれて……爆散しました」
サンタZSS「……『三枚の金貨』を発射」
サンタRJD「発射ァ!」ガチンッ
サンタKTE「異様ですね……こんなにも《悪夢》が整然と近付いてくるなんて。そしてあの爆発……」
サンタZSS「《憤怒》による支配の一環でしょうね。溜め込んだ熱エネルギーを解放して、大爆発を起こす――ひどいものです」
サンタIFM「《悪夢》およそ30体を撃墜! しかし……」
サンタZSS「《憤怒》には届きませんか。どうやら敵も被害を最小限に留めたようですし、『三枚の金貨』はあまり有効ではないようです」
サンタKTE「では、どうします」
サンタZSS「"ジェド・マロース"らは正面から迎え撃ってください。十分に距離をとって戦うこと。こちらは、《悪夢》が近付けば単分子ワイヤーを使ってください。指示を待つ必要はありません」
サンタKTE「了解しました」
12月25日0545 ヘルゴラント島上空 約3500m
サンタFUZ「戦闘開始! "ヴィチローク"ッ!」
サンタDKT「"ヴィチローク"起動!」
サンタCPR「"スネグーラチカ"も行っていいっしょ?」
サンタFUZ「ああ。《憤怒》の《悪夢》相手じゃ近付けないから、距離をつめられたら戻ってくるように」
サンタGRL「《悪夢》接近! 『ユール・ラッズ』の射程に入ります!」
サンタCPR「にゃっはっは! 撃っちゃうじぇーっ!」カアアアアアアアアアアッ
サンタGRL「敵4体撃墜! 熱線を5中和、冷域の温度上昇。《憤怒》に炎熱反応!」
サンタFUZ「おっしゃー。冷域の二重展開、もっかいやんぞ!」
サンタDKT「了解! もう一機の"ジェド・マロース"と"ヴィチローク"の同期を開始します!」
サンタCPR「ぎゃはは、マジ雑魚すぎー! 近付こうとしてるのが見え見えだぁってヴァ!」カアアアアアアアッ
サンタGRL「《憤怒》エネルギー臨界まで残り5秒!」
サンタFUZ「二重展開、発動!」
サンタDKT「二重展開発動!」
サンタGRL「《憤怒》熱線、発射! 冷域で抑え込むことに成功!」
サンタCPR「キターッ! おこ? ねぇおこなの? ふひゃはは!」カアアアアアアアッ
サンタGRL「敵7体撃墜! しかし敵、さらに56増加!」
サンタFUZ「きりがねえなこりゃ」
ドンッドンッ!
サンタKCK『キャハハハハハハハハハハッ!』
サンタFUZ「げっ。この高笑いは、さっきの"ベファーナ"か!」
サンタKCK『《悪夢》! 《悪夢》! 《悪夢》がいっぱい! キャハハハハ! 墜としますわ、墜としますわよ!』ドンッ!
サンタGFP『どのように動きますか?』
サンタHTC『そーだなァー、三門で穴を開けて『ユール・ラッズ』でこじあける感じか。深追いは禁物、角から削り落としてくぞ』
サンタKBG『了解!』
サンタRJS『わぁーっ、ほんっとに《悪夢》ばっかりだー☆』ドンッドンッ!
サンタFUZ「あいつらまた来たのかよ!」
サンタGRL「旗艦を包囲しようとする左右の鶴翼に対処しているようです」
サンタHTC『あーあ、もっと長く休憩しときたかったのに』
サンタADR『《七罪》が来たんだから戦わなきゃいけねーだろうがッ!』
サンタLKD『すっかり艦長の女房役じゃのう』
サンタADR『なに言ってんだジジイーッ!』
サンタLKD『ほっほっほ! 若いっていいのう!』
サンタFUZ「あいつら緊張感ってもんがねえのか!?」
サンタTMR『緊張感! いいですねぇ緊縛とか猿轡とか!』ハァハァ
サンタCPR「うえっ、ヘンタイじゃん! キモすぎ!」カアアアアアアッ
サンタTMR『ああっ! もっと罵ってください!』
サンタKCK『馬鹿なこと言ってないで《悪夢》を落としなさい!』ゲシッ
サンタTMR『痛気持ちイイ!』カアアアアアアアアッ
サンタFUZ「これだから"ベファーナ"の連中はいやなんだ!」
サンタBTR『まぁまぁそう言わず。暫くの間ですが宜しくお願いします』
サンタGRL「《憤怒》エネルギー値上昇! 旗艦を指向!」
サンタFUZ「冷域二重展開!」
サンタDKT「了解!」
12月25日0600 ズュルト西部 上空約2200m
サンタRJS「てやーっ☆」ドンッ!
サンタADR「砲身冷却、最大速度だ!」
サンタLKD「空が白んできたのう」カアアアアアアアアッ
サンタHTC「《悪夢》の数がいっこうに減らねーな。後続を断たないとジリ貧だぞこりゃ」
サンタMKE『ハッハー! お困りのようだな"ベファーナ"ッ!』
サンタHTC「え? 誰?」
サンタMKE『助けに来てやったぜ! "ソリ"が"ベファーナ"を助けるなんて、笑えてくるねぇ! ハッハー!』
サンタKBG「"ソリ"です! 南方からプレゼント配布を終了した船が多数増援に!」
サンタADR「はッ、"ベファーナ"に"ジェド・マロース""スネグーラチカ"、そんで"ソリ"か! 全戦力じゃねーかッ!」
サンタHTC「おー助かる助かる。これであのクソ単眼を追いつめられる」
サンタRJS「たんがんー?」ドンッ!
サンタLKD「《憤怒》は一つ目の巨大な《悪夢》じゃからな。その"眼"で《悪夢》を操るとされておる」
サンタHTC「あぁそうだ、《悪夢》に近付くと爆発するから気をつけてなー」
サンタMKE『あァ!? そいつァいい! 爆ぜろ爆ぜろォ! ハッハー!』
12月25日0610 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタIFM「東欧師団、バチカン旅団、スカンディナビア旅団、黒海旅団などが増援に到着しました」
サンタZSS「おやおや思った以上に数が集まりましたね。総数が《悪夢》を上回ったのではありませんか」
サンタIFM「はい、そのようです。後続の《悪夢》は"ソリ"が対処して――閣下! 《悪夢》が数体接近、距離2!」
サンタTKE「"ジェド・マロース"はなにをやっているのです!」
サンタZSS「さて。単分子ワイヤーで掃除してください」
サンタBBG「了解! 単分子ワイヤー起動!」スパパパパッ
サンタTKE「《悪夢》が輪切りに……!?」
サンタZSS「充填完了しましたか? ――よろしい。総員に退避命令。『三枚の金貨』を撃ちます」
サンタSKM「退避命令、通達します」
サンタRJD「『三枚の金貨』、撃てますっ!」
サンタZSS「退避を確認次第、発射。――さようなら、《憤怒》」
キュアッ ドドドドドドドドドドゴォォォォォォォォォォンッッッ!
12月25日0635 クルンメルン北部 上空約2400m
サンタTMR「いやーそれにしても、《憤怒》もけっこう簡単に墜とせちゃいましたね。さすが『三枚の金貨』!」カアアアアアアッ
サンタKCK「まったくもう。もう少し《悪夢》を残しておいてくださればよかったのに。これではただの残党狩りですわ」
サンタGFP「もうすぐ夜明けですし、いいじゃないですか平和で」
サンタKCK「ふんっ! つまらないわ。ねえ、紅茶でも入れなさい!」
サンタBTR「は、――――い?」
??【嗚呼、退屈極まりないな】ズボッ
ドサッ
サンタKCK「えっ?」
サンタTMR「何者だ! どこから入った!」
サンタBTR「ごぼっ! げほっ!」
??【我は総ての恐怖の頂点。ヒトの罪の源。悪にして魔の皇。貴様らを殺戮しに来た】
サンタGFP「まさか、《悪夢》――《傲慢》!?」ボギィッ
《傲慢》【滅びよ】シュン
サンタTMR「消えた!? くそっ!」
サンタKCK「ねえ! ちょっと! 返事をしなさい!」ガバッ
サンタBTR「お嬢、さま、はッ、はぁっ! どこ、に、おら、れます、か」
サンタKCK「ここにいますわ! ああっ血が! 血が止まりません! そんな!」
サンタTMR「嘘だ……そんな……」
サンタBTR「も、申し、訳、あり、ま、せん……げほっ! おじょ、う、さま。お、じょ、さ、――――」ガクッ
サンタKCK「いやああああああああああああああああああああ!」
12月25日0640 北海上空 約5200m
サンタFUZ「よーし、"スネグーラチカ"を帰還させろ」
サンタDKT「了解。"スネグーラチカ"、聞こえるか?」
サンタGOW『――いやだッしにたくない!』
サンタFUZ「!?」
サンタDKT「"スネグーラチカ"!? 応答しろ! "スネグーラチカ"!」
サンタCKV『来ないで! 来ないでぇっ! やめ――ぶぴゅ』
サンタGRL「"スネグーラチカ"爆散!? いったい何が」
《傲慢》【ごきげんよう】ブチィッ
サンタGRL「あっ? え?」ブシュウ
サンタCPR「ひぃっ! 首、首が!」ガタタン
《傲慢》【煩いな】ヒュッ パキャ
サンタDKT「おええええっ」
サンタFUZ「こ、こいつ、こいつが!」
《傲慢》【畏れよ】ヒュッ
12月25日0645 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタKTE「な、なんですかあれは!」
サンタIFM「《傲慢》と推定されます! "ジェド・マロース""スネグーラチカ"が二隻とも爆散したのも奴の仕業かと!」
サンタZSS「出てきてしまいましたね、《傲慢》が」
サンタKTE「あれが《傲慢》!? あれはヒトですよ! ヒトが空中に浮いている!」
サンタZSS「《傲慢》は人型の《悪夢》……いえ、あれは悪魔です」
サンタIFM「各分隊が総攻撃をしかけていますが、ダメージを与えられません!」
サンタKTE「空中を歩いてきますよ!? ああッ! "ソリ"が爆発していく!」
サンタZSS「『三枚の金貨』を撃ちます!」
サンタRJD「了解ッ!」
12月25日0650 北海上空 約2900m
サンタKBG「なんだ、あれ!?」
サンタHTC「あれが《傲慢》、なのか……?」
サンタRJS「あたってるよね? どうして効かないのーっ☆」ドンッドンッ!
サンタLKD「『ユール・ラッズ』も効かん。どういう原理じゃろう?」
サンタADR「通信も混乱してる。どうすんだよ艦長ッ!」
サンタHTC「そうだなぁ」カチャ
サンタADR「なんのつもりだ……? オイ!」
サンタRJS「艦長さん!? 拳銃なんて、どうするの!?」
サンタHTC「……」パァン!
サンタADR「っ……え? アタシ、じゃ、ねーのか…?」
《傲慢》【無駄な足掻きだ。貴様は無力である】ポイッ
サンタHTC「ちっ。弾を指でつまむなんて、映画かなんかか」
サンタLKD「なにを、するつもりじゃ……?」
《傲慢》【総ての希望を閉ざし、人類を無明の闇へと還す】ヒュッ
サンタRJS「消え、ちゃった」
サンタHTC「めんどくせえな……」
12月25日0655 北海上空 旗艦"聖ニコラウス"
サンタKTE「総帥!」
サンタZSS「はじめまして。私が総帥です」
《傲慢》【はじめまして。我が原罪である】
サンタZSS「紅茶でも飲みますか? それともコーヒー?」
《傲慢》【滅びるがいい】
サンタZSS「残念ですねえ。もうお別れとは」
《傲慢》【なに?】
サンタZSS「いやあ綺麗な朝陽だ。そう思いませんか」
《傲慢》【………。ふん。来年こそ、貴様らを滅ぼし、人類に絶望を齎してやろう】
サンタZSS「もう勘弁ですね、本当に」
《傲慢》【さらばだ】ヒュッ
サンタZSS「くたばれ」
12月25日0700 欧州全土
「おわったぞー!」「朝だぁー!」「おつかれさん! いやーお疲れ!」
「うおー!」「今年もようやく終わったかぁー」「ふいーっ!」「やったぁー!」
「「「ハッピーメリークリスマス!」」」
おしまい
ありがとござましたー
乙
ちょっとだけ元ネタ解説
Donner、Vixen、Blitzenなど
:サンタの乗るソリをひくトナカイの名前。ちなみにRudolphが赤鼻のトナカイ。
クネヒト・ループレヒト
:古いドイツにおける「黒いサンタクロース」。悪い子をこらしめる役割を持つ。
シャープ、クランプス
:ドイツで聖ニコラウスとともに練り歩く怪人。悪い子におしおきする。
ベファーナ
:イタリアの魔女。エピファニアの日に良い子にはプレゼント、悪い子には炭を靴下に入れる。
Melchior、 Balthasar、Casper
:エピファニアがちなむ、幼子イエスを訪問した東方の三博士の名前。
ユール・ラッズ
:アイスランドの「悪いサンタクロース」。サンタというよりも妖精のような存在。
13人おりそれぞれ個性がある。"ベファーナ"の13門はこれにちなみ、"ジェド・マロース"の2門はその両親にちなむ。
聖ニコラウス
:ミラのニコラウス。サンタクロースの原型のひとつでキリスト教における聖人。
ジェド・マロースとスネグーラチカ
:ロシアにおけるサンタクロース。ジェド・マロースДед мороз(吹雪、寒波爺)と孫のスネグーラチカСнегурочка(雪娘)
ヴィチローク
:ロシア語で「そよ風」
プリリエースヌイ
:ロシア語で「かわいい」
トゥイースィチア
:ロシア語で「1000」
三枚の金貨
:貧しい家の三人娘を身売りから助けるために三度、金貨を一枚ずつ煙突から投げ入れて娘らを助けたという聖ニコラウスの伝説より。
単分子ワイヤーにもなんかあった気がするけど忘れた。
あとサンタPRKが叫んでるのはウォッカの銘柄。プレッシェイチェだけは「(長い間あるいは永遠の別れの際の)さようなら」というロシア語。
完結乙乙乙!!
サンタさんスパシーボ!!
完結乙
乙
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